JP2018016622A - デュロキセチン含有医薬組成物 - Google Patents

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洋平 武田
由紀子 横井
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由紀子 横井
崇也 小河
Takaya Ogawa
崇也 小河
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Abstract

【課題】圧縮成形後も優れた耐酸性および腸溶性を有する、デュロキセチン又はその医薬的に許容される塩を含有する腸溶性被覆粒子、およびそれを含有する錠剤、それらの製造方法を提供すること。【解決手段】デュロキセチン又はその医薬的に許容される塩を含む核粒子に 、必要に応じて分離層をコーティングしたのち、少なくとも腸溶性ポリマーとしてヒプロメロースフタル酸エステルを含む腸溶性被膜、及び必要に応じてフィニッシング層をコーティングした腸溶性被覆粒子に、医薬的に許容される添加剤を加えて混合し、圧縮成型することで、耐酸性及び腸溶性に優れた錠剤が得られる。【選択図】 なし

Description

本発明は、圧縮成形後も優れた耐酸性および腸溶性を有し、デュロキセチン又はその医薬的に許容される塩を含有する核粒子に、少なくともヒプロメロースフタル酸エステルを含む腸溶性被膜をコーティングした腸溶性被覆粒子、およびそれを含有する錠剤、それらの製造方法を提供するものである。
デュロキセチンは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)として知られる公知の薬剤である。それは一般に塩酸塩の形態で用いられるが、以下の「デュロキセチン」の用語の使用は、デュロキセチン又はその医薬的に許容される塩ということを意図する。
デュロキセチンは、酸性条件下において不安定であることが知られている。したがって、胃の酸性状態から保護し、小腸内などの中性条件下で放出されるようにすることが望まれる。一般に、酸性条件下で不安定な活性化合物は、腸溶被覆された製剤として投与される。
腸溶被覆された製剤は、シングルユニット型およびマルチプルユニット型に大きく分類できる。シングルユニット型の製剤は、消化管内で投与剤型が保たれたまま徐々に薬物を放出する製剤であり、マルチプルユニット型の製剤は、一つの製剤に薬物放出速度の相異なるユニットが複数存在する製剤である。一般にマルチプルユニット型の製剤はシングルユニット型の製剤に比べて消化管滞留時間の変動が少ないことから、有効成分の吸収変動が少なく、薬物溶出の再現性が容易であり、シングルユニット型からより進化した放出制御型製剤であると言える。
マルチプルユニット型の腸溶性製剤は、一般に腸溶性粒子からなる顆粒剤や腸溶性粒子を充填したカプセル剤として製剤化されているが、腸溶性粒子を含有する錠剤の形で製剤化されている事例もある。いずれも活性成分は粒子の内部にあって腸溶性ポリマーを含有する腸溶性被膜でコーティングされている。
しかし、デュロキセチンは公知の腸溶性ポリマーの多くと、具体的には腸溶性ポリマーの酸性基と反応し不溶性の被膜を形成してしまうため、それがデュロキセチンの生物学的利用能を低下させることが知られている。
特許文献1は、腸溶性ポリマーとしてヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(以下HPMCAS)を用いたデュロキセチン含有腸溶性粒子を開示しており、腸溶性ポリマーとしてポリマーの単位重量あたり少量のカルボキシル基のみを有するものが好ましく、HPMCASは4%以上28%以下のサクシノイル基を含有しており、これがHPMCASを選択した理由としている。しかし、特許文献1ではHPMCAS以外の腸溶性ポリマーを利用した例が開示されていない。
特許文献2は、腸溶性ポリマーとしてヒプロメロースフタル酸エステルを用いたデュロキセチン含有腸溶性粒子を開示しているが、腸溶性粒子をカプセルに充填した製剤となっており、錠剤に使用した例は開示されていない。
