JP2016055679A - 曳航装置及び曳航方法 - Google Patents

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杉山 貞人
Sadato Sugiyama
貞人 杉山
谷垣 信吉
Shinkichi Tanigaki
信吉 谷垣
坂田 展康
Nobuyasu Sakata
展康 坂田
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Abstract

【課題】船舶によって曳航される曳航体の姿勢を安定的に維持可能な曳航装置及び該曳航装置を使用した曳航方法を提供する。【解決手段】船舶1によって少なくとも1の曳航体30を曳航する曳航装置であって、少なくとも1のブイ40と、前記曳航体の目標深度に対応する長さを有し、前記少なくとも1のブイを前記少なくとも1の前記曳航体にそれぞれ接続する少なくとも1の鉛直索42と、前記少なくとも1の曳航体を前記船舶にそれぞれ接続する少なくとも1の曳航索32とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、船舶によって曳航体を曳航する曳航装置及び該曳航装置を使用した曳航方法に関する。
流体が有する運動エネルギー(いわゆる水力エネルギー)を利用して発電する発電装置が知られている。この種の発電装置は、比較的大きなサイズを有し、水中に設置されるため、研究開発過程において性能評価試験を実際の使用環境下で実施しようとすると、コストが高額になりやすい。例えば、発電装置の基礎を水底に設けるための基礎工事や、発電装置の制御・測定用信号を送受信するケーブルの敷設工事は、多大なコストを要する。
このような問題への解決策の一つとして、発電装置を船舶で曳航することによって、発電装置が水流を受ける使用状態を模擬的に再現する方法が有効とされている。例えば特許文献1には、海底に設置して固定した状態で使用される水力発電タービンを船舶で曳航することにより、試験を実施する方法が開示されている。
また特許文献2は評価試験に関する技術ではないが、船舶によって曳航索(ロープ)を介して曳航される曳航体において、曳航索の長さや船舶の進行速度を調整することにより、曳航体の曳航速度及び深度を制御する方法が開示されている。
特表2014−505198号公報 特開2008−247101号公報
発電装置を船舶で曳航することによって信頼性のある評価試験を行うためには、実際の使用環境に対して、深度方向距離(以下、「深度」と称する)のような幾何学的相似条件を合わせることが重要である。しかしながら、特許文献1では、このような幾何学的相似条件が考慮されておらず、十分な信頼性のある評価試験を行うことが難しい。
また特許文献2では、曳航索の長さや船舶の進行速度のようなパラメータを調整することにより、曳航体の曳航速度及び深度を制御している。しかしながら、これらのパラメータは互いに依存している。例えば船舶の進行速度を変化させると、曳航索の張力も変化する。そのため、曳航される対象物の深度を所定値に維持するためは、例えば曳航索の長さを変更しなければならない。このように、特許文献2に開示された技術を適用したとしても、幾何学的相似条件を再現することは容易ではない。特に海洋のように時々刻々と潮流が変化する状況下では、適切な幾何学的相似条件を実現することは容易ではない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、船舶によって曳航される曳航体の姿勢を安定的に維持可能な曳航装置及び該曳航装置を使用した曳航方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る曳航装置は、船舶によって少なくとも1の曳航体を曳航する曳航装置であって、少なくとも1のブイと、前記曳航体の目標深度に対応する長さを有し、前記少なくとも1のブイを前記少なくとも1の前記曳航体にそれぞれ接続する少なくとも1の鉛直索と、前記少なくとも1の曳航体を前記船舶にそれぞれ接続する少なくとも1の曳航索とを備える。
上記(1)の構成によれば、曳航速度が低下することによって曳航体が沈下しようとする場合、鉛直索を介して接続されたブイによって曳航体に浮力が作用する。鉛直索は曳航体の目標深度に対応する長さを有するため、曳航体の深度は、曳航速度に関わらず、目標深度に安定的に維持される。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記少なくとも1の曳航索の各々の長さは、当該曳航索に対応する前記曳航体の重量M、目標深度X、最大曳航速度において流体から受ける抗力F、及び、重力加速度gを用いて、次式
