JP2016063579A - ガス絶縁開閉器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流遮断に伴って密閉容器内に生成され滞留するCOガスの存在量を抑制するとともに、優れた性能と品質、安全性を長期間維持することのできるガス絶縁開閉器を提供する。【解決手段】ガス絶縁開閉器は、消弧性ガスとしてCO2ガスを単体あるいは混合ガスで充填した密閉容器2と、密閉容器2内で互いに対向して配置された1対のアーク接触子3b、4bと、密閉容器2内にあってアーク放電によって加熱されるように配置された蓄熱構造体30と、密閉容器2内で蓄熱構造体30に接触して配置されて密閉容器2内のCOガスを酸化可能な酸化剤20と、を有する。アーク接触子3b、4bは、通電時には互いに接触状態に保たれて通電を行い、電流遮断時には互いに開離して消弧性ガス中にアーク放電を発生させ、そのアーク放電を消滅させることで電流を遮断する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、消弧性ガスを封入した密閉容器内に開閉可能とした接点を配置してなるガス絶縁開閉器に関する。
電流遮断機能を有するガス絶縁開閉器には、その使用目的、必要とされる機能に応じて、負荷開閉器、断路器、ガス遮断器など様々なものが存在する。その多くは、密閉容器に充填した消弧性ガス中に機械的に開閉可能な電気接点を配置し、通電時には両者を接触状態に保つことで通電を行ない、電流遮断時には電気接点を開離させ、遮断途中に発生するアーク放電に対しては消弧性ガスを吹き付けることで消滅させて、電流の遮断に至る。
図7にガス絶縁開閉器の一例として、主に高電圧系統において事故電流を遮断するために使用されているパッファ形ガス遮断器の断面構造図を示す。図7の各部品は概ね同軸円筒形状である。図7においては、電流遮断動作中の状態を示している。
接地された金属や碍子などからなる密閉容器2内には、消弧性ガス1aが充填されている。消弧性ガス1aは、アーク放電を消滅させる消弧性能及び電気絶縁性能に優れたガスであり、特に六フッ化硫黄ガス(SF6ガス)は、その性能に優れ、高電圧用の開閉器の高性能化、省スペース化に広く貢献することから、多く使用されている。
密閉容器2内には、固定通電部3a、固定アーク接触子3b等で構成される固定部3が絶縁固定される。また、可動部4は、密閉容器2内に移動可能に、かつ容器から絶縁支持されて、固定部3に対向して設置される。可動部4は、絶縁ノズル4a、可動アーク接触子4b、通電接触子4c、パッファシリンダ4dが、操作ロッド4eに取り付けられて構成される。
電流は、導体10と、図示してないブッシングを介して外部に引き出される。導体10は、スペーサ11により絶縁支持されると同時に、密閉容器2内のガス空間としては当該スペーサ11により区分される。可動部4の可動性は、操作ロッド4eが、図示されていない絶縁操作棒を介して、操作機構8内の可動部に連結されることにより達成される。
固定アーク接触子3bおよび可動アーク接触子4bは、遮断器投入時では接触導通状態にあり、遮断動作時においては相対移動により開離する。遮断動作時には、両アーク接触子3b、4bの間にアーク放電6が発生するよう構成されている。そのため、絶縁ノズル4aは耐アーク性の高い絶縁物であるポリテトラフルオロエチレンを主体に構成されることが多い。
さらに、上記の動作とともに、固定されているピストン5がパッファシリンダ4dの内部空間を圧縮して同部の圧力を上昇させる。そして、パッファシリンダ4d内に存在するSF6ガス1aが高圧力のガス流となり、絶縁ノズル4aによって整流されアーク接触子3b、4bの間に発生したアーク放電6に対して強力に吹き付けられる。これにより、アーク接触子3b、4bの間に発生した導電性のアーク放電6は消滅し、電流は遮断される。アーク放電6に吹き付けられたガスはガス流9となり固定部3内部を通過し、密閉容器2内に放散される。
しかしながら、SF6ガスは、高い地球温暖化作用を有することが知られている。そのため、近年、SF6ガスの使用量の削減が望まれている。地球温暖化作用の大きさは一般に地球温暖化係数、すなわちCO2ガスを1とした場合の相対値により表わされるが、SF6ガスの地球温暖化係数は23,900に及ぶ。
