JP6856326B2 - 腸放出粒子組成物 - Google Patents

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本発明は、デュロキセチン、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラペプラゾールなど酸に不安定な薬物を有する腸放出粒子組成物、その腸放出粒子組成物からなる医薬製剤に関する。
酸に不安定な薬物は、胃中で分解物や化合物を生じるもの、また酸性の医薬添加物と反応し分解物や化合物を生じるものがある。これらを防止するため、腸溶性製剤として、酸性の医薬添加物を配合しないか、配合してもその酸性の医薬添加剤と接触しないように製剤的な工夫がなされている。
酸に不安定な薬物、例えば、デュロキセチンは、セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害剤(SNRI)作用を有し、うつ病の治療剤として、販売されている(特許文献1)。デュロキセチンは、胃酸などの強酸性下で不安定であり、腸溶製剤の形態で市販されている。また、酸性物質の存在下で、分解物質を生じるため、使用できる医薬添加物も限られている。
デュロキセチンの腸溶製剤としては、デュロキセチンとは分解物質を生じないヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネート(HPMCAS)を用いたデュロキセチン腸溶ペレットが知られている(特許文献2)。また、不活性コアに塩酸デュロキセチンの層、不活性層有し、外層にメタクリル酸共重合体及びヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フタラートを用いた腸溶層を有する塩酸デュロキセチンの遅延放出型製剤が知られている(特許文献3)。
特開昭63−185946公報 特開平8−40895公報 特表2009−538315公報
メタクリル酸コポリマーなど酸性の医薬添加物と相互作用を有する酸に不安定な薬物において、薬物の放出性、薬物の安定性に優れた腸溶性の粒子組成物、その組成物からなる医薬製剤及び有機溶媒を用いないその組成物の製法を提供する。
本発明は、薬物を含有する核に、崩壊剤を含有する中間層水難溶性高分子を含有する徐放層、及び有機溶媒を用いずに製造可能な腸溶層からなる腸溶性の粒子状組成物を形成することによって、前述問題を解決した。
本発明の腸放出性の粒子組成物は、酸に不安定でメタクリル酸コポリマーなどの酸性の医薬添加物との相互作用を有する薬物において、薬物の放出性、薬物の安定性に優れた放出製剤を提供することができる。また、有機溶媒を用いず、通常用いられている湿式造粒装置で容易に製造することができる。
McIlvaineのpH6.0水溶液でのデュロキセチンの溶出率
本発明の腸放出粒子組成物は、(a)酸に不安定な薬物を含有する薬物核の外周に、(b)平均粒子径0.1〜30μmの崩壊剤を含有する中間層を形成し、その外周に(c)水難溶性高分子を含有してなる徐放層を形成し、さらにその外周に(d)腸溶性高分子を含有してなる腸溶層を構成してなる。本発明の腸放出粒子組成物の(a)〜(d)の薬物核や各層の製造には、有機溶媒を用いずに発明の腸放出粒子組成物を製造可能な高分子を使用する。
本発明に用いる薬物は、酸に不安定であり、例えば、胃中で分解物や化合物を生じるもの、又は酸性の医薬添加物と反応し分解物や化合物を生じる薬物である。例えば、デュロキセチン、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、エリスロマイシン、サラゾスルファピリジン、カリジノゲナーゼ、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、ブホルミンなどが挙げられる。好ましくは、デュロキセチン、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラペプラゾールである。
本発明の薬物を含有する薬物核は、核剤の周囲に薬物層を形成させた造粒物、又は薬物と使用可能な医薬添加剤から形成された造粒物のいずれかを用いることができる。これらの薬物核の平均粒子径は100〜1000μmである。
本発明の薬物を含有する薬物核は、ノンパレル(フロイント社製)、セルフィア(旭化成(株)製)などの不活性担体を核粒子として、その上に有効成分、通常製剤化に用いられる賦形剤を適宜配合してコーティングして製造することができる。例えば、不活性担体の核上に有効成分等をコーティングすることにより薬剤核を得る場合には、例えば遠心転動造粒機や転動造粒装置などにより湿式造粒して製造することができる。また、薬物を結合剤などを含む溶液を不活性担体の核上に噴霧してコーティングすることができる。製造装置は限定されないが、例えば、後者のコーティングにおいては流動層造粒機、遠心転動造粒機や転動造粒機などを用いて製造することができる。前述の装置によるコーティングを組み合わせて実施して有効成分を2段階でコーティングしてもよい。
