JP2016063428A - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】領域毎に退色の度合いが異なる場合であっても退色補正処理を適切に行う。【解決手段】画像データのうち第2領域(周縁領域)を除く第1領域(中央領域)の画像データに基づいて第1補正パラメータ(回転式)を算出し(S4〜S6)、算出した上記第1補正パラメータに基づいて上記第1領域の画像データに退色補正処理を施す(S7)。【選択図】図4
Description
本発明は、画像データに対する退色補正技術に関するものである。
従来、紫外線などの影響により色褪せ現象(退色)が生じた写真を元の写真に近付けるための退色補正技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、画像のRGB値から求めた飽和度が所定の範囲に入っている画素を抽出し、抽出した画素から算出した色変換係数を用いて全画素のRGB値を最適値に変換し、さらに色強調を加えることにより、退色した写真を復元する技術が開示されている。
また、特許文献2には、写真画像を含む撮像画像から写真画像の輪郭を抽出し、抽出した画像領域(写真画像の全域)に対して退色補正処理を施すことが記載されている。
しかしながら、上記特許文献1,2の技術では、写真画像の全域を対象として一律に退色補正処理が行われるので、写真画像の領域毎に退色の度合いが異なる場合に各領域に対して適切な退色補正を行えない場合がある。
具体的には、例えば、写真を額縁や写真立てなどのケースに入れて保管されていた場合、写真の中央領域とケースの枠に覆われていた周縁領域とでは退色の度合いが大きく異なる場合がある。このような場合、上記特許文献1,2の技術では、退色の度合いが大きい写真画像の中央領域と退色の度合いが小さい写真画像の周縁領域とを含む全画素のRGB値に基づいて補正パラメータが算出されるので、算出した補正パラメータと中央領域の退色を適切に補正するための最適な補正パラメータとの間にずれが生じ、退色補正を適切に行えない場合がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、領域毎に退色の度合いが異なる場合であっても退色補正処理を適切に行うことにある。
本発明の画像処理装置は、画像データに退色補正処理を施す退色補正処理部を備えた画像処理装置であって、上記退色補正処理部は、画像データの画像領域を退色が生じている領域である第1領域と上記第1領域よりも退色の度合いが小さい領域である第2領域とに分割し、上記画像データのうち上記第2領域を除く上記第1領域の画像データに基づいて第1補正パラメータを算出し、算出した上記第1補正パラメータに基づいて上記第1領域の画像データに退色補正処理を施すことを特徴としている。
上記の構成によれば、画像領域のうち、退色の度合いが小さい領域である第2領域を除いた第1領域の画像データに基づいて第1補正パラメータを算出し、算出した第1補正パラメータに基づいて第1領域の退色補正処理を行う。これにより、画像中の領域毎に退色の度合いが異なる場合であっても退色補正処理を適切に行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について説明する。
本発明の一実施形態について説明する。
(1−1.画像形成装置1の全体構成)
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置1の概略構成を示す説明図である。この図に示すように、画像形成装置1は、画像入力装置2、画像処理装置3、第1画像出力装置4、第2画像出力装置5、データ入力装置6、記憶装置7、通信装置8、操作パネル9、および制御部10を備えたデジタルカラー複合機である。
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置1の概略構成を示す説明図である。この図に示すように、画像形成装置1は、画像入力装置2、画像処理装置3、第1画像出力装置4、第2画像出力装置5、データ入力装置6、記憶装置7、通信装置8、操作パネル9、および制御部10を備えたデジタルカラー複合機である。
なお、画像形成装置1は、コピーモード、プリントモード、ファクシミリ送信モード、ファクシミリ受信モード、およびイメージ送信モードを備えており、これら各モードの中からユーザが選択したモードを実行する。
また、コピーモードでは写真コピーと写真以外のコピーとを選択できるようになっており、プリントモードおよびファクシミリ受信モードでは写真プリントと写真以外のプリントとを選択できるようになっている。そして、写真の印刷処理(写真コピーあるいは写真プリント)が選択された場合には後述する第2画像出力装置5(昇華型プリンタ)を用いて印刷処理が行われ、その他の印刷処理(写真以外のコピーあるいは写真以外のプリント)の場合には第1画像出力装置4(電子写真方式のプリンタ)を用いて印刷処理が行われるようになっている。なお、図1は、第1画像出力装置4を用いて印刷処理を行う場合のデータの流れを示している。
画像入力装置2は、原稿を読み取って原稿の画像データを生成し、生成した画像データを画像処理装置3に出力する画像読取手段である。より具体的には、画像入力装置2は、CCD(Charge Coupled Device)を備えたスキャナ部と、原稿に光を照射する光源部とを有しており、光源部から照射されて原稿で反射された光をRGB(R(赤),G(緑),B(青))に色分解された電気信号(アナログの画像信号)に変換し、この電気信号を画像処理装置3に出力する。なお、画像入力装置2は、コピーモード、ファクシミリ送信モード、イメージ送信モードの場合に原稿の読み取り処理を行う。また、画像入力装置2には、原稿のサイズを検知するための図示しないセンサ(原稿サイズ検知部)が備えられており、上記センサの検知結果は制御部10に出力される。
画像処理装置3は、画像データ(画像信号)に対して画像処理を施す集積回路であり、ASIC(Application specific integrated circuit)から構成されている。この画像処理装置3は、図1に示したように、A/D(アナログ/デジタル)変換部21、シェーディング補正部22、入力処理部23、原稿種別自動判別部24、退色補正部25、圧縮部26、復号部27、画質調整部28、色補正部29、黒生成/下色除去部30、空間フィルタ部31、変倍処理部32、出力階調補正部33、中間調生成部34、領域分離信号処理部35、領域分離信号圧縮部36、および領域分離信号復号部37を備えている。画像処理装置3の各部の処理については後述する。
なお、画像処理装置3は、コピーモード、ファクシミリ送信モード、イメージ送信モードの場合には、画像入力装置2から入力されてきた画像データに対して画像処理を行う。また、プリントモードの場合には、記憶装置7に保存された画像データ(例えばデータ入力装置6が記録媒体から読み出して記憶装置7に保存させた画像データ、画像処理装置3で処理されて記憶装置7に保存(ファイリング)された画像データ、通信装置8が外部装置から受信して記憶装置7に保存された画像データなど)に対して画像処理を行う。また、ファクシミリ受信モードでは、通信装置8が外部装置から受信して記憶装置7に一旦保存させた画像データに対して画像処理を行うようになっている。
また、画像処理装置3は、コピーモード、プリントモード、ファクシミリ受信モードでは画像処理を施した画像データを第1画像出力装置4または第2画像出力装置5に出力する(上述したように、写真コピーあるいは写真プリントの場合には第2画像出力装置5に出力し、その他の場合には第1画像出力装置4に出力する)。また、画像処理装置3は、ファクシミリ送信モードでは画像処理を施した画像データを記憶装置7に一旦記憶させ、通信装置8を介して外部装置に送信する。また、画像処理装置3は、イメージ送信モードのscan to e-mailモードでは画像処理を施した画像データをメール処理部(図示せず)に送信し、scan to ftpモードでは画像処理を施した画像データを所定のフォルダに送信し、scan to usbモードでは画像処理を施した画像データを所定のUSBメモリに送信する。
