JP2016060893A - 塗布材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の壁材には、壁紙(クロス)などの建築素材や接着剤から出る環境ホルモンを遮断したり、室内の湿度を調整したり、空気を清浄化する目的で珪藻土が使われたり、珪藻土に抗酸化素材を混ぜて使われることがあった。しかし、抗酸化素材には殺菌効果があったが、同時に常在菌が活性化しにくいという問題があった。
【解決手段】本発明は、上記の課題で述べたような従来の壁材が有していた問題を解決しようとするものであり、住人に有益な常在菌を活性化させ、外部からの菌やウイルスに対し抵抗力を高める壁材及び壁材の製造方法を提供することを目的とする。住人に有益な常在菌を活性化させ、外部からの菌やウイルスに対し抵抗力を高めるために、植物性乳酸菌によって腐葉土を発酵させて得た堆肥と、珪藻土と、粘着剤からなる壁材及びその製造方法を提供する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ホルムアルデヒドなどの環境ホルモンによる人体への影響やシックハウス症候群など、住環境に起因する症状の改善を図った塗布材とその製造方法に関する。
従来の塗布材には、珪藻土や抗酸化素材によって、壁紙(クロス)などの建築素材や接着剤から出る環境ホルモンを遮断したり、室内の湿度を調整したり、空気を清浄化するものがある。
上記に述べた従来の塗布材では、建築素材から出る環境ホルモンを遮断する目的で珪藻土が使われたり、珪藻土に抗酸化素材を混ぜて使われることがあった。しかし、抗酸化素材には殺菌効果があったが、同時に常在菌が活性化しにくいという問題があった。
本発明は、このような従来の塗布材が有していた問題を解決しようとするものであり、住人に有益な常在菌を活性化させ、外部からの菌やウイルスに対し抵抗力を高める塗布材及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の塗布材は、人体に有益な常在菌を保持するための堆肥と、前記常在菌の住処となる珪藻土と、前記堆肥と前記珪藻土とを接着して塗布しやすくするための接着剤とを混合したものである。
前記堆肥は、腐葉土を植物性乳酸菌溶液と混合し、前記植物性乳酸菌溶液中の前記植物性乳酸菌で発酵させて得る。前記腐葉土には、針葉樹のものと広葉樹のものがあるが、針葉樹よりも広葉樹のほうが発酵に適している。針葉樹の腐葉土は、前記植物性乳酸菌と混合しても発酵の変化が乏しく、堆肥を得るのに適していない。前記堆肥を得るのに適している広葉樹の腐葉土は、例えば、クヌギ、サクラ、ツバキなどのものがあるが、他の広葉樹についても同様の効果がある。
上記の前記植物性乳酸菌溶液は、前記植物性乳酸菌を培養するのに適した植物と、前記植物性乳酸菌と、前記植物性乳酸菌の餌と、水とを混合する工程を経て、密封容器の中で前記植物性乳酸菌を培養して得る。前記植物性乳酸菌を培養するのに適した植物には、例えば玄米、無洗米、白米、押麦、胚芽押麦などがあるが、培養の途中や長期間の保存において変質や腐敗が少ない理由で、胚芽押麦を使用する。
前記植物性乳酸菌を培養するのに適した植物には、通常、前記植物性乳酸菌が存在する。前記植物性乳酸菌は、前記胚芽押麦に付着しているものを使用する。
前記植物性乳酸菌の餌は、黒砂糖と、食塩を使用する。前記植物性乳酸菌は、密封容器の中で培養して得るが、培養の状態は、内部で発酵が起こって密封容器が膨らむ現象や、前記植物性乳酸菌溶液の匂いの変化を観察して確認する。前記植物性乳酸菌の餌は、グラニュー糖を使用した場合よりも、ミネラルを含んだ黒砂糖と食塩を使用した方が、発酵による変化が大きく、前記植物性乳酸菌がより活性化していると考えられるため、培養に適している。前記植物性乳酸菌を密封容器の中で培養する理由は、嫌気性の植物性乳酸菌の方が、好気性乳酸菌や動物性乳酸菌よりも、変質や腐敗のリスクが少ないからである。容器を密封しない条件で好気性乳酸菌を培養しようとすると、乳酸菌以外の他の雑菌も同時に培養してしまい、変質や腐敗の原因になる。また、乳製品などに含まれる動物性乳酸菌を培養しようとすると、乳製品の成分が変質や腐敗の原因になるからである。