そこで、SF6ガスを代替する消弧性ガスとして、CO2ガスが有力視されている(例えば非特許文献1を参照)。CO2ガスは、地球温暖化作用がSF6ガスに比べて非常に小さいが、比較的高い消弧性能、および電気絶縁性能を有するためである。CO2ガスをSF6ガスの代わりに適用することで、概ね良好な性能を有し、かつ地球温暖化への影響を抑制して環境調和のとれたガス絶縁開閉器を提供することが可能となる。
ただし、CO2ガスは化学組成にC元素とO元素を含むため、CO2ガスを単体あるいは混合ガスとして消弧性ガスに適用した場合には、電流遮断時に発生するアーク放電により消弧性ガスが加熱されて高温状態となることにより、CとOに解離され、Oの一部は密閉容器内の金属部品や絶縁物といった内部部品との酸化反応に用いられる。このため、解離した消弧性ガスが再結合する際に、全てが元のCO2に戻るのではなく、COが生成されることとなる。COガスは、密閉容器内に長時間滞留し続けるので、ガス絶縁開閉器のメンテナンス等の、密閉容器内のガスを開放する作業員にとって有害物質となる。
このような課題を解決する方法としては、あらかじめ、消弧性ガスにO2ガスを適量混合させておくことにより、電流遮断時に発生するCOを酸化させて生成量を抑制する方法が提案されている。
また、アーク放電により熱せられたガス流に曝される位置に、化学組成にO元素を含む固体材料を配置し、電流遮断時に固体材料を溶融し、さらに溶発させることで、O元素を含む溶発ガスを発生させ、この溶発ガスによりCOを酸化させる方法も提案されている(例えば特許文献1を参照)。
内井他、「環境低負荷型72kV級CO2ガス遮断器モデルの開発」、電気学会論文B、124巻、3号、pp.476−484、2004年
上述した従来の技術によっては、O元素を含むガスにより、電流遮断時に生成されたCOガスを酸化させCO2ガスに変化させるため、COガスの存在量が抑制できる。しかしながら、これら技術には次のような課題があった。
すなわち、あらかじめ、消弧性ガスにO2ガスを混合させておく方法では、ガス混合比率を維持するために、混合比をモニタリングするシステムを導入しなければならず、コスト高となってしまう。また、電流を遮断する前の定常運転時においても、ガス絶縁開閉器の密閉容器内に、酸化力の強いO2ガスが絶えず存在することになるため、密閉容器内の絶縁物や金属を酸化させてしまい、機器寿命の短縮、機器の保守点検回数が増加するという課題があった。
一方、O元素を含む固体材料をアーク熱によって溶発させる方法では、酸化力の強いO2ガスは電流遮断のタイミングで発生するため、密閉容器内の絶縁物や金属を劣化させにくいという利点はある。しかし、アーク熱により溶発し、かつ其の溶発ガスの化学組成中にO元素を含む固体材料となると、選択肢が限られてしまい、その固体材料の化学組成によってはH元素を含み、電流遮断時に生じる溶発ガスと消弧性ガスの混合ガスが解離及び再結合すると、水分のようにガス絶縁開閉器の絶縁性能に悪影響を及ぼす物質や、HFのように密閉容器内の絶縁物を腐食させてしまう物質が生成されるという課題があった。さらに、固体材料が溶融または溶発されることで、固体材料の形状が変化してしまい、ガス絶縁開閉器の動作または性能に影響を与えるという課題があった。
すなわち、いずれの方法にしても、機器の保守点検回数の増加と機器寿命の短縮を招くおそれがあった。
本発明の実施形態は、上記の課題を解消するために提案されたものであり、その目的は、電流遮断に伴って密閉容器内に生成され、滞留するCOガスの存在量を抑制するとともに、優れた性能と品質、安全性を長期間維持することのできるガス絶縁開閉器を提供することにある。
本発明の一実施形態によるガス絶縁開閉器は、消弧性ガスとしてCO2ガスを単体あるいは混合ガスで充填した密閉容器と、前記密閉容器内に配置されて互いに対向配置された1対のアーク接触子であって、通電時には互いに接触状態に保たれて通電を行い、電流遮断時には互いに開離して前記消弧性ガス中にアーク放電を発生させ、そのアーク放電を消滅させることで電流を遮断するよう構成された1対のアーク接触子と、前記密閉容器内で前記消弧性ガスと接触して、前記アーク放電によって加熱されるように配置された蓄熱構造体と、前記密閉容器内で前記消弧性ガスと接触し、かつ前記蓄熱構造体に接触して配置され、前記密閉容器内のCOガスを酸化可能な酸化剤と、を有することを特徴とする。
