JP2016063602A - バーニアモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】大トルクが得られると共に力率が改善された永久磁石型バーニアモータを提供する。【解決手段】ロータ1を、環状の第一コア基部22a、第一コア基部22aから径方向に一定間隔で突設された第一ロータ歯部23a、及び第一ロータ歯部23aそれぞれの先端から軸方向へ延出している第一磁極コア24aを有する第一ロータ鉄心21aと、第二コア基部22b、第二ロータ歯部23b、第二磁極コア24bを有する第一ロータ鉄心21aと同様の構成であり第二磁極コア24bを第一磁極コア24a間に位置させている第二ロータ鉄心21bと、第一ロータ鉄心21aにN極及びS極のうちの一方である第一磁極で接続されていると共に、第二ロータ鉄心21bにN極及びS極のうちの他方である第二磁極で接続されている永久磁石とを具備する構成とし、ステータ歯部及びステータ溝部を第一磁極コア24a及び第二磁極コア24bに対向させる。【選択図】図2

Description

本発明は、永久磁石型バーニアモータに関するものである。
低速回転で大トルクを要する巻き上げ機や搬送機等の負荷をモータにより駆動する場合、一般的に減速ギアを付加する。しかしながら、減速ギアを付加することにより、コストが高くなる、重量が増える、メンテナンスが必要となる、ギアのバックラッシがあるため精密な制御ができない等の様々な問題が生じる。このため、負荷を直接駆動することにより低速で大トルクを発生させることができるモータが、従前より要請されている。
そのようなモータとして有望であると考えられているモータに、永久磁石型バーニアモータ(以下「PM型バーニアモータ」)と称する)がある。図8に示すように、PM型バーニアモータ100は、ロータ鉄心121の外周面に、周方向に沿ってN極及びS極が交互に並ぶように永久磁石130が配置されているロータ120と、ギャップ(空隙)を介してロータ120の永久磁石130に対向するステータ110とを備えている。ステータ110は、ステータ鉄心111の内周面に、周方向に沿ってステータ歯部112とステータ溝部113とが交互に形成されており、ステータ溝部113にはコイル140が配置されている。ここで、図8(a)は、PM型バーニアモータ100の軸方向と直交する面で切断した断面の半周分を示したものである。また、図8(b)は、ステータ歯部112、ステータ溝部113、及び永久磁石130の配置を説明するために、図8(a)のロータ120及びステータ110を直線状に展開したものである。なお、図8(a),(b)では、永久磁石130の着磁方向をS極からN極に向かう矢印で示しており、図8(b)では、コイルの図示を省略している。
図8(a),(b)に示すように、ステータ歯部112と永久磁石130それぞれのピッチは異なっている。ステータ歯部112の数をZ、ロータ120に配置されている永久磁石130の磁極対数をZ、コイル140の極対数をpとすると、PM型バーニアモータでは、Z=Z±pの関係が成り立つ。
ステータ110の内周面から突出しているステータ歯部112と、ステータ溝部113とでは永久磁石130とのギャップが異なるため、磁路の長さに比例して磁気抵抗が異なる。これにより、上記の構成のPM型バーニアモータでは、ロータ120とステータ110間のパーミアンスはステータ歯部112の数Zを周期とした正弦波状に分布する。角速度ωの電流をコイル140に流したときに発生する磁束は、このようなパーミアンスの分布の影響を受けて、p次成分だけでなくZ±p次の成分を有する。このZ±p次成分の磁束は、コイル140に流れる電流の角速度ωに対し、ω/(Z±p)に減速された角速度で回転する。その結果、永久磁石130の磁極対数ZがZ±pと一致しているロータ120は、減速されたω/Zの角速度で同期回転し、大トルクを得ることができる。
