JP2016065505A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過給圧F/B制御によるターボ回転数の上昇を抑制して、燃料噴射量の減量によってターボ過給機の過回転を適切に防止する。
【解決手段】エンジンの制御装置は、コンプレッサ5aとタービン5bと可動式のフラップ5cとを備えるターボ過給機5と、エンジンEの運転状態に基づいて目標過給圧を設定し、実過給圧がこの目標過給圧に設定されるように、ターボ過給機5のVGT開度(フラップ開度)を制御するECU60と、を有する。ECU60は、ターボ回転数が第1所定値以上である場合に、ターボ過給機5の回転数を低下させるべく、燃料噴射量を減量する制御を行うと共に、過給圧F/B制御によるVGT開度の閉じ側への変化を制限する制御を行う。
【選択図】図6

Description

本発明は、エンジンの制御装置に係わり、特に、ターボ過給機の過回転を防止するエンジンの制御装置に関する。
従来から、排気ガスによってタービンを回転させることによりコンプレッサを駆動して、吸気を過給するターボ過給機付きのエンジンが知られている。このようなターボ過給機では、運転状況などによっては過回転(言い換えると過過給、過排圧)が生じる場合があり、過回転が継続するとターボ過給機の破損等が生じてしまう。そのため、ターボ過給機の過回転を防止する種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ターボ過給機の過回転時に、燃料噴射量を減量する技術が提案されている。具体的には、特許文献1には、ブースト圧が設定値未満であっても、タービン回転数が設定値以上である場合には、燃料噴射量を減量する技術が提案されている。
特開平5−280385号公報
ところで、従来から、ターボ過給機として、可動式の複数のフラップ(言い換えると可動ベーン又はノズルベーン)をタービンの周囲に配設した可変ジオメトリーターボチャージャー(VGT:Variable Geometry Turbocharger)が用いられており、エンジンの運転状態に応じた目標過給圧を実現するように、ターボ過給機のフラップ開度を変化させるフィードバック制御(過給圧フィードバック制御と呼ばれる制御であり、以下では適宜「過給圧F/B制御」と表記する。)が行われている。このような過給圧F/B制御を、上述したようなターボ過給機の過回転を防止するための燃料噴射量の減量時に実行すると、以下のような問題が生じる。
ターボ過給機の過回転時に、ターボ回転数を低下させるように燃料噴射量を減量すると、実過給圧が低下する。この際に過給圧F/B制御を実行していると、低下した実過給圧(具体的には目標過給圧未満に低下した実過給圧)を上昇させるように、つまり目標過給圧から乖離した実過給圧を目標過給圧に向けて上昇させるように、ターボ過給機のフラップ開度を閉じ側に変化させる制御が行われる。これにより、ターボ回転数が上昇してしまう。そのため、過給圧F/B制御は、ターボ過給機の過回転を防止すべく、ターボ回転数を低下させようとする燃料噴射量の減量とは相反する作用を生じさせることとなる。したがって、ターボ過給機の過回転を防止するために燃料噴射量を減量している際に、過給圧F/B制御を実行すると、ターボ過給機の過回転を適切に防止することができなくなってしまう。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、過給圧F/B制御によるターボ回転数の上昇を抑制して、燃料噴射量の減量によってターボ過給機の過回転を適切に防止することができるエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、エンジンの制御装置であって、排気通路に設けられたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを備え、排気ガスによってタービンを回転させることによりコンプレッサを駆動して吸気を過給するターボ過給機であって、過給圧を調整可能な可動式のフラップを更に備えるターボ過給機と、エンジンの運転状態に基づいて目標過給圧を設定し、実過給圧がこの目標過給圧に設定されるように、ターボ過給機のフラップの開度であるフラップ開度を制御するフラップ制御手段と、ターボ過給機の回転数が第1所定値以上である場合に、エンジンに供給する燃料噴射量を減量する制御を行うと共に、フラップ制御手段によるフラップ開度の閉じ側への変化を制限する制御を行い、ターボ過給機の回転数を低下させるターボ回転数低下制御手段と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、ターボ過給機の過回転が生じた場合に、燃料噴射量を減量する制御を行うと共に、目標過給圧を実現するように実行される過給圧制御(具体的には過給圧F/B制御)による、フラップ開度の閉じ側への変化を制限する制御を行うので、この過給圧制御によるターボ回転数の上昇を抑制して、燃料噴射量の減量によってターボ過給機の過回転を適切に防止することができる。
本発明において、好ましくは、ターボ回転数低下制御手段は、ターボ過給機の回転数が第1所定値以上となった際に設定されていた開度にフラップ開度を固定する制御を行って、フラップ制御手段によるフラップ開度の閉じ側への変化を制限する。
