JP2016065021A - イブプロフェン含有粒剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】イブプロフェンの溶出が制御され、しかも、保存中においてイブプロフェンが昇華して外部に放出されることが抑制されたイブプロフェン含有粒剤を提供する。
【解決手段】イブプロフェンを含有する芯粒と、該芯粒に積層された層であって、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含有する第1の層と、該第1の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びマンニトールを含有する第2の層とを備えたイブプロフェン含有粒剤。
【選択図】 図1
【解決手段】イブプロフェンを含有する芯粒と、該芯粒に積層された層であって、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含有する第1の層と、該第1の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びマンニトールを含有する第2の層とを備えたイブプロフェン含有粒剤。
【選択図】 図1
Description
本発明は、イブプロフェン含有粒剤に関する。
従来、抗消炎、鎮痛、解熱等の薬理作用を発揮する医薬成分として、イブプロフェンが知られている。イブプロフェンは、ヒト生体内での消失半減期が2時間程度と比較的短いため、これを用いて通常のイブプロフェン含有製剤を製造すると、1日3回の服用が必要となる。しかし、患者の飲み忘れを考慮すれば、服用回数を減らすことが望ましく、このため、イブプロフェンの薬理作用を持続させることが可能な製剤が要望されている。
イブプロフェンの薬理作用を持続させるためには、イブプロフェン含有製剤に徐放化技術を応用することが考えられる。
一般的に、医薬品の製剤設計において、固形製剤から医薬成分としてのイブプロフェンを徐々に溶出する方法としては、イブプロフェンを含有する核剤を、エチルセルロースのような水不溶性高分子のフィルムでコーティングする方法や、ワックス類のような水不溶性添加剤でコーティングする方法や、腸溶性高分子のフィルムでコーティングし、小腸で医薬成分を溶出する方法などが挙げられる。
また、イブプロフェンと、水不溶性高分子やワックス類や腸溶性高分子と、必要に応じて製剤用添加剤とを混合し、水不溶性または水難溶性のマトリックス中にイブプロフェンを分散させることによって、該マトリックスからのイブプロフェンの溶出を制御する方法も挙げられる。
一般的に、医薬品の製剤設計において、固形製剤から医薬成分としてのイブプロフェンを徐々に溶出する方法としては、イブプロフェンを含有する核剤を、エチルセルロースのような水不溶性高分子のフィルムでコーティングする方法や、ワックス類のような水不溶性添加剤でコーティングする方法や、腸溶性高分子のフィルムでコーティングし、小腸で医薬成分を溶出する方法などが挙げられる。
また、イブプロフェンと、水不溶性高分子やワックス類や腸溶性高分子と、必要に応じて製剤用添加剤とを混合し、水不溶性または水難溶性のマトリックス中にイブプロフェンを分散させることによって、該マトリックスからのイブプロフェンの溶出を制御する方法も挙げられる。
一方、イブプロフェンは、その物理学的特性として昇華性を有している。このため、イブプロフェンを含有する固形製剤では、保存中にイブプロフェンが昇華し、製剤表面にイブプロフェンが移動して、該表面上に棘状の結晶(ウィスカー)が発生するという問題がある。かかるウィスカーの発生により、固形製剤が顆粒剤等の粒剤である場合には、粒剤同士が付着し、凝集が生じる等、外観上、大きな欠点が誘発されることになる。また、該粒剤がガラス瓶等の容器等内に保存されると、昇華したイブプロフェンが瓶の内壁に付着する、という問題も誘発されることになる。
上記事情に鑑み、本発明は、イブプロフェンの溶出が制御され、しかも、保存中においてイブプロフェンが昇華して外部に放出されることが抑制されたイブプロフェン含有粒剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ったところ、イブプロフェンを含有する芯粒に、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマーを含有する溶出制御層を積層し、さらに、マンニトールとヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含有する層を積層することによって、得られた粒剤が、イブプロフェンの溶出が制御された徐放性を発揮しつつ、イブプロフェンの昇華によるウィスカー等の発生を抑制し、保存中にイブプロフェンが昇華して外部に放出されることを抑制し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のイブプロフェン含有粒剤は、
イブプロフェンを含有する芯粒と、
該芯粒に積層された層であって、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含有する第1の層と、
該第1の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びマンニトールを含有する第2の層とを備える。
イブプロフェンを含有する芯粒と、
該芯粒に積層された層であって、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含有する第1の層と、
該第1の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びマンニトールを含有する第2の層とを備える。
かかる構成によれば、第1の層によって、粒剤からのイブプロフェンの溶出が制御される。また、第2の層によって、保存中においてイブプロフェンが昇華して外部に放出されることが抑制される。
従って、イブプロフェンの溶出が制御され、しかも、保存中においてイブプロフェンが昇華して外部に放出されることが抑制される。
従って、イブプロフェンの溶出が制御され、しかも、保存中においてイブプロフェンが昇華して外部に放出されることが抑制される。
また、本発明のイブプロフェン含有粒剤においては、
前記第2の層に積層された層であって、二酸化ケイ素及びマンニトールを含有する第3の層と、該第3の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する第4の層とを備えることが好ましい。
前記第2の層に積層された層であって、二酸化ケイ素及びマンニトールを含有する第3の層と、該第3の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する第4の層とを備えることが好ましい。
