JP2016056313A - 活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤および表面被覆成形体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤および表面被覆成形体 Download PDF

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星哉 清水
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活栄 高橋
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一彦 前川
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大嗣 井田
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Abstract

【課題】硬化速度が高く、メタクリル系樹脂および無機物との蒸着に好適な活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を提供する。また、メタクリル系樹脂成形体の表面に無機層を備える密着性が高い表面被覆成形体を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示される部分構造(1)を含む活性エネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)と、活性エネルギー線硬化性基を有さない(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)からなる(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤、およびメタクリル系樹脂成形体の表面に該活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を硬化させてなるアンダーコート層を備え、該アンダーコート層の表面に無機層を備える表面被覆成形体。
Figure 2016056313

(式中、R1は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、メタクリル系樹脂と無機物との蒸着に有用な活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤、およびメタクリル系樹脂からなる成形体の表面に活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を硬化してなるアンダーコート層を備え、該アンダーコート層上に無機物からなる無機層を有する表面被覆成形体に関する。
意匠性を付与する等の目的から、近年、樹脂製の成形体の表面に無機物を被覆した表面被覆成形体が開発されている。かかる無機物の被覆方法としては蒸着法が知られており、樹脂製の成形体の表面に無機物を蒸着する場合には、成形体と無機物との密着性を高める目的で、通常、これらの間にアンダーコート層を設ける。アンダーコート層は、ポリウレタン、メラミン、エポキシなどの活性エネルギー線硬化性樹脂を含有するアンダーコート剤を成形体に塗工し、次いで紫外線等の活性エネルギー線を照射して形成させることが開示されている(特許文献1参照)。
一方、メタクリル系樹脂からなる成形体(メタクリル系樹脂成形体)は外観、強度、耐候性などに優れ、電化製品、建築資材、車両資材などに用いられる。メタクリル系樹脂成形体に金属調の意匠性を付与する方法として、メタクリル系樹脂中にアクリル系架橋粒子を含有する金属蒸着用艶消しアクリル系樹脂フィルムが開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、このようにフィルム全体、すなわち成形体全体にアクリル系架橋粒子を分散させる方法は、成形体表面の密着性を高める目的においては経済的に合理的でないばかりか、成形体の耐歪白化性、透明性などの物性に悪影響を与える可能性も懸念される(特許文献3参照)。また、メタクリル系樹脂成形体と無機物との蒸着において、従来のアンダーコート剤を用いてアンダーコート層を形成した場合、メタクリル系樹脂成形体とアンダーコート層との密着性が十分ではなく、該成形体とアンダーコート層との界面で剥離が起こる場合があった。
特開2002−285083号公報 特開2012−057068号公報 特開平8−225706号公報
本発明の目的は、メタクリル系樹脂成形体と無機物とを蒸着する場合に好適で、活性エネルギー線の照射によって速やかに硬化する活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を提供することにある。また、本発明の別の目的は、本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を硬化してなるアンダーコート層をメタクリル系樹脂成形体の表面に備え、かかるアンダーコート層上に無機物からなる無機層を備える、密着性に優れる表面被覆成形体を提供することにある。
本発明によれば、上記目的は、
[1]下記一般式(1)で示される部分構造(以下「部分構造(1)」と称する)を含む活性エネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)(以下単に「(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)」と称する)と、活性エネルギー線硬化性基を有さない(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)(以下単に「(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)」と称する)からなる(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)(以下単に「(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)」と称する)を含有する活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤;
[2]前記活性エネルギー線硬化性基が下記一般式(2)で示される、上記[1]の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤;
[3]反応性希釈剤をさらに含有する上記[1]または[2]の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤;
[4]前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)と前記反応性希釈剤との合計量100質量部に対して、前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を20〜80質量部含有する上記[3]の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤;
[5] 前記反応性希釈剤が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である上記[3]または[4]の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤;および
[6]メタクリル系樹脂成形体の表面に、上記[1]〜[5]いずれかの活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を硬化してなるアンダーコート層を備え、かかるアンダーコート層上に無機物からなる無機層を備える表面被覆成形体;
を提供することにより達成される。
Figure 2016056313
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す)
Figure 2016056313
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、XはO、S、またはN(R6)(R6は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す)を表し、nは1〜20の整数を表す)
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤は、活性エネルギー線の照射によって速やかに硬化し、アンダーコート層を形成する。メタクリル系樹脂成形体の表面にかかるアンダーコート層を備え、該アンダーコート層上に無機物からなる無機層を備える、本発明の表面被覆成形体は密着性に優れる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を含有する。なお、本明細書中において「(メタ)アクリル」とは「メタクリル」と「アクリル」との総称を意味し、後述する「(メタ)アクリロイル」は「メタクリロイル」と「アクリロイル」との総称を意味し、後述する「(メタ)アクリレート」は「メタクリレート」と「アクリレート」との総称を意味する。
活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤中の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の含有量は、10〜80質量%の範囲であることが好ましく、15〜70質量%の範囲であることがより好ましい。また、活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤が含有する主剤((メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)および任意成分である後述する反応性希釈剤)100質量部中の(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の含有量は、10〜90質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は、部分構造(1)を含む活性エネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を有する。
部分構造(1)を含む活性エネルギー線硬化性基は、活性エネルギー線の照射によって重合性を示す。この結果、本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤は硬化して硬化物(アンダーコート層)となる。なお、本明細書において活性エネルギー線とは、光線、電磁波、粒子線およびこれらの組み合わせを意味する。光線としては遠紫外線、紫外線(UV)、近紫外線、可視光線、赤外線などが挙げられ、電磁波としてはX線、γ線などが挙げられ、粒子線としては電子線(EB)、プロトン線(α線)、中性子線などが挙げられる。硬化速度、照射装置の入手性、価格等の観点から、これら活性エネルギー線の中でも紫外線、電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
部分構造(1)は、下記一般式(1)で示される。
Figure 2016056313
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す)
上記一般式(1)中、R1が表す炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、n−デシル等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基が挙げられる。中でも硬化速度の観点から、メチル基およびエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤の硬化速度および塗工性を高める観点から、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)中の(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)が有する部分構造(1)を含む活性エネルギー線硬化性基は、下記一般式(2)で示されることが好ましい。なお、一般式(2)で示される活性エネルギー線硬化性基を、以下、「活性エネルギー線硬化性基(2)」と称する。
