JP2016060736A - 糖代謝改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、モリンガの葉を原料として有し、かつ十分な糖代謝改善効果を発揮できる糖代謝改善剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出して得られる抽出物、その製造方法、該抽出物を有効成分とする糖代謝改善剤、該抽出物とウコギ科人参の酸処理物とを含有する内服組成物、及び該組成物の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖代謝改善剤に関する。
モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物は、ナミビア、マダガスカル、東アフリカと、アラビア半島、インドの熱帯から亜熱帯にかけて生育する落葉性植物である。モリンガ属に属する植物のうち、モリンガ・オレイフェラ(Moringa oleifera)は、根に香味があることからワサビノキと呼ばれることもあるが、わさび(山葵)とは異なる。葉や根の中にはカラシ油配糖体(イソチオシアネート類(辛味の成分)に糖が結合した成分)が含まれているため、多少辛味がある。
非特許文献1には、モリンガ(Moringa oleifera)の葉の水溶性抽出物に1型糖尿病モデル動物の血糖値を低下させる効果があることが記載されている。非特許文献2には、モリンガの葉のパウダーを2型糖尿病モデル動物に摂取させるとグルコース投与後の血中グルコース濃度(血糖値)を低下させる効果があることが記載されている。非特許文献3には、モリンガの葉のパウダーから得られる錠剤が、1型糖尿病モデル動物の血糖値を低下させる効果がある記載されている。非特許文献4には、モリンガがベンジルアミンを含み、ベンジルアミンに2型糖尿病モデル動物の血糖値を低下させる効果があること、ベンジルアミンの代謝物(過酸化水素)にインスリン様の効果があることが記載されている。
J Ethnopharmacol.2009 Jun 25;123(3):392−6. J Clin Biochem Nutr.2007 May;40(3):229−33 J Diet Suppl.2013 Sep;10(3):252−63 Pharmacol Res.2010 Apr;61(4):355−63.
しかし、非特許文献1のモリンガの葉の抽出物、及び非特許文献2のパウダー、及び非特許文献3の錠剤には、生活習慣に起因する高血糖に対して十分な抑制効果を有するものはなかった。また、非特許文献1には、モリンガの葉の抽出条件が高血糖抑制効果に影響することは記載されていない。
本発明は、モリンガの葉を原料として有し、かつ十分な糖代謝改善効果を発揮できる糖代謝改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の鋭意検討を重ねた。その結果、モリンガ属に属する植物の葉を低級アルコールで抽出して得られる抽出物は、非特許文献4にてその代謝物が体内でインスリン様の効果があるとされているベンジルアミンを、検出限界以下程度しか含んでいないにも拘らず、糖代謝改善効果を有することを見出した。本発明は斯かる知見に基づいてなされた。
本発明は下記の〔1〕〜〔8〕を提供する。
〔1〕モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出して得られる抽出物を有効成分とする糖代謝改善剤。
〔2〕低級アルコールがエタノールである、〔1〕に記載の糖代謝改善剤。
〔3〕ウコギ科人参の酸処理物を更に含有する、〔1〕又は〔2〕に記載の糖代謝改善剤。
〔4〕ウコギ科人参が田七人参である、〔3〕に記載の糖代謝改善剤。
〔5〕モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出して得られる抽出物と、ウコギ科人参の酸処理物とを含有する内服組成物。
〔6〕モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出して得られる抽出物。
〔7〕モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出する、モリンガ葉抽出物の製造方法。
〔8〕モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出し、得られる抽出物と、ウコギ科人参を酸で処理して得られるウコギ科人参酸処理物とを混合する、組成物の製造方法。
本発明によれば、良好な糖代謝改善作用を発揮することができる糖代謝改善剤が提供される。本発明の糖代謝改善剤の有効成分は、糖代謝改善作用を発揮し得るだけでなく香味が良好であるので、内服組成物としても有用である。
図1は、試験1の各群の摂取前後における血糖値の変化を示す図である。 図2は、試験2の各群の摂取前後における血糖値の変化を示す図である。
本発明において、糖代謝改善剤の有効成分は、モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉の抽出物(以下、モリンガ葉抽出物と略記することがある)である。