このように低速回転での大トルク特性が期待されるPM型バーニアモータであるが、更なるトルクの向上と力率の改善が要請されている。トルクと力率を改善するためには、ステータ110とロータ120が相対的に移動する際に、永久磁石130からステータ鉄心111に達しコイル140と鎖交する磁束(以下、「鎖交磁束」と称する)を増加させることが求められる。鎖交磁束を増加させるには、図9(a)に示すようにステータ歯部112と対向している永久磁石130から発生し、ステータ歯部112に流入する磁束10(以下、「歯部磁束10」と称する)と、図9(b)に示すように溝部113と対向する永久磁石130から発生する磁束11(以下、「溝部磁束11」と称する)との差を大きくすることが求められる。
そこで、ステータ溝部の内側面に導体を配置することにより、溝部磁束11を低減させることを意図した技術が提案されている(特許文献1参照)。これによれば、ステータ溝部に対向する永久磁石によって発生した磁束が導体を通過する際に導体に渦電流が流れ、いわゆる反発磁界が生じるため、この反発磁界により溝部磁束11が遮断されると説明されている。しかしながら、磁束を完全に遮断するためには、ステータ溝部に配置する導体として超伝導体を使用する必要があることから実際的ではなく、通常の導体を使用する場合は溝部磁束11の遮断が十分ではない。そのため、結果として目的の作用効果は十分に得られないものであった。
特開2004−56975号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、大トルクが得られると共に力率が改善されたPM型バーニアモータの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるPM型バーニアモータは、
「Z個のステータ歯部が一定間隔で突設され、隣接する該ステータ歯部間にステータ溝部が形成されているステータ鉄心、及び前記ステータ溝部のそれぞれに配置された極対数がpのコイルを有するステータと、磁極対数Zの磁極が形成されたロータとを備え、Z=Z±pの関係が成立する永久磁石型バーニアモータであって、
前記ロータは、
環状の第一コア基部、該第一コア基部から径方向に一定間隔で突設された第一ロータ歯部、及び該第一ロータ歯部それぞれの先端から軸方向に向かって延出している第一磁極コアを有する第一ロータ鉄心と、
環状の第二コア基部、該第二コア基部から径方向に前記第一ロータ歯部と同一の間隔で突設された第二ロータ歯部、及び該第二ロータ歯部それぞれの先端から前記第一磁極コアとは反対の軸方向に向かって延出している第二磁極コアを有し、前記第二磁極コアを前記第一磁極コア間に位置させている第二ロータ鉄心と、
前記第一ロータ鉄心にN極及びS極のうちの一方である第一磁極で接続されていると共に、前記第二ロータ鉄心にN極及びS極のうちの他方である第二磁極で接続されている永久磁石とを具備し、
前記ステータ歯部及び前記ステータ溝部は、前記第一磁極コア及び前記第二磁極コアに対向している」ものである。
以下では、第一ロータ鉄心と第二ロータ鉄心を区別する必要がない場合は、「ロータ鉄心」と、第一コア基部と第二コア基部を区別する必要が無い場合は「コア基部」と、第一ロータ歯部と第二ロータ歯部を区別する必要が無い場合は「ロータ歯部」と、第一磁極コアと第二磁極コアを区別する必要が無い場合は「磁極コア」と総称する。
永久磁石が「前記第一ロータ鉄心に第一磁極で接続されていると共に、前記第二ロータ鉄心に第二磁極で接続されている」態様としては、第一磁極コアと第二コア基部の間に接続されており第一磁極コア側が第一磁極で第二コア基部側が第二磁極である永久磁石と、第二磁極コアと第一コア基部の間に接続されており第二磁極コア側が第二磁極で第一コア基部側が第一磁極である永久磁石とを有する態様、軸方向に着磁されている永久磁石が第一コア基部に第一磁極で接続されていると共に第二コア基部に第二磁極で接続されている態様、相反する径方向に着磁されている環状の永久磁石を二つ具備しており、一方の永久磁石が第一ロータ鉄心の内周面に第一磁極で接続されていると共に他方の永久磁石が第二ロータ鉄心の内周面に第二磁極で接続されている態様、を例示することができる。