第1画像出力装置(プリンタ)4は、画像処理装置3から送られてきた画像データに応じた画像を記録材(例えば紙等)上に印刷(画像形成)するものであり、本実施形態では第1画像出力装置4として電子写真方式のカラー画像形成装置を用いている。ただし、第1画像出力装置4の構成はこれに限るものではなく、例えばインクジェット方式を用いたカラープリンタなどを用いてもよい。なお、本実施形態における「印刷」には、プリントモードにおける印刷、コピーモードでの印刷、およびファクシミリ受信モードでの印刷が含まれる。
第2画像出力装置5は、昇華型プリンタであり、写真コピーあるいは写真プリントの場合に画像処理装置3から送られてきた画像データに応じた画像の印刷処理を行う。図2は、画像形成装置1の概略構成を示す説明図であり、第2画像出力装置5を用いて印刷処理を行う場合のデータの流れを示している。
データ入力装置6は、データ入力端子とソフトウェア処理部とを備えている(いずれも図示せず)。データ入力端子は、各種記録媒体(例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital Memory Card)カード等のデータ記録媒体など)を接続するインタフェースを有しており、記録媒体に保存されている画像データを読み出してソフトウェア処理部に引き渡す。ソフトウェア処理部は、データ入力端子から引き渡された画像データに対して、ソフトウェアによる画像処理を施して画像形成装置1における処理に適したデータに変換する装置であり、例えばCPUを搭載したコンピュータで構成される。なお、ソフトウェア処理部の機能を制御部10が実行するようにしてもよい。プリントモードの場合、ソフトウェア処理部によって処理されたデータは記憶装置7に一旦記憶され、制御部10の指示に応じたタイミングで画像処理装置3に読み出される。また、データ入力装置6は、scan to usbモードの場合、画像処理装置3によって画像処理が施された画像データを当該データ入力装置6に接続された記録媒体(例えばUSBメモリ)に記録させる。
記憶装置7は、画像処理装置3で扱われる各種データ(画像データ等)を一旦保存するためのものである。記憶装置7の種類は特に限定されるものではないが、例えばハードディスクなどを用いることができる。
通信装置8は、電話回線やインターネットなどの通信ネットワークに接続されており、通信ネットワークを介して通信可能に接続された外部装置との通信を行う。なお、通信装置8は、ファクシミリ通信によって外部装置から画像データを受信する機能、画像入力装置2によって取得された画像データをファクシミリ通信によって外部装置へ送信する機能、画像入力装置2によって取得された画像データをe-mailに添付して外部装置に送信する機能、画像入力装置2によって取得された画像データを外部装置の所定のフォルダに送信する機能などを有している。
操作パネル9は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示部と設定ボタンなどからなる操作入力部とを備えており(いずれも図示せず)、制御部10の指示に応じた情報を上記表示部に表示するとともに、上記入力部を介してユーザから入力された情報を制御部10に伝達する。なお、操作パネル9として表示部と入力部とが一体化されたタッチパネルを用いてもよい。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)あるいはDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサを含むコンピュータであり、画像形成装置1に備えられる各種ハードウェアの動作、および画像形成装置1に備えられる各ハードウェア間のデータ転送を統括的に制御する。
(1−2.画像処理装置3の構成)
画像処理装置3は、上述したように、A/D変換部21、シェーディング補正部22、入力処理部23、原稿種別自動判別部24、退色補正部25、圧縮部26、復号部27、画質調整部28、色補正部29、黒生成/下色除去部30、空間フィルタ部31、変倍処理部32、出力階調補正部33、中間調生成部34、領域分離信号処理部35、領域分離信号圧縮部36、および領域分離信号復号部37を備えている。なお、以下の説明では、まず、第1画像出力装置4を用いて印刷処理を行う場合の各部の処理について説明する。
画像処理装置3は、上述したように、A/D変換部21、シェーディング補正部22、入力処理部23、原稿種別自動判別部24、退色補正部25、圧縮部26、復号部27、画質調整部28、色補正部29、黒生成/下色除去部30、空間フィルタ部31、変倍処理部32、出力階調補正部33、中間調生成部34、領域分離信号処理部35、領域分離信号圧縮部36、および領域分離信号復号部37を備えている。なお、以下の説明では、まず、第1画像出力装置4を用いて印刷処理を行う場合の各部の処理について説明する。
A/D変換部21は、画像入力装置2から入力されたカラー画像信号(RGBアナログ信号)をデジタルの画像データ(RGBデジタル信号)に変換してシェーディング補正部22に出力する。
シェーディング補正部22は、A/D変換部21から入力された画像データに対して、画像入力装置2の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施し、入力処理部23に出力する。
入力処理部23は、シェーディング補正部22から入力されたRGBの画像データのそれぞれに対してγ補正処理などの階調変換処理を施す。
原稿種別自動判別部24は、入力処理部23にて階調変換処理がなされたRGB信号の画像データに基づいて、画像入力装置2が読み取り処理を行った原稿の種別の判定を行い、判定結果を原稿判別データとして後段の処理部(退色処理部25、画質処理部28、色補正部29、黒生成/下色除去部30、空間フィルタ部31、および中間調生成部34)へ出力する。また、原稿種別自動判別部24は、入力処理部23から入力されたRGB信号の画像データを退色補正部25および領域分離信号処理部35に出力する。原稿種別自動判別部24の詳細については後述する。
退色補正部25では、退色した写真原稿の補正処理(退色補正処理)を行う。退色補正部25の詳細については後述する。
圧縮部26は、退色補正部25から送られてくる画像データ(RGB信号)を符号化する処理を行う。なお、符号化の方法は、特に限定されるものではないが、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式などを用いることができる。
領域分離信号処理部35は、原稿種別自動判別部24から送られてくるRGBの画像データに基づいて、入力画像の各画素がどのような画像領域に分類されるのかを判別し、その判別結果を示す領域分離信号を生成して領域分離信号圧縮部36に出力する。例えば、領域分離信号処理部35は、入力画像の各画素を黒文字領域、色文字領域、網点画素領域、印画紙写真領域のいずれかに分類する。領域分離信号処理部35の詳細については後述する。
領域分離信号圧縮部36は、領域分離信号処理部35から入力される領域分離信号に対して圧縮処理を施す。なお、領域分離信号圧縮部36における圧縮処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、可逆圧縮方法であるMMR(Modified Modified Reed)方式、あるいはMR(Modified Reed)方式などを用いることができる。
なお、制御部10は、圧縮部26において符号化された符号化コード(符号化された画像データ)、および領域分離信号圧縮部36において圧縮処理された領域分離信号コード(圧縮された領域分離信号)を記憶装置7に一旦保存させてファイリングデータとして管理する。具体的には、制御部10は、上記符号化コードの保存アドレスまたはデータ名と、当該符号化コードに対応する領域分離信号コードの保存アドレスとを対応付けて管理テーブルに記憶させる。
また、制御部10は、印刷指示が行われた場合に、上記の管理テーブルに基づいて記憶装置7から上記の印刷指示に対応する符号化コードおよび領域分離信号コードを読み出し、符号化コードを復号部27に引き渡し、領域分離信号コードを領域分離信号復号部37に引き渡す。
