JP2016056667A - 電子キーシステム - Google Patents

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Hidenobu Hanaki
秀信 花木
将之 川村
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Abstract

【課題】通信マスタ及び電子キーが実行する通信の正当性を、より正しく判定することができる電子キーシステムを提供する。【解決手段】車両1の車外通信機12は、スマート通信の通信課程において、電子キー2に受信信号強度を確認させる判定信号Sjuを複数回送信する。電子キー2は、先に送信された判定信号Sjuにおいて受信信号強度が飽和することを確認すると、受信アンテナ20を低感度アンテナ24に切り替え、車外通信機12から後に送信された判定信号Sjuにおいて、同様に受信信号強度を確認する。受信感度を低下させても受信信号強度が未だ飽和するときには、電子キーシステム3の通信をスマート通信から近接場型無線通信(イモビライザー通信)に切り替え、通信の正当性を確認する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子キーのID照合を無線により実行する電子キーシステムに関する。
従来から周知のように、多くの車両には、電子キーから無線により電子キーIDを車両に無線送信して、電子キーとのID照合を行う電子キーシステムが搭載されている(例えば、特許文献1等参照)。この種の電子キーシステムには、車両送信機からリクエストを定期的に送信し、このリクエストに対する応答として電子キーが送信してきた電子キーIDを、車両においてID照合(スマート照合)するキー操作フリーシステムがある。
特開2005−262915号公報
ところで、この種の電子キーシステムにおいては、ユーザの意志によらないところでID照合成立を謀る不正行為として、中継器を使った不正行為というものがある。この不正行為は、例えば電子キーが車両から遠い場所に位置する際に、この電子キーを1つ又は複数の中継器によって車両と繋いで電波を中継し、これら2者間の通信を成立させる行為である。よって、ユーザが気付かないところでID照合が成立されてしまうので、第三者によって不正にドア解錠やエンジンが始動されてしまう可能性がある。
この不正通信の対策としては、例えば車両から、電子キーにおいて電波の受信信号強度を測定させるのに使用する電波を送信させ、受信電波の受信信号強度が正当な変化をとれば、通信を正当と判定し、逆に正当な変化をとらなければ、通信を不正と判定するロジックが考え付く。しかし、このロジックの場合、電子キーが車両のアンテナに極接近すると、受信信号強度が飽和してしまい、正規通信であるにもかかわらず、不正通信と判定されてしまう。よって、通信の正当性を正しく判断するのに問題があった。
本発明の目的は、通信マスタ及び電子キーが実行する通信の正当性を、より正しく判定することができる電子キーシステムを提供することにある。
前記問題点を解決する電子キーシステムは、通信マスタ及び電子キーの間で双方向の無線通信によるID照合を行い、当該ID照合の照合結果を基に前記通信マスタの機器を制御する構成において、前記通信マスタに設けられ、前記ID照合の通信過程において、前記電子キーで受信信号強度を測定するのに用いられる判定信号を複数回に亘って送信可能な送信処理部と、前記電子キーに設けられ、前記通信マスタの前記判定信号を当該電子キーで受信したときの受信信号強度を測定し、当該受信信号強度を基に、いま確立している2者間の通信の正当性を判定する正当性判定部と、前記電子キーに設けられ、前記通信マスタから先に送信された判定信号を受信したときの受信信号強度による受信信号強度判定が成立しなかったとき、当該電子キーの受信アンテナの感度を低下させ、前記通信マスタから後に送信されてくる判定信号の受信に基づく前記正当性の判定を再度実施させる強度切替部とを備えた。