トルクと力率を改善するために、溝部磁束11を低減させようと試みた特許文献1の技術とは異なり、本願発明は歯部磁束10を増大させることを意図している。ここで、ステータ歯部112に対向する永久磁石130から発生した磁束は、全てがステータ鉄心111に達することはなく、図9(c)に模式的に示すように、隣接するステータ溝部113へと漏れる磁束12(以下、「溝漏れ磁束12」と称する)が存在する。溝漏れ磁束12は、歯部磁束10を低減させる大きな要因であると考えられる。
詳細には、磁束の大きさは、その磁束が通る磁路の磁気抵抗に反比例し、磁気抵抗は磁路の長さに比例する。強磁性体である鉄心の透磁率は空気の透磁率の約2000倍と大きく、磁気抵抗としては無視することができる。また、磁石の透磁率は空気の透磁率と同程度である。そのため、従来のPM型バーニアモータでは、歯部磁束10の磁路の長さは、「磁石厚さm」と「ギャップ長さg」の和であり、溝漏れ磁束12の磁路の長さは「磁石厚さm」と「溝漏れ長さL」の和となる。従って、歯部磁束10に対する溝漏れ磁束12の大きさの割合を考えた場合、式(1)に示すように、それぞれの磁路の長さの割合として表すことができる。
溝漏れ磁束/歯部磁束=(磁石厚さ+ギャップ長さ)/(磁石厚さ+溝漏れ長さ)(1)
ギャップ長さgは、ある程度まで小さくすることができる一方、磁石厚さmについては、起磁力を確保し通電時にコイルで生じる起磁力による不可逆減磁を回避できる十分な大きさとする必要から、溝漏れ長さLと同程度かそれ以上の長さとなる。これにより、溝漏れ磁束12は、歯部磁束10の半分以上の大きさとなり、歯部磁束10を大きく低下させている。
かかる問題を解決するために本発明者は、鋭意検討した結果、ロータの構成を上記構成とすることにより、詳細は後述するように、磁石厚さmが無視できるような磁路が形成され歯部磁束10を増大させることができることを見出し、本発明に至ったものである。
本構成のPM型バーニアモータでは、歯部磁束10と溝漏れ磁束12の磁気抵抗において磁石厚さmが無視できることにより、歯部磁束10に対する溝漏れ磁束12の割合は、式(2)に示す溝漏れ長さに対するギャップ長さの割合となる。ギャップ長さgは溝漏れ長さLに対して1/10程度まで小さくすることが可能であるため、歯部磁束10に対する溝漏れ磁束12の割合は1/10程度となる。これにより、溝漏れ磁束12が歯部磁束10の半分以上を占めていた従来のPM型バーニアモータに比べて、歯部磁束10を大幅に増大させることができる。その結果、鎖交磁束を増大させて、大トルクを得ることができると共に力率を改善することができる。
溝漏れ磁束/歯部磁束=ギャップ長さ/溝漏れ長さ(2)
本発明にかかるPM型バーニアモータは、上記構成において、「前記ロータは、前記永久磁石を複数具備しており、複数の前記永久磁石は、前記第一磁極コアに前記第一磁極で接続され、前記第二コア基部に前記第二磁極で接続されている第一磁石と、前記第二磁極コアに前記第二磁極で接続され、前記第一コア基部に前記第一磁極で接続されている第二磁石とを有する」ものとすることができる。
本構成のPM型バーニアモータでは、ステータ歯部及びステータ溝部と対向している第一磁極コア及び第二磁極コアに直接、永久磁石が接続されている。このため、コア基部などロータ鉄心の他の部分に永久磁石が接続されている場合に比べ、ステータと永久磁石との距離が短い。これにより、同じ強さの永久磁石をコア基部などロータ鉄心の他の部分に接続した場合に比べて歯部磁束10が大きく、結果として鎖交磁束を増大させて、大トルクを得ることができると共に力率を改善することができる。
次に、本発明にかかるバーニアモータは、上記構成において、「前記ロータを軸方向に複数有する」ものとすることができる。
本構成のPM型バーニアモータでは、複数のロータを軸方向に列設することにより、永久磁石の数及び磁極コアの面積を増加させ、歯部磁束10を増大させることができる。これにより、鎖交磁束を増大させて大トルクを得ることができ、力率を改善することができる。
以上のように、本発明の効果として、大トルクが得られると共に力率が改善されたPM型バーニアモータを、提供することができる。