次に、前記珪藻土は、塗布した後も前記植物性乳酸菌を保護するため、土や砂、樹脂などの混入が少ない内壁用のものを使用する。また、珪藻土の特徴として知られている優れた吸湿性、消臭性、断熱性などを利用するために、なるべく純粋で、細かく破砕しすぎないものを使用する。
次に、前記接着剤は、塗布した後も前記植物性乳酸菌を保護するため、有機溶剤や環境ホルモンを含まない、でんぷん糊又は、障子糊又は、木工用樹脂ボンドなどの接着剤のうち、どれか1つ以上を使用する。
なお、上記の、前記人体に有益な常在菌について、説明する。前記堆肥を得るために、腐葉土を植物性乳酸菌溶液と混合し、前記植物性乳酸菌溶液中の前記植物性乳酸菌で発酵させる工程において、発酵の途中でアルコール臭が生じるため、前記腐葉土には酵母菌が存在すると考えられる。また、発酵の途中で前記腐葉土の表面に菌膜(バイオフィルム)が生じるため、前記腐葉土には好気性の枯草菌が存在すると考えられる。枯草菌は、タンパク質分解酵素を作るために利用されたり、納豆を作るための納豆菌として利用されることで知られている。
前記堆肥を得る工程で前記常在菌が酵素を発生させることで、本発明の塗布材は、前記常在菌が生存しながら、同時に、臭いを分解したり他の雑菌を寄り付きにくくするといった、抗酸化素材としての特徴も併せ持つと考えられる。
上述したように本発明の塗布材は、珪藻土が持つ建築素材からの環境ホルモンを遮断する効果、及び人体に有益な常在菌を室内において活性化する効果を発揮するものである。
本発明の実施の形態を示す製造工程図。 本発明の実施の形態を示す製造工程図。 本発明の実施の形態を示す製造工程図。 本発明の実施の形態を示す製造工程図。 本発明の実施の形態を示す製造工程図。 本発明の実施の形態を示す製造工程図。 本発明の実施の形態を示す製造工程図。 本発明の実施の形態を示す製造工程図。 本発明の実施の形態を示す製造工程図。 本発明の実施の形態を示す製造工程図。
以下、本発明の実施の形態1を、図1、2、3、4、5に示す製造工程図に基いて説明する。
まず、植物性乳酸菌を培養するのに適した植物と、前記植物性乳酸菌と、前記植物性乳酸菌の餌と、水とを混合する第1工程について説明する。
植物性乳酸菌を培養するのに適した植物として、胚芽押麦を使用する。前記植物性乳酸菌は、前記胚芽押麦の表面に存在しているものを利用する。前記植物性乳酸菌の餌として、黒砂糖と、食塩とを使用する。図1において、密封出来るフタが付いた10リットルの飲料水用容器1に水2を9割ほど入れて、黒砂糖3を300グラム、食塩4を100グラム溶かし、撹拌棒5で混合させた後、胚芽押麦6を180グラムを目安に適量入れる。胚芽押麦6の表面には、通常、植物性乳酸菌7が存在している。胚芽押麦6を使用することで、植物性乳酸菌7を培養する効果が顕著である。
次に、密封容器1の中で前記植物性乳酸菌7を培養し、植物性乳酸菌溶液を得る第2工程について説明する。
図2において、図1の容器1をフタ8で密封して、前記植物性乳酸菌7を培養し、植物性乳酸菌溶液9を得る。容器1を密封するのは、胚芽押麦6の表面に存在している嫌気性の植物性乳酸菌7を増やすためである。培養の期間は3日間が目安である。なお、電気アンカなどで摂氏35度前後の温度を維持すると培養しやすい。容器1のフタ8を緩めて膨張した空気が漏れる段階になれば、後に説明する腐葉土10を発酵させるのに使用できる。空気が漏れない場合は、匂いなどで発酵を確認する。なお、ヨモギなどの野草を入れることで、植物性乳酸菌7を発酵させやすく、のちの工程で確認しやすいが、野草は季節的なものであるため、適宜、追加する必要が生じる。
