JP2016057909A - スライディングモード制御装置及び制御方法並びに車両位置決め制御装置 - Google Patents

スライディングモード制御装置及び制御方法並びに車両位置決め制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より確実に、スライディングモード制御のロバスト性の悪化を避けつつ、チャタリングを抑制する。
【解決手段】近似切換関数の傾きを調整する傾き調整部360は、切換面からの距離σを演算する距離演算部400と、距離演算部400が演算した距離σに基づいて、パラメータγの調整速度dγ/dtを決めるパラメータηを設定する収束速度調整部410と、距離σ及びパラメータηに基づいてパラメータγの調整速度dγ/dtを設定する傾き調整速度算出部420と、この傾き調整速度算出部420が設定した調整速度dγ/dtを積分してパラメータγを演算する積分演算部430と、この積分演算部430が演算したパラメータγの逆数を演算することで上述した近似切換関数に用いる定数δを演算する逆数演算部440と、を備えた。
【選択図】図8

Description

本発明は、スライディングモード制御に従った制御を行うスライディングモード制御装置及び制御方法並びに車両位置決め制御装置に関し、特に、より確実に、スライディングモード制御のロバスト性の悪化を避けつつチャタリングを抑制できるようにしたものである。
本発明に関する従来の技術としては、例えば、特許文献1に記載された技術がある。即ち、特許文献1に記載された技術は、不連続に変化する強い非線形性を持つ要素を含む車両に適用した場合でも、スライディングモード制御のロバスト性の悪化を避けつつ、チャタリングを抑制するために、追従誤差eの変化率de/dtに基づき、スライディングモード制御の指令値の切り換えに用いる近似切換関数の傾きを調整するようにしている。
特開2014−16796号公報
上記従来の技術においても、スライディングモード制御のロバスト性の悪化を避けつつチャタリングを抑制するということに関して一定の効果を奏することはできた。
しかしながら、本発明者の鋭意検討によれば、さらなる工夫により、さらに高いレベルでの効果が得られることが判った。
本発明は、より確実に、スライディングモード制御のロバスト性の悪化を避けつつチャタリングを抑制できるスライディングモード制御装置及び制御方法並びに車両位置決め制御装置を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様であるスライディングモード制御装置は、状態量の追従誤差eを演算し、追従誤差eに基づきスライディングモード制御における切換面からの距離σを演算し、スライディングモード制御の非線形フィードバック制御の指令値の切り換えに用いる近似切換関数の傾きを距離σに基づいて調整するようにした。
本発明によれば、スライディングモード制御の指令値の切換に用いる近似切換関数の傾きが、切換面からの距離に基づいて可変となっているため、より確実に、スライディングモード制御のロバスト性を損なうことなく、ゲイン調整の遅れを少なくしてチャタリングを抑制することが可能となる。
第1実施形態における車両の概略構成図である。 第1実施形態における制御系全体の構成を示すブロック図である。 モデル追従制御部の具体的構成を示すブロック図である。 スライディングモード制御における切換面の概念を説明する図である。 理想的な切換関数における入出力関係を示すグラフである。 近似切換関数の一例を示すグラフである。 近似切換関数の他の例を示すグラフである。 傾き調整部の具体的構成を示すブロック図である。 傾き調整速度算出部の処理内容を示すフローチャートである。 本発明例のシミュレーション結果を示すグラフである。 比較例1のシミュレーション結果を示すグラフである。 比較例2のシミュレーション結果を示すグラフである。 比較例3のシミュレーション結果を示すグラフである。 各制御手法における制御入力の時間変化を示すグラフである。 近似切換関数における境界層の幅の時間変化を示すグラフである。 各手法におけるエネルギ消費量を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明に係るスライディングモード制御装置及び制御方法を適用した車両位置決め制御装置を搭載した車両の概略構成図である。
即ち、この車両100は、走行するための駆動源としての電気モータ1と、その電気モータ1で発生した回転トルクを減速して駆動輪である前輪4FL、4FR側の車軸2Aに伝達する減速器2と、を有している。従って、電気モータ1で発生した駆動トルクは、減速器2で減速されて車軸2Aに伝達し、その車軸2Aに伝達された駆動トルクによって前輪4FL、4FRが回転駆動する。なお、電気モータ1には、その電気モータ1の回転速度を検出するためのレゾルバ3が設けられていて、そのレゾルバ3から出力された検出信号は、図示しないCPUやインタフェース回路などから構成された車両位置決め制御コントローラ14に供給されるようになっている。
また、前輪及び後輪としての車輪4FL〜4RRのそれぞれには、ブレーキアクチュエータ5FL〜5RRと、ブレーキディスク6FL〜6RRとが設置されていて、これにより、車輪4FL〜4RRのそれぞれに制動トルクが発生するようになっている。