本発明の他の実施形態によるガス絶縁開閉器は、消弧性ガスとしてCO2ガスを単体あるいは混合ガスで充填した密閉容器と、前記密閉容器内に配置されて互いに対向配置された1対のアーク接触子であって、通電時には互いに接触状態に保たれて通電を行い、電流遮断時には互いに開離して前記消弧性ガス中にアーク放電を発生させ、そのアーク放電を消滅させることで電流を遮断するよう構成された1対のアーク接触子と、前記密閉容器内で前記消弧性ガスと接触して、前記アーク放電によって加熱されるように配置された蓄熱構造体と、前記密閉容器内で前記消弧性ガスと接触して配置され、前記密閉容器内のCOガスを酸化可能な酸化剤と、を有するガス絶縁開閉器であって、前記1対のアーク接触子が互いに開離して前記消弧性ガス中にアーク放電が生じたときに前記消弧性ガスが所定の方向に流れるように構成されており、前記消弧性ガスが前記所定の方向に流れたときに、前記消弧性ガスが前記蓄熱構造体に接触した後にその消弧性ガス流れの下流側で前記酸化剤に接触するように、前記蓄熱構造体および前記酸化剤が配置されていること、を特徴とする。
以下図面を参照して、本発明を電力用ガス絶縁開閉器の一例として、主に高電圧系統において事故電流を遮断するために使用されているパッファ型ガス遮断器に適用した実施形態を説明する。図7に示す従来技術と同一または類似の部分、または、実施形態同士で互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
(構成)
以下に、本発明の第1の実施形態に係るガス絶縁開閉器について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るガス絶縁開閉器の構成を示す縦断面図である。
(構成)
以下に、本発明の第1の実施形態に係るガス絶縁開閉器について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るガス絶縁開閉器の構成を示す縦断面図である。
図1に示す基本的な構成は、図7において説明した従来のガス遮断器と同様である。本発明において特徴的な構成について以下に説明する。
密閉容器2内に充填する消弧性ガス1bは、消弧性能及び電気絶縁性能に優れるが、アーク放電6による熱エネルギーを受けたガスの解離や再結合によってCOガスを発生させるおそれのある化学組成にC元素又はO元素を含むガスであり、具体例を挙げると、CO2ガスの単体あるいはCO2ガスを含む混合ガスである。ただし、消弧性ガス1bには、化学組成中にH元素を含むガスが混合されない方が好ましい。
絶縁ノズル4aには、材質の化学組成中にH元素が含まれない方が好ましい。
また、電流遮断過程で消弧性ガス1bから生成されたCOガスを酸化させるため、このガス絶縁開閉器は、酸化剤20を密閉容器2内に備えている。消弧性ガス1bに含まれるCOガスに対する酸化能力を有する酸化剤20の例としては、少なくともMn、Co、Ni、Cu、Zn、Ti、Fe、V、Cr、などを1成分以上含む酸化物が挙げられる。また、酸化剤20には、材質の化学組成中にH元素が含まれないものとする。酸化剤20は、本実施形態で、加熱されても溶融しないだけの高い融点をもつことが好ましい。密閉容器2内の酸化剤20の量は、電流遮断過程で消弧性ガス1bから発生すると予想されるCOガスの分子数を十分酸化できる量とする。
図2は、第1の実施形態に係るガス絶縁開閉器の各反応温度における、酸化剤適用時のCO存在量の時間変化の例を示すグラフである。図2は、CO2とCOの混合ガスを充填した密閉容器2内に酸化剤20としてMnO2を設置した場合のCO存在量の時間変化図を示している。図2には、反応温度を200℃および400℃で一定に保った場合のCO存在量を示している。反応温度が高い400℃の場合の方がCOガスの酸化反応が活性化されるため、CO存在量がより速く低減されていることがわかる。また、反応温度200℃、400℃の両方において、時間が経過するに伴い、COの存在量が減少していることがわかる。これら結果より、COの存在量を低減するためには、反応温度を高めることと反応時間を長くすることが有効であることがわかる。
