JP2016056892A - 駆動装置 - Google Patents

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JP2016056892A JP2014184383A JP2014184383A JP2016056892A JP 2016056892 A JP2016056892 A JP 2016056892A JP 2014184383 A JP2014184383 A JP 2014184383A JP 2014184383 A JP2014184383 A JP 2014184383A JP 2016056892 A JP2016056892 A JP 2016056892A
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Satoru Tanaka
悟 田中
芳彦 佐々木
Yoshihiko Sasaki
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Abstract

【課題】組み付け時における、ロータ軸に設けられる軸固定ギヤとギヤ機構に設けられる噛合ギヤとの組み付けを容易化する。
【解決手段】駆動装置は、回転電機のロータと一体回転するロータ軸4と、ロータ軸4を支持する支持軸受91と、ロータ軸4に固定された軸固定ギヤ51とそれに噛み合う複数の噛合ギヤ55Aとを有するギヤ機構と、を備える。ロータ軸4の被支持部41の先端部41aと軸固定ギヤ51の端部51aとの間の軸方向長さL1が、支持軸受91の端部91aと噛合ギヤ55Aの端部55Aaとの間の軸方向長さL3よりも長い。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転電機とギヤ機構とを備える駆動装置に関する。
回転電機を備える駆動装置において、例えば当該回転電機の出力回転を変速する等の目的で、ギヤ機構が併設される場合がある。この場合、例えば回転電機のロータと一体回転するロータ軸に軸固定ギヤを設けるとともに、当該軸固定ギヤに噛み合う噛合ギヤをギヤ機構に設けることで、回転電機とギヤ機構との間で駆動力を伝達可能な構成を実現することができる。このような構成は、例えば特開2013−147177号公報(特許文献1)によって公知である。なお、特許文献1の駆動装置において、ギヤ機構の一例としてのプラネタリギヤ機構のサンギヤが上述した「軸固定ギヤ」に相当し、サンギヤに噛み合うピニオンが上述した「噛合ギヤ」に相当する。
特許文献1の駆動装置は、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、ギヤ機構における軸固定ギヤ以外の部分と回転電機のステータとをケースに組み付け、これにロータとロータ軸とが一体化されたロータユニットを軸方向に挿入し、ステータの径方向内側にロータを配置するとともにロータ軸に設けられた軸固定ギヤをギヤ機構の噛合ギヤに噛合させる方法である。ところが、このような方法では、ロータユニットの挿入時に磁力によってロータがステータに引き寄せられ、ギヤ機構の軸心とロータ軸の軸心とがずれる場合があった。このような事態が生じた場合には、複数の噛合ギヤに対して軸固定ギヤを同時に(一括的に)噛み合わせて互いに組み付けることが困難となり、製造効率が低下するという課題があった。
特開2013−147177号公報
そこで、組み付け時における、ロータ軸に設けられる軸固定ギヤとギヤ機構に設けられる噛合ギヤとの組み付けを容易化する技術の実現が望まれる。
本開示に係る駆動装置は、
ケースと、
前記ケースに固定されたステータと前記ステータの径方向内側に配置されたロータとを有する回転電機と、
ロータ連結部を介して前記ロータと連結され、前記ロータと一体回転するロータ軸と、
前記ケースに支持された状態で前記ロータ軸を回転可能に支持する支持軸受と、
前記ロータ軸に固定された軸固定ギヤと、前記ケースに支持されて前記軸固定ギヤに対して径方向外側から噛み合う複数の噛合ギヤと、を有するギヤ機構と、を備え、
前記ロータ軸の軸方向における前記ロータ連結部と前記支持軸受による被支持部との間に前記軸固定ギヤが設けられ、
前記被支持部の先端部と前記軸固定ギヤの前記被支持部側の端部との間の軸方向長さが、前記支持軸受の前記ロータ連結部側の端部と前記噛合ギヤの前記ロータ連結部側の端部との間の軸方向長さよりも長い。
本開示に係る駆動装置の製造方法は、
ケースと、
前記ケースに固定されたステータと前記ステータの径方向内側に配置されたロータとを有する回転電機と、
ロータ連結部を介して前記ロータと連結され、前記ロータと一体回転するロータ軸と、
前記ケースに支持された状態で前記ロータ軸を回転可能に支持する支持軸受と、
前記ロータ軸に固定された軸固定ギヤと、前記ケースに支持されて前記軸固定ギヤに対して径方向外側から噛み合う複数の噛合ギヤと、を有するギヤ機構と、を備えた駆動装置の製造方法であって、
前記支持軸受が前記複数の噛合ギヤに対して前記ロータ軸の軸方向における一方側である軸第一方向側に位置するように、前記複数の噛合ギヤ、前記支持軸受、及び前記ステータが前記ケースに組み付けられた状態で、
前記ロータが連結されているとともに軸方向における前記ロータ連結部と前記支持軸受による被支持部との間に前記軸固定ギヤが設けられた前記ロータ軸を、当該ロータ軸の前記被支持部側の先端部を先にして前記軸第一方向側へ向かって移動させて、前記被支持部の前記支持軸受への嵌合を開始させ、
前記ロータ軸をさらに前記軸第一方向側へ移動させて、前記軸固定ギヤと前記複数の噛合ギヤとの噛合を開始させ、
前記ロータ軸をさらに前記軸第一方向側へ移動させて、前記軸固定ギヤと前記複数の噛合ギヤとの噛合を完了させ、前記ロータを前記ステータに対する規定位置に配置させる。
これらの構成によれば、複数の噛合ギヤ、支持軸受、及びステータが組み付けられた状態のケースに、一体化されたロータ軸及びロータを組み付ける際に、軸固定ギヤと噛合ギヤとが噛み合うよりも前に、ロータ軸の被支持部を支持軸受に嵌合させることができる。よって、支持軸受でロータ軸の被支持部を支持してロータ軸の芯出しをした状態で、その後、軸固定ギヤと複数の噛合ギヤとを同時に噛み合わせることができる。従って、軸固定ギヤと噛合ギヤとの組み付けを容易に行うことができる。