本構成によれば、通信マスタから送信された判定信号を電子キーが受信したときの受信信号強度が正当となるか否かを確認する受信信号強度判定を行うにあたり、例えば電子キーが通信マスタのアンテナに極接近する位置にあるとき、電子キーは判定信号を非常に高いレベルで受信してしまうので、受信信号強度が飽和して所望の値をとらず、正規の電子キーで通信するものの通信が成立しないおそれがある。そこで、本構成では、通信マスタから判定信号を複数送信させ、先に送信された判定信号が飽和するなどして受信信号強度判定が成立しないときには、電子キーの受信感度を落とし、通信マスタから後に送信される判定信号を、所望の値にて電子キーに受信させる。このため、電子キーが通信マスタのアンテナに極接近する位置にあっても、受信信号強度判定が成立となり、この通信状態が不正通信と判定されない。よって、通信マスタ及び電子キーが実行する通信の正当性を、より正しく判定することが可能となる。
前記電子キーシステムにおいて、前記通信マスタから後に送信された前記判定信号に基づく正当性の判定が成立しないとき、2者間の通信モードを、これまで実施していた通信よりも通信エリアが狭い近接場型無線通信モードに切り替え、近接場型通信によるID照合の成立結果を基に2者間の通信の正当性を判定させるモード切替部を備えることが好ましい。この構成によれば、通信マスタから後に送信される判定信号で受信信号強度判定が成立しないときには、近接場型無線通信によって通信を実行する。近接場型無線通信は電子キーが通信マスタのアンテナの近くにないと通信が確立しないので、電子キーが通信マスタの近傍に位置しているのであれば、いま確立している通信を正規通信として判定することが可能となる。一方、例えば中継器等を使用した不正通信は通信マスタから遠く離れた電子キーを中継器で通信マスタに通信させる行為であるから、近接場型無線通信が行われたとき、中継器を使用した不正通信であれば、2者が離れていることから通信が確立しない。よって、いま確立が試みられている通信が不正に成立させられずに済む。
前記電子キーシステムにおいて、前記判定信号は、信号強度が互いに異なる複数の電波から構築されていることが好ましい。この構成によれば、判定信号を構築する複数の電波に対し、これら電波の受信信号強度が規則に沿った変化をとるか否かを確認する。よって、判定信号による受信信号強度判定を、より正しく行うのに有利となる。
前記電子キーシステムにおいて、前記電子キーの受信アンテナは、電波の受信感度が高い高感度アンテナと、当該高感度アンテナよりも受信感度が低い低感度アンテナとを備え、前記強度切替部は、前記通信マスタから先に送信された前記判定信号に基づく正当性の判定が成立しないとき、前記電子キーの受信アンテナを、これまで有効とされていた前記高感度アンテナから前記低感度アンテナに切り替え、前記通信マスタから後に送信されてくる前記判定信号を当該低感度アンテナで受信させることが好ましい。この構成によれば、電子キーに高感度アンテナ及び低感度アンテナをそれぞれ別途設けておき、これらを選択的に有効とすることにより、電子キーの受信感度を切り替えるので、電子キーの受信感度の切り替えを実現するにあたって、これを簡素な構成で済ませることが可能となる。
前記電子キーシステムにおいて、前記通信モードが前記近接場型無線通信モードに切り替わったとき、前記通信マスタにおいて前記判定信号を送信するアンテナが、電波を送受信することが可能なアンテナに切り替わり、前記電子キーとの近接場型無線通信を実行することが可能になることが好ましい。この構成によれば、通信マスタの1つのアンテナを、複数の無線方式のアンテナとして共用することが可能となるので、設置が必要なアンテナ本数の削減、及びシステム構成の簡素化に寄与する。
本発明によれば、通信マスタ及び電子キーが実行する通信の正当性を、より正しく判定することができる。
一実施形態の電子キーシステムの構成図。 車体通信機が送信する電波の通信シーケンス図。 電子キーが通常エリアに位置するときの通信の作動図。 電子キーが第1エリアに位置するときの通信の作動図。 電子キーが第2エリアに位置するときの通信の作動図。 受信信号強度の距離に対する波形変化図。 中継器を使用した不正通信の作動図。