次に、図2で得た前記植物性乳酸菌溶液9を腐葉土と混合して発酵させることにより、堆肥を得る第3工程について説明する。
前記腐葉土は、広葉樹のものを使用する。前記植物性乳酸菌溶液9を腐葉土と混合するのにフタ付きのバケツを使用する。図3において、腐葉土10を6リットルのバケツ11に8分目ほどを目安に入れる。次に、前記密封容器1の中で培養して得た前記植物性乳酸菌溶液9を、なるべく胚芽押麦6が入らないように調理用オタマジャクシ12を使って前記容器1からすくい、前記腐葉土10がバケツ内で混合できる程度の量を入れる。次に、前記植物性乳酸菌溶液9と前記腐葉土10を混合するために撹拌棒13で撹拌して、図4に示すようにフタ14をして約5日間発酵させ、堆肥15を得る。なお、バケツ11は完全に密封しなくても良い。実験では、前記バケツ11で約8分目の腐葉土10と混合するのに、前記植物性乳酸菌溶液9を約1リットル使用した。
次に、前記腐葉土10を発酵させて得た堆肥15を珪藻土と水と粘着剤とともに混合する第4工程について説明する。
図5において、図4で前記腐葉土10を発酵させて得た堆肥15を左官用のフネ16の中に入れて、珪藻土17と水18と粘着剤19を加えて、ヘラ20で前記左官用のフネ16の中全体を十分に混ぜ返す。珪藻土17の1坪分(=1.8キログラム)に対して、腐葉土10を発酵させて出来た堆肥15を1.3キログラムから1.9キログラムの範囲で混合する。粘着剤19は、障子糊または木工用ボンドなどの内、環境ホルモンを含まない表示のあるものを、約300グラムを目安に適量使用する。
なお、実験により、珪藻土と堆肥との混合比率が9:8の時、効果が顕著であった。
以上のようにして出来た塗布材を、壁などに塗布することによって、使用する。
上記実施の形態1で出来た塗布材は、1枚の表面に塗布したもので実験を行った。Lサイズのフォトフレームに上記塗布材を塗布したものを設置したところ、近くにいる人が仕事中に居眠りをするようになったという報告があった。上記塗布材を塗布したB5コルクボードを3枚、並列に並べてツイタテとして用いたところ、近くにいると聞こえにくかった耳がよく聞こえるようになったという報告があった。本発明の塗布材は、単に珪藻土を塗布するよりも、堆肥と混合した分の厚みがあるため、珪藻土の吸音特性が増して部屋の残響ノイズが吸収され、それにより相手の話し声が聴きやすくなり、又は音楽のパートが聞き分けやすくなったことで、聴覚の回復力を刺激したと考えられる。
いずれの場合も、周囲の空気が良くなって部屋の音響効果が向上した、何らかの響き(波動)を感じたという報告があった。これらの現象の理由として、発明の効果が空気の清浄化を助けることなどにより、その結果、近くにいる人にリラクゼーション効果が生じたと考えられる。
次に、本発明の実施の形態2を、図1、2、6、7、8、9、10に示す製造工程図に基いて説明する。
まず、植物性乳酸菌を培養するのに適した植物と、前記植物性乳酸菌と、前記植物性乳酸菌の餌と、水とを混合する第1工程について説明する。
植物性乳酸菌を培養するのに適した植物として、胚芽押麦を使用する。前記植物性乳酸菌は、前記胚芽押麦の表面に存在しているものを利用する。前記植物性乳酸菌の餌として、黒砂糖と、食塩とを使用する。図1において、密封出来るフタが付いた10リットルの飲料水用容器1に水2を9割ほど入れて、黒砂糖3を300グラム、食塩4を100グラム溶かし、撹拌棒5で混合させるため撹拌した後、胚芽押麦6を180グラムを目安に適量入れる。胚芽押麦6の表面には通常、植物性乳酸菌7が存在している。胚芽押麦6を使用することで、植物性乳酸菌7を培養する効果が顕著である。