一方、特許文献3にはデュロキセチンを含む錠剤が開示されているが、錠剤全体に腸溶性被膜を施したシングルユニット型の錠剤であり、マルチプルユニット型の錠剤を開示したものは未だない。よって服用性および薬物溶出の再現性向上の観点から、腸溶性粒子を含有した錠剤の開発が求められている。また以下の「錠剤」の用語の使用は、普通錠または口腔内崩壊錠ということを意図する。
腸溶性粒子を錠剤に含有させる技術は特許文献4のタケプロン(登録商標)OD錠などで用いられており、錠剤化するためには、成形性向上のため含有する腸溶性粒子を500μm以下程度にまで小型化する必要があり、特に口腔内崩壊錠とする場合、服用時の口当たりなどを考慮すると、一般的に平均粒径300〜400μm程度にまで小型化する必要があるとされている。しかしそうすると腸溶性粒子の比表面積の増加により薬物が酸性環境に接触する可能性が増加するため、多量の腸溶性被膜をコーティングする必要がある。そのため、腸溶性ポリマーと反応するデュロキセチンのような活性化合物を、可能な限り小型化した腸溶性粒子に内包させ、錠剤化するためには大幅な技術改良が必要になる。
その上問題となるのは、腸溶性被膜がコーティングされた粒子を圧縮成型した場合に腸溶性被膜の破損が容易に起きることである。そのため被膜の破損を防ぐためには、圧縮成形に耐えうる腸溶性被膜を形成させる必要がある。
さらに本発明により明らかとなった最も重要な点は、デュロキセチン含有腸溶性粒子を圧縮成形することにより、デュロキセチンと腸溶性ポリマーの反応性が著しく増大することである。
以上よりデュロキセチン含有腸溶性粒子を錠剤に含有するためには、圧縮成形後もデュロキセチンとの反応性が低く、耐酸性を維持できる腸溶性被膜を形成させる必要がある。
特許3707831号 特開2010−530868 CN100525760(C) 特許3746167号
本発明は上記の課題を解決し、圧縮成形後も優れた耐酸性と腸溶性を維持するデュロキセチン含有腸溶性被覆粒子、およびそれを含有する錠剤、それらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、デュロキセチンの腸溶性粒子を含むマルチプルユニット型の錠剤を開発するにあたり、種々の腸溶性ポリマーを検討した結果、驚くべきことにヒプロメロースフタル酸エステルを使用した場合に、圧縮成型後も耐酸性及び腸溶性に優れた錠剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明はデュロキセチンおよび医薬的に許容しうる添加剤からなる核粒子に必要に応じて分離層をコーティングしたのち、少なくとも腸溶性ポリマーとしてヒプロメロースフタル酸エステル及び必要に応じて可塑剤、界面活性剤、凝集防止剤、光安定化剤、着色料から選ばれるいずれか一つ以上の医薬的に許容される添加剤を含む腸溶性被膜、必要に応じてフィニッシング層をコーティングした腸溶性被覆粒子に、医薬的に許容される添加剤を加えて混合し、圧縮成型してなる錠剤を提供する。
本発明の腸溶性被覆粒子を含有する錠剤は、圧縮成型しているにもかかわらず、腸溶性被膜の破損による耐酸性低下が起こらず、また、デュロキセチンと腸溶性ポリマーの反応による中性域での溶出低下が起こらないことを特徴とする。すなわち、デュロキセチンを含む核粒子に少なくとも腸溶性ポリマーとしてヒプロメロースフタル酸エステルを含む腸溶性被膜をコーティングした腸溶性被覆粒子のpH1.2における溶出率と同腸溶性被覆粒子を含有する錠剤のpH1.2における溶出率を比較したとき、その差は10%以内である。同様にpH6.8における溶出率を比較したとき、その差は10%以内であり、本発明の錠剤はpH1.2及びpH6.8の両方の条件を満たすものである。また本発明の錠剤は、米国薬局方記載のデュロキセチン遅延放出カプセルの溶出性判定基準(Acid stageにおける120分間の溶出率が10%以下およびBuffer stageにおける60分間の溶出率が75%以上)に適合するものである。
本発明により得られる錠剤の日本薬局方の一般試験法、溶出試験法(パドル法、回転数75rpm、液量900mL)で測定した、第1液(pH1.2)の各時間における溶出率を示すグラフである。 本発明により得られる錠剤の日本薬局方の一般試験法、溶出試験法(パドル法、回転数75rpm、液量900mL)で測定した、第2液(pH6.8)の各時間における溶出率を示すグラフである。
