JP2016061834A - フェルール - Google Patents
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Abstract
【課題】光結合効率の低下を抑えつつ、光ファイバとレンズとの相対位置精度の低下を抑制することが可能なフェルールを提供する。【解決手段】フェルール10は、前端10a及び後端10bを繋ぐ第1側面10c及び第2側面10dを有する。フェルール10は、後端10bに形成され、光ファイバF2が挿入される挿入部14と、光ファイバF2の一端が配置される光入出射部と、光入出射部と光学的に接続されるレンズ36と、光ファイバF2を保持する保持孔16と、第1側面10cに形成され、前端10a側の第1面12aを含む開口12とを備える。保持孔16は、挿入部14と開口12との間を貫通している。第1面12aは光入出射部を含む。光ファイバF2を支持する支持部が第1面12aに設けられている。【選択図】図3
Description
本発明は、フェルールに関するものである。
特許文献1には、光伝送用光学部品が開示されている。この光学部品では、レンズを備える光学機能アレイと、光ファイバを保持するファイバホルダとが、空間を隔てて配置されている。この空間には接着剤が充填されている。光学機能アレイとファイバホルダの一部とは、透明樹脂によって一体成形される。そして、別の光学部品の光学機能アレイと当該光学部品の光学機能アレイとを互いに対向させることによって、光ファイバ同士を互いに光結合する。
特許文献1に記載された光学部品では、光ファイバの端部と光学機能アレイとが離れており、それらの間に接着剤が充填される。したがって、接着剤に気泡が混入すると、光結合効率が低下するおそれがある。また、光ファイバの端部と光学機能アレイとを接触させた場合、光ファイバの端部はファイバホルダによって保持されないので、接着剤を充填する際に光ファイバの端部が所定位置から動いてしまい、光ファイバとレンズとの相対位置精度が低下するおそれがある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、光結合効率の低下を抑えつつ、光ファイバとレンズとの相対位置精度の低下を抑制することが可能なフェルールを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、一実施形態に係るフェルールは、接続方向である第1方向に並ぶ前端及び後端と、前端及び後端を繋ぐとともに第1方向と交差する第2方向に互いに対向する第1側面及び第2側面とを備えるフェルールであって、後端に形成され、光導波路部材が挿入される挿入部と、光導波路部材の一端が配置されることにより、光導波路部材によって導波される光が入射若しくは出射する光入出射部と、光入出射部と光学的に接続されるレンズと、第2方向に並ぶ複数段にわたって設けられ、光導波路部材を保持する保持孔と、第1側面に形成され、前端側の第1面及び後端側の第2面を含む第1開口とを備える。保持孔は、挿入部と第2面との間を貫通している。第1面は光入出射部を含む。第2方向に並ぶ複数段にわたって光導波路部材を支持する第1支持部が第1面に設けられている。
また、別の実施形態に係るフェルールは、接続方向である第1方向に対向する前端及び後端と、第1方向と交差する第2方向に対向する第1側面及び第2側面とを備えるフェルールであって、後端に形成され、光導波路部材が挿入される挿入部と、光導波路部材の一端が配置されることにより、光導波路部材によって導波される光が入射若しくは出射する光入出射部と、光入出射部と光学的に接続されるレンズと、第2方向に並ぶ複数段にわたって設けられ、光導波路部材を保持する保持孔と、第1側面に形成され、前端側の第1面及び後端側の第2面を含む第1開口とを備える。保持孔は、挿入部と第2面との間を貫通している。第1面は光入出射部を含む。第2方向に並ぶ複数段にわたって光導波路部材を支持する第2支持部が第2面に設けられている。
本発明のフェルールによれば、光結合効率の低下を抑えつつ、光ファイバとレンズとの相対位置精度の低下を抑制することができる。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。一実施形態によるフェルールは、(1)接続方向である第1方向に並ぶ前端及び後端と、前端及び後端を繋ぐとともに第1方向と交差する第2方向に互いに対向する第1側面及び第2側面とを備えるフェルールであって、後端に形成され、光導波路部材が挿入される挿入部と、光導波路部材の一端が配置されることにより、光導波路部材によって導波される光が入射若しくは出射する光入出射部と、光入出射部と光学的に接続されるレンズと、第2方向に並ぶ複数段にわたって設けられ、光導波路部材を保持する保持孔と、第1側面に形成され、前端側の第1面を含む第1開口とを備える。保持孔は、挿入部と第1開口との間を貫通している。第1面は光入出射部を含む。第2方向に並ぶ複数段にわたって光導波路部材を支持する第1支持部が第1面に設けられている。
最初に、本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。一実施形態によるフェルールは、(1)接続方向である第1方向に並ぶ前端及び後端と、前端及び後端を繋ぐとともに第1方向と交差する第2方向に互いに対向する第1側面及び第2側面とを備えるフェルールであって、後端に形成され、光導波路部材が挿入される挿入部と、光導波路部材の一端が配置されることにより、光導波路部材によって導波される光が入射若しくは出射する光入出射部と、光入出射部と光学的に接続されるレンズと、第2方向に並ぶ複数段にわたって設けられ、光導波路部材を保持する保持孔と、第1側面に形成され、前端側の第1面を含む第1開口とを備える。保持孔は、挿入部と第1開口との間を貫通している。第1面は光入出射部を含む。第2方向に並ぶ複数段にわたって光導波路部材を支持する第1支持部が第1面に設けられている。
このフェルールでは、例えば光導波路部材などの光導波路部材が、挿入部から挿入されるとともに保持孔に挿通され、その一端が第1開口内に突出する。そして、光導波路部材の一端は、第1開口の第1面に設けられた第1支持部により支持される。このため、第1開口内での光導波路部材の一端の動きが抑えられるので、光導波路部材とレンズとの相対位置精度の低下を抑制することができる。