Figure 2016056313
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、XはO、S、またはN(R6)(R6は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す)を表し、nは1〜20の整数を表す)
一般式(2)中、R1が表す炭素数1〜20の炭化水素基の具体例および好適例としては、上記一般式(1)のR1と同様の炭化水素基が挙げられる。
上記一般式(2)中、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、後述するジ(メタ)アクリレート(3)を含有する単量体を用いて、容易に直接導入できる観点から、炭素数1〜6の炭化水素基が好ましい。かかる炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基が挙げられる。中でも、硬化速度などの観点から、R2およびR3はメチル基およびエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
上記一般式(2)中、XはO、SまたはN(R6)(R6は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す)を表し、重合制御のしやすさからOであるのが好ましい。XがN(R6)である場合、R6が表す炭素数1〜6の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基などが挙げられる。
上記一般式(2)中、nが表す1〜20の整数は、活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤の流動性と硬化速度の観点から2〜5であることが好ましい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する全単量体単位に対する部分構造(1)の含有量は0.2〜100モル%の範囲が好ましく、10〜90モル%の範囲がより好ましく、25〜80モル%の範囲がさらに好ましい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)は(メタ)アクリル酸エステルを含有する単量体を重合することにより形成される単量体単位を含む。かかる(メタ)アクリル酸エステルとしては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステルおよび2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルを使用することができる。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−(トリメチルシリルオキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、γ−((メタ)アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどが挙げられる。中でも、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等の炭素数5以下のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルが最も好ましい。
また、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる多官能(メタ)アクリル酸エステルとして、下記一般式(3)で示される2官能(メタ)アクリル酸エステル(以下、「ジ(メタ)アクリレート(3)」と称する)を用いると、後述する条件下でリビングアニオン重合することで、一方の(メタ)アクリロイルオキシ基(下記一般式(3)中「CH2=C(R5)C(O)O」で示される(メタ)アクリロイルオキシ基)が選択的に重合して、R1がR4であり、R2がR2'であり、R3がR3'であり、XがOである活性エネルギー線硬化性基(2)を有する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)が得られる。
Figure 2016056313
(式中、R2'およびR3'はそれぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基を表し、R4およびR5はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、nは1〜20の整数を表す)
一般式(3)中、R2'およびR3'が表す炭素数1〜6の炭化水素基の例としては上記一般式(2)のR2およびR3と同様の炭化水素基が挙げられる。
重合の選択性を高める観点から、R4はメチル基であることが好ましい。また、ジ(メタ)アクリレート(3)の生産性の観点から、R4およびR5は同じであることが好ましい。以上の観点から、R4およびR5は共にメチル基であることが最も好ましい。
ジ(メタ)アクリレート(3)の具体例としては、例えば1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルブタン−1,4−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルペンタン−1,5−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルヘキサン−1,6−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルプロパン−1,3−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルブタン−1,4−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルペンタン−1,5−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルヘキサン−1,6−ジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルブタン−1,4−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルペンタン−1,5−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルヘキサン−1,6−ジオールジメタクリレート、1,1−ジエチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート、1,1−ジエチルブタン−1,4−ジオールジメタクリレート、1,1−ジエチルペンタン−1,5−ジオールジメタクリレート、および1,1−ジエチルヘキサン−1,6−ジオールジメタクリレートが好ましく、1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルブタン−1,4−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルペンタン−1,5−ジオールジメタクリレート、および1,1−ジメチルヘキサン−1,6−ジオールジメタクリレートがより好ましい。
これら(メタ)アクリル酸エステルは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)中の(メタ)アクリル酸エステルから形成される単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する全単量体単位に対して90〜100モル%の範囲が好ましく、95〜100モル%の範囲がより好ましく、100モル%であってもよい。また、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)にジ(メタ)アクリレート(3)から形成される単量体単位が含まれる場合には、ジ(メタ)アクリレート(3)から形成される単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する全単量体単位に対して0.2〜100モル%の範囲が好ましく、10〜90モル%の範囲がより好ましく、25〜80モル%の範囲がさらに好ましい。さらに、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)にメタクリル酸メチルから形成される単量体単位とジ(メタ)アクリレート(3)から形成される単量体単位が含まれる場合には、メタクリル酸メチルから形成される単量体単位の含有量とジ(メタ)アクリレート(3)から形成される単量体単位の含有量の合計は、(メタ)アクリル酸エステルから形成される全単量体単位に対して80〜100モル%の範囲が好ましく、90〜100モル%の範囲がより好ましく、95〜100モル%の範囲がさらに好ましく、100モル%であってもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)は、上記(メタ)アクリル酸エステル以外の他の単量体から形成される単量体単位を有していてもよい。該他の単量体としては、例えばα−メトキシアクリル酸メチル、α−エトキシアクリル酸メチルなどのα−アルコキシアクリル酸エステル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチルなどのクロトン酸エステル;3−メトキシアクリル酸エステルなどの3−アルコキシアクリル酸エステル;N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド;2−フェニルアクリル酸メチル、2−フェニルアクリル酸エチル、2−ブロモアクリル酸n−ブチル、2−ブロモメチルアクリル酸メチル、2−ブロモメチルアクリル酸エチル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、エチルイソプロペニルケトンなどが挙げられる。これら他の単量体は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)中の上記他の単量体から形成される単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する全単量体単位に対して合計で10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)1個あたりの数平均分子量(Mn)は特に制限されないが、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の取り扱い性および流動性を高める観点から、500〜1,000,000の範囲が好ましく、1,000〜300,000の範囲がより好ましい。なお、本明細書中において、Mnおよび後述する分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定された標準ポリスチレン換算の値を意味する。
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は、(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)を有する。(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)は、(メタ)アクリル酸エステルを含有する単量体を重合することにより形成される単量体単位からなり、かつ活性エネルギー線硬化性基を有さない重合体ブロックである。
