JP2016062905A - 真空処理装置およびドライ洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理体から異物または金属汚染物質を除去し、さらに除去された異物または金属汚染物質の被処理体への再付着を抑制するのに好適である真空処理装置およびドライ洗浄方法を提供する。
【解決手段】真空処理装置100に、被処理体にラジカルを吸着させる吸着処理装置104と、真空側搬送容器105に接続され、被処理体にガスを供給するガス供給装置111と、吸着処理装置104とガス供給装置111との間に配置され、ラジカルを吸着した被処理体から吸着層を脱離させる脱離処理装置110とを備える。さらに、吸着処置装置104から真空側搬送容器105へ向かう方向に、ラジカルを吸着した被処理体を搬送する搬送ワンドを備え、ガス供給装置111から被処理体へ、被処理体を搬送する方向と反対方向にガスを供給すると共に、ラジカルを吸着した被処理体を搬送しながら、被処理体から吸着層を脱離させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空処理装置およびドライ洗浄方法に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2002−217156号公報(特許文献1)、米国特許出願公開第2004/0185670号明細書(特許文献2)および米国特許出願公開第2008/0268645号明細書(特許文献3)がある。
特開2002−217156号公報(特許文献1)には、プラズマ生成手段により生成するプラズマの電気的作用および化学的作用と、ウエハ面に近接して配置するパッド型構造体で形成する高速ガス流の摩擦応力による物理的作用とを併用し、そのウエハ面の異物を除去するドライ洗浄装置が記載されている。
米国特許出願公開第2004/0185670号明細書(特許文献2)には、第1処理室と第2処理室とが結合された酸化物処理システムが記載されている。第1処理室では、基板をHF/NHなどのガス雰囲気に晒して化学処理を行い、第2処理室では、化学処理された基板を熱処理することにより、酸化物を除去する。
米国特許出願公開第2008/0268645号明細書(特許文献3)には、基板表面からシリコン酸化物を除去する方法が記載されている。処理室内にシリコン酸化物が露出した基板を置き、基板を65℃以下の第1温度に設定した後、処理室内に混合ガスを導入してプラズマを生成して基板表面に(NHSiFの薄膜を形成する。その後、基板を約100℃以上の第2温度に上昇させて、(NHSiFの薄膜を除去する。
特開2002−217156号公報 米国特許出願公開第2004/0185670号明細書 米国特許出願公開第2008/0268645号明細書
近年、ウエット洗浄に代わるウエハ洗浄技術として、ドライ環境下でのウエハ洗浄(以下、ドライ洗浄と言う)が要求されている。ドライ洗浄では、ウエット洗浄と同様に、以下の3つの工程、すなわち、被処理体の表面に、剥離のための表面層を形成する第1の工程、表面層と共に異物または金属汚染物質をリフトオフ(lift-off)する第2の工程、およびリフトオフされた異物または金属汚染物質の被処理体への再付着を防止する第3の工程を考慮する必要がある。
前記特許文献1、2および3には、ドライ洗浄による異物の除去方法が記載されている。しかし、いずれのドライ洗浄においても、処理室内に舞い上がった異物が被処理体に再付着する可能性が高く、半導体装置の製造歩留りの低下が懸念される。
そこで、本発明は、被処理体から異物または金属汚染物質を除去し、さらに除去された異物または金属汚染物質の被処理体への再付着を抑制するのに好適である真空処理装置およびドライ洗浄方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明による真空処理装置は、処理室と、処理室に接続され、真空雰囲気で被処理体を搬送するための真空搬送室と、被処理体にラジカルを吸着させる吸着処理装置と、真空搬送室に接続され、被処理体にガスを供給するガス供給装置と、吸着処理装置とガス供給装置との間に配置され、ラジカルを吸着した被処理体から吸着層を脱離させる脱離処理装置とを備える。さらに、真空搬送室は、吸着処置装置から真空搬送室へ向かう方向にラジカルを吸着した被処理体を搬送する搬送装置を具備する。
