JP2016057043A - 加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換器による熱交換効率を向上させることができる加熱装置を提供する。
【解決手段】加熱装置20は、排気ガスが流れる排気管3の内部に設けられた熱交換器4と、排気管3の外部において熱交換器4の周囲に設けられ、熱交換器4を加熱するための熱を発生させる化学蓄熱装置10と、を備え、熱交換器4は、板材を折り曲げて形成されており、且つ、排気管3の内部に向かって突出する山折り部21と、排気管3と接合された谷折り部22とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】加熱装置20は、排気ガスが流れる排気管3の内部に設けられた熱交換器4と、排気管3の外部において熱交換器4の周囲に設けられ、熱交換器4を加熱するための熱を発生させる化学蓄熱装置10と、を備え、熱交換器4は、板材を折り曲げて形成されており、且つ、排気管3の内部に向かって突出する山折り部21と、排気管3と接合された谷折り部22とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、加熱装置に関する。
従来の加熱装置として、例えば特許文献1に記載されているように、反応媒体としてアンモニア(NH3)を用いた化学反応により、車両の内燃機関の排気系に設けられた熱交換器を加熱し、当該熱交換器の温度を排気ガスの浄化に適切な温度まで上昇させ、内燃機関の温度が十分上昇し排気ガスの温度が高くなると反応媒体を回収する排気浄化システムに適用される加熱装置が知られている。
このような加熱装置では、排気ガスの温度が低い暖機運転時には、貯蔵器に貯蔵されたNH3が導入管を介して反応器に導入され、導入されたNH3と反応器内の反応材とが化学反応し、熱が発生する。この熱により熱交換器が加熱され、熱交換器を介して排気管内の排気ガスが加熱される。
上記のように、反応器からの熱を、熱交換器を介して効率良く排気ガスへ伝えるためには、熱交換器の構造が重要である。従来の熱交換器として、例えば上記特許文献2に記載されているようなメタルハニカム体のメタル触媒担体を採用することがある。しかしながら、上記特許文献2に記載されているメタル触媒担体は、2つの板が互いに点接触するように形成され、熱伝導経路が限られた構造であるため、伝熱性が良くないという問題がある。このため、上記特許文献2に記載されているメタル触媒担体を熱交換器として採用すると、反応器からの熱が熱交換器を介して排気ガスへ伝わりにくくなってしまう。その結果、熱交換器による熱交換効率が低下してしまう。
本発明は、熱交換器による熱交換効率を向上させることができる加熱装置を提供することを目的とする。
本発明に係る加熱装置は、熱媒体が流れる配管の内部に設けられた熱交換器と、配管の外部において熱交換器の周囲に設けられ、熱交換器を加熱するための熱を発生させる加熱部と、を備え、熱交換器は、板材を折り曲げて形成されており、且つ、配管の内部に向かって突出する突出部と、配管と接合された接合部とを有することを特徴とする。
本発明に係る加熱装置では、熱交換器が、板材を折り曲げて形成されているので、熱交換器の熱伝導面の連続性が高くなる。これにより、熱交換器自体の伝熱性を向上させることができる。また、熱交換器の接合部が配管と接合されているので、熱交換器と配管との間における接触抵抗を下げることができ、熱交換器と配管との間の伝熱性を向上させることができる。更に、熱交換器の突出部が、板材を折り曲げて形成されているので、配管の内部を流れる熱媒体と熱交換器との接触面積を増やすことができる。これにより、配管の内部における熱媒体へ熱を伝え易い熱交換器を実現することができる。以上より、熱交換器による熱交換効率を向上させることができる。
本発明に係る加熱装置において、配管は円筒状であり、突出部は、配管の内部における中心に向かって山形に折られた山折り部であってもよい。この場合、配管が円筒状であるため、配管の内部に向かって突出する突出部の高さを揃えて形成することができる。よって、加熱装置の加工性を向上させることができる。
本発明に係る加熱装置において、突出部には、配管の内部を流れる熱媒体に乱流を発生させる乱流付与部が設けられていてもよい。この場合、熱媒体が乱流付与部を通過することにより乱流が発生するので、乱流効果によって、熱交換器から配管の内部を流れる熱媒体へと熱を伝え易くすることができる。
