JP2016065634A - ラジアルころ軸受用保持器及びラジアルころ軸受 - Google Patents

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【課題】軸受内部に潤滑油を十分に供給できるラジアルころ軸受用保持器及びラジアルころ軸受を提供する。【解決手段】ラジアルころ軸受用保持器は、一対の円環状のフランジ部14,15と、フランジ部の円周方向に沿った複数個所に並設された複数の柱部16とを有する。円周方向に隣り合う一対の柱部16と一対のフランジ部14,15によって画成される複数のポケット12に、それぞれころ13が転動自在に保持される。一対のフランジ部14,15のうち少なくともいずれかのフランジ部は、複数のポケット12のうち少なくとも一部の軸方向端部の外周縁に、径方向内方に切り欠いた窓部17が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ラジアルころ軸受用保持器及びラジアルころ軸受に関する。
一般に、自動車用変速機の変速ギア支持部やシャフト支持部等の各種の機械装置には、ラジアルころ軸受が使用されている。従来のラジアルころ軸受用保持器としては、複数のポケットに、ころがそれぞれ転動自在に保持されたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このラジアルころ軸受用保持器は、互いに間隔をあけて平行に配置された一対の円環状のフランジ部と、一対のフランジ部を相互に連結する複数の柱部とを備える。これら円周方向に隣り合う一対の柱部及び一対のフランジ部によって、ころを収容するポケットが画成されている。
特開2009―156391号公報 特開2010−270884号公報
しかしながら、特許文献1、2のラジアルころ軸受においては、軸受側面の潤滑油通過面積の多くが保持器のフランジ部で覆われている。そのため、フランジ部の存在によって軸受内における潤滑油の貫通性が不足し、軸受及び周辺部品へ十分な量の潤滑油を供給できないことがあった。
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、軸受内部に潤滑油を十分に供給し、軸受の潤滑性能を向上させて、摩耗や焼き付きの生じにくい構造できるラジアルころ軸受用保持器及びラジアルころ軸受を提供することにある。
本発明は下記の構成からなる。
(1) 互いに間隔をあけて平行に配置された一対の円環状のフランジ部と、前記フランジ部の円周方向に沿った複数個所に並設され前記一対のフランジ部を相互に連結する複数の柱部とを有し、前記円周方向に隣り合う一対の前記柱部と前記一対のフランジ部によって画成される複数のポケットに、それぞれころが転動自在に保持されるラジアルころ軸受用保持器であって、
前記一対のフランジ部のうち少なくともいずれかのフランジ部は、前記複数のポケットのうち少なくとも一部の軸方向端部の外周縁に、径方向内方に切り欠いた窓部が形成されたことを特徴とするラジアルころ軸受用保持器。
(2) 互いに間隔をあけて平行に配置された一対の円環状のフランジ部と、
前記一対のフランジ部の間にあって前記フランジ部と平行に配置された円環状の内側突出部と、
前記一対のフランジ部のうち一方のフランジ部と前記内側突出部を連結し、円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部と、
前記一対のフランジ部のうち他方のフランジ部と前記内側突出部を連結し、円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部と、を有し、
前記円周方向に隣り合う一対の前記柱部と前記一方のフランジ部と前記内側突出部によって画成される複数のポケットと、
前記円周方向に隣り合う一対の前記柱部と前記他方のフランジ部と前記内側突出部によって画成される複数のポケットとに、それぞれころが転動自在に保持されるラジアルころ軸受用保持器であって、
前記一対のフランジ部のうち少なくともいずれかのフランジ部は、前記複数のポケットのうち少なくとも一部の軸方向端部の外周縁に、径方向内方に切り欠いた窓部が形成されたことを特徴とするラジアルころ軸受用保持器。