復号部27は、上記符号化コードに復号化処理を施してRGBの画像データに伸張し、画質調整部28に出力する。
領域分離信号復号部37は、上記領域分離信号コードに復号化処理を施し、復号化した領域分離信号を黒生成/下色除去部30、空間フィルタ部31、および中間調生成部34に出力する。これにより、黒生成/下色除去部30、空間フィルタ部31、および中間調生成部34において、画像領域の種類に応じた画像処理が行われる。
画質調整部28は、復号部27から送られてくるRGBの画像データに対して下地検出処理および下地除去処理を行い、下地除去処理後の画像データを色補正部29に出力する。さらに、画質調整部28は、操作パネル9を介してユーザから入力される設定情報に基づいて、RGBのバランス(カラー調整、赤みや青みなどの全体のカラー調整)、明るさ、鮮やかさ等の画質調整を行う。なお、下地の検出処理、下地除去処理、および画質調整処理の方法は特に限定されるものではなく、従来から公知の方法を用いることができる。
色補正部29は、フルカラーモードが選択されている場合、RGBの画像データをCMYの画像データに変換する色補正処理を行うと共に、当該画像データに対して色再現性を高める処理を施して黒生成/下色除去部30に出力する。
黒生成/下色除去部30は、フルカラーモードが選択されている場合、色補正部29から出力されたCMYの画像データから黒(K)の画像データを生成する黒生成処理を行うとともに、元のCMYの画像データから黒(K)の画像データを差し引いて新たなCMYの画像データを生成する下色除去処理を行う。これにより、フルカラーモードが選択されている場合、CMYの画像データは黒生成/下色除去部30によってCMYKの4色の画像データに変換される。なお、黒生成/下色除去部30は、領域分離信号に基づいて、画像領域毎に当該画像領域の種別に応じた黒生成/下色除去処理を行う。黒生成/下色除去部30によって生成されたCMYKの画像データは空間フィルタ部31に出力される。
空間フィルタ部31は、黒生成/下色除去部30から出力されるCMYKまたはCMYの画像データに対して、原稿判別データおよび領域分離信号に基づいて、画像領域毎に当該画像領域に適した空間フィルタ処理(強調処理、平滑化処理、強調と平滑の混合フィルタ処理など)を行い、変倍処理部32に出力する。
変倍処理部32は、空間フィルタ部31から入力される画像データに対し、ユーザが操作パネル9を介して入力した変倍コマンド(印刷画像の倍率を示した情報)に基づいて、画像の変倍処理(拡大処理あるいは縮小処理)を行い、変倍処理後の画像データを出力階調補正部33に出力する。
出力階調補正部33は、変倍処理部32から入力される画像データに対して、用紙等の記録材に出力するための出力γ補正処理を行い、出力γ補正処理後の画像データを中間調生成部34に出力する。
中間調生成部34は、出力階調補正部33から入力される画像データに対して、誤差拡散法やディザ法などを用いて、第1画像出力装置4において画像を印刷するために必要な階調再現処理(中間調生成処理)を実行する。なお、中間調生成部34は、領域分離信号に基づいて、画像領域毎に当該画像領域の種別に応じた階調再現処理を実行する。また、中間調生成部34は、階調再現処理した画像データを制御部10の指示に応じて第1画像出力装置4に出力する。これにより、第1画像出力装置4において画像データに応じた画像を記録材(例えば紙等)上に印刷する処理が行われる。
なお、第2画像出力装置5を用いて印刷処理を行う場合、すなわち印画紙写真の印刷処理であることがわかっている場合には、黒生成/下色除去部30および中間調生成部34は処理を行わず、前段のブロックから入力された画像データをそのまま後段のブロックに引き渡す。また、色補正部29は、第2画像出力装置5用の色補正テーブル(昇華型プリンタ用の色補正テーブル)を用いて色補正処理(RGB信号をR’G’B’信号に変換する処理)を行う。第2画像出力装置5に入力された画像データは、第2画像出力装置5に備えられるプリンタドライバによりCMY画像データに変換されて記録材上に印刷される。
また、データ入力装置6に接続された記録媒体(例えばUSBメモリやSDカードなど)から読み出した画像データに基づいて印刷処理を行う場合、データ入力装置6のデータ入力端子に接続された記録媒体から読み込まれた画像データは、ソフトウェア処理部において所定の処理が施された後、記憶装置7に一旦保存され、原稿種別自動判別部24に入力される。その後、画像入力装置2で読み取られた画像データの場合と同様、原稿判別データや領域分離データに応じた空間フィルタ処理等が行われ、一旦、記憶装置7に格納される。
その後、記憶装置7に格納された画像データは、制御部10の指示に応じた所定のタイミングで読み出され、画質調性処理(必要に応じて実施)、色補正処理、黒生成/下色除去処理、空間フィルタ処理、変倍処理、出力階調補正処理、中間調生成処理が行われ、画像出力装置(写真プリントの場合は第2画像出力装置5、その他の場合は第1画像出力装置4)にて印刷される。
出力形態として印刷ではなく、ファイリングが選択されている場合(例えば、USBメモリから画像データを読み出し、格納先としてUSBメモリを指定した場合)は、記憶装置7から読み出された画像データに画質調性処理(必要に応じて実施)、色補正処理(sRGBに変換)を施し、指定されたUSBメモリに格納する。
なお、画像形成装置1の画像処理装置3を利用せずに、データ入力装置6に備えられるソフトウェア処理部に、原稿種別自動判別部24、空間フィルタ部31、色補正部29、出力階調補正部33(ファイリングの場合は処理を行わず、信号をそのまま後段へ送る)の処理を実行させるようにしてもよい。
(1−3.原稿種別自動判別処理)
原稿種別自動判別部24は、入力処理部23にてγ補正等の処理がなされたRGB信号の画像データ(RGBの濃度信号)に基づいて、画像入力装置2にて読み取られた原稿の種別を判定する。ここで、判定される原稿の種別としては、文字原稿、印刷写真原稿、印画紙写真原稿、文字と印刷写真とが混在した文字印刷写真原稿がある。
原稿種別自動判別部24は、入力処理部23にてγ補正等の処理がなされたRGB信号の画像データ(RGBの濃度信号)に基づいて、画像入力装置2にて読み取られた原稿の種別を判定する。ここで、判定される原稿の種別としては、文字原稿、印刷写真原稿、印画紙写真原稿、文字と印刷写真とが混在した文字印刷写真原稿がある。
原稿種別自動判別部24による判別方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特許文献3に記載の方法を用いることができる。この方法では、以下の(1)〜(7)の処理により原稿種別を判別する。
(1)注目画素を含むn×m(例えば、7×15)のブロックにおける最小濃度値および、最大濃度値を算出する。
(2)算出された最小濃度値及び最大濃度値を用いて最大濃度差を算出する。
(3)隣接する画素の濃度差の絶対値の総和である総和濃度繁雑度(例えば、主走査方向と副走査方向について算出した値の和)を算出する。
(4)算出された最大濃度差と最大濃度差閾値との比較、および算出された総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値との比較を行う。そして、最大濃度差<最大濃度差閾値、かつ総和濃度繁雑度<総和濃度繁雑度閾値のとき、注目画素は下地・印画紙写真領域に属すると判定する。また、上記条件を充たさないとき、注目画素は文字・網点領域に属すると判定する。
(5)下地・印画紙写真領域に属すると判定された画素について、注目画素が、最大濃度差<下地・印画紙写真判定閾値を充たすとき、下地画素であると判定し、上記条件を充たさないとき、印画紙写真(連続階調領域)画素であると判定する。
(6)文字・網点領域に属すると判定された画素について、注目画素が、総和濃度繁雑度<最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値の条件を充たすとき、文字画素であると判定し、上記条件を充たさないとき、網点画素であると判定する。