モリンガ(ワサビノキ)属に属する植物としては、例えば、モリンガ・オレイフェラ(Moringa oleifera)、モリンガ・コンカネンシス(Moringa concanensis)、モリンガ・ドロウハルディ(Moringa drouhardii)等が挙げられる。
モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物は、モリンガ・オレイフェラであることが好ましい。モリンガ・オレイフェラは、インド原産の落葉小高木であり、その学名はMoringa oleifera LAM.(M.pterygosperma)である。モリンガ・オレイフェラにはまた、ホースラディッシュツリー(Horseradish tree)、ベンナッツ(Ben nut)、Malungai(タガログ語)、Sanjanaa(ヒンズー語)などの多くの別名がある。
モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉は、そのままでもよいし、乾燥、粉末化処理等の処理を施されたものでもよい。モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉は、粉末であることが好ましい。
モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉は市販品であってもよい。市販品は、例えば宮良モリンガ農園で購入することができる。
モリンガ葉抽出物は、モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を、有機溶媒抽出法及び/又は超臨界抽出法により得ればよい。斯かる方法により得られる抽出物は、水性抽出物と比較して十分な糖代謝改善作用を発揮することができる。
有機溶媒抽出法による場合、モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を有機溶媒で抽出してモリンガ葉抽出物を得ることができる。抽出に使用される有機溶媒としては、例えば、低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の炭素数1〜4の1価若しくは多価アルコール)、飽和炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等)が挙げられる。有機溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
有機溶媒としては、低級アルコールが好ましく、炭素数1〜4の1価アルコールがより好ましく、エタノールが更に好ましい。これにより、糖代謝改善作用に優れるモリンガ葉抽出物を得ることができる。
抽出に使用される有機溶媒は、少量の水を含んでいてもよい。抽出に使用される有機溶媒中の水の含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、水を含まないことが更により好ましい。これにより、糖代謝改善作用に優れるモリンガ葉抽出物を得ることができる。
葉に対する抽出溶媒の質量比(抽出溶媒/葉)は、好ましくは5〜100、より好ましくは5〜50である。
抽出温度は、抽出溶媒の融点以上沸点以下の範囲とし得る。抽出溶媒の種類にもよるが、抽出温度は、好ましくは−20℃〜78℃、より好ましくは4℃〜36℃、更に好ましくは15℃〜30℃である。
抽出時間は、特に制限されないが、通常、30分間〜2日間の範囲であり、好ましくは1時間〜1日間の範囲である。
抽出は、上記条件の下、攪拌下又は静止状態下で実施してよい。抽出はまた、抽出溶媒を還流させつつ実施してもよい。なお、抽出の回数に特に制限はなく、複数回繰り返してもよい。
抽出の後、濾過、遠心分離等により葉残渣を除去し、減圧等により抽出溶媒を除去して、固形物としてモリンガ葉抽出物を得ることができる。
超臨界法による場合、モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を超臨界抽出してモリンガ葉抽出物を得ることができる。
超臨界抽出に使用される溶媒としては、臨界温度が600K以下の溶媒が好ましく、例えば、二酸化炭素、飽和炭化水素(好ましくは炭素数1〜4の飽和炭化水素)、低級アルコール(好ましくは炭素数1〜4の1価アルコール)が挙げられる。斯かる溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。2種以上の溶媒を混合して使用する場合、少なくとも1種の溶媒が超臨界状態になっていればよい。
臨界温度が比較的低く、取り扱い性にも優れることから、超臨界抽出に使用される溶媒としては、二酸化炭素が好ましい。
超臨界抽出の条件は、使用する溶媒によって異なるが、二酸化炭素を使用する場合、温度40℃〜80℃、圧力15MPa〜45MPa、抽出時間1時間〜6時間とすることが好ましい。
二酸化炭素を使用した超臨界抽出では、抽出の後に圧力を低下させることにより、二酸化炭素から抽出物を分離することができる。なお、二酸化炭素に加えて又は二酸化炭素に代えて低級アルコール等の他の溶媒を使用する場合は、抽出の後に圧力を低下させることにより二酸化炭素を分離した後、必要に応じて、減圧等により上記他の溶媒を除去してもよい。