以下、電子キーシステムの一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、電子キー2と無線によりID照合を行う電子キーシステム3が搭載されている。電子キーシステム3は、例えば車両1からの通信を契機に狭域無線によりID照合を実行するキー操作フリーシステム4と、電子キー2のトランスポンダ5を通じて車両1とID照合を実行するイモビライザーシステム6とを備えることが好ましい。なお、以降は、キー操作フリーシステム4のID照合を「スマート照合」と記し、その通信を「スマート通信」と記す。また、イモビライザーシステム6のID照合を「イモビライザー照合」と記し、その通信を「イモビライザー通信」と記す。
キー操作フリーシステム4の通信は、車両1及び電子キー2がともに各々の電源が必要な双方向通信であることが好ましい。イモビライザーシステム6の通信は、例えば近接場型無線通信であることが好ましい。近接場型無線通信としては、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)やNFC(Near Field Communication)などがある。イモビライザーシステム6は、電子キー2が何らかの影響(電子キー2の電池切れやノイズ等)でスマート照合を実行できないときの備えとして車両1に備え付けてある。
車両1は、ID照合において電子キー2の正当性を確認する照合ECU(Electronic Control Unit)7と、車載電装品の電源を管理するボディECU8と、エンジン10を制御するエンジンECU9とを備える。これらECUは、車内の通信線11を通じて接続されている。通信線11は、例えばCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)であるとよい。照合ECU7のメモリ(図示略)には、車両1に登録された電子キー2のIDとして、キー操作フリーシステム4で使用するIDの電子キーIDと、イモビライザーシステム6で使用するIDであるトランスポンダIDとが書き込み保存されている。
車両1は、車外に狭域無線又は近接場型通信の電波を送受信する車外通信機12と、車内に狭域無線の電波を送信する車内送信機13と、狭域無線の電波を受信する車両受信機14と、近距離無線の電波を送受信する通信アンテナ15とを備える。車外通信機12及び車内送信機13は、例えばLF(Low Frequency)帯の電波を送受信可能であるとよい。車両受信機14は、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信可能であるとよい。車外通信機12、車内送信機13、車両受信機14及び通信アンテナ15は、照合ECU7に接続されて動作が管理される。車外通信機12は、例えば車両ドアの車外ドアハンドルに埋設される。通信アンテナ15は、車内の運転席等に設けられる。
車両1は、車内において車両電源を切り替えるときに操作するエンジンスイッチ17を備える。エンジンスイッチ17は、例えばプッシュ式モーメンタリスイッチであることが好ましい。照合ECU7は、エンジンスイッチ17から入力した操作信号を基に、車両1の電源状態を切り替える。車両電源は、例えばIGオフ、ACCオン、IGオン、エンジンスタートのいずれかに切り替えられる。ボディECU8は、車両ドアの施解錠を切り替えるメカ部位であるドアロック機構18の作動を制御する。
電子キー2は、電子キー2の動作を制御するキー制御部19と、狭域無線の電波を受信する受信アンテナ20と、狭域無線の電波を送信する送信アンテナ21と、近接場型無線通信の電波を送受信する通信アンテナ22とを備える。キー制御部19のメモリ(図示略)には、キー操作フリーシステム4で使用するIDとして電子キーIDが書き込み保存されている。トランスポンダ5には、イモビライザーシステム6で使用するIDとしてトランスポンダIDが書き込み保存されている。受信アンテナ20は、LF電波を受信可能であるとよい。送信アンテナ21は、例えば電子キー2の基板(図示略)に設けられたパターンアンテナからなる。送信アンテナ21は、UHF電波を送信可能であるとよい。
受信アンテナ20は、電波の受信感度が高い高感度アンテナ23と、高感度アンテナ23よりも受信感度が低い低感度アンテナ24とを備える。高感度アンテナ23及び低感度アンテナ24は、受信電波を増幅等するアナログフロントエンド25を介してキー制御部19に接続されている。高感度アンテナ23は、X軸方向の電波を受信するX軸アンテナ23aと、Y軸方向の電波を受信可能なY軸アンテナ23bと、Z軸方向の電波を受信可能なZ軸アンテナ23cとを備えた3軸アンテナからなる。低感度アンテナ24は、例えば1軸方向の電波のみ受信可能な1軸アンテナからなる。