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、以下の説明によってより明確になるであろう。
実施形態に係る駆動装置の断面図 図1の部分拡大図 図2の部分拡大図 駆動装置の組み付け時の一態様を示す断面図 駆動装置の組み付け時の一態様を示す拡大断面図 駆動装置の組み付け時の一態様を示す斜視図 駆動装置の組み付け時の一態様を示す拡大断面図 駆動装置の組み付け時の一態様を示す断面図
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に記載する実施形態によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
本実施形態に係る駆動装置1は、例えば電動車両やハイブリッド車両等の車両において、左右一対の車輪Wのそれぞれに取り付けられて対応する車輪Wを駆動するドライブユニットとして用いられる。本実施形態では、駆動装置1を車両用のインホイールタイプの駆動装置(ドライブユニット)に適用した場合を例として説明する。
なお、以下の説明では、回転電機3及びロータ軸4の軸心を基準として、「軸方向A」、「径方向R」、及び「周方向」を定義する。すなわち、「軸方向A」はロータ軸4の軸心に沿う方向を表し、「径方向R」はロータ軸4の軸心に直交する方向を表し、「周方向」はロータ軸4の周りを周回する方向を表す。また、「軸第一方向A1側」は軸方向Aの一方側である図1における左側を表し、「軸第二方向A2側」は軸方向Aの他方側である右側を表す。
図1に示すように、駆動装置1は、ケース2と、回転電機3と、ロータ軸4と、ギヤ機構5と、出力軸9とを備えている。また、駆動装置1は、掻上部材6と、オイル貯留部7とをさらに備えている。回転電機3、ロータ軸4、及び出力軸9は同軸に配置されている。本実施形態では、ギヤ機構5もロータ軸4等と同軸に配置されている。回転電機3、ロータ軸4、ギヤ機構5、及び掻上部材6はケース2内に収容されている。オイル貯留部7は、ケース2の下部にオイルを貯留可能に形成されている。出力軸9は、その一部がケース2から露出する状態で配置されている。
ケース2は、回転電機3及びギヤ機構5等の収容空間Sを形成する第一ケース部材21と、この第一ケース部材21に固定される第二ケース部材22とを有する。第一ケース部材21及び第二ケース部材22は、それぞれ有底の筒状に形成されている。第一ケース部材21と第二ケース部材22とは、液密状態で軸方向Aに接合されている。本実施形態では、第一ケース部材21に対して軸第二方向A2側から第二ケース部材22が接合されている。
第一ケース部材21は、収容空間Sの径方向外側を覆うとともに軸第一方向A1側から軸第二方向A2側に向かうに従って拡径するように形成されている。本実施形態では、第一ケース部材21は、軸第一方向A1側から軸第二方向A2側に向かうに従って段階的に拡径する有段筒状に形成されている。第一ケース部材21は、その軸第一方向A1側の端部における径方向Rの中心部に、円筒状のスリーブ部21Aを有している。このスリーブ部21Aに挿通される状態で、出力軸9が配置されている。スリーブ部21Aの径方向内側には、第一ハブ部材11の一部も配置されている。また、第一ケース部材21には、回転電機3のステータ31が固定されて支持されているとともに、第三軸受93、第一ハブ部材11、出力軸9、キャリヤ52、及びピニオン軸54を介して、ステップドピニオン55が支持されている。このように、本実施形態では、ケース2(第一ケース部材21)に「支持される」は、直接支持されることの他、軸受のみを介して支持されることや、軸受と他の部材とを介して支持されることを含む概念である。
第一ケース部材21は、その軸第二方向A2側の端部に、軸第二方向A2側に向かって開口する開口部21bを有する(図4も参照)。この開口部21bは回転電機3(ステータ31及びロータ32)の外径よりも大きい。第一ケース部材21に回転電機3やギヤ機構5等を組み付ける際には、これらは開口部21bを通って軸第二方向A2側から第一ケース部材21に挿入される。
第二ケース部材22は、開口部21bを覆うように配置される板状部材である。本実施形態では、第二ケース部材22は、第一ケース部材21に対して接合された状態で、開口部21bを完全に塞ぐように配置されるカバー部材となっている。第二ケース部材22は、略円板状に形成されている。「略円板状」とは、円板状、又は、多少の凹凸や異形部分があったとしても全体としては円板状とみなすことができる形状を表す(以下、「略」を用いて表現する他の形状・状態等に関しても同様である)。第二ケース部材22は、掻上部材6に対して軸方向Aに対向して配置されている。
第二ケース部材22の内面(収容空間S側の面)における径方向Rの中心部には、ボス部23が形成されている。ボス部23は、軸第一方向A1側に向かって突出するように略円筒状に形成されている。ボス部23には、ロータ軸4の軸第二方向A2側の端部(第二被支持部45;図2を参照)を回転可能に支持する第二軸受92が内嵌されている。このように、第二ケース部材22は、ボス部23にて、ロータ軸4を回転可能に支持する第二軸受92を支持している。
図1に示すように、回転電機3は、ステータ31とロータ32とを有する。ステータ31は第一ケース部材21に固定されている。ステータ31は、ステータコア31Aとコイルエンド部31Bとを含む。ステータコア31Aは、例えば円環板状の電磁鋼板を複数枚積層した積層構造体である。コイルエンド部31Bは、ステータコア31Aに巻装されたコイルのうち、ステータコア31Aから軸方向Aの両側にそれぞれ突出する部分である。ロータ32は、ステータ31の径方向内側に、ステータ31に対して隙間を隔てた状態で配置されている。ロータ32は、ロータコア32Aと永久磁石32Bとを含む。ロータコア32Aは、例えば円環板状の電磁鋼板を複数枚積層した積層構造体である。永久磁石32Bは、ロータコア32Aに埋め込まれている。
