JP2016055586A - 布帛及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表地、裏地などの繊維布帛の間に樹脂層を有する布帛であっても、薄く、軽く、柔らかい布帛及び前記布帛製造工程が簡略化され生産性に優れる繊維布帛と繊維布帛の間に樹脂層を有する薄く、軽く、柔らかい布帛の製造方法の提供。【解決手段】1つの繊維布帛と他の1つの繊維布帛との間に、ウレタン樹脂を湿式凝固させて形成された樹脂層を有し、前記1つの繊維布帛と他の1つの繊維布帛が前記樹脂層で接着されている布帛。前記樹脂層が多孔質である布帛。【選択図】なし

Description

本発明は、布帛及びその製造方法に関するものである。
雨などの水の浸入を抑える防水性、また、水の浸入を抑えながら湿気を通過させることができる透湿防水性を有する布帛は、合羽、コート、ジャンパー、スキーウエア―、スノーボードウエア、帽子、手袋、靴、布団側地、作業服、テント、寝袋、シーツなど種々の製品に使用されている。
このような布帛には、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエステル樹脂などを用いて製造された樹脂層が繊維布帛に積層されており、その樹脂層は多孔質や無孔となっているものが知られている。
この中でもウレタン樹脂を湿式凝固させて形成された多孔質の樹脂層を有するものは、優れた伸縮性を有し、透湿性、防水性ともバランスのとれた性能を有していることにより、幅広い用途で用いることができる。そして、このようなウレタン樹脂の多孔質の樹脂層は湿式凝固により形成されることが知られている。(特許文献1)
また、防水性を付与するための樹脂層が積層された布帛を衣服に用いるときなどは、透湿性防水布帛の樹脂層を有する面側に裏地が縫製によりつけられることが多い。そして、表地と裏地の一体感を出すためや裏地をつけるための縫製を簡略化させるなどの目的で、あらかじめ表地に積層された多孔質や無孔質の樹脂層上に裏地を接着剤を用い積層させたものも知られており、表地や裏地として編物や織物を用いることが知られている。(特許文献2、3、4)
また、近年、より軽く、薄く、柔らかい布帛が望まれており、前記樹脂層を有する布帛も、布帛を構成する表地、裏地を薄く、また、樹脂層の厚みを薄くすることにより、軽く、薄く、柔らかい繊維布帛の開発が進められている。
特開平05−078984号公報 特開平07−009604号公報 特開平2002−67205号公報 特開2007−283774号公報
しかしながら、表地、裏地などの繊維布帛の間に樹脂層を有する布帛において一方の繊維布帛と樹脂層は、接着剤を介さずに積層させることは可能であるが、少なくとも一方の繊維布帛と樹脂層は接着剤を用い貼り合せる必要があった。
そのため、接着剤層の厚みが発生するとともに、一般的に用いられている接着剤は、2液型の樹脂を用いた樹脂を用いているため風合いも硬くなる傾向を有していた。
そこで、本発明では、表地、裏地などの繊維布帛の間に樹脂層を有する布帛であっても、薄く、軽く、柔らかい布帛を提供することを課題としている。
また、2枚の繊維布帛の間に樹脂層を有する布帛は、少なくとも一方の繊維布帛と樹脂層との積層には接着剤を用いていたが、この構成を有するものは、例えば、表地への樹脂の塗布工程、湿式凝固工程、乾燥工程、セット工程、多孔質層上への接着剤の付与工程、裏地の積層・貼り合わせ工程、エージング工程、セット工程などが必要であり、工程が長く、生産性上改善も望まれている。
したがって、本発明の製造方法では、工程が簡略化され生産性に優れる繊維布帛と繊維布帛の間に樹脂層を有する薄く、軽く、柔らかい布帛の製造方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる布帛は以下の構成を有する。
(1)本発明の布帛は、1つの繊維布帛と他の1つの繊維布帛との間に、ウレタン樹脂を湿式凝固させて形成された樹脂層を有し、前記1つの前記繊維布帛と前記他の1つの繊維布帛が前記樹脂層で接着されている。
(2)前記樹脂層が多孔質であることを特徴とする前記(1)に記載の布帛。
(3)耐水圧が300mm以上、塩化カルシウム法による透湿度が3000g/m・24hrs以上、酢酸カリウム法による透湿度が2000g/m・24hrs以上であることを特徴とする前記(1)または(2)のいずれかに記載の布帛。
また、本発明の布帛の製造方法は以下の構成を有する。
(4)1つの繊維布帛の片面にウレタン樹脂溶液を塗布する工程、
