JP2016064040A - 便座 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】腰掛式便器に対して回動可能に保持され、使用者が着座をする着座面10bおよび腰掛式便器に対向する裏面10cを有する本体部10を備えた便座1であって、本体部10は、内部部材11と、内部部材11の外形状に沿って内部部材11を液密的に被覆する外装カバー12と、を備え、外装カバー12は、内部部材11の着座面10b側の部位を被覆する第一外装カバー12aと、内部部材11の裏面10c側の部位を被覆する第二外装カバー12bと、を備え、第一外装カバー12aおよび第二外装カバー12bは、第一外装カバー12aおよび第二外装カバー12bの性状を示す物理量がそれぞれ異なるように形成されている。
【選択図】図3
Description
また、上述した特許文献2の便座においては、便座における便器に対向する面(裏面)は、着座面(表面)と比べて、一般的に汚れが付着しやすいため、便座の裏面の清掃性を向上させている。このように、便座の裏面は、着座面と異なる機能が求められる場合がある。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、着座面側が弾性変形するによって座り心地を向上させた便座において、例えば清潔性を向上させるために着座面と異なる機能を裏面に備えた便座を提供することを目的とする。
以下、本発明による便座1の第一実施形態について説明する。なお、本明細書においては説明の便宜上、図2における上側および下側をそれぞれ便座1の後方および前方とし、同じく左側および右側をそれぞれ便座1の左方および右方とし、同じく紙面手前側および紙面奥側を、それぞれ便座1の上方および下方として説明する。また、図2および図3には、各方向を示す矢印を示している。
便座1は、図1に示すように、腰掛式便器2の上面(便座設置面)に取り付けられる温水洗浄便座装置3に装着されている。温水洗浄便座装置3は、ケーシング3aの内部に人体を洗浄する洗浄ノズルおよび人体を乾燥する乾燥装置(いずれも図示なし)等が収容されている。また、ケーシング3aには、便蓋3bおよび便座1が回動可能に支持されている。これにより、便座1は、腰掛式便器2に対して回動可能に支持される。
本体部10は、平面視において略方形状に形成され、中央部に開口部10aが形成されている。また、本体部10は、図3に示すように、使用者が着座する着座面10bおよび腰掛式便器2の上面に対向する裏面10cを有している。着座面10bは略平面状に形成されている。裏面10cは、着座面10bと略平行に平面状に形成された平行面10c1と、平行面10c1と連続して、平行面10c1に対して傾斜するように形成された傾斜面10c2を有している。
また、本体部10は、本体部10の内部に配設された内部部材11および内部部材11の外形状に沿って内部部材11を液密的に被覆する外装カバー12を備えている。
ここで、第一外装カバー12aおよび第二外装カバー12bは、第一外装カバー12aおよび第二外装カバー12bの性状を示す物理量がそれぞれ異なるように形成されている。外装カバー12a,12bの性状を示す物理量は、外装カバー12a,12bの外表面に付加された凹凸の大きさ(凸部の頂部と凹部の底部との間の高さ)である。具体的には、第二外装カバー12bの外表面に付加された凹凸の大きさが、第一外装カバー12aの外表面に付加された凹凸の大きさよりも小さくなるように、シボ加工されている。例えば、第二外装カバー12bの外表面に付加された凹凸の大きさは、第一外装カバー12aの外表面に付加された凹凸の大きさに対して、およそ50%以下である。
なお、外装カバー12a,12bの溶着後に、外装カバー12a,12bの接合部12cが、例えばトムソン刃を用いて余分をカット(トリミング加工)されることにより、本体部10の外表面(意匠面)が形成される。これにより、外装カバー12a,12bの接合部12cにおける本体部10の外表面の段差は、比較的小さく形成される。
保持部21,22は、例えば、取付ボルトによって、本体部10に固定されている。また、保持部21,22は、ケーシング3aから側方に突出するように配設された軸(図示なし)に嵌合することにより、ケーシング3aと回動可能に連結するようになっている。
これによれば、第一外装カバー12aおよび第二外装カバー12bの性状を示す物理量がそれぞれ異なるように形成されているため、便座1の裏面10c側に着座面10b側と異なる機能を付加することができる。よって、便座1の裏面10c側について特に必要とされる機能を、便座1の裏面10c側のみに付加することができる。よって、便座の裏面10c側について、例えば清潔性を特に向上することができる。
次に、第二実施形態について、主に第一実施形態と異なる部分について説明する。上述した第一実施形態の便座1において、外装カバー12a,12bの性状を示す物理量は、外装カバー12a,12bの外表面に付加された凹凸の大きさである。これに代えて、本第二実施形態の便座1においては、外装カバー12a,12bの性状を示す物理量は、外装カバー12a,12bの外表面の水の接触角度θである。水の接触角度θは、図7に示すように、外装カバー12の外表面上に水Wが接している状況において、水Wの縁の表面に引いた接線Lと外装カバー12の外表面とが成す角度である。そして、第二外装カバー12bの外表面の水の接触角度θが、第一外装カバー12aの外表面の水の接触角度θよりも大きくなるように形成される。第二外装カバー12bの水の接触角度θは、例えば110度以上である。第一外装カバー12aの水の接触角度θは、およそ70度である。具体的には、第二外装カバー12bの外表面に撥水加工が施される。撥水加工は、対象物の外表面を、水との親和性を小さく(疎水化)し、水をはじく性質を与える加工である。