図1及び図2に示すように、ロータ32は、ロータ連結部34を介してロータ軸4に固定されている。ロータ連結部34は、一体的に形成された筒状部34Aとフランジ部34Bとを有する。筒状部34Aは、ロータコア32Aを径方向内側から支持している。ロータコア32Aは、軸方向Aの両側に配置されたエンドプレート35によって挟持されて軸方向位置が定まった状態で筒状部34Aに支持されている。本実施形態では、ロータ32と一体回転するように掻上部材6が設けられている。掻上部材6は、ロータコア32Aに対して軸第二方向A2側に取り付けられたエンドプレート35と一体的に形成されている。掻上部材6は、駆動装置1内において潤滑や冷却等を必要とする各部にオイルを供給するため、回転電機3によって駆動されて、ケース2の下部に形成されるオイル貯留部7に貯留されたオイルを掻き上げる。
フランジ部34Bは、筒状部34Aの軸第二方向A2側の端部から径方向内側に向かって延び、その径方向内側端部でロータ軸4に連結されている。このようにして、ロータ32、ロータ連結部34、及びロータ軸4は一体回転する。これらは、軸方向Aの相互位置関係が定まった状態で一体回転する。なお、フランジ部34Bと第一ケース部材21の端部壁との軸方向Aの間には、回転センサ38が設けられている。
ロータ軸4は、ロータ連結部34に対して軸方向Aの両側で、2つの軸受(第一軸受91及び第二軸受92)によって回転可能な状態で径方向Rに支持されている。ロータ軸4は、軸方向Aにおけるロータ連結部34よりも軸第一方向A1側では、第一軸受91により、第三軸受93及び第一ハブ部材11を介してケース2(本例では第一ケース部材21)に支持された状態の出力軸9に支持されている。ロータ軸4は、軸方向Aにおけるロータ連結部34よりも軸第二方向A2側では、第二軸受92により、ケース2(本例では第二ケース部材22)に支持されている。本実施形態では、第一軸受91が「支持軸受」に相当し、第二軸受92が「第二支持軸受」に相当する。
ロータ軸4には、外歯のギヤが設けられている。このギヤは、本実施形態では、プラネタリギヤ機構50が有するサンギヤ51となっている。サンギヤ51は、ロータ軸4における軸方向Aでロータ連結部34と第一軸受91によって支持される部分(第一被支持部41)との間に設けられている。サンギヤ51は、軸方向Aにおけるロータ連結部34と第一被支持部41との間の、第一被支持部41側(軸第一方向A1側)に偏倚した位置に設けられている。本実施形態では、サンギヤ51は、ロータ軸4の外周面に、当該ロータ軸4と一体的に形成されている。サンギヤ51は、ロータ軸4と一体回転する。また、サンギヤ51は、ロータ32及びロータ連結部34と一体回転する。このようにして、回転電機3が出力する回転及びトルクは、ロータ連結部34及びロータ軸4を介してサンギヤ51に伝達される。なお、サンギヤ51には、プラネタリギヤ機構50が有するステップドピニオン55(本例では、大径ピニオン55A)に噛み合っている。本実施形態では、サンギヤ51が「軸固定ギヤ」に相当し、大径ピニオン55Aが「噛合ギヤ」に相当する。また、第一被支持部41が「被支持部」に相当する。
なお、ロータ軸4の第一被支持部41は、駆動装置1の組み付け時及び組み付け後のいずれかの時点において第一軸受91に内嵌される部分である。同様に、ロータ軸4の第二被支持部45は、駆動装置1の組み付け時及び組み付け後のいずれかの時点において第二軸受92に内嵌される部分である。第一被支持部41及び第二被支持部45は、ロータ軸4における軸方向Aの両端部に設けられている。第一被支持部41及び第二被支持部45は、それぞれロータ軸4における他の部位(両被支持部41,45間の中間部分)よりも小径に形成されている。両被支持部41,45とそれらの間の中間部分との境界部に形成される段差は、第一軸受91及び第二軸受92に対してロータ軸4の軸方向Aの位置決めを行うための軸方向位置決め部として機能する。
本実施形態では、第一被支持部41と第二被支持部45とは同径に形成されている。また、第一軸受91と第二軸受92とは同サイズのものが使用されている。この同サイズの第一軸受91及び第二軸受92に対して、本実施形態では、第一被支持部41と第二被支持部45とは、軸方向Aの長さが互いに異なるように構成されている。より具体的には、軸第二方向A2側の第二被支持部45は、第二軸受92と同程度の軸方向長さを有している。これに対して、軸第一方向A1側の第一被支持部41は、第一軸受91の軸方向長さよりも有意に長い軸方向長さを有している。第一被支持部41は、ロータ軸4におけるサンギヤ51の軸方向位置にも依存するが、第一軸受91の軸方向長さの例えば1.2倍〜3倍、その中でも例えば1.3倍〜2倍の軸方向長さを有していると好適である。図示の例において、第一被支持部41の軸方向長さは、第一軸受91の軸方向長さのおよそ1.5倍である。
第一被支持部41の軸方向長さが上記のように設定されているので、第一被支持部41は、当該第一被支持部41に対して外嵌される第一軸受91が軸方向Aに位置決めされた状態で第一軸受91よりも軸第一方向A1側に向かって突出する延長突出部42を有する。第一被支持部41(延長突出部42)の軸第一方向A1側の端部には、テーパー面43が形成されている。テーパー面43は、軸端部の面取りによって形成されており、軸第一方向A1側に向かうに従って次第に小径となるように形成されている。
ここで、第一被支持部41の突出側(軸第一方向A1側)の先端部41aと、サンギヤ51の第一被支持部41側(軸第一方向A1側)の端部51aとの間の軸方向Aに沿う長さを、“第一軸方向長さL1”と定義する(図3を参照)。また、第一被支持部41のうち、テーパー面43の部分を除外して考え、テーパー面43の基端部(第一被支持部41の外周面に連なる部分)と、サンギヤ51の第一被支持部41側の端部51aとの間の軸方向Aに沿う長さを、“第二軸方向長さL2”と定義する。さらに、第一軸受91のロータ連結部34側(軸第二方向A2側)の端部91aと、大径ピニオン55Aのロータ連結部34側(軸第二方向A2側)の端部55Aaとの間の軸方向Aに沿う長さを、“第三軸方向長さL3”と定義する。このような定義の下、第一軸方向長さL1は、第三軸方向長さL3よりも長く設定されている(L1>L3)。さらに本実施形態では、第二軸方向長さL2も、第三軸方向長さL3よりも長く設定されている(L2>L3)。