不活性担体の核粒子を用いない場合、乳糖、白糖、マンニトール、コーンスターチ、結晶セルロースなどの賦形剤と薬物をヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、マクロゴール、プルロニックF68、アラビアゴム、ゼラチン、澱粉などの結合剤を加えて撹拌造粒機、湿式押し出し造粒機、流動層造粒機、遠心転動造粒機、転動造粒機、及び噴霧乾燥機などで製造することにより得られる。得られた薬物核は篩い分け操作により所望の大きさの粒子を得ることができる。ローラーコンパクターなどによる乾式造粒により薬物核を調製してもよいい。
本発明の中間層は、崩壊剤、必要に応じて結合剤、可塑剤、滑沢剤、流動化剤、着色剤及び使用可能な医薬添加物から形成される。一般に、中間層の機能は、薬物との酸性条件に対する抵抗力を長引かせ、薬物と腸溶層の腸溶性ポリマーとの間の相互作用を妨げることによって薬物の安定性を改善することであり、また、腸溶層の塗布のために滑らかなベースを与えること、薬物を光にさらされることから保護することによって安定性を改善することである。本発明においては、さらに、中間層に特定の崩壊剤を使用する事で、水が浸透すると、膨潤して体積が大きくなることを利用して、当該層から外の層を破ることで放出の促進を促す。
中間層で用いる崩壊剤は、例えば、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース又はコメデンプンであり、好ましくは、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースであり、最も好ましくはクロスポビドンである。崩壊剤は、粒子径が大きいと均一な中間層の形成させることができないため造粒できず、粒子径が小さいと所望の崩壊性が得られず、また中間層の形成に問題を生じる。崩壊剤の平均粒子径は、0.1〜40μmであり、好ましくは0.1〜20μmである。崩壊剤の配合量は、薬物核100重量部に対して5〜50重量部である。
中間層で用いる結合剤としては、例えば、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファー化デンプン、アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、デキストリン、ポビドン、好ましくは、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、最も好ましくはヒプロメロースである。
本発明の徐放層は、水難溶性高分子、必要に応じて可塑剤、滑沢剤、流動化剤、着色剤、使用可能な医薬添加物から形成される。通常、水難溶性高分子による徐放層は、薬物の溶出を遅延させる目的で形成される。一般に、徐放層の機能は、薬物の溶出を制御するためである。通常は、薬物の溶出を遅らせることが多い。また、中間層と同様、必要であれば腸溶層の塗布のために滑らかなベースを与え、薬物との酸性条件に対する抵抗力を長引かせ、薬物と腸溶層の腸溶性ポリマーとの間の相互作用を妨げることによって安定性を改善し、薬物を光にさらされることから保護することによって安定性を改善することである。しかし、本発明では、徐放層を形成することによって、薬物の溶出性・溶解性を向上させることができる。
本発明の徐放層で用いる水難溶性高分子は、例えば、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアクリルメタアクリレートコポリマー−E、アミノアクリルメタアクリレートコポリマー−RS、メタアクリル酸コポリマー−L、メタアクリル酸コポリマー−LD、メタアクリル酸コポリマー−Sであり、好ましくは、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体、エチルセルロースであり、最も好ましくはアクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体である。水難溶性高分子の配合量は、薬物核100重量部に対して1〜20重量部である。
本発明の腸溶層は、腸溶性高分子、可塑剤、必要に応じて、滑沢剤、流動化剤、着色剤、使用可能な医薬添加物から形成される。腸溶層の機能は、薬物が変化することなく患者の胃を通過し、胃を過ぎて小腸に入ったときに薬物を速やかに溶解および放出させることである。