このように構成された本発明においては、ターボ過給機の過回転が生じた際に設定されていた開度にフラップ開度を固定する制御を行うので、フラップ開度の閉じ側への変化を確実に制限することができ、ターボ回転数の上昇を効果的に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、ターボ回転数低下制御手段は、燃料噴射量を減量した後に、フラップ制御手段によるフラップ開度の閉じ側への変化を制限する制御を行い、この制御の後に、フラップ開度を全開に設定する。
このように構成された本発明においては、燃料噴射量を減量する制御、及びフラップ開度の閉じ側への変化を制限する制御を行った後に、フラップ開度を全開に設定するので、燃料噴射量の減量によってターボ過給機の過回転が解消されない場合であっても、フラップ開度を全開に設定することでターボ過給機の過回転を防止できるようになる。
本発明において、好ましくは、ターボ回転数低下制御手段による制御によってターボ過給機の回転数が第2所定値未満にまで低下した場合に、燃料噴射量の減量を停止して燃料噴射を復帰させる制御を行い、この制御の後に、フラップ制御手段による目標過給圧に基づいたフラップ開度の制御を再開させる復帰制御手段を更に有する。
このように構成された本発明においては、ターボ回転数低下制御手段による制御によってターボ過給機の過回転が解消した場合に、燃料噴射を復帰させる制御を行い、この制御の後に目標過給圧を実現するための過給圧制御を再開するので、つまり、これらの制御を同時に復帰させずに順番に復帰させるので、復帰に伴うトルク変動や音の変化を適切に抑制することができる。
本発明のエンジンの制御装置によれば、過給圧F/B制御によるターボ回転数の上昇を抑制して、燃料噴射量の減量によってターボ過給機の過回転を適切に防止することができる。
本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の実施形態によるターボ過給機のタービン室を拡大した縦断面図である。 本発明の実施形態による高圧EGR領域、低圧EGR領域及び非EGR領域の説明図である。 本発明の実施形態による基本制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態によるターボ過回転防止制御におけるタイムチャートである。 本発明の実施形態によるターボ過回転防止制御フローを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置について説明する。
<システム構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。
図1に示すように、エンジンシステム200は、主に、ディーゼルエンジンとしてのエンジンEと、エンジンEに吸気を供給する吸気系INと、エンジンEに燃料を供給するための燃料供給系FSと、エンジンEの排気ガスを排出する排気系EXと、エンジンシステム200に関する各種の状態を検出するセンサ99〜122と、エンジンシステム200の制御を行うECU(Electronic Control Unit)60と、を有する。
まず、吸気系INは、吸気が通過する吸気通路1を有しており、この吸気通路1上には、上流側から順に、外部から導入された空気を浄化するエアクリーナ3と、通過する吸気を圧縮して吸気圧を上昇させる、ターボ過給機5のコンプレッサ5aと、通過する吸気流量を調整する吸気シャッター弁7と、通水された冷却水を用いて吸気を冷却する水冷式のインタークーラ8と、インタークーラ8に通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプ9と、インタークーラ8と電動ウォータポンプ9とを接続し、これらの間で冷却水を循環させる通路である冷却水通路10と、エンジンEに供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク12と、が設けられている。
また、吸気系INにおいては、エアクリーナ3の直下流側の吸気通路1上には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ101と吸気温度を検出する吸気温度センサ102とが設けられ、ターボ過給機5のコンプレッサ5aには、このコンプレッサ5aの回転数(ターボ回転数)を検出するターボ回転数センサ103が設けられ、吸気シャッター弁7には、この吸気シャッター弁7の開度を検出する吸気シャッター弁位置センサ105が設けられ、インタークーラ8の直下流側の吸気通路1上には、吸気温度を検出する吸気温度センサ106と吸気圧を検出する吸気圧センサ107とが設けられ、サージタンク12には、吸気マニホールド温度センサ108が設けられている。これらの、吸気系INに設けられた各種センサ101〜108は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S101〜S108をECU60に出力する。
次に、エンジンEは、吸気通路1(詳しくは吸気マニホールド)から供給された吸気を燃焼室17内に導入する吸気バルブ15と、燃焼室17に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁20と、始動時などでの着火を確保するための補助熱源としてのグロープラグ21と、燃焼室17内での混合気の燃焼により往復運動するピストン23と、ピストン23の往復運動により回転されるクランクシャフト25と、燃焼室17内での混合気の燃焼により発生した排気ガスを排気通路41へ排出する排気バルブ27と、を有する。更に、エンジンEには、このエンジンEの出力を利用して発電するオルタネータ26が設けられている。
