JP2019135226A - 腸溶性被覆顆粒の耐酸性が改善された圧縮成形製剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)酸に不安定な薬物を含む顆粒と当該顆粒を被覆する腸溶性高分子を含有する圧縮成形錠剤であって、当該腸溶性高分子がセルロース誘導体であることを特徴とする圧縮成形錠剤。
(2)当該酸に不安定な薬物が、デュロキセチン塩酸塩、エソメプラゾールマグネシウム水和物、オメプラゾール、ラベプラゾールナトリウム及びランソプラゾールから選択される、前記(1)に記載の圧縮成形錠剤。
(3)当該酸に不安定な薬物がデュロキセチン塩酸塩である、前記(1)に記載の圧縮成形錠剤。
(4)当該腸溶性高分子が、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートトリメリテート及びカルボキシメチルエチルセルロースから選択される、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
(5)当該腸溶性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート又はカルボキシメチルエチルセルロースである、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
(6)酸に不安定な薬物と腸溶性高分子を含む被覆層との間に分離層が存在する、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
(7)口腔内崩壊錠である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
(8)第17改正日本薬局方溶出試験法(パドル法)に従い、下記の測定条件下における溶出試験の開始120分後の時点における酸に不安定な薬物の溶出率が5.0%以下であることを特徴とする、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
[測定条件]
試験液:溶出試験第1液(pH1.2)
試験液量:900mL
パドル回転数:75rpm
液温:37℃
(9)酸に不安定な薬物を含む顆粒と当該顆粒を被覆しているセルロース誘導体である腸溶性高分子を含有する粉末を圧縮成形して錠剤を製造する方法。
(10)酸に不安定な薬物を含む顆粒をセルロース誘導体である腸溶性高分子によって被覆して被覆顆粒を得る工程(C)及び当該工程(B)を介して得られた顆粒と賦形剤、崩壊剤及び滑沢剤を共に混合した後に打錠する工程(D)を含む、圧縮成形錠剤の製造方法。
(11)粒子径が50.0〜250.0μmの範囲内にある賦形剤等の核粒子の周囲に酸に不安定な薬物を被覆して核顆粒を得る工程(A)及び当該工程(A)を介して得られた核顆粒に非腸溶性添加剤からなる分離層を被覆して前記酸に不安定な薬物を含む顆粒を得る工程(B)を含む、前記(10)に記載の圧縮成形錠剤の製造方法。
(12)打錠する際の打圧が800kgf以上である、前記(10)又は(11)に記載の圧縮成形錠剤の製造方法。
本発明の錠剤の製造に使用される酸に不安定な薬物は、酸性領域で化学的に不安定又は酸によって不活性となる化合物のことであり、具体的にはデュロキセチン若しくは其の塩(特にデュロキセチン塩酸塩を示す。以下同じ。)、エソメプラゾール又は其の塩(特にエソメプラゾールマグネシウム水和物を示す。以下同じ。)、オメプラゾール、ラベプラゾール若しくは其の塩(特にラベプラゾールナトリウムを示す。以下同じ。)及びランソプラゾール等が挙げられるが、好ましくはデュロキセチン若しくは其の塩又はエソメプラゾール若しくは其の塩であり、最も好ましくはデュロキセチン若しくは其の塩である。
酸に不安定な薬物(特にデュロキセチン若しくは其の塩を示す。以下同じ。)のメディアン径(d50)は1.0〜50.0μmが好ましく、より好ましくは1.0〜10.0μmである。デュロキセチン塩酸塩は、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。尚、メディアン径等粒子径はレーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)することが可能である。酸に不安定な薬物は素錠(コーティング層で覆われていない錠剤を指す。以下同じ。)部分に含有され、素錠の全重量に対して1.0〜50.0重量%、好ましくは2.0〜15.0重量%、より好ましくは5.0〜10.0重量%の範囲で素錠中(本発明に係る被覆顆粒中)に含有される。デュロキセチン塩酸塩は1錠あたりに22.4mg(デュロキセチンとして20mg)又は33.7mg(デュロキセチンとして30mg)含有されることが望ましい。