図2に示すように、プラネタリギヤ機構50は、サンギヤ51と、サンギヤ51に噛み合う大径ピニオン55Aとそれよりも小径の小径ピニオン55Bとが並設された複数(本例では3つ)のステップドピニオン55と、複数のステップドピニオン55を回転自在に支持するキャリヤ52と、複数の小径ピニオン55Bに共通に噛み合う内歯のリングギヤ56とを有する。複数のステップドピニオン55(大径ピニオン55A及び小径ピニオン55B)は、サンギヤ51の周囲に、周方向に均等に(互いに等しい中心角をなす状態に)配置されている。大径ピニオン55Aと小径ピニオン55Bとは、大径ピニオン55Aが小径ピニオン55Bに対して軸第一方向A1側に位置する状態で軸方向Aに並んで配置されている。本実施形態では、サンギヤ51とこれに噛み合う大径ピニオン55A、及び小径ピニオン55Bとこれに噛み合うリングギヤ56とは、いずれも斜歯に形成されている(図6を参照)。
図1及び図2に示すように、キャリヤ52は、出力軸9の軸第二方向A2側の端部に形成されたフランジ部9Aに固定されたキャリヤカバー53を有する。キャリヤカバー53は、フランジ部9Aと軸方向Aに対向する部分を有しており、当該対向部分とフランジ部9Aとに亘って複数のピニオン軸54が架け渡されている。そして、複数のピニオン軸54のそれぞれに、ニードルベアリングを介してステップドピニオン55が回転自在に支持されている。小径ピニオン55Bに噛み合うリングギヤ56は、円筒状のリングギヤ形成部材70の内周面に形成されている。リングギヤ形成部材70は、支持部材80を介してケース2(本例では第一ケース部材21)に固定されている。リングギヤ形成部材70と支持部材80とは、相対回転が規制された状態で互いに係合している。また、リングギヤ形成部材70と支持部材80とは、スナップリング77によって抜け止め係止されている。
図1に示すように、プラネタリギヤ機構50は、回転電機3の径方向内側において、径方向Rに見て回転電機3と重複する部分を有するように配置されている。なお、2つの部材の配置に関して、「ある方向に見て重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。本実施形態では、プラネタリギヤ機構50の小径ピニオン55Bが、ロータ32の径方向内側において、径方向Rに見てロータ32及びステータ31と重複する部分を有するように配置されている。このような配置構成を採用することで、駆動装置1の軸方向長さが短く抑えられ、装置全体の小型化が図られている。
プラネタリギヤ機構50は、回転電機3の出力回転を変速(本例では減速)して出力軸9に伝達する変速機構(本例では減速機構)として機能する。サンギヤ51には、ロータ連結部34及びロータ軸4を介して回転電機3(ロータ32)の出力回転が伝達される。リングギヤ56は、リングギヤ形成部材70及び支持部材80を介してケース2に固定されている。このため、回転電機3の出力回転は、サンギヤ51とリングギヤ56との歯数比及び小径ピニオン55Bと大径ピニオン55Aとの歯数比に応じて減速されてキャリヤ52に伝達され、当該減速回転はさらに、フランジ部9Aを介してキャリヤ52と一体回転する出力軸9に伝達される。このような減速機構を備えることで、比較的小型の回転電機3を用いつつ、大きな駆動力(トルクと同義)を確保可能としている。
図1及び図2に示すように、出力軸9は、相対回転が規制された状態で外嵌された第一ハブ部材11と共に、第一ケース部材21のスリーブ部21Aに内嵌された第三軸受93によって回転可能な状態で径方向Rに支持されている。出力軸9の軸第二方向A2側の端部には、軸方向Aに沿う有底孔である軸端孔部9bが形成されている。軸端孔部9bには、ロータ軸4の軸第一方向A1側の端部を回転可能に支持する第一軸受91が内嵌されている。
出力軸9は、車輪Wに駆動連結されている。「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれても良い。
出力軸9は、ケース2の外に露出する部分(第三軸受93よりも軸第一方向A1側の部分)において第一ハブ部材11と一体回転するように連結されている。なお、第一ハブ部材11と第一ケース部材21との間には、オイルをシールするためのシール部材95が配置されている。第一ハブ部材11は、タイヤ(図示せず)が取り付けられるリム部材14を径方向Rに支持する第二ハブ部材12に固定されている。こうして、駆動装置1と車輪Wとが一体的に設けられている。駆動装置1及び車輪Wは、懸架装置(図示せず)を介して車体(図示せず)に懸架されている。
駆動装置1において、運転者のアクセル操作等に基づく車両の前進力行時には、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置(図示せず)からインバータ装置(図示せず)を介して回転電機3のステータ31に電力が供給され、ロータ32が回転駆動される。すると、ロータ連結部34を介してロータ軸4が回転駆動され、さらにプラネタリギヤ機構50によって減速された回転が出力軸9に伝達されて、車輪Wが回転駆動されることになる。一方、運転者のアクセル操作やブレーキ操作等に基づく車両の前進減速時には、慣性力によって車輪W及び出力軸9が回転駆動され、さらにプラネタリギヤ機構50によって増速された回転がロータ軸4に伝達される。すると、ロータ連結部34を介してロータ32が回転駆動されてステータ31に逆起電力が生じるので、これをインバータ装置を介して蓄電装置に供給して、蓄電装置を充電することができる。
本実施形態に係る駆動装置1は、各構成部品を複数のグループに分けてそれぞれサブユニット化した上で、それらを互いに組み付けて製造することができる。本実施形態では、駆動装置1は、3つのサブユニット(第一サブユニットU1,第二サブユニットU2,第三サブユニットU3)を互いに組み付けて製造される。具体的には、以下のようにして製造される。
図4に示すように、第一サブユニットU1は、主に第一ケース部材21、出力軸9、第一軸受91、プラネタリギヤ機構50(サンギヤ51を除く)、及びステータ31を含むサブユニットである。第一サブユニットU1には、その他、第三軸受93、第一ハブ部材11、支持部材80、及びリングギヤ形成部材70等が含まれる。第二サブユニットU2は、主にロータ32、ロータ連結部34、及びロータ軸4(サンギヤ51が設けられている)を含むサブユニットである。第二サブユニットU2には、その他、第二軸受92や掻上部材6、回転センサ38のセンサロータ等が含まれる。図8に示すように、第三サブユニットU3は、主に第二ケース部材22を含むサブユニットである。第三サブユニットU3には、その他、回転センサ38のセンサステータ等が含まれる。