本発明において、糖代謝改善剤は、ウコギ科人参の抽出物を更に含んでいてもよく、含んでいることが好ましい。なお、糖代謝改善剤は、2種以上の成分を含む場合、糖代謝改善組成物と言い換えることもできる。
ウコギ科人参の抽出物としては、水抽出物又は酸処理物が好ましく、酸処理物がより好ましい。ウコギ科人参の酸処理物の調製は、例えば国際公開第2010/029915号及び特開2011−12005号公報に記載される方法に従えばよく、ウコギ科人参を強酸水溶液及び低級アルコールの存在下で加水分解処理した後、濾過して得ることができる。
ウコギ科人参としては、例えば、御種人参(朝鮮人参、高麗人参とも別称される)、田七人参などが挙げられ、田七人参が好ましい。
ウコギ科人参は、天然から採取されたそのままの状態で使用してもよいが、例えば、洗浄、乾燥、裁断、破砕、粉砕等の処理を適宜組み合わせた前処理を施してから使用をすることで、後述する加水分解処理をより効率的に行うことが可能となる。これらの中でも、ウコギ科人参としては、粉砕処理を施した粉末状のものを使用することが好ましい。なお、ウコギ科人参は、市販品を利用してもよい。市販品の具体例としては、田七人参粉末、田七人参水抽出エキス末(共に、松浦薬業株式会社製)などが挙げられる。
以下、酸処理物の粉末を効率的に得る観点から特に好適な製造方法を例示する。
好適な一実施形態において、ウコギ科人参の酸処理物は、ウコギ科人参を所定の濃度の強酸水溶液及び低級アルコールの存在下で加水分解処理し(加水分解処理工程)、得られた加水分解処理後の液を中和し(中和工程)、濾過し(濾過工程)、濾別された残渣を乾燥する(乾燥工程)ことにより製造することができる。
<加水分解処理工程>
加水分解処理工程において、ウコギ科人参に所定の濃度の強酸水溶液を作用させ、ウコギ科人参中のサポニンを加水分解処理し、サポゲニンを生成させる。
前記強酸水溶液としては、強酸を含む水溶液であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸を含む水溶液が好ましく、塩酸を含む水溶液が特に好適である。前記強酸水溶液における酸の濃度は、0.01mol/L〜4mol/Lであり、中でも、0.5mol/L〜3mol/Lであることが好ましい。前記酸の濃度が、0.01mol/L未満であると、加水分解が不十分で効率よくサポゲニンが生成されないという問題が生じ、4mol/Lを超えると、加水分解が進み過ぎる、コスト的に不利である等の問題が生じる。一方、前記酸の濃度が、前記好ましい範囲内であると、十分な加水分解による効率の良いサポゲニン生成の点で、有利である。
前記強酸水溶液は、ウコギ科人参に対して、2〜20倍容量を使用することが好ましい。前記強酸水溶液の使用量が、ウコギ科人参に対して、2倍容量未満であると、ウコギ科人参が十分に浸らず加水分解処理が不十分になること等があり、20倍容量を超えると、コスト的に不利になること等がある。
前記加水分解処理は、低級アルコールの存在下で行うことがより好ましい。低級アルコールを使用することにより、ウコギ科人参と、前記強酸水溶液との親和性を向上させ、効率よく加水分解を進めることが可能となる。また、低級アルコールを使用することにより、得られる酸処理物の、味や取扱い性を高めることができる点でも、有利である。
低級アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、メタノール、エタノール、プロパノールが好ましく、安全性の点からエタノールがより好ましい。
加水分解処理工程における低級アルコールの使用量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加水分解液総量に対して、1〜80容量%であることが好ましく、10〜50容量%であることがより好ましく、20〜40容量%であることが更に好ましい。低級アルコールの使用量が、加水分解液総量に対して、1容量%未満であると、効率よくサポゲニンが生成されないこと等があり、80容量%を超えると、効率よくサポゲニンが生成されないことや、コスト的に不利になること等がある。一方、低級アルコールの使用量が、前記更に好ましい範囲内であると、効率の良いサポゲニンの生成の点で、有利である。なお、前記「加水分解液総量」とは、前記強酸水溶液、及び、前記低級アルコールを含めた全反応液量をいう。
なお、前記加水分解液総量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウコギ科人参に対し、2〜20倍容量とすることが好ましい。加水分解液総量が、ウコギ科人参に対して、2倍容量未満であると、ウコギ科人参が十分に浸らず加水分解処理が不十分になること等があり、20倍容量を超えると、コスト的に不利になること等がある。
加水分解処理工程における処理温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60〜100℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。前記処理温度が、60℃未満であると、加水分解が不十分で効率よくサポゲニンが生成されないこと等があり、100℃を超えると、特殊な製造設備が必要となり、コスト的に不利になること等がある。一方、前記処理温度が、前記より好ましい範囲内であると、効率の良いサポゲニンの生成の点で、有利である。