電子キー2には、高感度アンテナ23及び低感度アンテナ24のどちらを選択的に有効とするのかを切り替える切替スイッチ26が設けられている。切替スイッチ26は、キー制御部19によって接続状態が管理される。キー制御部19は、通常、高感度アンテナ23を有効とし、必要に応じて切替スイッチ26の接続状態を切り替えることにより、高感度アンテナ23に代えて低感度アンテナ24を有効にする。
電子キーシステム3は、ID照合(一例はスマート照合)の通信課程において、電子キー2で受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を測定するのに用いられる判定信号Sjuを通信マスタ28(本例は照合ECU7:以下同様)から複数回に亘って送信する送信処理部29を備える。送信処理部29は、照合ECU7に設けられる。送信処理部29は、スマート通信実行時、判定信号Sjuをスマート通信の途中で2回送信するとよい。
電子キーシステム3は、通信マスタ28から送信された判定信号Sjuを電子キー2で受信したときの受信信号強度の正当性を確認する正当性判定部30を備える。正当性判定部30は、電子キー2のキー制御部19に設けられ、キー制御部19に設けられた受信信号強度測定部31で受信信号強度を測定する。正当性判定部30は、電子キー2で受信した判定信号Sjuの受信信号強度が、正規の変化をとるか否かを確認することにより、いま確立している2者間の通信の正当性を判定する。
電子キーシステム3は、通信マスタ28から先に送信された判定信号Sju(第1判定信号Sju−1)を受信したときの受信信号強度による受信信号強度判定が成立しなかったとき、電子キー2の受信アンテナ20の感度を低下させ、通信マスタ28から後に送信されてくる判定信号Sju(第2判定信号Sju−2)の受信に基づく正当性の判定を再度実施させる強度切替部32を備える。強度切替部32は、電子キー2のキー制御部19に設けられる。強度切替部32は、第1判定信号Sju−1による受信信号強度判定が成立しないとき、それまで有効とされていた高感度アンテナ23を低感度アンテナ24に切り替える。
電子キーシステム3は、電子キーシステム3のID照合における通信モードを切り替えることが可能なモード切替部33を備える。モード切替部33は、車両1(照合ECU7)に設けられたモード切替部33aと、電子キー2(キー制御部19)に設けられたモード切替部33bとを備える。モード切替部33は、通信マスタ28から先に送信された判定信号Sju(第2判定信号Sju−2)に基づく受信信号強度判定が成立しないとき、2者間の通信モードを、これまで実施していた通信よりも通信エリアが狭い近接場型無線通信モードに切り替え、近接場型無線通信によるID照合の成立結果を基に2者間の通信の正当性を判定させる。
次に、図2〜図7を用い、電子キーシステム3の動作を説明する。
[車両の電波送信動作]
図2に示すように、照合ECU7は、車外スマート通信において、待機状態の電子キー2を起動状態に切り替えるトリガとなるウェイク信号Swkを、車外通信機12から定期的に繰り返し送信する。電子キー2は、車両1に接近してウェイク信号Swkを受信すると、起動状態に切り替わり、アック信号SackをUHF電波により車両1に返信する。照合ECU7は、ウェイク信号Swkの送信後にアック信号Sackを車両受信機14で受信すると、スマート通信が確立することを認識し、具体的な各種照合の動作に移行する。
スマート通信が確立するとき、照合ECU7は、まずチャレンジ信号SchをLF電波によって送信する。チャレンジ信号Schは、送信の度にコードが毎回変わるチャレンジコード(ランダムデータ)が含まれる。
続いて、送信処理部29は、いま確立したスマート通信が正当か否かを確認するために、電子キー2において受信信号強度を測定するのに使用される判定信号Sjuを、車外通信機12からLF電波によって電子キー2に送信する。判定信号Sjuは、電子キー2で解読できる信号であればよく、データ内容は特に問わない。本例の場合、判定信号Sjuは、2回送信されることとし、先に送信されるものを第1判定信号Sju−1とし、後に送信されるものを第2判定信号Sju−2とする。第1判定信号Sju−1及び第2判定信号Sju−2は、電子キー2からの応答に関係なく、連続的に送信される。