そして、車輪4FL〜4RRには、それぞれの回転速度を検出する車輪速センサ7FL〜7RRが設けられていて、それら車輪速センサ7FL〜7RRから出力された検出信号は、車両位置決め制御コントローラ14に供給されるようになっている。
また、車両100は、ドライバによって操舵可能なステアリングホイール8を有し、ドライバがステアリングホイール8を操舵すると、ステアリングコラム8Aを含む操舵系を介して転舵輪としての前輪4FL、4FRに転舵角が発生するようになっている。なお、ステアリングコラム8A以外の操舵系については、公知の構成が適用されるものであるため、ここでの図示及び詳細な説明は省略する。
そして、ステアリングコラム8Aには、操舵角を検出するための操舵角センサ9が設けられていて、その操舵角センサ9から出力された検出信号が、車両位置決め制御コントローラ14に供給されるようになっている。
また、車両100の運転席近傍の位置には、ドライバ操作可能な例えばタッチパネル式の入力装置10が設置されている。そして、ドライバは、その入力装置10を操作することで、この車両100の位置決め制御における目標距離と到達時間などを指定することができる。入力装置10に入力された情報は、車両位置決め制御コントローラ14に供給されるようになっている。
車両100には、アクセルペダル、ブレーキペダルも設けられている。図1には、模式的にアクセル・ブレーキペダル11として図示している。ドライバは、これらペダルを操作することで、車両100を加速又は減速させることができる。なお、アクセル・ブレーキペダル11には、それらペダル操作の状態を検出するストロークセンサ11Aが設けられていて、ストロークセンサ11Aから出力された検出信号は、車両位置決め制御コントローラ14に供給されるようになっている。なお、アクセル・ブレーキペダル11には、外部からの制御信号に応じてそれらアクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み反力を調整可能なペダル反力アクチュエータ11Bが設けられている。
さらに、車両100は、前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ12を有している。前後加速度センサ12から出力された検出信号は、車両位置決め制御コントローラ14に供給されるようになっている。
さらに、車両100は、車両位置決め制御コントローラ14とは別に、図示しないCPUやインタフェース回路などから構成されたローカルコントローラ13を有している。このローカルコントローラ13は、上位コントローラとしての車両位置決め制御コントローラ14から供給される指令信号に応じて所定の演算処理を実行し、電気モータ1、ブレーキアクチュエータ5FL〜5RR、ペダル反力アクチュエータ11Bのそれぞれに対して制御信号を出力するようになっている。
図2は、本実施形態における制御系の全体構成を示すブロック図である。
即ち、図2は、車両100の位置決め制御系全体の構成を示しており、位置決め制御系の機能としては、目標軌道生成部200と、追従制御部としてのモデル追従制御部300と、を有している。これら各機能は、実際には、車両位置決め制御コントローラ14、ローカルコントローラ13、電気モータ1、ブレーキアクチュエータ5FL〜5RR、車輪速センサ7FL〜7RR等を含んで構成されている。
目標軌道生成部200には、車両100の目標軌道を求めるのに必要な情報として目標距離L及び目標到達時間Tfとが入力されるようになっている。なお、これら目標距離L及び目標到達時間Tfは、ドライバが入力装置10を操作することで入力される。
目標軌道生成部200は、目標距離Lを目標到達時間Tfで移動するための目標軌道rを生成し、その目標軌道rをモデル追従制御部300に供給する。
モデル追従制御部300は、目標軌道生成部が出力した目標軌道rに追従するように、車両100を制御する。具体的には、目標軌道rは、走行距離Lと車速Vとの関係を決めたものであって、その関係に沿って車両100を走行させることで、目標距離Lを目標到達時間Tfで移動させるということになる。ただし、走行中の外乱(減速器2に含まれる歯車のバックラッシュ、路面の凹凸、横風など)や、車両100の部材などの経時劣化に起因したパラメータの変動等によって、車両100の実際の走行距離Lvに対する実際の車速Vvの関係は、目標軌道rからずれることがある。よって、モデル追従制御部300は、目標軌道r通りに車両100が移動するように、実際の走行距離Lv、車速Vvを監視しつつ、スライディングモード制御に従って、車両100の電気モータ1による駆動トルク、ブレーキアクチュエータ5FL〜5RRによる制動トルクを制御するようになっている。
図3は、モデル追従制御部300の具体的構成を示すブロック図である。
即ち、モデル追従制御部300は、車両100の目標軌道r(Lr、Vr)と、実軌道rv(Lv、Vv)との偏差である追従誤差eを算出する追従誤差演算部310と、その追従誤差eに基づいてスライディングモード制御を実行するスライディングモード制御部320とを備えている。