本発明の一実施形態であるPM型バーニアモータのロータの(a)斜視図、及び(b)分解斜視図である。 図1のPM型バーニアモータのロータの(a)正面図、及び(b)背面図それぞれの半周分を示した図である。 図1のPM型バーニアモータのロータの(a)A−A線端面図、及び(b)B−B線端面図である。 図1のPM型バーニアモータのステータ歯部、ステータ溝部、及び磁極コアの配列を説明する図である。 本発明の第二実施形態であるPM型バーニアモータのロータの(a)分解斜視図、及び(b)図3のA−A線端面図と同位置で切断した端面図である。 本発明の第三実施形態であるPM型バーニアモータのロータの(a)分解斜視図、及び(b)図3のA−A線端面図と同位置で切断した端面図である。 本発明の第四実施形態であるPM型バーニアモータのロータの斜視図である。 従来のPM型バーニアモータの(a)軸方向と直交する面で切断した断面の半周分を示した図、及び(b)ロータ及びステータを直線状に展開した図である。 従来のPM型バーニアモータの(a)ステータ歯部と対向する永久磁石から発生する磁束、(b)ステータ溝部と対向する永久磁石から発生する磁束、及び(c)ステータ歯部と対向する永久磁石から発生しステータ溝部へ漏れる磁束、を模式的に示した説明図である。
以下、本発明の第一実施形態〜第四実施形態であるPM型バーニアモータについて図1乃至図7を用いて説明する。なお、図1乃至7では図4を除きステータを省略してロータのみを図示しており、図4ではステータにおいてコイルの図示を省略している。
第一実施形態〜第四実施形態のPM型バーニアモータは、Z個のステータ歯部52が一定間隔で突設され、隣接するステータ歯部52間にステータ溝部53が形成されているステータ鉄心51、及びステータ溝部53のそれぞれに配置された極対数がpのコイルを有するステータ50と、磁極対数Zの磁極が形成されたロータとを備え、Z=Z±pの関係が成立するPM型バーニアモータである点では、従来のPM型バーニアモータと同様であるが、それぞれロータの構成が従来のPM型バーニアモータとは大きく相違している。ここでは、ロータがステータ50に収容されているインナーロータ型のバーニアモータであり、ステータ歯部52の個数Zは6、磁極対数Zは5、コイルの極対数pは1に設定されている場合を例示する。
第一実施形態のPM型バーニアモータのロータ1は、図1〜図4に示すように、
環状の第一コア基部22a、第一コア基部22aから径方向に一定間隔で突設された第一ロータ歯部23a、及び第一ロータ歯部23aそれぞれの先端から軸方向に向かって延出している第一磁極コア24aを有する第一ロータ鉄心21aと、
環状の第二コア基部22b、第二コア基部22bから径方向に第一ロータ歯部23aと同一の間隔で突設された第二ロータ歯部23b、及び第二ロータ歯部23bそれぞれの先端から第一磁極コア24aとは反対の軸方向に向かって延出している第二磁極コア24bを有し、第二磁極コア24bを第一磁極コア24a間に位置させている第二ロータ鉄心21bと、
第一ロータ鉄心21aにN極及びS極のうちの一方である第一磁極で接続されていると共に、第二ロータ鉄心21bにN極及びS極のうちの他方である第二磁極で接続されている永久磁石とを具備している。
また、第一実施形態のPM型バーニアモータにおいて、ステータ歯部52及びステータ溝部53は、第一磁極コア24a及び第二磁極コア24bに対向しており、永久磁石には対向していない。
加えて、第一実施形態のロータ1は、永久磁石を複数具備しており、複数の永久磁石は、第一磁極コア24aに第一磁極で接続され、第二コア基部22bに第二磁極で接続されている第一磁石30aと、第二磁極コア24bに第二磁極で接続され、第一コア基部22aに第一磁極で接続されている第二磁石30bとを有している。
ロータ1の構成を、図1(a),(b)を使用して説明する。図1(a),(b)において、紙面手前側のロータ鉄心を第一ロータ鉄心21a、紙面奥側のロータ鉄心を第二ロータ鉄心21bとして説明する。第一ロータ鉄心21aの第一コア基部22aは円環状であり、その第一コア基部22aの外周面からは、五つの第一ロータ歯部23aが径方向に等角度間隔で突設されている。五つの第一ロータ歯部23aは、周方向の長さ及び軸方向の長さが同一である。また、隣接する第一ロータ歯部23a間の空隙の長さは、第一ロータ歯部23aの周方向の長さより大きく設定されている。第一磁極コア24aは、第一ロータ歯部23aの端部から第二ロータ鉄心21b側へ向かって、第一コア基部22aの軸方向の長さよりも長く延出している。