Y=X/sinθ
θ=tan−1(Mg/F)
より得られる値Yより長く設定されている。
上記(2)の構成によれば、曳航体が目標深度に対して過度に沈下しようとする場合に、ブイの浮力が曳航体に作用し、沈下が効果的に防止される。これにより、最大曳航速度以下では、曳航体の深度を目標深度Xに保つことができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記少なくとも1の曳航体は、前記前記船舶の進行方向左側に向かって揚力を発生可能に構成された第1の曳航体、及び、前記前記船舶の進行方向右側に向かって揚力を発生可能に構成された第2の曳航体を含み、前記少なくとも1の曳航索は、前記船舶及び前記第1の曳航体間を接続する第1の曳航索と、前記第1の曳航索より右側に配置され、前記船舶及び前記第2の曳航体間を接続する第2の曳航索と、前記第1の曳航索及び前記第2の曳航索間を接続する中継索とを備え、前記中継索の長さは、前記第1の曳航体及び前記第2の曳航体間の目標とする水平距離として規定されており、且つ、該中継索より前記船舶側における前記第1の曳航索及び前記第2の曳航索間の間隔より長く設定されている。
上記(3)の構成によれば、少なくとも1の曳航索は、第1の曳航体を曳航する第1の曳航索、及び、第2の曳航体を曳航する第2の曳航索を備える。第1の曳航索及び第2の曳航索は、それぞれ中継索によって互いに略水平方向に沿って接続される。中継索の長さは、第1の曳航体及び前記第2の曳航体間の目標とする水平距離として規定されている。これにより、第1の曳航体及び第2の曳航体間の水平距離が目標値に保持される。また、中継索の長さは該中継索より前記船舶側における前記第1の曳航索及び前記第2の曳航索間の間隔より長く設定されているので、第1及び第2曳航索は略V字形状となり安定性も得られる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記中継索は、前記第1の曳航体及び前記第2の曳航体間を接続する。
上記(4)の構成によれば、第1の曳航体及び前記第2の曳航体間を接続するように中継索が設けられる。第1及び第2の曳航索は、揚力が作用する第1の曳航体及び前記第2の曳航体間において最も幅広となる略V字形状となる。これにより、第1の曳航体及び第2の曳航体間の水平距離が目標値に安定的に保持される。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)の構成において、前記第1の曳航体及び前記第2の曳航体は、例えばオッターボードである。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)のいずれかの構成において、前記曳航体には、水力を利用して発電を行う水力発電装置が係留されている。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る曳航方法は、船舶によって曳航される曳航体の曳航方法であって、a)前記船舶を目標ポイントに移動する前に、前記曳航体に鉛直索を介してブイを接続する工程と、b)前記曳航体を前記船舶からの長さが調整可能な曳航索に接続する工程と、c)前記船舶を目標ポイントに移動する工程と、d)前記曳航索の前記船舶からの長さを増加させることにより、前記曳航体を流体中に投入する工程と、e)前記船舶を進行させることにより、前記曳航体を曳航する工程とを備える。
上記(7)の構成によれば、曳航体を目標ポイントに移動する前に、曳航体に鉛直索を介してブイを接続して準備し、目標ポイントに移動した後に、曳航索の長さを調整することで曳航を行う。これにより、目標ポイントまでの移動から目標ポイントにおける曳航に至るまでの一連の作業を効率的且つスムーズに実施できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、前記曳航体には水力発電装置が係留されており、前記b)工程では、前記曳航体が前記船舶に格納され、且つ、前記水力発電装置が流体中に位置するように、前記曳航索の長さを調整し、前記d)工程では、前記曳航体及び前記水力発電装置が前記流体中に位置するように、前記曳航索の長さを調整する。