判定信号Sjuの複数回送信後、照合ECU7のモード切替部33aは、車外通信機12の通信モードを、これまでのスマート通信モードから近接場型無線通信モード(イモビライザー通信モード)に切り替え、車外通信機12において近接場型無線通信の電波を送受可能にする。すなわち、車外通信機12のアンテナ12aが近接場型無線通信が可能な送受信アンテナに切り替わる。
[電子キーが通常エリアに位置するときのスマート通信動作]
図3に示すように、電子キー2がスマート通信の通常エリアE0内に位置する場合を検討する。通常エリアE0は、電子キー2が車外通信機12から十分に離れた位置でスマート通信が確立するエリアのことをいう。また、通常、電子キー2は、切替スイッチ26が高感度アンテナ23側に接続されていて、高感度アンテナ23が有効となっている。これにより、通常の電子キー2は、電波受信感度が高く設定されている。
電子キー2が通常エリアE0に位置する場合、車両1から1回目に送信される第1判定信号Sju−1は、正しい受信信号強度の変化をとりながら電子キー2で受信される。すなわち、正当性判定部30は、第1判定信号Sju−1の受信信号強度の変化の正当性を判定する受信信号強度判定において、この判定が成立することを確認する。電子キー2は、第1判定信号Sju−1の受信信号強度の変化が正しいことを確認することができると、レスポンス信号SreをUHF電波により車両1に送信する。レスポンス信号Sreには、車両1から受信したチャレンジコードを電子キー2の暗号鍵に通して演算されるレスポンスコードと、電子キー2に登録された電子キーIDと、受信信号強度判定の判定結果が書き込まれた判定結果通知Srsが含まれる。
なお、第1判定信号Sju−1の送信後、車外通信機12から自動的に、第2判定信号Sju−2と、近接場型無線通信に準じた電波が送信されてくる。しかし、電子キー2は、第1判定信号Sju−1の受信信号強度判定が成立することを理由に、これら信号を無視するように作動する。
照合ECU7は、電子キー2からレスポンス信号Sreを車両受信機14で受信すると、自身も同様に演算したレスポンスコードと、電子キー2が演算したレスポンスコードとを比較することにより、チャレンジレスポンス認証を実行する。また、照合ECU7は、電子キー2から受信した電子キーIDを自身のものと比較することにより、電子キーID照合を実行する。照合ECU7は、これら照合が成立することを確認すると、車外スマート照合を成立とし、車両ドアの施解錠を許可又は実行する。
[電子キーが第1エリアに位置するときのスマート通信動作]
図4に示すように、電子キー2が車外通信機12の直近ではあるがやや離れている第1エリアE1内に位置する場合を検討する。この場合、電子キー2は車外通信機12に近い位置にあるので、1回目に送信される第1判定信号Sju−1を受信したとき、その受信信号強度は飽和した状態となってしまう。正当性判定部30は、第1判定信号Sju−1の受信信号強度が飽和することを確認すると、切替スイッチ26を高感度アンテナ23側から低感度アンテナ24側に接続し、低感度アンテナ24を有効にする。これにより、電子キー2の電波受信感度が低く下げられる。
電子キー2は、低感度アンテナ24への切り替わり後、車外通信機12から2回目に送信される第2判定信号Sju−2を受信する。このとき、電子キー2の電波受信感度は低く切り替えられているので、正当性判定部30は、第2判定信号Sju−2を飽和させずに正常に受信し、第2判定信号Sju−2で受信信号強度判定が成立することを確認する。電子キー2は、第2判定信号Sju−2で受信信号強度判定が成立することを確認できると、前述と同様にチャレンジレスポンス認証及び電子キーID照合を実行する。照合ECU7は、これら照合が成立することを確認すると、車外スマート照合を成立とする。
なお、第2判定信号Sju−2の送信後、車外通信機12から自動的に、近接場型無線通信に準じた電波が送信されてくる。しかし、電子キー2は、第2判定信号Sju−2の受信信号強度判定が成立することを理由に、この電波を無視し、イモビライザー通信を実行しない。