また、上記課題を解決するために、本発明によるドライ洗浄方法は、被処理体にラジカルを吸着させる工程と、被処理体へガスを供給すると共に、ラジカルを吸着した被処理体を搬送しながら、被処理体から吸着層を脱離させる工程とを含み、ガスは、被処理体を搬送する方向と反対方向に供給される。
本発明によれば、被処理体から異物または金属汚染物質を除去し、さらに除去された異物または金属汚染物質の被処理体への再付着を抑制するのに好適である真空処理装置およびドライ洗浄方法を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本実施例による真空処理処置の構成の概略を示す上面図である。 本実施例による真空処理装置の一部(真空側搬送容器、ガス供給装置、脱離処理装置および吸着処理装置)を示す断面図である。 本実施例による真空処理装置の一部(真空側搬送容器、ガス供給装置、脱離処理装置および吸着処理装置)を示す上面図である。 本実施例による真空処理装置の一部(ガス供給装置および脱離処理装置)を示す断面図である。 本実施例によるドライ洗浄方法の一例を示す工程図である。
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
また、以下の実施の形態において、被処理体という表現を用いた場合、珪素(Si)、炭化珪素(SiC)またはガリウム砒素(GaAs)などからなる単なるウエハだけでなく、その主面上にパターニングされていない被処理膜を有するウエハ、その主面上にレジストマスクが形成された被処理膜を有するウエハ、その主面上にパターニングされた被処理膜を有するウエハなどを広く意図する。また、ウエハの形は円形またはほぼ円形のみでなく、正方形、長方形等も含むものとする。
(課題の詳細な説明)
まず、本実施の形態による真空処理装置およびドライ洗浄方法が明確となると思われるため、本発明者らが検討を行った従来のドライ洗浄の課題について説明する。
半導体製造工程では、リソグラフィー技術により形成されたレジスタパターンを、ウエハの主面上に形成された被処理膜へ転写して回路パターンを形成するために、例えばプラズマを用いたドライエッチングが行われる。
ところで、ドライエッチングによる回路パターンの形成では、異物の抑制が重要である。被処理膜上に異物が点在していると、ドライエッチング中にパターン転写が阻害されて、エッチング残りなどの回路パターンの形状異常が起こり、製造歩留りが低下してしまう。また、異物だけでなく、近年の半導体装置の高集積化に伴う半導体デバイスの微細化により、被処理膜表面および被処理膜中に残存する金属汚染物質の低減も重要な課題となっている。被処理膜表面および被処理膜中に残存する金属汚染物質は、高集積化された半導体装置において、半導体デバイスの電気的特性に直接的に影響を及ぼすことが懸念される。
従来、半導体製造工程における、これらの異物または金属汚染物質の除去には主にウエット洗浄が用いられてきた。ウエット洗浄では、例えば各種の酸溶液またはアルカリ溶液を純水で希釈した溶液を用いて、この溶液にウエハを浸す、またはこの溶液を吹き付けるなどの方法が取られている。このウエット洗浄において、溶液のPHを調整することにより、異物または金属汚染物質は、被処理膜表面から、またはごく薄い表面層と共にリフトオフされる。一度リフトオフされた異物または金属汚染物質は、溶液に拡散することで、被処理膜への再付着が少ない状態が実現されてきた。
しかしながら、半導体デバイスの構造は現在も複雑化が進み、3次元構造の適用、ナノワイヤーの適用などが検討されつつある。このため、従来のウエット洗浄では、溶液の表面張力が引き起こすパターン倒れにより、製造歩留まりが低下するなど、これまでにない新たな課題が予想されている。
このため、ウエット洗浄に代わるウエハ洗浄技術として、ドライ洗浄が要求されている。ドライ洗浄装置が、例えば前記特許文献1に記載されており、ドライ洗浄による表面層の除去方法が、例えば前記特許文献2および3に記載されている。
ドライ洗浄において異物および金属汚染物質を除去する場合は、ウエット洗浄と同様に、被処理体の表面に、剥離のための表面層を形成する第1の工程、表面層と共に異物または金属汚染物質をリフトオフする第2の工程、およびリフトオフされた異物または金属汚染物質の被処理体への再付着を防止する第3の工程、以上の3つの工程を考慮する必要がある。