また、エンジンEには、エンジンEなどを冷却する冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ109と、クランクシャフト25のクランク角度を検出するクランク角センサ110と、油圧及び/又は油温を検出する油圧/油温センサ111と、オイルレベルを検出する光学式オイルレベルセンサ112と、が設けられている。これらの、エンジンEに設けられた各種センサ109〜112は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S109〜S112をECU60に出力する。
次に、燃料供給系FSは、燃料を貯蔵する燃料タンク30と、燃料タンク30から燃料噴射弁20に燃料を供給するための燃料供給通路38とを有する。燃料供給通路38には、上流側から順に、低圧燃料ポンプ31と、高圧燃料ポンプ33と、コモンレール35とが設けられている。また、低圧燃料ポンプ31には燃料ウォーマー32が設けられ、高圧燃料ポンプ33には燃圧レギュレータ34が設けられ、コモンレール35にはコモンレール減圧弁36が設けられている。
また、燃料供給系FSにおいては、高圧燃料ポンプ33には、燃料温度を検出する燃料温度センサ114が設けられ、コモンレール35には、燃圧を検出する燃圧センサ115が設けられている。これらの、燃料供給系FSに設けられた各種センサ114、115は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S114、S115をECU60に出力する。
次に、排気系EXは、排気ガスが通過する排気通路41を有しており、この排気通路41上には、上流側から順に、通過する排気ガスによって回転され、この回転によって上記したようにコンプレッサ5aを駆動する、ターボ過給機5のタービン5bと、排気ガスの浄化機能を有するディーゼル酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)45及びディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel particulate filter)46と、通過する排気流量を調整する排気シャッター弁49と、が設けられている。DOC45は、排出ガス中の酸素を用いて炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などを酸化して水と二酸化炭素に変化させる触媒であり、DPF46は、排気ガス中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集するフィルタである。
また、排気系EXにおいては、ターボ過給機5のタービン5bの上流側の排気通路41上には、排気圧を検出する排気圧センサ116と排気温度を検出する排気温度センサ117とが設けられ、DOC45の直上流側及びDOC45とDPF46との間には、それぞれ、排気温度を検出する排気温度センサ118、119が設けられ、DPF46には、このDPF46の上流側と下流側との排気圧の差を検出するDPF差圧センサ120が設けられ、DPF46の直下流側の排気通路41上には、酸素濃度を検出するリニアO2センサ121と排気温度を検出する排気温度センサ122とが設けられている。これらの、排気系EXに設けられた各種センサ116〜122は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S116〜S122をECU60に出力する。
更に、本実施形態では、ターボ過給機5は、排気エネルギーが低い低速回転時でも効率良く過給を行えるように小型に構成されていると共に、タービン5bの全周を囲むように複数の可動式のフラップ5cが設けられ、これらのフラップ5cによりタービン5bへの排気の流通断面積(ノズル断面積)を変化させるようにした可変ジオメトリーターボチャージャー(VGT:Variable Geometry Turbocharger)として構成されている。例えば、フラップ5cは、ダイヤフラムに作用する負圧の大きさが電磁弁により調節され、アクチュエータによって回動される。また、そのようなアクチュエータの位置により、フラップ5cの開度(フラップ開度であり、以下では適宜「VGT開度」と呼ぶ。)を検出するVGT開度センサ104が設けられている。このVGT開度センサ104は、検出したVGT開度に対応する検出信号S104をECU60に出力する。
ここで、図2を参照して、本発明の実施形態によるターボ過給機5のフラップ5cについて具体的に説明する。図2は、ターボ過給機5のタービン室を拡大した縦断面の構成を模式的に示す。
図2に示すように、タービンケーシング153内に形成されたタービン室153aには、そのほぼ中央部に配置されたタービン5bの周囲を取り囲むように複数の可動式のフラップ5c、5c、…が配設され、各フラップ5cはタービン室153aの一方の側壁を貫通する支軸131aにより回動可能に支持されている。各フラップ5cは、それぞれ支軸5dの回りに図2の時計回りに回動して、相互に近接するように傾斜すると、各フラップ5cの相互間に形成されるノズル155、155、…の開度(ノズル断面積)が小さく絞られて、排気流量の少ないときでも高い過給効率を得ることができる。一方、各フラップ5cを上記と反対側に回動させて、相互に離反するように傾斜させれば、ノズル断面積が大きくなるので、排気流量の多いときでも通気抵抗を低減して、過給効率を高めることができる。