第二ロータ鉄心21bは、第一ロータ鉄心21aを第一コア基部22aに平行な面に対して対称に反転させた構成である。すなわち、第二ロータ鉄心21bは、第二磁極コア24bが第一磁極コア24aとは反対方向(第一ロータ鉄心21a側)に延びていることを除き、第一ロータ鉄心21aと同一の構成である。
永久磁石は、一方のロータ鉄心の磁極コアと他方のロータ鉄心のコア基部に接続された状態で、径方向に着磁されている。第一実施形態では永久磁石を十個具備しており、これらの起磁力は等しく、形状は全て同一である。具体的には、永久磁石のそれぞれは、ロータ鉄心に取り付けられた状態で軸方向に直交する面で切断した断面の外形が、扇形である。扇型の外周円弧の長さは磁極コアの内周円弧の長さと等しく、扇型の内周円弧の長さはロータ歯部の内周円弧の長さと等しい。また、それぞれの永久磁石の径方向の長さはロータ歯部の径方向の長さと等しく、軸方向の長さはコア基部の軸方向の長さと同一である。これにより、それぞれの永久磁石は第一ロータ鉄心21aと第二ロータ鉄心21bとの間に接続された状態で、外周面の全面が磁極コアの内周面と当接すると共に、内周面の全面がコア基部の外周面と当接する。
十個の永久磁石のうち、五つは外周側が第一磁極に内周側が第二磁極に着磁されており、外周面を第一磁極コア24aの内周面に当接させていると共に、内周面を第二コア基部22bの外周面に当接させている第一磁石30aである。残る五つの永久磁石は、外周側が第二磁極に内周側が第一磁極に着磁されており、外周面を第二磁極コア24bの内周面に当接させていると共に、内周面を第一コア基部22aの外周面に当接させている第二磁石30bである。ここでは、第一磁極がN極であり第二磁極がS極である場合を例示している。
ロータ1は、上記のように永久磁石が接続された第一ロータ鉄心21a及び第二ロータ鉄心21bを対向させ、隣接する第一磁極コア24a間に第二磁極コア24bが位置するように、互いの磁極コアを噛み合わせた構成である。第一磁極コア24a及び第二磁極コア24bは、それぞれ永久磁石を完全に被覆する長さに、軸方向に延びている(図3(a),(b)参照)つまり、永久磁石はステータ50と対向せず、磁極コアのみがステータ50と対向している。また、ロータ1では、永久磁石と第一磁極で接続された第一磁極コア24aと、永久磁石と第二磁極で接続された第二磁極コア24bとが、周方向に交互に並んでいることにより、ロータ1の外周に沿って磁極対数5のN極とS極とが交互に並んでいる。
次に、本実施形態のPM型バーニアモータでは、歯部磁束10及び溝漏れ磁束12の磁気抵抗において磁石厚さを無視できることについて、主に図4を用いて説明する。図4では、説明の便宜のために磁極コアに番号を付している。また、第一磁石30a及び第二磁石30bの着磁方向を、S極からN極に向かう矢印により示している。
ロータ1では、複数の第一磁極コア24aは第一ロータ歯部23a及び第一コア基部22aを介して接続されており、一体の強磁性体である第一ロータ鉄心21aを構成している。これにより、複数の第一磁極コア24a(図4において番号「1」「3」「5」「7」「9」の磁極コア)の磁位は全て等しい。同様に、複数の第二磁極コア24bは第二ロータ歯部23b及び第二コア基部22bを介して接続されており、一体の強磁性体である第二ロータ鉄心21bを構成している。これにより、複数の第二磁極コア24b(図4において、番号「2」「4」「6」「8」「10」の磁極コア)の磁位は全て等しい。換言すれば、磁極コア、ロータ歯部、及びコア基部は、磁気的に短絡している。