前記特許文献1には、電気的作用および化学的作用と、物理的作用とを併用したドライ洗浄装置が記載されている。しかし、処理室内に舞い上がった異物または金属汚染物質が被処理体に再付着する可能性がある。また、パッド型構造体はウエハよりも小さい構造であるため、パッド型構造体とウエハとを相対的に複数回移動させる必要があり、ウエハ面内で均一な異物除去が達成できない可能性がある。
また、前記特許文献2および3には、被処理体の表面に、剥離のための表面層を形成する第1の工程および表面層をリフトオフする第2の工程によって、被処理材の表面を処理するドライ洗浄が記載されている。しかし、前記特許文献2および3に記載されたドライ洗浄では、前記特許文献1と同様に、表面層の形成およびリフトオフは、処理室内にウエハを固定した状態で実施されるため、処理室内に舞い上がった異物または金属汚染物質が被処理体に再付着する可能性が高い。
本実施例による真空処理装置について図1を用いて説明する。図1は、本実施例による真空処理装置の構成の概略を示す上面図である。
図1に示す真空処理装置100は、プラズマ処理装置であって、紙面上方側に示す真空側ブロック101と、紙面下方側に示す大気側ブロック102とに大別される。
大気側ブロック102は、カセット109a,109bが載置されるカセット載置台108と、大気側搬送容器107とを有している。カセット109a,109bの内部には、真空処理装置100において処理対象となる被処理膜がその主面上に形成されたウエハを複数枚収納することができる。大気側搬送容器107の内部には、カセット109a,109bの内部に収納されたウエハが搬送される空間である搬送室が配置される。
真空側ブロック101は、中心部に配置された真空側搬送容器105と、真空側搬送容器105の多角形の各辺に相当する側壁に取り付けられて、これに連結された複数の真空容器とを有している。真空側搬送容器105の2つの側壁には、それぞれエッチング処理ユニット103a,103bが配置されており、エッチング処理ユニット103a,103bの内部には、ウエハの主面上に形成された被処理膜がエッチング処理される処理室が備わっている。また、真空側搬送容器105の他の1つの側壁には、吸着処理装置104が配置されており、その内部において、ウエハの主面上に形成された被処理膜の表面に、剥離のための表面層を形成することができる。また、真空側搬送容器105と吸着処理装置104との間には、ガス供給装置111および脱離処理装置110が互いに隣接して配置されており、吸着処理装置104、脱離処理装置110、ガス供給装置111および真空側搬送容器105の順に併設されている。真空側搬送容器105と吸着処理装置104との間を、ウエハは真空中で搬送される。
大気側搬送容器107と真空側搬送容器105との間には、大気−真空間でウエハのやりとりをするための真空容器であるロードロック室106aおよびアンロードロック室106bが配置されている。
上記真空処理装置100の構成により、パターン倒れ、あるいは異物または金属汚染物質の被処理膜への再付着を抑制することのできるドライ洗浄を提供することができる。
次に、本実施例によるドライ洗浄方法について図2〜図5を用いて説明する。図2は、本実施例による真空処理装置の一部(真空側搬送容器105、ガス供給装置111、脱離処理装置110および吸着処理装置104)を示す断面図である。図3は、本実施例による真空処理装置の一部(真空側搬送容器105、ガス供給装置111、脱離処理装置110および吸着処理装置104)を示す上面図である。図4は、本実施例による真空処理装置の一部(ガス供給装置111および脱離処理装置110)を示す断面図である。図5は、本実施例によるドライ洗浄方法の一例を示す工程図である。
図2に示すように、本実施例によるドライ洗浄は、真空側搬送容器105と、ガス供給装置111と、脱離処理装置110と、吸着処理装置104とによって実施される。また、本実施例によるドライ洗浄は、吸着処理装置104で処理した後、被処理膜がその主面上に形成されたウエハ209を搬送装置、例えば搬送ワンド212に載置し、吸着処理装置104から脱離処理装置110、ガス供給装置111および真空側搬送容器105へウエハ209を搬送する状態で実施される。搬送ワンド212はウエハ209を載置することができればよいが、機械的または電気的に固定しておくことが望ましい。ウエハ209を搬送する速度は、除去の対象となる異物の大きさまたは金属汚染物質の種類に応じて設定される。