上記(8)の構成によれば、曳航体に水流によって発電可能な水力発電装置が係留されている。水力発電装置は体積が比較的大きいため、船舶に搭載しながら目標ポイントまで移動することが困難な場合がある。本構成では、目標ポイントへの移動前に重量が比較的小さい曳航体を船舶に格納しつつ、重量が比較的大きい水力発電装置を流体中に位置させる。これにより、重量の比較的大きな水力発電装置は、流体から得られる浮力で支持され、目標ポイントへの移動が容易になる。
そして、目標ポイントへの移動後は、船舶に格納されていた曳航体を水中に投入する。これにより、上述の曳航装置で得られる各種効果が発揮可能な曳航状態にスムーズ且つ容易に移行することが可能となる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、船舶によって曳航される曳航体の姿勢を安定的に維持可能な曳航装置及び該曳航装置を使用した曳航方法を提供できる。
本発明の幾つかの実施形態に係る曳航装置を側方から示す模式図である。 曳航速度が最大曳航速度よりやや高い速度の場合に、図1に示された曳航体に対して作用する各力を側方から示す模式図である。 曳航速度が最大傾向速度以下の場合に、図1に示された曳航体に対して作用する各力を側方から示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る曳航装置を側方から示す模式図である。 図3に示された曳航装置を上方から示す模式図である。 曳航速度が最大曳航速度よりやや高い速度の場合に、図4に示された曳航体に対して作用する各力を側方から示す模式図である。 図5Aを上方から示す模式図である。 曳航速度が最大傾向速度以下の場合に、図4に示された曳航体に対して作用する各力を側方から示す模式図である。 図6Aを上方から示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る曳航方法を示すフローチャートである。 目標ポイントまでの移動時における船舶の様子を示す模式図である。 水力発電装置の構成例を示す斜視図である。 図9に示された水力発電装置の使用例を示す模式図である。 図10Aの水力発電装置を上方から示す模式図である。 参考技術に係る曳航装置を側方から示す模式図である。 曳航速度が最大曳航速度よりやや高い速度の場合に、図11に示された曳航体に対して作用する各力を側方から示す模式図である。 曳航速度が最大傾向速度以下の場合に、図11に示された曳航体に対して作用する各力を側方から示す模式図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(水力発電装置)
以下の実施形態では、本発明の幾つかの実施形態に係る曳航装置を、水力エネルギーを利用して発電を行う水力発電装置、特に水底に固設された基礎体に係留されて海流を利用して発電を行う海流発電装置の性能評価試験に適用した場合を例に説明する。まず曳航装置について説明する前提として、図9及び図10を参照して、水力発電装置10について説明する。図9は水力発電装置10の構成例を示す斜視図であり、図10は図9に示された水力発電装置10の使用例を示す模式図であり、図10Bは図10Aの水力発電装置を上方から示す模式図である。
図9に示されるように、水力発電装置10は、長手形状を有するプラットフォーム12の両端にそれぞれ発電ユニット14a及び14bを備える(以下、発電ユニット14a及び14bを区別せずに示す場合には、単に「発電ユニット14」と称することとする)。各発電ユニット14は、発電機(不図示)が収納されている。発電機のロータシャフト18は、発電ポッドの外側に至るまで延在し、その先端に水力を受けるための複数のブレード(翼)20が設けられている。
プラットフォーム12の略中央には2本の係留索22L及び22Rが接続可能な接続部24が設けられている。図10A及び図10Bに示されるように、係留索22L及び22Rはそれぞれ、水力発電装置10の接続部24を所定間隔で水底に設置された基礎体26L及び26Rに接続する。
尚、図10Aでは図示をわかりやすくするために、基礎体26L及び26Rの表示位置をずらしているが、実際には図10Bに示されるように、基礎体26L及び26Rは水力発電装置10に対して等距離に配置されている。