本発明の腸溶性被覆粒子は、デュロキセチンを含有する核粒子に、必要に応じて分離層をコーティングしたのち、少なくとも腸溶性ポリマーとしてヒプロメロースフタル酸エステルを含有する腸溶性被膜、必要に応じてフィニッシング層をコーティングすることにより製造される。
本発明に用いる好ましい核粒子は、デュロキセチンを含有している層を医薬的に許容される不活性粒子にコーティングすることにより製造することができる。そのような不活性粒子は医薬において慣用的に使用されるものであり、本発明に用いる不活性粒子としては、錠剤を普通錠とする場合には平均粒子径50〜400μmのものが好ましく、口腔内崩壊錠とする場合には平均粒子径50〜200μmのものが好ましい。特にフロイント産業製のノンパレル(登録商標)108(200)が好ましい。
不活性粒子にコーティングするデュロキセチンの量は、不活性粒子の全重量に対して、好ましくは10〜150重量%、さらに好ましくは80〜120重量%である。不活性粒子にコーティングするデュロキセチンを含有している層には、さらなる賦形成分、例えば結合剤をデュロキセチンの全重量に対して1〜20重量%含み得る。このようにして製造された核粒子は、腸溶性被覆粒子の全重量に対して、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは45〜55重量%である。
また本発明に用いる核粒子は、デュロキセチン原薬と医薬的に許容される添加剤、たとえば流動化剤や結合剤を混合し、慣用の方法により造粒することで製造することもできる。造粒法は、本発明に適した粒子径の核粒子が得られる方法であれば特に限定されず、慣用の方法、たとえば解砕造粒法や押し出し造粒法、流動層造粒法、遠心転動造粒法などを用いることができる。そのようにして製造された核粒子は、腸溶性被覆粒子の全重量に対して、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは45〜55重量%である。
デュロキセチンを含有する核粒子と腸溶層の間の分離層は必ずしも必要なものではないが、より安定化した製剤を提供するために用いることができる。分離層の機能は、デュロキセチンと腸溶性ポリマーとの反応を抑制することに加えて、分離層は一般的にそれ自体もデュロキセチンおよび腸溶コーティングの両方に対して非反応性である。
分離層に用いる成分は特に限定されず、医薬的に許容される固形成分たとえば糖類やポリマー、結合剤などを適宜組み合わせて使用することができる。これらの含有量は特に限定されず、医薬的に許容される量を適宜選択すればよい。
腸溶性被膜は腸溶性ポリマーを含有した層をコーティングすることにより製造する。腸溶性ポリマーは前述したように、デュロキセチンとの反応性が低く、圧縮成形に耐えうる被膜を形成するものを選択しなければならない。特に好ましい腸溶性ポリマーはヒプロメロースフタル酸エステルである。
腸溶性被膜はさらに可塑剤、界面活性剤、凝集防止剤、光安定化剤、着色料から選ばれるいずれか一つ以上の医薬的に許容される添加剤を含みうる。本発明の一つの実施形態では、例えば可塑剤としてクエン酸トリエチルをヒプロメロースフタル酸エステルに対して5〜10%、凝集防止剤としてタルクをヒプロメロースフタル酸エステルに対して10〜30%、光安定化剤として酸化チタンをヒプロメロースフタル酸エステルに対して10〜30%含み得る。腸溶性被膜は核粒子の全重量に対して好ましくは20〜120重量%、さらに好ましくは70〜100重量%である。
フィニッシング層は必ずしも必要なものではないが、製剤の品質や取扱い性、保存性、機械加工性向上のためにコーティングされることが多い。
フィニッシング層に用いる成分は特に限定されず、医薬的に許容される固形成分たとえば糖類やポリマー、結合剤などを適宜組み合わせて使用することができる。これらの含有量は特に限定されず、医薬的に許容される量を適宜選択すればよい。