(2)第1支持部は、後端側に第1端を有し、第N段(Nは2以上の整数)の第1端は、第N段に対し第2側面側に位置する第(N−1)段の第1端に対して前端側に位置しても良い。この場合、第1方向及び第2方向によって規定される平面に沿った断面における第1面の形状は、第2側面側から第1側面に向けて第1開口を徐々に拡げるような形状となる。よって、例えば樹脂成形などによりフェルールを形成する場合、第1側面側から抜き取ることが可能な金型を用いて第1開口を形成することができる。したがって、簡易な工程にて当該フェルールを形成することができる。また、樹脂が金型内に確実に充填されるので、気泡の混入が更に抑制される。
(3)第1支持部は円弧状の溝であってもよく、該溝は第2方向に開く開放部を含んでも良い。このような第1支持部によって、光導波路部材の一端を好適に支持することができる。また、接着剤を溝に充填した後に光導波路部材を溝に導入する際、気泡を巻き込んだとしても、その気泡は開放部から抜け出る。従って、光導波路部材と第1面との間に残存する気泡を更に低減し、光結合効率の低下を更に抑えることができる。
(4)第1開口が後端側の第2面を更に含み、保持孔が挿入部と第2面との間を貫通しており、第2方向に並ぶ複数段にわたって光導波路部材を支持する第2支持部が第2面に設けられても良い。これにより、第1開口内における光導波路部材の動きをより効果的に抑え、光導波路部材とレンズとの相対位置精度の低下を更に抑制することができる。
(5)第2支持部は、前端側に第2端を有し、第N段(Nは2以上の整数)の第2端は、第N段に対し第2側面側に位置する第(N−1)段の第2端に対して後端側に位置しても良い。この場合、第1方向及び第2方向によって規定される平面に沿った断面における第2面の形状は、第2側面側から第1側面に向けて第1開口を徐々に拡げるような形状となる。よって、例えば樹脂成形などによりフェルールを形成する場合、第1側面側から抜き取ることが可能な金型を用いて第1開口を形成することができる。したがって、簡易な工程にて当該フェルールを形成することができる。また、樹脂が金型内に確実に充填されるので、気泡の混入が更に抑制される。
(6)第2支持部は円弧状の溝であってもよく、該溝は第2方向に開く開放部を含んでも良い。このような第2支持部によって、光導波路部材を好適に支持することができる。
(7)第1方向における溝の少なくとも一部において、開放部の幅が溝の直径よりも小さく、溝の深さが溝の半径よりも大きくても良い。これにより、光導波路部材の断面において最も幅の広い部分が溝の内部に位置する状態で、開放部の幅を光導波路部材の直径よりも小さくすることができる。したがって、光導波路部材が溝から抜け出ることを効果的に抑制し、信頼性を高めることができる。(8)あるいは、第1方向における溝の少なくとも一部において、溝の深さが溝の半径よりも小さくても良い。これにより、光導波路部材の断面において最も幅の広い部分が溝の外部に位置することとなり、光導波路部材を溝に容易に導くことができ、作業性が向上する。
(9)第1開口と後端との間において第1側面または第2側面に形成され、挿入部と連通しており、前端側の第3面及び後端側の第4面を含む第2開口を更に備え、保持孔は第3面と第2面との間を貫通しており、光導波路部材の被覆部分を支持する被覆支持部が第3面に設けられても良い。これにより、被覆付きの光導波路部材をフェルールに容易に固定することができる。また、被覆付きの光導波路部材を用いることができ、光導波路部材の強度を高めることができる。
(10)また別の実施形態によるフェルールは、接続方向である第1方向に対向する前端及び後端と、第1方向と交差する第2方向に対向する第1側面及び第2側面とを備えるフェルールであって、後端に形成され、光導波路部材が挿入される挿入部と、光導波路部材の一端が配置されることにより、光導波路部材によって導波される光が入射若しくは出射する光入出射部と、光入出射部と光学的に接続されるレンズと、第2方向に並ぶ複数段にわたって設けられ、光導波路部材を保持する保持孔と、第1側面に形成され、前端側の第1面及び後端側の第2面を含む第1開口とを備える。保持孔は、挿入部と第2面との間を貫通している。第1面は光入出射部を含む。第2方向に並ぶ複数段にわたって光導波路部材を支持する第2支持部が第2面に設けられている。
このフェルールでは、例えば光導波路部材などの光導波路部材が、挿入部から挿入されるとともに保持孔に挿通され、その一端が第1開口内に突出する。そして、第1開口内において、光導波路部材は第2面に設けられた第2支持部により支持される。このため、第1開口内での光導波路部材の動きが抑えられるので、光導波路部材とレンズとの相対位置精度の低下を抑制することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るフェルールの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明の実施形態に係るフェルールの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るフェルールを備える光接続構造1Aの外観を示す斜視図である。図1に示されるように、光接続構造1Aは、互いに接続される一対のフェルール10を備えている。各フェルール10は、互いに同一の形状を有する透明な樹脂製の部材である。各フェルール10は、略直方体状の外観を有しており、接続方向である第1方向(図中の矢印A1)に対向する前端10a及び後端10bと、第1方向A1と交差する第2方向(図中の矢印A2)に対向する側面10c(第1側面)及び側面10d(第2側面)とを有する。側面10c及び側面10dは、前端10aと後端10bとを連結するように第1方向A1に沿って延びている。これらのフェルール10は、一方が他方に対して軸対象に反転して対向した状態にて、所定の接続方向(第1方向A1)に沿って互いに接続されている。また、フェルール10は、挿入部14を有する。挿入部14は後端10bに形成されており、挿入部14には、複数本の光ファイバ(光導波路部材)を含む光ファイバ束F1が挿入されている。一方のフェルール10の光ファイバは、一方及び他方のフェルール10を介して、他方のフェルール10の光ファイバと光学的に結合される。なお、以下の説明では、一対のフェルール10のうち一方の構成について主に述べるが、他方のフェルール10の構成も同様である。