基礎体26に係留された水力発電装置10の深度は、水力発電装置10の重量、浮力、周囲の水流から受ける抗力、及び、係留索22の張力間がバランスするように、成り行きで決定される。このように基礎体26に係留された水力発電装置10では、ブレード20で水力を受けることによって発電機のロータシャフト18が回転し、発電が行われる。
尚、発電機で発電された電力は、不図示の送電ケーブルを介して外部に送られる。
尚、図9に示されるように、発電ユニット14a及び14bにおけるブレード12の回転方向は、互いに逆になるように設定される。これにより、係留索22が接続される接続部24を基準に対照配置された2つの発電ユニット間がバランスし、安定な姿勢が得られる。
(水力発電装置の性能評価試験)
この種の水力発電装置10の性能評価試験において、図10に示されるような実際の使用環境を構築することは、多大なコストが必要となる(例えば、基礎体26を設置する基礎工事や、基礎体26に係留された水力発電装置10に制御・計測用ケーブルを敷設する敷設工事はコストが非常に高い)。そこで、水力発電装置10を船舶1によって曳航することにより、模擬的な使用環境を作り出すことが有効である。
ここで図11及び図12を参照して、船舶1による曳航を利用した水力発電装置10の性能評価試験の一例を、参考技術として説明する。図11は参考技術に係る曳航装置を側方から示す模式図であり、図12Aは曳航速度が最大曳航速度Vmaxよりやや高い速度の場合に、図11に示された曳航体30に対して作用する各力を側方から示す模式図であり、図12Bは曳航速度が最大傾向速度Vmax以下の場合に、図11に示された曳航体30に対して作用する各力を側方から示す模式図である。
参考技術に係る曳航装置では、図11に示されるように、船舶1に接続された曳航索32を介して曳航される曳航体30に、係留索22を介して水力発電装置10が係留される。この方法では、曳航体30を基準として見ると、水力発電装置10は曳航体30に係留されながら、水流を受ける。すなわち、曳航体30は水力発電装置10にとって相対的に基礎体26とみなすことができる。
尚、係留索22及び曳航索32は、実際には一本の索から構成されているが、本願明細書では、説明をわかりやすくするために、当該索のうち曳航体30より潮流発電器10側を係留索22と称すると共に、曳航体30より船舶1側を曳航索32と称することとする。
船舶1にはウィンチ2が搭載されており、当該ウィンチ2を操作することによって、曳航索32の長さが可変に構成されている。また船舶1の曳航速度は、予め規定された範囲内において可変であり、特にその最大値は最大曳航速度Vmaxとして規定されている。
曳航体30の深度は、曳航体30が受ける各力のバランスによって決定される。図12A及び図12Bに示されるように、曳航体30には、例えば曳航体30の重量M[kg]や浮力Ff[N]、曳航索32の張力T[N]、及び、周囲の流体から受ける抗力F[N]が作用する。
尚、gは重力加速度[m/s]である。
曳航体30の深度は、船舶1の曳航速度にも依存する。図12Aに示されるように、曳航速度が最大曳航速度Vmaxよりやや高い速度の場合、曳航体30が受ける抗力Fが大きく,重力Mgと抗力Fの合力の水平面に対する傾斜角θは小さくなる。この合力は係留索の張力Tとつりあうため,係留索と水面のなす角度も小さくなり,結果として深度は浅くなる。
一方、図12Bに示されるように、曳航速度が最大傾向速度Vmax以下の場合、曳航体30が受ける抗力Fが小さいため、重力Mgと抗力Fの合力の水平面に対する傾斜角θは大きくなる。このため,係留索と水面のなす角度も大きくなり,係留索の長さYが図12Aと同じであれば,曳航体30の深度は深くなる。
このように本関連技術では、曳航速度の変化に応じて、曳航体30の深度が変化してしまい、曳航体30の姿勢を安定化することが難しいという問題があった。特に、海洋のように潮流が存在する環境で使用する場合、潮流は時々刻々と変化するため、使用環境を精度よく模擬的に再現することが困難であった。このような問題は、以下に説明する実施形態によって解決される。
尚、以下の説明では、上述の関連技術と共通する箇所には共通の符号を用いることとし、重複する説明は適宜省略することとする。
(実施形態)
本発明の幾つかの実施形態に係る曳航装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る曳航装置の全体構成を側方から示す模式図であり、図2Aは最大曳航速度Vmaxよりやや高い速度の場合に、図1に示された曳航体に対して作用する各力を側方から示す模式図であり、図2Bは最大傾向速度Vmax以下の場合に、図1に示された曳航体に対して作用する各力を側方から示す模式図である。