また、COの存在量をより効率よく低減するため、このガス絶縁開閉器では、蓄熱構造体30を密閉容器2内に備えている。蓄熱構造体30の材料としては、電流遮断後に酸化剤20によるCOの反応が進行可能な温度以上となる時間が、消弧性ガス1bよりも長時間持続することが好ましい。例えばアルミナ、コージェライト(cordierite)、ジルコニア、ムライト(mullite)などを1成分以上含むセラミックスが挙げられる。また、蓄熱構造体30には、材質の化学組成中にH元素が含まれないものとする。蓄熱構造体30は本実施形態で加熱されても、溶融しないだけの十分に高い融点をもつことが好ましい。
蓄熱構造体30は、電流遮断過程で加熱されているCOガスを含む消弧性ガス1bと接触する位置に設置する。
また、酸化剤20は、電流遮断過程で加熱されているCOガスを含む消弧性ガス1bと接触し、かつ蓄熱構造体30の壁面の少なくとも一部に接触するように設置する。
ただし、酸化剤20および蓄熱構造体30はガス絶縁開閉器の絶縁性能、遮断性能および構成部品の動作に影響しないよう設置する。
例えば、図1に示すように、固定通電部3aの内面に接触するように蓄熱構造体30を円筒形状とし、円筒形状の蓄熱構造体30の内面に接触するように酸化剤20を円筒形状とすることでよい。
また、他の例としては、酸化剤20を蓄熱構造体30に塗布するものであってもよい。
前述のように、電流遮断過程で加熱された消弧性ガス1bと接触し、かつガス絶縁開閉器の絶縁性能、遮断性能および構成部品の動作に影響しない酸化剤20および蓄熱構造体30の設置位置とは、図1に示すように固定通電部3aの内部に設置できるほかに、操作ロッド4eの内部などに設置してもよい。
(作用)
前述のとおり、電流遮断時にアーク放電6が生じた場合、密閉容器2内にCOガスが生成され長時間滞留するために、メンテナンス等により密閉容器2内のガスを開放する時に人体に危険を及ぼす恐れがあるという課題があった。しかし、上記の構成をとることで、電流遮断過程で生じるCOガスの存在量は抑制されて本課題は解決される。以下に、その理由を説明する。
前述のとおり、電流遮断時にアーク放電6が生じた場合、密閉容器2内にCOガスが生成され長時間滞留するために、メンテナンス等により密閉容器2内のガスを開放する時に人体に危険を及ぼす恐れがあるという課題があった。しかし、上記の構成をとることで、電流遮断過程で生じるCOガスの存在量は抑制されて本課題は解決される。以下に、その理由を説明する。
電流遮断時に発生するアーク放電6により消弧性ガス1bは加熱される。消弧性ガス1bは、CO2ガスの単体あるいは混合ガスからなり、化学組成にC元素やO元素を含むため、加熱された際に、解離や再結合を起こし、その過程でCOガスが生成される。図2に示すように、密閉容器2内に、COガスを酸化させることが可能な酸化剤20を、電流遮断時に発生したCOガスを含む消弧性ガス1bと接触するよう設置しておくことで、消弧性ガス1bに含まれるCOガスは酸化され、CO2ガスへと変化する。これにより、COガスの存在量が抑制される。
また、蓄熱構造体30は、電流遮断直後は、高温の消弧性ガス1bより受ける熱を蓄える。電流遮断から時間が経過して、蓄熱構造体30の周囲に存在する消弧性ガス1bまたは酸化剤20の温度が、蓄熱構造体30よりも低くなると、蓄熱構造体30から周囲の消弧性ガス1bまたは酸化剤20に熱が移動する。これにより、酸化剤20によるCOガスを酸化させる反応を進行させることが可能な温度を、より長い時間保つことができる。
(効果)
以上説明したように、電流遮断時に生成されたCOガスが、密閉容器2内に設置した酸化剤20と接触することにより酸化され、COガスの存在量を抑制することができる。