本発明に係る加熱装置において、山折り部は、頂点が配管の内部における中心に向かって集まるように形成された第一山折り部と、第一山折り部の頂点よりも配管側の位置に頂点を有する第二山折り部とを有し、第一山折り部と第二山折り部とが並設されていてもよい。この場合、第一山折り部の頂点が配管の内部における中心に向かって集まると共に、各第一山折り部の間において、第一山折り部の頂点よりも配管側の位置に頂点を有する第二山折り部が配置される。このため、配管の内部における中心に近い位置と当該中心から離れた位置とで山折り部の粗密差が生じないようにすることができ、配管の内部における中心に近い位置に比べて当該中心から離れた位置において熱交換器による熱交換効率が下がるのを抑制することができる。
本発明に係る加熱装置において、加熱部は、配管の外部において熱交換器の周囲に設けられ、反応媒体と化学反応して熱を発生させる反応材を有する反応器と、反応器と接続され、反応媒体を貯蔵する貯蔵器と、を有してもよい。この場合、反応器において発生した熱を、伝熱性が高い熱交換器を介し、配管内を流れる熱媒体へ効率良く伝えることが可能となる。
本発明によれば、熱交換器による熱交換効率を向上させることができる加熱装置が提供される。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る加熱装置を備えた排気浄化システムを示す概略構成図である。同図において、排気浄化システム1は、車両のディーゼルエンジン2(以下、単にエンジン2という)の排気系に設けられ、エンジン2から排出される熱媒体である排気ガス中に含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化するシステムである。
図1は、本発明の第1実施形態に係る加熱装置を備えた排気浄化システムを示す概略構成図である。同図において、排気浄化システム1は、車両のディーゼルエンジン2(以下、単にエンジン2という)の排気系に設けられ、エンジン2から排出される熱媒体である排気ガス中に含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化するシステムである。
排気浄化システム1は、エンジン2と接続された排気通路である排気管(配管)3の途中に上流側から下流側に向けて順に配置された酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)5、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)6、選択還元触媒(SCR:SelectiveCatalytic Reduction)7、及び酸化触媒(ASC:Ammonia Slip Catalyst)8を備えている。
酸化触媒5は、排気ガス中に含まれるHC及びCO等を酸化して浄化する触媒である。DPF6は、排気ガス中に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して取り除くフィルタである。SCR7は、尿素またはアンモニア(NH3)によって、排気ガス中に含まれるNOxを還元して浄化する触媒である。酸化触媒8は、SCR7をすり抜けてSCR7の下流側に流れたNH3を酸化する触媒である。
排気浄化システム1は、排気ガスを加熱する加熱装置20を備えている。加熱装置20は、熱交換器4と、化学蓄熱装置10と、を備えている。化学蓄熱装置10は、熱交換器4を加熱するための熱を発生させる加熱部として機能すると共に、熱交換器4を介して外部エネルギーレスで排気ガスを加熱する。化学蓄熱装置10は、通常は排気ガスの熱を蓄えておき、必要なときに蓄えた熱を使用する。化学蓄熱装置10は、排気管3の外部において熱交換器4の周囲に設けられた反応器11と、反応器11と接続された吸着器(貯蔵器)12と、を有している。
熱交換器4は、DOC5よりも上流側の位置で排気管3の内部に設けられている。熱交換器4は、エンジン2からの排気ガスと反応器11との間で熱の伝達を行う機器である。なお、熱交換器4の構造の詳細は、後述する。
反応器11は、気体の反応媒体であるNH3と化学反応して熱を発生すると共に排熱を受けてNH3を脱離させる反応材13を有している。反応材13には、反応材13よりも熱伝導率が高く、反応材13で発生した熱を熱交換器4に伝える熱伝導パスとなる熱伝導材料(図示せず)が含まれている。反応材13は、熱伝導材料が混合された成型ペレットとして構成されている。