また、リング部材157は、リンク機構158を介してアクチュエータのロッド163に駆動連結されており、該アクチュエータの作動によりリング部材157を介して各フラップ5cが回動される。すなわち、リンク機構158は、一端部をリング部材157に回動可能に連結された連結ピン158aと、該連結ピン158aの他端部に一端部を回動可能に連結された連結板部材158bと、該連結板部材158bの他端部に連結されると共に、タービンケーシング153の外壁を貫通する柱状部材158cと、該柱状部材158cのタービンケーシング153外へ突出する突出端部に一端部を連結された連結板部材158dとからなり、該連結板部材158dの他端部が連結ピン(図示せず)によりアクチュエータのロッド163に回動可能に連結されている。
図1に戻ると、本実施形態によるエンジンシステム200は、更に、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48を有する。高圧EGR装置43は、ターボ過給機5のタービン5bの上流側の排気通路41とターボ過給機5のコンプレッサ5bの下流側(詳しくはインタークーラ8の下流側)の吸気通路1とを接続する高圧EGR通路43aと、高圧EGR通路43aを通過させる排気ガスの流量を調整する高圧EGRバルブ43bと、を有する。低圧EGR装置48は、ターボ過給機5のタービン5bの下流側(詳しくはDPF46の下流側で且つ排気シャッター弁49の上流側)の排気通路41とターボ過給機5のコンプレッサ5bの上流側の吸気通路1とを接続する低圧EGR通路48aと、低圧EGR通路48aを通過する排気ガスを冷却する低圧EGRクーラ48bと、低圧EGR通路48aを通過させる排気ガスの流量を調整する低圧EGRバルブ48cと、低圧EGRフィルタ48dと、を有する。
高圧EGR装置43によって吸気系INに還流される排気ガス量(以下「高圧EGRガス量」と呼ぶ。)は、ターボ過給機5のタービン5b上流側の排気圧と、吸気シャッター弁7の開度によって作り出される吸気圧と、高圧EGRバルブ43bの開度とによって概ね決定される。また、低圧EGR装置48によって吸気系INに還流される排気ガス量(以下「低圧EGRガス量」と呼ぶ。)は、ターボ過給機5のコンプレッサ5a上流側の吸気圧と、排気シャッター弁49の開度によって作り出される排気圧と、低圧EGRバルブ48cの開度とによって概ね決定される。
ここで、図3を参照して、本発明の実施形態において、高圧EGR装置43が作動されるエンジンEの運転領域(以下では「高圧EGR領域」と呼ぶ。)及び低圧EGR装置48が作動されるエンジンEの運転領域(以下では「低圧EGR領域」と呼ぶ。)について説明する。図3は、横軸にエンジン回転数を示し、縦軸に燃料噴射量(エンジン負荷に相当する)を示しており、高圧EGR領域及び低圧EGR領域を模式的に表している。
図3に示すように、低負荷・低回転数側に規定されたエンジンEの運転領域R1(第1運転領域に相当する)は、高圧EGR装置43が作動される高圧EGR領域であり、この高圧EGR領域R1よりも高負荷・高回転数側に規定されたエンジンEの運転領域R2(第2運転領域に相当する)は、低圧EGR装置48が作動される低圧EGR領域である。より詳しくは、低圧EGR領域R2内の一部の領域(高圧EGR領域R1との境界付近の領域)では、低圧EGR装置48だけでなく、高圧EGR装置43も作動される、つまり高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の併用領域となる。また、低圧EGR領域R2よりも更に高負荷・高回転数側に規定されたエンジンEの運転領域R3は、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48のいずれも作動されない領域(以下では適宜「非EGR領域」と呼ぶ。)である。
図1に戻ると、本実施形態によるECU60は、上述した各種センサ101〜122の検出信号S101〜S122に加えて、外気温を検出する外気温センサ98、大気圧を検出する大気圧センサ99、及びアクセルペダル95の開度(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ100のそれぞれが出力した検出信号S98〜S100に基づいて、エンジンシステム200内の構成要素に対する制御を行う。具体的には、ECU60は、ターボ過給機5のタービン5bにおけるフラップ5cの開度(VGT開度)を制御すべく、このフラップ5cを駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S130を出力する。また、ECU60は、吸気シャッター弁7の開度を制御すべく、吸気シャッター弁7を駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S131を出力する。また、ECU60は、インタークーラ8に供給する冷却水の流量を制御すべく、電動ウォータポンプ9に対して制御信号S132を出力する。また、ECU60は、エンジンEの燃料噴射量などを制御すべく、燃料噴射弁20に制御信号S133を出力する。また、ECU60は、オルタネータ26、燃料ウォーマー32、燃圧レギュレータ34及びコモンレール減圧弁36を制御すべく、これらのそれぞれに対して制御信号S134、S135、S136、S137を出力する。また、ECU60は、高圧EGRバルブ43bの開度を制御すべく、高圧EGRバルブ43bを駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S138を出力する。また、ECU60は、低圧EGRバルブ48cの開度を制御すべく、低圧EGRバルブ48cを駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S139を出力する。また、ECU60は、排気シャッター弁49の開度を制御すべく、排気シャッター弁49を駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S140を出力する。