(3)上記(1)又は(2)に記載のラジアルころ軸受用保持器と、
前記ラジアルころ軸受用保持器の前記複数のポケットにそれぞれ保持される複数の前記ころと、
を有することを特徴とするラジアルころ軸受。
本発明によれば、軸受内部に十分な量の潤滑油を供給し、軸受の潤滑性能を向上させて、摩耗や焼き付きの生じにくい構造の、ラジアルころ軸受用保持器及びラジアルころ軸受が得られる。
本発明に係る実施形態を説明する図で、ラジアルころ軸受の外観斜視図である。 図1のラジアルころ軸受の一部を拡大した一部拡大斜視図である。 ラジアルころ軸受のころ中心線を通る径方向断面を模式的に示す断面図である。 第2の構成例のラジアルころ軸受における一部を拡大した一部拡大斜視図である。 第3の構成例のラジアルころ軸受におけるころ中心線を通る径方向断面を模式的に示す断面図である。 第4の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。 第5の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。 第6の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。 第7の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。 第8の構成例のラジアルころ軸受における柱部を通る径方向断面図である。 第8の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。 第9の構成例のラジアルころ軸受における柱部を通る径方向断面図である。 第9の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。 第10の構成例のラジアルころ軸受における柱部を通る径方向断面図である。
以下、本発明に係るラジアルころ軸受用保持器及びラジアルころ軸受の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<第1の構成例>
図1は本発明に係る実施形態を説明する図で、ラジアルころ軸受の外観斜視図を示す。ラジアルころ軸受100は、保持器11と、保持器11の各ポケット12に保持される複数のころ13とを有する。
以下、本明細書では、ラジアルころ軸受100の回転軸の方向を軸方向、回転軸に直交する方向を径方向と呼称する。また、回転軸に沿った軸受の内側中心に向かう側を軸受内側と呼称し、回転軸に沿った軸受の外側を軸受外側と呼称する。
保持器11は、一枚の鋼板材料の折り曲げ加工、又は樹脂材料の一体成形加工により得られるM型保持器である。保持器11は、互いに間隔をあけて平行に配置された一対のフランジ部14,15と、フランジ部14,15の円周方向に沿った複数個所に並設される複数の柱部16とを有する。複数の柱部16は、一対のフランジ部14,15を相互に連結する。円周方向に隣り合う一対の柱部16及び一対のフランジ部14,15により画成されるポケット12は、それぞれ、ころ13が転動自在に保持される。
ころ13は、端面形状が図示例では平面であるが、球面であってもよい。端面が球面のころの場合、定格荷重は下がるが、より潤滑油を引き込みやすくなり、高速性、低トルク性に優れた構成にできる。
柱部16は、軸方向の中央部領域と端部領域との外形寸法がそれぞれ異なっている。柱部16は、軸方向中央部における相対的に小径となる柱中央部16aと、軸方向端部における相対的に大径となる一対の柱端部16b,16bと、柱中央部16aと各柱端部16bとの間にそれぞれ位置する一対の柱傾斜部16c,16cとを含んで構成される。
図2にラジアルころ軸受の一部を拡大した一部拡大斜視図を示す。
フランジ部14,15は、複数のポケット12のうち少なくとも一部の軸方向端部の外周縁に、径方向内方に切り欠いた窓部17が形成されている。つまり、窓部17は、ころ13の軸方向端部におけるポケット12を、保持器11の径方向内方に向けて延長している。