これによれば、便座1の裏面10cにおける外表面の撥水性が、着座面10bの外表面の撥水性よりも高いため、裏面10cは、着座面10bよりも汚れが付着しにくい。よって、着座面10bの性状を維持したまま、裏面10cの清潔性を向上することができる。さらに、裏面10cに付着した汚れを、着座面10bに付着した汚れと比較して、簡便にふき取ることができる。よって、着座面10bの性状を維持したまま、裏面10cの清掃性を向上することができる。
次に、第三実施形態について、主に第一実施形態と異なる部分について説明する。上述した第一実施形態の便座1において、外装カバー12a,12bの性状を示す物理量は、外装カバー12a,12bの外表面に付加された凹凸の大きさである。これに代えて、本第三実施形態の便座1においては、外装カバー12a,12bの性状を示す物理量は、外装カバー12a,12bの外表面における摩擦係数である。そして、第二外装カバー12bの外表面における摩擦係数が、第一外装カバー12aの外表面における摩擦係数よりも大きくなるように形成される。具体的には、外装カバー12a,12bを構成する合成樹脂の種類や硬度、外装カバー12a,12bの外表面の凹凸の大きさ等が異なるように形成する。
これによれば、便座1の裏面10cにおける外表面の摩擦係数が、着座面10bの外表面の摩擦係数よりも高いため、裏面10cは、着座面10bよりも滑りにくい。これにより、裏面10cと腰掛式便器2との接触部に生じる滑りを低減することができる。よって、着座面10bの性状を維持したまま、使用者がより安定した状態にて便座1に着座することができる。
次に、第三実施形態について、主に第一実施形態と異なる部分について説明する。上述した第一実施形態の便座1において、外装カバー12a,12bの性状を示す物理量は、外装カバー12a,12bの外表面に付加された凹凸の大きさである。これに代えて、本第四実施形態の便座1においては、外装カバー12a,12bの性状を示す物理量は、弾力性である。そして、第二外装カバー12bの弾力性が、第一外装カバー12aの弾力性よりも大きくなるように形成される。具体的には、外装カバー12a,12bの合成樹脂の種類、硬度、厚み等が異なるように形成する。また、第二外装カバー12bの外表面にエラストマーを塗布しても良い。
例えば、腰掛式便器と同材料にて形成されたものの平面上に外装カバー12a,12bを平らに置いた状態にて、外装カバー12a,12bの外表面にその平面に向かって垂直に所定の変形量(例えば1mm)を加えた場合、第二外装カバー12bが変形したときに発生する荷重が、第一外装カバー12aが変形したときに発生する荷重のおよそ200%以上大きくなるように形成されている。
これによれば、便座1の裏面10cが着座面10bより弾力性を有するため、裏面10cは、着座面10bよりも、便座1が回動して腰掛式便器2に接触したときに生じる衝撃をやわらげることができる。よって、着座面10bの性状を維持したまま、裏面10cから衝撃を吸収する部材(緩衝材11c)を省いて構成することができる。したがって、便座1の低コスト化を図ることができる。
また、上述した各実施形態において、外装カバー12a,12bは、織物等からなる布地と合成樹脂から構成された合成皮革によって形成されているが、これに代えて、人工皮革によって形成するようにしても良い。人工皮革は、例えば不織布からなる布地に、ポリウレタン等の合成樹脂を塗布したものである。
さらに、外装カバー12a,12bを、合成樹脂(例えばポリ塩化ビニル)のフィルムによって形成するようにしても良い。この場合、外装カバー12a,12bに布地が無いため、余分を取り除くトリミング加工の際、トムソン刃を用いる工程を省略することができる。具体的には、トムソン刃を用いる工程に代えて、外装カバー12a,12bを溶着した後、手加工によって、余分をむしるように取り除く。これにより、接合部12cの段差を比較的小さくすることができる。
また、上述した各実施形態において、便座1は、温水洗浄便座装置3に装着されているが、これに代えて、便座1を温水洗浄便座装置3に装着せずに、腰掛式便器2に直接的に装着するようにしても良い。
Claims (5)
- 腰掛式便器に対して回動可能に保持され、使用者が着座をする着座面および前記腰掛式便器に対向する裏面を有する本体部を備える便座であって、
前記本体部は、内部部材と、前記内部部材の外形状に沿って前記内部部材を液密的に被覆する外装カバーと、を備え、
前記外装カバーは、前記内部部材の前記着座面側の部位を被覆する第一外装カバーと、前記第一外装カバーと液密的に接合され、前記内部部材の前記裏面側の部位を被覆する第二外装カバーと、を備え、
前記第一外装カバーおよび前記第二外装カバーは、前記第一外装カバーおよび前記第二外装カバーの性状を示す物理量がそれぞれ異なるように形成されている便座。 - 前記物理量は、前記第一外装カバーおよび前記第二外装カバーの外表面に施された凹凸形状の大きさであり、
前記第二外装カバーは、当該第二外装カバーの外表面に施された凹凸形状の大きさが、前記第一外装カバーの外表面に施された凹凸形状の大きさより小さくなるように形成されている請求項1記載の便座。 - 前記物理量は、前記第一外装カバーおよび前記第二外装カバーの外表面における水の接触角度であり、
前記第二外装カバーは、当該第二外装カバーの外表面における水の接触角度が、前記第一外装カバーの外表面における水の接触角度より大きくなるように形成されている請求項1記載の便座。 - 前記物理量は、前記第一外装カバーおよび前記第二外装カバーの外表面における摩擦係数であり、
前記第二外装カバーは、当該第二外装カバーの外表面における摩擦係数が、前記第一外装カバーの外表面における摩擦係数より高くなるように形成されている請求項1記載の便座。 - 前記物理量は、弾力性であり、
前記第二外装カバーは、当該第二外装カバーの弾力性が、前記第一外装カバーの弾力性より大きくなるように形成されている請求項1記載の便座。
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Citations (5)
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