次に、密封容器1の中で前記植物性乳酸菌7を培養し、植物性乳酸菌溶液を得る第2工程について説明する。
図2において、図1の容器1をフタ8で密封して、前記植物性乳酸菌7を培養し、植物性乳酸菌溶液9を得る。容器1を密封するのは、胚芽押麦6の表面に存在している嫌気性の植物性乳酸菌7を増やすためである。培養の期間は3日間が目安である。なお、電気アンカなどで摂氏35度前後の温度を維持すると培養しやすい。容器1のフタ8を緩めて膨張した空気が漏れる段階になれば、後に説明する腐葉土10を発酵させるのに使用できる。空気が漏れない場合は匂いなどで発酵を確認する。なお、ヨモギなどの野草を入れることで、植物性乳酸菌7を発酵させやすく、のちの工程で確認しやすいが、野草は季節的なものであるため、適宜、追加する必要が生じる。
次に、図2で得た前記植物性乳酸菌溶液9を腐葉土と混合して発酵させることにより、堆肥を得る第3工程について説明する。
前記腐葉土は、広葉樹のものを使用する。前記植物性乳酸菌溶液9を前記腐葉土と混合するのにフタ付きのバケツを使用する。本発明の実施の形態1で述べた工程とは別に、腐葉土を破砕して植物性乳酸菌溶液9と混合する方法について述べる。
図6において、前記植物性乳酸菌溶液9と同じくらいの濃度の、黒砂糖21と、食塩22と、水23からなる溶液24を製造する。例として、約1リットルの溶液24を得るためには、容器25の中に黒砂糖21を30グラム、食塩22を10グラム、水23を1リットルを入れて、撹拌棒26で混合する。
次に図7において、腐葉土27を、図6で得た前記黒砂糖21と食塩22と水23からなる溶液24とともに調理用ミキサー28で破砕して、腐葉土の溶液を得る。前記腐葉土27を徐々に加えながら、破砕された葉がゲル状になるように調整する。
次に、図8において、図2で得た前記植物性乳酸菌溶液9と、図7で前記調理用ミキサー28で破砕して得た前記腐葉土の溶液29とを混合する。前記調理用ミキサー28で破砕して得た腐葉土の溶液29を6リットルのバケツ30に8分目ほどを目安に入れる。次に、前記密封容器1の中で培養して得た前記植物性乳酸菌溶液9を、なるべく前記胚芽押麦6が入らないように調理用オタマジャクシ31を使って前記容器1からすくい、腐葉土の溶液29が発酵出来る程度の量をバケツ30に入れる。次に、前記植物性乳酸菌溶液9と前記調理用ミキサー28で破砕して出来た腐葉土の溶液29を混合するために撹拌棒32で撹拌して、図9に示すようにフタ33をして約5日間発酵させ、堆肥34を得る。なお、前記バケツ30は完全に密封しなくても良い。実験では、前記6リットルのフタ付きのバケツ30で約8分目の前記腐葉土の溶液29と混合するのに、図2で得た前記植物性乳酸菌溶液9を約0.5リットル使用した。また、前記腐葉土27を前記調理用ミキサー28で破砕して前記腐葉土の溶液29を得る理由は、出来上がった塗布材を塗布しやすくしたり、塗布した表面を平坦にして文字を書いたり絵を描いたりしやすくし、製品としての美観を高めるためである。この図8で、前記植物性乳酸菌溶液9を前記バケツ30に入れる際に、なるべく胚芽押麦6そのものを前記容器1に残す理由は、前記容器1内の前記植物性乳酸菌溶液9が使用して減った場合でも、前記胚芽押麦6が残っていた場合には、図6に示したような、前記容器1内の前記植物性乳酸菌溶液9と同じくらいの濃度の、黒砂糖21と食塩22と水23を混合して得た溶液24を加えることで、植物性乳酸菌溶液9を新たに作り足すことが容易であるためである。
次に、前記腐葉土の溶液29を発酵させて得た堆肥34を珪藻土と水と粘着剤とともに混合する第4工程について説明する。
