JP2016057018A - ボイラ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エコノマイザを備えたボイラにおいて、起蒸時の過剰水状態を回避すること。
【解決手段】制御部10は、圧力センサにより検出されるボイラ本体内の蒸気圧力が、予め設定されている第1閾値以上であるか否かを判定する第1判定部102と、第1判定部102によりボイラ本体(缶体)内の蒸気圧力が第1閾値以上であると判定された後、ボイラ20からの給水要求が無い状態が継続する時間を測定し、測定される時間が設定時間以上継続する場合に、エコノマイザ3へ給水を供給するように給水流量調整弁9を制御する第1給水制御部103と、を備える
【選択図】図1
【解決手段】制御部10は、圧力センサにより検出されるボイラ本体内の蒸気圧力が、予め設定されている第1閾値以上であるか否かを判定する第1判定部102と、第1判定部102によりボイラ本体(缶体)内の蒸気圧力が第1閾値以上であると判定された後、ボイラ20からの給水要求が無い状態が継続する時間を測定し、測定される時間が設定時間以上継続する場合に、エコノマイザ3へ給水を供給するように給水流量調整弁9を制御する第1給水制御部103と、を備える
【選択図】図1
Description
本発明は、ボイラへ供給する給水を加熱する給水加熱器(以下「エコノマイザ」ともいう)を有するボイラ装置に関する。
特許文献1に記載されているように、ボイラから排出される排ガスが通過する排ガス通路にエコノマイザを設け、当該エコノマイザ内で前記排ガスによってボイラへ供給される給水を予熱してボイラ効率を向上させることが、従来から行われている。
エコノマイザは、一続きの給水流路であることから、給水が供給されている場合は、エコノマイザ内の給水はすぐに入れ替わるため、エコノマイザ内の予熱水温度はある程度までしか高くならない。しかし、給水を止めるとエコノマイザ内の給水は入れ替わらないために、熱の回収により過度に加熱され、エコノマイザ内で蒸気が発生する可能性がある。その場合、次に給水した場合、蒸気の体積分、給水が流れにくくなり、この結果缶内の水位が下がってさらに過熱する可能性がある。
このような現象を防ぐために、特許文献1に記載されているように、例えば、熱交換部内の水温、熱交換部に発生する振動、又はエコノマイザ内を流れる水の電気伝導率等に基づいて、強制的にエコノマイザに強制給水して熱交換部内の水の温度を低下させる、エコノマイザ内への強制給水制御が知られている。
エコノマイザは、一続きの給水流路であることから、給水が供給されている場合は、エコノマイザ内の給水はすぐに入れ替わるため、エコノマイザ内の予熱水温度はある程度までしか高くならない。しかし、給水を止めるとエコノマイザ内の給水は入れ替わらないために、熱の回収により過度に加熱され、エコノマイザ内で蒸気が発生する可能性がある。その場合、次に給水した場合、蒸気の体積分、給水が流れにくくなり、この結果缶内の水位が下がってさらに過熱する可能性がある。
このような現象を防ぐために、特許文献1に記載されているように、例えば、熱交換部内の水温、熱交換部に発生する振動、又はエコノマイザ内を流れる水の電気伝導率等に基づいて、強制的にエコノマイザに強制給水して熱交換部内の水の温度を低下させる、エコノマイザ内への強制給水制御が知られている。
特許文献1に記載の発明は、エコノマイザ内での給水が過熱されて沸騰して蒸気が発生することを防止することを課題としている。
しかしながら、ボイラの燃焼停止以外の全ての燃焼状態においてエコノマイザ内への強制給水制御を行う場合、次のような問題が生じる。
しかしながら、ボイラの燃焼停止以外の全ての燃焼状態においてエコノマイザ内への強制給水制御を行う場合、次のような問題が生じる。
すなわち、冷態起動時等では、蒸気発生までに時間がかかるため、起蒸状態では、ボイラ本体(以下、「缶体」ともいう)の出口排ガス温度も低く、またボイラの缶体内の蒸気圧力は上昇中であるため、エコノマイザ内の水が沸騰する危険はない。このため、冷態起動時等でエコノマイザ内への強制給水制御が働くと、エコノマイザの水管内において過剰水状態となり、配管を傷つけたり、起蒸時ドレン量が増加し、誤ったアラームを発報する等の不具合を発生する可能性がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであって、起蒸時における、エコノマイザへの給水による過剰水状態を回避するとともに、給蒸開始後の定常運転時にはエコノマイザにおいて給水が過熱されて蒸気が発生することを防止するボイラ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のボイラは、次のように構成している。