反応材13としては、組成式MXaで表されるハロゲン化物が用いられる。ここで、Mは、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の遷移金属である。Xは、Cl、Br、I等である。aは、Mの価数により特定される数であり、2〜3である。熱伝導材料としては、グラファイトシートのような薄いシート状の材料が用いられる。成形ペレットは、反応材13と熱伝導材料とを型に入れて混合させた状態で、それらに対して同時にプレス成型加工を施して押し固めることによって作製される。なお、成型ペレットは、反応材13及び熱伝導材料に加え、カーボンファイバ、カーボンブラック等の材料を混合させた状態でプレス成型加工されてもよい。
吸着器12は、NH3の物理吸着による保持及び脱離が可能な吸着材14を含んでいる。吸着材14としては、活性炭、カーボンブラック、メソポーラスカーボン、ナノカーボン及びゼオライト等が用いられる。吸着器12は、NH3を吸着材14に物理吸着させることで、NH3を貯蔵する。
反応器11及び吸着器12は、供給管15を介して接続されている。供給管15は、反応器11と吸着器12との間をNH3が流れる供給流路を構成している。供給管15には、反応器11と吸着器12との間の流路を開閉させる開閉弁である電磁弁16が設けられている。
このような化学蓄熱装置10において、エンジン2からの排気ガスの温度が低いときは、電磁弁16が開くことで、吸着器12から反応器11にNH3が供給管15を通して供給され、反応器11の反応材13(例えばMgBr2)とNH3とが化学反応して化学吸着(配位結合)し、反応材13から熱が発生する。つまり、下記の反応式(A)における左辺から右辺への反応(発熱反応)が起こる。反応器11で発生した熱によって熱交換器4が加熱され、熱交換器4を介して排気ガスが暖められる。そして、暖められた排気ガスにより酸化触媒5が加熱される。
MgBr2+xNH3 ⇔ Mg(NH3)xBr2+熱 …(A)
MgBr2+xNH3 ⇔ Mg(NH3)xBr2+熱 …(A)
一方、エンジン2からの排気ガスの温度が高くなると、排熱が反応器11の反応材13に与えられることで、反応材13とNH3とが分離する。つまり、上記の反応式(A)における右辺から左辺への反応(再生反応)が起こる。そして、反応材13から脱離したNH3は、供給管15を通して吸着器12に戻り、吸着器12の吸着材14に物理吸着(回収)される。
続いて、図2を参照して、本実施形態に係る加熱装置20の構成について詳細に説明する。図2は、図1に示す加熱装置20の一部を排気管3の軸方向から見た断面図である。ただし、図2においては、反応器11及び吸着器12を省略して示している。
図2に示すように、排気管3は、円筒状(断面円形状)をなしている。排気管3の内部に設けられた熱交換器4は、例えば銅、アルミ、ステンレス鋼等の金属の板材を折り曲げて形成されている。熱交換器4は、例えば0.5mm〜3mmの厚さの一枚の平板を折り曲げて一体的に形成されている。熱交換器4は、排気管3の内部に向かって突出する突出部としての山折り部21と、排気管3と接触する接合部としての谷折り部22とを有している。山折り部21と谷折り部22とは交互に複数並設され、谷折り部22は、隣り合う二つの山折り部21を連結している。山折り部21は、排気管3の内部に向かって山形(逆V字形)に折られている。谷折り部22は、排気管3に溶接により接合されている。
山折り部21が排気管3の内部に向かって突出する高さは、排気管3の半径以下である。本実施形態において、複数の山折り部21の各頂点は、排気管3の内部における中心Pの付近に位置しており、中心Pの部分には隙間が形成されている。山折り部21は、排気管3の内部における中心P側の表面21aと、排気管3の内周面3b側の裏面21bとを有している。同様に、谷折り部22は、排気管3の内部における中心P側の表面22aと、排気管3の内周面3b側の裏面22bとを有している。谷折り部22の裏面22bは、排気管3の内周面3bと溶接接合されている。このように、熱交換器4は、上記のように折り曲げ形成された後、円筒状の排気管3に沿って円筒状に丸められ、排気管3の内周面3bに固定されている。