ここで、目標軌道rに時間tの概念を加えることで、これを目標軌道r(t)と表記する。その目標軌道r(t)は、目標走行距離Lr(t)と目標車速Vr(t)とで構成される2次元ベクトル(Lr(t)、Vr(t))で表すことができる。ただし、ここでは一例として目標軌道rの状態量を2次元ベクトルとして説明しているが、そのベクトルの次元数は、例えば舵角やヨーレートなどを加えて3以上としてもよく、任意に設定することができる。
そして、車両100の状態の観測値として、実際の走行距離Lv(t)及び実際の車速Vv(t)が追従誤差演算部310に供給され、そして、追従誤差演算部310において下記(1)式に従って追従誤差e(t)が演算される。
e(t)=[Lr(t)−Lv(t)、Vr(t)−Vv(t)] ……(1)
この追従誤差eがスライディングモード制御部320内の線形フィードバック制御部330及び非線形フィードバック制御部340に供給される。
線形フィードバック制御部330は、供給された追従誤差eに対して所定の線形ゲインを乗算して線形フィードバック制御量Uを演算し出力する。
一方、非線形フィードバック制御部340は、供給された追従誤差eに基づき、スライディングモード制御における切換面からの距離σを演算し、その距離σに基づいて非線形フィードバック制御量UNLを演算し出力する。
そして、線形フィードバック制御量U及び非線形フィードバック制御量UNLが加算器380において加算されて制御量Uが演算され、その制御量Uによって車両100の電気モータ1による駆動トルク、ブレーキアクチュエータ5FL〜5RRによる制動トルクが制御される。
ここで、切換面からの距離σの求め方について説明する。
即ち、本実施形態では、図4に示すように、追従誤差e及びその変化率de/dtからなる2次元の直交座標系を考え、切り換え面として、
σ=de/dt+ae ……(2)
を定義する。aは切換面の直交座標系における傾きである。
そして、上記(2)式から、切換面は、σ=0、つまり「de/dt=−ae」と表すことができ、その切換面よりも右上の領域はσ>0であり、左下の領域はσ<0である。
従って、ある時点における距離σは、その時点の追従誤差e及び変化率de/dtからなる座標(e、de/dt)が既知であり、距離σはその座標から切換面σ=0に下ろした垂線の長さであるから、上記(2)式と、傾き−aで座標(e、de/dt)を通る直線との交点を求めれば、その交点と座標(e、de/dt)との間の長さとして求めることができる。
そして、スライディングモード制御部320によるスライディングモード制御が適切に実行されれば、所望の動特性で、追従誤差e(t)は0に収束することになる。
ここで、非線形フィードバック制御部340で用いる切換え関数に、図5に示すような理想的な関数を用いると、チャタリング現象が発生する。上述したように、図5に示す関数は、無限の速さで不連続な切換えをする理想的な数式モデルを用いた関数であるため、有限時間で連続に変化する現実の制御対象との間に隔たりがあるからである。
このため、実際のスライディングモード制御では、図6、図7に示すような近似切換関数を用いることが多い。
ここで、図6は平滑化関数と呼ばれ,下記(3)式や(4)式を用いることが多い。また、図7は飽和関数と呼ばれ、下記(5)式で表すことができる。なお、(3)〜(5)式は、いずれも距離σを入力とし、yを出力とする関数であり、この出力yが、本実施形態では非線形フィードバック制御量UNLとなる。また、各式中のδは、正の定数である。
そして、これら近似切換関数では、定数δが0に近づく程、傾きが大きくなり、近似切換関数の形は、図5に示した理想的な関数の形に近づく。従って、定数δは、近似切換関数の傾きを調整するためのパラメータγの逆数(γ=1/δ)と定義できる。
Figure 2016057909
……(3)
Figure 2016057909
……(4)
Figure 2016057909
……(5)
上記(4)式右辺の「2/π」は、最大値及び最小値を+1〜―1とするためのスケールファクタである。実際には、上記(3)〜(5)式の近似関数の出力に切換ゲインを乗じた値が非線形フィードバック制御量UNLとなる。
そして、本実施形態では、追従誤差e(t)から距離σを演算し、その距離σに基づいて、非線形フィードバック制御部340における近似切換関数の傾きを調整する傾き調整部360を有している。
傾き調整部360の具体的な構成は、図8に示すようになっている。即ち、傾き調整部360は、追従誤差e(t)から距離σを演算する距離演算部400と、距離演算部400が演算した距離σに基づいて、パラメータγの調整速度dγ/dtを決めるパラメータηを設定する収束速度調整部410と、距離σ及びパラメータηに基づいてパラメータγの調整速度dγ/dtを設定する傾き調整速度算出部420と、この傾き調整速度算出部420が設定した調整速度dγ/dtを積分してパラメータγを演算する積分演算部430と、この積分演算部430が演算したパラメータγの逆数を演算することで上述した近似切換関数に用いる定数δを演算する逆数演算部440と、を備える。
距離演算部400では、非線形フィードバック制御部340における距離σの求め方と同じ方法で距離σを求めることができる。また、距離演算部400における演算処理は、非線形フィードバック制御部340における距離σの演算処理が兼ねる構成とすること可能である。