各サブユニットU1〜U3は、そのサブユニットが必要となる以前のいずれかの時点で組み付けが完了されれば良い。以下の説明では、各サブユニットU1〜U3について言及する場合には、それらは、その時点で既にサブユニット化されているものとする。また、以下の説明では、相対的に大きい方のサブユニットを定位した状態で、小さい方のサブユニットを軸方向に移動させて互いに組み付けることを想定しているが、固定側と移動側とが逆であっても実質的に同じである。つまり、相対的に小さい方のサブユニットを定位した状態で、大きい方のサブユニットを軸方向に移動させて互いに組み付けることと実質的な差異はない。このため、この製造方法において、「移動させる」とは、注目している部材を、対象部材に対して相対移動させることを表す概念である。
この製造方法では、まず、第一サブユニットU1と第二サブユニットU2とを組み付ける。上記のように第一サブユニットU1は、第一ケース部材21、第一軸受91、プラネタリギヤ機構50(サンギヤ51を除く)、及びステータ31を含んでおり、第一軸受91、大径ピニオン55A、及びステータ31は、軸第一方向A1側から軸第二方向A2側に向かって記載の順に配置されている。つまり、第一サブユニットU1において、複数の大径ピニオン55Aに対して第一軸受91が軸第一方向A1側に位置するように、複数の大径ピニオン55A、第一軸受91、及びステータ31がケース2(第一ケース部材21)に組み付けられている。
この状態で、図4に示すように、第一ケース部材21における開口部21bが設けられた側である軸第二方向A2側から、第二サブユニットU2を軸方向Aに沿って軸第一方向A1側に向かって移動させる。上記のように第二サブユニットU2は、ロータ32、ロータ連結部34、及びロータ軸4(サンギヤ51が設けられている)を含んでおり、ロータ軸4にはロータ32が連結されているとともに軸方向Aにおけるロータ連結部34と第一被支持部41との間にサンギヤ51が設けられている。このような第二サブユニットU2を、ロータ軸4の第一被支持部41側の先端部41aを先にして軸第一方向A1側へ向かって移動させ、開口部21bから第一ケース部材21内に挿入する。
第二サブユニットU2の挿入に伴い、他の部材に比べて広範な軸方向範囲を占めるステータ31とロータ32とが、径方向Rに見て重複し始める。この場合、ステータコア31Aが積層鋼板で構成されるとともにロータ32は永久磁石32Bを含んでいるため、特段の対策が施されていなければ、磁力によってロータ32がステータ31に引き寄せられて、ロータ軸4の軸心が傾いたりずれたりしてしまう懸念がある。すなわち、ステータ31及びプラネタリギヤ機構50の軸心とロータ軸4の軸心とが、同軸からずれてしまう懸念がある。
このような点を考慮して、本実施形態では、上述したように第一被支持部41が上述した延長突出部42を有するように構成されている。そして、第一被支持部41の突出側の先端部41aとサンギヤ51の第一被支持部41側の端部51aとの間の第一軸方向長さL1が、第一軸受91のロータ連結部34側の端部91aと大径ピニオン55Aのロータ連結部34側の端部55Aaとの間の第三軸方向長さL3よりも長く設定されている(L1>L3)。このため、第二サブユニットU2を軸第一方向A1側へ向かってさらに移動させたとき、図5及び図6に示すように、サンギヤ51と大径ピニオン55Aとが噛み合うよりも前に、ロータ軸4の第一被支持部41の先端部41aが第一軸受91に嵌合する。なお、ロータ軸4の第一被支持部41の先端部41aにはテーパー面43が設けられているので、ロータ軸4の軸心が多少傾いていたとしても、第一軸受91に嵌合するに際して特に不都合はない。
さらに本実施形態では、第一被支持部41におけるテーパー面43の基端部と、サンギヤ51の第一被支持部41側の端部51aとの間の第二軸方向長さL2が、第三軸方向長さL3よりも長く設定されている。このため、ロータ軸4の第一被支持部41の先端部41aのうちのテーパー面43を除く部分が、サンギヤ51と大径ピニオン55Aとが噛み合うよりも前に第一軸受91に嵌合する。よって、サンギヤ51と大径ピニオン55Aとが未噛合の状態で、ロータ軸4の第一被支持部41を第一軸受91によって全周から支持してロータ軸4の芯出しを行うことができる。
この状態で、第二サブユニットU2をさらに軸第一方向A1側へ移動させてさらに挿入すると、図7に示すようにサンギヤ51と大径ピニオン55Aとが噛み合い始めることになる。このとき、既にロータ軸4の第一被支持部41が第一軸受91に嵌合してロータ軸4の芯出しがなされているので、第二サブユニットU2の軸方向移動に伴うサンギヤ51と大径ピニオン55Aとの噛み合わせを、困難なく比較的容易に行うことができる。特に、本実施形態のようにサンギヤ51及び大径ピニオン55Aが斜歯に形成されている場合であっても、両者の噛み合わせを比較的容易に行うことができる。このように、サンギヤ51と大径ピニオン55Aとの組み付けを容易に行うことができるので、駆動装置1の製造効率の低下を抑制することができる。
第二サブユニットU2をさらに軸第一方向A1側へ移動させてさらに挿入すると、やがてロータ軸4における第一被支持部41と中間部分との境界部の段差が第一軸受91に当接する。これにより、第一サブユニットU1に対する第二サブユニットU2の軸方向Aの位置が定まることになる。また、それに伴い、サンギヤ51と複数の大径ピニオン55Aとの噛合が完了するとともに、ロータ32がステータ31に対する規定位置Pに収まることになる。なお、「規定位置P」とは、完成した駆動装置1において回転電機3の性能を確保可能な、ステータ31に対するロータ32の相対位置である。例えばロータ32の軸方向中心がステータ31の軸方向中心に合致するようなロータ32の位置であり、ロータ32の軸方向両端部がステータ31の軸方向両端部に概ね合致するようなロータ32の位置と言うこともできる。