なお本明細書において、活性エネルギー線硬化性基とは、活性エネルギー線の照射により重合性を示す官能基を意味し、例えば(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、ビニルオキシ基、1,3−ジエニル基、スチリル基等のエチレン性二重結合(特に一般式CH2=CR−(式中、Rはアルキル基または水素原子)で示されるエチレン性二重結合)を有する官能基;エポキシ基、オキセタニル基、チオール基、マレイミド基等が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)を形成できる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−(トリメチルシリルオキシ)プロピルなどのモノ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。中でも、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル等の炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシルなどの炭素数6以上のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。これら(メタ)アクリル酸エステルは1種のみを用いても、2種以上を用いてもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)中の(メタ)アクリル酸エステルにより形成される単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)を形成する全単量体単位に対して90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)は、(メタ)アクリル酸エステル以外の他の単量体から形成される単量体単位を有していてもよい。該他の単量体としては、例えばα−メトキシアクリル酸メチル、α−エトキシアクリル酸メチル等のα−アルコキシアクリル酸エステル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸エステル;3−メトキシアクリル酸エステル等の3−アルコキシアクリル酸エステル;N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、エチルイソプロペニルケトンなどが挙げられる。これら他の単量体は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)中の上記他の単量体により形成される単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)を形成する全単量体単位に対して10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)のMnは特に制限されないが、得られる(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の取り扱い性、流動性、力学特性等の観点から、3,000〜2,000,000の範囲が好ましく、5,000〜1,000,000の範囲がより好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は、少なくとも1個の(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)と少なくとも1個の(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)が互いに結合したブロック共重合体であり、各重合体ブロックの数および結合順序に特に制限はないが、活性エネルギー線硬化性の観点から(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)が(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の少なくとも1つの末端を形成することが好ましく、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の製造容易性の観点から、直鎖状の重合体であることがより好ましく、1つの(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)と1つの(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)が結合したジブロック共重合体および1つの(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)の両端に(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)各1つがそれぞれ結合したトリブロック共重合体がさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を構成する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)の質量と(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)の質量との比率[(メタ)アクリル系重合体ブロック(a):(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)]に特に制限はないが、90:10〜5:95であることが好ましく、80:20〜7:93であることがより好ましく、75:25〜10:90であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)と(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)との合計質量に対する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)の質量の割合が5%以上であると、硬化速度が速くなり、90%以下であると本発明の表面被覆成形体における密着性が高くなるので好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)において、メタクリル酸エステルから形成される単量体単位の含有量は、5〜85質量%であることが好ましく、7〜80質量%であることがより好ましく、10〜75質量%であることがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)において、アクリル酸エステルから形成される単量体単位の含有量は、15〜95質量%であることが好ましく、20〜93質量%であることがより好ましく、25〜90質量%であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)のMnは特に制限されないが、取り扱い性、流動性、力学特性等の観点から、4,000〜3,000,000の範囲が好ましく、7,000〜2,000,000の範囲がより好ましく、10,000〜1,000,000の範囲がさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の分子量分布、すなわち重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は1.02〜2.00の範囲が好ましく、1.05〜1.80の範囲がより好ましく、1.10〜1.50の範囲がさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)における部分構造(1)の含有量は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を形成する全単量体単位に対して0.1〜20モル%の範囲であることが好ましく、2〜15モル%の範囲であることがより好ましく、3〜10モル%の範囲がさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)に含まれる部分構造(1)の数は、硬化速度の観点から、重合体1分子あたり3個以上であることが好ましく、4個以上であることがより好ましく、8個以上であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)および(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)を所望の順序で形成することで得られる。本発明におけるブロック共重合体(A)の製造方法は特に限定されないが、アニオン重合法またはラジカル重合法が好ましく、重合制御の観点からリビングアニオン重合法またはリビングラジカル重合法がより好ましく、リビングアニオン重合法がさらに好ましい。(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の製造に使用する単量体は、重合を円滑に進行させる観点から、不活性ガス雰囲気下であらかじめ乾燥処理しておくことが好ましい。乾燥処理にあたっては、水素化カルシウム、モレキュラーシーブス、活性アルミナ等の脱水剤または乾燥剤が好ましく用いられる。
リビングラジカル重合法としては、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いる重合法、コバルトポルフィリン錯体を用いる重合法、ニトロキシドを用いる重合法(国際公開第2004/014926号参照)、有機テルル化合物などの高周期ヘテロ元素化合物を用いる重合法(特許第3839829号公報参照)、可逆的付加脱離連鎖移動重合法(RAFT)(特許第3639859号公報参照)、原子移動ラジカル重合法(ATRP)(特許第3040172号公報、国際公開第2004/013192号参照)などが挙げられる。これらリビングラジカル重合法の中でも、原子移動ラジカル重合法が好ましく、有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、Fe、Ru、Ni、Cuから選ばれる少なくとも1種類を中心金属とする金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法がより好ましい。
リビングアニオン重合法としては、有機希土類金属錯体を重合開始剤としてリビング重合する方法(特開平06−93060号公報参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などの鉱酸塩の存在下でリビングアニオン重合する方法(特表平05−507737号公報参照)、有機アルミニウム化合物の存在下で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法(特開平11−335432号公報、国際公開2013/141105号参照)などが挙げられる。これらリビングアニオン重合法の中でも、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を直接、効率よく形成できる点からは、有機アルミニウム化合物の存在下で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法が好ましく、有機アルミニウム化合物およびルイス塩基の存在下で、有機リチウム化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法がより好ましい。
上記有機リチウム化合物としては、例えばt−ブチルリチウム、1,1−ジメチルプロピルリチウム、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、エチルα−リチオイソブチレート、ブチルα−リチオイソブチレート、メチルα−リチオイソブチレート、イソプロピルリチウム、sec−ブチルリチウム、1−メチルブチルリチウム、2−エチルプロピルリチウム、1−メチルペンチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、α−メチルベンジルリチウム、メチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム等が挙げられる。中でも、入手容易性およびアニオン重合開始能の観点から、イソプロピルリチウム、sec−ブチルリチウム、1−メチルブチルリチウム、1−メチルペンチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、α−メチルベンジルリチウム等の二級炭素原子を陰イオン中心とする化学構造を有する炭素数3〜40の有機リチウム化合物が好ましく、sec−ブチルリチウムが特に好ましい。これら有機リチウム化合物は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
有機リチウム化合物の使用量は、目的とする(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)のMnに応じて、用いる単量体の使用量との比率によって決定できる。