曳航装置は、船舶1によって曳航体30を曳航する装置であって、ブイ40と、該ブイ40を曳航体30に接続する鉛直索42と、曳航体30を船舶1に接続する曳航索32とを備える。ここで、鉛直索42の長さは、目標深度に設定されている。船舶1によって曳航される曳航体30には、上記関連技術と同様に、曳航体30の重力Mg、抗力F、及び、曳航索32の張力Tが作用することに加えて、更に、曳航速度に応じて、鉛直索42を介してブイ40から与えられる浮力Ffが作用する。
図2Aに示されるように、曳航速度が最大曳航速度Vmaxよりやや高い速度の場合、図12Aを参照して前述したように、曳航体30の深度は比較的浅くなる。曳航体30の深度が鉛直索42の長さより小さいため、鉛直索42は緩んだ状態にある。そのため、曳航体30にはブイ40による浮力Ffは作用することなく、目標深度よりやや浅くなる。
一方、図2Bに示されるように、曳航速度が最大傾向速度Vmax以下の場合、図12Bを参照して前述したように、曳航体30の深度は深くなろうとする。そのため、曳航体30の深度が鉛直索42の長さに達すると、曳航体30には鉛直索42を介してブイ40の浮力Ffが作用する。これにより、曳航体30が目標深度を超えて沈下することが防止され、曳航体30の深度が適切な範囲内に維持される。
このように本実施形態に係る曳航装置では、曳航体30の曳航速度に変化が生じる場合であっても、曳航索32の長さを変更することなく、曳航体30の深度を安定的に維持できる。
好ましくは、曳航索32の長さは、曳航体30の重量M、目標深度X、最大曳航速度Vmaxに流体から受ける流体力F、及び、重力加速度gを用いて、次式
Y=X/sinθ (式1)
θ=tan−1(Mg/F) (式2)
より得られる値Yより長くなるように設定される。より好ましくは、曳航索のうち水面以下の部分の長さが上記式1及び式2によって規定される長さより長く設定されるとよい。このように鉛直索42及び曳航索32の長さを設定することにより、上記効果(曳航速度が変化する場合であっても、曳航体の深度を目標深度に安定的に維持しながら曳航可能である)が適切に享受できる。
続いて上記実施形態の一形態に係る曳航装置について、図3乃至図6を参照して説明する。図3は本発明の一実施形態に係る曳航装置の全体構成を側方から示す模式図であり、図4は図3に示された曳航装置を上方から示す模式図であり、図5Aは曳航速度が最大曳航速度Vmaxよりやや高い速度の場合に、図4に示された曳航体30に対して作用する各力を側方から示す模式図であり、図5Bは図5Aを上方から示す模式図であり、図6Aは曳航速度が最大傾向速度Vmax以下の場合に、図4に示された曳航体30に対して作用する各力を側方から示す模式図であり、図6Bは図6Aを上方から示す模式図である。
尚、以下の説明では上記実施形態と共通する箇所には共通する符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略することとする。
図3及び図4に示されるように、曳航体30を曳航するための曳航索32は、船舶1の進行方向を基準に左側に設けられた第1の曳航索32Lと、船舶1の進行方向を基準に右側に設けられた第2の曳航索32Rとを備える。第1の曳航索32Lには、船舶1の進行方向左側に向かって揚力を発生可能に構成された第1の揚力発生部30Lが設けられている。第2の曳航索32Rには、船舶1の進行方向右側に向かって揚力を発生可能に構成された第2の揚力発生部30Rが設けられている。
第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30Rは、例えばオッターボードから構成される。
第1の曳航索32L及び第2の曳航索32R間には、中継索32Cが設けられている。中継索32Cは特に、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30R間に設けられており、船舶1より水力発電装置10側において、第1の曳航索32L及び第2の曳航索32R間を接続する。中継索32Cの長さは、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30R間の目標とする水平距離として規定されている。これにより、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30R間の水平距離が目標値に保持される。また、中継索32Cの長さは該中継索32Cより船舶1側における第1の曳航索30L及び第2の曳航索30R間の間隔より長く設定されているので、第1及び第2曳航索は略V字形状となり安定性も得られる。