前記ウレタン樹脂を塗布した上に他の1つの繊維布帛を積層する工程、
前記1つの繊維布帛とウレタン樹脂溶液と他の1つの繊維布帛を積層したものを水中に浸漬し、ウレタン樹脂を湿式凝固させる工程を含む布帛の製造方法。
本発明の布帛は、軽く、薄く、柔らかい繊維布帛を提供することができる。また、本発明の布帛の製造方法は、軽く、薄く、柔らかい繊維布帛を簡略化された工程でえることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る繊維布帛について説明を行う。
本実施の形態の布帛は、1つの繊維布帛と他の1つの繊維布帛との間に、ウレタン樹脂を湿式凝固させて得られた樹脂層を有し、前記1つの前記繊維布帛と他の1つの繊維布帛とが前記樹脂層で接着されているものである。
本実施の形態の繊維布帛とは、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、アセテート、レーヨン、ポリ乳酸などの化学繊維、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維やこれらの混繊、混紡、交織品、交編品であってもよく、特に限定されるものではない。また、それらは織物、編物、不織布等いかなる形態であってもよい。
また、繊維布帛は、染色、捺染をはじめ、制電加工、撥水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、消臭加工、吸水加工、吸湿加工などを施してあってもよい。ウレタン樹脂溶液が繊維布帛の塗布とは反対の面まで含浸することを抑制する、また、得られる布帛の防水性を向上させるとの観点からは、撥水加工が施されるなどして撥水性を有しているものが好ましい。また、同様の理由でカレンダー加工がほどこされているものが好ましい。
繊維布帛の厚み、目付、糸使いは特に限定されないが、従来と同じ繊維布帛を用いても、接着剤を用いず、樹脂層と繊維布帛が直接積層されているため、従来よりも、軽く、薄く、柔らかい布帛が得られる。
特に軽い及び/又は薄い及び/又は柔らかい繊維布帛を用いた場合には、得られる布帛全体の厚みや目付に対し、接着剤がない割合が大きくなるため、接着剤を持ちいたものに比べ、本実施の形態の布帛は、より軽く、薄く、柔らかさを感じ取ることができる。
また、樹脂層が繊維布帛を構成する繊維の太さに比べ厚い場合には、樹脂層に含浸させる繊維布帛の割合を調整することにより、従来の接着剤を用いたものにくらべ、より厚みの減小率を大きくすることができる。
より軽く、薄く、柔らかさを感じ取るとの観点からは、下記の厚み、目付、糸使いの繊維布帛が好ましい。
本実施の形態の繊維布帛として好ましくは、少なくとも一方の繊維布帛の目付が50g/m以下、より好ましくは40g/m以下、更に好ましくは30g/m以下、さらにより好ましくは20g/m以下である。下限は、得られる布帛の摩耗性に対する強度の観点より5g/m以上がよい。
また、本実施の形態の繊維布帛として好ましくは、少なくとも一方の繊維布帛が厚みは1.0mm以下、より好ましくは0.5mm以下、更に好ましくは0.2mm以下、さらにより好ましくは、0.1mm以下が好ましい。下限は、樹脂層の裏面(樹脂層に接する面の反対面)への含浸の観点から0.01mm以上がよい。
また、本実施の形態の繊維布帛として好ましくは、少なくとも一方の繊維布帛の糸使いとして、糸の太さが85デシテックス以下、より好ましくは45デシテックス以下、さらに好ましくは33デシテックス以下、さらにより好ましくは22デシテックス以下、またさらにより好ましくは17デシテックス以下がよい。なお、下限は繊維布帛の生産性の観点より5デシテックス以上がよい。
また、糸は、モノフィラメント、マルチフィラメントいずれも用いることができるが、柔らかさの観点よりマルチフィラメントが好ましい。
また、柔らかいとの観点からは、加工糸を用いた繊維布帛を用いるとよい。また、ポリエステル繊維を用いる場合は減量加工を施したものを用いるとよい。
本実施の形態の二枚の繊維布帛(1つの繊維布帛と他の1つの繊維布帛)は、同一のものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