本発明の腸溶性被覆粒子は、流動層コーティング法を用いて製造することができる。コーティング装置としては、流動層コーティング法に使用するものであれば特に限定されず、例えば、転動流動層コーティング装置 (パウレック製、マルチプレックスなど)、流動層コーティング装置(フロイント産業製、フローコーターなど)、微粒子コーティング装置(パウレック製、SFP)、遠心転動コーティング装置(フロイント産業製、グラニュレックス(登録商標))、複合型流動層コーティング装置(フロイント産業製、スパイラフロー(登録商標))などが挙げられる。特に、転動流動層コーティング装置(パウレック製、マルチプレックス)が好ましい。
本発明の腸溶性被覆粒子は、そのまま医薬的に許容される添加剤と任意の比率で混合した後、圧縮成形することで錠剤とすることができる。
本発明の腸溶性被覆粒子以外に錠剤に使用される、医薬上許容される添加剤は特に限定されず、賦形剤、崩壊剤、結合剤、矯味剤、甘味剤、流動化剤、滑沢剤、香料、着色料などを適宜組み合わせて使用することができる。これら添加剤の含有量は特に限定されず、医薬上許容される量を適宜選択すればよい。
上記の添加剤は粉末の状態で添加することも可能であり、あるいは数種の添加剤の混合物を慣用の方法により造粒したものや、錠剤用複合粒子として販売されている造粒物を使用することもできる。これらの添加剤と、本発明の腸溶性被覆微粒子を混合し、圧縮成形することで錠剤とすることができる。
圧縮成形の方法は特に限定されず、慣用の方法、例えば打錠機を用いて行うことができる。打錠機は、医薬品の製造に使用可能なものであれば限定されず、ロータリー式打錠機や単発打錠機などが使用できる。打錠条件は本発明の腸溶性被覆粒子の機能が保持され、かつ錠剤として必要な品質が保持されるよう、適宜選択する。
本発明の錠剤は、圧縮成型しているにもかかわらず、腸溶性被膜の破損による耐酸性低下が起こらず、また、デュロキセチンと腸溶性被膜の反応による中性域での溶出低下が起こらないことを特徴とする。すなわち、デュロキセチン又はその医薬的に許容される塩を含む核粒子に少なくともヒプロメロースフタル酸エステルを含む腸溶性被膜をコーティングした腸溶性被覆粒子のpH1.2における溶出率と同腸溶性被覆粒子を含有する錠剤のpH1.2における120分間の溶出率を比較したとき、その差は10%以内である。同様にpH6.8における120分間の溶出率を比較したとき、その差は10%以内であり、本発明の錠剤はpH1.2及びpH6.8の両方の条件を満たすものである。また本発明の錠剤は、米国薬局方記載のデュロキセチン遅延放出カプセルの溶出性判定基準(Acid stageにおける120分間の溶出率が10%以下およびBuffer stageにおける60分間の溶出率が75%以上)にも適合するものである。
本発明の錠剤及び腸溶性被覆粒子の溶出率は日本薬局方の一般試験法、溶出試験法(パドル法、回転数75rpm、液量900mL)で測定するものであり、試験液は第1液(pH1.2)と第2液(pH6.8)を使用するものである。
以下に実施例をもって、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
汎用されている各種腸溶性ポリマーを腸溶性被膜に用いて、腸溶性被覆粒子およびそれを含有する錠剤を以下の実施例1および比較例1〜4に従って製造し、腸溶性被覆粒子および錠剤のpH1.2およびpH6.8における120分後の溶出率を、実験例1に従って測定した。
(実施例1)
実施例1は不活性粒子である白糖・デンプン球形顆粒(フロイント産業製:ノンパレル(登録商標)101(32−42))を転動流動層コーティング装置(パウレック製:MP−01)に入れ、デュロキセチン塩酸塩(宇部興産製)を20.0重量%、ヒプロメロース(信越化学製:TC−5(登録商標)E)を2.4重量%、水を77.6重量%となるように調製したコーティング液を噴霧しながら、白糖・デンプン球形顆粒の全重量に対し、デュロキセチン塩酸塩が10重量%となるようにコーティングし乾燥、分級後、核粒子とした。得られた核粒子に、ヒプロメロースフタル酸エステル(信越化学製:HPMCP HP−55)(以下、HPMCP)を6.0重量%、タルク(松村産業製:ハイ・フィラー(登録商標)#17)を1.8重量%、クエン酸トリエチル(森村産業製:シトロフレックス(登録商標)2)を0.3重量%、エタノール(純正化学製)を73.5重量%、水を18.4重量%となるように調製したコーティング液を噴霧しながら、核粒子の全重量に対して腸溶性被膜が30重量%となるようにコーティングし乾燥、分級後、腸溶性被覆粒子とした。