以上説明したように、電流遮断時に生成されたCOガスが、密閉容器2内に設置した酸化剤20と接触することにより酸化され、COガスの存在量を抑制することができる。
また、蓄熱構造体30を設置することにより、酸化剤20とCOガスの反応時間が長くなる。これにより、COガスの存在量をより大幅に低減することができる。
また、酸化剤20および蓄熱構造体30を、ガス絶縁開閉器の構成上、絶縁性能、遮断性能、部品動作に影響のないような設置位置、形状とすることで、酸化剤20および蓄熱構造体30以外の部品および構成を変更しなくても、従来のガス絶縁開閉器と同等の性能をもつことができる。
なおかつ、酸化反応は酸化剤20表面でのみ生じ、酸素などの酸化力の強いガスは、電流遮断前の定常運転時には密閉容器2内部に存在せず、電流遮断後に密閉容器2内部に混入することもないため、金属部品や絶縁物の劣化は起こらない。これにより、ガス絶縁開閉器の機器寿命は長くなり、また機器の保守点検回数を減らすことができる。
消弧性ガス1b、絶縁ノズル4aおよび酸化剤20のいずれについても、その材質の化学組成中にH元素を含まないようにすることで、電流遮断時に水分やHFが発生しなくなり、電流遮断後も安定した絶縁性能を保持することとなる。すなわち、水分やHFによる絶縁性能の劣化は回避される。
(第2の実施形態)
(構成)
次に、本発明の第2の実施形態について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係るガス絶縁開閉器の構成を示す縦断面図である。
(構成)
次に、本発明の第2の実施形態について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係るガス絶縁開閉器の構成を示す縦断面図である。
本実施形態に示す基本的な構成は、前記第1の実施形態にて説明したガス絶縁開閉器と同様である。本実施形態において特徴的な構成について以下に説明する。
本実施形態においても、前記第1の実施形態と同様に、蓄熱構造体30は、電流遮断過程で加熱されているCOガスを含む消弧性ガス1bと接触する位置に設置する。酸化剤20は、電流遮断過程で加熱されているCOガスを含む消弧性ガス1bと接触し、かつ蓄熱構造体30と接触した消弧性ガス1bの下流側に位置するように設置する。
ただし、酸化剤20および蓄熱構造体30はガス絶縁開閉器の絶縁性能、遮断性能および構成部品の動作に影響しないよう設置する。
酸化剤20および蓄熱構造体30の設置位置の好ましい一例としては、図3に示すように、固定通電部3aの内部の、可動部4寄りの位置に蓄熱構造体30を設置し、可動部4から離れる側の位置に酸化剤20を設置することでよい。
(作用)
本構造においても、第1の実施形態と同様の作用を得ることができるとともに、以下の作用を得られる。
本構造においても、第1の実施形態と同様の作用を得ることができるとともに、以下の作用を得られる。
本実施形態の酸化剤20と蓄熱構造体30の位置構成では、電流遮断から時間が経過して、蓄熱構造体30の周囲に存在する消弧性ガス1bの温度が、蓄熱構造体30よりも低くなると、蓄熱構造体30から周囲の消弧性ガス1bに熱が移動し、さらに蓄熱構造体30により熱せられた消弧性ガス1bが、酸化剤20に接触する。これにより、酸化剤20によりCOガスを酸化させる反応を、より長い時間保つことができる。
また、第1の実施形態と異なり、酸化剤20を蓄熱構造体30に接触させる必要がないため、酸化剤20を蓄熱構造体30の設置位置の制約が少なくなるという利点がある。
(効果)
本実施形態においても、第1の実施形態のガス絶縁開閉器と同様に、電流遮断時に密閉容器2内に生成されるCOガスの存在量を抑制することができる。
本実施形態においても、第1の実施形態のガス絶縁開閉器と同様に、電流遮断時に密閉容器2内に生成されるCOガスの存在量を抑制することができる。
(第3の実施形態)
(構成)
次に、本発明の第3の実施形態について、図4および図5を用いて説明する。図4は、本発明の第3の実施形態に係るガス絶縁開閉器の蓄熱構造体と酸化剤の構成例を示す概略斜視図であり、図5は図4の蓄熱構造体と酸化剤の部分拡大横断面図である。
(構成)