かかる構成によれば、第3の層及び第4の層を備えることによって、上記第2の層によるイブプロフェンの昇華放出抑制を補助し得る。加えて、粒剤の流動性を向上させ得る。
また、本発明のイブプロフェン含有粒剤においては、
前記第2の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する第5の層をさらに備えることが好ましい。
前記第2の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する第5の層をさらに備えることが好ましい。
かかる構成によれば、第5の層を備えることによって、第2の層によるイブプロフェンの昇華放出抑制を補助し得る。
以上の通り、本発明によれば、イブプロフェンの溶出が制御され、しかも、保存中においてイブプロフェンが昇華して外部に放出されることが抑制されたイブプロフェン含有粒剤が提供される。
以下に、本発明に係るイブプロフェン含有粒剤の実施形態について説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係るイブプロフェン含有粒剤について説明する。
本実施形態のイブプロフェン含有粒剤1は、図1に示すように、イブプロフェンを含有する芯粒3と、該芯粒3に積層された層であって、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含有する第1の層5と、該第1の層5に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びマンニトールを含有する第2の層7と、該第2の層7に積層された層であって、二酸化ケイ素及びマニトールを含有する第3の層9と、該第3の層9に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する第4の層11とを備える。
芯粒3は、イブプロフェンを含有する粒状の固形物であれば、特に限定されるものではない。該芯粒3としては、例えば、イブプロフェンと、製剤学的に使用可能な賦形剤、崩壊剤、結合剤、及び、流動化剤等から選択される1つ以上の添加剤とを含有するものであってもよい。
かかる芯粒3は、通常の粒剤の製造方法によって製造され得る。
かかる芯粒3は、通常の粒剤の製造方法によって製造され得る。
第1の層5は、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含有する層である。該第1の層5は、水に不溶性の層であり、イブプロフェン含有粒剤1からのイブプロフェンの溶出を制御する機能を有する溶出制御(徐放性)層である。
アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマーとしては、例えば、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマーが挙げられ、この市販品としては、オイドラギットNE−30D(エボニックデグサジャパン社製)が挙げられる。
第1の層5におけるアクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマーの配合量は、芯粒3を100質量部として、6〜12質量部が好ましく、7〜11質量部がより好ましく、8〜10質量部がさらに好ましい。
第1の層5におけるアクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマーの配合量は、芯粒3を100質量部として、6〜12質量部が好ましく、7〜11質量部がより好ましく、8〜10質量部がさらに好ましい。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910が挙げられ、この市販品としては、TC−5E(信越化学工業社製)、TC−5R(信越化学工業社製)等が挙げられる。
第1の層5におけるヒドロキシプロピルメチルセルースの配合量は、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー100質量部に対して、7〜13質量部が好ましく、8〜12質量部がより好ましく、9〜11質量部がさらに好ましい。
第1の層5におけるヒドロキシプロピルメチルセルースの配合量は、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー100質量部に対して、7〜13質量部が好ましく、8〜12質量部がより好ましく、9〜11質量部がさらに好ましい。
タルクとしては、通常の市販品を用いることができる。
第1の層5におけるタルクの配合量は、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー100質量部に対して、70〜130質量部が好ましく、80〜120質量部がより好ましく、90〜110質量部がさらに好ましい。
第1の層5におけるタルクの配合量は、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー100質量部に対して、70〜130質量部が好ましく、80〜120質量部がより好ましく、90〜110質量部がさらに好ましい。
かかる第1の層5は、例えば、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルース及びタルクを溶媒に分散及び溶解させた分散液を調製し、この分散液を芯粒3にスプレーコーティングすることによって形成され得る。
溶媒としては、精製水等の水が挙げられる。
分散液は、該分散液100質量部に対してアクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマーが好ましくは8〜13質量部、より好ましくは9〜12質量部、さらに好ましくは10〜12質量部含有されるように調製され得る。
溶媒としては、精製水等の水が挙げられる。
分散液は、該分散液100質量部に対してアクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマーが好ましくは8〜13質量部、より好ましくは9〜12質量部、さらに好ましくは10〜12質量部含有されるように調製され得る。
第2の層7は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びマンニトールを含有する層である。当該第2の層7は、イブプロフェンの昇華を抑制し、保存中のイブプロフェン含有粒剤1からイブプロフェンが昇華して外部に放出されることを抑制する機能を有する層である。また、当該第2の層7は、イブプロフェン含有粒剤1の溶出試験において試験液に速やかに溶出し、第1の層5による溶出制御にほとんど影響を与えない層である。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、上記第1の層5と同様、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910が挙げられ、この市販品としては、TC−5E(信越化学工業社製)、TC−5R(信越化学工業社製)等が挙げられる。