本発明の腸溶層で用いる腸溶性高分子は、有機溶媒を用いずに層形成が可能なものであり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロール、メチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メタクリル酸コポリマー−L、メタクリル酸コポリマー−LD、メタクリル酸コポリマー−Sである。好ましくは、メタクリル酸コポリマー−LD、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートであり、最も好ましくはメアクリル酸コポリマー−LDである。特に、酸性が高い腸溶性高分子の使用が適している。腸溶層で使用される腸溶性高分子、中間層の水難溶性高分子は、同じ高分子が使用されることはない。腸溶性高分子の配合量は、薬物核100重量部に対して5〜100重量部である。
本発明の粒子組成物では、光に対して不安定な薬物を含む場合、前述の各層又は薬物核に着色剤を含有させるか新規に着色層を設けることができる。着色剤としては、酸化チタン及び酸化鉄である。配合量は、腸放出粒子組成物の全量に対して、0.1〜10重量%である。
前述滑沢剤としては、例えば、タルク、モノステアリン酸グリセリン、マクロゴールであり、好ましくは、タルク、モノステアリン酸グリセリンであり、最も好ましくは、タルクである。
前述の各層や薬物核には、水になじみにくい医薬添加物のために界面活性剤を配合することができ、界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合物、ラウリル硫酸ナトリウムなどがあげられる。
本発明の粒子組成物において、必要に応じて更にフィニシング層を設けることもできる。フィニシング層は、本質的には医薬品において腸溶性製剤を滑らかにし、密封及び着色することができ、通常製剤で使用されているフィニシング層と同じ成分を使用でき、通常の方法で塗布し、製剤化することができる。
本発明の粒子組成物は、薬物が胃内では溶出せず、小腸内で溶出する。本発明の粒子組成物の溶出性は、McIlvaineのpH6.0水溶液での薬物の溶出率で測定される。本発明の粒子組成物の240分後の薬物溶出率は、80%以上であり、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは94%以上である。
本発明の粒子組成物は、酸性の医薬添加物を含んでいても薬物が安定である。薬物が安定とは、密封下60℃で2週間保持した場合、薬物の残存量が99%以上、好ましくは99.5%以上である。
本発明の粒子組成物の平均粒子径は、100〜2000μmである。平均粒子径は、乾式または湿式粒度分布計で測定される。
本発明の粒子組成物の製造は、通常製剤工程で行われる水系のコーティング方法で行うことができる。前述記載の各層の成分等を含む溶液を不活性担体の核上に噴霧などにてコーティングを行う。さらに同様の操作を行って、外周にコーティングによって各層を形成させる。製造装置は限定されないが、コーティングにおいて、流動層造粒機、転動流動層造粒機及び遠心転送流動層機などを用いて製造することができる。
本発明の粒子組成物は、顆粒剤のまま、又はカプセル充填し、錠剤、口腔内速崩壊錠に使用することができる。
賦形剤としては、例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖などの糖類、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール及びキシリトール等などの糖アルコール、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
これら製剤用添加物は、1種又は2種以上を併用して用いてもよい。
一般に用いられる混合方法、例えば混合、練合、造粒などにより行われる。混合は、例えば高速攪拌混合機、万能練合機、流動層造粒機、V型混合機、タンブラー混合機、二重円錐混合機、リボン型混合機、旋回スクリュー型混合機、袋で手動混合などを用いて行われる。
圧縮成型は、医薬品で通常行われるロータリー打錠機などでよく、その際の成形圧は、錠剤の大きさにより異なるが、通常200〜2200kgfであり、好ましくは400〜2000kgfであり、より好ましくは600〜1800kgfである。
本発明の崩壊性圧縮成型物は、通常20〜200N、好ましくは30〜100Nの硬度を有する。成形圧は錠剤の大きさによって変わるが、例えば、直径10mmの杵を用い、450mgの錠剤を打錠するとき、成形圧が400〜2000kgfのときに20〜150Nの硬度を有し、成形圧が600〜1800kgfのときに30〜100Nの硬度を有する。