上記有機アルミニウム化合物としては、下記一般式(A−1)または(A−2)で示される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
AlR7(R8)(R9) (A−1)
(式中、R7は一価の飽和炭化水素基、一価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表し、R8およびR9はそれぞれ独立してアリールオキシ基を表すか、あるいはR8およびR9は互いに結合してアリーレンジオキシ基を形成している)
AlR10(R11)(R12) (A−2)
(式中、R10はアリールオキシ基を表し、R11およびR12はそれぞれ独立して一価の飽和炭化水素基、一価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表す)
上記一般式(A−1)および(A−2)中、R7、R8、R9およびR10がそれぞれ独立して表すアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノキシ基、2,6−ジフェニルフェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、7−メトキシ−2−ナフトキシ基等が挙げられる。
上記一般式(A−1)中、R8とR9が互いに結合して形成されるアリーレンジオキシ基としては、例えば2,2’−ビフェノール、2,2’−メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフトール、(S)−(−)−1,1’−ビ−2−ナフトール等の2個のフェノール性水酸基を有する化合物中の該2個のフェノール性水酸基の水素原子を除いた官能基が挙げられる。
なお、上記のアリールオキシ基およびアリーレンジオキシ基において含まれる1個以上の水素原子が、置換基により置換されていてもよく、該置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
上記一般式(A−1)および(A−2)中、R7、R11およびR12がそれぞれ独立して表す一価の飽和炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられ、一価の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられ、N,N−二置換アミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ビス(トリメチルシリル)アミノ基等が挙げられる。上述した一価の飽和炭化水素基、一価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基およびN,N−二置換アミノ基において含まれる1個以上の水素原子が、置換基により置換されていてもよく、該置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
上記有機アルミニウム化合物(A−1)としては、例えばエチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、n−オクチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、n−オクチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、n−オクチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、メトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、t−ブトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、t−ブトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、t−ブトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、トリス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等が挙げられる。中でも、重合開始効率、重合末端アニオンのリビング性、入手および取り扱いの容易さ等の観点から、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム等が好ましい。
上記有機アルミニウム化合物(A−2)としては、例えばジエチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジn−オクチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジn−オクチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム等が挙げられる。これら有機アルミニウム化合物は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
有機アルミニウム化合物の使用量は、溶媒の種類、その他種々の重合条件等に応じて適宜好適な量を選択できるが、重合速度の観点から有機リチウム化合物1モルに対して通常、1.0〜10.0モルの範囲で用いることが好ましく、1.1〜5.0モルの範囲で用いることがより好ましく、1.2〜4.0モルの範囲で用いることがさらに好ましい。有機アルミニウム化合物の使用量が有機リチウム化合物1モルに対して10.0モルを超えると、経済性において不利となる傾向となり、1.0モルを下回ると、重合開始効率が低下する傾向となる。
上記ルイス塩基としては、分子内にエーテル結合および/または三級アミン構造を有する化合物が挙げられる。
上記ルイス塩基として用いられる、分子内にエーテル結合を有する化合物としてはエーテルが挙げられる。上記エーテルとしては、重合開始効率の高さ、重合末端アニオンのリビング性の観点から、2個以上のエーテル結合を分子内に有する環状エーテルまたは1個以上のエーテル結合を分子内に有する非環状エーテルが好ましい。2個以上のエーテル結合を分子内に有する環状エーテルとしては、例えば12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6等のクラウンエーテルが挙げられる。1個以上のエーテル結合を分子中に有する非環状エーテルとしては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール等の非環状モノエーテル;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジイソプロポキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジメトキシプロパン、1,2−ジエトキシプロパン、1,2−ジイソプロポキシプロパン、1,2−ジブトキシプロパン、1,2−ジフェノキシプロパン、1,3−ジメトキシプロパン、1,3−ジエトキシプロパン、1,3−ジイソプロポキシプロパン、1,3−ジブトキシプロパン、1,3−ジフェノキシプロパン、1,4−ジメトキシブタン、1,4−ジエトキシブタン、1,4−ジイソプロポキシブタン、1,4−ジブトキシブタン、1,4−ジフェノキシブタン等の非環状ジエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジブチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリブチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリブチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラブチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラブチレングリコールジエチルエーテル等の非環状ポリエーテルが挙げられる。中でも、副反応の抑制、入手容易性等の観点から、1〜2個のエーテル結合を分子内に有する非環状エーテルが好ましく、ジエチルエーテルまたは1,2−ジメトキシエタンがより好ましい。
上記ルイス塩基として用いられる、分子内に三級アミン構造を有する化合物としては、三級ポリアミンが挙げられる。三級ポリアミンとは、三級アミン構造を分子中に2個以上有する化合物を意味する。該三級ポリアミンとしては、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン等の鎖状ポリアミン;1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,4,7,10,13,16−ヘキサメチル−1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン等の非芳香族性複素環式化合物;2,2’−ビピリジル、2,2’:6’,2”−ターピリジン等の芳香族性複素環式化合物等が挙げられる。
また、分子内に1個以上のエーテル結合と1個以上の三級アミン構造を有する化合物をルイス塩基として使用してもよい。このような化合物としては、例えばトリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン等が挙げられる。
これらルイス塩基は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ルイス塩基の使用量は、重合開始効率、重合末端アニオンの安定性等の観点から、有機リチウム化合物1モルに対して0.3〜5.0モルの範囲であることが好ましく、0.5〜3.0モルの範囲であることがより好ましく、1.0〜2.0モルの範囲であることがさらに好ましい。ルイス塩基の使用量が有機リチウム化合物1モルに対して、5.0モルを超えると経済性において不利となる傾向となり、0.3モルを下回ると重合開始効率が低下する傾向となる。
また、ルイス塩基の使用量は、有機アルミニウム化合物1モルに対して、0.2〜1.2モルの範囲であることが好ましく、0.3〜1.0モルの範囲であることがより好ましい。
上記リビングアニオン重合は、温度制御および系内を均一化して重合を円滑に進行させる観点から、有機溶媒の存在下に行うことが好ましい。有機溶媒としては、安全性、重合後の反応液の水洗における水との分離性、回収・再使用の容易性等の観点から、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;フタル酸ジメチル等のエステル等が好ましい。これら有機溶媒は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。なお、有機溶媒は、重合を円滑に進行させる観点から、乾燥処理を施すとともに、不活性ガス存在下であらかじめ脱気しておくことが好ましい。
また、上記リビングアニオン重合では、必要に応じ、反応系に他の添加剤を存在させてもよい。該他の添加剤としては、例えば塩化リチウム等の無機塩類;リチウムメトキシエトキシエトキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド;テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルホスホニウムブロミド等が挙げられる。
上記リビングアニオン重合は−30〜25℃で行うのが好ましい。−30℃よりも低いと重合速度が低下し、生産性が低下する傾向がある。一方、25℃より高いと、上記一般式(1)で示される部分構造を含む(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)の重合をリビング性よく行うことが困難となる傾向となる。
上記リビングアニオン重合は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。また、反応系が均一になるように十分な攪拌条件下にて行うことが好ましい。また、使用する単量体は、リビングアニオン重合を円滑に進行させる観点から、不活性ガス雰囲気下であらかじめ乾燥処理しておくことが好ましい。乾燥処理にあたっては、水素化カルシウム、モレキュラーシーブス、活性アルミナ等の脱水剤または乾燥剤が好ましく用いられる。
