JP6230838B2 - 水中構造物システム及び水中構造物の係留方法 - Google Patents

水中構造物システム及び水中構造物の係留方法 Download PDF

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Description

本発明は、水中構造物システム及び水中構造物の係留方法に関する。
水中に浮遊させる水中構造物(浮体構造物)が知られている。そのような水中構造物として、海流発電装置が知られている。例えば、米国特許公開US2013/0106105A1(特許文献1)に、複数の海流エネルギー抽出装置が開示されている。この潜水可能な装置は、プラットフォームを備える。そのプラットフォームは、横断する翼構造と、少なくとも二つの浮力のある電力ポッドと、少なくとも一つの前方係留索と、一つの鉛直係留索と、電力送電手段とを具備している。少なくとも二つの浮力のある電力ポッドは、横断する翼構造に添えられている。各電力ポッドは、固定ピッチロータ翼を有する海流ロータアセンブリを備えている。各ロータアセンブリは、流体密封容器に収容された電力発生システムに結合されている。各ロータアセンブリ中の電力発生システムは、水力直接駆動系を備えている。水力直接駆動系は、ロータアセンブリから水力ポンプまでの駆動軸を備え、更に少なくとも一つのロータ駆動水力ポンプと一つの水力ブレーキとを備えている。水力ポンプは、動作可能に少なくとも一つの定速水力モータに接続されている。定速水力モータは、動作可能に少なくとも一つの発電機に接続されている。各前方係留索は、第1端部と第2端部とを有している。各前方係留索の第1端部はプラットフォームの中央結合点に結合され、各前方係留索の第2端部は海底のアンカーに接続されている。鉛直係留索は、第1端部と第2端部とを有している。鉛直係留索の第1端部は、プラットフォーム下に位置する海底のアンカーに接続されている。鉛直係留索の第2端部は、プラットフォームの下側の結合点に結合されている。鉛直係留索は、プラットフォームが海水面下の所定の深さよりも上に上がらないような長さを有している。電力送電手段は、電力ポッドで生成された電力を配電網へ送信する。プラットフォームは、受動的深度調整(パッシブ・デプス・コントロール)を用いて、プラットフォームに掛かる力を最小にする定常状態平衡位置に達する。
ここで、パッシブ・デプス・コントロールは、海流発電装置のロータアセンブリでの海流の流速を定格値に保持する技術である。図1Aは、このパッシブ・デプス・コントロールを説明する模式図である。パッシブ・デプス・コントロールは、プラットフォーム102にかかる、海流に平行なスラスト力Thと、海水による浮力Buと、前方係留索103による係留張力Teとによる力の釣合を利用したシステムである。なお、鉛直係留索105は、プラットフォーム102の深度が所定の深度よりも浅くならないような長さを有し、前方係留索103よりも短い。パッシブ・デプス・コントロールは、具体的には、以下に示すとおりである。
スラスト力Thと浮力Buと係留張力Teとは、前方係留索103のケーブル角度がθのとき、Th=Te・cosθ、Bu=Te・sinθ、であるから、
Bu/Th=tanθ … (1)
が成立する。また、海流が定格流速Vのとき、ケーブル角度θで、スラスト力Th、浮力Bu(一定)及び係留張力Teが釣合っている状態を「定格状態」と定義する。
「定格状態」からプラットフォーム102に作用する流速Vが大きくなると、スラスト力Thが増加しTh>Thとなる。一方、Buは変化しない。したがって、式(1)より、Bu/Th<Bu/Th、すなわちθ<θとなる。すなわち、プラットフォーム102の深度は深くなる。ここで、海流は、深度が深いほど流速Vが遅くなる。したがって、プラットフォーム102に作用する流速Vが大きくなったとき、プラットフォーム102の深度が深くなることで、流速Vを定格流速Vに近い状態に保つことができる。言い換えると、流速の変化により、定格流速Vとなる深度が深くなればなるほど、プラットフォーム102の深度も深くなり、定格流速Vに近い流速で発電することが可能になる。
逆に、「定格状態」からプラットフォーム102に作用する流速Vが小さくなると、スラスト力Thが減少しTh<Thとなる。一方、Buは変化しない。したがって、式(1)より、Bu/Th>Bu/Th、すなわちθ>θとなる。すなわち、プラットフォーム102の深度は浅くなる。ここで、海流は、深度が浅いほど流速Vが速くなる。したがって、プラットフォーム102に作用する流速Vが小さくなったとき、プラットフォーム102の深度が浅くなることで、流速Vを定格流速Vに近い状態に保つことができる。言い換えると、流速の変化により、定格流速Vとなる深度が浅くなればなるほど、プラットフォーム102の深度も浅くなり、定格流速Vに近い流速で発電することが可能になる。