本発明における崩壊性圧縮成型物の製造においては、上述のように滑沢剤を他の成分と一緒にほかの配合成分と混合した後に圧縮成型してもよいが、滑沢剤を他の成分と混合することなく、圧縮成型機の杵の表面及び臼の壁面にあらかじめ塗布し、圧縮成型する方法(外部滑沢法)で製造することが可能で、所望の硬度や崩壊性を付与することができる。滑沢剤を杵臼に塗布する方法は、従来の公知の方法や機械で行うことができる。
本発明の粒子組成物を配合して口腔内速崩壊錠やチュアブル錠としてもよい。口腔内速崩壊錠は、口腔内で迅速に、例えば60秒以内で、好ましくは45秒以内で、より好ましくは30秒以内で崩壊し得る錠剤である。口腔内での崩壊時間は、錠剤の大きさや、錠剤形状によって異なるが、これも本願発明に含まれる。
カプセル剤は、本発明の粒子組成物をゼラチンやヒプロメロースのカプセルに充填したものである。必要な場合、粒子組成物の他に一般の医薬品添加物を配合することができる。医薬品添加物としては、賦形剤、滑沢剤、帯電防止剤、安定化剤などの医薬品添加物の1種以上を配合してなる。それぞれの配合割合は、その他の医薬品添加物の1種以上の成分を0.01〜30重量%配合してなる。
顆粒剤は、本発明の粒子組成物をそのまま、又は必要な場合、粒子組成物の他に一般の医薬品添加物を配合したものである。医薬品添加物としては、賦形剤、滑沢剤、帯電防止剤、安定化剤などの医薬品添加物の1種以上を配合してなる。それぞれの配合割合は、その他の医薬品添加物の1種以上の成分を0.01〜30重量%配合してなる。
以下に、本発明を実施例により説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
後述の実施例1〜3、比較例1、2の組成・配合割合を表1に示す。
[表1] 処方
Figure 0006856326
[実施例1]
(薬物層顆粒の製造)
ノンパレル101(フロイント産業社製、白糖・デンプン球状顆粒、粒子径355〜500μm)の500gを転動流動型コーティング機(パウレック社製 MP-01型)に入れ、定常状態の排気温度が約45℃になるように送風温度をコントロールした。水5400gにヒプロメロース(信越化学社製、置換度タイプ2910、表示粘度 3mPa・s)200gを溶解させた溶液にデュロキセチン塩酸塩400gを分散させた。得られた分散液を液速6g/分となるように噴霧し、薬物層顆粒を得た。
(中間層顆粒の製造)
得られた薬物層顆粒に対して、ヒプロメロース150gを水4050gに溶解させた溶液にクロスポビドン(BASF社製、コリドンCL-SF、平均粒子径17μm)300gを分散させて、得られた分散液を薬物層と同様の条件で噴霧し、中間層顆粒を得た。
(徐放層顆粒の製造)
水512.3gにタルク(日本タルク社製)13.1gおよびポリソルベート80(日光ケミカルズ社製)0.22gを分散機を用いて分散させ、この分散液をオイドラギットNE30D(エボニック社製、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液)43.6gに撹拌しながら加えて徐放層コーティング液を調製した。
中間層顆粒 450gを転動流動型コーティング機(パウレック社製 MP-01型)に入れ、定常状態の排気温度が約30℃になるように送風温度をコントロールした。徐放層コーティング液を液速5g/分となるように噴霧し、徐放層顆粒を得た。
(腸溶層顆粒の製造)
オイドラギットL30D55(エボニック社製、メタクリル酸コポリマーLD)290.4gにクエン酸トリエチル(森村商事社製)17.4gを加えた後、水3169.2gにタルク43.6gおよびポリソルベート80の0.73gを分散機を用いて分散させ、この分散液をオイドラギットL30D55液に撹拌しながら加えて腸溶性コーティング液を調製した。得られた徐放層顆粒に対して、得られた腸溶層コーティング液を徐放層と同様の条件で噴霧し、腸溶層顆粒を得た。
[実施例2]
(薬物層顆粒の製造)
ノンパレル101の500gを転動流動型コーティング機(パウレック社製 MP-01型)に入れ、定常状態の排気温度が約45℃になるように送風温度をコントロールした。水5400gにヒプロメロース200gを溶解させた溶液にデュロキセチン塩酸塩400gを分散させた。得られた分散液を液速6g/分となるように噴霧し、薬物層顆粒を得た。
(中間層顆粒の製造)
得られた薬物層顆粒に対して、ヒプロメロース150gを水4050gに溶解させた溶液にクロスポビドン300gを分散させて、得られた分散液を薬物層と同様の条件で噴霧し、中間層顆粒を得た。
(徐放層顆粒の製造)
水598.1gにタルク15.3gおよびポリソルベート80の 0.25gを分散機を用いて分散させ、この分散液をオイドラギットNE30Dの50.9gに撹拌しながら加えて徐放層コーティング液を調製した。