[電子キーが第2エリアに位置するときのスマート通信動作]
図5に示すように、電子キー2が車外通信機12に接触に近いほどに直近する第2エリアE2(<E1)内に位置する場合を検討する。この場合、電子キー2は車外通信機12に極接近しているので、1回目に送信される第1判定信号Sju−1、及び2回目に送信される第2判定信号Sju−2の両方とも、受信信号強度が飽和した状態となってしまう。正当性判定部30は、第1判定信号Sju−1及び第2判定信号Sju−2の両方とも、受信信号強度が飽和することを確認すると、電子キー2の通信モードを切り替えるのに必要となる通信モード切替要求を、電子キー2のモード切替部33bに出力する。
モード切替部33bは、正当性判定部30からモード切替要求を入力すると、電子キー2の通信モードを、これまでのスマート通信モードからイモビライザー通信モードに切り替える。これにより、この後、車外通信機12からイモビライザー通信に準じた電波が送信されてくるが、これを電子キー2において受信することができ、車両1及び電子キー2の間でイモビライザー照合が実行される。照合ECU7は、イモビライザー照合が成立することを確認すると、車両ドアの施解錠を許可又は実行する。
図6に示すように、高感度アンテナ23は、第1エリアE1で受信信号強度が飽和してしまうことが分かる。一方、低感度アンテナ24は、第2エリアE2では受信信号強度が飽和してしまうものの、第1エリアE1では受信信号強度のリニアリティが確保されている。本例は、この状況を踏まえ、電子キー2が第1エリアE1に位置するときには、電子キー2の受信アンテナ20を低感度アンテナ24に切り替え、受信信号強度判定を正常に実施させるようにする。
[中継器を用いた不正通信動作]
図7に示すように、悪意のある第三者等により、車両1から遠く離れた場所に電子キー2が位置するにもかかわらず、これら2者の通信を中継器36によって確立させてしまう行為について検討する。一般的に中継器36は、電波を中継することができても、電波の強度までコピーして出力する機能がない。このため、中継器36を使用した不正通信では、車外通信機12から送信された第1判定信号Sju−1及び第2判定信号Sju−2を電子キー2で受信したときには、両方とも受信信号強度が飽和する。
このとき、電子キー2は、第1判定信号Sju−1及び第2判定信号Sju−2の両方で受信信号強度判定が不成立となることを認識するので、イモビライザー通信を試みようとする。しかし、中継器36を使用した通信環境下では、車両1及び電子キー2は大きく離れた位置にあるので、イモビライザー照合は成立しない。よって、照合ECU7は、イモビライザー照合が不成立となることを認識するので、車両ドアの施解錠を許可しない。すなわち、第三者等により中継器36で不正通信が試みられても、車両ドアが施解錠されないのである。
なお、電子キー2が車内に進入したときには、車外通信機12に代えて、今度は車内送信機13からウェイク信号Swkが送信されて、車外と同様の車内スマート通信が実行される。車内スマート照合が成立すると、エンジンスイッチ17を用いた電源遷移操作(エンジン始動操作)が許可される。また、電子キー2が電池切れになっているときには、電子キー2を車内の通信アンテナ15に近づけてイモビライザー照合を成立させれば、この操作によっても、エンジンスイッチ17を用いた電源遷移操作が許可される。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)車両1(照合ECU7)から判定信号Sjuを複数送信させ、先に送信された第1判定信号Sju−1が飽和するなどして受信信号強度判定が成立しないときには、電子キー2の受信感度を落とし、車両1から後に送信される第2判定信号Sju−2を、所望の値をとるように電子キー2に受信させる。このため、電子キー2が車外通信機12に極接近する位置にあっても、受信信号強度判定が成立となり、この通信状態が不正通信と判定されない。よって、車両1及び電子キー2が実行するID照合の通信の正当性を、より正しく判定することができる。
(2)スマート通信のエリア全域で、中継器36を使用した無線通信か否かを、より正しく判定することができる。