米国特許公開US2013/0106105A1
上述のように、特許文献1のパッシブ・デプス・コントロールは、海流発電装置(プラットフォーム102)を自動的に定格流速の近傍の深度に移動させることができる。しかし、この技術は、海流の向きを一つの向きに規定している。図1Bは、海流の向きによる海流発電装置の深度の相違を示す模式図である。図1Bの右側は、パッシブ・デプス・コントロールが予定する向きに海流(流速V)が流れる場合を示している。図1Bの左側は、パッシブ・デプス・コントロールが予定する向きとは逆の向きに海流(流速V)が流れている場合を示している。図1Bの左側の場合(逆流の場合)では、前方係留索103ではなく、鉛直係留索105に係留直力Teがかかることになる。その場合、鉛直係留索105は、前方係留索103よりも短いため、海流が定格流速V(ケーブル角度θ)であっても、プラットフォーム102の深度が相対的に深くなる。すなわち、海流が定格流速V(ケーブル角度θ)であっても、海流が逆流の場合には、深度が相対的にDだけ深くなる。その結果、プラットフォーム102の深度の正しい制御が困難になる。海流の向きに依らず、水中構造物を所望の深度(範囲)に保持することが可能な技術が望まれる。
本発明の目的は、海流の向きに依らず、水中構造物を所望の深度範囲に保持することが可能な水中構造物システム及び水中構造物の係留方法を提供することにある。
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。
本発明の水中構造物システムは、複数の第1係留索(4)と第2係留索(3)と、水中構造物(2)とを具備している。複数の第1係留索(4)は、一端を海底の互いに離れた位置に固定されている。第2係留索(3)は、一端を複数の第1係留索(4)の他端に接続されている。水中構造物(2)は、第2係留索(3)の他端に接続されている。
上記の水中構造物システムにおいて、水中構造物(2)は、海水の流れを用いて発電を行う海流発電装置(2)を含んでいてもよい。
上記の水中構造物システムは、海流発電装置(2)と海底に設けられた第1送電線(12)とを接続する第2送電線(11)を更に具備していてもよい。第2送電線(11)は、複数の第1係留索(4)と第2係留索(3)とが接続する接続点に束縛されていてもよい。
上記の水中構造物システムにおいて、複数の第1係留索(4)は、2本以上であってもよい。
上記の水中構造物システムにおいて、複数の第1係留索(4)と第2係留索(3)とが接続する接続点を頂点としたとき、複数の第1係留索(4)のうちの任意の隣接する2本としての辺が成す角は略等しくなるように、複数の第1係留索(4)が海底に固定されていてもよい。
上記の水中構造物システムにおいて、第2係留索(3)は、複数本設けられていてもよい。
上記の水中構造物システムにおいて、複数の第1係留索(4)のいく本かは、他端を第1接続点(P1)で接続されていてもよい。複数の第1係留索(4)の他のいく本かは、他端を第2接続点(P2)で接続されていてもよい。複数の第2係留索(3)は、副係留索(31)と他の副係留索(31)と更に他の副係留索(32)とを備えていてもよい。副係留索(31)は、一端を前記第1接続点(P1)に接続されている。他の副係留索(31)は、一端を前記第2接続点(P2)に接続されている。更に他の副係留索(32)は、一端を第1接続点(P1)に接続され、他端を前記第2接続点(P2)に接続されている。
本発明の水中構造物の係留方法は、複数の第1係留索(4)の一端を海底の互いに離れた位置に固定するステップと、第2係留索(3)の一端を複数の第1係留索(4)の他端に接続するステップと、水中構造物(2)を第2係留索(3)の他端に接続するステップとを具備している。
本発明により、海流の向きに依らず、水中構造物を所望の深度範囲に保持することが可能な水中構造物システム及び水中構造物の係留方法を提供できる。