窓部17は、ポケット12の軸方向両端の外周縁にそれぞれ形成されている。本構成では、全てのポケット12に対して窓部17を形成しているが、複数のポケット12のうちいずれかのポケット12にのみ形成する構成であってもよい。
一対のフランジ部14,15は、ころ13の端面の直径より小さな径方向幅を有する円環状に形成されている。各フランジ部14,15は、ころ13に対面する窓部17の領域が、他の領域よりも狭い径方向幅となる。つまり、保持器11の端面から見たフランジ部14,15は、ころ13の端面に対面する周方向位置が窓部17によって切り欠かれ、ころ13の端面の一部が軸方向に露出する。
図3に、ラジアルころ軸受のころ中心線を通る径方向断面を模式的に示す。ラジアルころ軸受100は、ハウジング19と、回転軸20との間に配置される。ラジアルころ軸受100の軸方向における一方の端部(図中右側)から潤滑油が供給されると、潤滑油は図中FL1で示すように、保持器11の窓部17Aの存在する側から軸受内側に流入する。また、フランジ部14の回転軸20との間の隙間からも、図中FL2で示すように、潤滑油が軸受内側に流入する。
軸受の他方の端部(図中左側)からは、軸受内側に流入した潤滑油が、ころ13の転動面に供された後にフランジ部15側の窓部17Bから図中FL3で示すように排出される。また、フランジ部15の回転軸20との間に隙間からの潤滑油が図中FL4で示すように排出される。なお、潤滑油は、図示しないころ間においても、フランジ部14,15とハウジング19との間の隙間から軸受内側に流入し、軸受内側から流出する。
本構成の保持器11によれば、フランジ部14,15に窓部17A,17Bが形成されることによって、潤滑油が軸受内外を流動する流動抵抗が低下し、軸受の端面側から軸方向に沿った潤滑油の流れがスムーズになる。このため、軸受内側により多くの潤滑油が流入して、軸受外側へ流出する。その結果、窓部17A,17Bが存在しない場合に比べて軸受内部の貫通油量が増加し、軸受の潤滑性能を向上でき、軸受の摩耗や焼き付きの発生を防止できる。また、窓部17A,17Bを設ける場所を任意に選定することで、潤滑油の流動方向を任意に変更でき、所望の潤滑油の流れにすることができる。
また、フランジ部14に窓部17A,フランジ部15に窓部17Bを設けることにより、軸受内部の貫通油量が増加するため、仮に、ころ13の軸長が長い、定格荷重の大きいタイプのラジアルころ軸受を使用する場合であっても、軸受内部の貫通油量を増加できる。そのため、ころ13の転動面全長にわたって潤滑油を確実かつ安定して供給できる。
そして、複数のポケット12の全てに窓部17A,17Bを形成することにより、軸受全体としての貫通油量を増加できる。
さらに、本構成の保持器11は、一枚の鋼板材料の折り曲げ加工により形成することで、必要最小限の材料で低コストで製造できる。また、樹脂材料の一体成形加工により形成することで、任意の形状に軽量化して製造できる。
<第2の構成例>
次に、ラジアルころ軸受の第2の構成例を説明する。
図4は、第2の構成例のラジアルころ軸受における一部を拡大した一部拡大斜視図である。なお、以下の説明においては、図1から図3と同一部材に対しては、同一の符号を付与することで、その説明を省略又は簡略化する。
本構成のラジアルころ軸受200は、保持器11Aの窓部17を一対のフランジ部14,15のうち、一方のフランジ部(図示例ではフランジ部14)にのみ設けている点以外は、前述のラジアルころ軸受の構成と同様である。
本構成のラジアルころ軸受200によれば、一方のフランジ部14にのみ窓部17が設けられた構成であっても、潤滑油が窓部17から軸受内側に流入するため、軸受の窓部17が存在しない場合に比べて軸受の貫通油量を増加させることができる。よって、この場合でも軸受の摩耗や焼き付きの発生を防止する効果が得られる。
また、フランジ部の一方にのみ窓部17が存在するため、ハウジングや回転軸に、ころ軸受を組み込む方向を識別することができる。
<第3の構成例>
図5は、第3の構成例のラジアルころ軸受におけるころ中心線を通る径方向断面を模式的に示す断面図である。本構成のラジアルころ軸受300の保持器11Bは、フランジ部14に窓部17Aが形成され、フランジ部15に窓部17Bが形成されている。また、各窓部17A,17Bの径方向の幅は、互いに相違している。フランジ部14に形成された窓部17Aの径方向の幅をX1、フランジ部15に形成された窓部17Bの径方向の幅をX2とすると、各幅はX1>X2の関係を有している。