図1は、本発明の一実施形態に係るフェルールを備える光接続構造1Aの外観を示す斜視図である。図1に示されるように、光接続構造1Aは、互いに接続される一対のフェルール10を備えている。各フェルール10は、互いに同一の形状を有する透明な樹脂製の部材である。各フェルール10は、略直方体状の外観を有しており、接続方向である第1方向(図中の矢印A1)に対向する前端10a及び後端10bと、第1方向A1と交差する第2方向(図中の矢印A2)に対向する側面10c(第1側面)及び側面10d(第2側面)とを有する。側面10c及び側面10dは、前端10aと後端10bとを連結するように第1方向A1に沿って延びている。これらのフェルール10は、一方が他方に対して軸対象に反転して対向した状態にて、所定の接続方向(第1方向A1)に沿って互いに接続されている。また、フェルール10は、挿入部14を有する。挿入部14は後端10bに形成されており、挿入部14には、複数本の光ファイバ(光導波路部材)を含む光ファイバ束F1が挿入されている。一方のフェルール10の光ファイバは、一方及び他方のフェルール10を介して、他方のフェルール10の光ファイバと光学的に結合される。なお、以下の説明では、一対のフェルール10のうち一方の構成について主に述べるが、他方のフェルール10の構成も同様である。
図2は、フェルール10の外観を示す斜視図である。図3は、図2のIII−III線に沿った断面を示す側断面図である。図4は、図3の一部分Gを拡大して示す側断面図である。なお、説明の便宜のため、図3及び図4には、光ファイバ束F1を構成する各光ファイバF2が示されている。図2〜図4に示されるように、フェルール10は、開口12(第1開口)と、開口13(第2開口)と、挿入部14と、複数本の保持孔16(図3を参照)とを備えている。
挿入部14はフェルール10の後端10bに設けられており、第1方向A1に沿って延びる空間によって構成されている。挿入部14には、複数本の光ファイバF2を含む光ファイバ束F1が挿入される。複数本の保持孔16は、挿入部14と開口12との間を貫通しており、方向A2に並ぶ複数段(本実施形態では2段)にわたって設けられる。更に、各段において方向A1及びA2と交差する方向に二以上の保持孔16が並んで配置される。複数本の光ファイバF2は、それぞれ対応する保持孔16に挿入されて保持される。各保持孔16の径は、各光ファイバF2の外径よりも僅かに大きく設定される。保持孔16と同様に、複数本の光ファイバF2は、方向A2に沿って並ぶ複数段(例えば2段)にわたって設けられ、各段において方向A1及びA2と交差する方向に二以上の光ファイバF2が並んで配置される。
開口12は、側面10cに形成されており、側面10dに向けて凹んでいる。開口12は、前端10a側の側面である第1面12aと、後端10b側の側面である第2面12bとを含む。第1面12a及び第2面12bは方向A2に沿ってそれぞれ延びており、第1面12aと第2面12bとは互いに対向している。前述した保持孔16は、第2面12bと挿入部14との間を貫通している。
図4に示されるように、第1面12aは光入出射部26を含む。光入出射部26では、光ファイバF2の一端が配置されることによって、光ファイバF2を導波する光L1が入射若しくは出射する。一実施例では、光入出射部26において、光ファイバF2の一端が第1面12aに当接する。本実施形態では、光入出射部26は、方向A2に沿って並ぶ複数段(本実施形態では2段)にわたって設けられている。
第1面12aは、開口12の底面12eから側面10cに向けて階段状に形成された支持面12cを有する。支持面12cには、方向A2に沿って並ぶ複数段(本実施形態では2段)にわたって支持部22(第1支持部)が設けられている。これらの支持部22は、保持孔16から突き出した光ファイバF2を保持する。ここで、図5は、図4に示されたV−V断面を示す断面図であって、図4とは上下が逆(すなわち側面10cが上側)になっている。図5に示されるように、支持部22は、方向A1及びA2と交差する方向A3に沿って複数並んで設けられ、各支持部22は、支持面12cに形成された溝23によって構成されている。これらの溝23は、光ファイバF2を収容して保持する。支持部22の位置は、光ファイバF2が溝23に当接したとき、レンズ36(図3を参照)の光軸に光ファイバF2の光軸が適合されるように設計されている。従って、光ファイバF2は溝23に当接した状態で接着される。
図6(a)は、溝23の断面形状の例を示す図である。溝23は、方向A1に垂直な断面形状を円弧状とされ、側面10cに向けて方向A2に開く開放部23aを含む。そして、方向A1における溝23の少なくとも一部において、開放部23aの幅W1が溝23の直径D1よりも小さく、且つ、溝23の深さH1が溝23の曲率半径R1よりも大きい。言い換えれば、方向A1に垂直な断面において、各溝23は略C字状を呈している。これにより、光ファイバF2の断面において最も幅の広い部分が溝23の内部に位置する状態で、開放部23aの幅W1を光ファイバF2の直径Dfよりも小さくすることができる。したがって、光ファイバF2が溝23から抜け出ることを効果的に抑制し、信頼性を高めることができる。
また、図6(a)に示された溝23に代えて、図6(b)に示される溝23Aが支持部22を構成しても良い。図6(b)に示されるように、溝23Aは、方向A1に垂直な断面形状を円弧状とされ、側面10cに向けて方向A2に開く開放部23bを含む。そして、方向A1における溝23Aの少なくとも一部において、溝23Aの深さH1が溝23の曲率半径R1よりも小さい。これにより、光ファイバF2の断面において最も幅の広い部分が溝23Aの外部に位置することとなり、光ファイバF2を溝23Aに容易に導くことができ、組み立ての作業性が向上する。
図4に示されるように、支持部22は、後端10b側に一端22a(第1端)を有する。そして、第N段(Nは2以上の整数)の一端22aは、第N段に対し側面10d側に位置する第(N−1)段の一端22aに対して前端10a側に位置する。言い換えれば、方向A1及びA2によって規定される平面に沿った断面(すなわち図4に示される断面)における第1面12aの形状は、側面10d側から側面10cに向けて開口12を徐々に拡げるような形状となっている。