(1)本発明のボイラ装置は、燃料を燃焼させて給水から蒸気を生成するボイラ本体と、前記ボイラ本体に供給される給水を前記燃料が燃焼されて発生した燃焼ガスにより加熱する給水加熱器と、前記給水加熱器を介して前記ボイラ本体に給水を供給する給水ラインと、前記給水ラインにおける前記給水加熱器よりも上流側に配置され、前記給水加熱器に供給される給水の流量を調整する給水流量調整部と、前記ボイラ本体の内部の蒸気圧力を検出する蒸気圧力検出部と、前記給水流量調整部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記蒸気圧力検出部により検出される前記ボイラ本体の内部の蒸気圧力が、予め設定されている第1閾値以上であるか否かを判定する第1判定部を備え、前記第1判定部により前記ボイラ本体内の蒸気圧力が前記第1閾値より低いと判定された場合、前記給水加熱器へ給水を供給しないように前記給水流量調整部を制御する。
本発明のボイラによると、ボイラ本体内の蒸気圧力が、予め設定されている第1閾値より低い場合、当該ボイラは給蒸開始前と判断でき、この状態では、ボイラ本体(缶体)出口排ガス温度も低く、またボイラドラムの缶体内の蒸気圧力は上昇中であるため、エコノマイザ内の水が沸騰する恐れもないため、エコノマイザ内への強制給水制御を停止させておくことで、過剰水状態を回避し、起蒸時ドレン量の増加及びアラーム誤発報等の不具合を回避することが可能となる。
(2)前記制御部は、前記第1判定部により前記ボイラ本体内の蒸気圧力が前記第1閾値以上であると判定された後、前記ボイラ本体からの給水要求が無い状態が継続する時間を測定し、測定される時間が設定時間以上継続した場合に、前記給水加熱器へ給水を供給するように前記給水流量調整部を制御する第1給水制御部を備えることが好ましい。
そうすることで、ボイラ本体内の蒸気圧力が、予め設定されている第1閾値以上であると判定された後、前記ボイラ本体からの給水要求が無い状態が継続する時間が設定時間以上継続した場合に、前記給水加熱器へ強制的に給水が供給され、エコノマイザ内で給水が過熱されて蒸気が発生することを防止することができる。
そうすることで、ボイラ本体内の蒸気圧力が、予め設定されている第1閾値以上であると判定された後、前記ボイラ本体からの給水要求が無い状態が継続する時間が設定時間以上継続した場合に、前記給水加熱器へ強制的に給水が供給され、エコノマイザ内で給水が過熱されて蒸気が発生することを防止することができる。
(3)前記第1閾値は、前記ボイラ本体に予め設定されている使用圧力範囲の下限値よりも所定圧力値低い値であることが好ましい。
そうすることで、ボイラの特性に合わせてエコノマイザ内への強制給水制御を起動するタイミングを調節することができる。
そうすることで、ボイラの特性に合わせてエコノマイザ内への強制給水制御を起動するタイミングを調節することができる。
本発明のボイラによれば、制御部は、ボイラ本体(缶体)内の蒸気圧力が前記第1閾値以下であると判定された場合に、給水加熱器へ給水を供給しないように前記給水流量調整部を制御するため、過剰水状態を回避し、起蒸時ドレン量の増加及びアラーム誤発報等の不具合を回避することが可能となる。
また、ボイラ本体(缶体)内の蒸気圧力が前記第1閾値以上であると判定された後に、ボイラ本体からの給水要求が無い状態が継続する時間が予め設定されている設定時間以上継続した場合に、前記給水加熱器へ給水を供給するように前記給水流量調整部を制御するようにしたので、ボイラが定常運転状態の場合、エコノマイザ内で給水が過熱されて蒸気が発生することを防止することができる。
また、ボイラ本体(缶体)内の蒸気圧力が前記第1閾値以上であると判定された後に、ボイラ本体からの給水要求が無い状態が継続する時間が予め設定されている設定時間以上継続した場合に、前記給水加熱器へ給水を供給するように前記給水流量調整部を制御するようにしたので、ボイラが定常運転状態の場合、エコノマイザ内で給水が過熱されて蒸気が発生することを防止することができる。
[第1実施形態の構成]
以下、本発明に係るボイラ装置1の第1実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係るボイラ装置1の全体構成図である。図2は、第1実施形態のボイラ装置1の動作を示すフローチャートである。図3は、第1実施形態のボイラ装置1の動作を示すタイムチャートである。