図1Aは、パッシブ・デプス・コントロールを説明する模式図である。 図1Bは、海流の向きによる海流発電装置の深度の相違を示す模式図である。 図2Aは、第1の実施の形態に係る水中構造物システムの構成を示す模式図である。 図2Bは、第1の実施の形態に係る水中構造物システムの構成を示す模式図である。 図2Cは、第1係留索の構成を示す模式図である。 図3は、第1の実施の形態に係る海流発電装置の一例を示す斜視図である。 図4は、第1の実施の形態に係る水中構造物システムの構成を示す模式図である。 図5は、第2の実施の形態に係る水中構造物システムの構成を示す模式図である。 図6は、第2の実施の形態に係る水中構造物システムの他の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態に係る水中構造物システム及び水中構造物の係留方法に関して、添付図面を参照して説明する。以下では、本発明の実施の形態に係る水中構造物として、海流発電装置を例として説明するが、各実施の形態はその例に限定されるものではなく、水中に係留される他の水中構造物に対しても適用可能である。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る水中構造物システム及び水中構造物の係留方法について説明する。
図2A及び図2Bは、本実施の形態に係る水中構造物システムの構成を示す模式図である。図2Aは図の右側から定格流速Vの海流が流れてくる場合を示し、図2Bは図の左側から定格流速Vの海流が流れてくる場合を示している。水中構造物システム1は、複数の第1係留索4と、第2係留索3と、水中構造物としての海流発電装置2とを具備している。複数の第1係留索4は、一端を海底の互いに離れた位置に固定されている。第2係留索3は、一端を複数の第1係留索4の他端に接続されている。水中構造物としての海流発電装置2は、第2係留索3の他端に接続されている。海流発電装置2は、海水の流れを用いて発電を行う。
本実施の形態では、複数の第1係留索4は、ある深度で1本に束ねられ、第2係留索3と接続している。この場合、海流の向きがどの向きであっても、複数の第1係留索4のうちの、その海流の上流側にある1本の第1係留索4にテンションがかかり、他の第1係留索4は緩んだ状態となる。その結果、そのテンションのかかった1本の第1係留索4は、それに接続されている第2係留索3と共に、実質的に1本の係留索とみることができる。言い換えると、海流の向きがどの向きであっても、海流発電装置2を1本の係留索(テンションのかかった第1係留索4+第2係留索3)で係留している場合と同じような状態とすることができる。その結果、その1本の係留索(テンションのかかった第1係留索4+第2係留索3)に接続された海流発電装置2は、スラスト力と、浮力と、係留張力とが釣り合う深度に移動することができる。(なお、海流の方向が隣接する2本の第1係留索4の中間の方向の場合、2本の第1係留索4にテンションがかかる場合はあるが、その場合には、その2本と第2係留索3とで実質的に1本の係留索と見なせる。)
また、複数の第1係留索4の束ねられた箇所(複数の第1係留索4と第2係留索3との接続点P)は、海流の向きがどの向きであっても、複数の第1係留索4のうちのいずれか1本の第1係留索4(上流側)に引っ張られる。そのため、その接続点Pの位置は、平面視(上から見たとき)で、移動範囲が限定される。一方、その接続点Pは、複数の第1係留索4の全てにテンションがかかった位置を上限とし、海底を下限とする範囲で上昇又は下降する。すなわち、その接続点Pの位置は、側面視(横から見たとき)で、所定の範囲内で深度が変動する。したがって、複数の第1係留索4は、接続点Pの位置を、海流の向きに依らず、海流発電装置2の平面視での移動範囲を限定しつつ、海流発電装置2が水面上に浮上しない深度範囲を限定している。
このとき、例えば、海流がある第1係留索4の側から接続点Pに向かう向きの場合、その第1係留索4が第2係留索3と共に特に引っ張られ、1本の係留索のように機能する。その結果、その先の海流発電装置2が海流の流速Vに応じた深度に収まる。それに伴い、接続点Pの深度は、海流の流速Vに応じた深度になる。本実施の形態では、複数の第1係留索4が一端を海底の互いに離れた位置に固定されているため、海流の向きがどの向きであっても、複数の第1係留索4の少なくとも一本が、上記のようにして、第2係留索3と共に引っ張られることになる。
以上のように、海流の向きに応じて、複数の第1係留索4の少なくとも1本にテンションがかかり、そのテンションがかかった第1係留索4と第2係留索3とが実質的に1本の係留索となることで、海流発電装置2が海流の流速Vに応じた深度になる。すなわち、全体として、海流発電装置2は、海流の向きに依らず、海流の流速Vに応じた深度になる。そのため、海流の向きに依らず、海流発電装置2を適切な深度に保持することが可能になり、海流発電装置2を定格速度V付近の海流内に保持することができる。