また、第2面12bは、開口12の底面12eから側面10cに向けて階段状に形成された支持面12dを有する。支持面12dには、方向A2に沿って並ぶ複数段(本実施形態では2段)にわたって支持部24(第2支持部)が設けられている。これらの支持部24は、それぞれ対応する保持孔16から連続している。支持部24は、保持孔16から突き出した光ファイバF2を保持する。ここで、図7は、図4に示されたVII−VII断面を示す断面図である。図7に示されるように、支持部24は、方向A3に沿って複数並んで設けられ、各支持部24は、支持面12dに形成された溝25によって構成されている。これらの溝25は、光ファイバF2を収容して保持する。
図8(a)は、溝25の断面形状の例を示す図である。溝25は、方向A1に垂直な断面形状を円弧状とされ、側面10cに向けて方向A2に開く開放部25aを含む。そして、方向A1における溝25の少なくとも一部において、開放部25aの幅W2が溝25の直径D2よりも小さく、且つ、溝25の深さH2が溝25の曲率半径R2よりも大きい。言い換えれば、方向A1に垂直な断面において、各溝25は略C字状を呈している。これにより、光ファイバF2の断面において最も幅の広い部分が溝25の内部に位置する状態で、開放部25aの幅W2を光ファイバF2の直径Dfよりも小さくすることができる。したがって、光ファイバF2が溝25から抜け出ることを効果的に抑制し、信頼性を高めることができる。
また、図8(a)に示された溝25に代えて、図8(b)に示される溝25Aが支持部24を構成しても良い。図8(b)に示されるように、溝25Aは、方向A1に垂直な断面形状を円弧状とされ、側面10cに向けて方向A2に開く開放部25bを含む。そして、方向A1における溝25Aの少なくとも一部において、溝25Aの深さH2が溝25Aの曲率半径R2よりも小さい。これにより、光ファイバF2の断面において最も幅の広い部分が溝25Aの外部に位置することとなり、光ファイバF2を溝25Aに容易に導くことができ、組み立ての作業性が向上する。
図4に示されるように、支持部24は、前端10a側に一端24a(第2端)を有する。そして、第N段の一端24aは、第(N−1)段の一端24aに対して後端10b側に位置する。言い換えれば、方向A1及びA2によって規定される平面に沿った断面(すなわち図4に示される断面)における第2面12bの形状は、側面10d側から側面10cに向けて開口12を徐々に拡げるような形状となっている。
再び図2及び図3を参照する。開口13は、開口12と後端10bとの間において側面10cに形成されており、側面10dに向けて凹んでいる。開口13は、前端10a側の側面である第3面13aと、後端10b側の面である第4面13bとを含む。第3面13a及び第4面13bは方向A2に沿ってそれぞれ延びており、第3面13aと第4面13bとは互いに対向している。更に、開口13は挿入部14と連通しており、保持孔16は、第2面12bと第3面13aとの間を貫通している。
図9は、開口13を拡大して示す断面図である。図9に示されるように、光ファイバF2には、被覆31が設けられている。光ファイバF2の一端から所定長さの部分では被覆31が除去され、該被覆31が除去された部分が保持孔16に挿入されている。そして、第3面13aには、光ファイバF2のうち被覆31によって覆われた部分(被覆部分)を保持する被覆支持部27が設けられている。
被覆支持部27は、方向A2に沿って並ぶ複数段(本実施形態では2段)にわたって設けられている。被覆支持部27は、開口13の底面(すなわち挿入部14の側面10d側の側面)13eから側面10cに向けて階段状に形成された支持面13cに設けられており、それぞれ対応する保持孔16に連続している。被覆支持部27は、保持孔16に挿入された光ファイバF2の被覆部分を第3面13aにおいて支持する。ここで、図10は、図9に示されたX−X断面を示す断面図である。図10に示されるように、被覆支持部27は、方向A3に沿って複数並んで設けられ、各被覆支持部27は、支持面13cに形成された溝28によって構成されている。これらの溝28は、被覆31に覆われた光ファイバF2を収容して保持する。
図11(a)は、溝28の断面形状の例を示す図である。図11(a)に示されるように、溝28は、方向A1に垂直な断面形状を円弧状とされ、側面10cに向けて方向A2に開く開放部28aを含む。溝28の曲率半径は、前述した溝23及び25の曲率半径よりも大きい。そして、方向A1における溝28の少なくとも一部において、開放部28aの幅W3が溝28の直径D3よりも小さく、且つ、溝28の深さH3が溝28の曲率半径R3よりも大きい。言い換えれば、方向A1に垂直な断面において、各溝28は略C字状を呈している。これにより、光ファイバF2及び被覆31の断面において最も幅の広い部分が溝28の内部に位置する状態で、開放部28aの幅W3を被覆31の直径Dcよりも小さくすることができる。したがって、光ファイバF2が溝28から抜け出ることを効果的に抑制し、信頼性を高めることができる。
また、図11(a)に示された溝28に代えて、図11(b)に示される溝28Aが被覆支持部27を構成しても良い。図11(b)に示されるように、溝28Aは、方向A1に垂直な断面形状を円弧状とされ、側面10cに向けて方向A2に開く開放部28bを含む。そして、方向A1における溝28Aの少なくとも一部において、溝28Aの深さH3が溝28Aの曲率半径R3よりも小さい。これにより、光ファイバF2および被覆31の断面において最も幅の広い部分が溝28Aの外部に位置することとなり、光ファイバF2を溝28Aに容易に導くことができ、組み立ての作業性が向上する。
図9に示されるように、被覆支持部27は、後端10b側に一端27aを有する。そして、第N段の一端27aは、第(N−1)段の一端27aに対して後端10b側に位置する。言い換えれば、方向A1及びA2によって規定される平面に沿った断面(すなわち図9に示される断面)における第3面13aの形状は、側面10d側から側面10cに向けて開口13を徐々に拡げるような形状となっている。