本発明の錠剤は打錠等により圧縮成形された錠剤(圧縮成形錠剤)であり、剤形は普通錠又は口腔内崩壊錠であり、好ましくは口腔内崩壊錠である。口腔内崩壊錠とは、口腔内に存在する唾液のみによって其の崩壊並びに嚥下が可能なもの(=水なしで服用可能なもの)として患者に提供して服用される錠剤であり、口腔内での崩壊時間については60秒未満(より好ましくは40秒未満で、更により好ましくは30秒未満)であることが望ましい。口腔内での崩壊時間は、例えば、錠剤を舌の上に乗せて唾液を浸潤させた際に其の崩壊にかかる時間を測定して求めたり、口腔内崩壊錠試験機(例:OD−mate/樋口商会)を用いて試験液:水(37℃)の条件における錠剤が崩壊する時間を測定して求めてもよく、またこれ以外の本発明が属する分野の当業者が口腔内での崩壊時間を測定するために一般的に行い得る方法によって求めてもよい。
本発明の錠剤(特に口腔内崩壊錠)は素錠のままであることが好ましいが、必要に応じてコーティング剤で被覆してフィルムコーティング錠にすることは可能である。本発明で得られる錠剤の形状は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や異形錠等のいずれの形状でもよいが、好ましくは円形錠である。本発明の錠剤の重量は200〜500mgの範囲内にあることが好ましい。
セルロース誘導体である腸溶性高分子として具体的には、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートトリメリテート、カルボキシメチルエチルセルロース等が挙げられるが、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロースから選ばれ、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートである。本発明の錠剤に含有される上記腸溶性高分子は1種類であることが望ましい。本発明に係る腸溶性高分子は、胃内環境を想定した酸性のpH値をもつ水溶液溶媒に対して実質的に溶解せず、腸内環境を想定した中性〜アルカリ性のpH値をもつ水溶液溶媒に対して良好な溶解性を示すことを特徴とし、pHが6.8〜12.0の範囲内にある0.1mol/L以下のモル濃度をもつ水溶液溶媒(例えば、pHが10.2である0.05mol/L炭酸ナトリウム緩衝液)100gに対する25℃における溶解度が1.0g以上の、分子量が10000以上のポリマーであることが望ましい。腸溶性高分子は、素錠の全重量に対して5.0〜70.0重量%、好ましくは10.0〜50.0重量%の範囲で素錠中(本発明に係る被覆顆粒中)に含有される。
本発明の錠剤を製造するためには、上記の添加剤に加えて、一般的に使用されている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、可塑剤、矯味剤、コーティング剤等の添加剤を使用することができる。尚、本明細書において、各種添加剤(結合剤、可塑剤、コーティング剤等)の語句の解釈は其々、製剤化において其の添加剤としての役割を発揮することが必須に期待されて使用されるもので結果的に其の添加剤としての役割が発揮されるもの、と解することが好ましい。また当然であるが、本明細書における添加剤の語句の解釈において原薬が含まれることはない。
賦形剤として、具体的には糖{乳糖(無水乳糖、乳糖水和物含む。)、白糖、ショ糖、ブドウ糖等}若しくは糖アルコール(マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール等)、結晶セルロース、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等)、ヒドロキシプロピルスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、デキストリン等を挙げる事ができ、好ましくは糖若しくは糖アルコール(特にマンニトール)又は結晶セルロースであり、より好ましくは結晶セルロース又は結晶セルロース及び糖若しくは糖アルコール(特にマンニトール)であり、更により好ましくは結晶セルロース及び糖アルコール(特にマンニトール)である。賦形剤は、素錠の全重量に対して10.0〜95.0重量%、好ましくは35.0〜85.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
結合剤として、具体的にはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、メチルセルロース、ポビドン、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレングリコール、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液等を挙げる事ができ、好ましくはヒプロメロースである。結合剤は、素錠の全重量に対して好ましくは0.1〜8.0重量%の範囲で素錠中(好ましくは本発明に係る被覆顆粒中)に含有される。尚、上記の結合剤はコーティング剤として対象物を被覆(望ましくはタルクと共に)するために用いることが可能である。