例えば、本実施の形態の布帛を用い衣服を得る場合には、1つの繊維布帛が衣服の表地となり、他の1つが衣服の裏地となるとよい。このような場合は、1つの繊維布帛には撥水及び/又は撥油加工を行うなどして撥水及び/又は撥油性を付与し、他の1つの繊維布帛にも同様に撥水性及び/又は撥油を付与し、いずれの繊維布帛にも撥水性及び/又は撥油を付与することにより、布帛の製造時に繊維布帛に過剰に樹脂が含浸することを抑制させる性能を付与すると共に、表地は雨などの水をはじく性能を付与することができる。また、得られる布帛の防水性(耐水圧)を向上させることができる。樹脂層が30μm以下と薄い場合に特に防水性向上効果が大きい。
また、表地となる繊維布帛に撥水及び/又は撥油性を付与し、裏地となる繊維布帛には、吸水性や吸湿性を付与し、表地は雨などの水をはじき、裏地は衣服内の湿気を吸収しムレを抑える性能を付与してもよい。
また、これらを組み合わせ、表地となる繊維布帛に撥水及び/又は撥油加工を施し、裏地となる繊維布帛には、樹脂層と接触する面のみ撥水及び/又は撥油加工を施し撥水及び/又は撥油性を付与し、他の面には吸水加工や吸湿加工を施し、吸水性や吸湿性を付与すると、繊維布帛への樹脂の過剰な含浸を抑制しつつ、衣服の外側は、水をはじき、衣服内は湿気や汗を吸うことができるため好ましい。
また、本実施の形態の布帛の目付は、布帛を用いて製造する用途により異なるが、500g/m以下が好ましく、200g/m以下がより好ましく、100g/m以下がさらに好ましい。70g/m以下がさらにより好ましい。下限は用途等により異なるが、簡易用合羽に用いる場合には、強度の観点より25g/m以上がよい。
本実施の形態の布帛の厚みは、布帛を用いて製造する用途により異なるが、2.0mm以下がこのましい。より好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下、さらにより好ましくは0.3mm以下がよい。下限は用途等により異なるが、簡易合羽に用いる場合には強度の観点より0.05mm以上が好ましい。
また、本実施の形態のウレタン樹脂とは、水に浸漬すると凝固するもの、つまり湿式凝固するものを用いることができる。好ましくは湿式凝固させることにより、樹脂層が多孔質を形成するウレタン樹脂であると、風合い、透湿性の観点より好ましい。また、高い防水性を求める場合には、湿式凝固させた場合に、樹脂層が無孔質となるウレタン樹脂であるとよい。
ウレタン樹脂は、エーテル系、エステル系、エーテル・エステル系、ポリカーボネート系等特に限定されるものではなく任意に選択すればよいが、前記のとおり水や有機溶媒を含む水に浸漬することにより凝固し、好ましくは多孔質層を形成するものであれば良い。
また、これらのウレタン樹脂を配合して用いてもよい。
一般的に接着剤として用いられているウレタン樹脂は、2液型といわれるウレタン樹脂であり、ウレタンプレポリマーと3官能以上のイソシアネート系架橋剤を反応させ網目構造を形成させ硬化させるため、接着力は優れるものの硬い樹脂となってしまう。
また、風合いを柔らかくするために、接着剤をドット状に付与し、繊維布帛を積層した場合では、繊維布帛として薄い生地を用いたものでは、接着剤のドットが透けて見えてしまい、布帛としての外観品位が低下してしまうおそれがある。
それに比べ、湿式凝固するウレタン樹脂は、主として長鎖のポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤を用い合成されたものであり、湿式凝固時に架橋剤を併用しない一液型または2液型に比べ少量の架橋剤を併用するセミ一液型といわれるウレタン樹脂を用いるため、網目構造をとらないか、もしくは網目構造を形成した場合においても網目の密度が2液型に比べ少ないため、柔軟な樹脂層を形成することができる。さらに樹脂層が多孔質であればより柔軟な樹脂層を形成することができ、柔らかい布帛が得られる。
湿式凝固における成膜性の観点からはエステル系あるいはエーテル・エステル系のウレタン樹脂が好ましく、また、透湿性の観点からはエーテル系のウレタン樹脂が好ましい。
また、水に濡れた場合に、樹脂層が膨潤などを起こさずに形態が安定しているとの観点からは、エステル系、エーテル・エステル系のウレタン樹脂を用いるとよい。特に布帛の厚みが、0.2mm以下の薄いものを用いた場合には、水に濡れて樹脂層が膨潤すると、布帛の形状の変化が大きいためエステル系、エーテル・エステル系のウレタン樹脂を用いればよい。
また、本発明の目的を脱しない範囲で、樹脂層に、塩化ビニル樹脂、ホットメルト型ウレタン樹脂などの湿式凝固しないウレタン樹脂、アクリル樹脂などを配合してもよい。