<基本制御>
次に、図4を参照して、本発明の実施形態によるエンジンシステム200において実施される基本制御について説明する。図4は、本発明の実施形態による基本制御を示すフローチャートである。このフローでは、要求噴射量などに応じた目標酸素濃度及び目標吸気温度を実現するための制御がなされる。また、このフローは、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS11では、ECU60は、上述した各種センサ98〜122が出力した検出信号S98〜S122のうちの少なくとも一以上を取得する。
次いで、ステップS12では、ECU60は、アクセル開度センサ100が検出したアクセル開度(検出信号S100に対応する)に基づいて、エンジンEから出力させるべき目標トルクを設定する。
次いで、ステップS13では、ECU60は、ステップS12で設定した目標トルクと、エンジン回転数とに基づいて、燃料噴射弁20から噴射させるべき要求噴射量を設定する。
次いで、ステップS14では、ECU60は、ステップS13で設定した要求噴射量と、エンジン回転数とに基づいて、燃料の噴射パターンと、燃圧と、目標酸素濃度と、目標吸気温度と、EGR制御モード(高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の両方又は一方を作動させるモード、或いは高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48のいずれも作動させないモード)とを設定する。
次いで、ステップS15では、ECU60は、ステップS14で設定した目標酸素濃度及び目標吸気温度を実現する状態量を設定する。例えば、この状態量には、高圧EGR装置43によって吸気系INに還流させる排気ガス量(高圧EGRガス量)や、低圧EGR装置48によって吸気系INに還流させる排気ガス量(低圧EGRガス量)や、ターボ過給機5による過給圧などが含まれる。
次いで、ステップS16では、ECU60は、ステップS15で設定した状態量に基づいて、エンジンシステム200の各構成要素のそれぞれを駆動する各アクチュエータを制御する。この場合、ECU60は、状態量に応じた制限値や制限範囲を設定し、状態値が制限値や制限範囲による制限を遵守するような各アクチュエータの制御量を設定して制御を実行する。
<ターボ過回転防止制御>
以下では、本発明の実施形態による、ターボ過給機5の過回転を防止するための制御(ターボ過回転防止制御)について説明する。
最初に、本発明の実施形態においてECU60が行う制御の概要について説明する。本実施形態では、ECU60は、エンジンEの運転状態(具体的には燃料噴射量及びエンジン回転数)に基づいて目標過給圧を設定し、実過給圧がこの目標過給圧に設定されるように、ターボ過給機5のフラップ5cの開度(VGT開度)を制御する。つまり、ECU60は、過給圧F/B制御を用いて、実過給圧を目標過給圧と比較しながら、目標過給圧が実現されるようにVGT開度を変化させる。典型的には、ECU60は、実過給圧が目標過給圧を下回っている場合には、VGT開度を閉じ側に変化させる制御を行い、実過給圧が目標過給圧を上回っている場合には、VGT開度を開き側に変化させる制御を行う。
また、本実施形態では、ECU60は、ターボ過給機5の過回転が生じた場合に、このターボ過給機5の過回転を防止するためのターボ過回転防止制御として、エンジンEの燃焼室17に供給する燃料噴射量を減量する制御(以下では適宜「噴射量減量制御」と呼ぶ。)を行うと共に、上記した過給圧F/B制御によるVGT開度の閉じ側への変化を制限する制御を行う。この場合、ECU60は、過給圧F/B制御の実行を停止することで、当該過給圧F/B制御によるVGT開度の閉じ側への変化を制限する。
このように、本実施形態において過給圧F/B制御の実行を停止する理由は以下の通りである。ターボ過給機5の過回転時に、ターボ回転数を低下させるべく、噴射量減量制御によって燃料噴射量を減量すると、実過給圧が低下する(特にエンジン回転数が大きい領域では実過給圧の低下が顕著となる)。この際に過給圧F/B制御を実行していると、低下した実過給圧(具体的には目標過給圧未満に低下した実過給圧)を上昇させるように、つまり目標過給圧から乖離した実過給圧を目標過給圧に向けて上昇させるように、ターボ過給機5におけるVGT開度を閉じ側に変化させる制御が行われる。これにより、ターボ回転数が上昇してしまう。そのため、過給圧F/B制御は、ターボ過給機5の過回転を防止すべく、ターボ回転数を低下させようとする噴射量減量制御とは相反する作用を生じさせることとなる。つまり、過給圧F/B制御は、噴射量減量制御と背反する制御となる。したがって、本実施形態では、ターボ過給機5の過回転が生じて、噴射量減量制御を実行する場合に、過給圧F/B制御の実行を停止することとした。
