JP2016058637A - オーバーレイ計測方法、装置、および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】SEMで撮像して得た基準画像と計測画像とを比較して、半導体パターンの上下層に形成されたパターンのオーバーレイを計測する場合、上層のパターンのSEM画像のコントラストに対し、下層のパターンのSEM画像のコントラストが相対的に低く、計測結果に基づいて基準画像と計測画像とを重畳しても位置合わせ状態の確認が困難であった。【解決手段】SEMで撮像し得られた基準画像と計測画像とから、オーバーレイ計測対象のパターンの位置ずれ量を求め、基準画像と計測画像を微分処理し、微分処理した基準画像と計測画像とを先に求めた位置ずれ量に基づいて位置合わせを行い、位置合わせを行った微分基準画像と微分計測画像との濃淡値を、各画像で異なる色の明度として彩色して重畳し、求めた位置ずれ量と共に表示するようにした。【選択図】 図13
Description
本発明は半導体ウェハの製造中において、異なる製造工程で作成されたパターン間の合わせずれ(オーバーレイ)を計測する方法と、その装置、および表示方法に関するものであって、より詳細には荷電粒子顕微鏡を用いて撮像した画像を用いてオーバーレイを計測する方法とその装置、および表示装置に関するものである。
半導体デバイス製品では、動作に必要な回路パターンを形成するために、複数回の露光工程が必要となる。例えば、複数層の回路パターンからなるデバイスの製造では、各層の回路パターンを形成するための露光工程のほか、各層を接続するホールを形成するための露光工程が必要となる。この複数回の露光工程により形成される回路パターンの位置は、許容範囲内に収める必要があり、許容範囲を逸脱した場合、適切な電気特性が得られず、歩留まりが低下する。そのため、露光間の回路パターンの合わせずれ(オーバーレイ)を計測し、露光装置にフィードバックする事が行われている。
半導体プロセスの微細化に伴い、オーバーレイの許容範囲も小さくなっており、製品回路パターンが形成される場所におけるオーバーレイを直接計測することが重要となっている。これを実現するために、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて製品回路パターンの画像を撮像し、オーバーレイを計測する手法が特開2013−168595号公報(特許文献1)に記載されている。
特許文献1に記載のオーバーレイ計測方法は、基準画像と被計測画像の画像位置合わせによりオーバーレイを計測するものであり、計測結果の表示を、基準画像と被計測画像の差異部検出結果として表示する方法が、特許文献1の図30に記載されている。
特表2005−521254号公報(特許文献2)には、基準画像と検査画像を彩色し、その相違を顕在化する方法が記載されている。具体的には、基準画像と検査画像の画像比較の検査方法であり、彩色された参照画像の骨格画像と、彩色された参照画像のエッジ骨格化画像、および彩色された検査画像の検査オブジェクトを、画像結合し検査欠陥画像を得る方法が記載されている。
特許文献1には、半導体デバイスの製品回路パターンによるオーバーレイ計測を、基準画像と計測画像でオーバーレイの計測対象となる各パターンの画像位置合わせを行うことで実施することが記載されている。基準画像と計測画像の比較は製品回路パターンを対象としたオーバーレイ計測では実用的な方法であるが、画像位置合わせのための画像処理パラメータの調整や、計測結果の確認のために、画像位置合わせ状態を目視で確認することが必要となる。
オーバーレイ計測の対象工程が穴工程の場合、すなわち上層に形成された穴と、この穴から観察される穴底の下層に形成されたパターンとの位置ずれである場合、穴底から観察される下層に形成されたパターンをSEMで撮像して得られる画像のコントラストは、上層に形成された穴パターンのSEM画像のコントラストと比べて相対的に小さく、走査型電子顕微鏡で撮像した穴工程の基準画像と計測画像をそのまま重ね合わせた場合、穴底パターンの位置合わせの状態は目視で確認することが難しい。
特許文献1には、基準画像と計測画像の位置合わせ結果の表示方法として、基準画像と計測画像の差異部検出結果を表示することが記載されている。差異部の検出方法として、基準画像と被計測画像を位置合わせした後に濃淡値の差を算出し、差の値が一定値以上となる画素からなる領域を差異部とする方法が記載されている。
図1および図2に、穴形成工程で半導体の回路パターン上に形成した穴パターンをSEMで撮像して得た画像の模式図を示す。この模式図においては、表面層101に形成した穴パターン102の穴底に下層のパターン103が見えている様子を示している。図1は穴パターン102と下層のパターン(図1及び図2の例では、パッド)103のオーバーレイにずれがない状態の模式図であり、基準画像となるものである。図2は穴パターン102と穴底の下層のパターン103のオーバーレイにずれがある状態の計測画像である。穴パターン102の穴底に見える下層のパターン103が形成されている層の下地201がより暗く観察されることを示している。走査型電子顕微鏡画像では、穴パターン102の穴底の下層に形成されたパターンから検出される電子は表面の上層101から検出される電子に比べ少なくなるため、穴底の下層のパターン103は暗くなる。
図3と図4は、図1の基準画像と図2の計測画像を重ね合わせ、線画にしたものである。図3と図4の破線は、図1の基準画像における穴パターン102及び穴底の下層のパターン103のエッジ304又は404、実線は図2の計測画像における穴パターン102のエッジ303または403と穴底の下層のパターン103のエッジ302または402である。特許文献1に記載された方法では、パターン別に画像の位置合わせを行うとしており、図3の線図301は、図1の基準画像から得られた穴底の下層のパターン103のエッジ304と図2の計測画像から得られた穴底の下層のパターン103のエッジ302により位置合わせが正常に行われた場合を、図4の線図401は、図1の基準画像から得られた穴底の下層のパターン103のエッジ404と図2の計測画像から得られた穴底の下層のパターン103のエッジ402による位置合わせが正常に行われなかった場合の例を示すものである。