第2の層7におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量は、これよりも内側の粒(芯粒3及び第1の層5)全体を100質量部として、1.0〜5.0質量部が好ましく、1.0〜2.5質量部がより好ましく、1.0〜1.4質量部がさらに好ましい。
第2の層7におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量は、これよりも内側の粒(芯粒3及び第1の層5)全体を100質量部として、1.0〜5.0質量部が好ましく、1.0〜2.5質量部がより好ましく、1.0〜1.4質量部がさらに好ましい。
マンニトールとしては、通常、D−マンニトールが用いられる。
第2の層7におけるマンニトールの配合量は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース100質量部に対して、260〜320質量部が好ましく、270〜310質量部がより好ましく、280〜300質量部がさらに好ましい。
第2の層7におけるマンニトールの配合量は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース100質量部に対して、260〜320質量部が好ましく、270〜310質量部がより好ましく、280〜300質量部がさらに好ましい。
かかる第2の層7は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びマンニトールを溶媒に溶解させた溶解液を調製し、この溶解液を第1の層5にスプレーコーティングすることによって形成され得る。
溶媒としては、精製水等の水や、該水とエタノール等のアルコールとの混合液等が挙げられる。
溶解液としては、該溶解液100質量部に対してヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましくは0.8〜3.8質量部、より好ましくは1.3〜3.3質量部、さらに好ましくは1.8〜2.8質量部含有されるように調製され得る。
溶媒としては、精製水等の水や、該水とエタノール等のアルコールとの混合液等が挙げられる。
溶解液としては、該溶解液100質量部に対してヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましくは0.8〜3.8質量部、より好ましくは1.3〜3.3質量部、さらに好ましくは1.8〜2.8質量部含有されるように調製され得る。
第3の層9は、二酸化ケイ素及びマンニトールを含有する層である。当該第3の層9は、第2の層7によるイブプロフェンの昇華放出抑制を補助し得る。加えて、粒剤1の流動性を向上させ得る。また、当該第3の層9は、イブプロフェン含有粒剤1の溶出試験において試験液に速やかに溶出し、第1の層5による溶出制御にほとんど影響を与えない層である。
二酸化ケイ素としては、例えば、含水二酸化ケイ素が挙げられる。含水二酸化ケイ素としては、例えば、カープレックス(DSLジャパン社製)、アドソリダー101(フロイント産業社製)等が挙げられる。
第3の層9における含水二酸化ケイ素の配合量は、これよりも内側の粒(芯粒3、第1の層5及び第2の層7)全体を100質量部として、0.3〜0.9質量部が好ましく、0.4〜0.8質量部がより好ましく、0.5〜0.7質量部がさらに好ましい。
第3の層9における含水二酸化ケイ素の配合量は、これよりも内側の粒(芯粒3、第1の層5及び第2の層7)全体を100質量部として、0.3〜0.9質量部が好ましく、0.4〜0.8質量部がより好ましく、0.5〜0.7質量部がさらに好ましい。
マンニトールとしては、上記第2の層7と同様、通常、D−マンニトールが用いられる。
第3の層9におけるマンニトールの配合量は、二酸化ケイ素100質量部に対して、110〜170質量部が好ましく、120〜160質量部がより好ましく、130〜150質量部がさらに好ましい。
第3の層9におけるマンニトールの配合量は、二酸化ケイ素100質量部に対して、110〜170質量部が好ましく、120〜160質量部がより好ましく、130〜150質量部がさらに好ましい。
かかる第3の層9は、例えば、二酸化ケイ素及びマンニトールを溶媒に分散及び溶解させた分散液を調製し、この分散液を第2の層7にスプレーコーティングすることによって形成され得る。
溶媒としては、精製水等の水や、該水とエタノール等のアルコールとの混合液等が挙げられる。
分散液としては、該分散液100質量部に対して二酸化ケイ素が好ましくは3.0〜6.0質量部、より好ましくは3.5〜5.5質量部、さらに好ましくは4.0〜5.0質量部含有されるように調製され得る。
溶媒としては、精製水等の水や、該水とエタノール等のアルコールとの混合液等が挙げられる。
分散液としては、該分散液100質量部に対して二酸化ケイ素が好ましくは3.0〜6.0質量部、より好ましくは3.5〜5.5質量部、さらに好ましくは4.0〜5.0質量部含有されるように調製され得る。
第4の層11は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する層である。当該第3の層9は、第2の層7によるイブプロフェンの昇華放出抑制を補助し得る。また、当該第4の層11は、イブプロフェン含有粒剤1の溶出試験において試験液に速やかに溶出し、第1の層5による溶出制御にほとんど影響を与えない層である。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、上記第1の層5と同様、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910が挙げられ、この市販品としては、TC−5E(信越化学工業社製)、TC−5R(信越化学工業社製)等が挙げられる。
第4の層7におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量は、これよりも内側の粒(芯粒3、第1の層5、第2の層7及び第3の層9)全体を100質量部として、0.2〜1.0質量部が好ましく、0.2〜0.6質量部がより好ましく、0.2〜0.4質量部がさらに好ましい。
第4の層7におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量は、これよりも内側の粒(芯粒3、第1の層5、第2の層7及び第3の層9)全体を100質量部として、0.2〜1.0質量部が好ましく、0.2〜0.6質量部がより好ましく、0.2〜0.4質量部がさらに好ましい。