再び図2及び図3を参照する。本実施形態のフェルール10は、第1当接面31aと、第2当接面31bと、光透過面32と、光反射面34と、レンズ36とを更に備えている。図2に示されるように、本実施形態では第1当接面31aが方向A1及び方向A2と交差する方向に2箇所並んで設けられている。第1当接面31aには、方向A1に延びるガイドピン挿入孔38が形成されている。第2当接面31bは、方向A2において第1当接面31aと並んで設けられ、方向A1において第1当接面31aよりも後方に設けられる。第2当接面31bからは、ガイドピン39が方向A1に沿って突出している。一対のフェルール10が互いに接続される際、一方のフェルール10のガイドピン39が他方のフェルール10のガイドピン挿入孔38に挿入されると同時に、一方のフェルール10の第2当接面31bが他方のフェルール10の第1当接面31aに当接する。同様に、他方のフェルール10のガイドピン39が一方のフェルール10のガイドピン挿入孔38に挿入されると同時に、他方のフェルール10の第2当接面31bが一方のフェルール10の第1当接面31aに当接する。これにより、方向A1における一対のフェルール10同士の相対位置が決定される。
光反射面34は、2つの第1当接面31aの間に設けられている。光反射面34は、方向A1に対して角度45°を成している。光透過面32は、方向A1に沿って延びる面であり、光反射面34に対して方向A2に並んで設けられている。一方のフェルール10の光透過面32は、他方のフェルール10の光透過面32と対向する。光入出射部26(図4参照)から方向A1に沿って延びる光軸L1は、光反射面34において直角に曲折され、方向A2に沿って光透過面32を通過し、他方のフェルール10の光透過面32に達する。レンズ36は、光入出射部26と光学的に接続され、光軸L1上に設けられている。本実施形態では、レンズ36は光反射面34に形成されている。レンズ36は、光ファイバF2から出射された光をコリメートし、また、他方のフェルール10から受けた光を収束して光ファイバF2に入射させる。
図12は、光軸L1付近を拡大して示す断面図である。図12に示されるように、本実施形態のフェルール10は、光路長補償部30を備えている。光路長補償部30は、複数の光入出射部26のそれぞれと、各光入出射部26に対応するレンズ36との間の光路長差を補償するための構造である。すなわち、光路長補償部30において、光入出射部26とレンズ36との間の光路長が各段間で互いに等しくなるように、方向A1における各段の光入出射部26の位置が設定される。本実施形態では、光路長補償部30は光ファイバF2が突き当てられて光入出射部26を成すストップ面37によって構成されている。各段のストップ面37は、方向A1において互いに異なる位置に設けられている。言い換えれば、各段のストップ面37は、各段のストップ面37とレンズ36との間の光路長が互いに等しくなるように、方向A1において互いにオフセットされている。
ここで、本実施形態のフェルール10を射出成型により作製する際の金型の構成について説明する。図13は、開口12及び開口13それぞれに金型42及び44それぞれが配置されている状態(すなわち成型中)を示す断面図である。金型42は、開口12の第1面12a及び第2面12bの形状に対応する表面形状を有しており、支持面12c及び12dを形成する。また、金型44は、開口13の第3面13aの形状に対応する表面形状を有しており、支持面13cを形成する。金型42及び金型44には、保持孔形成ピン46が挿通されるための孔が形成されており、保持孔形成ピン46によって保持孔16、支持部22,24及び被覆支持部27が形成される。保持孔形成ピン46の先端は金型42から露出して光入出射部26を形成する。したがって、保持孔形成ピン46の先端は鏡面研磨される。フェルール10の成型後、保持孔形成ピン46は方向A1に沿って抜出される。また、金型42及び44は、側面10c側から方向A2に沿って抜出される。
以上の構成を備える本実施形態のフェルール10によって得られる作用効果について説明する。このフェルール10では、光ファイバF2が挿入部14から挿入されるとともに保持孔16に挿通され、その一端が開口12内に突出する。そして、光ファイバF2の一端は、開口12の第1面12aに設けられた支持部22により支持される。このため、開口12内での光ファイバF2の一端の動きが抑えられるので、光ファイバF2とレンズ36との相対位置精度の低下を抑制できる。従って、本実施形態によれば、光損失の少ないフェルール10を得ることができる。
また、図4に示されたように、支持部22の第N段の一端22aは、第(N−1)段の一端22aに対して前端10a側に位置しても良い。この場合、前述したように、方向A1及び方向A2によって規定される平面に沿った断面における第1面12aの形状は、側面10d側から側面10cに向けて開口12を徐々に拡げるような形状となる。よって、例えば樹脂成形などによりフェルール10を形成する場合、図13に示されたように、側面10c側から抜き取ることが可能な金型42を用いて開口12を形成することができる。したがって、簡易な工程にて当該フェルール10を形成することができる。また、樹脂が金型42の表面に沿って確実に充填されるので、気泡の混入が更に抑制される。
また、図6に示されたように、支持部22は円弧状の溝23又は23Aであってもよく、該溝23(23A)は方向A2に開く開放部23a(23b)を含んでも良い。このような支持部22によって、光ファイバF2の一端を好適に支持することができる。また、接着剤を溝23(23A)に充填した後に光ファイバF2を溝23(23A)に導入する際、気泡を巻き込んだとしても、その気泡は開放部23a(23b)から抜け出る。従って、光ファイバF2と第1面12aとの間に残存する気泡を更に低減し、光結合効率の低下を更に抑えることができる。
また、本実施形態のように、方向A2に並ぶ複数段にわたって光ファイバF2を支持する支持部24が第2面12bに設けられても良い。これにより、開口12内における光ファイバF2の動きをより効果的に抑え、光ファイバF2とレンズ36との相対位置精度の低下を更に抑制することができる。なお支持部22が設けられない場合であっても、支持部24が設けられることによって、開口12内における光ファイバF2の動きをより効果的に抑えることができる。すなわち、支持部22及び24のうち少なくとも一方をフェルール10が備えることにより、本実施形態による上記効果を好適に奏することができる。また、支持部22に加えて支持部24が設けられることにより、支持部22に光ファイバF2を導く作業が容易になる。すなわち、光ファイバF2の挿入時に、第2面12bと第1面12aとの間で光ファイバF2の位置がずれない様に、支持部24によって光ファイバF2を保持することができる。