続いて、図5及び図6を参照して、曳航速度に伴う様子の変化について説明する。
図5A及び図5Bに示されるように、最大曳航速度Vmaxよりやや高い速度の場合、図2A及び図12Aを参照して前述した曳航体30と同様に、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30Rの深度は比較的浅くなる。第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30Rには、それぞれ鉛直索42L及び42Rを介してブイ40L及び40Rが設けられている。図5Aでは、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30Rの深度が鉛直索42L及び42Rの長さより小さいため、鉛直索42L及び42Rは緩んだ状態にある。そのため、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30Rにはブイ40L及び40Rによる浮力Ffは作用することなく、目標深度よりやや浅くなる。
一方、図6A及び図6Bに示されるように、曳航速度が最大傾向速度Vmax以下の場合、図2B及び図12Bを参照して前述した曳航体30と同様に、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30Rの深度は深くなろうとする。そのため、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30Rの深度が鉛直索42L及び42Rの長さに達すると、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30Rには、それぞれ鉛直索42L及び42Rを介してブイ40L及び40Rの浮力Ffが作用する。これにより、第1の揚力発生部30L及び第2の揚力発生部30Rが目標深度を超えて沈下することが防止され、深度が適切な範囲内に維持される。
このように本実施形態では、中継索32Cによって互いに接続された2本の曳航索32L及び32Rにそれぞれ揚力発生部30L及び30Rを設け、各揚力発生部30L及び30Rに鉛直索42L及び42Rを介してブイ40L及び40Rを設けることで、優れた安定性が得られる。
(曳航体の制御方法)
続いて図7及び図8を参照して、上記曳航装置を利用した曳航方法について説明する。図7は本発明の幾つかの実施形態に係る曳航方法を示すフローチャートであり、図8は曳航前における曳航装置を示す模式図である。
まず船舶1を目標ポイント(曳航ポイント)に移動する前に、上述の曳航装置の準備を行う(ステップS1)。具体的には、曳航体30にブイ40及び鉛直索42を接続することにより準備を行う。この準備は、船舶1を目標ポイントに移動した後、図1等に示される状態を実現して曳航可能なように、曳航体30に対してブイ40及び鉛直索42を予め接続する。
続いて、ブイ40及び鉛直索42が接続された曳航体30を曳航索32に接続し、ウィンチ2にセットする(ステップS2)。その後、ウィンチ2を操作することにより、曳航索32を第1の長さL1に設定する(ステップS3)。ここでステップS3では、図8に示すように、第1の長さL1は、実質的に基礎体36として機能する曳航体30が船舶1上に格納され(図8では曳航体30は船舶外に存在しないので、図示を省略している)、且つ、曳航体30の先に、係留索22を介して接続された水流発電装置10が流体中に位置するように設定される。
続いて、船舶1を目標ポイントに移動する(ステップS4)。移動中、体積が比較的大きな水力発電装置1は流体中に位置し、浮力を受けるので、目標ポイントまで容易に輸送できる。
尚、水力発電装置1が比較的小さい場合には、曳航体30、ブイ40及び鉛直索42などと共に船舶1の内部に収納してもよい。この場合、第1の長さは更に短くなり、端的に言えば、ゼロでもよい。