(3)ユーザは、無線方式の切り替えを意識せずに、車両ドアを施解錠することができる。
(4)第2判定信号Sju−2による受信信号強度判定が成立しないとき、車両1及び電子キー2の通信モードを、これまで実施していたスマート通信よりも通信エリアが狭い近接場型無線通信モード(イモビライザー通信モード)に切り替える。そして、近接場型無線通信モードによるID照合の成立結果を基に、いま確立が試みられている通信の正当性が判定される。近接場型無線通信は電子キー2が車外通信機12の近くにないと通信が確立しないので、電子キー2が車外通信機12の近傍に位置しているのであれば、いま確立している通信を正規通信として判定することができる。一方、中継器36等を使用した不正通信は車外通信機12から遠く離れた電子キー2を中継器36で車外通信機12に通信させる行為であるから、近接場型無線通信が行われたとき、中継器36を使用した不正通信でれば、2者が離れていることから通信が成立しない。よって、いま確立が試みられている通信が不正に成立させられずに済む。
(5)判定信号Sjuは、信号強度が互いに異なる複数の電波から構築されている。このため、受信信号強度判定にあたっては、判定信号Sjuを構築する複数の電波に対し、これら電波が規則に則った変化をとるのか否かが確認される。よって、判定信号Sjuによる受信信号強度判定を、より正しく行うのに有利となる。
(6)電子キー2に高感度アンテナ23及び低感度アンテナ24をそれぞれ別途設けておき、これら選択的に有効とすることにより、電子キー2の受信感度を切り替える。よって、電子キー2の受信感度の切り替えを実現するにあたって、これを簡素な構成で済ませることができる。
(7)2者間の通信モードがスマート通信モードからイモビライザー通信モードに移行したとき、車外通信機12は送受信アンテナに切り替わる。よって、車外通信機12のアンテナを複数の無線方式で共用することが可能となるので、設置が必要なアンテナ本数の削減、及びシステム構成の簡素化に寄与する。
(8)低感度アンテナ24は、例えばパターンアンテナ等の低コストな構成で実現することができる。
なお、実施形態はこれまでの構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・第2判定信号Sju−2は、第1判定信号Sju−1の送信に続いて、自動で連続送信されることに限定されない。第2判定信号Sju−2は、例えば電子キー2から通信開始要求を受信した後、電子キー2に送信されてもよい。なお、これは、第2判定信号Sju−2による受信信号強度判定が不成立のときに実行される近接場型無線通信でも同様である。
・電子キー2の受信感度は、例えばアンテナの共振回路のインピーダンス等を変更することによって変更することも可能である。
・スマート照合には、例えば車両1に登録された車両コードの正当性を確認する車両コード照合や、車両1に対して何番目に登録された電子キー2なのかを確認するキー番号確認などが含まれてもよい。
・ID照合は、実施形態で述べたチャレンジレスポンス認証や電子キーID照合に限らず、他の照合や認証に変更してもよい。
・判定信号Sjuは、チャレンジ信号Schの後に送信されることに限らず、例えばID照合を実行した後に送信されてもよい。すなわち、判定信号Sjuの送信タイミングは、適宜変更することができる。
・判定信号Sjuの送信回数は、2回に限定されず、3回以上としてもよい。
・判定信号Sjuは、複数の電波が、強度が順に低くなっていく並びをとることに限らず、例えば強度が順に大きくなる並びをとってもよい。
・判定信号Sjuは、強度が異なる複数の電波から構築されることに限らず、1つの電波から構築されてもよい。この場合、例えば受信信号強度が所定範囲内に収まるか否かで通信の正当性を判定するとよい。
・スマート通信や近接場型無線通信で用いる電波の周波数は、種々の周波数に変更することができる。
・電子キーシステム3のベースとなる無線方式は、スマート通信に限らず、他の方式に適宜変更できる。
・車外でイモビライザー通信を実行可能とするために、専用のアンテナを車両ドア(車外ドアハンドル)などに設けてもよい。
・近接場型無線通信は、RFIDやNFCに限らず、他の方式の通信に変更可能である。
・通信マスタ28は、照合ECU7に限らず、他の装置、機器、IC等に変更可能である。