中間層顆粒 450gを転動流動型コーティング機(パウレック社製 MP-01型)に入れ、定常状態の排気温度が約30℃になるように送風温度をコントロールした。徐放層コーティング液を液速5g/分となるように噴霧し、徐放層顆粒を得た。
(腸溶層顆粒の製造)
オイドラギットL30D55の339.6gにクエン酸トリエチル20.4gを加えた後、水3705.8gにタルク50.9gおよびポリソルベート80の0.85gを分散機を用いて分散させ、この分散液をオイドラギットL30D55液に撹拌しながら加えて腸溶性コーティング液を調製した。得られた徐放層顆粒に対して、得られた腸溶層コーティング液を徐放層と同様の条件で噴霧し、腸溶層顆粒を得た。
[実施例3]
(薬物層顆粒の製造)
ノンパレル101の500gを転動流動型コーティング機(パウレック社製 MP-01型)に入れ、定常状態の排気温度が約45℃になるように送風温度をコントロールした。水5400gにヒプロメロース200gを溶解させた溶液にデュロキセチン塩酸塩400gを分散させた。得られた分散液を液速6g/分となるように噴霧し、薬物層顆粒を得た。
(中間層顆粒の製造)
得られた薬物層顆粒に対して、ヒプロメロース150gを水4050gに溶解させた溶液にクロスポビドン300gを分散させて、得られた分散液を薬物層と同様の条件で噴霧し、中間層顆粒を得た。
(腸溶層顆粒の製造)
オイドラギットL30D55の290.4gにクエン酸トリエチル17.4gを加えた後、水3169.2gにタルク43.6gおよびポリソルベート80の0.73gを分散機を用いて分散させ、この分散液をオイドラギットL30D55液に撹拌しながら加えて腸溶性コーティング液を調製した。得られた徐放層顆粒に対して、得られた腸溶層コーティング液を徐放層と同様の条件で噴霧し、腸溶層顆粒を得た。
[比較例1]
(薬物層顆粒の製造)
ノンパレル101の500gを転動流動型コーティング機に入れ、定常状態の排気温度が約45℃になるように送風温度をコントロールした。水5400gにヒプロメロース200gを溶解させた溶液にデュロキセチン塩酸塩400gを分散させた。得られた分散液を液速6g/分となるように噴霧し、薬物層顆粒を得た。
(中間層顆粒の製造)
得られた薬物層顆粒に対して、ヒプロメロース60gを水540gに溶解させて、得られた溶解液を薬物層と同様の条件で噴霧し、中間層顆粒を得た。
(腸溶層顆粒の製造)
オイドラギットL30D55の388gにクエン酸トリエチル23.3gを加えた後、水4234.2gにタルクおよびポリソルベート80の0.97gを分散機を用いて分散させ、この分散液をオイドラギットL30D55液に撹拌しながら加えて腸溶層コーティング液を調製した。
中間層顆粒 450gを転動流動型コーティング機に入れ、定常状態の排気温度が約30℃になるように送風温度をコントロールした。腸溶層コーティング液を液速5g/分となるように噴霧し、腸溶層顆粒を得た。
[比較例2]
(薬物層顆粒の製造)
ノンパレル101の500gを転動流動型コーティング機(パウレック社製 MP-01型)に入れ、定常状態の排気温度が約45℃になるように送風温度をコントロールした。水5400gにヒプロメロース200gを溶解させた溶液にデュロキセチン塩酸塩400gを分散させた。得られた分散液を液速6g/分となるように噴霧し、薬物層顆粒を得た。
(中間層顆粒の製造)
得られた薬物層顆粒に対して、ヒプロメロース60gを水1620gに溶解させた溶液にL-HPC(信越化学社製、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、LH-21、平均粒子径45μm120g)を分散させた。得られた分散液を薬物層と同様の条件で噴霧した。噴霧中に、徐々にコーティング機のチャンバーおよびバグフィルターへの微粉の付着が発生し、工程が進むにつれて、その付着量は増加した。これは、中間層が被膜されずに、崩壊剤が単独で乾燥したためであり、目的とした中間層顆粒を得ることが出来なかった。
[溶出試験]
日本薬局方の溶出試験の方法に従って、McIlvaineのpH6.0水溶液でのデュロキセチンの溶出率を測定した。デュロキセチンの濃度は、分光光度計(島津製作所製、UV-2600)を用い波長289nmで測定を行った。日本薬局方の溶出試験の方法に従って、1液でデュロキセチンの溶出試験を行ったところ、実施例1〜3、比較例1においてデュロキセチンの溶出率は0%であった。
[表2] 溶出試験結果
Figure 0006856326
表2のデュロキセチンの溶出率の結果より、実施例1〜3では240分での溶出率が88.4%〜94.8%と十分な溶出性を有しているのに対し、比較例1では57.6%と薬物の溶出率は不十分であり腸溶性製剤としての溶出性は不足していた。中間層での崩壊剤含有、及び徐放層での水難溶性高分子の含有がなされていることにより、薬物の溶出性が向上していることを示す。また、比較例2の結果より、中間層に40μm以上の崩壊剤は使用できないことが示された。