収束速度調整部410は、距離σの変化率dσ/dtを演算するとともに、距離σが大きい場合及び変化率dσ/dtが小さい場合には、パラメータηを大きな値(近似切換関数の傾きが大きくなる傾向が強くなる値)に設定し、距離σが小さい場合及び変化率dσ/dtが大きい場合には、パラメータηを小さい値(近似切換関数の傾きが小さくなる傾向が強くなる値)に設定する。
より具体的には、本実施形態における収束速度調整部410は、下記(6)式に基づいてパラメータηを演算することで、距離σ及び変化率dσ/dtに対するパラメータηの特性を上記のような傾向となるようにしている。
η=|σ/(|dσ/dt|+ε)| ……(6)
なお、上記(6)式の右辺分母のεは、演算処理における所謂ゼロ割を防ぐための微少値であり、正の定数である。
傾き調整速度算出部420は、距離σと、パラメータηと、直前に演算した調整速度dγ/dt及びパラメータγとに基づいて、最新の調整速度dγ/dtを演算する。
そして、本実施の形態では、距離σの変化率dσ/dtとパラメータηとを、距離σの大きさ及び距離σの正負に応じた演算則に基づいて加算又は減算することで、調整速度dγ/dtを演算する構成としている。
つまり、傾き調整速度算出部420は、基本的には、距離σの変化率dσ/dtが大きいときには調整速度dγ/dtを大きく、逆に変化率dσ/dtが小さいときには調整速度dγ/dtを小さく設定するようになっていて、さらに、パラメータηで調整速度dγ/dtを調整するようになっている。
ここで、図4に示すスライディングモード制御における境界層幅に相当する定数δを適応的に調整することを考える。
そこで、スライディングモード制御を実行するシステムを安定化させるために、Lyapunov関数の候補Vを、下記(7)式のように定義する。なお、上述のように、γ=1/δである。
Figure 2016057909
……(7)
上記(7)式の時間微分は、
Figure 2016057909
……(8)
である。
Lyapunovの安定定理から、システムを安定化させるためには、上記(8)式が下記(9)式を満たせばよい。
Figure 2016057909
……(9)
そこで、この(9)式の両辺を||σ|−γ|で除算して変形すると、
Figure 2016057909
……(10)
となる。
パラメータηは、既に述べているように収束の速さを規定する正の定数である。即ち、Lyapunov安定定理の条件は、システムの安定性は証明できるものの、収束の速さについては何も言っていないので、本実施形態では、dV/dt<0の条件を拡張し、収束の速さを規定するパラメータηを導入した。これによりパラメータηが大きければ相対的にVが速く平衡点に収束し、逆にパラメータηが小さければ相対的にVがゆっくりと収束することになる。
そして、上記(10)式の左辺の「(|σ|−γ)/(||σ|−γ|)」を符号関数Aとし、同じく左辺の「σ/|σ|」を符号関数Bと呼ぶこととする。
パラメータγ(=1/δ)は、図4における切換面σ=0に沿って状態量が原点に向かって動く際に許容できる切換面近傍での誤差量と考えることもできる。
従って、その誤差量よりも大きいところに状態量が存在すれば、符号関数Aは「+1」となるし、逆にその誤差量よりも小さいところに状態量が存在すれば、符号関数Aは「−」となる。
つまり、切換面からの距離σに応じて、符号関数Aは+1又は−1のいずれかとなり、パラメータηの値を決めることになる。ただし、「δ|σ|=1」でバランスするように調整されることになる。ただし、距離σは、0<σMIN≦σ≦σMAXという下限値σMIN及び上限値σMAXを持つこととする。
符号関数Aについて整理すると、符号関数Aの「+1」「−1」は、
条件a) |σ|<γ (δ|σ|<1) → A=−1
条件b) |σ|>γ (δ|σ|>1) → A=+1
に対応していることになる。
これに対し、符号関数Bは、距離σを決めるそのときの状態量が、切換面σ=0の上側にあるのか(σ>0)、下側(σ<0)にあるのかに応じて、「+1」又は「−1」をとるものである。
符号関数Bについて整理すると、符号関数Bの「+1」「−1」は、
条件b) σ>0 → B=+1
条件c) σ<0 → B=−1
に対応していることになる。
上記条件a)〜d)の組合せは、下記の通り4種類である。
条件a)|σ|<γ(A=−1)
条件c)σ>0のとき
dγ/dt<−η+dσ/dt ……(11)
条件d)σ<0のとき
dγ/dt<−η−dσ/dt ……(12)
条件b)|σ|>γ(A=+1)
条件c)σ>0のとき
dγ/dt>η+dσ/dt ……(13)
条件d)σ<0のとき
dγ/dt>η−dσ/dt ……(14)
これら(11)〜(14)式は、システムの安定性を損なわない調整速度dγ/dtを示すものであるから、最適な調整速度dγ/dtを設定するには、各式における不等号を等号に変えた式を用いればよいことになる。
そこで、傾き調整速度算出部420においては、図9に示す処理に従って調整速度dγ/dtを設定するようになっている。
即ち、図9のステップS101では、距離σの絶対値にそのときの定数δを乗じた値が1未満であるか否かを判定する。つまり、ステップS101では、距離σの大きさに基づいた判断処理を行い、|σ|δ<1の場合は、ステップS102に移行し、それ以外の場合はステップS103に移行する。