以下、本発明に係るボイラ装置1の第1実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係るボイラ装置1の全体構成図である。図2は、第1実施形態のボイラ装置1の動作を示すフローチャートである。図3は、第1実施形態のボイラ装置1の動作を示すタイムチャートである。
図1に示すように、第1実施形態に係るボイラ装置1は、ボイラ本体(以下「缶体」ともいう)20と、缶体20の蒸気圧力を検出する蒸気圧力検出部としての圧力センサ30と、水位検出部としての水位センサ31と、給水加熱器としてのエコノマイザ3と、給水ポンプ8と、給水流量調整部としての給水流量調整弁9と、制御部10と、記憶部11と、を備える。
さらに、ボイラ装置1は、給水ラインL1と、燃料供給ラインL2と、蒸気供給ラインL3と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、径路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
なお、各ラインには、各種バルブ、各種センサ、逆止弁、オリフィス、ストレーナ等の機器が必要に応じて設けられるが、図1では適宜に図示を省略する。
給水ラインL1は、給水W1を、後述するエコノマイザ3を介して缶体20に向けて供給するラインである。給水ラインL1の上流側の端部は、給水源(不図示)に接続されている。給水ラインL1の下流側の端部は、缶体20の給水導入口に接続されている。また、給水ラインL1には、給水ポンプ8と、給水流量調整弁9が設けられている。なお、給水ラインL1には、缶体20への給水の給水温度を測定するための給水温度センサ(不図示)、缶体20への給水の電気伝導率を測定するための電気伝導率センサ(不図示)を設けることができる。
給水ポンプ8は、給水W1を吸入し、缶体20に向けて吐出する装置である。給水ポンプ8に併設されたモータ(不図示)は、制御部10に電気的に接続されており、制御部10からの制御信号に基づいて制御されて駆動する。給水ポンプ8は、インバータ周波数により制御されて駆動することで、流量調整可能に構成してもよい。
給水流量調整弁9は、給水ラインL1において、給水ポンプ8よりも下流側であってエコノマイザ3よりも上流側に配置され、エコノマイザ3に供給される給水W1の流量を調整可能な弁である。給水流量調整弁9は、制御部10に電気的に接続されている。給水流量調整弁9の弁開度(弁体の開度)は、制御部10からの駆動信号により制御される。
エコノマイザ3は、給水ラインL1に設けられ、缶体20において燃料が燃焼したときに生じる排ガスの廃熱により、缶体20に供給される前の給水W1を予め加熱する設備である。エコノマイザ3で加熱された給水W1は、給水ラインL1を介して缶体20の内部に供給される。
缶体20は、下部管寄せ、水管、上部管寄せ、バーナ等(いずれも不図示)を備える。
上部管寄せは、環状に形成された中空の容器である。各水管の上端部は、上部管寄せと連通している。上部管寄せの上端には、蒸気供給ラインL3の上流側の端部が接続されている。複数の水管で発生した蒸気W2は、上部管寄せを介して蒸気供給ラインL3へ送出される。上部管寄せには、上部管寄せ内の蒸気圧力を検出する蒸気圧力検出部としての圧力センサ30が接続されている。蒸気供給ラインL3は、水管で発生した蒸気W2を負荷装置5へ供給するラインである。蒸気供給ラインL3の下流側の端部は、負荷装置5に接続されている。
上部管寄せは、環状に形成された中空の容器である。各水管の上端部は、上部管寄せと連通している。上部管寄せの上端には、蒸気供給ラインL3の上流側の端部が接続されている。複数の水管で発生した蒸気W2は、上部管寄せを介して蒸気供給ラインL3へ送出される。上部管寄せには、上部管寄せ内の蒸気圧力を検出する蒸気圧力検出部としての圧力センサ30が接続されている。蒸気供給ラインL3は、水管で発生した蒸気W2を負荷装置5へ供給するラインである。蒸気供給ラインL3の下流側の端部は、負荷装置5に接続されている。
バーナは、燃料(液体又は気体等)を燃焼させる燃焼装置である。バーナには、燃料供給ラインL2が接続されている。燃料供給ラインL2は、燃料供給源(不図示)から送出された燃料を、バーナに供給するラインである。