排気管3内を流れる排気ガスは、熱交換器4の表面21a,22aと排気管3の内部における中心Pとの間の空間、及び、熱交換器4の裏面21bと排気管3の内周面3bとの間の空間を通過する。すなわち、排気管3内を流れる排気ガスは、熱交換器4における表面21a,22a及び裏面21bと接触する。これにより、排気管3内を流れる排気ガスと熱交換器4との間で熱交換が行われる。
以上、本実施形態に係る加熱装置20によれば、熱交換器4が、板材を折り曲げて形成されているので、熱交換器4の熱伝導面の連続性が高くなる。これにより、熱交換器4自体の伝熱性を向上させることができる。また、熱交換器4の谷折り部22が排気管3と接合されているので、熱交換器4と排気管3との間における接触抵抗を下げることができ、熱交換器4と排気管3との間の伝熱性を向上させることができる。更に、熱交換器4の山折り部21が、板材を折り曲げて形成されているので、排気管3の内部を流れる排気ガスと熱交換器4との接触面積を増やすことができる。これにより、排気管3の内部における排気ガスへ熱を伝え易い熱交換器4を実現することができる。以上より、熱交換器4による熱交換効率を向上させることができる。
なお、本実施形態において、熱交換器4は、一枚の板材によって一体的に形成されているので、板材の両端同士の接合部を除いて繋ぎ目なく形成することができ、より高い伝熱性を有する熱交換器4を実現すること可能となる。
この加熱装置20において、排気管3が円筒状であるため、排気管3の内部に向かって突出する山折り部21の高さを揃えて形成することができる。よって、加熱装置20の加工性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る加熱装置20は、反応器11及び吸着器12を有する化学蓄熱装置10を備えている。化学蓄熱装置10では、吸着器12から供給管15を通して反応器11に導入されたNH3と反応器11内の反応材13との化学反応により、反応器11において熱が発生する。本実施形態に係る加熱装置20によれば、反応器11において発生した熱を、伝熱性が高い熱交換器4を介し、排気管3内を流れる排気ガスへ効率良く伝えることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る加熱装置の構成について説明する。第2実施形態に係る加熱装置は、第1実施形態に係る加熱装置20と同様、熱交換器4と、化学蓄熱装置10とを備える。第2実施形態に係る加熱装置が第1実施形態に係る加熱装置20と異なる点は、熱交換器4の山折り部21に、排気管3の内部を流れる排気ガスが通過する空隙としての貫通孔が形成されている点である。
次に、第2実施形態に係る加熱装置の構成について説明する。第2実施形態に係る加熱装置は、第1実施形態に係る加熱装置20と同様、熱交換器4と、化学蓄熱装置10とを備える。第2実施形態に係る加熱装置が第1実施形態に係る加熱装置20と異なる点は、熱交換器4の山折り部21に、排気管3の内部を流れる排気ガスが通過する空隙としての貫通孔が形成されている点である。
図3は、第2実施形態に係る加熱装置の一部を拡大して示す展開斜視図である。ただし、図3においては、反応器11、吸着器12及び排気管3を省略し、熱交換器4の一部を拡大して示している。図3に示すように、第2実施形態に係る加熱装置20Bにおいては、熱交換器4の山折り部21に、表面21a及び裏面21bを貫通する円形状の貫通孔23が複数形成されている。図3に示す場合では、一つの山折り部21を構成する各片にそれぞれ4個の貫通孔23が形成され、一つの山折り部21に計8個の貫通孔23が形成されている。貫通孔23は、例えば、直径が1mm〜2mm程度の大きさである。貫通孔23は、排気管3の内部を流れる排気ガスを通過させる。これにより、排気管3内の排気ガスの流れに乱流が発生する。すなわち、貫通孔23は、排気管3の内部を流れる排気ガスに乱流を発生させる乱流付与部を構成している。
以上、本実施形態に係る加熱装置20Bによれば、熱交換器4の山折り部21に形成された貫通孔23を排気ガスが通過することにより乱流が発生するので、乱流効果によって、熱交換器4から排気管3の内部を流れる排気ガスへと熱を伝え易くすることができる。
また、本実施形態に係る加熱装置20Bを備えた化学蓄熱装置によれば、乱流効果により熱交換器4の伝熱性を向上させることができる。よって、反応器11において発生した熱を、伝熱性が高い熱交換器4を介し、排気管3内を流れる排気ガスへ効率良く伝えることが可能となる。