また、加水分解処理工程における処理時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30分間〜24時間が好ましく、2〜8時間がより好ましい。前記処理時間が、30分間未満であると、加水分解が不十分で効率よくサポゲニンが生成されないこと等があり、24時間を超えると、反応が進みすぎたり、コスト的に不利になること等がある。一方、前記処理時間が、前記より好ましい範囲内であると、効率の良いサポゲニンの生成の点で、有利である。
<中和工程>
中和工程においては、加水分解工程で得られる液を中和する。
中和は、特に制限はなく、公知の手法により行うことができ、例えば、加水分解処理後の液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基の水溶液を適宜加えることにより、行うことができる。なお、中和工程は、中和後のpHが5〜8となるように実施することが好ましい。
<濾過工程>
濾過工程においては、中和工程で得られた液を濾過し、濾液と残渣とに分離する。
濾過は、特に制限はなく、吸引ろ過等の公知の手法により行うことができる。なお、濾過後は、更に塩がなくなるまで水洗を繰り返してもよい。
加水分解処理を低級アルコールの存在下で行った場合、濾過前に、中和工程で得られた液に水を加えて液中の低級アルコール濃度を下げることが好ましい。これにより、サポゲニン含有量の高い酸処理物を得ることができる。この場合、添加する水の量は多いほどよいが、中和工程で得られた液中の低級アルコール濃度が低くなるように、具体的には、50容量%以下となるように添加することが好ましく、30容量%以下となるように添加することがより好ましく、10容量%以下となるように添加することが更に好ましい。
中和工程で得られた液中の低級アルコール濃度を、50容量%を超えたまま濾過に供すると、生成されたサポゲニンが低級アルコールに溶解して濾液として排出されてしまい、残渣中のサポゲニン含有量が減少してしまう点で不利となる。中和工程で得られた液中の低級アルコール濃度を、前記更に好ましい範囲内とすると、残渣中のサポゲニン含有率をより高めることができる。
濾過前に、中和工程で得られた液を減圧濃縮させることが好ましい。減圧濃縮により低級アルコールを留去することで、液中の低級アルコール濃度を下げることができ、サポゲニン含有量の高い酸処理物を得ることができる。この場合、濃縮温度は70℃以下が好ましく、40℃〜50℃がより好ましい。減圧濃縮は、低級アルコール濃度が好ましくは50容量%以下、より好ましくは30容量%以下、更に好ましくは10容量%以下となるように実施することが好適である。中和工程で得られた液を、該液中の低級アルコール濃度が50容量%を超えたまま濾過に供すると、生成されたサポゲニンが低級アルコールに溶解して濾液として排出されてしまい、残渣中のサポゲニン含有量が減少してしまう点で不利となる。一方、前記中和工程で得られた液を、該液中の低級アルコール濃度が前記更に好ましい範囲内とした後に濾過に供すると、より残渣中のサポゲニン含有率を高めることができる点で、有利である。
また、前記減圧濃縮処理と、前記加水処理とは、それぞれ単独の工程として濾過前に行ってもよいが、一連の工程として行ってもよい。一連の工程として行う場合、前記減圧濃縮処理の後に前記加水処理を行う。
<乾燥工程>
乾燥工程において、前記濾過工程で得られた残渣を乾燥し、酸処理物を得る。
乾燥は、特に制限はなく、公知の手法により行うことができ、例えば、凍結乾燥、通風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥など通常の方法が利用できる。
本発明において、モリンガ葉抽出物とウコギ科人参の抽出物を混合して、組成物を得ることができる。該組成物は、糖代謝改善作用を有する。混合方法は特に限定されず、公知の混合方法によることができる。該抽出物において、モリンガ葉抽出物とウコギ科人参の抽出物との質量比は、特に限定されないが、好ましくは1:0.01〜100、より好ましくは1:0.1〜30である。モリンガ葉抽出物とウコギ科人参の抽出物の組成物は、これら以外の成分を含んでいてもよい。該成分は、後段の糖代謝改善剤が含んでいてもよい他の成分(薬理学的に許容可能な担体)と同様である。
本発明の糖代謝改善剤における、モリンガ葉抽出物の含有量は、抽出原料としてのモリンガ葉の乾燥重量として1mg/day以上であることが好ましく、100mg/day以上であることがより好ましく、450mg/day以上であることが更に好ましい。これにより良好な糖代謝改善効果を得ることができる。上限は、同重量として100g/day以下であることが好ましく、8g/day以下であることがより好ましく、1.8g/day以下であることが更に好ましい。これにより、含有量に見合った糖代謝改善効果を得ることができる。モリンガ葉抽出物の含有量は、同重量として好ましくは1mg/day〜100g/day、より好ましくは100mg/day〜8g/day、更に好ましくは450mg/day〜1.8g/dayである。