得られた腸溶性被覆粒子を、賦形剤としてSmartEX(登録商標)QD−100(フロイント産業製)を98.0重量%、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(日油製:ステアリン酸マグネシウムGV)を2.0重量%となるようにした添加剤と重量比1:1で混合後、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:クリーンプレスコレクト(登録商標)12HUK)を用い、杵を直径9.0mm(WR)、打錠圧を0.6tonとして打錠し、錠剤とした。
(比較例1)
比較例1は実施例1の腸溶性ポリマーをカルボキシメチルエチルセルロースに変更し、腸溶性被膜のコーティング液を、カルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業製:CMEC(登録商標))を6.0重量%、タルク(松村産業製:ハイ・フィラー#17)を1.8重量%、クエン酸トリエチル(森村産業製:シトロフレックス(登録商標)2)を1.2重量%、エタノール(純正化学製)を72.8重量%、水を18.2重量%となるように調製した以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
(比較例2)
比較例2は実施例1の腸溶性ポリマーをメタクリル酸コポリマーLDに変更し、腸溶性被膜のコーティング液を、メタクリル酸コポリマーLD分散液(エボニック製:オイドラギット(登録商標)L30D−55)を71.3重量%、モノステアリン酸グリセリン(理研ビタミン製:モノステアリン酸グリセリンP−100)を1.1重量%、クエン酸トリエチル(森村産業製シトロフレックス(登録商標)2)を2.1重量%、ポリソルベート80(日油製)を0.4重量%、水を25.1重量%となるように調製した以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
(比較例3)
比較例3は実施例1の腸溶性ポリマーをHPMCAS (信越化学製:信越AQOAT(登録商標)LF)に変更し、腸溶性被膜のコーティング液を、HPMCASを7.0重量%、タルク(松村産業製:ハイ・フィラー(登録商標)#17)を2.1重量%、クエン酸トリエチル(森村産業製:シトロフレックス2)を1.4重量%、ドデシル硫酸ナトリウム(和光製)を0.2重量%、水を89.3重量%となるように調製した以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
(比較例4)
比較例4は実施例1の腸溶性被覆粒子を、サインバルタ(登録商標)カプセル30mg(イーライリリー製)から取り出した腸溶性被覆粒子とした以外は、実施例1と同様の方法で製造した。なお、サインバルタは腸溶性ポリマーとしてHPMCASが使用されている。
(実験例1)
実施例1および比較例1〜4で製造した腸溶性被覆粒子および錠剤の溶出率を、日本薬局方の一般試験法、溶出試験法(パドル法、回転数75rpm、液量900mL)で測定し、試験液は第1液(pH1.2)と第2液(pH6.8)を使用し、腸溶性被覆粒子と錠剤の120分後の溶出率を算出した。また溶出率は以下の式に従って算出した。
溶出率=W2/W1×100(%)
W1:溶出試験に使用した腸溶性被覆粒子または錠剤中に含まれるデュロキセチンの量(g)
W2:一定時間経過後の、試験液全体の体積に相当する試験液中に含まれるデュロキセチンの量(g)
pH1.2における腸溶性被覆粒子と錠剤の120分後の溶出率の差を表1に示す。
上記表1から明らかなように、腸溶性ポリマーにHPMCPを用いた場合、腸溶性被覆粒子とそれを圧縮成形し錠剤としたときのpH1.2における溶出率の差が他の腸溶性ポリマーと比較し低いことから、圧縮成形後も十分に腸溶性被膜を維持していることがわかる。
pH6.8における腸溶性被覆粒子と錠剤の120分後の溶出率の差を表2に示す。