(7)下地領域、印画紙写真領域、文字領域および網点領域に分類された画素数をカウントし、それぞれのカウント値と予め定められている下地領域、印画紙写真領域、網点領域および文字領域に対する閾値と比較して原稿全体の種別を判定する。例えば、文字、網点、印画紙写真の順に検出精度が高いとすると、文字領域の比率が全画素数の30%以上の場合には文字原稿、網点領域の比率が全画素数の20%以上の場合には印刷写真原稿、印画紙写真領域の比率が全画素数の10%以上の場合には印画紙写真原稿であると判定する。また、文字領域の比率と網点領域の比率とが、それぞれ閾値以上であるとき、文字/網点原稿(文字印刷写真原稿)であると判定し、原稿判別データとして出力する。
(1)注目画素を含むn×m(例えば、7×15)のブロックにおける最小濃度値および、最大濃度値を算出する。
(2)算出された最小濃度値及び最大濃度値を用いて最大濃度差を算出する。
(3)隣接する画素の濃度差の絶対値の総和である総和濃度繁雑度(例えば、主走査方向と副走査方向について算出した値の和)を算出する。
(4)算出された最大濃度差と最大濃度差閾値との比較、および算出された総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値との比較を行う。そして、最大濃度差<最大濃度差閾値、かつ総和濃度繁雑度<総和濃度繁雑度閾値のとき、注目画素は下地・印画紙写真領域に属すると判定する。また、上記条件を充たさないとき、注目画素は文字・網点領域に属すると判定する。
(5)下地・印画紙写真領域に属すると判定された画素について、注目画素が、最大濃度差<下地・印画紙写真判定閾値を充たすとき、下地画素であると判定し、上記条件を充たさないとき、印画紙写真(連続階調領域)画素であると判定する。
(6)文字・網点領域に属すると判定された画素について、注目画素が、総和濃度繁雑度<最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値の条件を充たすとき、文字画素であると判定し、上記条件を充たさないとき、網点画素であると判定する。
(7)下地領域、印画紙写真領域、文字領域および網点領域に分類された画素数をカウントし、それぞれのカウント値と予め定められている下地領域、印画紙写真領域、網点領域および文字領域に対する閾値と比較して原稿全体の種別を判定する。例えば、文字、網点、印画紙写真の順に検出精度が高いとすると、文字領域の比率が全画素数の30%以上の場合には文字原稿、網点領域の比率が全画素数の20%以上の場合には印刷写真原稿、印画紙写真領域の比率が全画素数の10%以上の場合には印画紙写真原稿であると判定する。また、文字領域の比率と網点領域の比率とが、それぞれ閾値以上であるとき、文字/網点原稿(文字印刷写真原稿)であると判定し、原稿判別データとして出力する。
なお、ユーザが写真コピーモードまたは写真プリントモードを指定している場合は、写真原稿として扱うように指定されているため、原稿種別自動判別部24は、原稿判別データとして印画紙写真原稿を出力する。
(1−4.領域分離処理)
領域分離信号処理部35における領域分離処理は、特に限定されるものではないが、例えば上記(1)〜(6)の方法を用いることができる。文字領域と判定された画素については、RGB信号の最大値と最小値の差が所定値以下の場合に黒文字領域、所定値より大きい場合に色文字領域と判定する。
領域分離信号処理部35における領域分離処理は、特に限定されるものではないが、例えば上記(1)〜(6)の方法を用いることができる。文字領域と判定された画素については、RGB信号の最大値と最小値の差が所定値以下の場合に黒文字領域、所定値より大きい場合に色文字領域と判定する。
なお、ユーザが写真コピーモードまたは写真プリントモードを指定している場合は、全画素に対して写真用の処理を行うので、領域分離信号処理部35は、領域分離データとして印画紙写真画素を出力する。
(1−5.退色補正処理)
図3は、退色補正部25の構成を示す説明図である。この図に示すように、退色補正部25は、退色処理判定部40と退色補正処理部41とを備えている。
図3は、退色補正部25の構成を示す説明図である。この図に示すように、退色補正部25は、退色処理判定部40と退色補正処理部41とを備えている。
退色処理判定部40は、原稿種別自動判別部24から入力される画像データに対して退色補正処理を施すか否かを判定し、判定結果を示す信号を退色補正処理部41に出力する。
退色補正処理部41は、退色補正処理を行わない場合、原稿種別自動判別部24から入力された画像データをそのまま後段の圧縮部26に出力する。また、退色補正処理部41は、退色補正処理を行う場合、原稿種別自動判別部24から入力された画像データに退色補正処理を行い、退色補正処理後の画像データを圧縮部26に出力する。
図4は退色補正部25における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、退色処理判定部40は、写真印刷であるか否かを判断する(S1)。
具体的には、退色処理判定部40は、ユーザが操作パネル9を介して写真コピーまたは写真プリントモードを指定した場合、あるいは原稿種別自動判別部24によって印画紙写真であると判定された場合に写真印刷であると判断し、その他の場合には印刷写真ではないと判断する。
S1において写真印刷であると判断した場合、退色処理判定部40は、退色補正処理を行うか否かを判断し、判断結果に応じた信号を退色補正部25に出力する(S2)。
具体的には、退色処理判定部40は、S1において写真印刷であると判断した場合、制御部10にその旨を通知して操作パネル9の表示部に退色補正処理を行うか否かをユーザが指定するための操作画面(例えば退色補正処理の要否を入力するためのチェックボックスあるいはボタン等を含む操作画面)を表示させる(図示せず)。そして、操作パネル9を介して入力されるユーザからの指示に応じて、退色補正処理を行うか否かを判断する。
S1において写真印刷ではないと判断した場合、およびS2において退色補正処理を行わないと判断した場合、退色処理判定部40は退色補正処理部41に退色補正処理を行わないことを示す信号を出力する。この場合、退色補正処理部41は、原稿種別自動判別部24から入力された画像データをそのまま後段の圧縮部26に出力し、退色補正処理を終了する。
一方、S2において退色補正処理を行うと判断した場合、退色処理判定部40は、退色補正処理を行うことを示す信号を退色補正処理部41に出力する。
退色処理を行う場合、退色補正処理部41は、退色補正処理の対象とする中央領域(補正対象領域、第1領域)と退色補正処理の対象としない周縁領域(補正除外領域、第2領域)とを設定する(S3)。
すなわち、退色補正を適切に行うためには、退色の度合いによって補正の度合いを変える必要がある。ところが、原稿が額縁や写真立てなどのケースに入れられていた写真である場合、画像の中央領域における退色の度合いが大きくても、ケースの枠によって隠されていた周縁領域では退色の度合いが中央領域よりも小さい場合がある。そのような場合、周縁領域を含めた写真全体で退色処理の度合いを判定して退色補正処理を行うと、中央領域の退色の度合いが実際よりも小さく見積もられ、中央領域の退色補正が不十分になってしまう場合がある。そこで、本実施形態では、退色の度合いを判定する対象領域から周縁領域を除外する。
具体的には、退色補正処理部41は、図5に示すように、写真画像における周縁部から所定範囲の領域を周縁領域に設定し、その内側の領域を中央領域として設定する。上記所定範囲は、予め設定されていてもよく、ユーザが操作パネル9を介して任意に設定できるようにしてもよい。
これにより、例えば、画像データが600dpiのL判(2102×3000画素)の画像データであり、上記所定範囲が5mmに設定されている場合、写真画像の上下左右の周縁部から118画素分の領域が周縁領域とされ、周縁領域を除いた1176×2764画素の領域が中央領域とされる。また、画像データが600dpiのL判の画像データであり、上記所定範囲が7mmに設定されている場合、写真画像の上下左右の周縁部から165画素分の領域が周縁領域とされる。