また、本実施の形態の樹脂層には、二酸化けい素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の粒子、フッ素系やシリコン系やパラフィン系等の撥水剤、ジンクピリチオンや銀、銅、亜鉛などの抗菌剤、プロテイン、ゼラチン、吸湿アクリルビーズなどの吸湿剤、消臭剤、アンチモンドープ錫やカーボンブラックなどの赤外線吸収剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。
また、本実施の形態の樹脂層の厚みは、3μm以上であるとよく、3μm未満では耐水圧が低くなったり、得られる布帛が十分な剥離強度を有さないおそれがある。より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上がよい。樹脂層は繊維布帛の片面全面に形成されているものであるが、繊維布帛同士の接着力が使用用途の要求強度を満たし、防水性があまり要求されない場合には2枚の繊維布帛の間に部分的に樹脂が存在しないものであってもよい。
また、本実施の形態では、従来の接着剤を用いたものに比べ、接着剤を用いていないため、従来の物に比べ薄くなり柔らかくなる。また、接着剤に用いられる樹脂に比べ湿式凝固に用いられる樹脂が柔らかいため、樹脂層の厚みが厚くても、柔軟な布帛が得られるため特に限定されるものではないが、本発明の目的である、薄く、軽く、柔らかいとの観点からは樹脂層の厚みは、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、50μm以下が更に好ましく、30μm以下がさらにより好ましい。
本実施の形態の布帛では、1つの繊維布帛と他の1つの繊維布帛繊維布の接着力の強さとして、剥離強度が、タテ方向、ヨコ方向とも150cN/cm以上であるとよい。より好ましくは200cN/cm以上、さらに好ましくは300cN/cm以上がよい。上限は特にないが、柔らかい布帛との観点からは1000cN/cm以下がよい。さらに好ましくは500cN/cm以下がよい。
なお剥離強度は、JIL L1089−2007のはく離強さに準じた方法にて測定し、単位は、幅が1cmあたりの強度となるように換算したものである。
また、本実施の形態の布帛では、用途に応じ求められる防水性を有するものを得れば良いが、耐水圧が300mm以上であるとよい。より好ましくは1000mm以上、さらに好ましくは2000mm以上、さらにより好ましくは5000mm以上がよい。
また、上限は特に限定されないが、やわらか風合いとの観点からは20000mm以下、より好ましくは10000mm以下がよい。
耐水圧は、JIS L1092−2009耐水度試験(静水圧法)A法(低水圧法)に準じた方法で測定し、耐水圧が2000mmを超えるものについては、B法(高水圧法)に準じた方法で測定し、A法と比較しやすいように、単位をmmに換算した。なお、水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りの縦糸と横糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定を行った。
また、本実施の形態の布帛は、用途に応じ、防水性を有しながら、透湿性を有するとよい。防水性は上記の通りであるが、透湿性は、塩化カルシウム法による透湿度が3000g/m・24hrs以上が好ましい。より好ましくは5000g/m・24hrs以上、更に好ましくは、8000g/m・24hrs以上、さらにより好ましくは、10000g/m・24hrs以上であるとよい。上限は特に有さないが、塩化カルシウム法での測定方法では、上限は20000g/m・24hrs程度である。
また、酢酸カリウム法による透湿度が2000g/m・24hrs以上が好ましい。より好ましくは5000g/m・24hrs以上、更に好ましくは、8000g/m・24hrs以上、さらにより好ましくは、10000g/m・24hrs以上であるとよい。上限は特に有さないが、上限は30000g/m・24hrs程度である。50000g/m・24hrsを超えると、十分な耐水圧を有することができなかったり、水に濡れた場合に樹脂層が膨潤するおそれがある。
ここでいう塩化カルシウム法とは、JIS L1099−2012A−1法に準じた方法にて測定した値をいう。また、酢酸カリウム法による透湿度とは、JIS L1099−2012B−1法またはB−2法に準じた方法にて測定した値をいう。なお、塩化カルシウム法、酢酸カリウム法ともに、24時間当りの透湿量に換算したものをいう。