要するに、ステップS101では、条件a)、条件b)のいずれが成立しているかを判断し、条件a)の場合にはステップS102に移行し、条件b)の場合にはステップS103に移行する。なお、|σ|δ=1の場合には、条件a)、条件b)のいずれにも属さないことになってしまうが、その場合にはステップS102、ステップS103のいずれに移行しても実際は問題ないため、本実施形態では、ステップS103に移行する構成としている。
ステップS102では、距離σ>0であるか否かを判定する。要するに、条件c)が成立しているか否かの判定を行う。
ステップS102の判定が「Yes」の場合には、ステップS104に移行し、上記(11)式を等号に置き換えた式に基づいて調整速度dγ/dtを設定する。
これに対し、ステップS102の判定が「No」の場合には、ステップS105に移行し、上記(12)式を等号に置き換えた式に基づいて調整速度dγ/dtを設定する。
一方、ステップS103に移行した場合にも、ステップS102と同様に、距離σ>0であるか否かを判定する。
ステップS103の判定が「Yes」の場合には、ステップS106に移行し、上記(13)式を等号に置き換えた式に基づいて調整速度dγ/dtを設定する。
これに対し、ステップS103の判定が「No」の場合には、ステップS107に移行し、上記(14)式を等号に置き換えた式に基づいて調整速度dγ/dtを設定する。
ステップS104〜S107で調整速度dγ/dtが設定されたら、傾き調整速度算出部420は、その調整速度dγ/dtを積分演算部430に供給する。
積分演算部430は、調整速度dγ/dtを積分してパラメータγを演算し、逆数演算部440は、パラメータγの逆数である定数δを演算する。
なお、積分演算部430における積分演算の初期値は、近似切換関数の傾きが取り得る範囲の中央値又はその近傍の値に設定しておくことが望ましい。また、積分演算部430の出力値(積分値)には、上限値及び下限値を設定しておくことも可能であり、それら上限値及び下限値は、スライディングモード制御が適用されるシステムにおいて近似切換関数の傾きが取り得るべき値の上限値及び下限値に基づいて設定することができる。
そして、非線形フィードバック制御部340は、定数δに応じて、近似切換関数の傾きを調整する。具体的には、近似切換関数として用いている上記(3)〜(5)等の式に定数δを代入することになる。
(動作)
次に、動作を説明する。
即ち、走行中の車両100に外乱が入力された結果、目標軌道r(t)と実軌道rv(t)との間に追従誤差eが生じたものとする。
追従誤差eが生じると、その追従誤差eに応じてスライディングモード制御部320においてスライディングモード制御が実行される。
外乱が生じた直後で追従誤差eが大きく、距離σも大きくなったとする。すると、線形フィードバック制御部330において線形フィードバック制御量Uが演算されるとともに、非線形フィードバック制御部340において非線形フィードバック制御量UNLが演算され、それら線形フィードバック制御量U及び非線形フィードバック制御量UNLが加算器380で加算されて制御量Uが求められ、車両100に対する制御が実行される。
ここで、スライディングモード制御の近似切換関数に用いられる定数δは、パラメータγの逆数であり、パラメータγは上記(11)〜(14)式に基づいて設定される調整速度dγ/dtを積分した値であり、調整速度dγ/dtは、距離σの変化率dσ/dtにパラメータηを加えたものである。
そして、(11)式、(12)式では、距離σの正負の違いはあるものの、結局のところ変化率dσ/dtからパラメータηを減じて調整速度dγ/dtを演算しているため、その調整速度dγ/dtは、変化率dσ/dtよりも小さめの値となる。
これとは逆に、(13)式、(14)式では、距離σの正負の違いはあるものの、結局のところ、変化率dσ/dtにパラメータηを加えて調整速度dγ/dtを演算しているため、その調整速度dγ/dtは、変化率dσ/dtよりも大きめの値となる。
また、パラメータηは、上記(6)で演算されることから、切換面σ=0からの距離σが大きいほど、距離σの変化速度が遅いほど、大きな値となり、逆に、距離σが小さいほど、距離σの変化速度が速いほど、小さな値となる。
以上から、本実施形態の構成であれば、外乱が入った直後で未だ距離σが大きい状況であるほど、パラメータηは大きくなって調整速度dγ/dtは大きな値となり、収束速度は速くなる傾向となる。
また、距離σの変化率dσ/dtが小さいときにもパラメータηは大きくなり、さらに距離σの絶対値が大きければ上記(13)式、(14)式に基づき変化率dσ/dtにパラメータηを加えて調整速度dγ/dtが演算されることから、切換面の傾きは、距離σの変化よりも速く調整することができる。
そして、スライディングモード制御が実行されて切換面σ=0近傍に状態量が存在し距離σが小さい状況であると、上記(11)式、(12)式に基づき変化率dσ/dtからパラメータηを減じて調整速度dγ/dtが演算されることから、切換面の傾きの収束速度は遅くなってチャタリングは抑制される。