崩壊剤として、具体的には低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン等を挙げる事ができ、好ましくはクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム及びクロスポビドンから選ばれ、より好ましくはクロスポビドンである。スーパー崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム又はクロスポビドン)が本発明の口腔内崩壊錠に含有されることは口腔内での速やかな崩壊性を達成する観点からは極めて望ましい。崩壊剤は、素錠の全重量に対して好ましくは2.0〜15.0重量%、より好ましくは3.0〜8.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
滑沢剤として、具体的には軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、硬化油等を挙げる事ができ、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤は、素錠の全重量に対して好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
可塑剤として、具体的にはクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリンモノステアレート、ゴマ油、ヒマシ油、綿実油・ダイズ油混合物、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、プロピレングリコール、マクロゴール、ポリソルベート80、ステアリン酸等を挙げる事ができ、好ましくはクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリンモノステアレート、マクロゴール、ポリソルベート80、ステアリン酸等から選ばれ、より好ましくはクエン酸トリエチルである。可塑剤は、素錠の全重量に対して好ましくは0.5〜5.0重量%の範囲で素錠中(好ましくは本発明に係る被覆顆粒中)に含有される。
矯味剤として、具体的にはアスコルビン酸、L−アスパラギン酸、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン等を挙げる事ができる。矯味剤は、素錠の全重量に対して好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
本発明の錠剤は、酸に不安定な薬物を含む顆粒がセルロース誘導体である腸溶性高分子で被覆されたもの(本発明に係る被覆顆粒)を含有する。本発明に係る被覆顆粒は、酸に不安定な薬物を含む顆粒の周囲が腸溶性高分子を含む層(溶出制御層)(当該酸に不安定な薬物を含む顆粒100.0重量部に対して当該溶出制御層は20.0重量部以上、望ましくは30.0〜100.0重量部)で上記の通りに覆われているが、酸に不安定な薬物を含む部分(核顆粒)と腸溶性高分子を含む層(溶出制御層)の中間には腸溶性でない添加剤からなる被覆層(分離層)が存在することが特に好ましい(当然、当該分離層には薬物は含有されない。)。当該好ましい構成は、当該核顆粒に対して当該分離層(当該核顆粒100.0重量部に対して当該分離層は20.0重量部以上、望ましくは30.0〜100.0重量部)を被覆した後に当該溶出制御層を被覆することで得ることが可能である。当該分離層はヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース又はメチルセルロース等のコーティング剤(好ましくはヒプロメロース)を含むことが好ましく、より好ましくはタルクと共に其れらのコーティング剤を含む。酸に不安定な薬物を含有する顆粒は、賦形剤(マンニトールや結晶セルロース等が特に挙げられ、好ましくは結晶セルロース)等である核粒子(其の粒子径は500.0μm以下、望ましくは300.0μm以下、より望ましくは50.0〜250.0μm)の周囲に酸に不安定な薬物を含む被覆層(薬物含有層)が存在するもの(更に其の周囲に上記分離層が被覆されて存在するものも含む。)であることが好ましい。当該薬物含有層は薬物と共にヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース又はメチルセルロース等のコーティング剤(好ましくはヒプロメロース)を含むことが好ましい。当該核粒子100.0重量部に対して当該薬物含有層は50.0重量部以上、好ましくは120.0重量部以上、より好ましくは150.0重量部以上、更により好ましくは200.0重量部以上存在する。本発明に係る被覆顆粒は素錠の全重量に対して20.0〜80.0重量%、好ましくは30.0〜70.0重量%、より好ましくは30.0〜45.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