本発明の糖代謝改善剤がモリンガ葉(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールにより抽出して得られる抽出物を含む場合、その含有量は、0.1mg以上であることが好ましく、10mg以上であることがより好ましく、45mg以上であることが更に好ましい。これにより、良好な糖代謝改善効果を得ることができる。上限は、10g/day以下であることが好ましく、800mg/dayであることがより好ましく、180mg/day以下であることが更に好ましい。これにより、含有量に見合った糖代謝改善効果を得ることができる。該抽出物の含有量は、好ましくは0.1mg/day〜10g/day、より好ましくは10mg/day〜800mg/day、更に好ましくは45mg/day〜180mg/dayである。
本発明において、糖代謝改善剤がウコギ科人参の抽出物を更に含む場合、モリンガ葉抽出物とウコギ科人参の抽出物との質量比は、好ましくは1:0.01〜100、より好ましくは1:0.1〜30である。
本発明において、糖代謝改善剤は、ウコギ科人参の抽出物に代えて、又はウコギ科人参の抽出物とともに、補助成分を含有してもよい。これにより糖代謝改善作用を更に向上させることができる。補助成分としては、例えば、ウコギ科人参、ウコギ科人参に含まれる成分(例えば、サポニン及びその代謝産物(コンパウンドKなど)、パナキサジオール、パナキサトリオール、プロトパナキサジオール、並びにプロトパナキサトリオールに代表されるサポゲニン)から選ばれる1種以上の成分が挙げられる。
本発明の糖代謝改善剤は、糖代謝改善作用を発揮する。糖代謝改善とは、通常、糖代謝異常を予防又は改善すること;低い糖代謝を活性化して高めること;高い糖代謝をそのまま維持する又は低下を防止すること、である。糖代謝異常及び低下の原因は、特に限定されないが、生活習慣が代表的な原因である。糖代謝改善作用としては、例えば、血糖値の上昇を抑制する作用、血糖値を低下させる作用、正常な血糖値をそのまま維持する作用、高血糖を改善する作用が挙げられる。本発明の糖代謝改善剤は、血糖値上昇抑制剤、血糖値低下剤、高血糖改善剤、糖尿病(例えば、1型及び2型、好ましくは2型)予防又は改善剤、メタボリックシンドローム予防又は改善剤等の剤として機能する。
糖代謝改善作用の評価は、高血糖モデル動物又は2型糖尿病モデル動物により評価することができる。高血糖モデル動物又は2型糖尿病モデル動物により評価する方法としては、特に制限はないが、例えば、通常食や高脂肪食に本発明の糖代謝改善剤を配合した餌を動物に与えつつ一定期間飼育し、飼育後の血糖値を測定する方法が挙げられる。
高血糖モデル動物及び2型糖尿病モデル動物としては、例えば、KKAyマウス(日本クレア株式会社)、ZDFラット(日本チャールスリバー株式会社)などが挙げられる。例えば、通常食としては特に制限はなく、CE−2(日本クレア株式会社)などの市販品を用いてもよい。また、高脂肪食としては、特に制限はなく、例えば、Quick−Fat(日本クレア株式会社)などの市販品を用いてもよい。
高血糖モデルマウスの飼育期間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択してよいが、例えば、4日間〜65日間とし得る。なお、高血糖モデルマウスに与える本発明の糖代謝改善剤の量は、モリンガの葉抽出物の量として、0.1mg/日〜1g/日、あるいはウコギ科人参の抽出物の量として0.1mg/日〜1g/日となる範囲が好ましい。これは、体重60kgのヒトの投与量に換算した場合、成分の量として20mg/日〜200g/日に相当する。
本発明の糖代謝改善剤は、糖代謝改善効果に優れると共に香味にも優れることから、継続して有効量を摂取し易い。よって、本発明の糖代謝改善剤は、飲食品、医薬品、医薬部外品として有用である。
本発明の糖代謝改善剤は、更に他の成分(薬理学的に許容可能な担体)を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、油性成分、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、着色剤、発色剤、矯味剤、着香剤、酸化防止剤、防腐剤、呈味剤、酸味剤、甘味剤、強化剤、膨張剤、増粘剤、界面活性剤などの任意成分が挙げられる。その他の成分は、最終製品である飲食品の剤形に応じたものであればよく、1種であっても2種以上であってもよい。
油性成分としては、例えば、脂肪酸エステル、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、部分けん化ポリビニルアルコール等の合成高分子、ゼラチン、アラビアゴム末、プルラン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、キタンサンガム等の多糖類、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等のスターチ及びその誘導体、乳糖、果糖、ブドウ糖、白糖、トレハロース、パラチノース、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、還元パラチノース、粉末還元麦芽糖水飴、マルチトール等の糖類及び糖アルコール類、軽質無水ケイ酸、微粒酸化ケイ素、酸化チタン、水酸化アルミニウムゲル等の無機賦形剤等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分α化デンプン等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デキストリン、デンプン、アルファー化デンプン等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸等が挙げられる。