図3と図4の中の番号を付した各領域311〜313及び411〜415は、図1の基準画像と図2の計測画像の番号を付した各領域101〜103,及び201の重なり方が異なり、図1の基準画像と図2の計測画像の濃淡値の差も異なるが、実際の画像では、図1、図2の番号を付した領域内も明るさむらがあり、図1と図2で同じ番号で示した領域も、デバイスの異なる位置で撮像されるため、濃淡値が同一とはならない。このため、図3、図4で示した領域ごとに濃淡値の差は概略異なるものの、実際には領域ごとの差異はもっと不明瞭になり、図3、図4で示すような領域を濃淡値の差で明瞭に示すことは難しい。よって、特許文献1記載のように、基準画像と計測画像の差異部が一定値以上となる領域を表示しても、各パターンにより画像位置合わせが正常に行われたかどうかを判断することは困難である。
特許文献2には、基準画像と検査画像に対して彩色を行い、基準画像と検査画像の差異を検出する方法が記載されている。しかしながら、オーバーレイを計測する対象となるパターンの、どちらか一方のパターンを基準に基準画像と検査画像の位置合わせを行わないため、オーバーレイ計測としての画像位置合わせ結果を表示することができない。また、オーバーレイを計測する対象となる各パターンで位置合わせを行ったとしても、参照画像の骨格画像あるいは、エッジ画像と、検査画像の検査オブジェクトを、論理演算で画像結合しても画像位置合わせが正常にできたか否かを判断できる画像を得ることはできない。
図3、図4における基準画像の穴底の下層のパターン103のエッジ画像302及び402、計測画像の下層パターンの領域312,412,414を検査オブジェクトとして、その論理積を取った結果を図5、図6の501、601の太線で示した。図5の細い輪郭線502,503、図6の細い輪郭線602〜604は、図3、図4で図示されている線画を参考に示したものである。図5、図6に示した太線501,601のみでは、位置合わせが正常に行われたか否か判断できない。
本発明は、従来技術の問題点を解決して、走査型電子顕微鏡により撮像された半導体デバイスの製品回路画像により、基準画像と計測画像の比較によりオーバーレイの計測を行う方法において、基準画像と計測画像の比較結果を確認容易な、オーバーレイ計測方法、装置、および表示装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明では、半導体デバイスの異なる層に形成されたパターン間のオーバーレイを計測する方法において、走査型電子顕微鏡を用いて半導体デバイスの上層に形成されたパターンと下層に形成されたパターンとの間の合わせずれであるオーバーレイがない状態のパターンを含む基準画像を取得し、走査型電子顕微鏡を用いて半導体デバイスの上層に形成された対象のパターンと下層に形成されたパターンとを含む計測画像を取得し、取得した基準画像と取得した計測画像の対応するパターンの位置ずれ量を算出し、取得した基準画像と取得した計測画像を微分処理して微分基準画像と微分計測画像を生成し、生成した微分基準画像の濃淡値に対応した明度値を有する第1の色で彩色して彩色微分基準画像を生成し、生成した微分計測画像の濃淡値に対応した明度値を有する第1の色と異なる第2の色で彩色して彩色微分計測画像を生成し、算出したパターンの位置ずれ量の情報を用いて彩色微分基準画像あるいは彩色微分計測画像の位置補正を行い、位置補正を行った彩色微分基準画像と彩色微分計測画像とを重畳して算出したパターンの位置ずれ量の情報と共に表示するようにした。
また、上記課題を解決するために、本発明では、半導体デバイスの異なる層に形成されたパターンのオーバーレイを計測する装置を、半導体デバイスの上層に形成されたパターンと下層に形成されたパターンとの間の合わせずれであるオーバーレイがない状態のパターンを含む領域を撮像して基準画像を取得し、半導体デバイスの上層に形成された計測対象のパターンと下層に形成された計測対象のパターンとを含む領域を撮像して計測画像を取得する走査型電子顕微鏡手段と、走査型電子顕微鏡手段で取得した基準画像と計測画像の対応するパターンの位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段と、走査型電子顕微鏡手段で取得した基準画像と計測画像とを微分処理して微分基準画像と微分計測画像を生成する微分画像生成手段と、微分画像生成手段で生成した微分基準画像の濃淡値に対応した明度値を有する第1の色で彩色して彩色微分基準画像を生成して微分画像生成手段で生成した微分計測画像の濃淡値に対応した明度値を有する第1の色と異なる第2の色で彩色して彩色微分計測画像を生成する彩色微分画像生成手段と、位置ずれ量算出手段で算出したパターンの位置ずれ量の情報を用いて彩色微分画像生成手段で生成した彩色微分基準画像あるいは彩色微分計測画像の位置補正を行う画像位置補正手段と、画像位置補正手段で位置補正を行った彩色微分基準画像と彩色微分計測画像とを重畳して位置ずれ量算出手段で算出したパターンの位置ずれ量の情報と共に表示する表示手段とを備えて構成した。
更に、上記課題を解決するために、本発明では、半導体デバイスの異なる層に形成されたパターンのオーバーレイを、走査型電子顕微鏡で撮像して取得した半導体デバイスの上層に形成されたパターンと下層に形成されたパターンとの間の合わせずれであるオーバーレイがない状態のパターンを含む領域の基準画像と半導体デバイスの上層に形成された計測対象のパターンと下層に形成された計測対象のパターンとを含む領域の計測画像との比較により計測したオーバーレイ計測結果を表示する装置において、基準画像の微分フィルター画像の濃淡値に対応した明度値を有する第1の色で彩色された彩色微分基準画像と、計測画像の微分フィルター画像の濃淡値に対応した明度値を有する第1の色とは異なる第2の色で彩色された彩色微分計測画像を重畳して表示するようにした。
本発明によれば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて半導体デバイスを撮像して得られたSEM画像を用いた、基準画像と計測画像の比較による半導体デバイスの製品回路を用いたオーバーレイ計測において、得られたオーバーレイ量に応じて基準画像あるいは計測画像をずらして重畳表示したとき、視認性の良い重畳表示を行うことが可能となる。
本発明は、半導体デバイスの多層に形成された回路パターンの、各層間のパターンのオーバーレイを計測することに関するものであって、回路パターンを撮像して得られたSEM画像による基準画像と計測画像とを用いて計測して得られたオーバーレイ量に応じて基準画像あるいは計測画像を位置を補正して重畳して表示するときに、視認性の良い重畳表示が行えるようにしたものである。