また、本実施の形態の布帛は、通気性を有しているとよい。通気度は、0.05cm/cm・s以上が好ましく、より好ましくは0.1cm/cm・s以上であるとよい。上限は特に限定されないが、中綿を使用する用途に用いる場合には、繊維布帛からの中綿の吹き出しを防止するため、2.0cm/cm・s以下がよい。
なお、通気度は、JIS L1096―2010 通気性 A法(フラジール形法)に準じた方法にて測定した値をいう。
本発明の布帛は、接着剤を用いずに2枚の繊維布帛が積層されたものであるため、薄く、軽く、柔らかい布帛である。従って、ウインドブレーカー、コート、ジャケット、スキーウエアー、スノーボードウエアー、ヤッケ、手袋、帽子、靴、作業服、シャツ、ズボン、寝袋、テントなどに用いれば、軽く、柔らかい繊維製品が得られる。また、得られた繊維製品をバック等に詰めてもスペースをとらず、また、軽くもち運びにもべんりである。また、適度な防水性、防風性や透湿性を付与できるため、雨や風の侵入を防ぎ、水蒸気を放出しムレを抑制し、使用者に対し快適な環境を提供することができる。
以下に本実施の形態の布帛の好ましい一製造方法に従いさらに詳細に本実施の形態を説明する。なお、前記の布帛で説明した事項は一部説明を省略する。
本実施の形態の透湿性防水布帛の好ましい製造方法は、
1つの繊維布帛の片面にウレタン樹脂溶液を塗布する工程、
前記ウレタン樹脂を塗布した上に他の1つの繊維布帛を積層する工程、
1つの繊維布帛とウレタン樹脂溶液と他の1つの繊維布帛を積層したものを水中に浸漬し、ウレタン樹脂を湿式凝固させる工程を含むものである。
まず、1つの繊維布帛の片面にウレタン樹脂溶液を塗布する工程を有する。この工程で用いられる繊維布帛は、前記の通りである。繊維布帛にはウレタン樹脂溶液を塗布する面にはウレタン樹脂溶液の繊維布帛への過度な含浸を抑止するため撥水加工が施されているとよい。また、同様の目的でカレンダー加工も施してあるとよい。撥水加工やカレンダー加工が施されていると、本実施の形態の布帛で、コートなどを得る場合には、撥水加工が施されている繊維布帛を表側に用いると、雨などをはじき好ましい。また、カレンダー加工が施されていると防風性が向上し好ましい。
また、ウレタン樹脂の過度の含浸を抑止し、風合いを柔らかくするとの観点からは、ウレタン樹脂溶液が塗布される1つの繊維布帛は、後で積層される他の1つの繊維布帛に比べ、カバーファクターが大きなものを用いると好ましい。
ウレタン樹脂溶液には、二酸化けい素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、プロテイン、ゼラチン、吸湿アクリルビーズ等の粒子、フッ素系やシリコン系やパラフィン系等の撥水剤、ジンクピリチオンや銀などの抗菌剤、消臭剤、アンチモンドープ錫やカーボンブラックなどの赤外線吸収剤、顔料、イソシアネート系架橋剤などの架橋剤、触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤など公知の添加剤を含んでいてもよい。
ウレタン樹脂溶液に含まれるウレタン樹脂は前記の通りである。
また、溶媒として、ジメチルホルムアミド(以下、DMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの水溶性の極性有機溶媒を主体とするものが好ましく選択される。
このウレタン樹脂溶液を繊維布帛に片面に対し、ナイフコータ、バーコータ、コンマコータ、グラビアコータ―、キスコータなどを用い繊維布帛に塗布する。
ウレタン樹脂溶液を繊維布帛に塗布する際、スリットを設けず、ナイフコータ―を空中に浮いた状態の繊維布帛に直接押し付けて塗布するフローティング法で付与してもよいし、キスコータ―などを用いた転写方式、さらに、繊維布帛とコーターの間に1〜2000μmのスリットを設け、ナイフコータ、バーコータ、コンマコータなどを用い塗布したものであってもよい。
特に、薄く、軽く、柔らかい布帛を得る場合には、樹脂の塗布量が少なく、樹脂層の厚みも薄いフローティング法でウレタン樹脂溶液を布帛へ付与するとよい。特に、繊維布帛への樹脂の含浸を抑制し、風合いが柔らかくなる、また、他の繊維布帛との接着力の向上の観点より、撥水加工が施されている繊維布帛へフローティング法でウレタン樹脂溶液を付与するとよい。
次に、繊維布帛の前記ウレタン樹脂を塗布した上に他の1つの繊維布帛を積層する。
他の1つの繊維布帛については前記と同様であり、他の1つの繊維布帛のウレタン樹脂溶液を塗布した面と接する面は撥水加工が付与されているとよい。
ウレタン樹脂溶液の塗布時の厚みにもよるが、ウレタン樹脂溶液の塗布厚みが、積層する他の1つの繊維布帛の厚みよりも薄い場合には、繊維布帛のウレタン樹脂を塗布した上に他の1つの繊維布帛を積層するときに、ニップすると、剥離強度の向上の観点より好ましい。