このように、本実施形態の構成であると、近似切換関数の傾きは、スライディングモード制御における切換面からの距離σの大きさや変化率dσ/dtに応じて変化する。このため、減速器2に含まれる歯車のバックラッシュのように、強い非線形性を持つ不確かさにより、急激な距離σの変化が生じた場合には、近似切換関数の傾きは素早く調整されて大きくなる。逆に、距離σの変化が遅ければ、近似関数の傾きの変化も遅い。
(シミュレーション結果)
図10(本発明例)は、上記実施形態と同様の構成で近似切換関数として上記(5)式で示す飽和関数を適用した車両位置決め制御装置のシミュレーション結果を示すグラフであり、(a)は位置[rad]、(b)は速度[rad/s]、(c)は加速度[rad/s]、(d)は躍度(加加速度)[rad/s]、それぞれ示している。なお、今回のシミュレーションでは、車輪の回転位置を制御対象として演算しているため、厳密には、(a)は車輪の回転角度、(b)は車輪の回転角速度、(c)は車輪の回転角加速度、(d)は車輪の回転角躍度であるが、それらに車輪の半径を乗じれば距離と同義なので、位置、速度、加速度、躍度と簡略表示して以下説明する。
また、図10の例は、高さ0.12mの段差を乗り越える場合を想定していて、いずれの半径にも、平坦路を走行していて段差を乗り越えない場合の波形と共に示している。なお、図10(a)〜(d)において、破線で示す方が段差を乗り越えない場合のシミュレーション結果である。
図10(a)に示すように、段差を乗り越えようとした結果、位置は、1〜3秒辺りところで少し遅れ、(b)に示すように速度にも変動が生じることになる。なお、速度は、(b)の矢印A1において外乱が発生していない状態に戻っていることが判る。
シミュレーション結果の比較対照として、図11には上記特許文献1に示した追従誤差eの変化率de/dtに基づき近似切換関数の傾きを調整するスライディングモード制御装置の例(比較例1)を、図12には近似切換関数の傾きを固定とした一般的なスライディングモード制御装置の例(比較例2)を、図13には線形状態フィードバック制御装置の例(比較例3)を、それぞれ示す。なお、制御手法が違うことを除いては、これら比較例1〜3は、図10に示した本願発明のシミュレーションと同じ条件であり、図11〜図13の各(a)〜(d)が示す物理量も、図10(a)〜(d)と同じである。
図10(b)と、図11〜図13(b)とを比較すれば判るように、本発明例における速度のオーバーシュート(段差を乗り越えない場合との差異)は、他の制御手法と比較して小さくなっている。速度のオーバーシュートについては、比較例3(線形フィードバック制御)が最も大きく、比較例1、2であっても、比較例3の半分程度で済んでいるが、本願発明であれば、さらに小さくなっている。なお、図10〜図13に矢印A1〜A4で示すように、誤差の収束時間についてはそれほど大きな差は生じていない。
また、加速度の変化については、図10(c)と、図11(c)、図12(c)とを比較すると、段差に達した直後の変化については大きな差はないが、その後に続くところでは、最大加速度も小さくなっており、チャタリングも大幅に抑制されていることが判る。即ち、図10(c)のP1、P2に示すように、本発明例ではピークも小さく持続振動も発生していないが、他のスライディングモード制御装置では、図11(c)のP5、P6、図12(c)のP10、P11にそれぞれ示すように、ピークも大きく、比較的大きなチャタリングが発生している。なお、比較例1は、P5、P6に示すように、本発明例に比べれば振動のピークは大きいものの、比較例2(P10、P11)のような持続振動は発生していない。
さらに、躍度については、図10(d)のP3、P4に示すように、スパイク状の波形が発生しているが、これは変速機におけるギアの接触によるものであるので、車両の乗り心地には影響しない。図11(d)のP8、P9に示すように、比較例1においても同様のスパイク状の波形が発生しており、その理由は本発明例と同じであるし、躍度も、比較例3に比べて1/4程度で済んでいる。これに対し、比較例2にあっては、比較例3に対して優位性は認められるものの、速度の持続的振動の影響を受け、P12、P13に示すように、長時間の持続的振動が発生し、乗り心地が悪化する。
また、比較例1では、図11(d)のP7に示すように、本発明例では発生してない単発の振動が認められる。これは、本発明例に比較して適応則に若干不完全な部分があったためだと思われる。
なお、比較例3は、そもそもスライディングモード制御を実行する構成ではないため、加速度において上記のようなチャタリングは発生していないが、図13(c)に示すように外乱発生直後の加速度変動が大きくなっている。また、比較例3では、速度のオーバーシュートに起因して、横方向に幅を持った加速度、躍度の変化も発生しており、乗り心地は大きく悪化している。
図14は、各制御手法における制御入力(モータ駆動トルク指令値)の時間変化を示すグラフであり、(a)は本発明例、(b)は比較例1、(c)は比較例2、(d)は比較例3の結果を示す。
これらを比較すれば判るように、本発明例であれば、指令値は最も滑らかに変化しており、その振幅も比較的小さいため、過大なオーバーシュートや振動による無駄なエネルギ消費がない。