本発明の糖代謝改善剤の投与形態は、特に限定されない。例えば、経口投与(例えば、口腔内投与、舌下投与など)、非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、経鼻投与、経肺投与など)などが挙げられる。これらの中でも侵襲性の少ない投与形態が好ましく、本発明の糖代謝改善剤は経口投与剤であることがより好ましい。
本発明の糖代謝改善剤の剤形としては、例えば、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、錠剤(錠剤、タブレット)、カプセル状(カプセル剤)、粉末状(顆粒、細粒)、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)、固形状、半液体状、クリーム状、ペースト状が挙げられる。
本発明の糖代謝改善剤は、健康食品、機能性食品、健康食品、健康補助食品(サプリメント)、栄養補助食品、特定保健用食品、医療用食品、病者用食品、乳児用食品、介護用食品、高齢者用食品等の飲食品として利用してもよい。
本発明の糖代謝改善剤の摂取対象者は特に制限されないが、糖尿病患者、糖尿病罹患リスクの高い対象者、糖尿病への罹患を予防したいと考えている対象者が例示される。
近年、糖尿病の病態は、空腹時の血糖値に基づいて、1)正常域、2)正常高値、3)境界域、及び4)糖尿病域の4つに分類されるようになってきている。各病態分類と空腹時の血糖値との関係を以下に示す。
1)正常域 :100mg/dL未満
2)正常高値:100mg/dL以上110mg/dL未満
3)境界域 :110mg/dL以上126mg/dL未満
4)糖尿病域:126mg/dL以上
本発明の糖代謝改善剤の摂取対象者は、空腹時の血糖値が上記の2)正常高値、3)境界域、4)糖尿病域のいずれかにある者が好適であり、空腹時の血糖値が上記の2)正常高値、3)境界域のいずれかにある者がより好適である。
なお、本発明の効果が奏される限り、本発明の糖代謝改善剤はヒト以外の動物に対して適用することも可能である。ヒト以外の動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、トリ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、サルなどが挙げられる。
本発明は、前記モリンガ葉抽出物と前記ウコギ科人参の抽出物を含有する内服剤組成物も提供する。モリンガ葉抽出物、ウコギ科人参の抽出物、それぞれの含有量、両者の質量比については、本発明の糖代謝改善剤において説明したのと同様である。また、補助成分を含んでもよいこと、補助成分の定義、更に他の成分(薬理学的に許容可能な担体)を含んでもよいこと、剤型、飲食品、医薬、医薬部外品等の用途についても、糖代謝改善剤において説明したのと同様である。
本発明の内服組成物は、通常は経口投与(例えば、口腔内投与、舌下投与など)される。
本発明の内服組成物の投与対象者は特に制限されないが、糖代謝改善効果を期待して摂取する場合には、糖尿病患者、糖尿病罹患リスクの高い対象者、糖尿病への罹患を予防したいと考えている対象者が例示される。中でも、空腹時の血糖値が、前述した糖尿病の病態のうち2)正常高値、3)境界域、4)糖尿病域のいずれかにある者が好適であり、空腹時の血糖値が上記の2)正常高値、3)境界域のいずれかにある者がより好適である。本発明の内服組成物の投与対象者は、ヒト以外の動物であってもよい。ヒト以外の動物については糖代謝改善剤において説明したとおりである。
空腹時の血糖値が上記の2)正常高値、3)境界域、4)糖尿病域のいずれかにある者が好適であり、空腹時の血糖値が上記の2)正常高値、3)境界域のいずれかにある者がより好適である。
本発明の糖代謝改善剤はヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、トリ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することも可能である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。下記実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
なお、以下の製造例及び実施例において用いたモリンガ葉パウダーは、石垣島産のモリンガ葉パウダー(宮良モリンガ農園より購入)である。
製造例1(モリンガ葉熱水抽出物の製造)
モリンガ葉パウダー(石垣島産、宮良モリンガ農園より購入)1gに対して10mL蒸留水を加え、90℃で2時間攪拌した。ろ紙でろ過後、抽出液を凍結乾燥した。100gのモリンガ葉パウダーを用いた場合に26.5gの抽出物を得た(収率26.5%)。
製造例2(モリンガ葉エタノール抽出物の製造)