かかる第4の層11は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを溶媒に溶解させた溶解液を調製し、この溶解液を第3の層9にスプレーコーティングすることによって形成され得る。
溶媒としては、精製水等の水や、該水とエタノール等のアルコールとの混合液等が挙げられる。
溶解液としては、該溶解液100質量部に対してヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましくは2.0〜8.0質量部、より好ましくは3.0〜7.0質量部、さらに好ましくは4.0〜6.0質量部含有されるように調製され得る。
溶媒としては、精製水等の水や、該水とエタノール等のアルコールとの混合液等が挙げられる。
溶解液としては、該溶解液100質量部に対してヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましくは2.0〜8.0質量部、より好ましくは3.0〜7.0質量部、さらに好ましくは4.0〜6.0質量部含有されるように調製され得る。
本実施形態のイブプロフェン含有粒剤1としては、イブプロフェンを含有する粒剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、イブプロフェンを含有する顆粒剤、細粒剤等が挙げられる。顆粒剤としては、日本薬局方第16改正に記載の顆粒剤等が挙げられる。また、イブプロフェン含有粒剤1の粒径は、例えば、日本薬局方第16改正 粒度測定法 第2法ふるい分け法によって測定したとき、300〜1000μmであることが好ましく、300〜850μmであることがより好ましく、350〜700μmであることがさらに好ましい。
また、芯粒3の粒径は、例えば、日本薬局方第16改正 粒度測定法 第2法ふるい分け法によって測定したとき、300〜1000μmであることが好ましく、300〜850μmであることがより好ましく、350〜700μmであることがさらに好ましい。
また、芯粒3の粒径は、例えば、日本薬局方第16改正 粒度測定法 第2法ふるい分け法によって測定したとき、300〜1000μmであることが好ましく、300〜850μmであることがより好ましく、350〜700μmであることがさらに好ましい。
続いて、本実施形態のイブプロフェン含有粒剤1の製造方法について説明する。
本実施形態のイブプロフェン含有粒剤1は、例えば、以下のようにして製造することができる。
本実施形態のイブプロフェン含有粒剤1は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、芯粒3を、例えば、以下のようにして製造する。すなわち、例えば、イブプロフェンと、製剤学的に使用可能な上記で例示された添加剤のうち1つ以上の添加剤とを、高速撹拌造粒機に投入して混合する。該混合物に、結合剤を溶解させた溶液を注加して練合して練合物とする。この湿った練合物を押出造粒機で押出造粒して造粒物を得る。得られた造粒物の表面を球形整粒機で滑らかにする処理を施す。かかる表面処理が施された造粒物を流動層乾燥機に投入して流動層乾燥を行った後、得られた乾燥物から、1000μm篩を通過するが355μm篩を通過しない(篩上に残存する)粒を選別して所望の芯粒3を得る。
次いで、例えばワースター式流動装置を用いて、得られた芯粒3に、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクの水分散液をスプレーコーティングして、芯粒3に第1の層5が積層された粒を得る。当該粒は、第1の層5によってイブプロフェンの溶出が制御された徐放性粒である。
次いで、例えばワースター式流動装置を用いて、上記で得られた第1の層5が積層されてなる徐放性粒に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びマンニトールの水溶液をスプレーコーティングして、該徐放性粒の第1の層5にさらに第2の層7が積層された徐放性粒を得ることができる。
次いで、例えばワースター式流動装置を用いて、上記で得られた第2の層7が積層されてなる徐放性粒に、二酸化ケイ素及びマンニトールの水分散液をスプレーコーティングして、該徐放性粒の第2の層7にさらに第3の層9が積層された徐放性粒を得ることができる。
次いで、例えばワースター式流動装置を用いて、上記で得られた第3の層9が積層された徐放性粒に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液をスプレーコーティングして、該徐放性粒の第3の層9にさらに第4の層11が積層されてなる徐放性粒を、イブプロフェン含有粒剤1として得ることができる。
本実施形態のイブプロフェン含有粒剤1によれば、第1の層5によって、該粒剤1からのイブプロフェンの溶出が制御される。また、第2の層7によって、該粒剤1の保存中においてイブプロフェンが昇華して外部に放出されることが抑制される。
従って、イブプロフェンの溶出が制御され、しかも、保存中においてイブプロフェンが昇華して外部に放出されることが抑制される。
また、第3の層9及び第4の層11によって、第2の層7によるイブプロフェンの昇華放出抑制が補助され得る。加えて、粒剤1の流動性を向上させ得る。
従って、イブプロフェンの溶出が制御され、しかも、保存中においてイブプロフェンが昇華して外部に放出されることが抑制される。
また、第3の層9及び第4の層11によって、第2の層7によるイブプロフェンの昇華放出抑制が補助され得る。加えて、粒剤1の流動性を向上させ得る。
次に、本発明の第2実施形態に係るイブプロフェン含有粒剤について説明する。
本実施形態に係るイブプロフェン含有粒剤1は、図2に示すように、第1実施形態に示された芯粒3に第1の層5及び第2の層7が順に積層されたものである。すなわち、第1実施形態のイブプロフェン含有粒剤1から外側の第3及び第4の層を除いたものである。
それ以外は、第1実施形態と同様であるため、説明を繰り返さない。
それ以外は、第1実施形態と同様であるため、説明を繰り返さない。
次に、本発明の第3実施形態に係るイブプロフェン含有粒剤について説明する。
本実施形態に係るイブプロフェン含有粒剤1は、図3に示すように、第1実施形態の芯粒3、第1の層5及び第2の層7に加え、第2の層7に積層された層であって、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する第5の層13をさらに備える。