以下に、図を用いて本発明の実施例を説明する。
以下に、図を用いて本発明の実施例を説明する。
図7に本発明に関わるオーバーレイ計測装置1000の全体構成図を示す。オーバーレイ計測装置1000は、走査型電子顕微鏡装置700と処理・制御部750を備えて構成されている。
走査型電子顕微鏡装置700は、半導体ウェハ707を載置するステージ706、電子銃702より放出された電子ビーム701を制御する照射光学系710、電子ビーム701が照射された試料(半導体ウェハ707)上から放出される2次電子あるいは反射電子709を検出する検出器708を備えて構成される。照射光学系710は、電子銃702、および、電子ビーム701の経路上にあるコンデンサレンズ703、偏向コイル704、対物レンズ705を備えている。電子ビーム701はこの照射光学系710により半導体ウェハ707上の観察対象である欠陥がある所定の領域で集光される。
処理・制御部750は、A/Dコンバータ751、画像処理部752、全体制御部753、電子光学系制御部754、ステージコントローラ755、表示端末756を備えている。
走査型電子顕微鏡装置700で、電子ビーム701が照射された半導体ウェハ707から放出された2次電子あるいは反射電子を検出した検出器708から出力された検出信号は、A/Dコンバータ751によりデジタル信号に変換される。変換後のデジタル信号は画像処理部752に送られ、画像処理部752では、A/Dコンバータ751から送られてきたデジタル信号を用いて画像処理を行い、画像内の欠陥位置の検出等を行ない、その結果を全体制御部753を介して表示端末756に表示して出力する。ステージコントローラ755は、全体制御部753からの制御信号を受けて走査型電子顕微鏡装置700のステージ706を駆動する。電子光学系制御部754は、全体制御部753からの制御信号を受けて走査型電子顕微鏡装置700の電子銃702、コンデンサレンズ703、偏向コイル704、対物レンズ705等を制御する。
画像処理部752、全体制御部753、制御端末756へは記録媒体(図示せず)が接続可能となっており、画像処理部752で実行されるプログラムを、この記録媒体から読み出し、画像処理部752にロードできる構成となっている。
以降のオーバーレイの計測の説明において、計測の対象となる半導体ウェハ707に形成されたデバイスパターンの例を図8、図10の模式図で、その撮像画像の例を図9、図11で説明する。
図8は、下層802にコンタクトプラグ804が形成され(図示を省略しているが、実際には、コンタクトプラグ804の表面には、コンタクトプラグとほぼ同じ径の薄膜のコンタクトパッドが形成されており、図1の例では、実際にはコンタクトパッドを観察している)、上層801に穴パターン803が形成された半導体デバイスの部分断面を簡略化した模式的断面図であり、下層のコンタクトプラグ804と上層の穴パターン803とが整列して合わせずれの無い状態示す。
図9は、図8の穴パターン803を含む領域を走査型電子顕微鏡装置700を用いて上方から撮像したとき得られるSEM画像を示し、図8の上層801が領域901、下層のコンタクトプラグ804が領域902、穴パターン803の輪郭がパターン903として撮像されている。以降、走査型電子顕微鏡装置700で撮像して得られたSEM画像中で穴パターン803を通して観察される下層802に形成されたコンタクトプラグ804を下層パターン902と呼ぶ。また、上層801に作成された穴803に対応するSEM画像を単に上層パターン903と呼ぶこともある。
図10は、下層1002にコンタクトプラグ1004が形成され、上層1001に穴パターン1003が形成された半導体デバイスの部分断面を簡略化した模式的断面図であり、下層のコンタクトプラグ1004と上層の穴パターン1003との間に合わせずれが発生している状態を示すものである。
図11は、図10の穴パターン1003を含む領域を走査型電子顕微鏡装置700を用いて上方から撮像した上層1001の表面に対応する領域1101のSEM画像であり、穴パターン1003の輪郭1103に対し、下層のコンタクトプラグ1004の領域1102がずれ、下層1002が図11で一番暗い領域1104として撮像されている。
この上層801(1001)に形成された穴パターン803(1003)下層802(1002)に形成されたコンタクトプラグ804(1004)の合わせずれを見ることがオーバーレイの計測の目的であり、撮像画像の処理においては図8(図10)の断面図における下層802(1002)に形成されたコンタクトプラグ804(1004)に対応する図9(図11)に示すSEM画像中における下層パターン902(1102)と、図8(図10)の断面図における上層801(1001)に形成された穴パターン803(1003)に対応する図9(図11)に示すSEM画像中における上層パターン903(1103)で現される穴パターンのずれを計測する。
図8及び図10では下層802又は1002に形成されるパターン804又は1004をコンタクトプラグで説明したが、下層802又は1002に形成されるパターンはコンタクトプラグに限られるものではなく、その他のパターンでも構わない。また、図9及び図11では穴パターン903及び1103の形状は丸で図示しているが、画像中の穴の形状は丸に限られるものではない。
本実施例で述べる、基準画像と計測画像の比較によるオーバーレイ計測では、図9のようにオーバーレイ計測の対象となる二つのパターン、この例では穴パターン803に対応する上層パターン903とコンタクトプラグ804に対応する下層パターン902が整列した状態の画像を基準画像とする。この基準画像はユーザ選択により一箇所で撮像したもの、あるいは複数個所で撮像した画像から作成したものでも構わない。また、以下図12を用いて説明する基準画像と計測画像との比較によるオーバーレイの計測においては、基準画像の領域902と輪郭903を上層パターンの表面の穴の輪郭や領域情報として、同じく領域902と輪郭903を下層パターンとの境界面である穴パターン803の穴底の輪郭や領域情報として用いる。