上記リビングアニオン重合において、有機リチウム化合物、有機アルミニウム化合物、ルイス塩基および単量体をアニオン重合の反応系に添加する方法としては、ルイス塩基が、有機リチウム化合物との接触前に有機アルミニウム化合物と接触するように添加することが好ましい。また、有機アルミニウム化合物は、メタクリル酸エステルより先にアニオン重合の反応系に添加しても、同時に添加してもよい。有機アルミニウム化合物をメタクリル酸エステルと同時にアニオン重合の反応系に添加する場合、有機アルミニウム化合物をメタクリル酸エステルと別途混合したのちに添加してもよい。
上記リビングアニオン重合は、メタノール;酢酸または塩酸のメタノール溶液;酢酸、塩酸の水溶液等のプロトン性化合物などの重合停止剤を反応液に添加することにより停止できる。重合停止剤の使用量は、通常、用いる有機リチウム化合物1モルに対して1〜100モルの範囲が好ましい。
アニオン重合停止後の反応液から(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を分離取得する方法としては、公知の方法を採用できる。例えば、反応液を(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の貧溶媒に注いで(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を沈殿させる方法、反応液から有機溶媒を留去して(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を取得する方法等が挙げられる。
なお、分離取得した(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)中に有機リチウム化合物および有機アルミニウム化合物に由来する金属成分が残存していると、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の物性の低下、透明性不良等を生じる場合がある。よって、有機リチウム化合物および有機アルミニウム化合物に由来する金属成分をアニオン重合停止後に除去することが好ましい。該金属成分の除去方法としては、酸性水溶液を用いた洗浄処理、イオン交換樹脂、セライト、活性炭等の吸着剤を用いた吸着処理等に付することが有効である。ここで、酸性水溶液としては、例えば、塩酸、硫酸水溶液、硝酸水溶液、酢酸水溶液、プロピオン酸水溶液、クエン酸水溶液等を使用することができる。
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の製造において部分構造(1)を含む活性エネルギー線硬化性基を導入する方法としては、上記したジ(メタ)アクリレート(3)を含有する単量体を重合して(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する方法の他に、部分構造(1)の前駆体となる部分構造(以下、「前駆体構造」と称する)を含む重合体ブロックを形成した後に、該前駆体構造を部分構造(1)に変換する方法も挙げられる。前駆体構造を含む重合体ブロックは重合性官能基と前駆体構造を含む化合物を含有する単量体を重合することで得られる。該重合性官能基としては、スチリル基、1,3−ジエニル基、ビニルオキシ基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。前駆体構造としては、水酸基および保護基(シリルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ基など)によって保護された水酸基、アミノ基および保護基(カルバメート基、アミド基など)によって保護されたアミノ基、チオール基および保護基(チオエーテル基、チオエステル基など)によって保護されたチオール基、ならびにイソシアネート基などが挙げられる。
前駆体構造として水酸基を含む重合体ブロックは、部分構造(1)および水酸基と反応しうる部分構造(カルボキシル基、エステル、カルボニルハライドなど)を有する化合物と反応させることで(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。また、前駆体構造として保護基によって保護された水酸基を含む重合体ブロックは、該保護基を外して水酸基とした後で同様に(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。
前駆体構造としてアミノ基を含む重合体ブロックは、部分構造(1)および水酸基と反応しうる部分構造(カルボキシル基、カルボン酸無水物、エステル、カルボニルハライド、アルデヒド基、イソシアネート基など)を有する化合物と反応させることで(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。また、前駆体構造として保護基によって保護されたアミノ基を含む重合体ブロックは、該保護基を外してアミノ基とした後で同様に(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。
前駆体構造としてチオール基を含む重合体ブロックは、部分構造(1)およびチオール基と反応しうる部分構造(カルボキシル基、カルボン酸無水物、エステル、カルボニルハライド、イソシアネート基、炭素−炭素二重結合など)を有する化合物と反応させることで(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。また、前駆体構造として保護基によって保護されたチオール基を含む重合体ブロックは、該保護基を外してチオール基とした後で同様に(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。
前駆体構造としてイソシアネート基を含む重合体ブロックは、部分構造(1)およびイソシアネート基と反応しうる部分構造(水酸基、アミノ基など)を有する化合物と反応させることで(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の製造において、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する方法としては、活性エネルギー線硬化性基(2)を容易に直接導入できる観点から、ジ(メタ)アクリレート(3)を含有する単量体を重合する方法、典型的にはリビングアニオン重合する方法が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤には、さらに光重合開始剤が含まれていてもよい。光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン類(例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン等)、ベンゾフェノン類(例えばベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン等)、ミヒラーケトン類(例えばミヒラーケトン等)およびベンゾイン類(例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等)等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、チオキサンソン類(例えばチオキサンソン、2−クロルチオキサンソン等)等の硫黄化合物;アシルフォスフィンオキサイド類(例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等)等のリン化合物;チタノセン類(例えばビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等)等のチタン化合物;およびアゾ化合物(例えばアゾビスイソブチルニトリル等)等のラジカル開始剤が挙げられる。中でも、アセトフェノン類およびベンゾフェノン類が好ましい。これら光重合開始剤は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤を含有する場合、その含有量は、主剤((メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)と後述する任意成分である反応性希釈剤)100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜8質量部がより好ましい。0.01質量部以上であると活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤の硬化性が良好となり、また10質量部以下であるとアンダーコート層の経時劣化に伴う密着性の低下が抑制される傾向にある。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤には、上記光重合開始剤に加えて、増感剤が含まれていてもよい。増感剤としては、例えばn−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、アリルチオ尿酸、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。中でも、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチルアミンが好ましい。
光重合開始剤と増感剤とを混合して使用する場合には、光重合開始剤と増感剤の質量比率は、10:90〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜80:20の範囲がより好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤には、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)以外の活性エネルギー線の照射により重合性を示す反応性希釈剤が含まれていてもよい。反応性希釈剤としては、活性エネルギー線の照射によって重合性を示せば特に制限はなく、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)およびメタクリル系樹脂成形体との親和性の観点から(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエステル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル、4−(メタ)アクリロイルモルホリン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加体、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,4,6−トリオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリスエタノールトリ(メタ)アクリレート、N,N’−ビス[2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]−N’’−(2−ヒドロキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、およびシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体;ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂、フェノールノボラック型エポキシアクリレート樹脂、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂等のエポキシアクリレート系樹脂;COOH基変性エポキシアクリレート系樹脂;ポリオール(ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコールとアジピン酸のポリエステルジオール、ε−カプロラクトン変性ポリエステルジオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端水添ポリイソプレン、水酸基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリイソブチレン等)と有機イソシアネート(トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等)から得られたウレタン樹脂を水酸基含有(メタ)アクリレート{ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等}を反応させて得られたウレタンアクリレート系樹脂;上記ポリオールにエステル結合を介して(メタ)アクリル基を導入した樹脂;ポリエステルアクリレート系樹脂等が挙げられる。