また、支持部24の第N段の一端24aは、第(N−1)段の一端24aに対して後端10b側に位置しても良い。この場合、前述したように、方向A1及び方向A2によって規定される平面に沿った断面における第2面12bの形状は、側面10d側から側面10cに向けて開口12を徐々に拡げるような形状となる。よって、例えば樹脂成形などによりフェルール10を形成する場合、図13に示されたように、側面10c側から抜き取ることが可能な金型42を用いて開口12を形成することができる。したがって、簡易な工程にて当該フェルール10を形成することができる。また、樹脂が金型42の表面に沿って確実に充填されるので、気泡の混入が更に抑制される。
また、図8に示されたように、支持部24は円弧状の溝25又は25Aであってもよく、該溝25(25A)は方向A2に開く開放部25a(25b)を含んでも良い。このような支持部24によって、光ファイバF2を好適に支持することができる。
また、本実施形態のように、挿入部14と連通する開口13の第3面13aに、光ファイバF2の被覆部分を保持する被覆支持部27が設けられても良い。これにより、被覆付きの光ファイバF2をフェルール10に容易に固定することができる。また、被覆付きの光ファイバF2を用いることができ、光ファイバF2の強度を高めることができる。さらに、被覆支持部27を構成する溝28は他の溝23,25よりも直径が大きいので、被覆が除去された光ファイバF2を保持孔16に挿入する作業が容易になる。
また、図13に示されるように、本実施形態の金型42及び金型44は、側面10c側から抜出可能となっている。金型42,44を互いに同じ向きに抜出することができるので、樹脂成形時における金型の取り扱いが容易になる。また、金型42,44を互いに同じ向きに抜出することができる場合、方向A2におけるフェルール10の所定厚さT1に対するフェルール10の中実部分が増えるので、フェルール10の機械的強度を高めることができる。更に、光入出射部26における光ファイバF2の固定状態の検査を、一方向から開口12及び開口13を介して容易に行うことができる。
(第1変形例)
図14は、上記実施形態の第1変形例を示す断面図であって、光入出射部26付近を拡大して示す。上記実施形態では、光入出射部26が設けられた第1面12aまで支持部22が延びていたが、支持部22は、第1面12aまで延びていなくてもよい。その場合、図14に示されるように、溝23と第1面12aとの間には、間隔Bが設けられる。
図14は、上記実施形態の第1変形例を示す断面図であって、光入出射部26付近を拡大して示す。上記実施形態では、光入出射部26が設けられた第1面12aまで支持部22が延びていたが、支持部22は、第1面12aまで延びていなくてもよい。その場合、図14に示されるように、溝23と第1面12aとの間には、間隔Bが設けられる。
図15は、本変形例に係るフェルールの成型中の様子を示す断面図であって、支持部22付近を拡大して示す。本変形例では、金型42における保持孔形成ピン46を挿通する孔が貫通孔ではない。保持孔形成ピン46の端面46aは、第1面12aを形成する金型42の側面に達しておらず該側面よりもやや後方に位置する。このように配置される保持孔形成ピン46によっても、本変形例の溝23が好適に形成される。そして本変形例では、光入出射部26(図14参照)を形成するために金型42の側面のみを鏡面加工すればよく、保持孔形成ピン46の端面46aの鏡面加工が不要となる。従って、金型42の研磨が容易となり、光を散乱しない平滑な光入出射部26を容易に得ることができる。
(第2変形例)
図16は、上記実施形態の第2変形例に係るフェルール10Aの側断面図である。本変形例と上記実施形態との相違点は、開口の構造である。すなわち、本変形例のフェルール10Aは、上記実施形態の開口12に代えて、開口17(第1開口)を備えている。開口17は、側面10cに形成され、側面10dに向けて凹んでいる。開口17は、前端10a側の側面である第1面17aを含む。第1面17aは方向A2に沿って延びている。
図16は、上記実施形態の第2変形例に係るフェルール10Aの側断面図である。本変形例と上記実施形態との相違点は、開口の構造である。すなわち、本変形例のフェルール10Aは、上記実施形態の開口12に代えて、開口17(第1開口)を備えている。開口17は、側面10cに形成され、側面10dに向けて凹んでいる。開口17は、前端10a側の側面である第1面17aを含む。第1面17aは方向A2に沿って延びている。
また、本変形例に係るフェルール10Aは、開口18(第3開口)を更に備えている。開口18は、側面10dから開口17に連通するように形成されている。開口18は、後端10b側の側面である第2面18bを含む。第2面18bは方向A2に沿って延びている。第1面17aと第2面18bとは、部分的に互いに対向している。保持孔16は、第2面18bと挿入部14との間を貫通している。
第1面17aは光入出射部26を含む。一実施例では、光入出射部26において、光ファイバF2の一端が第1面17aに当接する。本変形例においても、光入出射部26は、方向A2に沿って並ぶ複数段(例えば2段)にわたって設けられている。また、第1面17aには、方向A2に沿って並ぶ複数段(例えば2段)にわたって支持部52(第1支持部)が設けられている。支持部52は、側面10d側から側面10cに向けて階段状に形成された支持面に設けられており、保持孔16から突き出した光ファイバF2を第1面17aにおいて保持する。なお、支持部52の構成は、上記実施形態の支持部22と同様である。
第2面18bには、側面10c側から側面10dに向けて階段状に形成された支持面18cが形成されている。これらの支持面18cには、方向A2に沿って並ぶ複数段(例えば2段)にわたって支持部54(第2支持部)が設けられている。これらの支持部54は、それぞれ対応する保持孔16から連続しており、保持孔16から突き出した光ファイバF2を支持する。
支持部54の構成は、下記の点を除いて、上記実施形態の支持部24と同様である。すなわち、第N段の支持部54の前端10a側の一端は、第N段に対し側面10c側に位置する第(N−1)段の支持部54の前端10a側の一端に対し、後端10b側に位置する。言い換えれば、方向A1及びA2によって規定される平面に沿った断面(すなわち図16に示される断面)における第2面18bの形状は、側面10c側から側面10dに向けて第3開口18を徐々に拡げるような形状となっている。