複数の第1係留索4が全て上方へ引っ張られた状態で、複数の第1係留索4と第2係留索3との接続点Pの深度は最も浅くなり、それ以上浅い深度にはならない。したがって、海流発電装置2は、その深度から第2係留索3の長さを引いた深度よりも浅い深度へ移動することはない。すなわち、複数の第1係留索4は、第2係留索3と共に、海流発電装置2の深度が到達できる最も浅い深度を規定している。それにより、本実施の形態に係る水中構造物システム1では、特許文献1のような鉛直係留索105は不要である。
水中構造物システム1は、水中構造物が海流発電装置2の場合、更に、海流発電装置2と海底に設けられた第1送電線12と接続する第2送電線11を具備している。第2送電線11は、途中の部分が、複数の第1係留索4と第2係留索3とが接続する接続点Pに束縛されている。その理由は、第2送電線11が第1係留索4や第2係留索3と絡み合わないようにするため、及び、第2送電線11と海流発電装置2との接続点や第2送電線11と第1送電線12との接続点Qに過度な負荷がかからないようにするためである。また、第2送電線11は、海流発電装置2の位置(第1係留索4及び第2係留索3の状態)に依らず、緩んだ状態になるような十分な長さを有するものとする。第1送電線12は、海底に載置され、例えば陸上の受電設備に接続されている。
第1係留索4及び第2係留索3の長さは、海流発電装置2が移動可能な範囲の海流の速度が定格流速の範囲となるように設定されることが好ましい。
第1係留索4は、2本以上であることが好ましい。2本以上の第1係留索4を、一端を海底の互いに離れた位置に固定し、他端を束ねるように設置する。2本以上あれば、海流の向きに依らず、海流発電装置2を定格速度V付近の海流内に保持することができる。例えば、2本の場合には、ある第1方向から来る海流に対しては、ある1本の第1係留索4と第2係留索3とが実質的に1本の係留索として機能し、海流速度に応じた適切な深度に海流発電装置2を移動させることができる。また、その第1方向の逆の第2方向から来る海流に対しては、他の1本の第1係留索4と第2係留索3とが実質的に1本の係留索として機能し、海流速度に応じた適切な深度に海流発電装置2を移動させることができる。また、上記第1方向と第2方向との間の方向から来る海流に対しては、2本の第1係留索4と第2係留索3とが実質的に1本の係留索として機能し、海流速度に応じた適切な深度に海流発電装置2を移動させることができる。これは、第1係留索4が3本以上であっても同様である。
海流の向きの依存性を少なくする観点からは、第1係留索4の本数が多い方が好ましい。一方、係留作業や部材にかかるコスト等の観点からは、第1係留索4の本数が少ない方が好ましい。これらを考慮すると、3本又は4本であることがより好ましい。なお、海流の向きが、例えば、ほぼ正反対の2つの向きに限定される場合には、第1係留索4は2本が好ましい。
また、複数の第1係留索4の設置の一形態として、接続点Pを頂点とし、複数の第1係留索4のうちの任意の隣接する2本(二辺)が成す複数の角を考えた場合、それら複数の角が略等しくなるように海底に固定してもよい。ここで、「略」は±10%程度の誤差を含む意味である。この場合には、複数の第1係留索4での海流の向きの依存性をより無くすことができる。例えば、3本の場合、隣接する第1係留索4同士の角度は約120度とする。4本の場合、隣接する第1係留索4同士の角度は約90度とする。以下同様である。また、その場合には、複数の第1係留索4は、概ね同じ長さであることが好ましい。それにより、海流の向きの依存性をより無くすように、設計、設置が容易になる。
図2Cは、4本の第1係留索4の例を示している。これは、海流のない仮想的な状態を上方から見た図である。4本の第1係留索4は、概ね長さが等しく、接続点Pを中心とする仮想円Cの半径に等しくなっている。また、4本の第1係留索4は、接続点Pを頂点とし、複数の第1係留索4のうちの任意の隣接する2本(二辺)が成す複数の角αが等しくなるように配置されている。この場合、α=90度である。第1係留索4の本数が3本や、5本異所の場合も同様である。