吸着処理装置104は、処理室206と、ラジカル供給源207とに大別され、処理室206とラジカル供給源207との間は分散板208によって隔てられている。分散板208は、ラジカル供給源207で生成した活性化されたラジカルをウエハ209上へ均一に供給するために設けられている。分散板208の材質は、ラジカル供給源207で生成したラジカルの死滅率の低いものがよく、例えば石英(SiO)または酸化処理が施されたアルミニウム(Al)がこれに該当する。
ラジカル供給源207もまた、石英(SiO)または酸化処理などの表面処理が施されたアルミニウム(Al)を材質とする容器により構成される。この容器に所定のガスを所定の流量で導入し、所定の圧力下において所定の電力を印加することにより、ラジカル供給源207の内部でプラズマを生成し、このプラズマからのガス流れによって活性化されたラジカル種を、ウエハ209上に供給することができる。
ラジカル発生源としては、直流放電、高周波放電(容量結合型または誘電結合型)あるいはマイクロ波放電などの各種プラズマ源が使用可能であるが、放電による不純物の混入が低い点から、誘電結合型高周波放電またはマイクロ波放電といった無電極放電形式が好ましい。
処理室206には、ウエハ209が吸着可能なウエハ載置用電極205が設けられており、ウエハ209の主面上に形成された被処理膜にラジカルが均一に付着し、ウエハ面内で均一な剥離のための表面層が形成されるように、ウエハ載置用電極205の内部には面内分布の小さい冷却機構が備え付けられている。処理室206の材質は、ラジカル供給源207または分散板208と同様に、ラジカル供給源207で生成したラジカルの死滅率の低いものがよく、例えば石英(SiO)または酸化処理が施されたアルミニウム(Al)がこれに該当する。
脱離処理装置110は、吸着処理装置104の隣に配置される。図示はしないが、脱離処理装置110と吸着処理装置104との間には開閉バルブが設けられている。脱離処理装置110は、上部の加熱ユニット210が配置された空間と、下部の搬送ワンド212に載置されたウエハ209が通過する空間とに大別される。本実施例では、加熱ユニット210に赤外線ランプを使用した場合を例示している。
図3および図4に示すように、ウエハ209を加熱するための赤外線ランプ302は、円筒状であり、ウエハ209の搬送方向(x方向)とウエハの平面上で直交する方向(y方向)の赤外線ランプ302の寸法は、ウエハ209の搬送方向(x方向)の赤外線ランプ302の寸法よりも大きい。また、ウエハ209の搬送方向(x方向)とウエハの平面上で直交する方向(y方向)が長手方向となるように、赤外線ランプ302はウエハ209の上方に配置される。また、赤外線ランプ302の長手方向(y方向)の長さ(L1)は、ウエハ209の直径(R)よりも大きい(L1>R)。
ウエハ209を加熱するため、固定したウエハ209の全面の上方に複数個の赤外線ランプ302を並べる場合がある。しかし、この場合、赤外線ランプ302下と赤外線ランプ302間の下とでは均一なエネルギーを得ることが難しく、均一に加熱することが困難である。このため、本実施例では、1本の円筒状の赤外線ランプ302を配置し、ウエハ209を搬送しながら照射する構成としている。
なお、本実施例では、1本の赤外線ランプ302を図示したが、ウエハ209の搬送方向(x方向)に複数本の赤外線ランプ302を配置してもよい。但し、全ての赤外線ランプ302の長手方向(y方向)の長さ(L1)は、ウエハ209の直径(R)よりも大きくなるようにする(L1>R)ことが必要である。
赤外線ランプ302には、例えば波長1μm程度の近赤外領域で発光するハロゲンランプを用いることができる。赤外線ランプ302下には、図4に示すように、赤外線透過窓402が設置してあるが、赤外線透過窓402の透過率およびウエハ209の吸収特性を考慮して、ハロゲンランプの発光波長は決定される。すなわち、窓材の透過率が高く、ウエハ209に対して吸収しやすい波長を選択すればよい。ここでは、赤外線ランプ302を例示したが、吸着処理装置104で形成した表面層を剥離することが可能なエネルギーをウエハ209に照射できればよく、赤外線ランプ302に代えて、例えば真空紫外線(VUV:Vacuum Ultra-Violet Light)ランプを使用してもよい。また、加熱ユニット210の下部にヒータを配置し、輻射熱によってウエハ209を間接的に加熱する方法を採用してもよい。