本構成のラジアルころ軸受300によれば、フランジ部14,15の各窓部17A,17Bの開口面積を異ならせることで、各窓部17A,17Bを通じての潤滑油の流入、流出の流量を増減調整できる。つまり、径方向の幅が大きい窓部17Aは潤滑油の流量が多く、小さい窓部17Bは潤滑油の流量が少なくなる。そのため、窓部17A,17Bの開口面積を増減調整することで、軸受内側の潤滑油の流動経路を任意に設定でき、潤滑油を所望の部位へ選択的に導くことができる。これにより、軸受内全体の潤滑油の流れを任意に生成でき、軸受の潤滑性を一層向上できる。また、一つのころ13に対応する窓部17A,17Bの開口面積を異ならせることに加えて、複数のころ13の並ぶ円周方向に対しても任意に窓部17A,17Bの開口面積を変更することで、軸受全体としての潤滑油の流動経路を所望の経路に変更できる。
<第4の構成例>
図6は、第4の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。本構成の保持器11Cは、フランジ部14(フランジ部15も同様)の窓部17が形成された部位の外周側面31の円周方向に沿った両隅部に、曲面状の面取り部33,33を設けている。
この保持器11Cによれば、フランジ部14,15の窓部17が形成され、径方向の幅が狭くなった部位において、応力集中の発生を防止できる。これにより、保持器11Cの機械強度が向上する。
<第5の構成例>
図7は、第5の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。本構成の保持器11Dは、フランジ部14(フランジ部15も同様)の窓部17が形成された部位の外周側面31が、円周方向に沿って径方向内方に向けて凹む円弧形状にされている。
この保持器11Dによれば、フランジ部14,15の潤滑油の流路となる開口が広くなり、軸受内への潤滑油の供給や排出の流量をより増加させることができる。これにより、潤滑油が軸受内外を流動する流動抵抗が低下し、軸受の端面側から軸方向に沿った潤滑油の流れがよりスムーズになる。
<第6の構成例>
図8は、第6の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。本構成の保持器11Eは、フランジ部14(フランジ部15も同様)の窓部17による開口縁部となる外周側面31、外周側面31の両端から立設される壁部37の側面39、柱端部16bの側面41のそれぞれに面取り部35が設けられている。面取り部35は、窓部17の開口を軸受外側に向けて広げるように形成されている。この面取り部35により、窓部17の縁部における潤滑油の流動抵抗が減少し、窓部17を通じての保持器11Eの外部から内部への潤滑油の引き込みがスムーズになる。これにより、潤滑油が軸受内外を流動する流動抵抗が低下し、軸受の端面側から軸方向に沿った潤滑油の流れがよりスムーズになる。
<第7の構成例>
図9は、第7の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。本構成の保持器11Fは、フランジ部14(フランジ部15も同様)の窓部17が形成された部位の外周側面40が、軸受外側に向けて広がるテーパ面にされている。フランジ部14,15の外周側面40がテーパ面であることにより、窓部17の縁部における潤滑油の流動抵抗が減少し、窓部17を通じての保持器11Fの外部から内部への潤滑油の引き込みがよりスムーズとなる。
<第8の構成例>
図10は、第8の構成例のラジアルころ軸受における柱部16を通る径方向断面図、図11は、本構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。本構成の保持器11Gは、フランジ部14,15に、軸受内側に向けて折れ曲がった内側屈曲部43がそれぞれ形成されている。