なお、上記所定範囲をユーザが設定する場合、写真画像を含む操作画面(あるいはプレビュー画面)を操作パネル9の表示部に表示し、この操作画面を介してユーザが上記所定範囲を設定するようにしてもよい。
次に、退色補正処理部41は、中央領域の各画素についてRGB各色の画素値(RGBの各階調値)のヒストグラムを算出する(S4)。
図6はS4で算出されるヒストグラムの一例を示すグラフであり、(a)はRのヒストグラム、(b)はGのヒストグラム、(c)はBのヒストグラムを示している。この図に示すように、退色が生じている画像では、白または黒に当る部分のRGB値が大きく変化し、グレーの色合いが変化する。図6に示したデータではB値にずれが発生している。すなわち、図7に示した破線のように、グレーの軸(ライン)は、本来はRGB色空間における黒(0,0,0)と白(255,255,255)とを結ぶ対角線に沿っている。これに対して、退色が生じると、図7に実線で示したように、グレーの軸が上記の対角線からずれてしまう。そこで、本実施形態では、退色補正処理部41が、グレーの軸が上記の対角線に近づくように各画素の画素値を補正することにより、退色補正処理を行う。なお、図7では簡単のために、R−B平面(またはG−B平面)における回転の様子を示しているが、実際にはRGBの3次元の色空間において回転処理が行われる。
S4で各色のヒストグラムを算出した後、退色補正処理部41は、各色のヒストグラムにおけるピーク値のうちの最大値(Ra,Ga,Ba)と最小値(Ri,Gi,Bi)とを抽出する(S5)。例えば、図6に示した例の場合、(a)に示したRのヒストグラムからは3つのピーク値のうちの最大値(最もハイライト側のピーク値)Raと最小値(最も暗部側のピーク値)Riが抽出され、(b)に示したGのヒストグラムからは3つのピーク値のうちの最大値Gaと最小値Giが抽出され、(c)に示したBのヒストグラムからは3つのピーク値のうちの最大値Baと最小値Biが抽出される。
次に、退色補正処理部41は、S5で算出した最大値A(Ra,Ga,Ba)および最小値I(Ri,Gi,Bi)とを結ぶベクトルAIを、RGB色空間における黒と白とを結ぶ対角軸に略平行になるように、最大値Aを中心として回転させるための回転式(第1補正パラメータ)を算出する(S6)。すなわち、図7に示すように、退色した画像のグレーに対応するベクトルAIを、RGB色空間における黒と白とを結ぶ直線に略平行なベクトルAI´まで回転させるための回転式を算出する。
以下に示す式(1)は、最大値Aが(Ra,Ga,Ba)=(227,228,229)、最小値Iが(Ri,Gi,Bi)=(39,43,105)である場合に算出される回転式を示している。
なお、最大値Aおよび最小値Iのうち、ハイライト側のピーク値である最大値Aを中心として回転させることにより、退色補正に伴って画像データにおける記録材(記録紙)の色が変化することを抑制できる。
次に、退色補正処理部41は、S6で算出した回転式を用いて、中央領域内の各画素の画素値(RGB値)を回転させる(S7)。
次に、退色補正処理部41は、退色した写真はコントラストが低下しているため、S7で回転処理した各画素の画素値に対してコントラスト改善処理を施し(S8)、退色補正処理を終了する。
具体的には、退色補正処理部41は、入力値(コントラスト改善処理前の画素値)と出力値(コントラスト改善処理後の画素値)とを対応付けた複数の1次元LUT(Look Up Table)を予め記憶しており、S7における回転処理の回転量(回転角度)に応じた1次元LUT(トーンリプロダクションカーブ)を選択してコントラスト改善処理を行う。
図8は、上記の複数の1次元LUTの例を示すグラフである。退色補正処理部41は、回転処理の回転量(回転角度)が大きいほどコントラストの強調度合が大きいLUTを選択してコントラスト改善処理を行う。
以上のように、本実施形態にかかる画像形成装置1では、写真画像の退色処理を行う際、画像の周縁領域を退色補正の対象から除外し、周縁領域よりも内側の中央領域に対して退色補正処理を行う。これにより、周縁領域と中央領域とで退色の度合いが大幅に異なる場合であっても、中央領域の退色処理を適切に行うことができる。
なお、本実施形態では、画像形成装置1が第1画像出力装置4と第2画像出力装置5とを備えている構成について説明したが、画像形成装置1の構成はこれに限るものでない。例えば、画像形成装置1が画像出力装置を1つだけ備えてもよい。
また、本実施形態では、写真印刷の場合に昇華型プリンタを用いるものとしたが、これに限るものではなく、例えば、電子写真方式やインクジェット方式などの画像形成装置を用いて写真印刷を行ってもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
実施形態1では、退色補正から除外する周縁領域の幅を、予め設定しておくか、あるいはユーザが任意に設定する構成について説明した。これに対して、本実施形態では、退色補正処理部41が画像データに基づいて周縁領域および中央領域を自動的に設定する。なお、図4のS3における周縁領域および中央領域の設定方法が異なる以外は実施形態1と同様である。
図9は、本実施形態における周縁領域および中央領域の設定処理の流れを示すフローチャートである。
まず、退色補正処理部41は、画像データにおける縦方向の各ラインについて、画素値の平均値を色成分毎に算出する(S11)。なお、画像データにおける縦方向の各ラインのうち、横方向の両端部から所定範囲のラインについてのみ画素値の平均値を色成分毎に算出するようにしてもよい。
図10は、画像データにおける横方向の両端部近傍における縦方向の各ラインの画素値の平均値の一例を示す説明図である。退色した写真は一般に黄色味を帯びてくるため、退色した写真を読み取った場合、図10中における破線で囲んだ部分のように、退色の度合いが変化するところでBの画素値(輝度値)が大きく変化する。そこで、本実施形態では、所定方向(例えば周縁部から中心側へ向かう方向)に順次見ていったときにBの画素値が大きく変化する位置を検出し、その位置を中央領域と周縁領域との境界に設定する。
S11においてライン毎の画素値の平均値を算出した後、退色補正処理部41は、S11で画素値の平均値を算出した各ラインを所定数のライン毎(例えば21ライン毎)に分割した複数のブロック(縦方向ブロック)を設定する(S12)。
次に、退色補正処理部41は、各縦方向ブロックについて色成分毎の画素値の平均値を算出し(S13)、各縦方向ブロックについて、所定方向(例えば画像の周縁部から中心側へ向かう方向)に隣接する縦方向ブロックとの画素値の平均値の差分値を算出する(S14)。そして、退色補正処理部41は、横方向両端部近傍における差分値が閾値以上の縦方向ブロックが存在するか否かを判断し(S15)、存在する場合にはその縦方向ブロックを境界ブロックとして抽出する(S16)。
図11は、図10の左端部近傍の画像データに基づいてS13の処理で算出される各縦方向ブロックについての色成分毎の画素値の平均値を示している。また、図12は、図11に示した各縦方向ブロックについての色成分毎の画素値の平均値に基づいてS14の処理で算出される隣接する縦方向ブロックとの画素値の平均値の差分値を示している。
図12に示したように、退色の度合いが大きく変化している部分でB(青)の差分値が大きくなる。そこで、本実施形態では、差分値が閾値(例えば10)以上であるブロックを中央領域と周縁領域との境界ブロックとして抽出する。なお、差分値が閾値以上であるブロックが複数存在する場合には、横方向両側の周縁部に近いブロックをそれぞれ境界ブロックとして抽出すればよい。
次に、退色補正処理部41は、S14で抽出した境界ブロックに属する縦方向ラインの中から中央領域と周縁領域の境界とする境界ライン(横方向両側の境界ライン)を決定する(S17)。境界ラインの決定方法は特に限定されるものではなく、予め設定した方法に基づいて決定すればよい。例えば、(i)境界ブロックの中心のラインを境界ラインとしてもよい(境界ブロックに属するライン数が偶数である場合は中心の右側あるいは左側のうち予め設定したいずれかのラインを境界とすればよい)。あるいは、境界ブロックの左端のラインを境界ラインとしてもよく、右端のラインを境界ラインとしてもよい。