これに対し、比較例1では、バックラッシュの影響を受けて、所々に単発の振動が生じていることが判る。ただし、持続振動は発生していない。また、比較例2では、バックラッシュの影響を受けて持続振動(チャタリング)が発生しているため、乗り心地に悪化し、消費エネルギも大きくなる。さらに、比較例3では、段差乗り上げ時に過大なオーバーシュートが生じるため、大きな制御入力が必要であり、その分、乗り心地の悪化やエネルギ消費の増大を招く。
図15は、スライディングモード制御の近似切換関数における境界層の幅δの時間変化を示すグラフであり、(a)は本発明例を、(b)は比較例1を、それぞれ示している。
本発明例では、境界層の幅δの調整回数も少なく且つ調整量も小さいことが読み取れることから、段差を乗り越える際の比較的ゆっくり変化する大きな追従誤差に対しても、バックラッシュに起因する速く変化する小さな追従誤差に対しても、適切な境界層の幅δ(近似切換関数の傾き)を調整できていることが判る。
比較例1では、段差を乗り越える際の比較的ゆっくり変化する大きな追従誤差に対しては、本発明例ほどではないが、ほぼ適切に調整できているが、バックラッシュに起因する速く変化する小さな追従誤差に対しては、幅δが過剰に変化してしまい、チャタリングの抑止効果が低くなっている。
図16は、本発明例及び比較例1〜3のそれぞれにおけるエネルギ消費量を示すグラフであり、図中下側から、(a)本発明例、(b)比較例1、(c)比較例2、(d)比較例3を、それぞれ示している。
本発明例は、他の手法と比較してもさらにエネルギ消費量が少ない。比較例1は、適応則が本発明例と異なるため、その分、チャタリングの抑止効果が低く、エネルギ消費量が増えている。比較例2は、オーバーシュート量は少ないが持続振動が長いためエネルギ消費量が増えている。比較例3は、過大なオーバーシュートが生じるため、最もエネルギ消費量が多くなっている。
以上説明したように、シミュレーション結果からも、本実施形態(本発明例)の構成であれば、他の制御手法に比べて、より素早く、滑らかに、しかも省エネルギで目標軌道を追従する理想に近い制御系であることが判る。
(第1実施形態の効果)
(1)状態量の追従誤差eを追従誤差演算部310で演算し、線形フィードバック制御及び非線形フィードバック制御を含むスライディングモード制御をスライディングモード制御部320で実行し、追従誤差eに基づきスライディングモード制御における切換面からの距離σを距離演算部400で演算し、非線形フィードバック制御の指令値の切り換えに用いる近似切換関数の傾きを、距離σに基づいて傾き調整部360で調整するようにしたため、より確実に、スライディングモード制御のロバスト性の悪化を避けつつチャタリングを抑制できる。
(2)スライディングモード制御部320は、追従誤差eに基づいた線形フィードバック制御を実行する線形フィードバック制御部330と、距離σに基づいた非線形フィードバック制御を実行する非線形フィードバック制御部340とを備えたため、線形フィードバック制御及び非線形フィードバック制御を適切に組み合わせたスライディングモード制御が実行される。
(3)傾き調整部360は、距離σが大きいときには近似切換関数の傾きの変化を速くする一方、距離σが小さいときには近似切換関数の傾きの変化を遅くするようにしたため、比較的ゆっくり変化する大きな追従誤差に対しても、速く変化する小さな追従誤差に対しても、適切な近似切換関数の傾きを調整することができる。
(4)傾き調整部360は、距離σに基づき、近似切換関数の傾きを決めるパラメータγの調整速度dγ/dtを傾き調整速度算出部420で設定し、調整速度dγ/dtを積分演算部430で積分してパラメータγを演算し、そのパラメータγに基づいて近似切換関数の傾きを調整するようにしたため、調整速度dγ/dtを適宜設定するだけで、適切な近似切換関数の傾きを調整することができる。
(5)傾き調整部360は、距離σが大きいほど、距離σの変化率dσ/dtが小さいほど、調整速度dγ/dtを決めるパラメータηを、近似切換関数の傾きの収束が速くなる値に設定し、距離σが小さいほど、変化率dσ/dtが大きいほど、パラメータηを、近似切換関数の傾きの収束が遅くなる値に設定する収束速度調整部410を備え、傾き調整速度算出部420は、パラメータηに基づいて調整速度dγ/dtを設定するようにしたため、より確実に、比較的ゆっくり変化する大きな追従誤差に対しても、速く変化する小さな追従誤差に対しても、適切な近似切換関数の傾きを調整することができる。
(6)収束速度調整部410は、距離σを変化率dσ/dtの絶対値|dσ/dt|と微少値εとの合計値で除算した値の絶対値(|(σ/(|dσ/dt|+ε))|)を、パラメータηとして設定するようにしたため、簡易な演算処理で、適切な近似切換関数の傾きを調整することができる装置を実現できる。
(7)傾き調整速度算出部420は、距離σの変化率dσ/dtとパラメータηとを、距離σの大きさ及び距離σの正負に応じた演算則に基づいて加算又は減算することで、調整速度dγ/dtを演算するようにしたため、簡易な演算処理で、調整速度dγ/dtを適切に設定することができる。