これら反応性希釈剤は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤において反応性希釈剤を含有させる場合、その含有量は、該活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤の流動性および本発明の表面被覆成形体における無機層とメタクリル系樹脂成形体との密着性を高める観点から、主剤((メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)および反応性希釈剤)100質量部中、10〜90質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤は、溶剤を含有してもよい。本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤に溶剤を含有させることにより、粘度調節することができ、塗工性を高めることなどができる。また、溶剤を用いることで後述する添加剤などを溶解したり、分散したりしやすくできる。
溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族または脂環式炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミルなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;などを使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤が溶剤を含有する場合、その含有量は、主剤100質量部に対して80質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。溶剤の含有量が80質量部を超えると、活性エネルギー線硬化性ハードコート剤を塗工した後、溶媒を留去させたい場合に時間を要したり、アンダーコート層に残存したりすることがある。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤は、その性能を著しく阻害しない範囲内で、可塑剤、軟化剤、充填剤、安定剤などの活性エネルギー線硬化性基を有さない各種添加剤が含まれていてもよい。
本発明の表面被覆成形体は、メタクリル系樹脂成形体の表面の少なくとも一部に、本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を硬化してなるアンダーコート層を備え、かかるアンダーコート層上に無機物からなる無機層を備える。アンダーコート層は、メタクリル系樹脂成形体の全表面を覆っていても、一部を覆っていてもよい。例えば、板状のメタクリル系樹脂成形体においては、かかるアンダーコート層は、一方の主面のみに設けても、両方の主面に設けてもよい。
上記メタクリル系樹脂成形体は、メタクリル酸エステルを主体とする単量体を重合して得られるメタクリル系樹脂からなる成形体である。メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル等が挙げられ、メタクリル酸メチルが好ましい。これらメタクリル酸エステルは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。メタクリル系樹脂は、かかるメタクリル酸エステルに由来する単量体単位を80質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することが好ましく、100質量%であってもよい。またかかるメタクリル系樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する単量体単位を80質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することが好ましく、100質量%であってもよい。
上記メタクリル系樹脂は、メタクリル酸エステル以外の他の単量体に由来する単量体単位を含んでいてもよい。かかる他の単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル等のアクリル酸エステル;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンなどが挙げられる。これら他の単量体は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記メタクリル系樹脂成形体はメタクリル系樹脂を公知の方法で成形してなる。成形方法に特に制限はなく、押出成形法、射出成形法などが挙げられる。
上記メタクリル系樹脂成形体の形状に特に制限はなく、例えばフィルム状、板状、柱状、球状、筒状を始めとする任意の形状であることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤は、メタクリル系樹脂成形体の表面に塗工した後、活性エネルギー線を照射して硬化させてアンダーコート層を形成できる。かかる塗工の方法は、刷毛塗りなどの手塗りや、ロールコート、グラビアコート、グラビアオフセットコート、カーテンフローコート、リバースコート、スクリーン印刷、スプレー塗装、浸漬法などの従来公知の方法が選択できる。塗工する厚さは、1〜500μmの範囲が好ましく、2〜200μmの範囲がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を硬化させる際に使用する活性エネルギー線は、公知の装置を用いて照射することができる。
紫外線照射には、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、LED等を用いることができる。活性エネルギー線の積算光量は、通常10〜10000mJ/cm2の範囲であり、100〜5000mJ/cm2の範囲が好ましい。10mJ/cm2より少ないと活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤の硬化速度が不十分となる傾向があり、10000mJ/cm2より多いと活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤が劣化するおそれがある。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤に対して活性エネルギー線を照射する場合の相対湿度は、活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤の分解を抑制する観点から、30%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤に対して、活性エネルギー線照射中または照射後に、さらに必要に応じて加熱を行って硬化を促進させることもできる。かかる加熱温度は40〜130℃の範囲が好ましく、50〜100℃の範囲がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤は、電子線(EB)を照射することによっても硬化させることができる。EBを照射する場合の加速電圧としては0.1〜10MeVの範囲が好ましく、10〜500keVの範囲がより好ましく、20〜300keVの範囲がさらに好ましい。照射線量としては10〜500kGyの範囲が好ましく、30〜300kGyの範囲がより好ましく、40〜200kGyの範囲がさらに好ましい。活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤に対して、電子線照射中または照射後に、さらに必要に応じて加熱を行って硬化を促進させることもできる。なお、加熱は、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱などにより行うことができる。
本発明の表面被覆成形体は、アンダーコート層上に無機物からなる無機層を備える。無機層を形成する無機物としては、アルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、白金、チタン、パラジウム、ニッケル、銅、スズ、インジウム、コバルトなどの金属およびこれらの合金、SiO2、TiO2、ZrO2、Al23、Ta25、Nb25、La23、Y23、ZnO、In23などの金属酸化物、MgF2、LaF3、AlF6Na3などの金属フッ化物等が挙げられる。
無機層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法などの蒸着法が挙げられ、形成する無機層の種類等で適宜選択できる。
無機層の厚さは特に限定されないが、生産性、外観から5〜100nmが好ましく、5〜60nmがさらに好ましい。無機層の厚さが5nm未満であると、蒸着層欠陥が発生しやすく、無機層の厚さが100nmより厚くなると、外観が劣る場合がある。
本発明の表面被覆成形体は、インストルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバー、ドアロックペゼル、ステアリングホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッシュボード等の自動車内装用途、ウェザーストリップ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドアモール、ウインドモール等、窓、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、風防部品等の自動車外装用途、AV機器や家具製品のフロントパネル、ボタン、エンブレム、表面化粧材等の用途、携帯電話等のハウジング、表示窓、ボタン等の用途、さらには家具用外装材用途、壁面、天井、床等の建築用内装材用途、サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材用途、窓枠、扉、手すり、敷居、鴨居等の家具類の表面化粧材用途、各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラス等の光学部材用途、あるいは電車、航空機、船舶等の自動車以外の各種輸送機器の内外装用途、瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器および材料、景品や小物等の雑貨等のその他各種用途等に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されない。
以下の実施例および比較例において、原料は常法により乾燥精製し、窒素にて脱気したものを使用し、移送および供給は窒素雰囲気下にて行った。
[単量体消費率]
下記実施例および比較例における、重合後の各単量体の消費率は、反応液0.5mlを採取してメタノール0.5ml中に入れて混合後、該混合液から0.1mlを採取して、重クロロホルム0.5mlに溶解させて1H−NMR測定を行い、単量体として用いた(メタ)アクリル酸エステルの炭素−炭素二重結合に直結するプロトンに由来するピーク(化学シフト値6.08〜6.10)および溶媒として用いたトルエンの芳香環に直結するプロトンに由来するピーク(化学シフト値7.00〜7.38ppm)の積分値の比率の変化から算出した。
1H−NMR測定条件
装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置 「JNM−ECX400」
溶媒:重水素化クロロホルム
温度:25℃
[数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)]
下記実施例および比較例において、得られた重合体のGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)測定を行い、標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)の値を求めた。
装置:東ソー株式会社製 GPC装置「HLC−8220GPC」
分離カラム:東ソー株式会社製 「TSKgel SuperMultiporeHZ−M(カラム径=4.6mm、カラム長=15cm)」(2本を直列に繋いで使用)
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液流量:0.35ml/分