なお、S15において閾値以上の縦方向ブロックが存在しないと判断した場合、退色補正処理部41は、横方向両側の境界ラインを設定せずに縦方向両側の境界ラインの決定処理(S18以降の処理)に移行する。あるいは、S15において閾値以上の縦方向ブロックが存在しないと判断した場合、退色補正処理部41が実施形態1と同様に予め定められた範囲を周縁領域とするように横方向両側の境界ラインを決定するようにしてもよい。
その後、縦方向両側の境界ラインについても横方向と略同様の方法により決定する。
具体的には、退色補正処理部41は、画像データにおける横方向の各ラインについて、画素値の平均値を色成分毎に算出する(S18)。
次に、退色補正処理部41は、S18で画素値の平均値を算出した各ラインを所定数のライン毎に分割した複数のブロック(横方向ブロック)を設定する(S19)。
次に、退色補正処理部41は、各横方向ブロックについて色成分毎の画素値の平均値を算出し(S20)、各横方向ブロックについて、所定方向(例えば画像の周縁部から中心側へ向かう方向)に隣接する横方向ブロックとの画素値の平均値の差分値を算出する(S21)。そして、退色補正処理部41は、縦方向両端部近傍における差分値が閾値以上の横方向ブロックが存在するか否かを判断し(S22)、存在する場合にはその横方向ブロックを境界ブロックとして抽出する(S23)。
次に、退色補正処理部41は、S23で抽出した境界ブロックに属する横方向ラインの中から中央領域と周縁領域との境界とする境界ライン(縦方向両側の境界ライン)を決定する(S24)。境界ラインの決定方法としては、横方向両側の境界ラインと同様の方法を用いることができる。
なお、S22において閾値以上の横方向ブロックが存在しないと判断した場合、退色補正処理部41は、縦方向両側の境界ラインを設定せずに処理を終了する。あるいは、S22において閾値以上の横方向ブロックが存在しないと判断した場合、退色補正処理部41が実施形態1と同様に予め定められた範囲を周縁領域とするように縦方向両側の境界ラインを決定するようにしてもよい。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
上述した各実施形態では、画像の中央領域に対して退色補正処理を行う一方、画像の周縁領域については退色補正処理を行わない構成について説明した。これに対して、本実施形態では、画像の中央領域に対しては上述した実施形態と同様の退色補正処理を行い、画像の周縁領域に対しては中央領域とは異なる補正パラメータに基づいて退色補正処理を行う。
図13は、本実施形態における退色補正部25の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図13におけるS1〜S8の処理は実施形態1における図4のS1〜S8と同様であるので、ここではその説明を省略する。
S4〜S8において中央領域の退色補正処理行った後、退色補正処理部41は、周縁領域に対して退色補正処理を行う。なお、退色補正処理の方法としては、補正退色領域に対する退色補正処理と同様の方法を用いることができる。ただし、周縁領域に対する退色補正処理の補正パラメータ(第2補正パラメータ)は周縁領域の画像データに基づいて算出し、中央領域に対する退色補正処理の補正パラメータ(第1補正パラメータ)とは個別に設定する。
具体的には、退色補正処理部41は、周縁領域の各画素についてRGB各色の画素値(RGBの各階調値)のヒストグラムを算出する(S31)。
次に、退色補正処理部41は、各色のヒストグラムにおけるピーク値のうちの最大値(Ra,Ga,Ba)と最小値(Ri,Gi,Bi)とを抽出する(S32)。
次に、退色補正処理部41は、S32で算出した最大値A(Ra,Ga,Ba)および最小値I(Ri,Gi,Bi)とを結ぶベクトルAIを、RGB色空間における黒と白とを結ぶ対角軸に略平行になるように、最大値Aを中心として回転させるための回転式(第2補正パラメータ)を算出する(S33)。
次に、退色補正処理部41は、S33で算出した回転式を用いて、周縁領域内の各画素の画素値(RGB値)を回転させる(S34)。
次に、退色補正処理部41は、S34で回転処理した各画素の画素値に対してコントラスト改善処理を施す(S35)。
その後、退色補正処理部41は、中央領域と周縁領域との境界部において退色補正処理の度合い(程度)の違いに起因する色相のギャップが生じることを軽減するため(ギャップを目立ちにくくするため)の補間処理を行う(S36)。
図14の(a)および(b)は、S36における補間処理方法の一例を示す説明図である。
まず、図14の(a)に示すように、退色補正処理部41は、中央領域と周縁領域との境界部分に所定の幅h(例えば100画素)の補間領域を設定する。なお、補間領域は、周縁領域における中央領域との境界部に設定されてもよく、中央領域における周縁領域との境界部に設定されてもよく、中央領域および周縁領域の両方に跨って設定されてもよい。
次に、退色補正処理部41は、補間領域中の各画素Pについて、中央領域と同じ補正パラメータで退色補正処理した場合の画素値f(P)、周縁領域と同じ補正パラメータで退色補正処理した場合の画素値g(P)を算出する。そして、中央領域から画素Pまでの距離をy、画素Pから周縁領域までの距離をx(h=x+y)とすると、画素Pの補間結果を下記式(2)に基づいて算出する。
補間画素値=(f(P)・x+g(P)・y)/h ・・・(2)
退色補正処理部41は、この処理を画像領域の各辺に沿った補間領域の各画素に対して行う。
補間画素値=(f(P)・x+g(P)・y)/h ・・・(2)
退色補正処理部41は、この処理を画像領域の各辺に沿った補間領域の各画素に対して行う。
なお、上記距離x,yは、矩形形状の画像領域の周縁部における横方向に延伸する辺に沿った部分では中央領域からの縦方向に沿った距離とし、縦方向に延伸する辺に沿った部分では中央領域からの横方向に沿った距離とする。
また、画像領域の角部に対応する部分では、図14の(b)に示すように、中央領域の角部と周縁領域の角部とを結ぶ直線(図中の破線L)を境界として補間領域を区切り、それぞれの画素が属する補間領域の延伸方向に垂直な方向についての当該補間領域の幅h、中央領域からの距離x、および周縁領域からの距離yに基づいて各画素の補間画素値を算出する。
これにより、中央領域と周縁領域との境界部において退色補正の度合いの違いに起因するギャップが生じることを低減できる。
なお、補間処理の方法は上述した方法に限るものではなく、中央領域と周縁領域との境界部において両領域に対する退色補正処理の度合いの違いに起因する色相のギャップが視認されることを抑制できる方法であればよい。すなわち、中央領域および周縁領域のうちの少なくとも一方の領域における他方の領域との境界部の画像データに対して、中央領域から周縁領域にかけて退色補正処理の度合いを単調減少させることができる方法であればよい。
また、本実施形態では、中央領域の退色補正処理を行った後に周縁領域の退色補正処理を行う構成について説明したが、これに限らず、周縁領域の退色補正処理を先に行ってもよく、両領域に対する退色補正処理を並行して行ってもよい。
また、本実施形態において行った補間処理を、実施形態1,2の退色補正方法に適用してもよい。すなわち、周縁領域については退色補正処理を行わず、中央領域と周縁領域との境界部に補間処理を施すようにしてもよい。
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
上述した各実施形態では、画素値のヒストグラムのピーク値を求め、ピーク値の最大値と最小値とから求めたベクトルを色空間における白と黒とを結ぶ対角線に平行になるように回転させる回転式を算出し、算出した回転式に基づいて各画素の画素値を回転させる構成について説明した。
これに対して、本実施形態では、特許文献2に記載されている方法を用いて退色補正処理を行う。なお、退色補正処理の手法が異なる以外は上述した実施形態1と同様である。
