1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図6参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図5参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出、小当たり遊技に並行して行われる小当たり演出、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図5参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の近傍には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、固定始動口、第1入球部)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、可変始動口、入球部)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材(入球部開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図5参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくても良い。
また遊技領域3における第2始動口21の下方には、第1大入賞口(第1特別入賞口、第1特別入球部)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。つまり、第1大入賞口ソレノイド33は開閉部材32の駆動源である。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また遊技領域3における第1大入賞口30の左上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口、第2特別入球部、第2入球部)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段、特別入球手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、羽根部材(第2開閉部材、変位部材)37を備え、羽根部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。羽根部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。つまり、第2大入賞口ソレノイド38は羽根部材37の駆動源である。第2大入賞口35は、羽根部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。よって、羽根部材37が開いている状態が第2大入賞口に遊技球が入賞し易い第1状態であり、羽根部材が閉じている状態が第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態である。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域(非V領域)70が形成されている。なお第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球への通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。
また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材(シャッター部材)71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
図3(A)(B)に示すように、振分部材ソレノイド73は、ハウジング74とプランジャ75とスプリング76とを備えている。プランジャ75はスプリング76により付勢されていて、プランジャ75の先端には、係合突起77aを有する係合部材77が取付けられている。係合部材77の係合突起77aは、リンク部材78の第1の長孔78a内に係合している。また、リンク部材78の第2の長孔78b内には、振分部材71に設けられた係合突起71aが係合している。
こうして、振分部材ソレノイド73が通電されると、図3(A)に示すように、プランジャ75がスプリング76の付勢力に抗して図3(A)の左方へ移動する。そのため、係合部材77に対してリンク部材78を介して連結されている振分部材71も、図3(A)の左方へ移動する。これにより、特定領域39への遊技球の通過が許容される。このときの振分部材71の状態を、第1状態(退避状態)という。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過した後、振分部材71に当たることなく特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1ルートという。
一方、振分部材ソレノイド73が通電されないときには、図3(B)に示すように、プランジャ75がスプリング76の付勢力により図3(B)の右方へ移動している。そのため、係合部材77に対してリンク部材78を介して連結されている振分部材71も、図3(A)の右方へ移動している。これにより、特定領域39への遊技球の通過が規制される。このときの振分部材71の状態を、第2状態(進出状態)という。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過した後、振分部材71の上面71bを転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2ルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、遊技領域3におけるセンター装飾体10の左下方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞、ゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入賞を狙い、右打ちを行わないようになっている。その理由については後述する。
また図1に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類(報知手段)40が配置されている。表示器類40には、図4に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留、第1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留、第2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄又は小当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選(大当たり及び小当たりの抽選)の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たりに当選した場合には、例えば「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄(第1特別遊技報知態様)を表示する。なお後述するように、大当たりにはVロング大当たりとVショート大当たりとの2種類があるため、Vロング大当たりに当選した場合には特別図柄表示器41にVロング大当たり図柄が表示され、Vショート大当たりに当選した場合にはVロング大当たり図柄と異なるVショート大当たり図柄が特別図柄表示器41に表示される。
また、小当たりに当選した場合には、例えば「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄(第2特別遊技報知態様)を表示する。なお後述するように、小当たりには長開放小当たりと短開放小当たりとの2種類があるため、長開放小当たりに当選した場合には長開放小当たり図柄(第2報知態様)が特別図柄表示器41に表示され、短開放小当たりに当選した場合には長開放小当たり図柄と異なる短開放小当たり図柄(第1報知態様)が特別図柄表示器41に表示される。
また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図5参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図5参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図5参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図5参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の羽根部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう
)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15(図1参照)を動作させる。なお装飾可動体15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。演出ボタン検出SW63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「小当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たり又は小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「特別遊技」が実行される。大当たりに当選して実行される特別遊技を大当たり遊技(第1特別遊技)といい、小当たりに当選して実行される特別遊技を小当たり遊技(第2特別遊技)という。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
そして大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別ついては図7及び図8に示す通りである。図7及び図8に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び羽根部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び羽根部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には図8に示すように、「Vロング大当たり」は、1Rから15Rまで第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって1回開放する。そして16Rは第2大入賞口35を最大29.5秒にわたって1回開放する(図49(A)参照)。この16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
一方、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は15Rである。つまり、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、16Rでは第2大入賞口35を0.04秒しか開放しない(図49(B)参照)。従って、このVショート大当たりでは16Rが、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質15Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図3(B)参照)から第1状態(図3(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図7に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが80%、Vショート大当たりが20%となっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、Vショート大当たりよりも、Vロング大当たりになり易い。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。なお、第1特別図柄における大当たりの振分率と第2特別図柄における大当たりの振分率は、上記した振分率に限られるものではなく適宜変更可能である。例えば第2特別図柄の抽選における大当たりの振分率において、Vロング大当たりが100%、Vショート大当たりが0%となるように設定して、第2特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなるようにしても良い。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニングと、小当たり開放遊技が終了した後のエンディングとを含んでいる。
そして小当たりには複数の種別がある。小当たりの種別については図7及び図8に示す通りである。本形態では小当たりの種別としては、大きく分けて2つ(長開放小当たりと短開放小当たり)ある。「長開放小当たり」は、その小当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な長開放パターンで羽根部材37を作動させる小当たりである。小当たり遊技のうち長開放パターンによる小当たり遊技が、本発明の「第2遊技」に相当する。
より具体的には図8に示すように、「長開放小当たり」は、第2大入賞口35を0.04秒間開放したのち閉鎖する。そして2秒間のインターバルを経て、第2大入賞口35を1.6秒にわたって開放したのち閉鎖する(図50(A)参照)。この長開放小当たりでは、1.6秒にわたって開放する第2大入賞口35によって、遊技球が第2大入賞口35内の特定領域39への通過が可能である。
一方、「短開放小当たり」は、その小当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な短開放パターンで羽根部材37を作動させる小当たりである。小当たり遊技のうち短開放パターンによる小当たり遊技が、本発明の「第1遊技」に相当する。
より具体的には図8に示すように、「短開放小当たり」は、第2大入賞口35を0.04秒間、1回だけ開放したのち閉鎖する(図50(B)参照)。この短開放小当たりでは、第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することは不可能となっている。なお、短開放小当たりでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミングとの関係からも、特定領域39に遊技球が通過することは不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、小当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、次回の大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。すなわち、上述したように大当たり遊技中に遊技球が特定領域39へ通過すると大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行するものの、小当たり遊技中に遊技球が特定領域39へ通過すると小当たり遊技後の遊技状態が小当たり遊技前の遊技状態から変化しない。しかし、その小当たり遊技後に大当たりに当選すると、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行するようになっている。
従って、上記の長開放小当たりに当選した場合には、小当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させ得る。そのため、遊技球が特定領域39へ通過したときには、次回の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行することが確定する。つまり、小当たり遊技中に遊技球が特定領域39に通過したときから次回の大当たり遊技が終了するまでの間、高確率状態への移行がストックされているようになる。これにより、小当たり遊技中に遊技球が特定領域39に通過した後、遊技者に対して大当たりに当選することへの遊技意欲を掻き立てることが可能である。