当該第5の層13は、第4の層11と同様、イブプロフェン含有粒剤1の溶出試験において試験液に速やかに溶出し、第1の層5による溶出制御にほとんど影響を与えない層である。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、上記第2実施形態の第4の層11と同様、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910が挙げられ、この市販品としては、TC−5E(信越化学工業社製)、TC−5R(信越化学工業社製)等が挙げられる。
第5の層13におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量は、これよりも内側の粒(芯粒3、第1の層5及び第2の層7)全体を100質量部として、0.18〜0.62質量部が好ましく、0.18〜0.42質量部がより好ましく、0.22〜0.32質量部がさらに好ましい。
第5の層13におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量は、これよりも内側の粒(芯粒3、第1の層5及び第2の層7)全体を100質量部として、0.18〜0.62質量部が好ましく、0.18〜0.42質量部がより好ましく、0.22〜0.32質量部がさらに好ましい。
かかる第5の層13は、上記第4の層11と同様に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを溶媒に溶解させた溶解液を調製し、この溶解液を第2の層7にスプレーコーティングすることによって形成され得る。
溶媒としては、上記第4の層11と同様、精製水等の水や、該水とエタノール等のアルコールとの混合液等が挙げられる。
溶解液としては、該溶解液100質量部に対してヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましくは2.0〜8.0質量部、より好ましくは3.0〜7.0質量部、さらに好ましくは4.0〜6.0質量部含有されるように調製され得る。
溶媒としては、上記第4の層11と同様、精製水等の水や、該水とエタノール等のアルコールとの混合液等が挙げられる。
溶解液としては、該溶解液100質量部に対してヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましくは2.0〜8.0質量部、より好ましくは3.0〜7.0質量部、さらに好ましくは4.0〜6.0質量部含有されるように調製され得る。
本実施形態のイブプロフェン含有粒剤1は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、第1実施形態と同様にして芯粒3に第1の層5及び第2の層7を順に積層する。
次いで、例えばワースター式流動装置を用いて、上記で得られた第2の層7が積層されてなる徐放性粒に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液をスプレーコーティングして、徐放性粒の第2の層7にさらに第5の層13が積層された徐放性粒を、イブプロフェン粒剤1として得ることができる。
上記以外は、第1実施形態と同様であるため、説明を繰り返さない。
まず、第1実施形態と同様にして芯粒3に第1の層5及び第2の層7を順に積層する。
次いで、例えばワースター式流動装置を用いて、上記で得られた第2の層7が積層されてなる徐放性粒に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液をスプレーコーティングして、徐放性粒の第2の層7にさらに第5の層13が積層された徐放性粒を、イブプロフェン粒剤1として得ることができる。
上記以外は、第1実施形態と同様であるため、説明を繰り返さない。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に特に限定されるものではない。
(実施例1)
・芯粒の製造
イブプロフェン(アルベマール社製)2280g、D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)1349g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成社製)266g及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)47.5gを高速撹拌造粒機バーチカルグラニュレーター(FM−VG−25、パウレック社製)に投入し、1分間混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)47.5gを精製水718.2g/エタノール79.8gの混合液に溶解した結合液を注加し、3分間練合した。練合物を押出造粒機ドームグラン(DG−01、不二パウダル社製)で押出造粒し、得られた造粒物の表面を球形整粒機マルメライザー(QJ−230T−1型、不二パウダル社製)で滑らかにする表面処理を行い、かかる表面処理が施された造粒物を流動層乾燥機(フローコーター FLO−5、フロイント産業社製)に投入して流動層乾燥を行った。得られた乾燥物から、16号篩(1000μm篩)を通過するが42号篩(355μm篩)を通過しない(篩上に残存する)粒を選別して、芯粒(a)を得た。
・芯粒の製造
イブプロフェン(アルベマール社製)2280g、D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)1349g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成社製)266g及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)47.5gを高速撹拌造粒機バーチカルグラニュレーター(FM−VG−25、パウレック社製)に投入し、1分間混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)47.5gを精製水718.2g/エタノール79.8gの混合液に溶解した結合液を注加し、3分間練合した。練合物を押出造粒機ドームグラン(DG−01、不二パウダル社製)で押出造粒し、得られた造粒物の表面を球形整粒機マルメライザー(QJ−230T−1型、不二パウダル社製)で滑らかにする表面処理を行い、かかる表面処理が施された造粒物を流動層乾燥機(フローコーター FLO−5、フロイント産業社製)に投入して流動層乾燥を行った。得られた乾燥物から、16号篩(1000μm篩)を通過するが42号篩(355μm篩)を通過しない(篩上に残存する)粒を選別して、芯粒(a)を得た。
・第1の層の形成
アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマー(オイドラギットNE−30D、エボニックデグサジャパン社製)225g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)6.8g及びタルク(勝光山社製)67.5gを精製水310gに分散及び溶解させて、第1の層を形成するための懸濁液を調製した。なお、オイドラギットNE−30Dは、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマーの水分散液として市販されており、225g中に固形成分が67.5g含有されている。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、上記で得られた芯粒(a)750gに、上記懸濁液をスプレーコーティングして、徐放性粒(b)を得た。
アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマー(オイドラギットNE−30D、エボニックデグサジャパン社製)225g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)6.8g及びタルク(勝光山社製)67.5gを精製水310gに分散及び溶解させて、第1の層を形成するための懸濁液を調製した。なお、オイドラギットNE−30Dは、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマーの水分散液として市販されており、225g中に固形成分が67.5g含有されている。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、上記で得られた芯粒(a)750gに、上記懸濁液をスプレーコーティングして、徐放性粒(b)を得た。
・第2の層の形成
D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)31.4g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)10.7gを精製水425gに溶解させて、第2の層を形成するための溶解液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、上記で得られた徐放性粒(b)に、上記溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(c)を得た。
D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)31.4g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)10.7gを精製水425gに溶解させて、第2の層を形成するための溶解液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、上記で得られた徐放性粒(b)に、上記溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(c)を得た。
(実施例2)
・第3の層及び第4の層の形成
含水二酸化ケイ素(DSLジャパン社製)5.7g及びD−マンニトール(三菱商事フードテック社製)7.9gを精製水110gに分散及び溶解させて、第3の層を形成するための懸濁液を調製した。
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)2.5gを精製水48gに溶解させて、第4の層を形成するための溶解液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、実験例1で得られた徐放性粒(c)に、上記第3の層を形成するための懸濁液をスプレーコーティングし、さらに、上記第4の層を形成するための溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(d)を得た。
・第3の層及び第4の層の形成
含水二酸化ケイ素(DSLジャパン社製)5.7g及びD−マンニトール(三菱商事フードテック社製)7.9gを精製水110gに分散及び溶解させて、第3の層を形成するための懸濁液を調製した。
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)2.5gを精製水48gに溶解させて、第4の層を形成するための溶解液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、実験例1で得られた徐放性粒(c)に、上記第3の層を形成するための懸濁液をスプレーコーティングし、さらに、上記第4の層を形成するための溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(d)を得た。
(実施例3)
・第5の層の形成
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)2.5gを精製水55gに溶解させて、第5の層を形成するための溶解液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、実験例1で得られた徐放性粒(c)933.9gに、上記溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(e)を得た。
・第5の層の形成
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)2.5gを精製水55gに溶解させて、第5の層を形成するための溶解液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、実験例1で得られた徐放性粒(c)933.9gに、上記溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(e)を得た。
(実施例4)
・芯粒の製造
イブプロフェン(アルベマール社製)2280g、D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)1349g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成社製)266g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)47.5g及び流動化剤としての含水二酸化ケイ素(カープレックス#80 DSLジャパン社製)5.7gを高速撹拌造粒機バーチカルグラニュレーター(FM−VG−25、パウレック社製)に投入し、1分間混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)47.5gを精製水718.2g/エタノール79.8gの混合液に溶解した結合液を注加し、3分間練合した。練合物を押出造粒機ドームグラン(DG−01、不二パウダル社製)で押出造粒し、得られた造粒物の表面を球形整粒機マルメライザー(QJ−230T−1型、不二パウダル社製)で滑らかにする表面処理を行い、かかる表面処理が施された造粒物を流動層乾燥機(フローコーター FLO−5、フロイント産業社製)に投入して流動層乾燥を行った。得られた乾燥物から、16号篩(1000μm篩)を通過するが42号篩(355μm篩)を通過しない(篩上に残存する)粒を選別して、芯粒(f)を得た。