本構成の保持器11Gによれば、フランジ部14,15に内側屈曲部43が形成されることで、フランジ部14,15の軸受側方の面が湾曲した曲面状となり、窓部17の縁部における潤滑油の流動抵抗が減少する。これにより、内側屈曲部43の表面に沿って潤滑油がスムーズに流動し、窓部17に潤滑油が入りやすくなる。
<第9の構成例>
図12は、第9の構成例の保持器を示す一部拡大斜視図、図13は、本構成例の保持器を示す一部拡大斜視図である。本構成の保持器11Hは、フランジ部14,15の内周側の周縁部が、全周にわたって軸受外側に折れ曲がった外側屈曲部45を有している。
本構成の保持器11Hによれば、外側屈曲部45の傾斜面に沿って潤滑油が流動し、窓部17に潤滑油が入りやすくなる。また、外側屈曲部45を軸受外側ほど拡径させることにより、窓部17へ潤滑油が流れ込みを調節することができる。また、外側屈曲部45は、全周にわたって設ける以外にも、円周に沿った一部に設けてもよい。その場合、潤滑油の攪拌効果が得られる。
<第10の構成例>
上記の各構成例は、単列のころ軸受で示しているが、複列のころ軸受用保持器についても同様に、保持器のフランジ部に窓部を設けることができる。その場合も、形成される窓部によって軸受内への潤滑油の供給流量を調整できる。
図14に、複列のラジアルころ軸受のころ中心線を通る径方向断面を模式的に示す。図示例のラジアルころ軸受400は、ハウジング19と、回転軸20との間に配置される。回転軸20には、ラジアルころ軸受400の軸受内中央部に潤滑油を供給する潤滑油供給孔51が形成されている。
ラジアルころ軸受400は、軸方向に沿って同軸に配置された一対のころ13A,13Bが、保持器11Jに形成されたポケットに保持されている。また、各ころ13A,13Bは、それぞれの軸方向位置で、周方向に沿って等間隔に複数配置されている。
保持器11Jは、一対のフランジ部14,15と、一対のフランジ部14,15の間に形成された複数の柱部53とを有する。各柱部53は、ころ13A,13Bの側面を前述のM型保持器と同様に保持する柱部53A,53Bを有する。各柱部53A,53Bには、相対的に小径となる柱小径部53aと、その軸方向両端の相対的に大径となる柱大径部53b,53bと、柱傾斜部53c,53cとが軸方向に沿って形成されている。
また、柱部53は、ころ13Aのフランジ部14とは反対側の端部、及びころ13Bのフランジ部15とは反対側の端部が突き当てられる内側突出部55が軸方向中央に形成されている。なお、内側突出部55は、外周面から内周面に向かい、U字型に折り返して外周面に戻る折り曲げ形状であってもよい。
つまり、保持器11Jは、一対のフランジ部14,15のうち一方のフランジ部14と内側突出部55を連結し、円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部53Aと、他方のフランジ部15と内側突出部55を連結し、円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部53Bと、を有する。そして、保持器11Jは、円周方向に隣り合う一対の柱部53A,53Aと一方のフランジ部14と内側突出部55によって画成される複数のポケットと、円周方向に隣り合う一対の柱部53B,53Bと他方のフランジ部15と内側突出部55によって画成される複数のポケットと、が形成されている。これら複数のポケットに、それぞれころが保持されている。
上記構成の保持器11Jは、一対のフランジ部14,15にそれぞれ形成される窓部17A,17Bの径方向の幅を互いに相違させている。フランジ部14に形成された窓部17Aの径方向の幅をX1、フランジ部15に形成された窓部17Bの径方向の幅をX2とすると、各幅はX1>X2の関係を有する。
本構成のラジアルころ軸受400は、回転軸20に形成された潤滑油供給孔51から軸受内部に潤滑油が供給される。そして、潤滑油は、図中、FL5で示すように、各窓部17A,17Bから軸受外部に排出する流れ(図中、FL6,FL7)を形成する。
つまり、この場合でも、上述したようにフランジ部14,15の各窓部17A,17Bの開口面積を異ならせることで、各窓部17A,17Bを通過する潤滑油の流量FL6,FL7を増減調整できる。これにより、潤滑油供給孔51からころ13A側に向かう流量と、ころ13B側に向かう流量とを調整できる。