図3は、本実施の形態に係る海流発電装置2の一例を示す斜視図である。海流発電装置2は、2組の海流発電機20と、接続部材23とを備えている。接続部材23は、2組の海流発電機20を接続する。その断面は、海流に対して低抵抗となるように翼断面や流線形を有していても良い。第2係留索3は、接続部材23の前方中央部24に接続されている。海流発電機20は、海流を用いて発電する発電機である。その構成には特に制限はない。この図の例では、海流発電機20は、ブレード22と、ハブ25と、ナセル21とを備えている。ブレード22は、海流の海水を受けて回転する。ブレード22の枚数は、2枚以上である。ブレード22の形状は特に限定はない。2組の海流発電機20は、互いに逆方向にブレード22を回転させる。ハブ25は、ブレード22をナセル21のロータ軸に連結し、ブレード22の回転をロータ軸に伝達する。ナセル21は、増速機や発電機などを含み、ロータ軸の回転のエネルギーに基づいて電力を生成する。生成された電力は、第2送電線11を介して出力される。海流発電機20及び接続部材23のうちの少なくとも一方は、海水に対して浮体として機能する。海流発電機20は、固定ピッチロータ翼を有する海流発電機や可変ピッチロータ翼を有する海流発電機に例示される。
次に、本実施の形態に係る水中構造物の係留方法について説明する。
まず、複数の第1係留索4を準備し、それらの一端を海底の互いに離れた位置に固定する。固定する方法は、従来知られた係留索を海底に固定する方法を用いることができる。次に、第2係留索3を準備し、その一端を複数の第1係留索4の他端に接続する。その接続方法は、従来知られた係留索を互いに接続する方法を用いることができる。その後、水中構造物としての海流発電装置2を第2係留索3の他端に接続する。その接続方法は、従来知られた係留索を機器に接続する方法を用いることができる。このようにすることで、海流発電装置2は、第2係留索3(及び第1係留索4)に引っ張られつつ、海流に流されて、力の釣り合い等で定まる深度(定格流速の範囲の深度)に達する。以上のようにして、水中構造物としての海流発電装置2を係留することができる。ただし、複数の第1係留索4の全部又は一部と第2係留索3とは予め接続してあっても良い。また、第2係留索3と海流発電装置2とは予め接続してあっても良い。
次に、本実施の形態に係る水中構造物システムの動作について説明する。
海中に係留された海流発電装置2は、海流により流される。その結果、第2係留索3と複数の第1係留索4の一部とが引っ張られ、第2係留索3に係留張力が発生する。このとき、海流発電装置2には、海流によるスラスト力と、海水による浮力と、第2係留索3による係留張力とがかる。その結果、海流発電装置2はそれら3つの力が釣り合う位置へ移動する。例えば、スラスト力が大きい場合(海流の流速が速い場合)、深度が深くなり、海流の速度が遅い領域へ移動する。一方、スラスト力が小さい場合(海流の流速が遅い場合)、深度が浅くなり、海流の速度が速い領域へ移動する。それにより、海流発電装置2を、海流の流速に応じた適切な深度に保持することができる。このとき、複数の第1係留索4や第2係留索3の動きや、海流発電装置2の深度は、海流の向きに依存することはない。
このようにして、上記係留方法を用いることにより、水中構造物システムにおける海流発電装置2を、海流の向きに依らず、海流の流速Vに応じた適切な深度に保持することが可能になる。その結果、海流の向きに依らず、海流発電装置2へ定格速度付近の海流内に保持することができる。
以上示されるように、本実施の形態により、海流の向きに依らず、水中構造物を所望の深度の範囲に保持することが可能となる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る水中構造物システム及び水中構造物の係留方法について説明する。本実施の形態では、第2係留索3の構成(本数)が第1の実施の形態と相違している。以下、主に相違点について説明する。
図5は、本実施の形態に係る水中構造物システムの構成を示す模式図である。一方、図4は、第1の実施の形態に係る水中構造物システムの構成を示す模式図である。図4は、図5と比較するために示している。そして、いずれの場合も、海流のない仮想的な状態を示している。第1の実施の形態の水中構造物システム1(図4)では、水中構造物としての海流発電装置2は、一本の第2係留索3により、複数の第1係留索4に接続されている。そのため、その一本の第2係留索3が切断されると、水中構造物が漂流するおそれがある。そこで、本実施の形態の水中構造物システム1a(図5)では、水中構造物としての海流発電装置2は、少なくとも2本の第2係留索3aにより、複数の第1係留索4に接続されることとする。