[参考例1]
(混合顆粒の製造)
デュロキセチン塩酸塩とオイドラギットL30D55(エボニック社製、メタクリル酸コポリマーLD)を1:10の重量比で、適量の水を用いて練合した後、60℃で乾燥し、デュロキセチン顆粒を得た。
[安定性試験]
実施例1と参考例1の顆粒を、密封下60℃で2週間保存した。欧州薬局方(EP)の方法に従い高速液体クロマトグラフィー(Waters社製、e2695/2489、カラム:YMC社製、クチルシリル化シリカゲル(C8))を用いて、デュロキセチンの定量を行った。
[表3] デュロキセチンの安定性
Figure 0006856326
参考例1のデュロキセチンとメタクリル酸コポリマーLDとの混合顆粒では、デュロキセチンが分解して全て消滅するのに対し、実施例1の本発明の粒子組成物では、デュロキセチンの残存量が99.75%と非常に優れた安定性を示した。酸性の腸溶性高分子であるメタクリル酸コポリマーLDは酸に弱い薬物であるデュロキセチンを分解させる。本発明の粒子組成物は、中間層及び徐放層の形成効果により薬物安定性が極めて高くなっている。

Claims (14)

  1. (a)デュロキセチン、ランソプラゾール、オメプラゾール及びラベプラゾールから選ばれる1種以上を含有してなる薬物核、
    (b)前記薬物核の外周に平均粒子径が0.1〜20μmの崩壊剤を含有してなる中間層、
    (c)前記中間層の外周に水難溶性高分子を含有してなる水難溶性高分子含有層、
    (d)前記水難溶性高分子含有層の外周に腸溶性高分子を含有してなる腸溶層、
    からなることを特徴とする粒子状組成物。
  2. (b)崩壊剤が、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース及びコメデンプンから選ばれる1種以上である請求項1に記載の粒子状組成物。
  3. (a)薬物核の100重量部に対し、(b)崩壊剤が5〜50重量部である請求項1または2のいずれかに記載の粒子状組成物。
  4. (c)水難溶性高分子が、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアクリルメタアクリレートコポリマー−E、アミノアクリルメタアクリレートコポリマー−RS、メタアクリル酸コポリマー−L、メタアクリル酸コポリマー−LD、メタアクリル酸コポリマー−Sから選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子状組成物。
  5. (a)薬物核の100重量部に対し、(d)腸溶性高分子が5〜100重量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子状組成物。
  6. (d)腸溶性高分子が、メタアクリル酸コポリマー−LDである請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒子状組成物。
  7. (a)薬物核の100重量部に対し、(d)腸溶層が10〜200重量部である請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子状組成物。
  8. デュロキセチン、ランソプラゾール、オメプラゾール及びラベプラゾールから選ばれる1種以上が、デュロキセチンである請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子状組成物。
  9. 粒子状組成物の平均粒子径が100〜2000μmである請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子状組成物。
  10. 着色剤を有してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の粒子状組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の粒子状組成物を含有してなる顆粒剤またはカプセル剤。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の粒子状組成物と医薬品に配合可能な添加物を含有してなる圧縮成形物。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の粒子状組成物と医薬品に配合可能な添加物を含有してなる錠剤。
  14. 錠剤が、口腔内速崩壊錠またはチュアブル錠である請求項13に記載の錠剤。
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