これにより、永久磁石により発生した磁束は、ステータ50との間の磁気抵抗が小さい磁極コアを介してステータ50に至る。例えば、ステータ溝部53と対向している「5」や「7」の第一磁極コア24aは、ステータ50との距離が大きく磁気抵抗が大きい。そのため、ここで発生した磁束は、第一ロータ歯部23a及び第一コア基部22aを介して接続されており、ステータ歯部52と対向していることによりステータ50との間で磁気抵抗の小さい「1」や「3」の第一磁極コア24aからステータ歯部52に流入する。つまり、磁束の磁路は、永久磁石を通らないものとなる。従って、歯部磁束10及び溝漏れ磁束12の磁路は磁石厚さを含まないものとなり、歯部磁束10に対する溝漏れ磁束12の大きさの割合として上述の式(2)が成立し、溝漏れ長さに対するギャップ長さの割合となる。ギャップ長さは、上述のように溝漏れ長さの1/10程度に低減することが可能であるため、溝漏れ磁束12は歯部磁束10の1/10程度となり鎖交磁束を増大させることができる。これにより、大トルクと高い力率を得ることができる。
次に、第二実施形態のPM型バーニアモータについて、図5を用いて説明する。第二実施形態のPM型バーニアモータは、ロータ鉄心の構成及びロータとステータとの関係については第一実施形態と同一であり、永久磁石の構成及びロータ鉄心に対する永久磁石の接続の態様において第一実施形態と相違している。ここでは、第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態のロータ2は永久磁石として、軸方向に着磁されている円環状の永久磁石30cを一つ具備しており、永久磁石30cは第一コア基部22aと第二コア基部22bとの間に接続されている。
より詳細には、永久磁石30cは外径及び内径がコア基部と等しく設定されている。永久磁石30cは、第一磁極である紙面手前側の面を第一コア基部22aに当接させており、第二磁極側の面を第二コア基部22bに当接させて接続されている。
ロータ2では、永久磁石30cと第一磁極で接続された第一コア基部22aと第一ロータ歯部23aを介して接続されている第一磁極コア24a、及び、永久磁30cと第二磁極で接続された第二コア基部22bと第二ロータ歯部23bを介して接続されている第二磁極コア24bが、周方向に交互に並んでいる。これにより、ロータ1と同様に、ロータ2の外周に沿って磁極対数5のN極とS極とが交互に並んでいる。
また、磁気的に短絡されていることにより、複数の第一磁極コア24aは磁位が等しく、複数の第二磁極コア24bも磁位が等しい。そして、第一磁極コア24a及び第二磁極コア24bのみがステータ50と対向し、永久磁石30cはステータ50と対向していない。従って、第二実施形態のPM型バーニアモータにより、第一実施形態のPM型バーニアモータと同様の作用効果を得ることができる。
次に、第三実施形態のPM型バーニアモータについて、図6を用いて説明する。第三実施形態のPM型バーニアモータは、ロータ鉄心の構成及びロータとステータとの関係については第一実施形態及び第二実施形態と同一であり、永久磁石の構成及びロータ鉄心に対する永久磁石の接続の態様において相違している。ここでは、第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態のロータ3は永久磁石として、二つの円環状の永久磁石30d,30eを具備している。永久磁石30dは、外周側が第一磁極に内周側が第二磁極に着磁されており、外周面を第一コア基部22aの内周面に当接させて接続されている。一方、永久磁石30eは外周側が第二磁極に内周側が第一磁極に着磁されており、外周面を第二コア基部22bの内周面に当接させて接続されている。
ロータ3では、永久磁石30dと第一磁極で接続された第一コア基部22aと第一ロータ歯部23aを介して接続されている第一磁極コア24a、及び、永久磁石30eと第二磁極で接続された第二コア基部22bと第二ロータ歯部23bを介して接続されている第二磁極コア24bが、周方向に交互に並んでいる。これにより、ロータ1,2と同様に、ロータ3の外周に沿って磁極対数5のN極とS極とが交互に並んでいる。
また、磁気的に短絡されていることにより、複数の第一磁極コア24aは磁位が等しく、複数の第二磁極コア24bも磁位が等しい。そして、第一磁極コア24a及び第二磁極コア24bのみがステータ50と対向し、永久磁石30d,30eはステータ50と対向していない。従って、第三実施形態のPM型バーニアモータにより第一実施形態のPM型バーニアモータと同様の作用効果を得ることができる。