ここで、上述したようにターボ過給機5の過回転時に燃料噴射量を減量すると、排気エネルギー(排気温度)が低下することで、ターボ回転数を低下させることができ、ターボ過給機5の過回転を防止することが可能となる。ターボ過給機5におけるVGT開度を開き側に制御した場合にもターボ回転数を低下させることができるが、小型に構成されたターボ過給機5では、VGT開度を開き側に制御してもターボ過給機5の過回転を適切に防止できない場合があり、また、VGT開度の制御に対するターボ回転数の変化は遅れる傾向にある(つまりVGT開度の制御に対するターボ回転数の応答性が悪い)。これに対して、燃料噴射量を減量すると、速やかにターボ回転数を比較的大きく低下させることができる。また、燃料噴射量を減量した後の通常の燃料噴射の復帰(再開)も、VGT開度の制御と比較して速やかに行うことができる。したがって、本実施形態では、ターボ過給機5の過回転を防止するために、噴射量減量制御によって燃料噴射量を減量する手法を採用することとした。
なお、ターボ過給機5の過回転が生じた際に、基本的には、VGT開度は開き側に設定されている。具体的には、VGT開度が、全開までまだ余裕がある開き側の開度に設定されている場合もあるし、VGT開度が全開に設定されている場合もある。VGT開度が全開に設定されていない場合には、ターボ過給機5の過回転を防止するためにVGT開度を全開に設定する制御を行うことも可能だが、上述したような理由から、本実施形態では、ECU60は、VGT開度を全開に設定する制御を即座に行うことなく、過給圧F/B制御を停止してVGT開度の閉じ側への変化を制限するに止め、燃料噴射量を減量する噴射量減量制御を行う。そして、本実施形態では、ECU60は、そのように過給圧F/B制御を停止した状態で噴射量減量制御を行っても、ターボ過給機5の過回転が解消されない場合に、保護ロジックとして、VGT開度を全開に設定する制御を行う。
以上述べたように、ECU60は、本発明における「フラップ制御手段」及び「ターボ回転数低下制御手段」として機能する。また、詳細は後述するが、ECU60は、本発明における「復帰制御手段」としても機能する。
次に、図5を参照して、本発明の実施形態によるターボ過回転防止制御におけるタイムチャートについて説明する。図5は、本発明の実施形態によるターボ過回転防止制御を実行した場合のタイムチャートの一例を示している。
図5では、ターボ過給機5の過回転が生じた場合に噴射量減量制御を実行した、本実施形態による結果と、このような本実施形態と比較するために、ターボ過給機5の過回転が生じた場合に噴射量減量制御を実行しなかった、比較例(以下では「第1比較例」と呼ぶ。)による結果と、を示す。また、図5に示す本実施形態による制御においては、ターボ過給機5の過回転が生じた場合に、噴射量減量制御に加えて、過給圧F/B制御の実行を停止するものとする。図5には、このような本実施形態と比較するために、ターボ過給機5の過回転が生じた場合に、噴射量減量制御を実行するが、過給圧F/B制御の実行を停止せずに、過給圧F/B制御を実行し続ける、比較例(以下では「第2比較例」と呼ぶ。)による結果も示す。
図5について具体的に説明する。図5は、横方向に時間を示し、上から順に、ターボ回転数、燃料噴射量、VGT開度、過給圧を示している。具体的には、グラフG11は、本実施形態によるターボ回転数の時間変化を示し、グラフG12は、第1比較例によるターボ回転数の時間変化を示している。また、グラフG21は、本実施形態による燃料噴射量の時間変化を示し、グラフG22は、第1比較例による燃料噴射量の時間変化を示している。また、グラフG31は、本実施形態によるVGT開度の時間変化を示し、グラフG32は、第2比較例によるVGT開度の時間変化を示している。また、グラフG41は、本実施形態による実過給圧の時間変化を示し、グラフG42は、第2比較例による実過給圧の時間変化を示し、グラフG43は、エンジンEの運転状態(エンジン回転数や燃料噴射量など)に基づいて設定される目標過給圧の時間変化を示している。
時刻t1において、ドライバからの加速要求により、アクセルペダル95の開度(アクセル開度)が踏み込み方向に変化したものとする(図5では図示せず)。そのため、時刻t1より、燃料噴射量が増量されると共に(グラフG21、G22参照)、過給圧F/B制御によって、目標過給圧が上昇されて(グラフG43参照)、これに応じてVGT開度(グラフG31、G32参照)が制御されて、実過給圧(グラフG41、G42参照)及びターボ回転数(グラフG11、G12参照)が上昇していく。この後、時刻t2において、ターボ回転数が所定値Th1以上になる(グラフG11、G12参照)、つまりターボ過給機5の過回転が生じる。
第1比較例によれば、時刻t2以降においても、時刻t2で適用された燃料噴射量がほぼ維持される(グラフG22参照)。そのため、時刻t2以降も、ターボ回転数が上昇し続ける(グラフG12参照)、つまり、ターボ回転数が所定値Th1以上である状態が継続して、ターボ過給機5の過回転が解消しない。これに対して、本実施形態によれば、時刻t2において、燃料噴射量を減量する噴射量減量制御が実行される(グラフG21参照)。そのため、時刻t2以降において、ターボ回転数が低下していく(グラフG11参照)。この場合、ターボ回転数が所定値Th1未満にまで低下して、ターボ過給機5の過回転が解消する。