また、本変形例に係るフェルール10Aは、上記実施形態の開口13に代えて、開口19(第2開口)を備えている。開口19は、開口18と後端10bとの間において側面10dに形成されており、側面10cに向けて凹んでいる。開口19は、前端10a側の側面である第3面19aを含む。第3面19aは方向A2に沿って延びている。更に、開口19は挿入部14と連通しており、保持孔16は、第2面18bと第3面19aとの間を貫通している。また、第3面19aには、光ファイバF2のうち被覆31によって覆われた部分(被覆部分)を保持する被覆支持部29が設けられている。なお、被覆支持部29の構成は、上記実施形態の被覆支持部27と同様である。
図17(a)は、開口17及び開口18それぞれに金型42A及び42Bそれぞれが配置されている状態(すなわち成形中)を示す断面図である。金型42Aは、図16に示された開口17の第1面17aの形状に対応する表面形状を有しており、支持部52を形成する。また、金型42Bは、開口18の第2面18bの形状に対応する表面形状を有しており、支持部54を形成する。図17(b)に示されるように、フェルール10の成型後、金型42Aは側面10c側から方向A2に沿って抜き出され、金型42Bは側面10d側から方向A2に沿って抜き出される。
本変形例の構成においても、上記実施形態と同様に、開口17,18内での光ファイバF2の一端の動きが抑えられるので、光ファイバF2とレンズ36との相対位置精度の低下を抑制できる。従って、本変形例によれば、光損失の少ないフェルール10Aを得ることができる。
(第3変形例)
図18及び図19は、上記実施形態の第3変形例に係るフェルール10Bの構成を示す側断面図である。図18では光ファイバF2が示されており、図19では光ファイバF2が示されていない。本変形例と上記実施形態との相違点は、光の入出射方向である。上記実施形態では方向A2に沿って光の入出射が行われていたが、本変形例では方向A1に沿って光の入出射が行われる。具体的には、本変形例のフェルール10Bは上記実施形態の前端10aに代えて前端10fを備える。前端10fは方向A2に沿って延びる平坦面であり、他方のフェルール10Bの前端10fと当接する。そして、前端10fには凹部10gが設けられ、該凹部10gの底面に凸レンズ61が3段にわたって一体的に形成されている。
図18及び図19は、上記実施形態の第3変形例に係るフェルール10Bの構成を示す側断面図である。図18では光ファイバF2が示されており、図19では光ファイバF2が示されていない。本変形例と上記実施形態との相違点は、光の入出射方向である。上記実施形態では方向A2に沿って光の入出射が行われていたが、本変形例では方向A1に沿って光の入出射が行われる。具体的には、本変形例のフェルール10Bは上記実施形態の前端10aに代えて前端10fを備える。前端10fは方向A2に沿って延びる平坦面であり、他方のフェルール10Bの前端10fと当接する。そして、前端10fには凹部10gが設けられ、該凹部10gの底面に凸レンズ61が3段にわたって一体的に形成されている。
また、本変形例のフェルール10Bでは、保持孔16が、方向A2に並ぶ3段にわたって設けられている。光ファイバF2は、それぞれ対応する保持孔16に挿入されて保持される。保持孔16と同様に、光ファイバF2は、方向A2に沿って並ぶ3段にわたって設けられている。また、開口12の第1面12a、第2面12b、及び開口13の第3面13aに設けられる支持部22,24,27は、それぞれ方向A2に並ぶ3段にわたって設けられている。
但し、本変形例では、側面10dに近い側から数えて第1段及び第2段の支持部22が、第1面12aに形成されて溝23と連続する孔12gを含む。すなわち、本変形例の支持部22は、後端10b側にのみ開放部23a(または23b)を有し、前端10a側には開放部を有しない。そして、第1段及び第2段の光ファイバF2の先端部は、対応する孔12gに挿入されて保持される。これにより、方向A1における各段の光ファイバF2の端面の位置が揃っており、各光ファイバF2の端面とレンズ61との光学距離が互いに等しくなっている。したがって、上記実施形態に示された光路長補償部が不要となる。
図20は、開口12及び開口13それぞれに金型42及び44それぞれが配置されている状態(すなわち成型中)を示す断面図である。金型42は、開口12の第1面12a及び第2面12bの形状に対応する表面形状を有しており、支持面12c及び12dを形成する。また、金型44は、開口13の第3面13aの形状に対応する表面形状を有しており、支持面13cを形成する。金型42及び金型44には、保持孔形成ピン46が挿通されるための孔が形成されており、保持孔形成ピン46によって保持孔16、支持部22,24及び被覆支持部27が形成される。また、第1段及び第2段の保持孔形成ピン46は、孔12gを同時に形成する。保持孔形成ピン46の先端は、光入出射部を形成するので鏡面研磨される。フェルール10の成型後、保持孔形成ピン46は方向A1に沿って抜出される。また、また金型42及び44は、側面10c側から方向A2に沿って抜出される。
本変形例の構成においても、上記実施形態と同様に、開口12内での光ファイバF2の一端の動きが抑えられるので、光ファイバF2とレンズ61との相対位置精度の低下を抑制できる。従って、本変形例によれば、光損失の少ないフェルール10Bを得ることができる。
(第4変形例)
図21は、上記実施形態の第4変形例に係るフェルールの側断面図である。本変形例では、一対のフェルールが互いに接続されるのではなく、一つのフェルールが基板上に実装され、発光素子や受光素子などの光素子と光学的に結合される。本変形例のフェルール10Cは、上記実施形態のフェルール10と同様の構成を有しており、側面10cが基板70の主面70aに接している。光透過面32を通る光軸L1は、主面70a上に実装された光素子71に達する。
図21は、上記実施形態の第4変形例に係るフェルールの側断面図である。本変形例では、一対のフェルールが互いに接続されるのではなく、一つのフェルールが基板上に実装され、発光素子や受光素子などの光素子と光学的に結合される。本変形例のフェルール10Cは、上記実施形態のフェルール10と同様の構成を有しており、側面10cが基板70の主面70aに接している。光透過面32を通る光軸L1は、主面70a上に実装された光素子71に達する。