次に、第四実施形態のPM型バーニアモータについて、図7を用いて説明する。第四実施形態のPM型バーニアモータは、ロータを軸方向に複数有しているものである。複数のロータは、それぞれにおいて第一ロータ鉄心21aが同じ側となるように列設される。ここでは、ロータとして、第一実施形態のロータ1を二つ有している場合を、図示により例示しており、第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
このように、ロータ1を軸方向に複数備えることにより、永久磁石の数及び磁極コアの面積を増加させ、歯部磁束10を増大させることができる。これにより、鎖交磁束を増大させて大トルクを得ることができ、力率を改善することができる。なお、複数のロータとして、第二実施形態のロータ2や第三実施形態のロータ3を使用することもできる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、ステータ歯部の数Z、コイルの極対数p、及びロータの磁極対数Zは、Z=Z±pの関係が成立するものであれば、上記で具体的に示した数に限定されない。また、上記の実施形態ではインナーロータ型のPM型バーニアモータを例示したが、アウターロータ型のPM型バーニアモータであっても、本発明を適用することができる。この場合は、コア基部の内周面からロータ歯部が突設され、ステータ鉄心の外周面からステータ歯部が突設される。
1,2,3 ロータ
21a 第一ロータ鉄心
21b 第二ロータ鉄心
22a 第一コア基部
22b 第二コア基部
23a 第一ロータ歯部
23b 第二ロータ歯部
24a 第一磁極コア
24b 第二磁極コア
30a 第一磁石(永久磁石)
30b 第二磁石(永久磁石)
30c,30d,30e 永久磁石
50 ステータ
51 ステータ鉄心
52 ステータ歯部
53 ステータ溝部

Claims (3)

  1. 個のステータ歯部が一定間隔で突設され、隣接する該ステータ歯部間にステータ溝部が形成されているステータ鉄心、及び前記ステータ溝部のそれぞれに配置された極対数がpのコイルを有するステータと、磁極対数Zの磁極が形成されたロータとを備え、Z=Z±pの関係が成立する永久磁石型バーニアモータであって、
    前記ロータは、
    環状の第一コア基部、該第一コア基部から径方向に一定間隔で突設された第一ロータ歯部、及び該第一ロータ歯部それぞれの先端から軸方向に向かって延出している第一磁極コアを有する第一ロータ鉄心と、
    環状の第二コア基部、該第二コア基部から径方向に前記第一ロータ歯部と同一の間隔で突設された第二ロータ歯部、及び該第二ロータ歯部それぞれの先端から前記第一磁極コアとは反対の軸方向に向かって延出している第二磁極コアを有し、前記第二磁極コアを前記第一磁極コア間に位置させている第二ロータ鉄心と、
    前記第一ロータ鉄心にN極及びS極のうちの一方である第一磁極で接続されていると共に、前記第二ロータ鉄心にN極及びS極のうちの他方である第二磁極で接続されている永久磁石とを具備し、
    前記ステータ歯部及び前記ステータ溝部は、前記第一磁極コア及び前記第二磁極コアに対向している
    ことを特徴とする永久磁石型バーニアモータ。
  2. 前記ロータは、前記永久磁石を複数具備しており、
    複数の前記永久磁石は、
    前記第一磁極コアに前記第一磁極で接続され、前記第二コア基部に前記第二磁極で接続されている第一磁石と、
    前記第二磁極コアに前記第二磁極で接続され、前記第一コア基部に前記第一磁極で接続されている第二磁石とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石型バーニアモータ。
  3. 前記ロータを軸方向に複数有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の永久磁石型バーニアモータ。
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