また、ウレタン樹脂溶液の塗布厚みが、積層する他の1つの繊維布帛の厚みよりも厚い場合には、繊維布帛のウレタン樹脂を塗布した上に他の1つの繊維布帛を積層するときに、ニップすると、他の1つの繊維布帛がウレタン樹脂の中に埋没したり、1つの繊維布帛及び/又は他の1つの繊維布帛へのウレタン樹脂の含浸量が増加し、得られる布帛の風合いが硬化するおそれがあるため、ニップは行わないほうがよい。また、この場合には、積層する他の繊維布帛には撥水加工が施されているとウレタン樹脂溶液の含浸抑制の観点より好ましい。
次に、水のみまたは5〜20%程度のウレタン樹脂溶液で用いたDMFなどの有機溶媒を含んだ水中に、前記1つの繊維布帛とウレタン樹脂溶液と他の1つの繊維布帛を積層したものを浸漬し、ウレタン樹脂を凝固させる。凝固温度は、樹脂膜中に形成される微多孔の孔径を適度に調整する観点から、10〜50℃の範囲が好ましい。
次に、脱溶媒を行う。脱溶媒としては、水が好ましく、水の温度は、10〜80℃の範囲が好ましく選択される。脱溶媒した後、90℃から150℃程度で乾燥及びセットを行う。
また、乾燥後、必要に応じ、撥水加工や制電加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、捺染、染色、消臭加工などをおこなってもよい。
また、ウレタン樹脂を湿式凝固させて形成された多孔質層の両面に接着剤を用いずに繊維布帛を積層することにより、接着剤を用いないがゆえ、接着剤分の厚みがない、また、接着剤に用いられる樹脂に比べ湿式凝固に用いる樹脂が柔らかい、また、繊維布帛の片面にウレタン樹脂を塗布し、湿式凝固させたものは、繊維布帛と接していないウレタン樹脂膜面は、水と直接接するため、成膜性が良く、ウレタン樹脂膜の表面には硬い膜が形成されるが、ウレタン樹脂溶液の両面が繊維布帛で挟まれている本実施の形態では、塗布されたウレタン樹脂溶液と水との接触がいずれの面も緩衝されるため、このような硬い膜の形成が抑制され、柔らかい繊維布帛が得られる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は質量部、質量%である。
以下の実施例における評価は次の方法によった。
A 厚み
繊維布帛及び布帛の厚みは、株式会社尾崎製作所製 PEACOK(商標) DIAL THICKNESS GAUGE MODEL Hを用いて測定した。
B 目付
100cmの大きさに試料をカットし、その質量を天秤で測定し、単位をm当りの重さに換算した。
C 剥離強度
JIL L1089−2007のはく離強さに準じた方法にて測定した。また、単位は1cmあたりの強さに換算した。
D 透湿度
塩化カルシウム法 JIS L1099−2012 A−1法に準じた方法にて測定した。
酢酸カリウム法 JIS L1099−2012 B−1法に準じた方法にて測定した。
なお、いずれの透湿度も24時間当りの透湿量に換算した。
E 耐水圧
JIS L1092−2009 耐水度試験(静水圧法) A法(低水圧法)またはB法(高水圧法)に準じた方法で測定した。
水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りのタテ糸とヨコ糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定を行った。
F 通気度
JIS L1096―2010 通気性 A法(フラジール形法)に準じた方法にて測定した。
G 風合い及び外観
手で触って、柔らかさ、軽さ、薄さを感じとった。また、布帛の両面を目視にて観察した。
(実施例1)
酸性染料で赤色に染色されたナイロン製のリップタフタ(タテ糸、ヨコ糸とも22デシテックス/20フィラメント。目付46g/m。厚み0.11mm)に対し、フッ素系撥水剤アサヒガードAG−E081(旭硝子(株)製。)の3%水溶液を用い撥水加工及びカレンダー加工をしたものを繊維布帛1として用いた。
繊維布帛1に対し、下記のウレタン樹脂溶液を、ナイフコータ―を用い、繊維布帛とコーターの間にスリットを設けないフローティング法にて塗布した。
ウレタン樹脂溶液
エステル系一液型ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
イソシアネート系架橋剤(3官能型。固形分100%) 1部
酸化アルミニウム微粒子 5部
DMF 40部