図12に走査型電子顕微鏡700を用いて取得した半導体ウェハ707のSEM画像における基準画像と計測画像の比較によるオーバーレイ計測処理のフローを示す。まず、下層パターンの像12011を含む基準画像1201(図9で説明した画像に相当)と、計測対象となる下層パターンの像12021と下層の像12022とを含む計測画像1202(図11で説明した画像に相当)との各々の画像からオーバーレイ計測対象となるパターンの抽出を行い(S1251)、上層パターン画像1211と下層パターン画像1212を作成する。上層パターンの画像1211としては、穴パターンの画像1204を含む基準画像1203と穴パターン画像1206を含む計測画像1205を作成する。下層パターンの画像1212としては、下層パターンの像12011に対応するコンタクトプラグパターン画像1208を含む基準画像1207と、下層パターンの像12021に対応するコンタクトプラグパターン画像1210を含む計測画像1209を作成する。上層パターンの画像1211及び下層パターンの画像1212の抽出は濃淡値ベースの領域分割など、画像処理における領域分割の手法を用いることができる。
次に、作成した上層パターンの画像1211において基準画像1203と計測画像1205の画像位置合わせを行い(S1252)、上層パターンの画像1211の基準画像1204における穴パターン画像1204と計測画像1205における穴パターン画像1206との間の位置ずれ量(ΔUx、ΔUy )を求める(S1254)。
図12では抽出したパターンを2値画像で表しているが、上層パターンの画像1211の穴パターン803,1003に該当する穴パターン画像1204,1206の領域、及び、下層パターンの画像1212のコンタクトプラグ804,1004に該当するコンタクトプラグパターン画像1208,1210の領域のみの原画像、あるいは上層パターンの画像1211及び下層パターンの画像1212の該当する領域のみの原画像をフィルター処理したその他の画像を用いることにより、ステップS1252における画像位置合わせの精度を向上できる場合もある。
下層パターンの画像1212についても、上層パターンの画像1211の場合と同様に、基準画像1207と計測画像1209の画像位置合わせを行い(S1253)、下層パターンの画像1212の基準画像1207におけるコンタクトプラグパターン画像1208と計測画像1209におけるコンタクトプラグパターン画像1210との位置ずれ量(ΔLx、ΔLy )を求める(S1255)。最後に、S1254とS1255の結果を用いてオーバーレイ量(Δx、Δy)を算出する(S1256)。
この方法では、基準画像における上層と下層の二つのパターンの位置関係に対し、計測画像における上層と下層の二つのパターンの位置関係が相対的にどれだけずれたかを計測することができる。
なお、図12では画像中に1個のパターンがある場合で説明したが、画像中に複数のパターンがあってもよい。複数のパターンがある場合は、個々のパターンで図12に示すオーバーレイ量を算出した後に、その平均値を取れば良い。
別の方法としては、画像中の複数のパターンを一括で処理する方法も考えられる。すなわち、上層パターン画像では複数のパターンを含む基準画像と計測画像の画像比較を行い、上層パターン位置ずれ量を求め、下層パターン画像では複数のパターンを含む基準画像と計測画像の画像比較を行い、下層パターン位置ずれ量を求める。求めた上層パターン位置ずれ量と、下層パターン位置ずれ量から、オーバーレイ量を算出すればよい。
図13に図12のオーバーレイ計測の結果表示の処理手順を示す。図12で示した基準画像1201と、計測対象となる計測画像1202に対し、微分フィルター処理を行い(S1351)、上層の穴パターン画像1302(下層のコンタクトプラグパターン画像1302でもある)を含む微分基準画像1301と、上層の穴パターン画像1304と下層のコンタクトプラグパターン画像1305を含む微分計測画像1303を生成する。微分フィルターとしてはソーベルフィルターなどを用いる。
次に、微分基準画像1301を色1で彩色し(S1352)、微分計測画像1303を色2で彩色する(S1353)。色1と色2は異なる色であり、色対比効果の高い色を選択する。具体的には、色1と色2は補色の関係、あるいはRGBカラーモデルで色1はRのみ、色2はGとBの混色を使用する、あるいは色1はGとBの混色、色2はRのみとする。微分基準画像1301の彩色では、微分基準画像1301の濃淡値を、線形変換、あるいは非線形変換した値を色1の明度として設定する。微分計測画像1303の彩色についても同様である。
次に、彩色した微分基準画像1301の画像位置補正を、図12の処理フローにおけるステップS1255で算出した下層パターンの位置ずれ量(ΔLx,ΔLy)を用いて行い(S1354)、微分基準画像1301の下層のコンタクトプラグパターン画像1302(上層の穴パターン画像でもある)の位置を、微分計測画像1303の下層のコンタクトプラグパターン画像1305の位置に合わせる。
最後に、微分基準画像1301に対してS1352で彩色してS1354で位置補正した画像を、微分計測画像1303に対してS1353で彩色した画像と重畳し(S1356)、表示画像1310を得る。表示画像1310は、微分フィルター処理(S1351)によりパターンのエッジが強調され、かつS1352とS1353とで異なる色で彩色された基準画像と計測画像が重畳されたものである。この表示画像1310は、表示端末756の画面上に表示される。
表示画像1310における1311は、微分基準画像1301における下層のコンタクトプラグパターン画像1302の輪郭(微分基準画像1301における上層の穴パターン画像1302の輪郭でもある)、1312は微分計測画像1303における下層のコンタクトプラグパターン画像1305の輪郭、1313は微分計測画像1303における上層の穴パターン画像1304の輪郭である。この表示画像1310により微分基準画像1301における下層のコンタクトプラグパターン画像1302と微分計測画像1303における下層のコンタクトプラグパターン画像1305の位置合わせが正常に行われていることが確認できる。
表示画像1310では見易さのために、微分基準画像1301における下層のコンタクトプラグパターン画像1302の輪郭1311と、微分計測画像1303における下層のコンタクトプラグパターン画像1305の輪郭1312は少しずらして描いている。実際の画像では、表示画像1310における輪郭1311、1312、1313は図示したように細い線ではなく、パターンエッジ位置で最も明るく、離れるに従って暗くなる幅のある線である。先に述べた彩色の仕方に従えば、輪郭1311と1312と1313の何れかが重なっている重畳部では透過性が確保されているので、幅太の濃淡を持つ線パターンの重畳状態の確認が容易になる。