次に、既に組み付けられた第一サブユニットU1及び第二サブユニットU2に対して、第三サブユニットU3を組み付ける。上記のとおり第三サブユニットU3は、第二ケース部材22を含んでいる。この第三サブユニットU3を、図8に示すように、第一サブユニットU1及び第二サブユニットU2に対して軸第二方向A2側から、軸方向Aに沿って軸第一方向A1側に向かって移動させる。これにより、第一ケース部材21の開口部21bを覆うように、第一ケース部材21に対して第二ケース部材22を取り付ける。それに伴い、ロータ軸4の第二被支持部45に嵌合されている第二軸受92に、第二ケース部材22のボス部23を嵌合させる。このようにして、ロータ軸4の第二被支持部45が、第二軸受92を介して第二ケース部材22のボス部23に支持される状態とする。その後、ボルト等の締結部材によって第一ケース部材21と第二ケース部材22とを締結固定して、図1に示すような駆動装置1が完成する。
〔その他の実施形態〕
車両用駆動装置のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、サンギヤ51がロータ軸4と一体的に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。別体として形成されるサンギヤ51とロータ軸4とが一体回転するように構成されていても良い。例えば、外周部にサンギヤ51が形成されたサンギヤ形成部材が、ロータ軸4に固着されていても良い。
(2)上記の実施形態では、プラネタリギヤ機構50(ギヤ機構5の一例)がステップドピニオン55を有し、そのうちの大径ピニオン55Aを「噛合ギヤ」として、これに「軸固定ギヤ」としてのサンギヤ51が噛み合っている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。プラネタリギヤ機構50が1枚歯からなるピニオンを有し、当該1枚歯のピニオンを「噛合ギヤ」として、これにサンギヤ51が噛み合っても良い。
(3)上記の実施形態では、プラネタリギヤ機構50(ギヤ機構5の一例)が3つのステップドピニオン55を有し、「噛合ギヤ」としての大径ピニオン55Aが、周方向に均等に3つ設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、プラネタリギヤ機構50に、ステップドピニオン55(大径ピニオン55A)が2つだけ又は4つ以上設けられても良い。また、プラネタリギヤ機構50のステップドピニオン55(大径ピニオン55A)が、周方向に不均等に設けられても良い。但し、本開示に係る技術は、3つ以上のステップドピニオン55(大径ピニオン55A)が周方向に略均等に設けられた構成に、優位性高く適用することができる。
(4)上記の実施形態では、「複数の噛合ギヤ」が、同種のギヤ(いずれも、プラネタリギヤ機構50が有する複数の大径ピニオン55A)によって構成されている例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、「複数の噛合ギヤ」の少なくとも1つが、他の「噛合ギヤ」とは異種のギヤによって構成されても良い。例えば「複数の噛合ギヤ」が、ロータ軸4に固定された「軸固定ギヤ」に対して共に噛み合う、異なる駆動伝達経路を構成する別々のギヤ(例えば、出力ギヤとポンプ駆動ギヤ等)で構成されても良い。この場合、それら異種の複数のギヤの集合によって「ギヤ機構」が構成される。
(5)上記の実施形態では、ケース2が二分割構造を有する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ケース2が3つ以上に分割されていても良い。この場合、第二ケース部材22は、第一ケース部材21の開口部21bを部分的に覆う中間壁等であっても良い。
(6)上記の実施形態では、第二サブユニットU2に第二軸受92が含まれ、先に組み付けられた第一サブユニットU1及び第二サブユニットU2に対して、第二ケース部材22を含む第三サブユニットU3を組み付ける構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第二軸受92を他の部材と共にサブユニット化せずに、第一サブユニットU1及び第二サブユニットU2に対して別々に組み付けても良い。或いは、第二軸受92を第二サブユニットU2ではなく第三サブユニットU3に含ませて良い。この場合、第二ケース部材22のボス部23に第二軸受92を内嵌させた状態で第三サブユニットU3が構成される。第一サブユニットU1及び第二サブユニットU2に対して第三サブユニットU3を組み付ける際には、第一ケース部材21の開口部21bが第二ケース部材22で覆われるとともに、第二軸受92にロータ軸4の第二被支持部45が内嵌される。
(7)上記の実施形態では、駆動装置1をインホイールタイプの駆動装置(ドライブユニット)に適用し、2台の駆動装置1を用いて左右一対の車輪Wを個別に駆動する例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば駆動装置1に駆動力分配用のディファレンシャル装置を設け、1台の駆動装置1を用いて左右一対の車輪Wの両方を一括的に駆動しても良い。この場合において、車両の駆動力源として、回転電機3と内燃機関とを併用するように駆動装置1が構成されても良い。また、車両駆動用に限定されることなく、幅広い用途の駆動装置に、本開示に係る技術を適用することができる。
(8)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎないと理解されるべきである。従って、当業者は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔実施形態の概要〕
以上をまとめると、本開示に係る駆動装置は、好適には、以下の各構成を備える。
[1]
ケース(2)と、
前記ケース(2)に固定されたステータ(31)と前記ステータ(31)の径方向内側に配置されたロータ(32)とを有する回転電機(3)と、
ロータ連結部(34)を介して前記ロータ(32)と連結され、前記ロータ(32)と一体回転するロータ軸(4)と、