次に、繊維布帛1の上に塗布されたウレタン樹脂の上に、繊維布帛2として、フッ素系撥水剤アサヒガードAG−E081(旭硝子(株)製。)の3%水溶液を用い撥水加工されたポリエステルの平織物(タテ糸、ヨコ糸とも11デシテックス/12フィラメント。目付10g/m。厚み0.10mm)をバーで抑えながら積層し、水中に浸漬して、凝固、水洗、乾燥し、ウレタン樹脂を湿式凝固させた樹脂層を形成し、繊維布帛1と繊維布帛2とが湿式凝固させて得られたウレタン樹脂層で接着されている布帛を得た。
樹脂層の状態を電子顕微鏡で観察したところ、繊維布帛1の繊維と接する側は直径1〜3μm程度の孔を有し多孔質であった。また、繊維布帛2を構成する繊維とは、樹脂層に当該繊維が埋没しているのではなく、樹脂層と当該繊維と接触する部分の樹脂が盛り上がって当該繊維を覆うような状態であった。樹脂層の厚み(上記盛り上がっている部分は除く)は、繊維布帛1の表面の凹凸などにより、多少ばらつきがみられるが5〜20μm程度であった。
また、得られた布帛の目付等を表1に記載した。
(比較例1)
実施例1で用いた繊維布帛1に対し、実施例1と同様のウレタン樹脂溶液を、ナイフコータ―を用い、繊維布帛とコーターの間にスリットを設けないフローティング法にて塗布し、水中に浸漬して、凝固、水洗、乾燥し、ウレタン樹脂を湿式凝固させた樹脂層を形成した。
次に、繊維布帛1のウレタン樹脂溶液を塗布した面に、下記の接着剤樹脂溶液を、グラビアコータを用い、点状に付与し、乾燥した。
次に、繊維布帛1の接着剤樹脂溶液を塗布した上に実施例1と同様の繊維布帛2を積層し、ホットローラーでニップし、繊維布帛1と繊維布帛2を接着した。
樹脂層の状態を電子顕微鏡で観察したところ、繊維布帛1の繊維と接する側に直径1〜3μm程度の孔が確認され、多孔質であった。また、樹脂層の表面には、接着剤がドッド状に付与されており、接着剤で樹脂層と繊維布帛2が接着されていた。樹脂層の厚みは、繊維布帛1の表面の凹凸などにより、多少ばらつきがみられるが5〜20μm程度であった。
得られた布帛の目付等を表1に記載した。
接着剤樹脂溶液

2液型ウレタン樹脂(固形分45%) 100部
3官能型イソシアネート架橋剤(固形分100%) 10部
有機スズ系触媒 1部
トルエン 50部
(実施例2)
分散染料で青色に染められたポリエステル製の平織物(タテ糸、ヨコ糸とも84デシテックス/72フィラメント。目付120g/m。厚み0.49mm)に対し、フッ素系撥水剤アサヒガードAG−E081(旭硝子(株)製。)の3%水溶液を用い撥水加工及びカレンダー加工をしたものを繊維布帛1として用いた。
繊維布帛1に対し、下記のウレタン樹脂溶液を、ナイフオーバーロールコータ―を用い、繊維布帛とコーターの間に150μmのスリットを設けて塗布した。
ウレタン樹脂溶液
エステル系一液型ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
DMF 40部
次に、繊維布帛1の上に塗布されたウレタン樹脂の上に、繊維布帛2として、酸性染料にてグレーに染色されたナイロン製ハーフトリコット(糸 18デシテックス/7フィラメント。目付39g/m。厚み0.16mm)を積層し、水中に浸漬して、凝固、水洗、乾燥し、ウレタン樹脂を湿式凝固させた樹脂層を形成し、繊維布帛1と繊維布帛2とが湿式凝固させて得られたウレタン樹脂層で接着されている布帛を得た。
樹脂層の状態を電子顕微鏡で観察したところ、繊維布帛1と繊維布帛2の間の中央部分は30〜50μm程度の孔を有する多孔質であった。樹脂層の厚みは、樹脂層に繊維布帛1及び繊維布帛2が一部含浸しており正確な厚みはわかりにくいが、繊維が含浸している箇所も含め、おおよそ100μmの厚みで樹脂が存在していた。
また、得られた布帛の目付等を表1に記載した。
(比較例2)
実施例2で用いた繊維布帛1に対し、実施例2と同様のウレタン樹脂溶液を、実施例1と同様にナイフオーバーロールコータ―を用い、繊維布帛とコーターの間に150μmのスリットを設けて塗布し、水中に浸漬して、凝固、水洗、乾燥し、ウレタン樹脂を湿式凝固させた樹脂層を形成した。
繊維布帛1のウレタン樹脂溶液を塗布した面に、比較例1と同様の接着剤樹脂溶液を、グラビアコータを用い、点状に付与し、乾燥した。
次に、繊維布帛1の接着剤樹脂溶液が付与された面に実施例1と同様の繊維布帛2を積層し、ホットローラーでニップし、繊維布帛1と繊維布帛2を接着した。
樹脂層の状態を電子顕微鏡で観察したところ、中央部分は60〜80μm程度の孔を有する多孔質であった。また、樹脂層の表面には、接着剤がドッド状に付与されており、接着剤で樹脂層と繊維布帛2が接着されていた。樹脂層の厚みは、おおよそ100μmの厚みであった。