他方で、第2比較例によれば、噴射量減量制御を実行するが、この噴射量減量制御による燃料噴射量の減量によって低下した実過給圧(グラフG42参照)を目標過給圧(グラフG43参照)にまで上昇させるように、過給圧F/B制御によって、VGT開度が閉じ側に制御される(グラフG32参照)。こうした場合、ターボ回転数が上昇することとなる(図5では図示せず)。これに対して、本実施形態によれば、噴射量減量制御を実行した場合に過給圧F/B制御を停止するので、VGT開度がほぼ一定の開度に固定される(グラフG31参照)、つまりVGT開度の閉じ側への変化が抑制される。この場合、実過給圧(グラフG41参照)は目標過給圧(グラフG43参照)から乖離する。このような本実施形態によれば、過給圧F/B制御によるターボ回転数の上昇が抑制されるので、上述した噴射量減量制御によってターボ回転数が効果的に低下されることとなる(グラフG11参照)。
なお、ターボ回転数が所定値Th1に達する時刻t2では、本実施形態及び第2比較例の両方とも、VGT開度がほぼ全開の開度になっているものとする(グラフG31、G32参照)。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態によるターボ過回転防止制御の全体の流れについて具体的に説明する。図6は、本発明の実施形態によるターボ過回転防止制御フローを示すフローチャートである。このターボ過回転防止制御フローは、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
なお、このターボ過回転防止制御フローは、当該フローの実行開始時に、目標過給圧が実現されるようにVGT開度を変化させる過給圧F/B制御が実行されていることを前提としている。
ここで、ターボ過回転防止制御フローの概要について簡単に説明する。ターボ過回転防止制御フローでは、ECU60は、まず、ターボ回転数が第1所定値以上になった場合に、燃料噴射量を減量する噴射量減量制御を実行すると共に、過給圧F/B制御の実行を停止する。ECU60は、このような噴射量減量制御の実行及び過給圧F/B制御の実行の停止を、ターボ回転数が第2所定値未満になるまで継続する。そして、ECU60は、ターボ回転数が第2所定値未満になった場合に、噴射量減量制御を停止して通常の燃料噴射を復帰させる制御(以下では「噴射復帰制御」と呼ぶ。)を行い、この後に過給圧F/B制御を再開する。
図6のターボ過回転防止制御フローについて具体的に説明する。まず、ステップS21において、ECU60は、ターボ回転数センサ103によって検出されたターボ過給機5のコンプレッサ5aの回転数(ターボ回転数)が、第1所定値以上であるか否かを判定する。この第1所定値は、ターボ過給機5の過回転が生じているか否かを判定するための閾値であり、ターボ過給機5のコンプレッサ5aの過回転に相当する回転数(例えばコンプレッサ5aの破損等が生じ得る回転数)に基づいて設定される。例えば、第1所定値は、255000回転/分に設定される。
ステップS21の判定の結果、ターボ回転数が第1所定値以上であると判定されなかった場合(ステップS21:No)、つまりターボ回転数が第1所定値未満である場合、処理は終了する。この場合には、ターボ過給機5の過回転が生じていないため、ECU60は、本実施形態によるターボ過回転防止制御を実行しない。
一方で、ターボ回転数が第1所定値以上であると判定された場合(ステップS21:Yes)、処理はステップS22に進み、ECU60は、エンジンEの燃料噴射弁20を制御することにより、ターボ回転数を低下させるべく、燃料噴射量を減量する噴射量減量制御を実行する。1つの例では、ECU60は、予め定めた所定の量だけ、燃料噴射量を減量する。他の例では、ECU60は、ターボ回転数が第1所定値を超えている度合いに応じて、燃料噴射量を減量する。
次いで、ステップS23に進み、ECU60は、過給圧F/B制御によるターボ回転数の上昇を抑制すべく、つまり過給圧F/B制御と噴射量減量制御との背反を抑制すべく、過給圧F/B制御を停止する。この場合、ECU60は、過給圧F/B制御の実行を停止して、当該過給圧F/B制御によるVGT開度の閉じ側への変化を制限する。
1つの例では、ECU60は、過給圧F/B制御の実行を停止することで、VGT開度の閉じ側への変化を禁止し、VGT開度の開き側への変化については許容することとし、VGT開度を制御する。この例では、ECU60は、VGT開度を閉じ側には変化させないが、必要に応じて、VGT開度を開き側に適宜変化させる。
他の例では、ECU60は、過給圧F/B制御の実行を停止して、ターボ過給機5の過回転が生じた際に設定されていた開度にVGT開度を固定する制御を行い、VGT開度の閉じ側への変化を制限する。この例では、ECU60は、VGT開度を固定して、VGT開度を変化させない。
次いで、ステップS24に進み、ECU60は、ターボ回転数センサ103によって検出されたターボ過給機5のコンプレッサ5aの回転数(ターボ回転数)が第2所定値未満であるか否かを判定する。この第2所定値は、ターボ過給機5の過回転が解消したか否かを判定するための閾値であり、第1所定値と同様に、ターボ過給機5のコンプレッサ5aの過回転に相当する回転数(例えばコンプレッサ5aの破損等が生じ得る回転数)に基づいて設定される。例えば、第2所定値は、第1所定値よりも若干低い、250000回転/分に設定される。なお、第2所定値を第1所定値と異なる値に設定することに限定はされず、第2所定値を第1所定値と同じ値に設定してもよい。
ステップS24の判定の結果、ターボ回転数が第2所定値未満であると判定されなかった場合(ステップS24:No)、つまりターボ回転数が第2所定値以上である場合、処理はステップS22に戻り、ECU60は、噴射量減量制御を再度実行して、燃料噴射量を更に減量する。例えば、ECU60は、前回に減量した後の燃料噴射量を更に所定量だけ減量する。そして、ECU60は、ステップS23において、過給圧F/B制御を停止した状態を継続する。