前記ケース(2)に支持された状態で前記ロータ軸(4)を回転可能に支持する支持軸受(91)と、
前記ロータ軸(4)に固定された軸固定ギヤ(51)と、前記ケース(2)に支持されて前記軸固定ギヤ(51)に対して径方向外側から噛み合う複数の噛合ギヤ(55A)と、を有するギヤ機構(5)と、を備え、
前記ロータ軸(4)の軸方向(A)における前記ロータ連結部(34)と前記支持軸受(91)による被支持部(41)との間に前記軸固定ギヤ(51)が設けられ、
前記被支持部(41)の先端部(41a)と前記軸固定ギヤ(51)の前記被支持部(41)側の端部(51a)との間の軸方向長さ(L1)が、前記支持軸受(91)の前記ロータ連結部(34)側の端部(91a)と前記噛合ギヤ(55A)の前記ロータ連結部(34)側の端部(55Aa)との間の軸方向長さ(L3)よりも長い。
この構成によれば、複数の噛合ギヤ、支持軸受、及びステータが組み付けられた状態のケースに、一体化されたロータ軸及びロータを組み付ける際に、ロータ軸に設けられる軸固定ギヤとギヤ機構に設けられる噛合ギヤとが噛み合うよりも前に、ロータ軸の被支持部の先端部を支持軸受に嵌合させることができる。よって、支持軸受でロータ軸の被支持部の先端部を全周から支持してロータ軸の芯出しをした状態で、その後、ロータ軸の軸固定ギヤとギヤ機構の複数の噛合ギヤとを同時に噛み合わせることができる。従って、軸固定ギヤと噛合ギヤとの組み付けを容易に行うことができ、製造効率の低下を抑制することができる。
[2]
前記ケース(2)は、第一ケース部材(21)と、前記第一ケース部材(21)に固定される第二ケース部材(22)と、を有し、
前記第一ケース部材(21)は、前記複数の噛合ギヤ(55A)及び前記ステータ(31)を支持するとともに前記ロータ(32)の外径よりも大きい開口部(21b)を有し、
前記第二ケース部材(22)は、前記開口部(21b)を覆うように配置されるとともに、前記ロータ軸(4)を回転可能に支持する第二支持軸受(92)を支持し、
前記ロータ軸(4)は、軸方向(A)における前記ロータ連結部(34)よりも前記被支持部(41)側とは反対側の部分で前記第二支持軸受(92)により支持されている。
この構成によれば、複数の噛合ギヤ、支持軸受、及びステータが組み付けられた状態の第一ケース部材に、当該第一ケース部材の開口部から一体化されたロータ軸及びロータを挿入して、それらを適切に組み付けることができる。また、開口部を覆うように配置される第二ケース部材に支持される第二支持軸受により、支持軸受と共に軸方向の2箇所で、ロータ軸を適切に回転可能に支持することができる。
[3]
前記ギヤ機構(5)は、プラネタリギヤ機構(50)であり、
前記軸固定ギヤは、サンギヤ(51)であり、
前記複数の噛合ギヤは、キャリヤ(52)に支持された複数のピニオン(55A)である。
一般的なプラネタリギヤ機構においては、複数のピニオンが周方向に略均等な間隔で設けられる場合が多い。このため、特に3つ以上のピニオンが設けられる場合には、当該3つ以上のピニオンとサンギヤとを噛み合わせるためには芯出しがされた状態での軸方向移動が求められる。この点に鑑み、上記のようにプラネタリギヤ機構のサンギヤが軸固定ギヤであり、複数のピニオンが複数の噛合ギヤである構成に、本開示に係る技術を特に好ましく適用することができる。
また、本開示に係る駆動装置の製造方法は、好適には、以下の各構成を備える。
[4]
ケース(2)と、
前記ケース(2)に固定されたステータ(31)と前記ステータ(31)の径方向内側に配置されたロータ(32)とを有する回転電機(3)と、
ロータ連結部(34)を介して前記ロータ(32)と連結され、前記ロータ(32)と一体回転するロータ軸(4)と、
前記ケース(2)に支持された状態で前記ロータ軸(4)を回転可能に支持する支持軸受(91)と、
前記ロータ軸(4)に固定された軸固定ギヤ(51)と、前記ケース(2)に支持されて前記軸固定ギヤ(51)に対して径方向外側から噛み合う複数の噛合ギヤ(55A)と、を有するギヤ機構(5)と、を備えた駆動装置(1)の製造方法であって、
前記支持軸受(91)が前記複数の噛合ギヤ(55A)に対して前記ロータ軸(4)の軸方向(A)における一方側である軸第一方向(A1)側に位置するように、前記複数の噛合ギヤ(55A)、前記支持軸受(91)、及び前記ステータ(31)が前記ケース(2)に組み付けられた状態で、
前記ロータ(32)が連結されているとともに軸方向(A)における前記ロータ連結部(34)と前記支持軸受(91)による被支持部(41)との間に前記軸固定ギヤ(51)が設けられた前記ロータ軸(4)を、当該ロータ軸(4)の前記被支持部(41)側の先端部(41a)を先にして前記軸第一方向(A1)側へ向かって移動させて、前記被支持部(41)の前記支持軸受(91)への嵌合を開始させ、
前記ロータ軸(4)をさらに前記軸第一方向(A1)側へ移動させて、前記軸固定ギヤ(51)と前記複数の噛合ギヤ(55A)との噛合を開始させ、
前記ロータ軸(4)をさらに前記軸第一方向(A1)側へ移動させて、前記軸固定ギヤ(51)と前記複数の噛合ギヤ(55A)との噛合を完了させ、前記ロータ(32)を前記ステータ(31)に対する規定位置(P)に配置させる。
この構成によれば、複数の噛合ギヤ、支持軸受、及びステータがケースに組み付けられた状態で、一体化されたロータ軸及びロータを軸方向に移動させて組み付ける際に、ロータ軸に設けられる軸固定ギヤとギヤ機構に設けられる噛合ギヤとが噛み合うよりも前に、ロータ軸の被支持部の先端部を支持軸受に嵌合させることができる。よって、支持軸受でロータ軸の被支持部の先端部を全周から支持してロータ軸の芯出しをした状態で、その後、ロータ軸等をさらに軸方向に移動させてロータ軸の軸固定ギヤとギヤ機構の複数の噛合ギヤとを同時に噛み合わせることができる。従って、軸固定ギヤと噛合ギヤとの組み付けを容易に行うことができ、製造効率の低下を抑制することができる。
[5]
前記ケース(2)は、第一ケース部材(21)と、前記第一ケース部材(21)に固定される第二ケース部材(22)と、を有し、
前記第一ケース部材(21)は、前記複数の噛合ギヤ(55A)及び前記ステータ(31)を支持するとともに、前記ロータ(32)の外径よりも大きく且つ前記軸第一方向(A1)側とは反対側に向かって開口する開口部(21b)を有し、