また、得られた布帛の目付等を表1に記載した。
(実施例3)
酸性染料で赤色に染色されたナイロン製のリップタフタ(タテ糸、ヨコ糸とも22デシテックス/20フィラメント。目付46g/m。厚み0.11mm)に対し、フッ素系撥水剤アサヒガードAG−E081(旭硝子(株)製。)の3%水溶液を用い撥水加工及びカレンダー加工をしたものを繊維布帛1として用いた。
繊維布帛1に対し、下記のウレタン樹脂溶液を、ナイフコータ―を用い、繊維布帛とコーターの間にスリットを設けないフローティング法にて塗布した。
ウレタン樹脂溶液
エステル系一液型ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
イソシアネート系架橋剤(3官能型。固形分100%) 1部
二酸化けい素微粒子 5部
DMF 40部
次に、繊維布帛1の上に塗布されたウレタン樹脂の上に、ナイロン製ハーフトリコット(糸9デシテックス/5フィラメント。目付10g/m。厚み0.06mm)をバーで押さえながら積層し、水中に浸漬して、凝固、水洗、乾燥し、ウレタン樹脂を湿式凝固させた樹脂層を形成し、繊維布帛1と繊維布帛2とが湿式凝固させて得られたウレタン樹脂層で接着されている布帛を得た。
樹脂層の状態を電子顕微鏡で観察したところ、繊維布帛1の繊維と接する側は直径1〜3μm程度の孔を有する多孔質であった。また、繊維布帛2を構成する繊維とは、樹脂層に当該繊維が埋没しているのではなく、樹脂層と当該繊維と接触する部分の樹脂が盛り上がって当該繊維を覆うような状態であった。樹脂層の厚み(上記盛り上がっている部分除く)は、繊維布帛1の表面の凹凸などにより、多少ばらつきがみられるが5〜20μm程度であった。
得られた布帛の目付等を表1に記載した。
(比較例3)
実施例3で用いた繊維布帛1に対し、実施例3と同様のウレタン樹脂溶液を、ナイフコータ―を用い、繊維布帛とコーターの間にスリットを設けないフローティング法にて塗布し、水中に浸漬して、凝固、水洗、乾燥し、ウレタン樹脂を湿式凝固させた樹脂層を形成した。
繊維布帛1のウレタン樹脂を塗布した面に、比較例1と同様の接着剤樹脂溶液を、グラビアコータを用い、点状に付与し、乾燥した。
次に、繊維布帛1の接着樹脂溶液剤を付与された面に実施例3と同様の繊維布帛2を積層し、ホットローラーでニップし、繊維布帛1と繊維布帛2を接着した。
樹脂層の状態を電子顕微鏡で観察したところ、繊維布帛1の繊維と接する側に直径1〜3μm程度の孔が確認され、多孔質であった。また、樹脂層の表面には、接着剤がドッド状に付与されており、接着剤で樹脂層と繊維布帛2が接着されていた。樹脂層の厚みは、繊維布帛1の表面の凹凸などにより、多少ばらつきがみられるが5〜20μm程度であった。
得られた布帛の目付等を表1に記載した。
Figure 2016055586
本実施の形態の布帛は、薄く、軽く、柔らかく、肌着、ブラウス、ワイシャツ、作業服、ドレス、ジャンパー、帽子、手袋等の一般の衣服に留まらず、枕や布団側地、寝袋、靴、更にスポーツ用のウエアーとして用いられるウインドブレーカー、スキー・スノーボードウエアーなど種々のものに広く利用することができる、薄く、軽く、柔らかい繊維製品を提供することができる。また、薄く、軽く、柔らかいため、持ち運びにも便利であり、鞄等の中のスペースも取らないため、より利便性も高い繊維製品が提供できる。

Claims (4)

1つの繊維布帛と他の1つの繊維布帛との間に、ウレタン樹脂を湿式凝固させて形成された樹脂層を有し、前記1つの前記繊維布帛と前記他の1つの繊維布帛とが前記樹脂層で接着されている布帛。
前記樹脂層が多孔質であることを特徴とする請求項1に記載の布帛。
耐水圧が300mm以上、塩化カルシウム法による透湿度が3000g/m・24hrs以上、酢酸カリウム法による透湿度が2000g/m・24hrs以上であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の布帛。
1つの繊維布帛の片面にウレタン樹脂溶液を塗布する工程、
前記ウレタン樹脂を塗布した上に他の1つの繊維布帛を積層する工程、
前記1つの繊維布帛とウレタン樹脂溶液と他の1つの繊維布帛を積層したものを水中に浸漬し、ウレタン樹脂を湿式凝固させる工程を含む布帛の製造方法。
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