一方、微分基準画像1301における上層の穴パターン画像1302と微分計測画像1303における上層の穴パターン画像1304の位置合わせの結果を確認する場合は、S1352において彩色した微分基準画像1301に対して、S1254で算出した上層パターン位置ずれ量(ΔUx,ΔUy)を用いて行い(S1355)、微分基準画像1301における上層の穴パターン画像1302の位置を微分計測画像1303における上層の穴パターン画像1304の位置に合わせた上で、S1353で彩色した微分計測画像1303と重畳し(S1357)、表示画像1315を得る。この表示画像1315は、表示端末756の画面上に表示される。
表示画像1315は微分フィルター処理(S1351)によりパターンのエッジが強調され、かつS1352又はS1353で異なる色で彩色された微分基準画像1301と微分計測画像1303がS1357において重畳されたものである。
表示画像1315における1314は、微分基準画像1301における上層の穴パターン画像1302の輪郭(下層のコンタクトプラグパターン画像の輪郭でもある)、1312は微分計測画像1303における下層のコンタクトプラグパターン画像1305の輪郭、1313は微分計測画像1303における上層の穴パターン画像1304の輪郭である。この表示画像1315により微分基準画像1301の上層の穴パターン画像1302と微分計測画像1303の上層の穴パターン画像1304の位置合わせが正常に行われていることが確認できる。
表示画像1315では見易さのために、微分基準画像1301における上層の穴パターン画像1302の輪郭1314と、微分計測画像1303の上層の穴パターン1304の輪郭1313は少しずらして描いている。
表示画像1310、および表示画像1315を表示端末756の画面上に表示させて確認することで、位置合わせが正常に実行されたか否かが分かり、正常に実行されていれば、上層パターンの位置ずれ量(ΔUx,ΔUy)、下層パターンの位置ずれ量(ΔLx,ΔLy)は正しく計算されており、図12のS1256におけるオーバーレイの算出値は信頼できるものと言える。反対に、表示画像1310、および表示画像1315で輪郭(パターンエッジ)1311,1312,1313の間に、又は輪郭(パターンエッジ)1312,1313,1314の間に異常なずれがある場合は、図12のS1252およびS1253の画像位置合わせに失敗しており、S1256で計算したオーバーレイ量には誤りが含まれる。
図13で説明した処理の流れでは、S1352で彩色してからS1354及びS1355で画像の位置補正を行っていたが、この順序を逆にして、S1354及びS1355の画像の位置補正を行ってからS1352の彩色を行うようにしてもよい。
また、図13で説明した処理の流れでは、微分基準画像1301を位置補正して微分計測画像1303と重畳し表示画像1310及び1315を得る手順について説明したが、微分計測画像1303を位置補正して微分基準画像1301と重畳し表示画像を得るようにしてもよい。
図14に、図13で示したオーバーレイ計測の結果表示の処理手順の変形例を示す。基準画像1201および計測画像1202を、図13のS1351で説明したような微分フィルター処理(S1403)を施した結果には、画像1411、および画像1413に模式的に示すように、計測対象であるパターン1412及び1414以外にも微分値の高い部分1415が現れることがある。このような部分も含めて表示画像を作成すると視認性が落ちるので、基準画像1201に対して、基準画像1201の上層パターンを2値で抽出した画像1421を反転処理(S1401)することで、上層パターンマスク画像1422を得る。上層パターンマスク画像1422の白い部分1423は1、黒い部分1424は0とする。この上層パターンマスク画像1422により画像1411をマスク処理(S1403)することで、計測対象であるパターン以外に現れた微分値の高い部分を消去し、図13の画像1302に相当する微分画像1425を得ることができる。
計測画像1202に対しても同様にして、計測画像1202の上層パターンを2値で抽出した画像1431を反転処理(S1402)することで、上層パターンマスク画像1432を得る。上層パターンマスク画像1432の白い部分1433は1、黒い部分1434は0とする。この上層パターンマスク画像1432により、計測画像1202を微分フィルタ処理S1351して得られた画像1413をマスク処理(S1404)することで、計測対象であるパターン以外に現れた微分値の高い部分を消去した図13の画像1303に相当する微分画像1435を得ることができる。
この後の処理は、図13に示した彩色処理S1352以降の処理を画像1425に施し、彩色処理S1353以降の処理を画像1453に施すことで、基準画像1201、計測画像1202の計測領域以外を0値とした表示画像1310、1315を得ることができる。この場合、計測領域以外が黒なので、穴パターン803や1003、コンタクトプラグ804,1004などの計測対象部分の画像を明瞭に表示することが可能となる。マスクされる部分は0値に限られるものではなく、別の値、別の色に置き換えても構わない。
図15に、図13を用いて説明した表示画像1310と1315とを重ねた状態を示す。図13で説明した微分基準画像1301における穴パターンの画像1302(穴パターンの画像における輪郭線)は、図15に示した状態において、微分計測画像1303の上層パターン1313に位置合わせするためのパターン1314、および微分計測画像1303の下層パターン1312に位置合わせするためのパターン1311として使用される。このため、微分基準画像1301の穴パターンの画像1302の代表位置を定めておけば、微分計測画像1303の上層パターンと位置合わせしたとき得られる微分規準画像1301の穴パターンの代表位置1502(図15に示した例では、パターン1314の中心位置)と、微分計測画像1303の下層パターンと位置合わせしたとき得られる微分規準画像1301の穴パターンの代表位置1501(図15に示した例では、パターン1311の中心位置)の変化は、オーバーレイ量そのものとなる。よって、この2点1501、1502を結んだ図16に示すようなベクトル表示1601は、オーバーレイ計測結果として、そのずれ量と、ずれの方向を表示することができる。