図10において、図9で前記腐葉土の溶液29を発酵させて得た堆肥34を左官用のフネ35の中に入れて、珪藻土36と水37と粘着剤38を加えてヘラ39で前記左官用のフネ35の中全体を十分に混ぜ返す。1坪分(=1.8キログラム)の前記珪藻土36に対して、前記堆肥34を1.3キログラムから1.9キログラムの範囲で混合する。前記粘着剤38は、障子糊または木工用ボンドなどの内、環境ホルモンを含まない表示のあるものを、約300グラムを目安に適量使用する。
なお、実験により、珪藻土と堆肥との混合比率が9:8の時、効果が顕著であった。
以上のようにして出来た塗布材を、壁などに塗布することによって、使用する。
なお、上記実施の形態2で出来た塗布材は、板の両面に塗布したものや、コルクボードを重ねたもので実験を行った。上記塗布材を両面に塗布した木の板を手に持ったところ、持っていて気持ちが良く癒しのパワーを強く感じた、という報告があった。上記塗布材を塗布したB5コルクボードを3枚、重ねて用いたところ、癒しのパワーを強く感じた、という報告があった。いずれの場合も、何らかの響き(波動)を感じたという報告があった。これらの現象の理由として、塗布材が空気の清浄化を助けることなどにより、その結果、近くにいる人にリラクゼーション効果が生じたと考えられる。
以上、実施の形態1及び2で説明したように、本発明の塗布材は、珪藻土が持つ建築素材からの環境ホルモンを遮断する効果および人体に有益な常在菌を活性化する効果を発揮するものである。
実施の形態1及び2で、前記堆肥と、前記珪藻土と、前記接着剤とを、水と混合して、出来た塗布材を、壁に塗布したり、フォトフレームやメッセージボード、コルクボード、壁掛けの額、掛け時計、といった、平面の板や、置き時計、置物などに塗布して使用する。
なお、フォトフレームやコルクボードなどには、2ミリメートル以上の厚さで塗布材を塗布している。壁や大きいツイタテなどに塗布する際にも、例えば雨で湿気が多い日に湿度を調整する効果が顕著なため、2ミリメートル以上の厚さで塗布材を塗布することが望ましい。
また、完成後の塗布材を塗りやすくするために、上記の、本発明の実施の形態1において、前記植物性乳酸菌溶液9と前記腐葉土10を混合する前に、手動の製粉機又は、石臼又は、高温にならないミル、などの破砕機で前記腐葉土10を破砕してもよい。
本発明の塗布材の特徴は、堆肥を含んでいることである。それも、単に腐葉土を珪藻土と混合するのではなく、腐葉土を植物性乳酸菌で発酵させて前記堆肥を得ることで、塗布後の変質や腐敗がないように性質を安定させている。次に、前記堆肥と珪藻土を混合して使用することで、前記珪藻土が持つ、室内の湿度を調整したり、有害な環境ホルモンなどを吸収して分解したり、消臭したりといった効果が期待できる。また、単に前記珪藻土のみを塗布するよりも、前記珪藻土と前記堆肥とを混合することで、効果を顕著なものにするため塗布面の厚みを増すことに成功している。なお、前記珪藻土は多孔質材料であり、適切な厚みがあることで塗布後も多くの植物性乳酸菌が存在していると考えられる。そのため前記塗布材が、屋内においても森林浴をしたようなリラクゼーションや、大きな癒しの効果を発揮したと考えられる。また、空気が清浄化されることによって、室内にいる人の気分が良くなったり精神の安定を促すことで、落ち着いて仕事をするための助けとなり、業務上のミスを減らしたり、業務の生産性を向上させる効果が、間接的に期待出来ると考えられる。
一般的に、発酵や腐敗や消化などに見られる有機物の分解は酵素の働きによるものだと言われていて、単に腐葉土を利用するのとは違って、腐葉土を植物性乳酸菌で発酵させる過程においても酵素が生じるために、本発明の塗布材は、乳酸菌が生存しやすい環境を保持したまま抗酸化素材の性質をも併せ持つことで、変質や腐敗に強く、塗布後も、長期間メンテナンスが不要であると考えられる。