一般に、退色が生じると、成分値(R成分、B成分、G成分の画素値(階調値))が存在する範囲が全体的に狭くなる。そこで、本実施形態では、R成分、B成分、G成分の画素値が存在する範囲を全体的に全体的に広げる処理を行うことにより、退色補正処理を行う。
具体的には、退色補正処理部41は、画像の中央領域について、下記式(3)〜(5)に示す補正テーブル(第1補正パラメータ)をRGBの色成分毎に作成する。
R成分補正テーブル STr(m)=m/(maxR−minR)・・・(3)
G成分補正テーブル STg(m)=m/(maxG−minG)・・・(4)
B成分補正テーブル STb(m)=m/(maxB−minB)・・・(5)
ここで、maxR、maxG、maxBはRGBの各色成分のヒストグラムでの最大値を表しており、minR,minG,minBはRGBの各色成分のヒストグラムでの最小値を表している。また、mは成分値を示しており、画像データが256階調である場合、0≦m<256の範囲の整数である。
R成分補正テーブル STr(m)=m/(maxR−minR)・・・(3)
G成分補正テーブル STg(m)=m/(maxG−minG)・・・(4)
B成分補正テーブル STb(m)=m/(maxB−minB)・・・(5)
ここで、maxR、maxG、maxBはRGBの各色成分のヒストグラムでの最大値を表しており、minR,minG,minBはRGBの各色成分のヒストグラムでの最小値を表している。また、mは成分値を示しており、画像データが256階調である場合、0≦m<256の範囲の整数である。
各補正テーブルSTr[j]、STg[j]、STb[j]では、成分値jで指定されるレコード(記憶領域)に補正後の成分値を格納する。これにより、退色補正は、成分値jを、その値で指定されるレコードに格納された成分値に変更することで行われる。座標(x,y)の画素におけるRGB成分の各成分値(画素値)をそれぞれR,G,Bとすると、退色補正処理後のRGB成分R’,G’,B’は下記式(6)〜(8)で表される。
R’=STr(R)・・・(6)
G’=STr(G)・・・(7)
B’=STr(B)・・・(8)
なお、画像の中央領域だけでなく周縁領域にも退色補正処理を行う場合、周縁領域の画像データに基づいて上記式(3)〜(5)で算出した補正テーブルを周縁領域の退色補正処理に用いる補正パラメータ(第2補正パラメータ)としてもよい。
R’=STr(R)・・・(6)
G’=STr(G)・・・(7)
B’=STr(B)・・・(8)
なお、画像の中央領域だけでなく周縁領域にも退色補正処理を行う場合、周縁領域の画像データに基づいて上記式(3)〜(5)で算出した補正テーブルを周縁領域の退色補正処理に用いる補正パラメータ(第2補正パラメータ)としてもよい。
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
上述した各実施形態では、画像処理装置3がASICから構成された集積回路(ハードウェアロジック)である構成について説明した。これに対して、本実施形態では、画像処理装置3に備えられる上記各部の機能の一部または全部をCPU等のプロセッサを搭載したコンピュータが上記各部の機能を実現するためのソフトウェアを実行することによって実現する。
すなわち、画像処理装置3は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである画像処理装置3の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、画像処理装置3に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、画像処理装置3を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、上述した各実施形態では、本発明を写真画像の退色補正処理に適用する場合について説明したが、これに限らず、例えば、本、雑誌、冊子、新聞、手紙、絵画等を読み取った画像データの退色補正処理に適用することもできる。
また、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔まとめ〕
本発明の態様1にかかる画像処理装置は、画像データに退色補正処理を施す退色補正処理部を備えた画像処理装置であって、上記退色補正処理部は、画像データの画像領域を退色が生じている領域である第1領域と上記第1領域よりも退色の度合いが小さい領域である第2領域とに分割し、上記画像データのうち上記第2領域を除く上記第1領域の画像データに基づいて第1補正パラメータを算出し、算出した上記第1補正パラメータに基づいて上記第1領域の画像データに退色補正処理を施すことを特徴としている。
本発明の態様1にかかる画像処理装置は、画像データに退色補正処理を施す退色補正処理部を備えた画像処理装置であって、上記退色補正処理部は、画像データの画像領域を退色が生じている領域である第1領域と上記第1領域よりも退色の度合いが小さい領域である第2領域とに分割し、上記画像データのうち上記第2領域を除く上記第1領域の画像データに基づいて第1補正パラメータを算出し、算出した上記第1補正パラメータに基づいて上記第1領域の画像データに退色補正処理を施すことを特徴としている。
上記の構成によれば、画像領域のうち、退色の度合いが小さい領域である第2領域を除いた第1領域の画像データに基づいて第1補正パラメータを算出し、算出した第1補正パラメータに基づいて第1領域の退色補正処理を行う。これにより、画像中の領域毎に退色の度合いが異なる場合であっても退色補正処理を適切に行うことができる。
本発明の態様2にかかる画像処理装置は、上記態様1において、上記第2領域は画像領域の周縁領域であり、上記第1領域は上記画像領域における上記第2領域よりも内側の中央領域である構成である。
上記の構成によれば、例えば額縁や写真立て等のケースに入れて保管されていた原稿を読み取った画像データの場合に、ケースの枠に覆われて退色の度合いが小さい周縁領域(第2領域)を除いた中央領域(第1領域)の画像データに基づいて第1補正パラメータを算出し、算出した第1補正パラメータに基づいて第1領域の退色補正処理を行うことができる。これにより、画像の周縁領域と中央領域とれ退色の度合いが異なる場合であっても退色補正処理を適切に行うことができる。
本発明の態様3にかかる画像処理装置は、上記態様1または2において、ユーザからの指示入力を受け付ける指示入力部を備え、上記退色補正処理部は、ユーザからの指示に応じて上記第2領域の範囲を決定することができる。
上記の構成によれば、ユーザが退色の発生状況に応じて第1領域と第2領域とを設定することができるので、より正確な退色補正処理を行うことができる。
本発明の態様4にかかる画像処理装置は、上記態様1または2において、上記画像データは複数色の色成分からなり、上記退色補正処理部は、上記複数色の色成分のうち退色が生じた場合の変化の度合いが最も大きい所定色の色成分のヒストグラムを算出し、画像領域を周縁領域から中央領域に向かって移動するときに上記所定色の色成分の度数が所定値以上変化する位置を上記第1領域と上記第2領域との境界に設定する構成である。
一般に、退色が生じた場合、複数色の色成分のうちの所定色(例えばRGBの場合B)の画素値が大きく変化する。このため、上記の構成によれば、退色が生じた場合の変化の度合いが最も大きい所定色の色成分のヒストグラムを算出し、上記所定色の色成分の度数が所定値以上変化する位置を第1領域と第2領域との境界に設定することにより、画像領域を退色の度合いに応じて第1領域と第2領域とに自動的に分割することができる。したがって、第1領域と第2領域とをユーザが手動で設定する必要がないので、退色補正処理をより簡単に行うことができる。
本発明の態様5にかかる画像処理装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、上記退色補正処理部は、上記画像データのうち上記第1領域を除く上記第2領域の画像データに基づいて上記第1補正パラメータとは異なる第2補正パラメータを算出し、算出した上記第2補正パラメータに基づいて上記第2領域の画像データに退色補正処理を施す構成である。