基準画像の穴パターンの代表位置の定め方は、例えば、微分フィルター処理され、マスクされた基準画像の画素値重心が考えられる。また、代表位置としては、画像の部分領域であり、オーバーレイ計測処理を行うために設定される計測ウィンドウの座標に対して相対的に固定された位置としても良い。しかしながら、代表位置はこれらに限定されず、任意に定めて構わない。
図17は図13の表示画像1310において、微分フィルター処理および彩色処理した微分計測画像の替わりに、計測画像1202そのものを重畳したものである。こうすることにより、下層パターンの像12021と下層の像12022とが表示された計測画像1202の原画像上で、基準画像1201のパターンエッジ1311がどの位置に画像合わせされたかを確認することができる。この場合、画像重畳ステップS1356において重畳する計測画像1202は、計測画像原画像の濃淡値をR、G、B値に均等に割り振り、 特定の色の彩度の明度として、微分フィルター処理された基準画像の濃淡値を線形変換、あるいは非線形変換して割り当てればよい。
図18は図13の表示画像1310において、微分フィルター処理および彩色処理した微分基準画像の替わりに、パターンエッジ1311に位置を合せた下層パターンの像12011が表示された基準画像1201そのものを重畳したものである。図13の表示画像1315に関しても同様の代替表示方法が可能である。
表示要素の切り替えにより、オーバーレイの計測結果の確認が容易になる。ここで表示要素とは、図13において、(1)画像位置補正処理(S1354)後の微分基準画像、(2)画像位置補正処理(S1355)後の微分基準画像、(3)彩色処理(S1353)後の微分計測画像、(4)図16のベクトル表示1601、(5)下層パターン位置ずれ量(ΔLx,ΔLy)で位置補正(S1354)した微分基準画像、(6)上層パターン位置ずれ量(ΔUx,ΔUy)で位置補正(S1355)した微分基準画像、(7)計測画像、の7つの表示要素である。これら任意の1つ以上の表示要素を単独、又は重畳、または重畳の組み合わせを逐次変更することにより、オーバーレイの計測結果の確認がより容易になる。例えば、(3)の彩色処理(S1353)後の微分計測画像を常時表示させ、(1)の画像位置補正処理(S1354)後の基準画像の表示、非表示を切り替えながら確認することにより、基準画像の下層パターン902が計測画像の下層パターン1102に正しく位置合わせされているか否かをより容易に評価可能となる。
以上、下層パターンの位置ずれ量、あるいは上層パターンの位置ずれ量により基準画像の画像位置補正を行い画像の重畳表示を行う方法を説明してきたが、下層パターンの位置ずれ量、あるいは上層パターンの位置ずれ量により計測画像の位置補正を行い画像の重畳表示もできることは明らかである。この場合、下層パターンの位置ずれ量、あるいは上層パターンの位置ずれ量は、基準画像の画像位置補正に作用させる場合と、計測画像の画像位置補正に作用させる場合とでは逆方向になることに注意が要る。
図12から図18を用いて説明した、オーバーレイ計測結果の表示方法を、図7で示したオーバーレイ計測装置1000で実施するための処理の流れを図19に示す。
まず、基準となるパターンをSEMで撮像して基準画像を取得し、画像処理部752の記憶領域に基準画像1201として記憶しておく(S1901)。次に、図7に示したオーバーレイ計測装置1000の走査型電子顕微鏡装置700に、オーバーレイ計測対象となる回路パターンを有する半導体ウェハ707をロードし、ステージ706上に載置する(S1902)。半導体ウェハ707を載置した後、処理・制御部750の全体制御部753よりステージコントローラ755を通してステージ706を制御し、半導体ウェハ707上の計測パターンのうちパターンの合わせずれの無い箇所が走査型電子顕微鏡装置700の電子光学系710の観察視野に入るようにステージ706を動かす(S1903)。
次に電子光学系制御部754により偏向コイル704を制御し、電子ビーム701により半導体ウェハ707上に形成されたオーバーレイの計測対象パターンを含む領域(計測対象領域)を走査する。計測対象領域から発生した2次電子を検出器708で検出して得た信号は、A/Dコンバータ709によりデジタル信号に変換し、撮像画像として画像処理部710に入力され、画像処理部710のメモリ(図示せず)に記憶する(S1904)。
続いて、基準画像1201と、計測画像1202を画像処理部710のメモリから読み出し、画像処理部710の演算部(図示せず)で、図12に示した処理フローに従い1212に示したオーバーレイ(Δx、Δy)を計算する(S1905)。計算処理終了後、図12の1210に示した上層パターン位置ずれ量(ΔUx、ΔUy)、1211に示した下層パターン位置ずれ量(ΔLx、ΔLy)、1212に示したオーバーレイ量(Δx、Δy)を画像処理部710のメモリに記憶する。
続いて、基準画像1201と、計測画像1202を画像処理部710のメモリから読み出し、画像処理部710の演算部(図示せず)で、図12に示した処理フローに従い1212に示したオーバーレイ(Δx、Δy)を計算する(S1905)。計算処理終了後、図12の1210に示した上層パターン位置ずれ量(ΔUx、ΔUy)、1211に示した下層パターン位置ずれ量(ΔLx、ΔLy)、1212に示したオーバーレイ量(Δx、Δy)を画像処理部710のメモリに記憶する。
結果の表示においては、画像処理部710のメモリに記憶されている、基準画像1201、計測画像1202、上層パターン位置ずれ量1210、下層パターン位置ずれ量1211を読み出し、画像処理部710の演算部で、図13に示した処理フローを実行し、表示画像1310、及び表示画像1315を算出し、画像処理部710のメモリに記憶する(S1906)。算出した表示画像1310、及び表示画像1315は画像処理部710から全体制御部713に出力され、全体制御部713は表示画像1310、若しくは表示画像1315を表示端末714に表示する(S1907)。S1903からS1907までを、全計測点数分実行する。
表示端末714に計測領域のみ部分的に表示するためには、図12に示した処理フロー実行時に、更に上層パターン基準画像1204、上層パターン計測画像1205を画像処理部710のメモリに記憶しておく。結果の表示においては、画像処理部710のメモリに記憶されている、基準画像1201、計測画像1202、上層パターン基準画像1204、上層パターン計測画像1205、上層パターン位置ずれ量1210、下層パターン位置ずれ量1211を読み出す。画像処理部710の演算部で、この読み出した情報を用いて図13および、図14に示した処理フローを実行し、表示画像1310、若しくは表示画像1315を算出し、画像処理部710のメモリに記憶する。算出した表示画像1310、若しくは表示画像1315は、画像処理部710から全体制御部713に出力され、全体制御部713は表示画像1310、若しくは表示画像1315を表示端末714に表示する。