これに対して、短開放小当たりに当選した場合には、小当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができない。そのため、次回の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行することが確定するわけではない。但し、短開放小当たりに当選して遊技球が特定領域39へ通過しなくても、その後に上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることが可能である。
なお、図7に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における小当たりの振分率は、長開放小当たりが50%、短開放小当たりが50%となっている。同様に、第2特別図柄(特図2)の抽選における小当たりの振分率でも、長開放小当たりが50%、短開放小当たりが50%となっている。しかし、図10(A)に示すように、通常確率状態(非高確率状態)又は高確率状態の何れの状態であっても、第1特別図柄(特図1)の抽選における小当たり当選確率は250分の1(=40/10000)となっているのに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選における小当たり当選確率は100分の1(=100/10000)となっている。
すなわち、後述の電サポ制御状態で入球する第2始動口21への入賞に基づく抽選では、非電サポ制御状態(通常遊技状態)で入球する第1始動口20への入賞に基づく抽選よりも、小当たりに当選し易くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる小当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる小当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
なお、第1特別図柄における小当たりの振分率と第2特別図柄における小当たりの振分率は、上記した振分率に限られるものではなく適宜変更可能である。例えば第2特別図柄における小当たり振分率において、長開放小当たりが60%、短開放小当たりが40%となるように設定して、第2特別図柄の抽選によって小当たりに当選した場合には、短開放小当たりよりも長開放小当たりになり易いようにしても良い。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否か及び小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選及び当選した小当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜9999までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。なお、大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の各範囲の値は、適宜変更可能であり、例えば大当たり乱数は0〜65535までの範囲の値をとるものであっても良い。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図10(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間短縮機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり及び小当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態(入球サポート状態、第2入球率状態)である。一方、低ベース状態とは、電サポ制御が実行されていない状態(非入球サポート状態、第1入球率状態)である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一
つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技の実行中の状態を「特別遊技状態」と称することとし、特に、大当たり遊技の実行中の状態を「大当たり遊技状態」と称し、小当たり遊技の実行中の状態を「小当たり遊技状態」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」という。
また上述したように、長開放小当たりへの当選による小当たり遊技後の遊技状態は、小当たり遊技前の遊技状態から変化することはなく、その小当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、次回の大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態となる。一方、短開放小当たりへの当選による小当たり遊技後の遊技状態は、小当たり遊技前の遊技状態から変化することはなく、その小当たり遊技中に特定領域39の通過がなされないため、次回の大当たり遊技後の状態は上述したような大当たりの種別(Vロング大当たり又はVショート大当たり)によって異なることとなる(高確高ベース状態又は低確高ベース状態になる)。
例えば、通常遊技状態で長開放小当たりに当選すると、その小当たり遊技後の遊技状態は通常遊技状態のままであり、小当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、次回の大当たり遊技後の遊技状態が大当たりの種別に拘わらず高確高ベース状態となる。また高確高ベース状態で長開放小当たりに当選すると、その小当たり遊技後の遊技状態は高確高ベース状態のままであり、小当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、次回の大当たり遊技後の遊技状態も大当たりの種別に拘わらず高確高ベース状態となる。
また、低確高ベース状態で短開放小当たりに当選すると、その小当たり遊技後の遊技状態は低確高ベース状態のままであり、小当たり遊技以降の遊技においてVロング大当たりに当選して大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、大当たり遊技の遊技状態が高確高ベース状態となる。なお、大当たりに当選する前に複数回小当たりに当選した場合には、複数回の小当たりのうち長開放小当たりへの当選による小当たり遊技中に1回でも特定領域39への通過がなされていれば、大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態となる。その他に小当たり及び大当たりに当選した場合の遊技状態の各パターンについては、上述した説明から推測できるため説明を省略する。なお、上記した「小当たり遊技(第2特別遊技)以降の遊技において」とは、小当たり遊技が終了した直後という意味ではなく、小当たり遊技が終了した後に行われる遊技においてという意味である。
本形態では、低確低ベース状態(通常遊技状態)、高確高ベース状態、低確高ベース状態の何れの遊技状態であっても、特定領域39への通過が可能となるように遊技される。つまり、特定領域39を備える第2大入賞装置36は左遊技領域3A(図1参照)に配されているため、何れの遊技状態であっても左打ちを行う。これにより、長開放小当たりへの当選により第2大入賞口35を開放させて、特定領域28への通過を狙うこととなる。
要するに、低確低ベース状態(通常遊技状態)では、左打ちにより左側遊技領域3Aへ遊技球を進入させて、小当たり及び大当たりに当選すべく第1始動口20への入賞を狙う。このとき、小当たり(長開放小当たり)に当選したときには、左打ちを継続しつつ1.6秒間開放し得る第2大入賞口35への入賞を狙う。また大当たりに当選したときにも、左打ちを継続しつつ1〜15R目に第1大入賞口30へ遊技球を入賞させ、16R目に開放し得る第2大入賞口35への入賞を狙う。
また、高確高ベース状態及び低確高ベース状態では、電サポ制御の実行により第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となる。これらの状態でも、左打ちにより左側遊技領域3Aへ遊技球を進入させて、小当たり及び大当たりに当選すべく第2始動口21への入賞を狙う。そして、小当たり(長開放小当たり)に当選したときには、左打ちを継続しつつ1.6秒間開放し得る第2大入賞口35への入賞を狙う。また、大当たりに当選したときにも、左打ちを継続しつつ1〜15R目に第1大入賞口30へ遊技球を入賞させ、16R目に開放し得る第2大入賞口35への入賞を狙う。
こうして本形態では、右打ちで遊技を行わずに、左打ちのみによって遊技を行うようになっている。なお高確高ベース状態及び低確高ベース状態(電サポ制御状態)では、ほとんど第2特別図柄の抽選が実行されて、上述したように第2特別図柄の抽選における小当たり当選確率(100分の1)が第1特別図柄の抽選における小当たり当選確率(250分の1)よりも高くなっている。そのため、高確高ベース状態及び低確高ベース状態では、通常遊技状態よりも小当たり(長開放小当たり)に当選し易い。その結果、小当たりへの当選によって特定領域39への通過が狙い易くなり、次回の大当たり遊技後に高確率状態に移行するチャンスを獲得し易くなっている。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図13〜図35に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図13に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図14に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図13の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、特定領域センサ検出処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。また、後述の普図保留球数に基づいて普図保留表示器44をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図13参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図15に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検
出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、取得したそれら乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S208でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行う。特図1関係乱数取得処理(S211)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、取得したそれら乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図16に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図17に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S601でYES)、普通図柄待機処理(S602)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S601でNO、S603でYES)、普通図柄変動中処理(S604)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S601,S603で共にNO、S605でYES)、普通図柄確定処理(S606)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S601,S603,S605の全てがNO)、普通電動役物処理(S607)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図18に示すように、普通図柄待機処理(S602)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S701)、「0」であればこの処理を終える。一方「0」でなければ、普通図柄当たり判定処理を行う(S702)。
[普通図柄当たり判定処理]図19に示すように、普通図柄当たり判定処理(S702)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出す(S801)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図10(C))のアドレスをセットする(S802)。続いて、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S803)。時短状態であれば、図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当たり判定値が「2」〜「255」)に基づいて、当たりか否か判定する(S804)。すなわち、読み出した普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H)が当たり判定値の何れかと一致するか否か判定する。これに対して、非時短状態であれば、図8(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当たり判定値が「0」,「1」)に基づいて、当たりか否か判定する(S805)。そして当たり判定(S804,S805)の結果が、「ハズレ」であればそのまま処理を終えるが、「当たり」であれば普通当たりフラグをONして(S806)処理を終える。
普通図柄待機処理(図18)では、普通図柄当たり判定処理(S702)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S703)。普通図柄変動パターン選択処理では、図10(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒に設定された普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒に設定された普通図柄変動パターンを選択する。