水位センサ31は、缶体20の内部の水位を検出する機器である。水位センサ31は、制御部10に電気的に接続されている。水位センサ31で検出された缶体20の内部の水位(以下、「水位Hd」ともいう)は、検出信号として制御部10に送信される。
負荷装置5は、缶体20から供給された蒸気W2により動作する装置(例えば、熱交換器)である。負荷装置5において使用された蒸気W2は、熱を奪われて凝縮し、ドレン(不図示)となって排出される。
制御部10は、計時部101と、第1判定部102と、第1給水制御部103と、を備える。
計時部101は、時間の計時等を管理する。第1判定部102は、圧力センサ30により検出される缶体20内の蒸気圧力が予め設定されている第1閾値以上であるか否かを判定する。第1給水制御部103は、第1判定部102により缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上であると判定された後、計時部101により缶体20からの給水要求が無い状態が継続する時間を測定し、測定される時間が設定時間以上継続するときに、エコノマイザ3へ給水を供給するように給水流量調整弁9を制御する。
計時部101は、時間の計時等を管理する。第1判定部102は、圧力センサ30により検出される缶体20内の蒸気圧力が予め設定されている第1閾値以上であるか否かを判定する。第1給水制御部103は、第1判定部102により缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上であると判定された後、計時部101により缶体20からの給水要求が無い状態が継続する時間を測定し、測定される時間が設定時間以上継続するときに、エコノマイザ3へ給水を供給するように給水流量調整弁9を制御する。
記憶部11には、例えば、後述するボイラ装置1の使用圧力範囲(上限値、及び下限値)、第1閾値、燃焼状態ごとに対応する設定時間Xs、及びオン動作の時間Xd等が記憶される。また、後述する給水要求ステータスは、記憶部11に書き替え可能なデータとして記憶される。
制御部10及び記憶部11は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成することができる。この場合、記憶部11は、メモリにより構成される。
また、マイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するインテグレーテッドタイマユニット(以下、「ITU」ともいう)が組み込まれる。
各種プログラムがマイクロプロセッサにより実行されることにより、マイクロプロセッサが計時部101と、第1判定部102と、第1給水制御部103と、定流量制御部104と、を備える制御部10として機能する。
また、マイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するインテグレーテッドタイマユニット(以下、「ITU」ともいう)が組み込まれる。
各種プログラムがマイクロプロセッサにより実行されることにより、マイクロプロセッサが計時部101と、第1判定部102と、第1給水制御部103と、定流量制御部104と、を備える制御部10として機能する。
制御部10は、缶体20への給水W1の供給が必要な場合(例えば、給水要求が有った場合)には、缶体20に所定の給水量の給水W1が供給されるように給水流量調整弁9の流量を制御する。この制御により、缶体20には、所定の給水量の給水W1が供給される。
制御部10は、缶体20における燃料の燃焼状態を、負荷装置5で消費される蒸気の量や、圧力センサ30により検出された蒸気の圧力等に基づいて、燃焼状態(例えば、段階値制御ボイラの場合は、1段階〜3段階等のN位置又は比例制御ボイラの場合は、最小燃焼状態から最大燃焼状態の範囲)及び燃焼停止状態のいずれかに設定する。
制御部10では、水位センサ31から送信された缶体20の内部の水位Hdに関する検出信号に基づいて、給水要求に関するステータス(以下、「給水要求ステータス」ともいう)が変更される。具体的には、缶体20の内部の水位Hdが、下限水位である目標水位制御開始水位HL以下に低下した場合には、制御部10において、給水要求ステータスが給水要求ONに変更される。また、缶体20の内部の水位Hdが、上限水位である目標水位Hhに上がった場合には、制御部10において、給水要求ステータスが給水要求OFFに変更される。