・芯粒の製造
イブプロフェン(アルベマール社製)2280g、D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)1349g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成社製)266g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)47.5g及び流動化剤としての含水二酸化ケイ素(カープレックス#80 DSLジャパン社製)5.7gを高速撹拌造粒機バーチカルグラニュレーター(FM−VG−25、パウレック社製)に投入し、1分間混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)47.5gを精製水718.2g/エタノール79.8gの混合液に溶解した結合液を注加し、3分間練合した。練合物を押出造粒機ドームグラン(DG−01、不二パウダル社製)で押出造粒し、得られた造粒物の表面を球形整粒機マルメライザー(QJ−230T−1型、不二パウダル社製)で滑らかにする表面処理を行い、かかる表面処理が施された造粒物を流動層乾燥機(フローコーター FLO−5、フロイント産業社製)に投入して流動層乾燥を行った。得られた乾燥物から、16号篩(1000μm篩)を通過するが42号篩(355μm篩)を通過しない(篩上に残存する)粒を選別して、芯粒(f)を得た。
・第1の層の形成
アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマー(オイドラギットNE−30D、エボニックデグサジャパン社製)225g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)6.8g及びタルク(勝光山社製)67.5gを精製水310gに分散及び溶解させて、第1の層を形成するための懸濁液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、上記で得られた芯粒(f)751.1gに、上記懸濁液をスプレーコーティングして、徐放性粒(g)を得た。
アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマー(オイドラギットNE−30D、エボニックデグサジャパン社製)225g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)6.8g及びタルク(勝光山社製)67.5gを精製水310gに分散及び溶解させて、第1の層を形成するための懸濁液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、上記で得られた芯粒(f)751.1gに、上記懸濁液をスプレーコーティングして、徐放性粒(g)を得た。
・第2の層の形成
D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)31.4g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)10.7gを精製水425gに溶解させて、第2の層を形成するための溶解液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、上記で得られた徐放性粒(g)に、上記溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(h)を得た。
D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)31.4g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)10.7gを精製水425gに溶解させて、第2の層を形成するための溶解液を調製した。
ワースター式流動装置(ワースターMP01、パウレック社製)を用いて、上記で得られた徐放性粒(g)に、上記溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(h)を得た。
(比較例1)
上記実施例1で得られた芯粒(a)を比較例1とした。
上記実施例1で得られた芯粒(a)を比較例1とした。
(比較例2)
上記実施例4で得られた芯粒(f)を比較例2とした。
上記実施例4で得られた芯粒(f)を比較例2とした。
(比較例3)
上記実施例1で得られた徐放性粒(b)を比較例3とした。
上記実施例1で得られた徐放性粒(b)を比較例3とした。
(比較例4)
上記実施例4で得られた徐放性粒(g)を比較例4とした。
上記実施例4で得られた徐放性粒(g)を比較例4とした。
(比較例5)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)13.2gを精製水525gに溶解させて、溶解液を調製した。
実施例1で得られた徐放性粒(b)に、上記溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(i)を得た。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学社製)13.2gを精製水525gに溶解させて、溶解液を調製した。
実施例1で得られた徐放性粒(b)に、上記溶解液をスプレーコーティングして、徐放性粒(i)を得た。
(試験例)
・即溶出性粒の調製
上記とは別に、イブプロフェン(アルベマール社製)600g、D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)1056g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成社製)200g及びカルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505、五徳薬品社製)300gを高速撹拌造粒機バーチカルグラニュレーター(FM−VG−25、パウレック社製)に投入し、1分間混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)40gを精製水340gとエタノール40gの混合液に溶解した結合液を注加し、3分間練合した。練合物を押出造粒機ドームグラン(DG−01、不二パウダル社製)で押出造粒し、得られた造粒物の表面を球形整粒機マルメライザー(QJ−230T−1型、不二パウダル社製)で滑らかにする表面処理を行い、かかる表面処理が施された造粒物を流動層乾燥機(フローコーター FLO−5、フロイント産業社製)に投入して流動層乾燥を行った。得られた乾燥物から、16号篩(1000μm篩)を通過するが42号篩(355μm篩)を通過しない(篩上に残存する)粒を選別して、即溶出性粒を得た。