普通図柄変動パターン選択処理(S703)に次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S704)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S705)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動開始処理を行う(S706)。普通図柄変動開始処理では、ステップS703で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄変動中処理]図20に示すように、普通図柄変動中処理(S604)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S1001)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1001でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S1002)、普通動作ステータスを「3」にセット(S1003)する。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1004)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]図21に示すように、普通図柄確定処理(S606)ではまず、普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1101)。普通当たりフラグがONでなければ(S1102でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1106)、この処理を終える。一方、普通当たりフラグがONであれば(S1101でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S1102)。そして時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図12参照)をセットする(S1103)。一方、非時短状態中であれば(S1102でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図12参照)をセットする(S1104)。そして、開放パターンのセット(S1103、S1104)に続いて、補助遊技を開始するべく普通動作ステータスを「4」にセットし(S1105)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]図22に示すように、普通電動役物処理(S607)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1201)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー22の開放が終了したことを示すフラグである。
普通当たり終了フラグがONでなければ(S1201でNO)、第2始動口21の開放中か否か(すなわち電チュー22の開放中か否か)を判定する(S1202)。開放中でなければ(S1202でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否かを判定し(S1203)、至っていなければ(S1203でNO)処理を終え、至っていれば(S1203でYES)第2始動口21を開放させる(S1204)。
一方、第2始動口21の開放中であれば(S1202でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定し(S1205)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を閉鎖(閉塞)させる(S1206)。そして、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1207)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1208)。「0」でなければ(S1208でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1208でYES)、補助遊技を終了させる普通当たり終了処理を行うとともに(S1209)、普通当たり終了フラグをセットして処理を終える(S1210)。なお電チュー開放カウンタは、時短状態中において電チュー22の開放(可動部材23の開放)が3回なされると「0」になり、非時短中において電チュー22の開放が1回なされると「0」になる(図12参照)。
これに対してステップS1201において普通当たり終了フラグがONであれば(S1201でYES)、電チュー22の開放動作は終了しているので、普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S1211)、普通当たりフラグをOFFする(S1212)。そして、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1213)処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図17)として再び普通図柄待機処理(S602)が実行されることになる。
[特別動作処理]図14に示すように遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、図23に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305で共にNO、S1307でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S1307)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1301,S1303,S1305,S1307の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S1309)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図24に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図7)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図25に基づいてまとめて説明する。図25に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり及び小当たり判定テーブル(図10(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり及び小当たり判定テーブル(図10(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「24」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり及び小当たり判定テーブル(図10(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「99」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7に示す大当たり及び小当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1514)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1508,S1511)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば大当たり及び小当たり判定テーブル(図10(A))のうち非高確率状態用のテーブルに基づいて、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)が小当たり判定値であるか否かを判定する(S1508)。一方、高確率状態であれば大当たり及び小当たり判定テーブルのうち高確率状態用のテーブルに基づいて、大当たり乱数カウンタ値が小当たり判定値であるか否かを判定する(S1511)。なお本形態では図10(A)に示すように、第1特別図柄に関する小当たり判定テーブル(非高確率状態用のテーブル及び高確率状態用のテーブル)では、小当たり判定値が「9960」〜「9999」であるが、第2特別図柄に関する小当たり判定テーブル(非高確率状態用のテーブル及び高確率状態用のテーブル)では、小当たり判定値が「9900」〜「9999」である。但し上記と異なり、非高確率状態と高確率状態とで小当たり判定値を異ならせても良い。また1つの乱数(大当たり乱数カウンタ値)を用いて大当たり及び小当たりを判定したが、小当たりか否かを決める乱数を大当たりか否かを決める乱数とは別に設けても良い。
こうして、小当たり判定(S1508,S1511)の結果が「小当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7に示す大当たり及び小当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1509,S1512)。小当たり種別を判定(S1509,S1512)した後は、小当たりフラグをONするとともに(S1510,S1513)、小当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をRAM84に設けた小当たり種別バッファにセットして(S1514)処理を終える。
また、大当たりでなく(S1504でNO又はS1505でNO)、小当たりでもなければ(S1508でNO又はS1511でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1514)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図26及び図27に基づいてまとめて説明する。図26及び図27に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1603)。Vロング大当たりである場合には(S1603でYES)、非時短状態中Vロング大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1604)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP1が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP21が選択されることとなる。
ここで図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチとなるのかも決まる。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
図26のステップS1603において、Vロング大当たりでなければ(S1603でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、非時短状態中Vショート大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVショート大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP2が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP22が選択されることとなる。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、次に、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1606)。ONであれば(S1606でYES)、続いて当選した小当たりの種別が長開放小当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1607)。長開放小当たりである場合には(S1607でYES)、非時短中長開放小当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短中長開放小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP3が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP23が選択されることとなる。
図26のステップS1606において、長開放小当たりでなければ(S1606でNO)、短開放小当たりに当選しているので、非時短状態中短開放小当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ短開放小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1609)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP4が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP24が選択されることとなる。
これに対して、小当たりフラグがONでなければ(S1606でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1610)。なお、図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1610でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP5(SPリーチハズレ)又はP6(ノーマルリーチハズレ)が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP25(SPリーチハズレ)又はP26(ノーマルリーチハズレ)が選択されることとなる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1610でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1612)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP7又はP8が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP27又はP28が選択されることとなる。
またステップS1602において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図27に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記のS1602〜S1612と同様の流れで処理(S1613〜S1622)を行う。
すなわちVロング大当たりであれば、図11の時短状態中且つVロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP11が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP31が選択されることとなる。またVショート大当たりであれば、図11の時短状態中且つVショート大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1616)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP12が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP32が選択されることとなる。
また長開放小当たりであれば、図11の時短状態中且つ長開放小当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1619)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP13が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP33が選択されることとなる。また短開放小当たりであれば、図11の時短状態中且つ短開放小当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1620)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP14が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP34が選択されることとなる。