カラム温度:40℃
検出方法:示差屈折率(RI)
[重合開始効率]
実際に工程(1)で得られた重合体のMnをMn(R1)とし、重合開始効率が100%である場合の工程(1)で得られる重合体のMn(計算値)をMn(I1)とすると、工程(1)における重合開始効率(F1)は以下の式から算出される。
F1(%)=100×Mn(I1)/Mn(R1)
[工程(1)から工程(2)にかけてのブロック効率]
実際に工程(2)で得られた重合体のMnをMn(R2)とし、ブロック効率が100%である場合の工程(2)で得られる重合体のMn(計算値)をMn(I2)とすると、工程(1)から工程(2)にかけてのブロック効率(F2)は以下の式から算出される。
F2(%)=10000・{Mn(I2)−Mn(I1)}/[F1・{Mn(R2)−Mn(R1)}]
[硬化速度]
実施例および比較例で得られた活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤の硬化速度は、HAAKE製MARS IIIを用いて評価した。φ20mmのパラレルプレート上に、活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を溶液流延法で製膜した後、温風循環式乾燥機にて80℃で乾燥し、厚さ150μmの塗膜を形成した。測定モードとして高速OSC時間依存性測定モードを使用し、測定温度25℃、測定ギャップ0.15mm、測定周波数5Hzの条件で、UVランプ(Lumen Dynamics製Omni Cure series2000、照射強度150mW/cm2)を用いて紫外光を照射しながら粘弾性測定を行い、貯蔵せん断弾性率(G’)と損失せん断弾性率(G’’)がクロスオーバーする時間を測定した。
[密着性]
市販のメタクリル系樹脂板((株)クラレ製、コモグラス、厚さ5mm)上に、実施例および比較例で得られた活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤をアプリケータで厚さが10μmになるように塗工し、温風循環式乾燥機にて80℃で1分間乾燥させた後、400mJ/cm2の紫外線で硬化してアンダーコート層を形成した。かかるアンダーコート層上に、真空蒸着装置(SRC−10D、日本シンク技術(株)社製)を用いて、7mPaの減圧下で厚さ100オングストロームのアルミニウム層を形成し、本発明の表面被覆成形体を得た。得られた表面被覆成形体を用いてカッターナイフで蒸着膜に1mm間隔で碁盤目状の切り疵を付け、100個の碁盤目を作り、その上に粘着テープ(セロテープ(登録商標)、ニチバン製)を貼り付け、蒸着面に垂直方向に引き剥がすことによって、剥離しないで残った碁盤目の数が100個の場合を◎、91〜99個の場合を○、51〜90個の場合を△、50個以下のものを×とした。
[合成例1]
(工程(1))
内部を乾燥し、窒素置換した3Lのフラスコに、トルエン1.5Lを添加したのち、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、ルイス塩基として1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン7.4ml(27.3mmol)、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液63.6ml(28.6mmol)を順次添加したのち、−20℃に冷却した。これに有機リチウム化合物としてsec−ブチルリチウムの1.30mol/Lシクロヘキサン溶液20ml(26.0mmol)を加え、単量体として1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート18.7ml(78mmol)とメタクリル酸メチル16.6ml(156mmol)との混合物35.3mlを一括で添加し、アニオン重合を開始した。混合物の添加終了後から80分後に反応液は当初の黄色から無色に変わった。さらに20分撹拌後に反応液をサンプリングした。
工程(1)における1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレートおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られた重合体のMn(Mn(R1))は1,340、Mw/Mnは1.16であった。さらに、工程(1)における重合開始効率(F1)は99%であった。
(工程(2))
引き続き反応液を−20℃で撹拌しつつ、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液を31.8ml(14.3mmol)加え、その1分後に単量体としてアクリル酸n−ブチル504ml(3.5mol)を10ml/分の速度で添加した。単量体の添加終了直後に反応液をサンプリングした。
工程(2)におけるアクリル酸n−ブチルの消費率は100%であった。また、得られた重合体のMn(Mn(R2))は21,300、Mw/Mnは1.18であった。さらに、工程(1)から工程(2)にかけてのブロック効率(F2)は100%であった。
(工程(3))
引き続き反応液を−20℃で撹拌しつつ、単量体として1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート16.3ml(67.8mmol)とメタクリル酸メチル14.4ml(136mmol)の混合物30.7mlを一括で添加したのち、2℃/分の速度で20℃に昇温した。上記混合物の添加から60分後に反応液をサンプリングした。
工程(3)における1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレートおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。
(工程(4))
引き続き反応液を20℃で撹拌しつつ、メタノール100mlを添加することにより、アニオン重合を停止させた。得られた溶液を10Lのメタノール中に注ぎ、重合体を沈殿させ、濾過によって回収し、100℃、30Paで乾燥し、471gの(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)(以下「(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)」と称する)を得た。
得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)のMnは22,600、Mw/Mnは1.19であった。
[合成例2]
(工程(1))
内部を乾燥し、窒素置換した3Lのフラスコに、トルエン1.5Lを添加したのち、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、ルイス塩基として1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン3.7ml(13.7mmol)、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液36.1ml(16.2mol)を順次添加したのち、−20℃に冷却した。これに有機リチウム化合物としてsec−ブチルリチウムの1.30mol/Lシクロヘキサン溶液10ml(13.0mmol)を加え、単量体として1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート1.87ml(7.80mmol)とメタクリル酸メチル0.41ml(3.90mmol)の混合物2.28mlを一括で添加し、アニオン重合を開始した。上記混合物の添加から280分後に反応液は当初の黄色から無色に変わった。さらに20分撹拌後に反応液をサンプリングした。
工程(1)における1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレートおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、工程(1)で得られた重合体のMn(Mn(R1))は1,780、Mw/Mnは1.15であった。さらに、工程(1)における重合開始効率(F1)は98%であった。
(工程(2))
引き続き反応液を−20℃で撹拌しつつ、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液15.9ml(7.2mol)を加え、その1分後に単量体としてアクリル酸n−ブチル501ml(3.48mol)を5ml/分の速度で添加した。アクリル酸n−ブチルを添加終了直後に反応液をサンプリングした。
工程(2)におけるアクリル酸n−ブチルの消費率は100%であった。また、得られた重合体のMn(Mn(R2))は44,600、Mw/Mnは1.18であった。さらに、工程(1)から工程(2)にかけてのブロック効率(F2)は100%であった。
(工程(3))
引き続き反応液を−20℃で撹拌しつつ、単量体として1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート16.1ml(67.1mmol)とメタクリル酸メチル3.6ml(33.6mmol)との混合物19.7mlを一括で添加したのち、2℃/分の速度で10℃に昇温した。上記混合物の添加から300分後に反応液をサンプリングした。
工程(3)における1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレートおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。
(工程(4))
引き続き反応液を20℃で撹拌しつつ、メタノール100mlを添加することにより、アニオン重合を停止させた。得られた溶液を10Lのメタノール中に注ぎ、重合体を沈殿させ、濾過によって回収し、100℃、30Paで乾燥し、487gの(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)(以下「(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A2)」と称する)を得た。
得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A2)のMnは46,300、Mw/Mnは1.23であった。
[合成例3]
(工程1)
内部を乾燥し、窒素置換した300mlのフラスコに、トルエン150mlを添加したのち、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、ルイス塩基として1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.74ml(2.73mmol)、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液6.36ml(2.86mmol)を順次添加したのち、−20℃に冷却した。これに有機リチウム化合物としてsec−ブチルリチウムの1.30mol/Lシクロヘキサン溶液2.00ml(2.6mmol)を加え、単量体としてメタクリル酸4−(トリメチルシリルオキシ)ブチル1.70ml(7.80mmol)およびメタクリル酸メチル1.66ml(15.6mmol)の混合物3.36mlを一括で添加し、アニオン重合を開始した。上記混合物の添加から80分後に反応液は当初の黄色から無色に変わった。さらに20分撹拌後に、得られた反応液をサンプリングした。
工程1におけるメタクリル酸4−(トリメチルシリルオキシ)ブチルおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られた重合体のMn(Mn(R1))は1,400、Mw/Mnは1.16であった。さらに、工程1における重合開始効率(F1)は97%であった。
(工程2)
引き続き上記反応液を−20℃で撹拌しつつ、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液を3.18ml(1.43mmol)加え、その1分後に単量体としてアクリル酸n−ブチル50.4ml(350mmol)を1ml/分の速度で添加した。アクリル酸n−ブチルの添加終了直後に反応液をサンプリングした。