船舶1が目標ポイントに到着すると、ウィンチ2を操作することにより、曳航索32を第2の長さL2(>L1)に設定し(ステップS5)、曳航体30、ブイ40及び鉛直索42を流体中に投入する(ステップS6)。第2の長さL2は、曳航体30及び水力発電装置10が流体中に位置するように設定される。そして、船舶1によって曳航が開始されることによって、流体中に投入された曳航体30、ブイ40及び鉛直索42は、進行方向からの抗力を受け、図1乃至図6に示される各種配置となる(ステップS7)。
このように目標ポイントへの移動前後において、曳航索32の長さを調整することにより、目標ポイントへの移動から目標ポイントにおける曳航に至るまでの一連の動作をスムーズに実施できる。
本開示は、船舶によって曳航体を曳航する曳航装置及び該曳航装置を使用した曳航方法に利用可能である。
1 船舶
2 ウィンチ
10 水力発電装置(潮流発電装置)
22 係留索
26 基礎体
30 曳航体
30L 第1の揚力発生部
30R 第2の揚力発生部
32 曳航索
32L 第1の曳航索
32R 第2の曳航索
32C 中継索
40 ブイ
42 鉛直索

Claims (8)

  1. 船舶によって少なくとも1の曳航体を曳航する曳航装置であって、
    少なくとも1のブイと、
    前記曳航体の目標深度に対応する長さを有し、前記少なくとも1のブイを前記少なくとも1の前記曳航体にそれぞれ接続する少なくとも1の鉛直索と、
    前記少なくとも1の曳航体を前記船舶にそれぞれ接続する少なくとも1の曳航索と
    を備えることを特徴とする曳航装置。
  2. 前記少なくとも1の曳航索の各々の長さは、当該曳航索に対応する前記曳航体の重量M、目標深度X、最大曳航速度において流体から受ける抗力F、及び、重力加速度gを用いて、次式
    Y=X/sinθ
    θ=tan−1(Mg/F)
    より得られる値Yより長く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の曳航装置。
  3. 前記少なくとも1の曳航体は、前記前記船舶の進行方向左側に向かって揚力を発生可能に構成された第1の曳航体、及び、前記前記船舶の進行方向右側に向かって揚力を発生可能に構成された第2の曳航体を含み、
    前記少なくとも1の曳航索は、
    前記船舶及び前記第1の曳航体間を接続する第1の曳航索と、
    前記第1の曳航索より右側に配置され、前記船舶及び前記第2の曳航体間を接続する第2の曳航索と、
    前記第1の曳航索及び前記第2の曳航索間を接続する中継索と
    を備え、
    前記中継索の長さは、前記第1の曳航体及び前記第2の曳航体間の目標とする水平距離として規定されており、且つ、該中継索より前記船舶側における前記第1の曳航索及び前記第2の曳航索間の間隔より長く設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の曳航装置。
  4. 前記中継索は、前記第1の曳航体及び前記第2の曳航体間を接続することを特徴とする請求項3に記載の曳航装置。
  5. 前記第1の曳航体及び前記第2の曳航体は、それぞれオッターボードであることを特徴とする請求項3又は4に記載の曳航装置。
  6. 前記曳航体には、水力を利用して発電を行う水力発電装置が係留されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の曳航装置。
  7. 船舶によって曳航される曳航体の曳航方法であって、
    a)前記船舶を目標ポイントに移動する前に、前記曳航体に鉛直索を介してブイを接続する工程と、
    b)前記曳航体を前記船舶からの長さが調整可能な曳航索に接続する工程と、
    c)前記船舶を目標ポイントに移動する工程と、
    d)前記曳航索の前記船舶からの長さを増加させることにより、前記曳航体を流体中に投入する工程と、
    e)前記船舶を進行させることにより、前記曳航体を曳航する工程と
    を備えることを特徴とする曳航方法。
  8. 前記曳航体には水力発電装置が係留されており、
    前記b)工程では、前記曳航体が前記船舶に格納され、且つ、前記水力発電装置が流体中に位置するように、前記曳航索の長さを調整し、
    前記d)工程では、前記曳航体及び前記水力発電装置が前記流体中に位置するように、前記曳航索の長さを調整することを特徴とする請求項7に記載の曳航方法。
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