・第2判定信号Sju−2で受信信号強度判定が成立しなかったとき、その時点で通信を強制終了するようにしてよい。すなわち、第2判定信号Sju−2による受信信号強度判定が不成立のとき、その後、近接場型無線通信によるID照合を必ずしも実施する必要はなく、これを省略してもよい。
・本例の不正通信か否かの判定は、車外スマート通信に適用されることに限らず、車内スマート通信に適用してもよい。
・車外通信機12は、運転席ドアに設けられることに限らず、助手席ドアやバックドアに設けられてもよい。
・電子キーシステム3で制御される機器は、車両ドアの施解錠に限らず、例えばエンジン始動、グローブボックスの開閉操作、カーナビゲーションシステムの操作など、他に変更することができる。
・電子キーシステム3は、車両1に搭載されることに限らず、他の装置やシステムに適用することも可能である。
1…車両、2…電子キー、3…電子キーシステム、7…通信マスタの一例である照合ECU、12a…通信マスタのアンテナ、20…受信アンテナ、23…高感度アンテナ、24…低感度アンテナ、28…通信マスタ、29…送信処理部、30…正当性判定部、32…強度切替部、33(33a,33b)…モード切替部、Sju…判定信号、Sju−1…第1判定信号、Sju−2…第2判定信号。

Claims (5)

  1. 通信マスタ及び電子キーの間で双方向の無線通信によるID照合を行い、当該ID照合の照合結果を基に前記通信マスタの機器を制御する電子キーシステムにおいて、
    前記通信マスタに設けられ、前記ID照合の通信過程において、前記電子キーで受信信号強度を測定するのに用いられる判定信号を複数回に亘って送信可能な送信処理部と、
    前記電子キーに設けられ、前記通信マスタの前記判定信号を当該電子キーで受信したときの受信信号強度を測定し、当該受信信号強度を基に、いま確立している2者間の通信の正当性を判定する正当性判定部と、
    前記電子キーに設けられ、前記通信マスタから先に送信された判定信号を受信したときの受信信号強度による受信信号強度判定が成立しなかったとき、当該電子キーの受信アンテナの感度を低下させ、前記通信マスタから後に送信されてくる判定信号の受信に基づく前記正当性の判定を再度実施させる強度切替部と
    を備えたことを特徴とする電子キーシステム。
  2. 前記通信マスタから後に送信された前記判定信号に基づく正当性の判定が成立しないとき、2者間の通信モードを、これまで実施していた通信よりも通信エリアが狭い近接場型無線通信モードに切り替え、近接場型通信によるID照合の成立結果を基に2者間の通信の正当性を判定させるモード切替部を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子キーシステム。
  3. 前記判定信号は、信号強度が互いに異なる複数の電波から構築されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子キーシステム。
  4. 前記電子キーの受信アンテナは、電波の受信感度が高い高感度アンテナと、当該高感度アンテナよりも受信感度が低い低感度アンテナとを備え、
    前記強度切替部は、前記通信マスタから先に送信された前記判定信号に基づく正当性の判定が成立しないとき、前記電子キーの受信アンテナを、これまで有効とされていた前記高感度アンテナから前記低感度アンテナに切り替え、前記通信マスタから後に送信されてくる前記判定信号を当該低感度アンテナで受信させる
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の電子キーシステム。
  5. 前記通信モードが前記近接場型無線通信モードに切り替わったとき、前記通信マスタにおいて前記判定信号を送信するアンテナが、電波を送受信することが可能なアンテナに切り替わり、前記電子キーとの近接場型無線通信を実行することが可能になる
    ことを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか一項に記載の電子キーシステム。
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