本変形例のようなフェルール10Cであっても、上記実施形態と同様に、支持部22によって開口12内での光ファイバF2の一端の動きが抑えられるので、光ファイバF2とレンズ36との相対位置精度の低下を抑制できる。従って、本実施形態によれば、光損失の少ないフェルール10を得ることができる。
1A…光接続構造、10,10A〜10C…フェルール、10a,10f…前端、10b…後端、10c…第1側面、10d…第2側面、12…第1開口、12a…第1面、12b…第2面、12c,12d…支持面、12e…底面、13…開口、13a…第3面、13b…第4面、13c…支持面、14…挿入部、16…保持孔、22,24,27…支持部、23,25,28…溝、23a,23b,25a,25b,28a,28b…開放部、26…光入出射部、27…被覆支持部、30…光路長補償部、31…被覆、31a…第1当接面、31b…第2当接面、32…光透過面、34…光反射面、36…レンズ、37…ストップ面、38…ガイドピン挿入孔、39…ガイドピン、42,44…金型、46…保持孔形成ピン、52,54…支持部、61…凸レンズ、70…基板、71…光素子、F1…光ファイバ束、F2…光ファイバ。
Claims (10)
- 接続方向である第1方向に並ぶ前端及び後端と、前記前端及び前記後端を繋ぐとともに前記第1方向と交差する第2方向に互いに対向する第1側面及び第2側面とを有するフェルールであって、
前記後端に形成され、光導波路部材が挿入される挿入部と、
前記光導波路部材の一端が配置されることにより、前記光導波路部材によって導波される光が入射若しくは出射する光入出射部と、
前記光入出射部と光学的に接続されるレンズと、
前記第2方向に並ぶ複数段にわたって設けられ、前記光導波路部材を保持する保持孔と、
前記第1側面に形成され、前記前端側の第1面を含む第1開口と、
を備え、
前記保持孔は、前記挿入部と前記第1開口との間を貫通しており、
前記第1面は前記光入出射部を含み、前記第2方向に並ぶ複数段にわたって前記光導波路部材を支持する第1支持部が前記第1面に設けられている、フェルール。 - 前記第1支持部は、前記後端側に第1端を有し、
第N段(Nは2以上の整数)の前記第1端は、前記第N段に対し前記第2側面側に位置する第(N−1)段の前記第1端に対して前記前端側に位置する、請求項1に記載のフェルール。 - 前記第1支持部は円弧状の溝であり、該溝は前記第2方向に開く開放部を含む、請求項1または2に記載のフェルール。
- 前記第1開口が前記後端側の第2面を更に含み、
前記保持孔が前記挿入部と前記第2面との間を貫通しており、
前記第2方向に並ぶ複数段にわたって前記光導波路部材を支持する第2支持部が前記第2面に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェルール。 - 前記第2支持部は、前記前端側に第2端を有し、
第N段(Nは2以上の整数)の前記第2端は、前記第N段に対して前記第2側面側に位置する第(N−1)段の前記第2端に対して前記後端側に位置する、請求項4に記載のフェルール。 - 前記第2支持部は円弧状の溝であり、該溝は前記第2方向に開く開放部を含む、請求項4または5に記載のフェルール。
- 前記第1方向における前記溝の少なくとも一部において、前記開放部の幅が前記溝の直径よりも小さく、前記溝の深さが前記溝の半径よりも大きい、請求項3または6に記載のフェルール。
- 前記第1方向における前記溝の少なくとも一部において、前記溝の深さが前記溝の半径よりも小さい、請求項3または6に記載のフェルール。
- 前記第1開口と前記後端との間において前記第1側面または前記第2側面に形成され、前記挿入部と連通しており、前記前端側の第3面及び前記後端側の第4面を含む第2開口を更に備え、
前記保持孔は、前記第3面と前記第1開口との間を貫通しており、
前記光導波路部材の被覆部分を支持する被覆支持部が前記第3面に設けられている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフェルール。 - 接続方向である第1方向に対向する前端及び後端と、前記第1方向と交差する第2方向に対向する第1側面及び第2側面とを備えるフェルールであって、
前記後端に形成され、光導波路部材が挿入される挿入部と、
前記光導波路部材の一端が配置されることにより、前記光導波路部材によって導波される光が入射若しくは出射する光入出射部と、
前記光入出射部と光学的に接続されるレンズと、
前記第2方向に並ぶ複数段にわたって設けられ、前記光導波路部材を保持する保持孔と、
前記第1側面及び前記第2側面のうち一方の側面に形成され、前記前端側の第1面及び前記後端側の第2面を含む第1開口と、
を備え、
前記保持孔は、前記挿入部と前記第2面との間を貫通しており、
前記第1面は前記光入出射部を含み、
前記第2方向に並ぶ複数段にわたって前記光導波路部材を支持する第2支持部が前記第2面に設けられている、フェルール。
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Family Applications (1)
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JP2014187687A Pending JP2016061834A (ja) | 2014-09-16 | 2014-09-16 | フェルール |
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JP (1) | JP2016061834A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022064937A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | 住友電気工業株式会社 | フェルール、光コネクタ、及び光コネクタを製造する方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2014
- 2014-09-16 JP JP2014187687A patent/JP2016061834A/ja active Pending
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