上記の構成によれば、画像中の領域毎に退色の度合いが異なる場合であっても、それぞれの領域の退色の度合いに応じて適切な退色補正処理を行うことができる。
本発明の態様6にかかる画像処理装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、上記退色補正処理部は、上記第1領域および上記第2領域のうちの少なくとも一方の領域における他方の領域との境界部の画像データに対して、上記第1領域から上記第2領域にかけて退色補正処理の度合いを単調減少させるための補間処理を施す構成である。
上記の構成によれば、第1領域と第2領域との境界部において両領域に対する退色補正処理の度合いの違いに起因する色相のギャップが視認されることを抑制できる。
本発明の態様7にかかる画像形成装置は、上記態様1から6のいずれかの画像処理装置を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、画像中の領域毎に退色の度合いが異なる場合であっても退色補正処理を適切に行うことができる。
本発明の態様8にかかる画像処理方法は、画像データに退色補正処理を施す退色補正処理方法であって、画像データの画像領域を退色が生じている領域である第1領域と上記第1領域よりも退色の度合いが小さい領域である第2領域とに分割する工程と、上記画像データのうち上記第2領域を除く上記第1領域の画像データに基づいて第1補正パラメータを算出する工程と、算出した上記第1補正パラメータに基づいて上記第1領域の画像データに退色補正処理を施す工程とを含むことを特徴としている。
上記の方法によれば、画像中の領域毎に退色の度合いが異なる場合であっても退色補正処理を適切に行うことができる。
本発明の各態様に係る画像処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記画像処理装置が備える退色補正処理部として動作させることにより上記画像処理装置をコンピュータにて実現させる画像処理プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
本発明は、画像データに対する退色補正技術に適用できる。
1 画像形成装置
2 画像入力装置
3 画像処理装置
4 第1画像出力装置
5 第2画像出力装置
6 データ入力装置
7 記憶装置
8 通信装置
9 操作パネル
10 制御部
21 A/D変換部
22 シェーディング補正部
23 入力処理部
24 原稿種別自動判別部
25 退色補正部
26 圧縮部
27 復号部
28 画質調整部
29 色補正部
30 黒生成/下色除去部
31 空間フィルタ部
32 変倍処理部
33 出力階調補正部
34 中間調生成部
35 領域分離信号処理部
36 領域分離信号圧縮部
37 領域分離信号復号部
40 退色処理判定部
41 退色補正処理部
2 画像入力装置
3 画像処理装置
4 第1画像出力装置
5 第2画像出力装置
6 データ入力装置
7 記憶装置
8 通信装置
9 操作パネル
10 制御部
21 A/D変換部
22 シェーディング補正部
23 入力処理部
24 原稿種別自動判別部
25 退色補正部
26 圧縮部
27 復号部
28 画質調整部
29 色補正部
30 黒生成/下色除去部
31 空間フィルタ部
32 変倍処理部
33 出力階調補正部
34 中間調生成部
35 領域分離信号処理部
36 領域分離信号圧縮部
37 領域分離信号復号部
40 退色処理判定部
41 退色補正処理部
Claims (10)
- 画像データに退色補正処理を施す退色補正処理部を備えた画像処理装置であって、
上記退色補正処理部は、
画像データの画像領域を退色が生じている領域である第1領域と上記第1領域よりも退色の度合いが小さい領域である第2領域とに分割し、上記画像データのうち上記第2領域を除く上記第1領域の画像データに基づいて第1補正パラメータを算出し、算出した上記第1補正パラメータに基づいて上記第1領域の画像データに退色補正処理を施すことを特徴とする画像処理装置。 - 上記第2領域は画像領域の周縁領域であり、上記第1領域は上記画像領域における上記第2領域よりも内側の中央領域であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- ユーザからの指示入力を受け付ける指示入力部を備え、
上記退色補正処理部は、ユーザからの指示に応じて上記第2領域の範囲を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 上記画像データは複数色の色成分からなり、
上記退色補正処理部は、上記複数色の色成分のうち退色が生じた場合の変化の度合いが最も大きい所定色の色成分のヒストグラムを算出し、画像領域を周縁領域から中央領域に向かって移動するときに上記所定色の色成分の度数が所定値以上変化する位置を上記第1領域と上記第2領域との境界に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 上記退色補正処理部は、上記画像データのうち上記第1領域を除く上記第2領域の画像データに基づいて上記第1補正パラメータとは異なる第2補正パラメータを算出し、算出した上記第2補正パラメータに基づいて上記第2領域の画像データに退色補正処理を施すことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 上記退色補正処理部は、上記第1領域および上記第2領域のうちの少なくとも一方の領域における他方の領域との境界部の画像データに対して、上記第1領域から上記第2領域にかけて退色補正処理の度合いを単調減少させるための補間処理を施すことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 画像データに退色補正処理を施す退色補正処理方法であって、
画像データの画像領域を退色が生じている領域である第1領域と上記第1領域よりも退色の度合いが小さい領域である第2領域とに分割する工程と、
上記画像データのうち上記第2領域を除く上記第1領域の画像データに基づいて第1補正パラメータを算出する工程と、
算出した上記第1補正パラメータに基づいて上記第1領域の画像データに退色補正処理を施す工程とを含むことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置における上記退色補正処理部として機能させるための画像処理プログラム。
- 請求項9に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014190455A JP2016063428A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラムおよびその記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014190455A JP2016063428A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラムおよびその記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016063428A true JP2016063428A (ja) | 2016-04-25 |
Family
ID=55798378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014190455A Pending JP2016063428A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラムおよびその記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016063428A (ja) |
-
2014
- 2014-09-18 JP JP2014190455A patent/JP2016063428A/ja active Pending
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