モリンガ葉パウダー(製造例1と同じ)1gに対して10mLの99.5%エタノール(試薬特級)を加え、室温で2時間攪拌した。ろ紙でろ過後、抽出液をロータリーエバポレーターを用いて減圧乾固した。100gのモリンガ葉パウダーを用いた場合に9.5gの抽出物を得た(収率9.5%)。
製造例3(田七人参酸処理物の製造)
田七粉(松浦薬業株式会社製)1kgを、5.9質量%塩酸及び25容量%エタノールを含む水溶液(2mol/L濃度の塩酸加水分解液)10Lに懸濁し、ゆっくりと攪拌しながら80℃で6時間反応させた。これを氷上で冷却後、5M水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和した。次いで、蒸留水で10倍希釈し、吸引ろ過した後、残渣を凍結乾燥することにより、田七人参酸処理物180gを得た(収率18.0%)。
試験結果
試験1(実施例1及び比較例1〜3)
2型糖尿病モデルマウス(KK−Ayマウス、4週齢♂)を市販通常食(商品名:CE−2、日本クレア製)に対し、表1に示す各シーズを1%配合した飼料を与え、35日間飼育した。表1に示す各日の午前10時から11時の血糖値を測定した(各群の動物数=5〜7)。コントロール群では、シーズを配合しない市販通常食のみの飼料(無配合飼料)を与えた。なお、投与期間中、飼料は5.5g/dayの制限給餌とした。血糖値の測定は、ワンタッチウルトラ(ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)製)を用いて行った。測定回数は、各個体あたり1回とし、各個体の平均値を各群の血糖値として採用した。データのばらつきは標準誤差で示し、統計解析はTukey’s testにより行った。結果を表1及び図1に示す。
Figure 2016060736
〔表1の脚注〕
a,b:各投与日数の中で異符号間に5%以下の危険率で有意差あり(Tukey’s test)
(1)葉原末:モリンガ葉パウダー
(2)葉熱水抽出物:製造例1で得られたモリンガ葉熱水抽出物
(3)葉エタノール抽出物:製造例2で得られたモリンガ葉エタノール抽出物
無配合飼料投与群(コントロール群:比較例1)では初期値と比較して投与日数を重ねるにつれ、血糖値が上昇した。これに対して、モリンガ葉原末(比較例2)、モリンガ葉熱水抽出物(比較例3)を1%で配合した飼料を投与した群の血糖値は、コントロール群(比較例1)との間に差は認められなかった。一方、モリンガ葉エタノール抽出物を1%で配合した飼料を投与した群(実施例1)の血糖値は、投与21、28及び35日目でコントロール(比較例1)、モリンガ葉原末(比較例2)、モリンガ葉熱水抽出物群(比較例3)に対して5%の危険率で有意に低値を示した(表1、図1)。
本実施例の結果は、モリンガ葉エタノール抽出物にはモリンガ葉原末、モリンガ葉熱水抽出物よりも高い血糖値上昇抑制効果があることを示している。
試験2(実施例2及び比較例4〜7)
2型糖尿病モデルマウス(KK−Ayマウス、4週齢♂)を市販通常食(商品名:CE−2、日本クレア製)に対し、表2に示す各シーズを1%又は0.5%配合した飼料を与え、35日間飼育した。表2に示す各日の午前10時から11時の血糖値を測定した(各群の動物数=6〜7)。コントロール群では、シーズを配合しない市販通常食のみの飼料(無配合飼料)を与えた。なお、投与期間中、飼料は5.5g/dayの制限給餌とした。血糖値の測定は、ワンタッチウルトラ(ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)製)を用いて行った。測定回数は、各個体あたり1回とし、各個体の平均値を各群の血糖値として採用した。データのばらつきは標準誤差で示し、統計解析はTukey’s test又はStudent t testにより行った。結果を表2及び図2に示す。
Figure 2016060736
〔表2の脚注〕
a,b,c:各投与日数の中で異符号間に5%以下の危険率で有意差あり(Tukey’s test)
♯:投与日数0との比較で5%以下の危険率で有意差あり(Student t test)
(3)葉エタノール抽出物:製造例2で得られたモリンガ葉エタノール抽出物
(4)田七人参加工粉末:製造例3で得られた田七人参酸処理物
無配合飼料投与群(コントロール群:比較例4)では初期値と比較して投与日数を重ねるにつれ、血糖値が上昇した。これに対して、モリンガ葉エタノール抽出物を0.5%で配合した飼料を投与した群(比較例7)、田七人参酸処理抽出物(田七人参加工粉末)1%で配合した飼料を投与した群(比較例5)の血糖値は、投与21、28、35日目でコントロール群に対して5%の危険率で有意に低値を示した。モリンガ葉エタノール抽出物を1%で配合した飼料を投与した群(比較例6)の血糖値も、投与21、28、35日目でコントロール群に対して5%の危険率で有意に低値を示したが、モリンガ葉エタノール抽出物を0.5%で配合した飼料を投与した群(比較例7)との間に差は認められなかった。