ガス供給装置111は、図3に示すように、脱離処理装置110と真空側搬送容器105との間に配置される。ガス供給装置111は、図示はしないが、脱離処理装置110で脱離した異物または金属汚染物質を吸着処理装置104側へ押し流すために必要なガスを一定流量で供給するためのマスフローコントローラを備えている。ガスの流量は、除去の対象となる異物の大きさまたは金属汚染物質の種類に応じて設定される。供給されるガスとしては、被処理膜との反応を抑制するために、窒素(N)ガス、酸素(O)ガス、希ガス(ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)またはラドン(Rn))またはこれらを混合したガスが望ましい。
ガス供給装置111には、図3に示すように、ガスを供給するための開口部301が設けられており、ウエハ209の搬送方向(x方向)とウエハ209の平面上で直交する方向(y方向)の開口部301の寸法は、ウエハ209の搬送方向(x方向)の開口部301の寸法よりも大きい。また、ウエハ209の搬送方向(x方向)とウエハ209の平面上で直交する方向(y方向)が長手方向となるように、開口部301は設けられている。また、開口部301の長手方向(y方向)の長さ(L2)は、ウエハ209の直径(R)よりも大きい(L2>R)。
また、ガス供給装置111には、図4に示すように、その内部にガスだまり403が設けられており、マスフローコントローラを介して供給されたガスは、このガスだまり403において均一化され、ガス供給装置111の下部に設けられたガス供給部からシート状に排出され、ウエハ209上に均一に供給される。また、ガスを供給する開口部301には、ガス案内板404を設けるとよい。ガス案内板404により供給されたガスは、ウエハ209の搬送方向(x方向)と反対方向から供給され、脱離した異物または金属汚染物質が被処理膜に再付着することなく、排気方向へ効率的に排出される。
次に、本実施例による被処理体のドライ洗浄の一例について図5を用いて説明する。
(工程S1):処理の対象となる被処理体は、エッチング処理前またはエッチング処理後に、真空側搬送容器に備え付けられた搬送ワンドにより、吸着処理装置に搬送される。被処理体が吸着処理装置に搬送された後、吸着処理装置と脱離処理装置との間に設置された開閉バルブは閉じられる。
(工程S2):被処理体は、吸着処理装置に設けられたウエハ載置用電極に吸着され、冷却される。
(工程S3):ラジカル供給源から、生成されたラジカルが被処理体に供給され、被処理体の表面に、脱離するために好適である表面層が均一に形成される。
(工程S4):吸着処理装置の処理室は排気により減圧される。
(工程S5):吸着処理装置と脱離処理装置との間に設置された開閉バルブは開き、再度、ウエハは搬送ワンドに載置され、固定される。
(工程S6):ガス供給装置からガスがシート状に一様に供給される。
(工程S7):赤外線ランプが点灯される。
(工程S8):この状態において、ウエハは、搬送ワンドにより吸着処理装置から真空側搬送容器に向けて搬送される。ここで、除去する異物の大きさまたは金属汚染物質の種類に応じて、被処理体を搬送する速度およびガス供給装置から供給されるガスの流量は設定される。
(工程S9):被処理体を真空側搬送容器に搬送した後、赤外線ランプが消灯される。
(工程S10):ガス供給装置と真空側搬送容器との間に設置された開閉バルブは閉じられる。その後、ガス供給装置からのガスの供給が停止される。
以上の工程により、パターン倒れ、あるいは異物または金属汚染物質の被処理体への再付着を抑制したドライ洗浄を行うことができる。
このように、本実施例によれば、ドライ洗浄において、ウエハ面内で均一に異物または金属汚染物質を除去することができる。さらに、パターン倒れ、並びに除去された異物または金属汚染物質の被処理体への再付着を抑制することができる。これにより、半導体装置の製造歩留りを向上することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態では、エッチング装置と組み合わせた真空処理装置について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、真空側搬送容器を介してウエハが成膜処理ユニットに導入されるCVD(Chemical Vapor Deposition)装置と組み合わせた真空処理装置でもよく、異物または金属汚染物質の除去および被処理体への再付着を抑制することができる。