またリーチ有りハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1622)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP15(SPリーチハズレ)が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP35(SPリーチハズレ)が選択されることとなる。またリーチ無しハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1623)。具体的に、特図1変動パターン選択処理では変動パターンP16又はP17が選択され、特図2変動パターン選択処理では変動パターンP36又はP37が選択されることとなる。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。すなわち、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図26に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1622)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図28に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図29に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、後述の遊技状態管理処理(S1901)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1902)。大当たりフラグがONであれば(S1902でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1903)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種別に応じたラウンド数にセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1903に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1904)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1905)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1906)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1907)。
一方、ステップS1902において大当たりフラグがONでなければ(S1902でNO)、続いて小当たりフラグがONか否かを判定する(S1908)。小当たりフラグがONであれば(S1908でYES)、小当たり用の開放パターン(詳しくは図8参照)をセットする(S1910)。なおこのときに、小当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする小当たり用開放カウンタの値を、小当たり遊技における開放回数に応じた値(長開放小当たりでは「2」、短開放小当たりでは「1」)にセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たりオープニングコマンドをセットするとともに(S1911)、小当たり遊技のオープニングを開始し(S1912)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1913)。
また、ステップS1908において小当たりフラグがONでなければ(S1908でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1914)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図30に示すように、遊技状態管理処理(S1901)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「160」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には低確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「100」にセットされ、高確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「160」にセットされるようになっている。この点については後述する。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2009)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図31に示すように、遊技状態リセット処理(S1904)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]図32に示すように、特別電動役物処理1(S1308)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第16ラウンドを開始するタイミングであるか否か、すなわちラウンドカウンタの値が「1」か否かを判定する(S2205)。第16ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第16ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこのV有効期間及び後述する小当たりV有効期間以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図35)を参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図33参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。なお、特別電動役物処理1(大当たり遊技)のV有効期間設定処理(S2206)で設定されるV有効期間を「大当たりV有効期間」と呼び、後述する特別電動役物処理2(小当たり遊技、図34参照)のV有効期間設定処理(S2504)で設定されるV有効期間を「小当たりV有効期間」と呼ぶこととする。
ステップS2207では、大当たりの種別に応じた開放パターン(図8参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように羽根部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように羽根部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する羽根部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数を示すラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。
特別電動役物処理1(図32)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了するか否かを判定する(S2211)。終了しない場合には(S2211でNO)、次の開放を開始するためそのまま処理を終える。終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図23)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図33に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2302)、時短カウンタに「100」をセットして(S2303)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2304)、確変カウンタに「160」をセットする(S2305)。その後、VフラグをOFFする(S2306)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタに「160」をセットして(S2308)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が160回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、遊技状態設定処理を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]図34に示すように、特別電動役物処理2(S1309)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2501)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2501でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2502)。開放中でなければ(S2502でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち小当たりのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した第2大入賞口35を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して2回目の開放を開始する時間に至ったかを判定する(S2503)。
ステップS2503の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2503の判定結果がYESであれば、現在実行中の小当たり遊技が長開放小当たりとしての小当たり遊技か否かを判定する(S2504)。そして、長開放小当たりでなければステップS2507に進むが、長開放小当たりであれば、2回目に第2大入賞口35を開放させるタイミングであるか否か、すなわち小当たり用開放カウンタの値が「1」か否かを判定する(S2505)。2回目の開放を開始するタイミングでなければ(S2505でNO)、そのままステップS2507に進む。これに対して、2回目の開放を開始するタイミングであれば(S2505でYES)、V有効期間設定処理(S2506)を行う。
V有効期間設定処理(S2506)では、長開放小当たりの2回目における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する小当たりV有効期間に設定する。上述したように、この小当たり有効期間及び大当たり有効期間以外の期間(小当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。なお、小当たりV有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2507では、小当たりの種別に応じた開放パターン(図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる。なお、振分部材71は、小当たり遊技の開始から常に一定の動作で動いている。長開放小当たりの開放パターンでは、2回目に第2大入賞口35が開放したときに第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように羽根部材37が開放される。これに対して、短開放小当たりの開放パターンでは、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように羽根部材37が1回だけ極めて短い時間(本形態では0.04秒)開放される。また、短開放小当たりにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する羽根部材37の開放タイミングが設定されている。
ステップS2507では、実行中の小当たり遊技のラウンド数を示すラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S2508)。なお正確には、小当たり遊技における大入賞口の開放中をラウンドとは言わないが、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放をサブ制御基板90に通知するためのコマンドの名称は、大当たり遊技の際に送信する「ラウンド指定コマンド」と合わせるため、同様の名称を用いることとする。
特別電動役物処理2(図34)のステップS2502において、大入賞口(第2大入賞口35)の開放中であれば(S2502でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2509)。閉鎖条件は、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達したこと、又は、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2509でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2509でYES)には、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2510)。そして、小当たり用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2511)、小当たり用開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2512)。
ステップS2512において「0」でなければ(S2512でNO)本処理を終えるが、「0」であれば(S2509でYES)、小当たり遊技を終了させる小当たり終了処理として、小当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2513)、小当たりのエンディングを開始する(S2514)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2515)処理を終える。なお小当たり用開放カウンタは、長開放小当たりの開放パターンでは第2大入賞口35の開放が2回なされると「0」になり、短開放小当たりの開放パターンでは第2大入賞口35の開放が1回なされると「0」になる。
ステップS2501において小当たり終了フラグがONであれば(S2501でYES)、小当たりとしての開放が終了しているので、小当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2516)、エンディング時間が経過していなければ(S2516でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2516でYES)、小当たり終了フラグをOFFとともに(S2517)、小当たりフラグをOFFする(S2518)。そして特別動作ステータスを「1」にセットして(S2519)処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図23)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。
本形態において、小当たり遊技の終了に際しては、上述した遊技状態設定処理(S2221、図33)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当たり遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
[特定領域センサ検出処理]図14に示すように遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特定領域センサ検出処理(S107)では図35に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2701)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が第1状態(図3(A))に制御されているときのみなされる。ステップS2701にて検知がなければ(S2701でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2701でYES)大当たりV有効期間中か否かを判定する(S2702)。大当たりV有効期間は、前述の特別電動役物処理1(図32)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。すなわち大当たりV有効期間は、Vロング大当たりにおいて第16ラウンド目に第2大入賞口35が開放するときに設定される期間である。