本発明に係る被覆顆粒を含有する圧縮成形錠剤は、pH1.2の水溶液(例:溶出試験第1液)を用いて行った溶出試験の開始120分後の時点における薬物の溶出率が5.0%以下(望ましくは3.0%以下)であることが好ましく、pH6.8の水溶液(例:溶出試験第2液)を用いて行った溶出試験の開始120分後の時点における薬物の溶出率が50.0%以上(望ましくは70.0%以上)であることが好ましい。当該溶出試験の詳細な条件は試験例1又は2を参考にすることが可能である。
本発明に係る被覆顆粒の製造方法の具体的な例として、流動層造粒法、微粒子コーティング法が挙げられるが、好ましくは微粒子コーティング法である。前記の製造方法の操作法に困難はなく、常法にしたがって容易に目的の被覆顆粒を製造することができる。例えば微粒子コーティング法では、流動層造粒機中で流動させた賦形剤(核粒子)に薬物を含有するコーティング液を噴霧・乾燥して薬物によって被覆(即ち、上記薬物含有層を形成)した上で、更に非腸溶性の添加剤を含むコーティング液を噴霧・乾燥して非腸溶性の添加剤のみによって被覆(即ち、上記分離層を形成)して上記の酸に不安定な薬物を含む顆粒を得て、また更に其れを腸溶性高分子を含むコーティング液を噴霧・乾燥することで腸溶性高分子によって被覆(即ち、上記溶出制御層を形成)して本発明に係る被覆顆粒を製造することができる。本発明に係る被覆顆粒(更にそれを1回以上被覆した顆粒も含む。)は、賦形剤、崩壊剤及び滑沢剤と共に混合・打錠することで本発明の錠剤を製造することが可能である。打錠する際の打圧は、300kgf以上、好ましくは700kgf以上(特には1500kgf以下)、より好ましくは800kgf以上(特には1500kgf以下)、更により好ましくは800〜1300kgfの範囲内の任意の数値である。
また、包装用シートとアルミ箔等で錠剤を挟んで覆い、加熱シールすることで、本発明の錠剤を含むPTPシート製品を得ることは可能である。其の包装用シートに使用される具体的な素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。尚、湿度に対する本発明の錠剤の安定性を改善するためには、乾燥機能を有した素材を用いてPTPシート製品を製造したり、PTPシート製品をアルミピロー包装したり、乾燥剤を錠剤と共に瓶に封入する等の周知の方法を行うことが可能である。
(B:バリア層)上記で得られた造粒物A748.0gを噴流流動層造粒機に投入し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース75.0gを精製水1875gに溶解した液にタルク150.0g、及び酸化チタン150.0gを分散・懸濁させた液を噴霧・乾燥し、造粒物Bを得た。
(C:溶出制御層)上記で得られた造粒物B561.5gを噴流流動層造粒機に投入し、カルボキシメチルエチルセルロース376.0g及びクエン酸トリエチル37.6gを溶解させ、軽質無水ケイ酸37.6gを分散・懸濁させたエタノール5760gと精製水1440gの混液を噴霧・乾燥し、腸溶性被覆顆粒を得た。
(D:圧縮成形錠剤)上記で得られた腸溶性被覆顆粒101.27gに、マンニトール128.23g、結晶セルロース60.0g、クロスポビドン9.0g及びステアリン酸マグネシウム1.5gを加えて混合機で混合した。其の混合末を打錠機で1000kgfの打圧で打錠して1錠重量300.0mgの口腔内崩壊錠(円形錠、直径9.5mm、厚さ3.4mm)を得た。
(D:圧縮成形錠剤)上記で得られた腸溶性被覆顆粒112.35gに、マンニトール117.15g、結晶セルロース60.0g、クロスポビドン9.0g及びステアリン酸マグネシウム1.5gを加えて混合機で混合した。其の混合末を打錠機で1000kgfの打圧で打錠して1錠重量300.0mgの口腔内崩壊錠(円形錠、直径9.5mm、厚さ3.4mm)を得た。
(A:核顆粒)結晶セルロース{セルフィアCP−102(粒度範囲:106〜212μm/旭化成社製}500.0gを噴流流動層造粒機(MP−01−SPC型/パウレック社製)に投入し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース250.0gを精製水6250gに溶解した液に、デュロキセチン塩酸塩1120.0gを分散・懸濁させた液を噴霧・乾燥し、造粒物Aを得た。
(B:バリア層)得られた造粒物A748.0gを噴流流動層造粒機に投入し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース44.0gを精製水1320gに溶解した液にタルク176.0gを分散・懸濁させた液を噴霧・乾燥し、造粒物B(2次被覆顆粒物)を得た。