図16に示したベクトル表示については、基準画像の穴パターンの代表位置は、前述の代表位置を画像処理部710の演算部で算出し、基準画像に対応させて画像処理部710のメモリに記憶しておく。オーバーレイ計測時に、画像処理部710のメモリに記憶されている、前述のオーバーレイ量(ΔΔx、Δy)と基準画像の代表位置を、全体制御部713が読み出し、代表位置を視点としたオーバーレイ量のベクトル表示を全体制御部713の演算部(図示せず)で生成し、全体制御部713のメモリ(図示せず)に記憶するとともに、表示端末714に表示する。
なお、上記実施例では、基準画像を事前に収録するとしたが、計測対象とする半導体ウェハから毎回取得するようにしてもよい。
図20に表示端末714での表示の具体例を示す。ID2001は基準画像2003、計測画像2004、計測結果画像2005の識別番号であり、ウェハ上のオーバーレイ計測箇所に対応するものである。2002はオーバーレイの計測結果を数値で示すものである。図20では計測結果画像2005とともに、基準画像2003、計測画像2004も表示しているが、必要なければ両方とも、あるいは片方を表示しなくてもよい。計測結果表示切替2006により、計測結果画像2005の表示内容を切り替える。計測結果表示切替2006には「画像比較結果」、「ベクトル表示」、「基準画像」、「計測画像」、「基準画像マスク」、「計測画像マスク」の各項目の横にスイッチがあり、黒丸は選択されていることを、白丸は選択されていないことを示している。選択、非選択の切り替えは、例えば画面上のクリックにより行う。以下、計測結果表示切替2006に表示している各項目について説明する。
項目「画像比較結果」では、上層が選択された場合は、1210の上層パターン位置ずれ量に基づき、基準画像を位置補正し計測画像に重畳して計測結果画像2005として表示し、下層が選択された場合は、1211の下層パターン位置ずれ量に基づき、基準画像を位置補正し計測画像に重畳して計測結果画像2005として表示するものであり、上層、あるいは下層、あるいは上層と下層の両方を選択できる。上層のみを選択したときの表示例が表示画像1315を、下層のみを選択したときの表示例が表示画像1310である。
項目「ベクトル表示」は、図16に示したベクトル表示を計測結果画像2005に重畳するか否かを選択する項目である。
項目「基準画像」は、計測結果画像2005に重畳する基準画像を、原画像あるいは彩色したエッジフィルター像にするかを選択する項目であり、両方とも選択しない場合は基準画像は計測結果画像2005に重畳されない。
項目「計測画像」は、計測結果画像2005に重畳する計測画像を、原画像あるいは彩色したエッジフィルター像にするかを選択する項目であり、両方とも選択しない場合は計測画像は計測結果画像2005に重畳されない。
項目「基準画像マスク」は、計測結果画像2005に重畳する基準画像を、上層パターン基準画像1204によりマスクするか否かを選択する項目である。
項目「計測画像マスク」は、計測結果画像2005に重畳する計測画像を、上層パターン計測画像1204によりマスクするか否かを選択する項目である。
以上の計測結果表示切替の入力に応じて、全体制御部713は画像処理部710のメモリ、あるいは全体制御部713のメモリに記憶されている情報を読み出し、計測結果画像2005の表示内容を更新し、表示端末714に出力する。
以上説明したように、本実施例によれば、SEM画像を用いた、基準画像と計測画像の比較による半導体デバイスの製品回路を用いたオーバーレイ計測において、得られたオーバーレイ量に応じて基準画像あるいは計測画像をずらして重畳表示したとき、重畳表示の視認性の向上が可能となる。
700・・・走査型電子顕微鏡装置 701・・・電子ビーム 702・・・電子銃 703・・・コンデンサレンズ 704・・・偏向コイル 705・・・対物レンズ 706・・・ステージ 707・・・ウェハ 708・・・検出器 750・・・処理・制御部 751・・・A/Dコンバータ 752・・・画像処理部 753・・・全体制御部 754・・・電子光学系制御部 755・・・ステージコントローラ 756・・・表示端末 1000・・・オーバーレイ計測装置。
Claims (19)
- 半導体デバイスの異なる層に形成されたパターン間のオーバーレイを計測する方法であって、
走査型電子顕微鏡を用いて半導体デバイスの上層に形成されたパターンと下層に形成されたパターンとの間の合わせずれであるオーバーレイがない状態のパターンを含む基準画像を取得するステップ、
走査型電子顕微鏡を用いて半導体デバイスの前記上層に形成された計測対象のパターンと前記下層に形成されたパターンとを含む計測画像を取得するステップ、
前記取得した基準画像と前記取得した計測画像の対応するパターンの位置ずれ量を算出するステップ、
前記取得した基準画像と前記取得した計測画像を微分処理して微分基準画像と微分計測画像を生成するステップ、
前記生成した微分基準画像の濃淡値に対応した明度値を有する第1の色で彩色して彩色微分基準画像を生成し、前記生成した微分計測画像の濃淡値に対応した明度値を有する前記第1の色と異なる第2の色で彩色して彩色微分計測画像を生成するステップ、
前記算出したパターンの位置ずれ量の情報を用いて前記彩色微分基準画像あるいは前記彩色微分計測画像の位置補正を行うステップ、
前記位置補正を行った彩色微分基準画像と前記彩色微分計測画像とを重畳して前記算出したパターンの位置ずれ量の情報と共に表示するステップ
とを有することを特徴とするオーバーレイ計測方法。 - 前記第1の色と前記第2の色とは補色の関係にあることを特徴とする請求項1記載のオーバーレイ計測方法。
- 前記微分基準画像と微分計測画像を生成するステップにおいて、前記取得した基準画像と前記取得した計測画像を微分処理し、前記取得した基準画像と前記取得した計測画像とを反転処理して2値化した反転2値基準画像と反転2値計測画像とを生成し、前記微分処理した基準画像を前記生成した反転2値基準画像でマスキングして前記微分基準画像を生成し、前記微分処理した計測画像を前記生成した反転2値計測画像でマスキングして前記微分計測画像を生成することを特徴とする請求項1記載のオーバーレイ計測方法。