100 真空処理装置
101 真空側ブロック
102 大気側ブロック
103a、103b エッチング処理ユニット(処理室)
104 吸着処理装置
105 真空側搬送容器(真空搬送室)
106a ロードロック室
106b アンロードロック室
107 大気側搬送容器
108 カセット載置台
109a,109b カセット
110 脱離処理装置
111 ガス供給装置
205 ウエハ載置用電極
206 処理室
207 ラジカル供給源
208 分散板
209 ウエハ
210 加熱ユニット
212 搬送ワンド(搬送装置)
301 開口部
302 赤外線ランプ
402 赤外線透過窓
403 ガスだまり
404 ガス案内板(ガス供給方向制御板)

Claims (11)

  1. 処理室と、
    前記処理室に接続され、真空雰囲気で被処理体を搬送するための真空搬送室と、
    前記被処理体にラジカルを吸着させる吸着処理装置と、
    前記真空搬送室に接続され、前記被処理体にガスを供給するガス供給装置と、
    前記吸着処理装置と前記ガス供給装置との間に配置され、前記ラジカルを吸着した前記被処理体から吸着層を脱離させる脱離処理装置と、
    を備え、
    前記真空搬送室は、前記ラジカルを吸着した前記被処理体を、前記吸着処置装置から前記真空搬送室へ向かう第1方向に搬送する搬送装置を具備する、真空処理装置。
  2. 請求項1記載の真空処理装置において、
    前記ラジカルを吸着した前記被処理体を搬送する速度、および前記ガス供給装置から供給されるガスの流量は、前記被処理体に付着する異物の大きさまたは汚染物質の種類に応じて設定される、真空処理装置。
  3. 請求項1記載の真空処理装置において、
    前記脱離処理装置は、
    前記ラジカルを吸着した前記被処理体を加熱するランプ、
    を備え、
    前記第1方向と前記被処理体の平面上で直交する第2方向の前記ランプの寸法が、前記ランプの前記第1方向の寸法よりも大きい、真空処理装置。
  4. 請求項3記載の真空処理装置において、
    前記ランプの前記第2方向の寸法は、前記被処理体の前記第2方向の寸法よりも大きい、真空処理装置。
  5. 請求項1記載の真空処理装置において、
    前記ガス供給装置は、
    前記ガスの噴き出し口である開口部と、
    前記被処理体へ前記ガスを供給するためのガスだまりと、
    を備え、
    前記第1方向と前記被処理体の平面上で直交する第2方向の前記開口部の寸法が、前記開口部の前記第1方向の寸法よりも大きい、真空処理装置。
  6. 請求項5記載の真空処理装置において、
    前記開口部の前記第2方向の寸法は、前記被処理体の前記第2方向の寸法よりも大きい、真空処理装置。
  7. 請求項5記載の真空処理装置において、
    前記ガス供給装置から供給される前記ガスを、前記第1方向と反対方向に供給するためのガス供給方向制御板が、前記開口部に配置されている、真空処理装置。
  8. 請求項5記載の真空処理装置において、
    前記ガス供給装置から供給される前記ガスは、窒素ガス、酸素ガスまたは希ガスである、真空処理装置。
  9. 被処理体に付着した異物または汚染物質を除去するドライ洗浄方法であって、
    前記被処理体にラジカルを吸着させる工程と、
    前記被処理体へガスを供給すると共に、前記ラジカルを吸着した前記被処理体を第1方向に搬送しながら、前記被処理体から吸着層を脱離させる工程と、
    を含み、
    前記ガスは、前記第1方向と反対方向に供給される、ドライ洗浄方法。
  10. 請求項9記載のドライ洗浄方法において、
    前記ガスの流量、および前記ラジカルを吸着した前記被処理体を搬送する速度は、前記被処理体に付着する異物の大きさまたは汚染物質の種類に応じて設定される、ドライ洗浄方法。
  11. 請求項9記載のドライ洗浄方法において、
    前記吸着層は、ランプの光を照射することにより脱離し、
    前記第1方向と前記被処理体の平面上で直交する第2方向の前記ランプの寸法が、前記ランプの前記第1方向の寸法よりも大きい、ドライ洗浄方法。
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