前記第二ケース部材(22)は、前記開口部(21b)を覆うように配置されるとともに、前記ロータ軸(4)を回転可能に支持する第二支持軸受(92)を支持し、
前記ロータ(32)を前記規定位置(P)に配置させた後、前記第二ケース部材(22)を前記軸第一方向(A1)側へ移動させて前記開口部(21b)を覆うように前記第一ケース部材(21)に対して取り付け、前記ロータ軸(4)における軸方向(A)で前記ロータ連結部(34)よりも前記被支持部(41)側とは反対側の部分が、前記第二支持軸受(92)を介して前記第二ケース部材(22)に支持される状態とする。
この構成によれば、複数の噛合ギヤ、支持軸受、及びステータが組み付けられた状態の第一ケース部材に、一体化されたロータ軸及びロータを第一ケース部材の開口部を通過させて軸方向に移動させて、それらを適切に組み付けることができる。また、開口部を覆うように配置される第二ケース部材に支持される第二支持軸受により、支持軸受と共に軸方向の2箇所で、ロータ軸を適切に回転可能に支持することができる。
本開示に係る駆動装置及びその製造方法は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
本発明は、回転電機とギヤ機構とを備える駆動装置に利用することができる。
1 駆動装置
2 ケース
3 回転電機
4 ロータ軸
5 ギヤ機構
21 第一ケース部材
22 第二ケース部材
31 ステータ
32 ロータ
34 ロータ連結部
41 第一被支持部(被支持部)
42 延長突出部
43 テーパー面
45 第二被支持部
50 プラネタリギヤ機構
51 サンギヤ(軸固定ギヤ)
55 ステップドピニオン
55A 大径ピニオン(噛合ギヤ)
91 第一軸受(支持軸受)
92 第二軸受(第二支持軸受)
S 収容空間
U1 第一サブユニット
U2 第二サブユニット
U3 第三サブユニット
P 規定位置
A 軸方向
A1 軸第一方向
A2 軸第二方向
R 径方向

Claims (5)

  1. ケースと、
    前記ケースに固定されたステータと前記ステータの径方向内側に配置されたロータとを有する回転電機と、
    ロータ連結部を介して前記ロータと連結され、前記ロータと一体回転するロータ軸と、
    前記ケースに支持された状態で前記ロータ軸を回転可能に支持する支持軸受と、
    前記ロータ軸に固定された軸固定ギヤと、前記ケースに支持されて前記軸固定ギヤに対して径方向外側から噛み合う複数の噛合ギヤと、を有するギヤ機構と、を備え、
    前記ロータ軸の軸方向における前記ロータ連結部と前記支持軸受による被支持部との間に前記軸固定ギヤが設けられ、
    前記被支持部の先端部と前記軸固定ギヤの前記被支持部側の端部との間の軸方向長さが、前記支持軸受の前記ロータ連結部側の端部と前記噛合ギヤの前記ロータ連結部側の端部との間の軸方向長さよりも長い駆動装置。
  2. 前記ケースは、第一ケース部材と、前記第一ケース部材に固定される第二ケース部材と、を有し、
    前記第一ケース部材は、前記複数の噛合ギヤ及び前記ステータを支持するとともに前記ロータの外径よりも大きい開口部を有し、
    前記第二ケース部材は、前記開口部を覆うように配置されるとともに、前記ロータ軸を回転可能に支持する第二支持軸受を支持し、
    前記ロータ軸は、軸方向における前記ロータ連結部よりも前記被支持部側とは反対側の部分で前記第二支持軸受により支持されている請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記ギヤ機構は、プラネタリギヤ機構であり、
    前記軸固定ギヤは、サンギヤであり、
    前記複数の噛合ギヤは、キャリヤに支持された複数のピニオンである請求項1又は2に記載の駆動装置。
  4. ケースと、
    前記ケースに固定されたステータと前記ステータの径方向内側に配置されたロータとを有する回転電機と、
    ロータ連結部を介して前記ロータと連結され、前記ロータと一体回転するロータ軸と、
    前記ケースに支持された状態で前記ロータ軸を回転可能に支持する支持軸受と、
    前記ロータ軸に固定された軸固定ギヤと、前記ケースに支持されて前記軸固定ギヤに対して径方向外側から噛み合う複数の噛合ギヤと、を有するギヤ機構と、を備えた駆動装置の製造方法であって、
    前記支持軸受が前記複数の噛合ギヤに対して前記ロータ軸の軸方向における一方側である軸第一方向側に位置するように、前記複数の噛合ギヤ、前記支持軸受、及び前記ステータが前記ケースに組み付けられた状態で、
    前記ロータが連結されているとともに軸方向における前記ロータ連結部と前記支持軸受による被支持部との間に前記軸固定ギヤが設けられた前記ロータ軸を、当該ロータ軸の前記被支持部側の先端部を先にして前記軸第一方向側へ向かって移動させて、前記被支持部の前記支持軸受への嵌合を開始させ、
    前記ロータ軸をさらに前記軸第一方向側へ移動させて、前記軸固定ギヤと前記複数の噛合ギヤとの噛合を開始させ、
    前記ロータ軸をさらに前記軸第一方向側へ移動させて、前記軸固定ギヤと前記複数の噛合ギヤとの噛合を完了させ、前記ロータを前記ステータに対する規定位置に配置させる駆動装置の製造方法。
  5. 前記ケースは、第一ケース部材と、前記第一ケース部材に固定される第二ケース部材と、を有し、
    前記第一ケース部材は、前記複数の噛合ギヤ及び前記ステータを支持するとともに、前記ロータの外径よりも大きく且つ前記軸第一方向側とは反対側に向かって開口する開口部を有し、
    前記第二ケース部材は、前記開口部を覆うように配置されるとともに、前記ロータ軸を回転可能に支持する第二支持軸受を支持し、
    前記ロータを前記規定位置に配置させた後、前記第二ケース部材を前記軸第一方向側へ移動させて前記開口部を覆うように前記第一ケース部材に対して取り付け、前記ロータ軸における軸方向で前記ロータ連結部よりも前記被支持部側とは反対側の部分が、前記第二支持軸受を介して前記第二ケース部材に支持される状態とする請求項4に記載の駆動装置の製造方法。
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