後述するように、制御部10は、缶体20から給水要求が無い場合であっても、第1判定部102により缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上であると判定された後、缶体20から給水要求が無い状態が設定時間Xs以上継続するときには、エコノマイザ3へ給水W1を供給するように給水流量調整弁9を制御する。第1閾値は、ボイラ装置1に予め設定されている使用圧力範囲の下限値から所定圧力値低い値であり、適宜設定される。
設定時間Xsは、缶体20の燃焼状態に応じて異なる値に設定することができる。例えば、燃焼量が大きい場合、燃焼温度も高くなり、エコノマイザ3内での給水の加熱量が大きくなると考えられる。このため、設定時間Xsの値は、燃焼量が大きい場合(例えば、高燃焼状態の場合)には、燃焼量が小さい場合(例えば、低燃焼状態)に比較して小さくしておく方が好ましい。
第1判定部102は、圧力センサ30により検出される缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上であるか否かについて判定する。また、第1給水制御部103は、第1判定部102により缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上であると判定された後、計時部101により、給水要求が無い状態の継続時間を「給水要求無し継続時間」として計時を行う。第1給水制御部103は、給水要求無し継続時間が所定の設定時間Xs以上継続するか否かについて判定する。第1給水制御部103は、給水要求無し継続時間が所定の設定時間Xs以上継続したと判定した場合には、給水要求ステータスを給水要求ONに変更する。この制御により、缶体20には、所定の給水量の給水W1が供給される。
制御部10は、通常給水制御を行う定流量制御部104を備えることができる。ここで、定流量制御部104は、水位センサ31により検出される水位Hdが、缶体20の燃焼量、給水温度Td、給水W1の電気伝導率、缶体20の内部の蒸気の圧力等に基づいて算出される目標水位Hhに近づくように、給水流量調整弁9を缶体20の圧力によって適宜変更される定流量開度又は全閉とすることで、給水のON/OFF制御(給水を間欠的に行う制御)を行う。
具体的には、例えばボイラ装置1が段階値制御ボイラである場合には、記憶部11は、特定の負荷率(例えば、低燃焼位置、中燃焼位置及び高燃焼位置)、及び特定の電気伝導率ごとに、缶体20の内部圧力を横列、給水温度を縦列として、横列におけるそれぞれの内部圧力及び縦列におけるそれぞれの給水温度に対応する目標水位を縦列及び横列の交点に有する適正水位のテーブルを記憶する。
定流量制御部104は、圧力センサ30により測定された缶体20の内部圧力及び給水温度センサにより測定された給水温度Tdに近似する複数(例えば、4つ)の適正水位を、適正水位のテーブルから選択し、選択した複数の適正水位から、缶体20の内部圧力及び給水温度に対応する適正水位を、線形補間を用いて電気伝導率ごとに求める。定流量制御部104は、求めた特定の電気伝導率ごとの適正水位から、電気伝導率センサにより測定された電気伝導率における適正水位を、線形補間を用いて求め、当該適正水位を目標水位として、給水流量調整弁9の制御を行う。
こうすることで、定流量制御部104は、4つのパラメータ(燃焼量、内部圧力、電気伝導率、及び給水温度)に基づいて、適正水位を求めることにより、段階値制御ボイラにおいて高い精度で目標水位の制御を行うことができる。
定流量制御部104は、圧力センサ30により測定された缶体20の内部圧力及び給水温度センサにより測定された給水温度Tdに近似する複数(例えば、4つ)の適正水位を、適正水位のテーブルから選択し、選択した複数の適正水位から、缶体20の内部圧力及び給水温度に対応する適正水位を、線形補間を用いて電気伝導率ごとに求める。定流量制御部104は、求めた特定の電気伝導率ごとの適正水位から、電気伝導率センサにより測定された電気伝導率における適正水位を、線形補間を用いて求め、当該適正水位を目標水位として、給水流量調整弁9の制御を行う。
こうすることで、定流量制御部104は、4つのパラメータ(燃焼量、内部圧力、電気伝導率、及び給水温度)に基づいて、適正水位を求めることにより、段階値制御ボイラにおいて高い精度で目標水位の制御を行うことができる。
[第1実施形態の動作]
次に、第1実施形態に係るボイラ装置1において、給水W1を制御する動作を、図面を参照しながら説明する。
次に、第1実施形態に係るボイラ装置1において、給水W1を制御する動作を、図面を参照しながら説明する。