- 前記表示するステップにおいて、前記彩色微分計測画像に変えて、前記計測画像を前記位置補正を行った彩色微分基準画像と重畳して表示することを特徴とする請求項1記載のオーバーレイ計測方法。
- 前記表示するステップにおいて、前記彩色微分基準画像に変えて、前記基準画像を前記彩色微分計測画像と重畳して表示することを特徴とする請求項1記載のオーバーレイ計測方法。
- 前記パターンの位置ずれ量を算出するステップにおいて、前記取得した基準画像における前記半導体デバイスの前記上層に形成されたパターンの画像と前記取得した計測画像における前記半導体デバイスの前記上層に形成された計測対象パターンの画像との位置ずれ量と、前記取得した基準画像における前記半導体デバイスの前記下層に形成されたパターンの画像と前記取得した計測画像における前記半導体デバイスの前記下層に形成された計測対象パターンの画像との位置ずれ量とを算出することを特徴とする請求項1記載のオーバーレイ計測方法。
- 前記彩色微分基準画像と前記彩色微分計測画像の重畳表示とともに、オーバーレイの計測結果をベクトル表示することを特徴とする請求項1記載のオーバーレイ計測方法。
- 半導体デバイスの異なる層に形成されたパターンのオーバーレイを計測する装置であって、
半導体デバイスの上層に形成されたパターンと下層に形成されたパターンとの間の合わせずれであるオーバーレイがない状態のパターンを含む領域を撮像して基準画像を取得し、前記半導体デバイスの前記上層に形成された計測対象のパターンと前記下層に形成された計測対象のパターンとを含む領域を撮像して計測画像を取得する走査型電子顕微鏡手段と、
前記走査型電子顕微鏡手段で取得した前記基準画像と前記計測画像の対応するパターンの位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段と、
前記走査型電子顕微鏡手段で取得した前記基準画像と前記計測画像とを微分処理して微分基準画像と微分計測画像を生成する微分画像生成手段と、
前記微分画像生成手段で生成した微分基準画像の濃淡値に対応した明度値を有する第1の色で彩色して彩色微分基準画像を生成し、前記微分画像生成手段で生成した微分計測画像の濃淡値に対応した明度値を有する前記第1の色と異なる第2の色で彩色して彩色微分計測画像を生成する彩色微分画像生成手段と、
前記位置ずれ量算出手段で算出したパターンの位置ずれ量の情報を用いて前記彩色微分画像生成手段で生成した彩色微分基準画像あるいは前記彩色微分計測画像の位置補正を行う画像位置補正手段と、
前記画像位置補正手段で位置補正を行った前記彩色微分基準画像と前記彩色微分計測画像とを重畳して前記位置ずれ量算出手段で算出したパターンの位置ずれ量の情報と共に表示する表示手段と
を備えることを特徴とするオーバーレイ計測装置。 - 前記彩色微分画像生成手段で彩色する前記第1の色と前記第2の色とは補色の関係にあることを特徴とする請求項8記載のオーバーレイ計測装置。
- 前記微分画像生成手段は、前記走査型電子顕微鏡手段で取得した前記基準画像と前記計測画像とを微分処理し、前記取得した基準画像と前記取得した計測画像とを反転処理して2値化した反転2値基準画像と反転2値計測画像とを生成し、前記微分処理した基準画像を前記生成した反転2値基準画像でマスキングして前記微分基準画像を生成し、前記微分処理した計測画像を前記生成した反転2値計測画像でマスキングして前記微分計測画像を生成することを特徴とする請求項8記載のオーバーレイ計測装置。
- 前記表示手段は、前記彩色微分計測画像に変えて、前記計測画像を前記位置補正を行った彩色微分基準画像と重畳して表示することを特徴とする請求項8記載のオーバーレイ計測装置。
- 前記表示手段は、前記彩色微分基準画像に変えて、前記基準画像を前記彩色微分計測画像と重畳して表示することを特徴とする請求項8記載のオーバーレイ計測装置。
- 前記位置ずれ量算出手段は、前記取得した基準画像における前記半導体デバイスの前記上層に形成されたパターンの画像と前記取得した計測画像における前記半導体デバイスの前記上層に形成された計測対象パターンの画像との位置ずれ量と、前記取得した基準画像における前記半導体デバイスの前記下層に形成されたパターンの画像と前記取得した計測画像における前記半導体デバイスの前記下層に形成された計測対象パターンの画像との位置ずれ量とを算出することを特徴とする請求項8記載のオーバーレイ計測装置。
- 前記位置ずれ量算出手段は、前記オーバーレイの計測結果としてオーバーレイのベクトルを求め、前記表示手段は、前記彩色微分基準画像と前記彩色微分計測画像の重畳表示とともに、オーバーレイの計測結果をベクトル表示することを特徴とする請求項8記載のオーバーレイ計測装置。
- 半導体デバイスの異なる層に形成されたパターンのオーバーレイを、走査型電子顕微鏡で撮像して取得した前記半導体デバイスの上層に形成されたパターンと下層に形成されたパターンとの間の合わせずれであるオーバーレイがない状態のパターンを含む領域の基準画像と前記半導体デバイスの前記上層に形成された計測対象のパターンと前記下層に形成された計測対象のパターンとを含む領域の計測画像との比較により計測したオーバーレイ計測結果を表示する装置であって、
前記基準画像の微分フィルター画像の濃淡値に対応した明度値を有する第1の色で彩色された彩色微分基準画像と、前記計測画像の微分フィルター画像の濃淡値に対応した明度値を有する前記第1の色1とは異なる第2の色で彩色された彩色微分計測画像を重畳して表示することを特徴とするオーバーレイ計測表示装置。 - 前記第1の色と前記第2の色とは補色の関係にあることを特徴とする請求項15記載のオーバーレイ計測表示装置。
- 前記彩色微分計測画像に変えて、前記計測画像を前記彩色微分基準画像と重畳して表示することを特徴とする請求項15記載のオーバーレイ計測表示装置。
- 前記彩色微分基準画像に変えて、前記基準画像を前記彩色微分計測画像と重畳して表示することを特徴とする請求項15記載のオーバーレイ計測表示装置。
- 前記彩色微分基準画像と前記彩色微分計測画像の重畳表示とともに、オーバーレイの計測結果をベクトル表示することを特徴とする請求項15記載のオーバーレイ計測表示装置。
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