次に、本発明の第3の実施形態について、図4および図5を用いて説明する。図4は、本発明の第3の実施形態に係るガス絶縁開閉器の蓄熱構造体と酸化剤の構成例を示す概略斜視図であり、図5は図4の蓄熱構造体と酸化剤の部分拡大横断面図である。
この実施形態では、蓄熱構造体30は、例えば外形が円柱状であって、その軸方向に平行に多数の正六角柱状の貫通穴40が形成されて、ハニカム構造が形成されている。すなわち、ハニカム構造の伝熱壁により、流路が多数の流路に仕切られている。各貫通穴40の内表面に酸化剤20の膜が形成されている。各貫通穴40内を消弧性ガス1bが流通可能である。
ハニカム構造の開口率は任意であるが、開口部内において、消弧性ガス1bが容易に拡散し、ガス流9を妨げないだけの開口面積があることが好ましい。
ただし、酸化剤20および蓄熱構造体30はガス絶縁開閉器の絶縁性能、遮断性能および構成部品の動作に影響しない位置、形状となるよう設置する。
以上説明した以外の構成は上記第1の実施形態と同様である。
(作用)
本構造においても、第1の実施形態と同様の作用を得ることができるとともに、以下の作用を得られる。蓄熱構造体30をハニカム構造とすることで、第1の実施形態に比べて開口面積が大きくなる。
本構造においても、第1の実施形態と同様の作用を得ることができるとともに、以下の作用を得られる。蓄熱構造体30をハニカム構造とすることで、第1の実施形態に比べて開口面積が大きくなる。
円筒構造と比較して、壁面の表面積が大きくなることで以下の3つの作用・効果を得ることができる。1つ目は蓄熱構造体30の壁面に設置する酸化剤20の表面積をより大きくすることが可能となり、酸化剤20とCOガスを含む消弧性ガス1bの接触面積を大きくすることが可能となる。
2つ目は、蓄熱構造体30の表面積が大きくなるため、電流遮断直後に消弧性ガス1bから受ける熱量が増加し、蓄熱構造体30の温度を高くすることが可能となる。
3つ目は、酸化剤20と蓄熱構造体30の接触面積が大きくなるため、電流遮断後に蓄熱構造体30が酸化剤20へ与える熱量が増加し、酸化剤20の反応温度を高くすることが可能となる。
また、ハニカム構造は円筒構造と比べて、高強度である利点が挙げられる。
(効果)
本実施形態においても、第1の実施形態のガス絶縁開閉器と同様に、電流遮断時に密閉容器2内に生成されるCOガスの存在量を抑制することができる。
本実施形態においても、第1の実施形態のガス絶縁開閉器と同様に、電流遮断時に密閉容器2内に生成されるCOガスの存在量を抑制することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第4の実施形態に係るガス絶縁開閉器の蓄熱構造体と酸化剤の構成例を示す概略斜視図である。
次に、本発明の第4の実施形態について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第4の実施形態に係るガス絶縁開閉器の蓄熱構造体と酸化剤の構成例を示す概略斜視図である。
この実施形態は第3の実施形態の変形である。この第4の実施形態では、蓄熱構造体30の外形が四角柱状であり、その軸方向に平行に多数の四角柱状の貫通穴40が形成されている。各貫通穴40の内表面に酸化剤20の膜が形成されている。各貫通穴40内を消弧性ガス1bが流通可能である。その他の構成は第3の実施形態と同様である。
この実施形態によれば、第3の実施形態とほぼ同様の作用・効果を得ることができる。
(他の実施形態)
第3および第4の実施形態の変形として、各開口部の形状を正六角形や正方形に代えて、その他の形状とすることもできる。たとえば、各開口部の形状を三角形などの種々の多角形や、円形や楕円形とすることもできる。
第3および第4の実施形態の変形として、各開口部の形状を正六角形や正方形に代えて、その他の形状とすることもできる。たとえば、各開口部の形状を三角形などの種々の多角形や、円形や楕円形とすることもできる。
上記複数の実施形態の特徴を組み合わせてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1a … 消弧性ガス(SF6ガス)
1b … 消弧性ガス(CO2ガスの単体あるいは混合ガス)