まず、通常給水制御による通常給水動作について説明する。缶体20の内部の水位Hdが、下限水位である目標水位制御開始水位HLまで低下すると、制御部10において、給水要求ステータスが給水要求ONに変更される。その状態において、制御部10は、缶体20に所定の給水量の給水W1が供給されるように給水流量調整弁9の弁開度を制御する。第1実施形態において、給水流量調整弁9の弁開度は、缶体20の圧力によって適宜変更される定流量開度となるように制御される。この制御により、缶体20には、所定の給水量の給水W1が供給される。
一方、缶体20の内部の水位が、上限水位である目標水位Hhに上がると、制御部10において、給水要求ステータスが給水要求OFFに変更される。給水要求ステータスが給水要求OFFに変更された場合、缶体20に給水W1が供給されないように給水流量調整弁9の弁開度を制御する。このとき、給水流量調整弁9の弁開度は、全閉となるように制御される。
次に、第1実施形態のボイラ装置1における、制御部10の動作について、説明する。
図3に示すように、ステップST1において、制御部10は、給水要求があるか否かを判定する。給水要求が有る場合(YES)には、処理はステップST8へ進む。給水要求が無い場合(NO)には、処理はステップST2へ進む。
給水要求が有る場合(YES)には、ステップST8において、制御部10は、通常給水制御を開始する。この制御により、缶体20への給水W1の供給動作は、通常給水動作へ移行する。処理はステップST1へ戻る。
図3及び図4に示すように、給水要求が無い場合(NO)には、ステップST2において、第1判定部102は、圧力センサ30により検出される缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上か否かについて、判定する。缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上である場合(YES)には、処理はステップST3へ進む。缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上でない場合(NO)には、処理はステップST1へ戻る。
図3及び図4に示すように、缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上である場合(YES)には、ステップST3において、計時部101は、缶体20からの給水要求が無い状態の継続時間を「給水要求無し継続時間」として計時を開始する。処理はステップST4へ進む。
ステップST4において、制御部10は、再度、給水要求があるか否かを判定する。給水要求が無い場合(NO)には、処理はステップST5へ進む。給水要求が有る場合(YES)には、処理はステップST8へ進む。
次に、ステップST5において、第1給水制御部103は、給水要求無し継続時間が所定の設定時間Xs以上継続するか否かについて判定する。給水要求無し継続時間が所定の設定時間Xs以上継続した場合(YES)には、処理はステップST6へ進む。給水要求無し継続時間が所定の設定時間Xs以上継続していない場合(NO)には、処理はステップST4へ戻る。なお、図4において、給水要求無し継続時間が設定時間Xsを経過した時刻を「Xp」で示す。
前述したように、給水要求無し継続時間の設定時間Xsについては、ボイラの燃焼状態(例えば、段階値制御ボイラの場合は、1段階〜3段階等のN位置又は比例制御ボイラの場合は、最小燃焼状態から最大燃焼状態の範囲)に応じて、適宜設定することができる。基本的には、燃焼量が大きい場合の給水要求無し継続時間の設定時間は、燃焼量が小さい場合の給水要求無し継続時間の設定時間に比較して、小さい値に設定することが好ましい。この場合、ステップST5において、第1給水制御部103は、給水要求無し継続時間がボイラの燃焼状態に応じた設定時間Xs以上継続するか否かについて判定する。
前述したように、給水要求無し継続時間の設定時間Xsについては、ボイラの燃焼状態(例えば、段階値制御ボイラの場合は、1段階〜3段階等のN位置又は比例制御ボイラの場合は、最小燃焼状態から最大燃焼状態の範囲)に応じて、適宜設定することができる。基本的には、燃焼量が大きい場合の給水要求無し継続時間の設定時間は、燃焼量が小さい場合の給水要求無し継続時間の設定時間に比較して、小さい値に設定することが好ましい。この場合、ステップST5において、第1給水制御部103は、給水要求無し継続時間がボイラの燃焼状態に応じた設定時間Xs以上継続するか否かについて判定する。