なお、貫通孔23は、一つの山折り部21を構成する各片にそれぞれ形成されていなくてもよく、各片のうち一方の片のみに形成されていてもよい。貫通孔23の形状及び個数は、上記実施形態に記載するものに限られない。また、山折り部21に形成される空隙は、貫通孔23に限られず、例えば山折り部21を構成する各片の少なくとも一方が切り欠かれて形成されていてもよい。すなわち、山折り部21には、切欠き部が形成されていてもよい。また、山折り部21は、乱流を生じさせる乱流付与部の形状として、空隙に限らず種々の形状を有していてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る加熱装置の構成について説明する。第3実施形態に係る加熱装置は、第1実施形態に係る加熱装置20と同様、熱交換器4と、化学蓄熱装置10とを備える。第3実施形態に係る加熱装置が第1実施形態に係る加熱装置20と異なる点は、熱交換器4の山折り部21が、第一山折り部24と、第二山折り部25とを有する点である。
次に、第3実施形態に係る加熱装置の構成について説明する。第3実施形態に係る加熱装置は、第1実施形態に係る加熱装置20と同様、熱交換器4と、化学蓄熱装置10とを備える。第3実施形態に係る加熱装置が第1実施形態に係る加熱装置20と異なる点は、熱交換器4の山折り部21が、第一山折り部24と、第二山折り部25とを有する点である。
図4は、第3実施形態に係る加熱装置の一部を排気管3の軸方向から見た断面図であり、図2に対応する図である。図4に示すように、第3実施形態に係る加熱装置20Cにおいて、熱交換器4の山折り部21は、排気管3の内周面3bに沿って互いに交互に並設された第一山折り部24及び第二山折り部25を有する。
第一山折り部24は、頂点が排気管3の内部における中心Pに向かって集まるように形成されている。第一山折り部24は、排気管3の内部における中心P側の表面24aと、排気管3の内周面3b側の裏面24bとを有している。第二山折り部25は、第一山折り部24よりも排気管3側の位置、より具体的には排気管3の内部における中心Pから離れた位置に頂点を有する。第二山折り部25は、排気管3の内部における中心P側の表面25aと、排気管3の内周面3b側の裏面25bとを有している。
第一山折り部24の各頂点は、排気管3の内部における中心Pに向かって密に集まっている。一方、排気管3の内周面3b側に位置する第一山折り部24の各裾部は、密集する各頂点に比べて互いに疎の状態で並んでいる。第二山折り部25は、隣接する第一山折り部24の間において、排気管3の内部における中心Pと内周面3bとの間であって第一山折り部24の頂点よりも第一山折り部24の各裾部の近くに頂点が位置するように形成されている。すなわち、第二山折り部25は、第一山折り部24が互いに疎の状態で並んでいることにより形成される第一山折り部24同士の間の領域を埋めるように形成されている。谷折り部22は、第一山折り部24と第二山折り部25との間を連結している。
排気管3内を流れる排気ガスは、熱交換器4の表面24a,25a,22aと排気管3の内部における中心Pとの間の空間、熱交換器4の裏面24bと排気管3の内周面3bとの間の空間、及び、熱交換器4の裏面25bと排気管3の内周面3bとの間の空間を通過する。すなわち、排気管3内を流れる排気ガスは、熱交換器4における表面24a,25a,22a及び裏面24b,25bと接触する。これにより、排気管3内を流れる排気ガスと熱交換器4との間で熱交換が行われる。
以上、本実施形態に係る加熱装置20Cによれば、第一山折り部24の頂点が排気管3の内部における中心Pに向かって集まると共に、各第一山折り部24の間において、第一山折り部24の頂点よりも排気管3側の位置に頂点を有する第二山折り部25が配置される。このため、排気管3の内部における中心Pに近い位置と当該中心Pから離れた位置とで山折り部の粗密差が生じないようにすることができ、排気管3の内部における中心Pに近い位置に比べて当該中心Pから離れた位置において熱交換器4による熱交換効率が下がるのを抑制することができる。
また、本実施形態に係る加熱装置20Cを備えた化学蓄熱装置によれば、上記のように排気管3の中心Pに近い位置と中心Pから離れた位置との間で生じる熱交換器4による熱交換効率の差を抑制可能とすることができる。よって、反応器11において発生した熱を、このような熱交換器4を介し、排気管3内を流れる排気ガスへ効率良く伝えることが可能となる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上記実施形態において、熱交換器4は、一枚の板材で形成されているとしたが、これに限られず、複数の板材を繋ぎ合わせて形成されていてもよい。また、熱交換器4の表面の一部又は全部に触媒コート層が形成されていてもよい。