ステップS2702で大当たりV有効期間中であると判定した場合には(S2702でYES)、VフラグがONか否かを判定する(S2703)。VフラグがONであれば(S2703でYES)、ステップS2704をパスしてステップS2705に進み、VフラグがOFFであれば(S2703でNO)、VフラグをONして(S2704)、ステップS2705に進む。つまり、Vロング大当たりに当選して遊技球が特定領域39へ通過したときには(S2701でYES,S2702でYES)、既にVフラグがオンになっているか否かに拘わらず、Vフラグがオンになる。これにより、上述した特別電動役物処理1(S1308)の遊技状態設定処理(S2221)において、ステップS2301でYESと判定されて、確変フラグがオンすることになり(S2304)、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行することとなる。
ステップS2705においては、大当たりV通過コマンドをセットして(S2705)処理を終える。大当たりV通過コマンドは、サブ制御基板90に大当たり遊技中のV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
ステップS2702で大当たりV有効期間中でないと判定した場合には(S2702でNO)、小当たりV有効期間中か否かを判定する(S2706)。小当たりV有効期間は、前述の特別電動役物処理2(図34)におけるV有効期間設定処理(S2506)にて設定される期間である。すなわち小当たりV有効期間は、長開放小当たりにおいて第2大入賞口が2回目に開放するときに設定される期間である。
ステップS2706で小当たりV有効期間中であると判定した場合には(S2706でYES)、VフラグをONして(S2707)、ステップS2708に進む。つまり、長開放小当たりに当選して遊技球が特定領域39へ通過したときには(S2701でYES,S2702でNO,S2706でYES)、Vフラグがオンになる。これにより次回大当たりに当選したとき、上述した特別電動役物処理1(S1308)の遊技状態設定処理(S2221)において、ステップS2301でYESと判定されて、確変フラグがオンすることになり(S2304)、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行することとなる。要するに小当たり遊技の実行によるV通過に基づいて、次回の大当たり後の遊技状態が高確率状態に移行することが確定することとなる。
ステップS2708においては、小当たりV通過コマンドをセットして(S2708)処理を終える。小当たりV通過コマンドは、サブ制御基板90に小当たり遊技中のV通過の報知を行わせるためのコマンドである。以下では、小当たりV通過コマンドと大当たりV通過コマンドを、まとめて「V通過コマンド」と称することもある。なお大当たりV有効期間中でなく(S2702でNO)、小当たり有効期間中でもない(S2706でNO)場合には、特定領域センサ39aの故障や不正行為によるV通過があり得るため、Vフラグをオンすることなく処理を終える。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図36〜図46に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図36に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、様々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、後述するV通過報知演出)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図37に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図38に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4305)や他の処理で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体15の駆動のためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図39に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301,図40)を行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4303)を行う。
その後、ランプ処理(S4304)を行う。ランプ処理(S4304)では、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の発光を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4305)を行う。音声制御処理(S4305)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。そして、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4306)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図40に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述するラウンド演出選択処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4410)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンド(大当たりV通過コマンド、小当たりV通過コマンド)を受信したか否か判定し(S4411)、受信していればV通過報知演出開始処理を行う(S4412)。
V通過報知演出開始処理(S4412)は、受信したV通過コマンドに基づいて、大当たりV通過報知演出又は小当たりV通過報知演出を開始する処理である。大当たりV通過報知演出とは、大当たり遊技中にV通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。小当たりV通過報知演出(報知演出)とは、小当たり遊技中にV通過があったことを遊技者に報知するための演出である。
V通過報知演出開始処理(S4412)において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たりV通過コマンドを受信した場合には、大当たりV通過報知演出を開始するための大当たりV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより大当たりV通過報知演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に入力される。画像制御基板100のCPU102は、大当たりV通過報知演出開始コマンドに基づいて、所定の画像情報をROM103から読み出して、図48(A)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて「V通過」の文字を表示する。これにより、大当たり遊技中に特定領域39への通過があったことを遊技者に認識し易くすることが可能となり、大当たり遊技後に高確率状態へ移行することを報知している。なお「V通過」の文字を表示することは、大当たり遊技のV通過を表示する態様の一つであり、他の態様を表示画面7aに表示しても良い。また、大当たりV通過報知演出は、特別の警告音をスピーカ67から出力したり、枠ランプ67や盤ランプ5を特別な態様で点灯させるなど、他の態様であっても良い。
またV通過報知演出開始処理(S4412)において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から小当たりV通過コマンドを受信した場合には、小当たりV通過報知演出を開始するための小当たりV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより小当たりV通過報知演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に入力される。画像制御基板100のCPU102は、小当たりV通過報知演出開始コマンドに基づいて、所定の画像情報をROM103から読み出して、図48(B)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて「次回大当たり後確変」の文字を表示する。これにより、小当たり遊技中に特定領域39への通過があったことを遊技者に認識し易くすることが可能となり、次回の大当たり遊技後に高確率状態へ移行することを報知している。なお「次回大当たり後確変」の文字を表示することは、小当たり遊技のV通過を表示する態様の一つであり、他の態様を表示画面7aに表示しても良い。また、小当たりV通過報知演出は、特別の警告音をスピーカ67から出力したり、枠ランプ67や盤ランプ5を特別な態様で点灯させるなど、他の態様であっても良い。
演出制御用マイコン91は、V通過報知演出開始処理(S4412)を終えた後、その他の処理として(S4413)、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、遊技状態を把握するために遊技状態指定コマンドに基づき現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を設定する処理等)を行って、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
[変動演出開始処理]図41に示すように、変動演出開始処理(S4401)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4501)。変動開始コマンドには、特図1の変動開始であるか特図2の変動開始であるかの情報、及び変動パターン選択処理(図26及び図27)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図11参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、現在のモードステータスを参照する(S4502)。モードステータスとは、実行する演出モードを決めるためのものである。図47に示すように、モードステータスは「1」〜「6」までの値をとり、各値は演出モードA〜Fに対して割り当てられている。ここで演出モードは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄可変表示演出も演出モードに応じた態様で実行される。
本形態では、図47に示すように、演出モードA又は演出モードBは、低確低ベース状態に制御されているときに実行される。演出モードAは、低確低ベース状態のうち遊技球が小当たり遊技中に特定領域39を通過する前の状態で実行される演出モードである。これに対して、演出モードBは、低確低ベース状態のうち遊技球が小当たり遊技中に特定領域39を通過した後の状態で実行される演出モードである。演出モードAが実行されるときには、所定の背景画像(図示省略)が表示画面7aに表示されるのに対して、演出モードBが実行されるときには、図48(C)に示すようなレインボー(七色)背景が表示画面7aに表示されるようになっている。このように、低確低ベース状態であっても異なる演出モードA,Bが実行されることにより、レインボー背景を見た遊技者が小当たりによる特定領域39への通過後の演出モードであると把握して、次回の大当たり遊技後に高確率状態に移行することを認識し易くすることが可能である。
また演出モードC又は演出モードDは、高確高ベース状態に制御されているときに実行される。演出モードCは、高確高ベース状態のうち遊技球が小当たり遊技中に特定領域39を通過する前の状態で実行される演出モードである。これに対して、演出モードDは、高確高ベース状態のうち遊技球が小当たり遊技中に特定領域39を通過した後の状態で実行される演出モードである。演出モードCが実行されるときには、所定の背景画像(図示省略)が表示画面7aに表示されるのに対して、演出モードDが実行されるときには、図48(C)に示すようなレインボー(七色)背景が表示画面7aに表示されるようになっている。このように、高確高ベース状態であっても異なる演出モードC,Dが実行されることにより、レインボー背景を見た遊技者が小当たりによる特定領域39への通過後の演出モードであると把握して、次回の大当たり遊技後に高確率状態に移行することを認識し易くすることが可能である。
また演出モードE又は演出モードFは、低確高ベース状態に制御されているときに実行される。演出モードEは、低確高ベース状態のうち遊技球が小当たり遊技中に特定領域39を通過する前の状態で実行される演出モードである。これに対して、演出モードFは、低確高ベース状態のうち遊技球が小当たり遊技中に特定領域39を通過した後の状態で実行される演出モードである。演出モードEが実行されるときには、所定の背景画像(図示省略)が表示画面7aに表示されるのに対して、演出モードFが実行されるときには、図48(C)に示すようなレインボー(七色)背景が表示画面7aに表示されるようになっている。このように、低確高ベース状態であっても異なる演出モードE,Fが実行されることにより、レインボー背景を見た遊技者が小当たりによる特定領域39への通過後の演出モードであると把握して、次回の大当たり遊技後に高確率状態に移行することを認識し易くすることが可能である。なお、遊技球が小当たり遊技中に特定領域39を通過した後の演出態様は、レインボー(七色)背景を表示画面7aに表示させる以外に、例えば赤い炎の背景を表示画面7aに表示させるなど、適宜変更可能である。また、演出モードは演出モードA〜Fまで6種類設定されているが、5種類以下又は7種類以上であっても良く適宜変更可能である。
図41に示す変動演出開始処理(S4401)では、モードステータスの参照(S4502)に続いて、変動演出パターンを決めるための変動演出パターンテーブルをセットする(S4503)。この変動演出パターンテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合すると共に参照したモードステータスに応じた変動演出パターンを選択する(S4504)。このとき演出決定用乱数の取得及び判定を行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出等の予告演習の内容や、停止表示する演出図柄の組み合わせなどを含めて、演出図柄可変表示演出としてどのような演出を行うかが決定される。
こうして、ステップS4504で選択された変動演出パターンにて、演出図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S4505)、変動演出開始処理を終了する。ステップS4505でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて図1に示すような演出図柄変動演出を行う。
[変動演出終了処理]図42に示すように、変動演出終了処理(S4404)ではまず、変動停止コマンド(S1802,図28参照)を解析すると共に(S4601)、現在のモードステータスを参照する(S4602)。次に、モードステータスが「1」又は「2」であるか否か、即ち演出モードA又は演出モードB(低確低ベース状態)であるか否かを判定する(S4603)。そして、モードステータスが「1」又は「2」であれば、ステップS4610に進む。一方、モードステータスが「1」又は「2」でなければ、現在の演出モードに対応する演出モードカウンタの値M(図47参照)を1ディクリメントして(S4604)、その値が「0」にならなければ(S4605でNO)、ステップS4610に進む。一方、演出モードカウンタの値Mが「0」であれば(S4605でYES)、演出モードを変更するためにステップS4606に進む。