ステップST6において、第1給水制御部103は、給水要求ステータスを給水要求ONに変更する。この制御により、缶体20には、所定の給水量の給水W1が供給される(ON動作)。
次に、ステップST7において、給水要求ステータスが給水要求ONに変更されて所定のON動作時間Xdが経過した後、制御部10は、通常給水制御を開始する。なお、図4において、ON動作の時間を「Xd」で示す。この制御により、缶体20への給水W1の供給動作は、通常給水動作へ移行する。処理はステップST1へ戻る。
上述した第1実施形態に係るボイラ装置1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
第1実施形態におけるボイラ装置1においては、ボイラ本体内の蒸気圧力が、予め設定されている第1閾値より低い場合、当該ボイラは給蒸開始前と判断でき、この状態では、ボイラ本体(缶体)出口排ガス温度も低く、またボイラドラムの缶体内の蒸気圧力は上昇中であるため、エコノマイザ内の水が沸騰する恐れもないため、エコノマイザ内への強制給水制御を停止させておくことで、過剰水状態を回避し、起蒸時ドレン量の増加及びアラーム誤発報等の不具合を回避することが可能となる。
また、缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上であると判定された場合、第1給水制御部103は、缶体20からの給水要求が無い状態が継続する時間を測定し、測定される時間が設定時間以上継続するときに、エコノマイザ3へ給水を供給するように給水流量調整弁9を制御する。このため、給蒸開始後の定常運転時には、缶体20内の蒸気圧力が予め設定されている使用圧力範囲となることから、エコノマイザ内への強制給水制御が働き、エコノマイザ内で給水が過熱されて蒸気が発生することを防止することができる。
また、缶体20内の蒸気圧力が第1閾値以上であると判定された場合、第1給水制御部103は、缶体20からの給水要求が無い状態が継続する時間を測定し、測定される時間が設定時間以上継続するときに、エコノマイザ3へ給水を供給するように給水流量調整弁9を制御する。このため、給蒸開始後の定常運転時には、缶体20内の蒸気圧力が予め設定されている使用圧力範囲となることから、エコノマイザ内への強制給水制御が働き、エコノマイザ内で給水が過熱されて蒸気が発生することを防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
第1実施形態では、第1判定部102及び第1給水制御部103は、数値範囲の判定において、所定の数値以上か又は所定の数値未満であるかを判定したが、所定の数値を超えるか又は所定の数値以下であるかの判定に置き換えてもよい。
エコノマイザ3を加熱する排ガスは、ボイラ2からの排ガスに制限されず、例えば、別設備のエンジンからの排ガスであってもよい。
第1実施形態では、制御部10は、通常給水制御を行う定流量制御部104を備え、給水のON/OFF制御(給水を間欠的に行う制御)を行ったが、定流量制御部104に換えて、給水の供給を連続的に制御する連続給水制御部(図示せず)を適用することもできる。
具体的には、例えばボイラ装置1が比例制御ボイラである場合には、記憶部11は、缶体20の燃焼量、給水温度Td、給水W1の電気伝導率、及び缶体20の内部の蒸気の圧力を入力として、適正水位を算出するための近似関数を記憶する。
連続給水制御部105は、缶体20の燃焼量、給水温度センサにより測定された給水温度Td、電気伝導率センサ(不図示)により測定された給水W1の電気伝導率、及び圧力センサ30により測定された缶体20の内部の蒸気の圧力から、記憶部11に記憶される近似関数を用いて適正水位を求め、当該適正水位を目標水位として、給水ポンプ8及び給水流量調整弁9の制御を行い、缶体20への給水W1の供給を連続的に行う。
こうすることで、連続給水制御部105は、4つのパラメータ(燃焼量、内部圧力、電気伝導率、及び給水温度)に基づいて、適正水位を求めることにより、比例制御ボイラにおいて高い精度で目標水位の制御を行うことができる。
具体的には、例えばボイラ装置1が比例制御ボイラである場合には、記憶部11は、缶体20の燃焼量、給水温度Td、給水W1の電気伝導率、及び缶体20の内部の蒸気の圧力を入力として、適正水位を算出するための近似関数を記憶する。