上記実施形態では、熱交換器4の突出部は、排気管3の内部に向かって山形(逆V字形)に折られている山折り部となっているが、これに限られず、完全な逆V字形ではない略逆V字形であってもよい。また、突出部を排気管3の内部に向かって逆U字形又は略逆U字形等に折るようにしてもよい。
上記実施形態において、熱交換器4の山折り部21は、第一山折り部24及び第二山折り部25という二種類の山折り部を有するとしたが、これに限られず、三種類以上の山折り部を有していてもよい。また、異なる種類の山折り部が互いに交互に並設されていなくてもよく、例えば同じ種類の山折り部が連続して並設されていてもよい。
排気管3及び熱交換器4は、円筒状に限られず、断面三角形又は断面四角形等の断面多角形状であってもよい。
反応器11に導入される反応媒体は、NH3に限られず、例えばH2Оとしてもよい。この場合には、H2Оと化学反応させる反応材としては、CaO、MnO、CuO、Al2O3等を使用する。
また、上記実施形態では、ディーゼルエンジン2の排気系に設けられた熱交換器4を介して排気ガスを加熱しているが、本発明は、特にそれには限られず、ガソリンエンジンの排気系に設けられた熱交換器を介して排気ガスを加熱する装置、エンジンの排気系以外に設けられた熱交換器を介して熱媒体を加熱する装置にも適用可能である。
上記実施形態において、化学蓄熱装置10が熱交換器4を加熱するための加熱部として機能するとしたが、これに限られず、加熱部は、化学蓄熱装置10以外の構成、例えば電気ヒータにより実現してもよい。
3…排気管(配管)、4…熱交換器、10…化学蓄熱装置(加熱部)、11…反応器、12…吸着器(貯蔵器)、20,20B,20C…加熱装置、21…山折り部(突出部)、22…谷折り部(接合部)、23…貫通孔(乱流付与部)、24…第一山折り部、25…第二山折り部、P…中心。
Claims (5)
- 熱媒体が流れる配管の内部に設けられた熱交換器と、
前記配管の外部において前記熱交換器の周囲に設けられ、前記熱交換器を加熱するための熱を発生させる加熱部と、
を備え、
前記熱交換器は、板材を折り曲げて形成されており、且つ、前記配管の内部に向かって突出する突出部と、前記配管と接合された接合部とを有する、加熱装置。 - 前記配管は円筒状であり、
前記突出部は、前記配管の内部における中心に向かって山形に折られた山折り部である、
請求項1に記載の加熱装置。 - 前記突出部には、前記配管の内部を流れる熱媒体に乱流を発生させる乱流付与部が設けられている、
請求項1又は2に記載の加熱装置。 - 前記山折り部は、頂点が前記配管の内部における中心に向かって集まるように形成された第一山折り部と、前記第一山折り部の頂点よりも前記配管側の位置に頂点を有する第二山折り部とを有し、前記第一山折り部と前記第二山折り部とが並設されている、請求項2に記載の加熱装置。
- 前記加熱部は、
前記配管の外部において前記熱交換器の周囲に設けられ、反応媒体と化学反応して熱を発生させる反応材を有する反応器と、
前記反応器と接続され、前記反応媒体を貯蔵する貯蔵器と、
を有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の加熱装置。
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ID=55758111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014186568A Pending JP2016057043A (ja) | 2014-09-12 | 2014-09-12 | 加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016057043A (ja) |
-
2014
- 2014-09-12 JP JP2014186568A patent/JP2016057043A/ja active Pending
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