ここで演出モードカウンタの値Mとは、図47に示すように、演出モードが変更したときにセットされる値のことであり、対応する演出モードにおいて演出図柄が可変表示される最大の回数を意味している。Vロング大当たりでV通過があると、後述するように演出モードCに変更されて、演出モードカウンタの値Mcが160にセットされる。また、Vロング大当たりでV通過があった後の高確高ベース状態において、長開放小当たりでV通過があると、後述するように演出モードCから演出モードDに変更されて、演出モードカウンタの値Mdが値Mcと同じ値にセットされる。
またVショート大当たりである場合、又はVロング大当たりでもV通過がない場合には、後述するように演出モードEに変更されて、演出モードカウンタの値Meが100にセットされる。また、Vショート大当たりの後又はVロング大当たりでもV通過がなかった後の低確高ベース状態において、長開放小当たりでV通過があると、後述するように演出モードEから演出モードFに変更されて、演出モードカウンタの値Mfが値Meと同じ値にセットされる。なお、演出モードA又は演出モードBにおいては、演出モードカウンタの値Mがセットされることはない。
図42に示す変動演出終了処理の説明に戻る。演出モードカウンタの値Mが「0」であると(S4605でYES)、モードステータスが「3」又は「5」であるか否かを判定する(S4606)。モードステータス「3」又は「5」であれば(S4606でYES)、モードステータスを「1」に変更し(S4607)、ステップS4610に進む。つまり、Vロング大当たりでV通過があると、モードステータスが「3」であり且つ演出モードカウンタの値Mcが160にセットされる。その後に160回の演出図柄変動演出が実行されると、演出モードカウンタの値Mcが0になり(S4605でYES)、モードステータスが「3」であると判定されて(S4606でYES)、モードステータスが「3」から「1」(通常遊技状態モード)に変更される。また、Vショート大当たり、又はVロング大当たりでもV通過がないと、モードステータスが「5」であり且つ演出モードカウンタの値Meが100にセットされる。その後に100回の演出図柄変動演出が実行されると、演出モードカウンタの値Meが0になり(S4605でYES)、モードステータスが「5」であると判定されて(S4606でYES)、モードステータスが「5」から「1」(通常遊技状態モード)に変更される。
一方、ステップS4606において、モードステータス「3」又は「5」でなければ(S4606でNO)、モードステータスが「4」又は「6」であるか否かを判定する(S4608)。モードステータス「3」又は「5」であれば(S4608でYES)、モードステータスを「2」に変更し(S4609)、ステップS4610に進む。モードステータス「3」又は「5」でなければ(S4608でNO)、モードステータスを変更せずに、ステップS4610に進む。
つまり、高確高ベース状態で長開放小当たりに当選してV通過があると、モードステータスが「4」であり且つ演出モードカウンタの値Mdが演出モードカウンタの値Mcから切り換わる。その後に値Mdの回数だけ演出図柄変動演出が実行されると、演出モードカウンタの値Mdが0になり(S4605でYES)、モードステータスが「4」であると判定されて(S4608でYES)、モードステータスが「4」から「2」(通常遊技状態小当たりV通過後モード)に変更される。このように、演出モードD(高確高ベース状態小当たりV通過後モード)で演出モードカウンタの値Mdの回数だけ演出図柄変動演出が実行された後、演出モードAに変更せずに演出モードBに変更するのは、高確高ベース状態から移行した低確低ベース状態においても、次回の大当たり後の遊技状態が高確率状態に移行することを報知するためである。これにより、遊技者は高確高ベース状態から通常遊技状態に転落しても、次回の大当たり後の遊技状態が高確率状態に移行する状態(以下「高確ストック状態」と呼ぶ)を把握して、高い遊技意欲を保ちつつ遊技を継続することが可能となる。
また、低確高ベース状態で長開放小当たりに当選してV通過があると、モードステータスが「6」であり且つ演出モードカウンタの値Mfが演出モードカウンタの値Meから切り換わる。その後に値Mfの回数だけ演出図柄変動演出が実行されると、演出モードカウンタの値Mfが0になり(S4605でYES)、モードステータスが「6」であると判定され(S4608でYES)、モードステータスが「6」から「2」(通常遊技状態小当たりV通過後モード)に変更される。このように、演出モードF(低確高ベース状態小当たりV通過後モード)で演出モードカウンタの値Mfの回数だけ演出図柄変動演出が実行された後、演出モードAに変更せずに演出モードBに変更するのは、低確高ベース状態から移行した低確低ベース状態においても、次回の大当たり後の遊技状態が高確率状態に移行することを報知するためである。これにより、遊技者は低確高ベース状態から通常遊技状態に転落しても、高確ストック状態を把握して、高い遊技意欲を保ちつつ遊技を継続することが可能となる。
図42に示す変動演出終了処理(S4404)において、演出制御用マイコン91は、ステップS4603、ステップS4605、ステップS4607、ステップS4609、ステップS4608を経て、ステップS4610に進むと、演出図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットし(S4610)、本処理を終える。
[オープニング演出選択処理]図43に示すように、オープニング演出選択処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンド(図29参照)を解析する(S4701)。そして、解析したオープニングコマンド(S1905でセットされる大当たり遊技に基づくオープニングコマンド、又はS1911でセットされる小当たり遊技に基づくオープニングコマンド)に基づいて、大当たり遊技時又は小当たり遊技時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択するオープニング演出パターン選択処理を行う(S4702)。続いて、演出制御用マイコン91は、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットして(S4703)処理を終える。
[ラウンド演出選択処理]図44に示すように、ラウンド演出選択処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンド(図32及び図34参照)を解析する(S4701)。そして、解析したラウンド指定コマンド(S2208でセットされる大当たり遊
技に基づくラウンド指定コマンド、又はS2508でセットされる小当たり遊技に基づくラウンド指定コマンド)に基づいて、大当たり遊技時又は小当たり遊技時に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択するラウンド演出パターン選択処理を行う(S4802)。なお、小当たり遊技時に実行するラウンド演出とは、小当たり開放遊技で行われる演出を意味する。続いて、演出制御用マイコン91は、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをセットする(S4803)。例えば、Vロング大当たりに当選した場合には主人公キャラが敵キャラに勝利するバトル演出を行うためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし、Vショート大当たりに当選した場合には主人公キャラが敵キャラに敗北するバトル演出を行うためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットするようになっている。
[エンディング演出選択処理]図45に示すように、エンディング演出選択処理(S4410)ではまず、エンディングコマンド(図32及び図34参照)を解析する(S4901)。次いで、モードステータス変更処理(S4902)を行う。
[モードステータス変更処理]図46に示すように、モードステータス変更処理(S4902)では、いま終了させようとしている特別遊技が、Vロング大当たりであり(S5101でYES)、VフラグがONであれば(S5102でYES)、モードステータスを「3」にセットする(S5103)。またVロング大当たりであっても(S5101)、VフラグがONでなければ(S5102でNO)、モードステータスを「5」にセットする(S5105)。またVロング大当たりではなく(S5101でNO)、Vショート大当たりであれば(S5104でYES)、モードステータスを「5」にセットする(S5105)。
一方、いま終了させようとしている特別遊技が、Vロング大当たりでなく(S5101でNO)、Vショート大当たりでもない場合(S5104でNO)には、長開放小当たりか否かを判定する(S5106)。長開放小当たりであり(S5106でYES)、VフラグがONであり(S5107でYES)、且つモードステータスが「1」であれば、演出モードB(通常遊技状態小当たりV通過後モード)を実行するため、モードステータスを「2」にセットする(S5109)。また、長開放小当たりであり(S5106でYES)、VフラグがONであり(S5107でYES)、且つモードステータスが「3」であれば(S5108でNO,S5110でYES)、演出モードD(高確高ベース状態小当たりV通過後モード)を実行するため、モードステータスを「4」にセットする(S5111)。また、長開放小当たりであり(S5106でYES)、VフラグがONであり(S5107でYES)、且つモードステータスが「5」であれば(S5108でNO,S5110でNO,S5112でYES)、演出モードF(低確高ベース状態小当たりV通過後モード)を実行するため、モードステータスを「6」にセットする(S5113)。
これらに対して、長開放小当たりでない場合(S5106でNO)、長開放小当たりであってもVフラグがONでない場合(S5106でYES,S5107でNO)、長開放小当たりで且つVフラグがONであってもモードステータスが1,3,5でない場合(S5106でYES,S5107でYES,S5108でNO,S5110でNO,S5112でNO)には、モードステータスを変更することなく本処理を終える。なおモードステータスの初期値は「1」である。
このようなモードステータスの変更により、次回の特別図柄の変動表示に並行して実行される演出図柄変更演出における演出モードが、変更後のモードステータスに対応した演出モードに変更される。即ち、Vロング大当たりに当選し且つ大当たりV有効期間中にV通過があった場合には、ステップS5103の実行に基づき、その大当たり遊技後の初回の特別図柄の変動表示に並行して、演出モードCが実行される。これにより、今の遊技状態が高確高ベース状態であることが遊技者に報知される。更に、ステップS5103においては、変更後の演出モードCでの特別図柄の変動表示の上限回数を設けるため、図47に示すように、変更後の演出モードCに対応した演出モードカウンタの値Mcに上限回数(160)がセットされる。
またVショート大当たりに当選した場合には、ステップS5105の実行に基づき、その大当たり遊技後の初回の特別図柄の変動表示に並行して、演出モードEが実行される。これにより、今の遊技状態が低確高ベース状態であることが遊技者に報知される。更に、ステップS5105においては、変更後の演出モードEでの特別図柄の変動表示の上限回数を設けるため、図47に示すように、変更後の演出モードEに対応した演出モードカウンタの値Meに上限回数(100)がセットされる。
また演出モードA(通常遊技状態モード)で長開放小当たりに当選し且つ小当たりV有効期間中にV通過があった場合には、ステップS5109の実行に基づき、その小当たり遊技後の初回の特別図柄の変動表示に並行して、演出モードBが実行される。これにより、今の遊技状態が、通常遊技状態で且つ次回の大当たり遊技後に高確率状態に移行することが確定している状態であることが報知される。なお低確低ベース状態では特別図柄の変動表示に上限回数を設ける必要がないため、変更後の演出モードBに対応した演出モードカウンタの値Mがセットされない。
また演出モードC(Vロング大当たり後モード(V通過有り))で長開放小当たりに当選し且つ小当たりV有効期間中にV通過があった場合には、ステップS5111の実行に基づき、その小当たり遊技後の初回の特別図柄の変動表示に並行して、演出モードDが実行される。これにより、今の遊技状態が、高確高ベース状態で且つ次回の大当たり遊技後に高確率状態に移行することが確定している状態であることが報知される。更に、ステップS5111においては、変更後の演出モードDでの特別図柄の変動表示の上限回数を設けるため、図47に示すように、変更後の演出モードDに対応した演出モードカウンタの値Mdに、変更前の演出モードCに対応した演出モードカウンタの値Mcがセットされる。
また演出モードE(Vショート大当たり後モード、Vロング大当たり後モード(V通過無し))で長開放小当たりに当選し且つ小当たりV有効期間中にV通過があった場合には、ステップS5113の実行に基づき、その小当たり遊技後の初回の特別図柄の変動表示に並行して、演出モードFが実行される。これにより、今の遊技状態が、低確高ベース状態で且つ次回の大当たり遊技後に高確率状態に移行することが確定している状態であることが報知される。更に、ステップS5113においては、変更後の演出モードFでの特別図柄の変動表示の上限回数を設けるため、図47に示すように、変更後の演出モードFに対応した演出モードカウンタの値Mfに、変更前の演出モードEに対応した演出モードカウンタの値Meがセットされる。
なお本形態では、既に演出モードがB又は演出モードD或いは演出モードFであるときに、長開放小当たりに当選し且つ小当たりV有効期間中にV通過があっても、演出モード(モードステータス)が変更しないようになっているが、演出モード(モードステータス)を変更するようにしても良い。
図45に示すエンディング演出選択処理(S4410)の説明に戻る。モードステータス変更処理(S4902)の後、演出制御用マイコン91は、モードステータスを参照し(S4903)、解析したエンディングコマンド(S2214でセットされる大当たり遊技に基づくエンディングコマンド、又はS2514でセットされる小当たり遊技に基づくエンディングコマンド)及び参照したモードステータスに基づいて、エンディング演出のパターン(内容)を選択するエンディング演出パターン選択処理を行う(S4904)。続いて、演出制御用マイコン91は、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをセットして(S4905)処理を終える。
ステップS4905でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。例えば、Vロング大当たりで大当たりV有効期間中のV通過があったときのエンディング演出として、「演出モードC突入」の文字が表示画面7aに表示されるようになっている。
7.大当たり遊技及び小当たり遊技の大入賞口の開閉動作
次に図49及び図50を参照して、本形態における大当たり遊技及び小当たり遊技の大入賞口の開閉動作について説明する。
<Vロング大当たり>
図49(A)は、Vロング大当たりにおける第1大入賞口30と第2大入賞口35と特定領域39の開閉動作を示すタイミングチャートである。Vロング大当たりに当選すると、図49(A)に示すように、オープニング(OP)が開始され、オープニング中では第1大入賞口30、第2大入賞口35、及び特定領域39は何れも閉鎖している。なお、特定領域39が閉鎖(閉塞)しているとは、図3(B)に示すように、振分部材71が第2状態(退避状態)にあるときを意味していて、特定領域が開放しているとは、図3(A)に示すように、振分部材71が第1状態(進出状態)にあるときを意味している。
そして、オープニングが終了してラウンド遊技が開始されると、先ず1ラウンド目には第1大入賞口30が29.5秒開放したのち閉鎖して、インターバルを経て2ラウンド目が開始される。その後、2ラウンド目から15ラウンド目まで、同様に第1大入賞口30が29.5秒開放したのち閉鎖して、インターバルを経過するラウンド遊技が繰り返される。これら1ラウンド目から15ラウンド目までは、第2大入賞口35及び特定領域39は閉鎖したままである。