工程2におけるアクリル酸n−ブチルの消費率は100%であった。また、得られたジブロック共重合体のMnは21,600、Mw/Mnは1.20であった。さらに、工程1から工程2にかけてのブロック効率(F2)は100%であった。
(工程3)
引き続き上記反応液を−20℃で攪拌しつつ、単量体としてメタクリル酸4−(トリメチルシリルオキシ)ブチル1.48ml(6.78mmol)およびメタクリル酸メチル1.44ml(13.6mmol)の混合物2.92mlを一括で添加した後、2℃/分の速度で20℃に昇温した。上記混合物の添加から60分後に得られた反応液をサンプリングした。
工程3におけるメタクリル酸4−(トリメチルシリルオキシ)ブチルおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られたトリブロック共重合体のMnは23,200、Mw/Mnは1.20であった。
(工程4)
引き続き上記反応液を20℃で撹拌しつつ、メタノールを10.0ml添加することにより、アニオン重合を停止させた。
(工程5)
引き続き上記反応液を20℃で撹拌しつつ、ジクロロ酢酸2.2ml(26.7mmol)を添加し、30分攪拌した。次いで反応液を1リットルのメタノール中に注ぎ、重合体を沈殿させ、濾過によって回収し、100℃、30Paで乾燥し、46.9gの重合体を得た。
さらに、300mlフラスコに、得られた重合体とトルエン150mlを加えて溶解させ、トリエチルアミン9.7ml(69.6mmol)を加え、氷浴で冷却した。ここに塩化メタクリロイル6.7ml(69.2mmol)を滴下し、2時間攪拌した後、反応液をサンプリングした。1H−NMR測定を行うと、工程5の反応率は85%であった。その後メタノール5mlを加えて反応を停止した。反応液から析出したアミン塩を除去するため吸引ろ過し、次いでろ液からトルエンを留去し、クロロホルム150mlを添加した後炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を行い、クロロホルム層を吸引ろ過した。次いで、クロロホルム層を飽和食塩水で3回洗浄し、クロロホルム層に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し、70℃で濃縮することで41.5gの(メタ)アクリル系ブロック共重合体(以下「(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A3)」と称する)を得た。
得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A3)のMnは23,700、Mw/Mnは1.21であった。
[合成例4]
(工程1)
内部を乾燥し、窒素置換した300mlのフラスコに、トルエン150mlを添加したのち、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、ルイス塩基として1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.74ml(2.73mmol)、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液6.36ml(2.86mmol)を順次添加したのち、−20℃に冷却した。これに有機リチウム化合物としてsec−ブチルリチウムの1.30mol/Lシクロヘキサン溶液2.00ml(2.6mmol)を加え、単量体としてメタクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチル1.68ml(7.80mmol)およびメタクリル酸メチル1.66ml(15.6mmol)の混合物3.34mlを一括で添加し、アニオン重合を開始した。上記混合物の添加から80分後に反応液は当初の黄色から無色に変わった。さらに20分撹拌後に反応液をサンプリングした。
工程1におけるメタクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチルおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られた重合体のMn(Mn(R1))は1,300、Mw/Mnは1.15であった。さらに、重合開始効率(F1)は98%であった。
(工程2)
引き続き上記反応液を−20℃で撹拌しつつ、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液を3.18ml(1.43mmol)加え、その1分後に単量体としてアクリル酸n−ブチル50.4ml(350mmol)を1ml/分の速度で添加した。アクリル酸n−ブチルの添加終了直後に反応液をサンプリングした。
工程2におけるアクリル酸n−ブチルの消費率は100%であった。また、得られたジブロック共重合体のMn(Mn(R2))は21,300、Mw/Mnは1.18であった。さらに、工程1から工程2にかけてのブロック効率(F2)は100%であった。
(工程3)
引き続き上記反応液を−20℃で攪拌しつつ、単量体としてメタクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチル1.46ml(6.78mmol)およびメタクリル酸メチル1.44ml(13.6mmol)の混合物2.90mlを一括で添加した後、2℃/分の速度で20℃に昇温した。上記混合物の添加から60分後に得られた反応液をサンプリングした。
工程3におけるメタクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチルおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られたトリブロック共重合体のMnは22,800、Mw/Mnは1.17であった。
(工程4)
引き続き、得られた反応液を撹拌しつつ、20℃でメタノールを10.0ml添加することにより、アニオン重合を停止させた。
(工程5)
引き続き上記反応液を20℃で撹拌しつつ、ジクロロ酢酸2.2ml(26.7mmol)を添加し、30分攪拌した。次いで反応液を1リットルのメタノール中に注ぎ、重合体を沈殿させ、濾過によって回収し、100℃、30Paで乾燥し、46.0gの重合体を得た。
さらに、300mlフラスコに、得られた重合体とトルエン150mlを加えて溶解させ、トリエチルアミン9.7ml(69.6mmol)を加え、氷浴で冷却した。ここに塩化メタクリロイル6.7ml(69.2mmol)を滴下し、2時間攪拌した後、反応液をサンプリングした。1H−NMR測定を行うと、工程5の反応率は95%であった。その後メタノール5mlを加えて反応を停止した。
反応液から析出したアミン塩を除去するため吸引ろ過し、次いでろ液からトルエンを留去し、クロロホルム150mlを添加した後炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を行い、クロロホルム層を吸引ろ過した。次いで、クロロホルム層を飽和食塩水で3回洗浄し、クロロホルム層に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し、70℃で濃縮することで40.2gの(メタ)アクリル系ブロック共重合体(以下「(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A4)」と称する)を得た。
得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A4)のMnは23,100、Mw/Mnは1.19であった。
[実施例1、2、3、4および比較例1、2]
上記合成例1〜4で得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)((メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)〜(A4))を、それぞれ表1に記載した質量比で他の成分(反応性希釈剤(B)、光重合開始剤(C)、有機溶剤(D))と混合し、室温で5時間攪拌することで活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を調製した。得られた活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤の硬化速度および密着性の評価結果を表1に示す。
Figure 2016056313
表1中の略称は以下を示す。
反応性希釈剤(B1):ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学株式会社製、ウレタンアクリレートUA−306I)
反応性希釈剤(B2):ペンタエリスリトールテトラアクリレート(東亞合成株式会社製、アロニックスM−450)
反応性希釈剤(B3):2,4,6−トリオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリスエタノールトリアクリレート(東亞合成株式会社製、アロニックスM−315)
光重合開始剤(C1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガキュア184)
有機溶剤(D1):エチレングリコールモノエチルエーテル
表1に示したとおり、本発明の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤は活性エネルギー線の照射によって速やかに硬化する。また、本発明の表面被覆成形体は無機層とメタクリル系樹脂成形体との密着性が高いことが分かる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示される部分構造を含む活性エネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)と、活性エネルギー線硬化性基を有さない(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)からなる(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を含有する活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤。
    Figure 2016056313
    (式中、R1は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す)
  2. 前記活性エネルギー線硬化性基が下記一般式(2)で示される、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤。
    Figure 2016056313
    (式中、R1は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、XはO、S、またはN(R6)(R6は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す)を表し、nは1〜20の整数を表す)
  3. 反応性希釈剤をさらに含有する請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤。
  4. 前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)と前記反応性希釈剤との合計量100質量部に対して、前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を20〜80質量部含有する請求項3に記載の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤。
  5. 前記反応性希釈剤が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である請求項3または4に記載の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤。
  6. メタクリル系樹脂成形体の表面に、請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型アンダーコート剤を硬化してなるアンダーコート層を備え、かかるアンダーコート層上に無機物からなる無機層を備える表面被覆成形体。
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