本構成の場合、径方向の幅が大きい窓部17A側のころ13Aには、径方向の幅が小さい窓部17B側のころ13Bよりも多量の潤滑油が流れる。
そのため、窓部17A,17Bの開口面積を増減調整することで、軸受内部の潤滑油の流動経路を任意に設定でき、潤滑油を所望の部位へ選択的に導くことができる。
また、円周方向に沿った一箇所のころ13A,13Bに対応する窓部17A,17Bの開口面積を異ならせることに加えて、円周方向に異なる位置のころに対しても同様に窓部17A,17Bの開口面積を変更することで、軸受全体としての潤滑油の流動経路を所望の経路に変更できる。
なお、潤滑油供給孔51は、回転軸20側に設ける以外にも、ハウジング19側に設けた構成としてもよい。
更に、窓部17A,17Bは、一対のフランジ部14,15の双方に設ける以外にも、いずれか一方のフランジ部にのみ設け、潤滑油の流動経路となる断面積をフランジ部14側とフランジ部15側とで異ならせることであってもよい。
上記した複列のラジアルころ軸受400の構成(図5に示す保持器11Aを複列のころ軸受用にした構成)は、前述した図4、図6〜図13に示す各構成例の各保持器11A,11C,11D,11E,11F,11G,11Hに対しても適用でき、それぞれを複列のラジアルころ軸受用の保持器にすることができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、本構成例は、いずれもリップガイド形状の保持器を示しているが、これに限らない。
11,11A,11B,11C,11D,11E,11F,11G,11H,11J 保持器
12 ポケット
13 ころ
14,15 フランジ部
16,53,53A,53B 柱部
17,17A,17B 窓部
18 外周端部
100,200,300,400 ラジアルころ軸受

Claims (3)

  1. 互いに間隔をあけて平行に配置された一対の円環状のフランジ部と、前記フランジ部の円周方向に沿った複数個所に並設され前記一対のフランジ部を相互に連結する複数の柱部とを有し、前記円周方向に隣り合う一対の前記柱部と前記一対のフランジ部によって画成される複数のポケットに、それぞれころが転動自在に保持されるラジアルころ軸受用保持器であって、
    前記一対のフランジ部のうち少なくともいずれかのフランジ部は、前記複数のポケットのうち少なくとも一部の軸方向端部の外周縁に、径方向内方に切り欠いた窓部が形成されたことを特徴とするラジアルころ軸受用保持器。
  2. 互いに間隔をあけて平行に配置された一対の円環状のフランジ部と、
    前記一対のフランジ部の間にあって前記フランジ部と平行に配置された円環状の内側突出部と、
    前記一対のフランジ部のうち一方のフランジ部と前記内側突出部を連結し、円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部と、
    前記一対のフランジ部のうち他方のフランジ部と前記内側突出部を連結し、円周方向に所定間隔で配置された複数の柱部と、を有し、
    前記円周方向に隣り合う一対の前記柱部と前記一方のフランジ部と前記内側突出部によって画成される複数のポケットと、
    前記円周方向に隣り合う一対の前記柱部と前記他方のフランジ部と前記内側突出部によって画成される複数のポケットとに、それぞれころが転動自在に保持されるラジアルころ軸受用保持器であって、
    前記一対のフランジ部のうち少なくともいずれかのフランジ部は、前記複数のポケットのうち少なくとも一部の軸方向端部の外周縁に、径方向内方に切り欠いた窓部が形成されたことを特徴とするラジアルころ軸受用保持器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のラジアルころ軸受用保持器と、
    前記ラジアルころ軸受用保持器の前記複数のポケットにそれぞれ保持される複数の前記ころと、
    を有することを特徴とするラジアルころ軸受。
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