古来より日本人は、家屋の中でも自然素材に触れることが出来て、乳酸菌や酵母菌などの常在菌が豊富な環境で暮らしていた。それが今日では、有害な環境ホルモンによってアレルギーやシックハウス症候群などの原因になったり、抗菌素材に囲まれるようになったことで外部からの有害な雑菌やウイルスに対しての抵抗力が著しく低下する原因になったと考えられる。
現代建築においては、木材などが外国から安く輸入できるようになったことで家は建てやすくなったが、同時に人が住みにくい家が建ってしまったと言える。
本発明の塗布材は、珪藻土が持つ建築素材からの環境ホルモンを遮断する効果および人体に有益な常在菌を活性化する効果を発揮することで、現代人が屋内で自然素材に触れることが出来る、古代人が過ごしていたような住環境を再現し、住む人の治癒力、回復力、抵抗力を高める一助となることを、目的としている。
なお、ここに記載したものは、この発明の1例であって、これに限定されるものではなく、この発明を逸脱しない範囲内で様々な変形や修正や応用例も含まれる。
1 密封可能の容器
2 水
3 黒砂糖
4 食塩
5、26 撹拌棒
6 胚芽押麦
7 植物性乳酸菌
8 フタ
9 植物性乳酸菌溶液
10 腐葉土
11、30 バケツ
12、31 調理用オタマジャクシ
13、32 撹拌棒
14、33 フタ
15 堆肥
16、35 左官用のフネ
17、36 珪藻土
18、37 水
19、38 粘着剤
20、39 ヘラ
21 黒砂糖
22 食塩
23 水
24 黒砂糖21と食塩22と水23を混合して得た溶液
25 容器
27 腐葉土
28 調理用ミキサー
29 腐葉土の溶液
34 堆肥

Claims (13)

  1. 人体に有益な常在菌を保持する堆肥と、前記常在菌の住処となる珪藻土と、前記堆肥と前記珪藻土とを接着して塗布しやすくするための接着剤からなる塗布材。
  2. 前記堆肥が、植物性乳酸菌溶液を用いて腐葉土を発酵させたものである請求項1に記載の塗布材。
  3. 前記植物性乳酸菌溶液中の植物性乳酸菌を、胚芽押麦から得たものである請求項2に記載の塗布材。
  4. 前記植物性乳酸菌を培養するための餌として、黒砂糖と、食塩とを用いてなる請求項3に記載の塗布材。
  5. 前記腐葉土として、広葉樹の葉を用いたものである請求項2に記載の塗布材。
  6. 前記珪藻土として、内壁用の珪藻土を用いたものである請求項1に記載の塗布材。
  7. 前記接着剤として、環境ホルモンを含まない、でんぷん糊又は、障子糊又は、木工用樹脂ボンドなどの接着剤のうち、どれか1つ以上を用いたものである請求項1に記載の塗布材。
  8. 人体に有益な常在菌を保持するための堆肥と、前記常在菌の住処となる珪藻土と、前記堆肥と前記珪藻土とを接着して塗布しやすくするための接着剤とを混合する工程を備えた、塗布材の製造方法。
  9. 前記堆肥を得るための工程が、植物性乳酸菌溶液を腐葉土と混合して発酵させる工程からなる請求項8に記載の塗布材の製造方法。
  10. 前記植物性乳酸菌溶液を得るための工程が、前記植物性乳酸菌を培養するのに適した植物と、前記植物性乳酸菌と、前記植物性乳酸菌の餌と、水とを混合する工程を経て、密封容器の中で前記植物性乳酸菌を培養する工程からなる請求項8に記載の塗布材の製造方法。
  11. 前記餌として、黒砂糖と、食塩とを用いたものである請求項8に記載の塗布材の製造方法。
  12. 前記腐葉土として、広葉樹の葉を用いたものである請求項8に記載の塗布材の製造方法。
  13. 前記接着剤として、環境ホルモンを含まない、でんぷん糊又は、障子糊又は、木工用樹脂ボンドなどの接着剤のうちどれか1つ以上を用いたものである請求項8に記載の塗布材の製造方法。
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