・試験用試料の調製
イブプロフェン量比で、得られた即溶出性粒40質量部と、上記の実施例及び比較例の粒60質量部とを、1号カプセルに充填して試料を調製し、下記のようにして溶出試験及び外観試験を実施した。実施例の粒を用いた結果を表1に示し、比較例の粒を用いた結果を表2に示す。
・溶出試験
日本薬局方16改正の溶出試験法に従って、水900mLを用いてイブプロフェンの溶出量を測定した。
・外観試験
12個のカプセルを5号ガラス瓶に収容し、金属キャップで密栓し、50℃の恒温器に1箇月間保存した後、カプセルのボディからキャップを外し、カプセルボディ内の粒同士の凝集状態を目視により観察した。
・即溶出性粒の調製
上記とは別に、イブプロフェン(アルベマール社製)600g、D−マンニトール(三菱商事フードテック社製)1056g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成社製)200g及びカルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505、五徳薬品社製)300gを高速撹拌造粒機バーチカルグラニュレーター(FM−VG−25、パウレック社製)に投入し、1分間混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)40gを精製水340gとエタノール40gの混合液に溶解した結合液を注加し、3分間練合した。練合物を押出造粒機ドームグラン(DG−01、不二パウダル社製)で押出造粒し、得られた造粒物の表面を球形整粒機マルメライザー(QJ−230T−1型、不二パウダル社製)で滑らかにする表面処理を行い、かかる表面処理が施された造粒物を流動層乾燥機(フローコーター FLO−5、フロイント産業社製)に投入して流動層乾燥を行った。得られた乾燥物から、16号篩(1000μm篩)を通過するが42号篩(355μm篩)を通過しない(篩上に残存する)粒を選別して、即溶出性粒を得た。
・試験用試料の調製
イブプロフェン量比で、得られた即溶出性粒40質量部と、上記の実施例及び比較例の粒60質量部とを、1号カプセルに充填して試料を調製し、下記のようにして溶出試験及び外観試験を実施した。実施例の粒を用いた結果を表1に示し、比較例の粒を用いた結果を表2に示す。
・溶出試験
日本薬局方16改正の溶出試験法に従って、水900mLを用いてイブプロフェンの溶出量を測定した。
・外観試験
12個のカプセルを5号ガラス瓶に収容し、金属キャップで密栓し、50℃の恒温器に1箇月間保存した後、カプセルのボディからキャップを外し、カプセルボディ内の粒同士の凝集状態を目視により観察した。
表1に示されるように、芯粒に第1の層及び第2の層が積層された徐放性粒である実施例1〜4を用いた試料は、溶出試験の結果、徐放性を示し、外観試験の結果、粒同士の凝集が認められなかった。
これに対し、表2に示されるように、芯粒である比較例1及び比較例2の粒を用いた試料は、溶出試験の結果、30分でほぼ100%のイブプロフェンが溶出しており、その溶出は速やかで、徐放性を示さなかった。また、外観試験の結果、粒の表面にはウィスカーが発生しており、粒同士の付着も多かった。
第1の層のみが積層された徐放性粒である比較例3及び比較例4を用いた試料は、溶出試験の結果、徐放性を示したが、外観試験の結果、粒同士の凝集が確認された。
第1の層にヒドロキシプロピルメチルセルロースのみを含有する層が積層された比較例5を用いた試料は、溶出試験の結果、徐放性を示したが、外観試験の結果、粒同士の凝集が確認された。
第1の層のみが積層された徐放性粒である比較例3及び比較例4を用いた試料は、溶出試験の結果、徐放性を示したが、外観試験の結果、粒同士の凝集が確認された。
第1の層にヒドロキシプロピルメチルセルロースのみを含有する層が積層された比較例5を用いた試料は、溶出試験の結果、徐放性を示したが、外観試験の結果、粒同士の凝集が確認された。
本実施形態のイブプロフェン含有粒剤1は、上記の通りであるが、本発明のイブプロフェン含有粒剤は、上記実施形態に特に限定されるものではない。
例えば、イブプロフェン含有粒剤は、上記実施例で示すように、カプセル等に収容されていてもよい。
また、本実施形態のイブプロフェン含有粒剤1においては、芯粒3上に第1の層5が直接的に積層され、第1の層5上に第2の層7が直接的に積層され、第2の層7上に第3の層9及び第5の層13が直接的に積層され、第3の層9上に第4の層11が直接的に積層された態様を示すが、本発明においては、芯粒3上に第1の層5が間接的に積層され、第1の層5上に第2の層7が間接的に積層され、第2の層7上に第3の層9及び第5の層13が間接的に積層され、第3の層9上に第4の層11が間接的に積層された態様を採用してもよい。すなわち、芯粒3と第1の層5との間、第1の層5と第2の層7との間、第2の層7と第3の層9及び第5の層13との間、並びに、第3の層9と第4の層11との間に、別の層が介挿されていてもよい。
また、本発明においては、上記第2の層5〜第5の層13のさらに外側に、さらに層が積層されていてもよい。
また、本発明においては、例えばイブプロフェン含有粒剤の最表面側に二酸化ケイ素等が帯電防止剤として粉添加によって塗されていてもよい。
1:イブプロフェン含有粒剤、3:芯粒、5:第1の層、7:第2の層、9:第3の層、11:第4の層、13:第5の層
Claims (3)
- イブプロフェンを含有する芯粒と、
該芯粒に積層された層であって、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含有する第1の層と、
該第1の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びマンニトールを含有する第2の層とを備えたイブプロフェン含有粒剤。 - 前記第2の層に積層された層であって、二酸化ケイ素及びマンニトールを含有する第3の層と、
該第3の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する第4の層とを備えた、請求項1に記載のイブプロフェン含有粒剤。 - 前記第2の層に積層された層であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する第5の層をさらに備えた、請求項1に記載のイブプロフェン含有粒剤。
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