図5に示されるように、水中構造物システム1aは、複数の第1係留索4と、複数の第2係留索3aと、水中構造物としての海流発電装置2とを具備している。
複数の第1係留索4のうちのいく本かは、一端を海底の互いに離れた位置に固定され、他端を第1接続点P1で束ねられている(接続されている)。また、複数の第1係留索4のうちの他のいく本かは、一端を海底の互いに離れた位置に固定され、他端を第2接続点P2で束ねられている(接続されている)。この図の例では、複数の第1係留索4は4本ある。そのうちの2本は、一端を海底の互いに離れた位置に固定され、他端を第1接続点P1で束ねられている(接続されている)。そのうちの他の2本は、一端を海底の互いに離れた位置に固定され、他端を第2接続点P2で束ねられている(接続されている)。
また、この図の例では、複数の第2係留索3aは、2本の副係留索31と、1本の副係留索32とを含んでいる。2本の副係留索31のうちの1本は、一端を第1接続点P1に接続され、他端を海流発電装置2に接続されている。2本の副係留索31のうちの他の1本は、一端を第2接続点P2に接続され、他端を海流発電装置2に接続されている。副係留索32は、一端を第1接続点P1に接続され、他端を第2接続点P2に接続されている。なお、副係留索32の長さに特に制限はないが、例えば、複数の第1係留索4の海流の向きの依存性を少なくする観点からは短い方が好ましい。また、複数の第2係留索3aの本数に特に制限はないが、例えば、切断に対する信頼性(安全性)の観点からは多い方が好ましいと考えられる。
この場合、一本の副係留索31が切断されても、他の副係留索31があるので、海流発電装置2の漂流を防止することができる。
図5の場合では、副係留索32(第1接続点P1と第2接続点P2とに接続)が設けられていたが、それが設けられていなくても良い。図6は、本実施の形態に係る水中構造物システムの他の構成を示す模式図である。この水中構造物システム1bは、第2係留索3bとして2本の副係留索31を用いている。すなわち、2本の副係留索31を用いている点で、図4の第1の実施の形態と相違している。又は、副係留索32を無くして第1接続点P1と第2接続点P2とを一体としている点で、図5の実施の形態と相違している。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
加えて、一本の第2係留索(副係留索31)が切断されても、他の第2係留索(副係留索31)があるので、海流発電装置の漂流を防止することができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。
1、1a、1b 水中構造物システム
2 海流発電装置
3、3a、3b 第2係留索
4 第1係留索
11 第2送電線
12 第1送電線
20 海流発電機
21 ナセル
22 ブレード
23 接続部材
24 前方中央部
25 ハブ
31、32 副係留索
102 プラットフォーム
103 前方係留索
105 鉛直係留索

Claims (4)

  1. 一端海底の互いに離れた位置に固定され、他端が1つの接続点で互いに接続された複数の第1係留索と、
    一端前記複数の第1係留索を互いに接続する前記接続点に接続され、前記複数の第1係留索よりも長さが短い第2係留索と、
    前記第2係留索の他端に接続された水中構造物と
    を具備し、
    前記複数の第1係留索と前記第2係留索とが接続された前記接続点を頂点としたとき、前記複数の第1係留索のうちの任意の隣接する2本としての辺が成す角が略等しくなるように、前記複数の第1係留索は前記海底に固定され、
    前記接続点は、前記水中構造物と前記海底に設けられた第1送電線とを接続する第2送電線を束縛する
    水中構造物システム。
  2. 請求項1に記載の水中構造物システムにおいて、
    前記水中構造物は、海水の流れを用いて発電を行う海流発電装置を含む
    水中構造物システム。
  3. 請求項1又は2に記載の水中構造物システムにおいて、
    前記複数の第1係留索は、本以上である
    水中構造物システム。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の水中構造物システムにおいて、
    前記第2係留索は、複数本設けられる
    水中構造物システム。
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