上記表2から明らかなように、腸溶性ポリマーにHPMCPを用いた場合、腸溶性被覆粒子とそれを圧縮成形し錠剤としたときのpH6.8における溶出率の差が他の腸溶ポリマーと比較し大幅に低いことから、圧縮成形後もデュロキセチンとの反応性が飛躍的に抑えられていることがわかる。
上記の結果から、腸溶性ポリマーにHPMCPを用いた場合、圧縮成形後も耐酸性および腸溶性に変化がない腸溶性被覆粒子、およびそれを含有する錠剤が得られることがわかる。
(実施例2)
実施例2は、実施例1の白糖・デンプン球形顆粒をD−マンニトール球状顆粒(フロイント製:ノンパレル(登録商標)108(200))に変更し、D−マンニトール球状顆粒の全重量に対してデュロキセチン塩酸塩を100重量%となるようにコーティングした核粒子に、腸溶性被膜を核粒子の全重量に対して100重量%となるようにコーティングし、得られた腸溶性被覆粒子を賦形剤としてSmartEX(登録商標)QD−100(フロイント産業製)を98.7重量%、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(日油製:ステアリン酸マグネシウムGV)を1.3重量%となるようにした添加剤と重量比1:3で混合後、ロータリー式打錠機を用い、杵を直径11.3m m(WR)、打錠圧を1.5ton として打錠し、錠剤とした以外は、実施例1と同様の方法で製造した。このようにして製造された腸溶性被覆粒子は錠剤、特に口腔内崩壊錠とするのに適した粒子径である。また製造時に粒子凝集などのトラブルが発生することもなく、高収率で所望の腸溶性被覆粒子を得ることができる。
(実験例2)
実施例2で製造した腸溶性被覆粒子と錠剤のpH1.2における溶出率とpH6.8における溶出率を実験例1と同様の方法で算出した。
pH1.2における腸溶性被覆粒子と錠剤の120分後の溶出率の差を表3に示す。
pH6.8における腸溶性被覆粒子と錠剤の120分後の溶出率の差を表4に示す。
実施例2で製造した錠剤のpH1.2における各時間の溶出率のグラフを図1に示す。
実施例2で製造した錠剤のpH6.8における各時間の溶出率のグラフを図2に示す。
以上に示した通り、本発明の錠剤は、その中に含有されるデュロキセチンの腸溶性被覆粒子が圧縮されているにもかかわらず、腸溶性被膜の破損による耐酸性の低下や、デュロキセチンと腸溶性ポリマーの反応による溶出率の低下が認められず、優れた耐酸性と腸溶性を有することが明らかとなった。
本発明によれば、圧縮成形後も優れた耐酸性および腸溶性を有する、デュロキセチンを含有する核粒子に少なくとも腸溶性被膜をコーティングした腸溶性被覆粒子、およびそれを含有する錠剤を提供することができる。

Claims (6)

  1. デュロキセチン又はその医薬的に許容される塩を含む核粒子に少なくともヒプロメロースフタル酸エステルを含む腸溶性被膜をコーティングした腸溶性被覆粒子を含有する錠剤。
  2. デュロキセチン又はその医薬的に許容される塩を含む核粒子に少なくともヒプロメロースフタル酸エステルを含む腸溶性被膜をコーティングした腸溶性被覆粒子と、医薬的に許容される添加剤を含有する圧縮成型された請求項1記載の錠剤。
  3. デュロキセチン又はその医薬的に許容される塩を含む核粒子に少なくともヒプロメロースフタル酸エステルを含む腸溶性被膜をコーティングした腸溶性被覆粒子のpH1.2及びpH6.8における120分間の溶出率と、錠剤としたときの同溶出率の差がそれぞれ10%以内である請求項1又は2記載の錠剤。
  4. 腸溶性被膜の構成成分として可塑剤、界面活性剤、凝集防止剤、光安定化剤、着色料から選ばれるいずれか一つ以上の医薬的に許容される添加剤が含まれる請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤。
  5. 腸溶性被膜の下層として分離層を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の錠剤。
  6. 腸溶性被膜の上層としてフィニッシング層を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の錠剤。

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