一方、1%の田七人参加工粉末と0.5%のモリンガ葉エタノール抽出物を組合せて配合した飼料を投与した群(組み合わせ群:実施例2)の血糖値は、初期値(投与0日目)以外の全ての測定日でコントロール群に対して5%の危険率で有意に低値を示した。また、組み合わせ群(実施例2)の血糖値は、投与35日目においてそれぞれの単独(比較例5〜7)で配合した群に対して5%の危険率で有意に低値を示した。更に、投与35日目ではそれぞれの単独投与群(比較例5〜7)の血糖値は、初期値(投与0日目)に対して、5%の危険率で有意に高値を示したのに対して、組み合わせ群(実施例2)は初期値に対して5%の危険率で有意に低値を示した。つまり、それぞれの単独投与群(比較例5〜7)の血糖値はコントロール群(比較例4)に対して低値を示すものの、投与日数を重ねるにつれ、最終的には初期値に比べて高値を示した。これに対し、組み合わせ群(実施例2)では投与日数を重ねるにつれ、初期値に対して低値を示した(表2、図2)。
本実施例の結果は、田七人参加工粉末とモリンガ葉エタノール抽出物の組み合わせが、相乗的に血糖値の上昇を抑制する効果を発揮し得ることを示している。中でも、上記組み合わせが初期値に対して血糖値の上昇がみられないという顕著な効果を発揮し得ることも示している。
試験3(実施例3及び比較例8〜9)
モリンガ葉パウダー、葉熱水抽出物、葉エタノール抽出物の苦味、辛味についてそれぞれ官能評価を行った。
官能評価は、男女5名のパネラーが、モリンガ葉パウダー(比較例8)、葉熱水抽出物(比較例9)、葉エタノール抽出物(実施例3)を試食し、5名全員が感じた場合に◎、1名でも感じたパネラーがいた場合には○、1名も感じたパネラーがいなかった場合には×とした。結果を表3に示す。
Figure 2016060736
表3の通り、モリンガ葉のパウダー(比較例8)には辛味があること、モリンガの葉熱水抽出物(比較例9)には辛味はないが苦味があること、及び、葉エタノール抽出物(実施例3)に苦味、辛味共に無いことが示された。
本実施例の結果は、本発明の組成物が、内服組成物や飲食品として好適に利用できることを示している。
なお、実施例1及び2におけるマウスに対するモリンガ葉エタノール抽出物の給餌量は、0.01mg〜100mg/day(モリンガ葉乾燥重量0.1mg/day〜1000mg/dayに相当)であった。この量を体重60kgのヒトの摂取量に換算すると、20mg/day〜200g/dayに相当する。
本発明の組成物の使用形態としては、ドリンク剤又は固形製剤(タブレットなど)が好ましい。
以下に、処方例1及び2を例示する。
(処方例1:ドリンク剤)
下記ドリンク剤成分を精製水に混合し、溶解して、100mLのドリンク剤(pH=4.5)を得る。
[ドリンク剤成分]
製造例2のモリンガ葉エタノール抽出物((A)成分)・・・500mg
製造例3の田七人参酸処理物((B)成分)・・・1,000mg
クエン酸ナトリウム・・・適量(pH調整剤)
安息香酸ナトリウム・・・70mg
香料・・・適量
(処方例2:タブレット)
ゼラチン130g、グリセリン70g、水100g、及びパラオキシ安息香酸エチル0.5gを加熱し攪拌して、均一なゼラチン分散液(L1)を得る。一方、製造例2のモリンガ葉エタノール抽出物((A)成分)10gを製造例3の田七人参酸処理物((B)成分)20gを、小麦胚芽油200gにホモミキサーを用いて分散させて均一な溶液状の小麦胚芽油液(L2)とする。前記ゼラチン分散液(L1)を直径12mmのアルミ製のカプセル用の型に押し出し、ゼラチンカプセルを得る。次いで、小麦胚芽油液(L2)をノズルによって押し出して前記ゼラチンカプセル内に注入し、充填、冷却、乾燥した。これにより液状の小麦胚芽油液(L2)の充填されたゼラチンのゲル状外層を有する固形製剤(タブレット経口剤:ゲル状組成物)を得る。
前記固形製剤1個あたりの組成を以下に示す。
[固形製剤/1個]
−外層−
ゼラチン・・・130mg
グリセリン・・・70mg
パラオキシ安息香酸エチル・・・0.5mg
−内層−
小麦胚芽油・・・100mg
製造例2のモリンガ葉エタノール抽出物((A)成分)・・・10mg
製造例3の田七人参酸処理物((B)成分)・・・20mg

Claims (8)

  1. モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出して得られる抽出物を有効成分とする糖代謝改善剤。
  2. 低級アルコールがエタノールである、請求項1に記載の糖代謝改善剤。
  3. ウコギ科人参の酸処理物を更に含有する、請求項1又は2に記載の糖代謝改善剤。
  4. ウコギ科人参が田七人参である、請求項3に記載の糖代謝改善剤。
  5. モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出して得られる抽出物と、ウコギ科人参の酸処理物とを含有する内服組成物。
  6. モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出して得られる抽出物。
  7. モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出する、モリンガ葉抽出物の製造方法。
  8. モリンガ属(ワサビノキ属)に属する植物の葉を低級アルコールで抽出し、得られる抽出物と、ウコギ科人参を酸で処理して得られるウコギ科人参酸処理物とを混合する、組成物の製造方法。
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