こうして15ラウンド目のラウンド遊技が終了し、16ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、第1大入賞口30が開放されないのに対して、第2大入賞口35が開放される。この16ラウンド目においては、第2大入賞口が29.5秒開放したのち閉鎖するのに対して、特定領域39が1回目の開閉としてA1時間(=0.04秒)開放したのち閉鎖し、A2時間(=2秒)の閉鎖期間を経て、2回目の開閉としてA3時間+A4時間(=27.46秒+1.5秒)開放したのち閉鎖する。
この16ラウンド目において、特定領域39の1回目の開閉では、第2大入賞口35が開放し始めるのと同時にA1時間が始まり、そのA1時間が0.04秒という極短時間である。そのため、仮に第2大入賞口35が開放し始めたのと同時に遊技球が第2大入賞口35に入賞しても、その遊技球がA1時間の間に特定領域39を通過することができない。そして第2大入賞口35が開放し始めたのと同時に入賞した遊技球は、A2時間(2秒)である球はけ時間によって、第2大入賞装置36から排出されるようになっている。
その後、特定領域39の2回目の開閉では、A3時間が27.46秒という比較的長い時間であるため、第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域39を通過できるようになっている。よって、Vロング大当たりでは、遊技球の特定領域39への通過に基づいて、大当たり後の遊技状態を高確率状態へ移行させることが可能である。なお第2大入賞口35が閉鎖する直前に第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域39を通過できるように、第2大入賞口35が閉鎖した後でもA4時間(1.5秒)だけ特定領域39が開放するようになっている。
こうして、16ラウンド目のラウンド遊技が終了したのちエンディング(ED)が開始される。そして、エンディングが終了すると、Vロング大当たりによる大当たり遊技が終了する。
<Vショート大当たり>
図49(B)は、Vショート大当たりにおける第1大入賞口30と第2大入賞口35と特定領域39の開閉動作を示すタイミングチャートである。Vショート大当たりに当選したときの1ラウンド目から15ラウンド目までの開閉動作は、上述したVロング大当たりに当選したときの1ラウンド目から15ラウンド目までの開閉動作と同様であるため、説明を省略する。Vショート大当たりに当選したときの16ラウンド目においては、Vロング大当たりに当選したときの16ラウンド目と異なり、第2大入賞口35が1回だけ開放される。その開放は、Vロング大当たりに当選したときの16ラウンド目における1回目の開放と同じである。すなわち、B1時間(=0.04秒)とA1時間(=0.04秒)とは、間隔及びタイミングが全く同じになっている。
そのため、上述したように、仮に第2大入賞口35が開放し始めたのと同時に遊技球が第2大入賞口35に入賞しても、その遊技球がB1時間の間に特定領域39を通過することができない。よって、Vショート大当たりでは、遊技球が特定領域39を通過しないことにより、大当たり後の遊技状態を高確率状態へ移行させることが不可能である。
<長開放小当たり>
図50(A)は、長開放小当たりにおける第1大入賞口30と第2大入賞口35と特定領域39の開閉動作を示すタイミングチャートである。長開放小当たりに当選すると、図50(A)に示すように、第1大入賞口30が開放されないのに対して、第2大入賞口35が2回開放される。また特定領域39も2回開放される。
詳細には、第2大入賞口35は、長開放小当たりのオープニング(OP)が終了すると、1回目の開閉としてC1時間(=0.04秒)開放したのち閉鎖し、C2時間(=2秒)の閉鎖期間(球はけ期間)を経て、2回目の開閉としてC3時間(=1.6秒)開放したのち閉鎖する。また、特定領域39は、長開放小当たりのオープニング(OP)が終了すると、1回目の開閉としてD1時間(=0.04秒)開放したのち閉鎖し、D2時間(=2秒)の閉鎖期間(球はけ期間)を経て、2回目の開閉としてD3時間+D4時間(=1.6秒+2秒)開放したのち閉鎖する。
この長開放小当たりにおいて、第2大入賞口35による1回目の開放ではC1時間が0.04秒という極短時間であるため、そのC1時間の間に遊技球が第2大入賞口35に入賞することはほとんど不可能である。更に、特定領域39の1回目の開閉では、第2大入賞口35が1回目に開放し始めるのと同時にD1時間が始まり、そのD1時間が0.04秒という極短時間である。そのため、仮に第2大入賞口35が開放し始めたのと同時に遊技球が第2大入賞口35に入賞しても、その遊技球がD1時間の間に特定領域39を通過することができない。そして第2大入賞口35が開放し始めたのと同時に入賞した遊技球は、C2時間(2秒)である球はけ時間によって、第2大入賞装置36から排出されるようになっている。
その後、第2大入賞口35による2回目の開放では、1.6秒というC3時間の間に、1,2球程度の遊技球が第2入賞口35に入賞することが可能である。そして、特定領域39の2回目の開閉では、第2大入賞口35が2回目に開放し始めるのと同時にD3時間が始まり、第2大入賞口35が閉鎖し終えた後でも、D4時間(=2秒)だけ特定領域39が開放している。そのため、第2大入賞口35による2回目の開放で1,2球程度入賞した遊技球は、特定領域39を通過することが可能である。よって、長開放小当たりでは、遊技球の特定領域39への通過に基づいて、次回の大当たり後の遊技状態を高確率状態へ移行させることが可能である。
<短開放小当たり>
図50(B)は、短開放小当たりにおける第1大入賞口30と第2大入賞口35と特定領域39の開閉動作を示すタイミングチャートである。短開放小当たりに当選したときには、第1大入賞口30が開放されないのに対して、第2大入賞口35及び特定領域39が1回だけ開放される。その開放は、長開放小当たりに当選したときの1回目の開放と同様である。すなわち、E1時間(=0.04秒)とC1時間(=0.04秒)とは、間隔及びタイミングが全く同じであり、F1時間(=0.04秒)とD1時間(=0.04秒)とは、間隔及びタイミングが全く同じである。
そのため、上述したように、仮に第2大入賞口35が開放し始めたのと同時に遊技球が第2大入賞口35に入賞しても、その遊技球がF1時間の間に特定領域39を通過することができない。よって、短開放小当たりでは、遊技球が特定領域39を通過しないことにより、次回の大当たり後の遊技状態を高確率状態へ移行させることが不可能である。
なお、Vロング大当たり、Vショート大当たり、長開放小当たり、及び短開放小当たりにおける開放時間、閉鎖時間、インターバル時間、開閉タイミング、ラウンド数等は、本形態における一例であって適宜変更可能である。但し、大当たり(Vロング大当たり及びVショート大当たり)の各ラウンド遊技における大入賞口の総開放時間(1ラウンドにつき大入賞口が複数回開放する場合には、複数回にわたる大入賞口の開放時間の合計値)が30000ms以内に設定される。また、小当たり(長開放小当たり及び短開放小当たり)における大入賞口の総開放時間(大入賞口が複数回開放する場合には、複数回にわたる大入賞口の開放時間の合計値、例えば図50(A)に示すC1時間+C3時間)が1800ms以内に設定される。こうして小当たり遊技(第2特別遊技)とは、大当たり遊技(第1特別遊技)よりも遊技球の入球が困難となるように大入賞口(第2入球部)を開放する特別遊技を意味する。
8.本形態の効果
本形態のパチンコ遊技機1によれば、長開放小当たりによる小当たり遊技が実行されると、遊技球が特定領域39を通過し得る。これにより、その後の小当たり遊技以降の遊技において、大当たりに当選した場合に大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御されることが確定する。即ち、小当たり遊技後から大当たり遊技が開始されるまで、次回の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御されることがストックされたようになる(S2707でVフラグがONされる)。これにより遊技者に対して大当たりに当選するまで遊技を継続しようと意識させることが可能となる。よって、仮に比較的長い間大当たりに当選しなくても遊技を継続し易くなり、大当たり遊技の実行前の遊技における遊技意欲を向上させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技者は小当たり遊技のうち、特定領域39への遊技球の通過が困難な短開放小当たりによる小当たり遊技よりも、特定領域39への遊技球の通過が容易な長開放小当たりによる小当たり遊技が実行されることを期待する。そのため、遊技者にとっては、小当たり遊技が実行されたときに、短開放小当たりによる小当たり遊技又は長開放小当たりによる小当たり遊技のどちらが実行されたか注目することになる。よって、小当たり遊技が実行されたときの遊技が1つしか無い場合に比べて、遊技が単調とはならずに小当たり遊技を飽き難くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、長開放小当たりによる小当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域39へ通過したことに基づいて、図48(B)に示すように、表示画面7aに「次回大当たり後確変」の文字を表示したり、図48(C)に示すように、表示画面7aにレインボー(七色)背景を表示する。これにより、次回の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行することを遊技者に認識し易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常遊技状態(非電サポ制御状態)では、遊技球が第2始動口21よりも第1始動口20へ入球し易くて、ほとんど第1特別図柄による抽選が実行される。この状態において、図10(A)に示すように、第1特別図柄の抽選における小当たり当選確率は250分の1(=40/10000)となっている。一方、高確高ベース状態又は低確低ベース状態(電サポ制御状態)では、遊技球が第1始動口20よりも第2始動口21へ入球し易い。更に、第2特図保留の消化が第1特図保留の消化に優先して実行されるため、ほとんど第2特別図柄による抽選が実行される。この状態において、図10(A)に示すように、第2特別図柄の抽選による小当たり当選確率は100分の1(100/10000)となっていて、第1特別図柄の抽選による小当たり当選確率よりも高い。よって、電サポ制御状態では、非電サポ制御状態よりも、小当たり(長開放小当たり)に当選し易くなり、遊技球が特定領域39へ通過し易くなる。そのため、電サポ制御状態中においては、次回の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行する確率が高くなり、大当たりへの当選に対する遊技意欲を掻き立てることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、Vロング大当たりによる大当たり遊技の実行中に、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過できるように、羽根部材37が開放される(図3(A)参照)。そのため、Vロング大当たりに当選して、遊技球が特定領域39を通過した場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行することとなる。よって、大当たりへの当選前の遊技において、小当たり遊技が実行されない場合や、短開放小当たりによって特定領域39への通過がない場合であっても、Vロング大当たりに当選して特定領域39への通過があれば、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることが可能である。つまり、大当たりへの当選前に小当たりによるV通過がなくても、Vロング大当たりによるV通過によって高確率状態への移行の救済措置が図られるようになっている。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
図51〜図53に基づいて本発明に係る第2形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、長開放小当たりによるV通過が何回生じても、次回の大当たり遊技後だけ遊技状態が高確率状態に移行することが確定するようになっていたが、第2形態では、長開放小当たりによるV通過の回数に応じて、複数回の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行することが確定するようになっている。以下、第1形態と異なる構成(フローチャート)を中心に説明する。
図51は第2形態における特定領域センサ検出処理のフローチャートである。図51に示すように、第2形態の特定領域センサ検出処理(S107)は、図35に示す第1形態の特定領域センサ検出処理(S107)におけるステップS2707をステップS2709に換えて、ステップS2708の後にステップS2710を新たに追加している。第2形態の特定領域センサ検出処理(S107)では、特定領域センサ39aがオンであり(S2701)、小当たりV有効期間中であると判
定されれば(S2706でYES)、ステップS2709に進む。ステップS2709では、VストックカウンタCを1だけ加算する。ここで、VストックカウンタCとは、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に制御する連続回数(以下、「高確ストック回数」という)をカウントするための値であり、初期値は「0」に設定されている。つまり、VストックカウンタCの回数だけ、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行することがストック(確定)されているようになる。
VストックカウンタCが1だけ加算されたあと(S2709)、ステップS2708では、小当たりV通過コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2708)。続いて、ステップS2710では、VストックカウンタCに応じたVストック加算コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2710)、処理を終える。これにより、Vストック加算コマンドを受信した演出制御用マイコン91が、Vストック加算演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。そして、Vストック加算演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、所定の画像情報をROM103から読み出して、図53(A)に示すように、表示画面7aに「Vストック1」の文字を表示する。その結果、「Vストック1」を見た遊技者は、高確ストック回数が1回であることを把握できるようになっている。
その後再び、長開放小当たりに当選して小当たりV有効期間中に遊技球が特定領域39へ通過した場合、VストックカウンタCが1だけ加算される(S2709)。これにより、ステップS2710では、VストックカウンタCに応じたVストック加算コマンドがRAM84の出力バッファにセットされ(S2710)、図53(B)に示すように、「Vストック2」の文字が表示される。こうして、長開放小当たりによるV通過がある度に、Vストックの表示数が増加して、遊技者が今の高確ストック回数を正確に把握できるようになっている。