(8)車両位置決め制御装置は、スライディングモード制御部320及び追従誤差演算部310を備え、追従誤差演算部310は、状態量の追従誤差として車両の目標軌道と車両の実際の軌道との偏差を演算し、車両が目標軌道を追従するように、追従誤差に基づきスライディングモード制御装置によるスライディングモード制御に従って当該車両を制御するようにしたため、歯車のバックラッシュのように不連続に変化する強い非線形性を含む車両であっても、スライディングモード制御のロバスト性の悪化を避けつつチャタリングを抑制できる。
(変形例)
上記第1実施形態では、本発明に係るスライディングモード制御装置及び制御方法を適用した車両位置決め制御装置を、電気モータ1を駆動源とした車両100に適用した場合について説明したが、本発明が適用し得る車両はこれに限定されるものではなく、内燃機関を駆動源とした車両や、内燃機関及び電気モータの両方を駆動源とした所謂ハイブリッド車両であっても、本願発明は適用可能である。
また、上記第1実施形態では、積分演算部430を設けた構成になっているが、積分演算部430の代わりにローパスフィルタを用いることも可能である。
1 電気モータ、2 減速器、2A 車軸、3 レゾルバ、4FL〜4RR 車輪、5FL〜5RR ブレーキアクチュエータ、6FL〜6RR ブレーキディスク、7FL〜7RR 車輪速センサ、8 ステアリングホイール、8A ステアリングコラム、9 操舵角センサ、10 入力装置、11 アクセル・ブレーキペダル、11A ストロークセンサ、11B ペダル反力アクチュエータ、12 前後加速度センサ、13 ローカルコントローラ、14 制御コントローラ、100 車両、200 目標軌道生成部、300 モデル追従制御部、310 追従誤差演算部、320 スライディングモード制御部、330 線形フィードバック制御部、340 非線形フィードバック制御部、400 距離演算部、410 収束速度調整部、420 傾き調整速度算出部、430 積分演算部、440 逆数演算部

Claims (9)

  1. 状態量の追従誤差eを演算する追従誤差演算部と、
    線形フィードバック制御及び非線形フィードバック制御を含むスライディングモード制御を実行するスライディングモード制御部と、
    前記追従誤差eに基づき前記スライディングモード制御における切換面からの距離σを演算する距離演算部と、
    前記非線形フィードバック制御の指令値の切り換えに用いる近似切換関数の傾きを、前記距離σに基づいて調整する傾き調整部と、
    を備えたことを特徴とするスライディングモード制御装置。
  2. 前記スライディングモード制御部は、前記追従誤差eに基づいた線形フィードバック制御及び前記距離σに基づいた非線形フィードバック制御を含むスライディングモード制御を実行する請求項1に記載のスライディングモード制御装置。
  3. 前記傾き調整部は、前記距離σが大きいときには前記近似切換関数の傾きの変化を速くし、前記距離σが小さいときには前記近似切換関数の傾きの変化を遅くする請求項1又は2に記載のスライディングモード制御装置。
  4. 前記傾き調整部は、
    前記距離σに基づき、前記近似切換関数の傾きを決めるパラメータγの調整速度dγ/dtを設定する傾き調整速度算出部と、
    前記調整速度dγ/dtを積分して前記パラメータγを演算する積分演算部と、
    を備えるとともに、
    前記パラメータγに基づいて前記近似切換関数の傾きを調整する請求項3に記載のスライディングモード制御装置。
  5. 前記傾き調整部は、
    前記距離σが大きいほど、前記距離σの変化率dσ/dtが小さいほど、前記調整速度dγ/dtを決めるパラメータηを、前記近似切換関数の傾きの収束が速くなる値に設定し、前記距離σが小さいほど、前記変化率dσ/dtが大きいほど、前記パラメータηを、前記近似切換関数の傾きの収束が遅くなる値に設定する収束速度調整部を備え、
    前記傾き調整速度算出部は、前記パラメータηに基づいて前記調整速度dγ/dtを設定する請求項4に記載のスライディングモード制御装置。
  6. 前記収束速度調整部は、
    前記距離σを前記変化率dσ/dtの絶対値|dσ/dt|と微少値εとの合計値で除算した値の絶対値(|(σ/(|dσ/dt|+ε))|)を、前記パラメータηとして設定する請求項5記載のスライディングモード制御装置。
  7. 前記傾き調整速度算出部は、前記距離σの変化率dσ/dtと前記パラメータηとを、前記距離σの大きさ及び前記距離σの正負に応じた演算則に基づいて加算又は減算することで、前記調整速度dγ/dtを演算する請求項5又は6に記載のスライディングモード制御装置。
  8. スライディングモード制御における非線形フィードバック制御の指令値の切り換えに用いる近似切換関数の傾きを、状態量の追従誤差eに基づいて演算されるスライディングモード制御における切換面からの距離σに基づいて調整することを特徴とするスライディングモード制御方法。
  9. 前記請求項1乃至7のいずれか1項に記載のスライディングモード制御装置を備え、
    前記追従誤差演算部は、前記状態量の追従誤差として車両の目標軌道と前記車両の実際の軌道との偏差を演算し、
    前記車両が前記目標軌道を追従するように、前記追従誤差に基づき前記スライディングモード制御装置によるスライディングモード制御に従って当該車両を制御することを特徴とする車両位置決め制御装置。
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