(C:溶出制御層)前記で得られた造粒物B484.0gを噴流流動層造粒機に投入し、グリセリンモノステアレート24.0g、クエン酸トリエチル75.0g、ポリソルベート80 8.0g及びクエン酸0.5gを精製水1662.5gに溶解した液に、メタクリル酸コポリマーLD(L30D−55)1128.3g(固形分:338.5g)、及びアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液(NE30D)126.7g(固形分:38.0g)を加え、緩やかに混合撹拌した液を噴霧・乾燥し、腸溶性被覆顆粒を得た。
(D:圧縮成形錠剤)上記で得られた腸溶性被覆顆粒96.8gに、マンニトール132.7g、結晶セルロース60.0g、クロスポビドン9.0g及びステアリン酸マグネシウム1.5gを加えて混合機で混合した。其の混合末を打錠機で1000kgfの打圧で打錠して1錠重量300.0mgの口腔内崩壊錠(円形錠、直径9.5mm、厚さ3.4mm)を得た。
実施例1、2及び比較例1で其々製造した腸溶性被覆顆粒及び錠剤について、第17改正日本薬局方・一般試験法の溶出試験法(パドル法)により試験開始120分後のデュロキセチン塩酸塩の溶出率を求め、結果(n=3)を下記の表2に示した。
使用した装置:溶出試験機/NTR‐6100型(富山産業製)
紫外線吸光光度計/UV‐1600型(島津製作所製)
測定条件:試験液:日局第1液(溶出試験第1液、pH1.2)
(ナカライテスク製)
試験液量:900mL
パドル回転数:75rpm
液温:37℃
測定波長(デュロキセチン):288nm
実施例1、2及び比較例1で其々製造した錠剤について、第17改正日本薬局方・一般試験法の溶出試験法(パドル法)により試験開始15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後のデュロキセチン塩酸塩の溶出率を求め、結果(n=3)を下記の表3に示した。
使用した装置:溶出試験機/NTR‐6100型(富山産業製)
紫外線吸光光度計/UV‐1600型(島津製作所製)
測定条件:試験液:日局第2液(溶出試験第2液、pH6.8)
(ナカライテスク製)
試験液量:900mL
パドル回転数:75rpm
液温:37℃
測定波長(デュロキセチン):288nm
Claims (10)
- 酸に不安定な薬物を含む顆粒と当該顆粒を被覆する腸溶性高分子を含有する圧縮成形錠剤であって、当該腸溶性高分子がセルロース誘導体であることを特徴とする圧縮成形錠剤。
- 酸に不安定な薬物が、デュロキセチン塩酸塩、エソメプラゾールマグネシウム水和物、オメプラゾール、ラベプラゾールナトリウム及びランソプラゾールから選択される、請求項1に記載の圧縮成形錠剤。
- 酸に不安定な薬物がデュロキセチン塩酸塩である、請求項1に記載の圧縮成形錠剤。
- 腸溶性高分子が、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートトリメリテート及びカルボキシメチルエチルセルロースから選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
- 腸溶性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート又はカルボキシメチルエチルセルロースである、請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
- 酸に不安定な薬物と腸溶性高分子を含む被覆層との間に分離層が存在する、請求項1〜5のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
- 口腔内崩壊錠である、請求項1〜6のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
- 第17改正日本薬局方溶出試験法(パドル法)に従い、溶出試験第1液(pH1.2)を用いて行った溶出試験の開始120分後の時点における酸に不安定な薬物の溶出率が5.0%以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の圧縮成形錠剤。
- 酸に不安定な薬物を含む顆粒を腸溶性高分子によって被覆して被覆顆粒を得る工程及び当該工程を介して得られた顆粒と賦形剤、崩壊剤及び滑沢剤を共に混合した後に打錠する工程を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の圧縮成形錠剤の製造方法。
- 粒子径が50.0〜250.0μmの範囲内にある核粒子の周囲に酸に不安定な薬物を被覆して顆粒を得る工程及び当該工程を介して得られた顆粒に非腸溶性添加剤からなる分離層を被覆して前記酸に不安定な薬物を含む顆粒を得る工程を含む、請求項9に記載の圧縮成形錠剤の製造方法。
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