2 … 密閉容器
3 … 固定部
3a … 固定通電部
3b … 固定アーク接触子
4 … 可動部
4a … 絶縁ノズル
4b … 可動アーク接触子
4c … 通電接触子
4d … パッファシリンダ
4e … 操作ロッド
5 … ピストン
6 … アーク放電
7 … 支持絶縁物
8 … 操作機構
9 … ガス流
10 … 導体
11 … スペーサ
20 … 酸化剤
30 … 蓄熱構造体
40 … 貫通穴
1b … 消弧性ガス(CO2ガスの単体あるいは混合ガス)
2 … 密閉容器
3 … 固定部
3a … 固定通電部
3b … 固定アーク接触子
4 … 可動部
4a … 絶縁ノズル
4b … 可動アーク接触子
4c … 通電接触子
4d … パッファシリンダ
4e … 操作ロッド
5 … ピストン
6 … アーク放電
7 … 支持絶縁物
8 … 操作機構
9 … ガス流
10 … 導体
11 … スペーサ
20 … 酸化剤
30 … 蓄熱構造体
40 … 貫通穴
Claims (7)
- 消弧性ガスとしてCO2ガスを単体あるいは混合ガスで充填した密閉容器と、
前記密閉容器内に配置されて互いに対向配置された1対のアーク接触子であって、通電時には互いに接触状態に保たれて通電を行い、電流遮断時には互いに開離して前記消弧性ガス中にアーク放電を発生させ、そのアーク放電を消滅させることで電流を遮断するよう構成された1対のアーク接触子と、
前記密閉容器内で前記消弧性ガスと接触して、前記アーク放電によって加熱されるように配置された蓄熱構造体と、
前記密閉容器内で前記消弧性ガスと接触し、かつ前記蓄熱構造体に接触して配置され、前記密閉容器内のCOガスを酸化可能な酸化剤と、
を有することを特徴とするガス絶縁開閉器。 - 消弧性ガスとしてCO2ガスを単体あるいは混合ガスで充填した密閉容器と、
前記密閉容器内に配置されて互いに対向配置された1対のアーク接触子であって、通電時には互いに接触状態に保たれて通電を行い、電流遮断時には互いに開離して前記消弧性ガス中にアーク放電を発生させ、そのアーク放電を消滅させることで電流を遮断するよう構成された1対のアーク接触子と、
前記密閉容器内で前記消弧性ガスと接触して、前記アーク放電によって加熱されるように配置された蓄熱構造体と、
前記密閉容器内で前記消弧性ガスと接触して配置され、前記密閉容器内のCOガスを酸化可能な酸化剤と、
を有するガス絶縁開閉器であって、
前記1対のアーク接触子が互いに開離して前記消弧性ガス中にアーク放電が生じたときに前記消弧性ガスが所定の方向に流れるように構成されており、
前記消弧性ガスが前記所定の方向に流れたときに、前記消弧性ガスが前記蓄熱構造体に接触した後にその消弧性ガス流れの下流側で前記酸化剤に接触するように、前記蓄熱構造体および前記酸化剤が配置されていること、
を特徴とするガス絶縁開閉器。 - 前記蓄熱構造体は、伝熱壁によって仕切られることにより、前記消弧性ガスが流通可能な互いに平行な複数の流路が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のガス絶縁開閉器。
- 前記蓄熱構造体はハニカム構造であることを特徴とする、請求項3に記載のガス絶縁開閉器。
- 前記蓄熱構造体は、アルミナ、コージェライト、ジルコニア、ムライトのいずれかを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のガス絶縁開閉器。
- 前記酸化剤は、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ti、Fe、V、Crのいずれかの金属の酸化物を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のガス絶縁開閉器。
- 前記酸化剤および前記蓄熱構造体は、いずれも、材質の化学組成にH元素を含まないことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のガス絶縁開閉器。
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