ECU60は、このようにステップS22〜S24の処理を繰り返して、過給圧F/B制御を停止した状態で、ターボ回転数を第2所定値と比較しながら燃料噴射量を徐々に減量していく。その結果、燃料噴射量を所定量(例えば0)にまで減量しても、ターボ回転数が第2所定値未満にならない場合、つまりターボ過給機5の過回転が解消されない場合には、ECU60は、VGT開度を全開に設定する制御を行う(噴射量減量制御の実行時にVGT開度が全開でないことが前提となる)。
一方で、ターボ回転数が第2所定値未満であると判定された場合(ステップS24:Yes)、ステップS25に進む。この場合にはターボ過給機5の過回転が生じていないため、ステップS25において、ECU60は、噴射量減量制御を停止し、アクセル開度及びエンジン回転数などに応じた量の燃料を噴射する通常の燃料噴射を再開すべく、噴射復帰制御を実行する。この場合、ECU60は、乗員がトルクや音の変動を感じない程度の時間経過後に燃料噴射を復帰する。
次いで、ステップS26において、ECU60は、エンジンEの運転状態に応じた目標過給圧に実過給圧を設定するための過給圧F/B制御を再開する。つまり、ECU60は、エンジン回転数や燃料噴射量などに応じて目標過給圧を設定し、実過給圧を目標過給圧と比較しながら、目標過給圧が実現されるようにVGT開度を変化させる、過給圧F/B制御を再開する。
<作用効果>
次に、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、ターボ過給機5の過回転が生じた場合に、燃料噴射量を減量する噴射量減量制御を行うと共に、過給圧F/B制御によるVGT開度の閉じ側への変化を制限する制御を行うので、過給圧F/B制御によるターボ回転数の上昇を抑制して、燃料噴射量の減量によってターボ過給機5の過回転を適切に防止することができる。
具体的には、本実施形態では、ターボ過給機5の過回転が生じた際に設定されていた開度にVGT開度を固定する制御を行うので、VGT開度の閉じ側への変化を確実に制限することができ、ターボ回転数の上昇を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、噴射量減量制御及び過給圧F/B制御の停止を実行した後に、VGT開度を全開に設定するので、噴射量減量制御によってターボ過給機5の過回転が解消されない場合であっても、VGT開度を全開に設定することでターボ過給機5の過回転を防止できるようになる。
また、本実施形態によれば、ターボ過回転防止制御によってターボ過給機5の過回転が解消した場合に、噴射復帰制御を行い、この制御の後に過給圧F/B制御を再開するので、つまり噴射復帰制御及び過給圧F/B制御の再開を同時に実行せずに、噴射復帰制御、過給圧F/B制御の再開の順に実行するので、復帰に伴うトルク変動や音の変化を適切に抑制することができる。
1 吸気通路
5 ターボ過給機
5a コンプレッサ
5b タービン
5c フラップ
20 燃料噴射弁
41 排気通路
43 高圧EGR装置
45 DOC
46 DPF
48 低圧EGR装置
60 ECU
200 エンジンシステム
E エンジン

Claims (4)

  1. エンジンの制御装置であって、
    排気通路に設けられたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを備え、排気ガスによって上記タービンを回転させることにより上記コンプレッサを駆動して吸気を過給するターボ過給機であって、過給圧を調整可能な可動式のフラップを更に備える上記ターボ過給機と、
    エンジンの運転状態に基づいて目標過給圧を設定し、実過給圧がこの目標過給圧に設定されるように、上記ターボ過給機のフラップの開度であるフラップ開度を制御するフラップ制御手段と、
    上記ターボ過給機の回転数が第1所定値以上である場合に、エンジンに供給する燃料噴射量を減量する制御を行うと共に、上記フラップ制御手段による上記フラップ開度の閉じ側への変化を制限する制御を行い、上記ターボ過給機の回転数を低下させるターボ回転数低下制御手段と、
    を有することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 上記ターボ回転数低下制御手段は、上記ターボ過給機の回転数が上記第1所定値以上となった際に設定されていた開度に上記フラップ開度を固定する制御を行って、上記フラップ制御手段による上記フラップ開度の閉じ側への変化を制限する、請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 上記ターボ回転数低下制御手段は、上記燃料噴射量を減量した後に、上記フラップ制御手段による上記フラップ開度の閉じ側への変化を制限する制御を行い、この制御の後に、上記フラップ開度を全開に設定する、請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 上記ターボ回転数低下制御手段による制御によって上記ターボ過給機の回転数が第2所定値未満にまで低下した場合に、上記燃料噴射量の減量を停止して燃料噴射を復帰させる制御を行い、この制御の後に、上記フラップ制御手段による上記目標過給圧に基づいた上記フラップ開度の制御を再開させる復帰制御手段を更に有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
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