連続給水制御部105は、缶体20の燃焼量、給水温度センサにより測定された給水温度Td、電気伝導率センサ(不図示)により測定された給水W1の電気伝導率、及び圧力センサ30により測定された缶体20の内部の蒸気の圧力から、記憶部11に記憶される近似関数を用いて適正水位を求め、当該適正水位を目標水位として、給水ポンプ8及び給水流量調整弁9の制御を行い、缶体20への給水W1の供給を連続的に行う。
こうすることで、連続給水制御部105は、4つのパラメータ(燃焼量、内部圧力、電気伝導率、及び給水温度)に基づいて、適正水位を求めることにより、比例制御ボイラにおいて高い精度で目標水位の制御を行うことができる。
第1実施形態及びその変形例では、給水流量調整部を給水流量調整弁9としたが、給水流量調整部は、弁(バルブ)に制限されない。例えば、給水流量調整部として、流量の調整可能な給水ポンプ8としてもよい。また、給水流量調整部を流量の調整可能な給水ポンプ8と給水流量調整弁9とから成るものとしてもよい。給水流量調整弁9による給水量調整、流量の調整可能な給水ポンプ8による給水量調整、流量の調整可能な給水ポンプ8と給水流量調整弁9による給水量調整のいずれを採用するかは任意に設定することができる。
1 ボイラ装置
3 エコノマイザ(給水加熱器)
5 負荷装置
8 給水ポンプ
9 給水量調整弁
10 制御部
101 計時部
102 第1判定部
103 第1給水制御部
104 定流量制御部
11 記憶部
20 ボイラ本体(缶体)
30 圧力センサ
31 水位センサ
L1 給水ライン
L2 燃料供給ライン
L3 蒸気供給ライン
W1 給水
W2 蒸気
3 エコノマイザ(給水加熱器)
5 負荷装置
8 給水ポンプ
9 給水量調整弁
10 制御部
101 計時部
102 第1判定部
103 第1給水制御部
104 定流量制御部
11 記憶部
20 ボイラ本体(缶体)
30 圧力センサ
31 水位センサ
L1 給水ライン
L2 燃料供給ライン
L3 蒸気供給ライン
W1 給水
W2 蒸気
Claims (3)
- 燃料を燃焼させて給水から蒸気を生成するボイラ本体と、
前記ボイラ本体に供給される給水を前記燃料が燃焼されて発生した燃焼ガスにより加熱する給水加熱器と、
前記給水加熱器を介して前記ボイラ本体に給水を供給する給水ラインと、
前記給水ラインにおける前記給水加熱器よりも上流側に配置され、前記給水加熱器に供給される給水の流量を調整する給水流量調整部と、
前記ボイラ本体の内部の蒸気圧力を検出する蒸気圧力検出部と、
前記給水流量調整部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、さらに、
前記蒸気圧力検出部により検出される前記ボイラ本体の内部の蒸気圧力が、予め設定されている第1閾値以上であるか否かを判定する第1判定部を備え、
前記第1判定部により前記ボイラ本体内の蒸気圧力が前記第1閾値より低いと判定された場合、前記給水加熱器へ給水を供給しないように前記給水流量調整部を制御することを特徴とするボイラ装置。 - 前記制御部は、さらに、
前記第1判定部により前記ボイラ本体内の蒸気圧力が前記第1閾値以上であると判定された後、前記ボイラ本体からの給水要求が無い状態が継続する時間を測定し、測定される時間が設定時間以上継続した場合に、前記給水加熱器へ給水を供給するように前記給水流量調整部を制御する第1給水制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のボイラ装置。 - 前記第1閾値は、前記ボイラ本体に予め設定されている使用圧力範囲の下限値よりも所定圧力値低い値であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のボイラ装置。
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JP2014184590A Pending JP2016057018A (ja) | 2014-09-10 | 2014-09-10 | ボイラ装置 |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013072563A (ja) * | 2011-09-27 | 2013-04-22 | Samson Co Ltd | 給水予熱ボイラ |
-
2014
- 2014-09-10 JP JP2014184590A patent/JP2016057018A/ja active Pending
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