図52は、第2形態における遊技状態設定処理のフローチャートである。遊技状態設定処理(S2221)は大当たり遊技後に遊技状態を設定しなおす処理であり、図52に示すように、まずVフラグがONか否かを判定する(S2310)。VフラグがONでなければ(S2310でNO)、VストックカウンタCが1以上であるか否かが判定される(S2311)。VストックカウンタCが「0」であれば、ステップS2311でNOと判定されて、ステップS2312に進む。即ち、Vロング大当たりによるV通過がない場合(S2310でNO)、大当たりに当選する前に長開放小当たりによるV通過もなくて且つVストックカウンタCが「0」である場合(S2311でNO)、ステップS2312に進む。ステップS2312では時短フラグをONして、ステップS2313では時短カウンタに「100」をセットする(S2313)。これにより、今回の大当たり後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。
一方、VフラグがONでなくても(S2310でNO)、VストックカウンタCが1以上であれば(S2311でYES)、VフラグをONにして(S2315)、ステップS2316に進む。一方、VフラグがONである(S2310でNO)、即ち大当たり前に長開放小当たりによるV通過に基づいてVフラグがONとなっていれば、ステップS2316に進むこととなる。
ステップS2316では確変フラグをONして、ステップS2317では確変カウンタに「160」をセットする。その後、VフラグをOFFする(S2318)。続いて、VストックカウンタCが1以上であるか否かが判定され、1以上であれば(S2319でYES)、VストックカウンタCを1だけ減算して(S2320)、VストックカウンタCに応じたVストック減算コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2321)。これにより、Vストック減算コマンドを受信した演出制御用マイコン91が、Vストック減算演出開始コマンドをRAMの出力バッファにセットする。そして、Vストック減算演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、所定の画像情報をROM103から読み出す。
このとき、例えばVストックカウンタCが2から1へ減算した場合(S2320)には、図53(B)に示した状態から図53(A)に示すように、表示画面7aに「Vストック2」の文字から「Vストック1」の文字が切り換わって表示される。こうして、大当たりに当選する前にVストックカウンタが1以上であれば、大当たり遊技が実行される度に、Vストックの表示数が減少して、遊技者が今の高確ストック回数を正確に把握できるようになっている。
一方、ステップS2319において、Vストックカウンタが「0」であれば(S2319でNO)、ステップS2320及びステップS2321をパスして、ステップS2322に進む。続いて、時短フラグをONするとともに(S2322)、時短カウンタに「160」をセットして(S2323)、ステップS2314に進む。これにより、今回の大当たり後の遊技状態が高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。ステップS2314では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、遊技状態設定処理(S2221)を終える。
第2形態の効果について説明する。第2形態によれば、大当たりに当選する前に、例えば2回の長開放小当たりによるV通過があった場合には、次回の大当たり遊技後の遊技状態だけでなく、次々回(2回目)の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御されることが確定する。また例えば、3回の長開放小当たりによるV通過があった場合には、次回の大当たり遊技の遊技状態と、次々回の大当たり遊技後の遊技状態と、3回目の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御されることが確定する。つまり、長開放小当たりによるV通過の回数が多いほど、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される連続回数(高確ストック回数)が増えることになる。従って遊技者に対して、大当たりに当選する前に、長開放小当たりへの当選意欲をより向上させることが可能である。
また第2形態によれば、例えば高確ストック回数が1回であれば、図53(A)に示すように、表示画面7aに「Vストック1」の文字が表示され、高確ストック回数が2回であれば、図53(B)に示すように、表示画面7aに「Vストック2」の文字が表示される。このように、高確ストック回数が変化する度に、表示画面7aに高確ストック回数を報知する文字が表示される。よって、今の状態でストックされている高確ストック回数を遊技者に認識し易くすることが可能である。
なお第2形態に係る発明は、以下の遊技機として表現することができる。
すなわち、課題を解決するための手段に記載した手段4に係る遊技機であって、
前記遊技状態制御手段により前記第1特別遊技後の遊技状態が前記高確率状態に制御される連続回数(以下「高確ストック回数」という)を、1回毎の第2特別遊技の実行により遊技球が前記特定領域へ通過したことに基づいて、1だけ加算する高確ストック回数加算手段(S2709を実行可能な遊技制御用マイコン81)と、
前記高確ストック回数を1回毎の第1特別遊技後の遊技状態が前記高確率状態に制御されることに基づいて、1だけ減算する高確ストック回数減算手段(S2320を実行可能な遊
技制御用マイコン81)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記高確ストック回数に基づいて、複数回の第1特別遊技後の遊技状態を前記高確率状態に連続的に制御可能であることを特徴とする遊技機である。
上記した発明によれば、複数回の第2特別遊技の実行を契機として、複数回の第1特別遊技後の遊技状態が高確率状態に連続的に制御され得るため、第2特別遊技への当選意欲をより向上させることが可能である。
更に第2形態に係る発明は、以下の遊技機として表現することができる。
すなわち、上記した遊技機であって、
所定の演出手段(画像表示装置7)により前記高確ストック回数を報知する高確ストック回数報知手段(S2708又はS2321を実行可能な遊技制御用マイコン81)を備えていることを特徴とする遊技機である。
上記した発明によれば、第1特別遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される連続回数(高確ストック回数)を遊技者に認識し易くすることが可能である。
<第3形態>
図54〜図56に基づいて本発明に係る第3形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、長開放小当たりによるV通過があったときには、次回の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御(移行)されることが確定するようになっていたが、第3形態では、長開放小当たりによるV通過があったときには、次回の大当たり遊技後の遊技状態が電サポ制御状態(高ベース状態、特典遊技状態)に制御されることが確定するようになっている。なお、第3形態のパチンコ遊技機1においては、Vロング大当たりへの当選に基づき大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態に制御され、Vショート大当たりへの当選に基づき大当たり遊技後の遊技状態が低確低ベース状態(電サポ制御が実行されない状態)に制御されるものとする。以下、第1形態と異なる構成(フローチャート)を中心に説明する。
図54は第3形態における特定領域センサ検出処理のフローチャートである。図54に示すように、第2形態の特定領域センサ検出処理(S107)は、図35に示す第1形態の特定領域センサ検出処理(S107)におけるステップS2707をステップS2711に換えている。第3形態の特定領域センサ検出処理(S107)では、特定領域センサ39aがオンであり(S2701)、小当たりV有効期間中であると判定されれば(S2706でYES)、ステップS2711に進む。ステップS2711では、電サポ制御フラグをONする。ここで、電サポフラグとは、電サポ制御を実行するための時短フラグをONするためのフラグである。ステップS2711の後、小当たりV通過コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2708)、処理を終える。
ここで、第3形態のステップS2708においては、小当たりV通過コマンドがセットされると、この小当たりV通過コマンドを受信した演出制御用マイコン91が、電サポ確定演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。そして、電サポ確定演出コマンドを受信した画像制御基板100は、所定の画像情報をROM103から読み出して、図56に示すように、表示画面7aに「次回大当たり後電サポ」の文字を表示する。その結果、「次回大当たり後電サポ」を見た遊技者は、次回の大当たり後の遊技状態が電サポ制御状態に制御されることが確定していることを把握できるようになっている。なお「次回大当たり後電サポ」の文字を表示すること以外に、特別の警告音をスピーカ67から出力したり、枠ランプ67や盤ランプ5を特別な態様で点灯させるなど、他の態様で次回の大当たり後の遊技状態が電サポ制御状態に制御されることが確定していることを報知しても良い。
図55は、第3形態における遊技状態設定処理のフローチャートである。遊技状態設定処理(S2221)は大当たり遊技後に遊技状態を設定しなおす処理であり、図54に示すように、まず電サポフラグがONか否かを判定する(S2330)。電サポフラグがONであれば(S2330でYES)、時短フラグがオンされるとともに(S2331)、電サポフラグがOFFされて(S2332)、ステップS2333に進む。このように、大当たり遊技前に長開放小当たりによるV通過があったときには、電サポフラグがONになっていることに基づいて(図54のS2711の実行に基づいて)、時短フラグがONされる(S2331)。一方、電サポフラグがONでなければ(S2330でNO)、ステップS2331及びステップS2332をパスして、ステップS2333に進む。
ステップS2333では、VフラグがONか否かを判定する。VフラグがONでなければ(S2333でNO)、すなわちVショート大当たりである場合又はVロング大当たりでもV通過がない場合には、時短フラグがONか否かを判定する(S2334)。このとき時短フラグがONでない(S2334でNO)場合には、時短カウンタや確変カウンタに値をセットすることなく、ステップS2335に進む。一方、時短フラグがONである(S2334でYES)場合には、時短カウンタに「100」をセットして(S2336)、ステップS2335に進む。
これらに対してステップS2333において、VフラグがONであれば、すなわちVロング大当たりである場合には、確変フラグをONするとともに(S2337)、確変カウンタに「160」をセットする(S2338)。その後、VフラグをOFFする(S2339)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2340)、時短カウンタに「160」をセットして(S2341)、ステップS2335に進む。ステップS2335では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、遊技状態設定処理(S2221)を終える。
第3形態における遊技状態設定処理(S2221)において、大当たりに当選する前に長開放小当たりによるV通過がなくて、Vショート大当たりに当選した場合には、以下の処理が行われる。即ち、大当たりに当選する前に特定領域センサ処理(S107)で電サポフラグがONされていないため、ステップS2330でNOと判定される。そのため、ステップS2331で時短フラグがONされない。そして、Vショート大当たりにより特定領域センサ処理(S107)でVフラグがONされていないため、ステップS2333でNOと判定される。更に、時短フラグがONでないため、ステップS2334でNOと判定される。こうしてこの場合には、確変フラグ及び時短フラグが共にONでないため、今回の大当たり遊技後の遊技状態が低確低ベース状態(通常確率状態且つ非時短状態且つ非電サポ制御状態)になる。
また第3形態における遊技状態設定処理(S2221)において、大当たりに当選する前に長開放小当たりによるV通過があって、Vショート大当たりに当選した場合には、以下の処理が行われる。即ち、大当たりに当選する前に特定領域センサ処理(S107)で電サポフラグがONされているため(S2711)、ステップS2330でYESと判定される。そのため、ステップS2331で時短フラグがONされる。そして、Vショート大当たりにより特定領域センサ処理(S107)でVフラグがONされていないため、ステップS2333でNOと判定される。そして、時短フラグがONであるため、ステップS2334でYESと判定されて、ステップS2336で時短カウンタに「100」がセットされる。こうしてこの場合には、確変フラグがONでないのに対して、時短フラグがONであるため、今回の大当たり遊技後の遊技状態が低確高ベース状態(通常確率状態且つ時短状態且つ電サポ制御状態)になる。
また第3形態における遊技状態設定処理(S2221)において、大当たりに当選する前に長開放小当たりによるV通過があるか否かに拘わらず、Vロング大当たりに当選してV通過があった場合には、以下の処理が行われる。即ち、Vロング大当たりによるV通過によって、特定領域センサ処理(S107)でVフラグがONされているため(S2704)、ステップS2333でYESと判定されて、ステップS2337へ進むこととなる。よって、確変フラグがONされて(S2337)、確変カウンタに「160」がセットされる(S2338)。そして、時短フラグがONされて(S2340)、時短カウンタに「160」がセットされる(S2341)。こうしてこの場合には、確変フラグ及び時短フラグが共にONであるため、今回の大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態(高確率状態且つ時短状態且つ電サポ制御状態)になる。
第3形態の効果について説明する。第3形態によれば、長開放小当たりによる小当たり遊技が実行されると、遊技球が特定領域39を通過し得る。これにより、その後の小当たり遊技以降の遊技において、大当たりに当選した場合に大当たり遊技後の遊技状態が電サポ制御状態に制御されることが確定する。即ち、小当たり遊技後から大当たり遊技が開始されるまで、次回の大当たり遊技後の遊技状態が電サポ制御状態に制御されることがストックされたようになる(S2711で電サポフラグがON)。よって、仮に比較的長い間大当たりに当選しなくても、小当たりへの当選意欲が向上して遊技を継続し易くなり、大当たり遊技の実行前の遊技における遊技意欲を向上させることが可能である。
また第3形態によれば、長開放小当たりによる小当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域39へ通過したことに基づいて、図56に示すように、表示画面7aに「次回大当たり後電サポ」の文字を表示する。これにより、次回の大当たり遊技後の遊技状態が電サポ制御状態に移行することを遊技者に認識し易くすることが可能である。
<その他の変更例>
上記各形態では、大当たりに2つの種別(Vロング大当たりとVショート大当たり)があり、小当たりに2つの種別(長開放小当たりと短開放小当たり)があったが、大当たりの種別及び小当たりの種別は適宜変更可能である。例えば大当たりとしてVショート大当たりしか設定されておらず、大当たり遊技中にV通過することがなくて、大当たりによるV通過を契機として高確率状態には移行しない遊技機としても良い。また、小当たりとして長開放小当たりしか設定されておらず、短開放小当たりのように小当たり遊技中にV通過することがない小当たりを設定しないようにしても良い。また、大当たりに3つ以上の種別を設定しても良く、小当たりに3つ以上の種別を設定しても良い。
また上記各形態では、長開放小当たりでは第2大入賞口35が2回開放し、短開放小当たりでは第2大入賞口35が1回開放して、長開放小当たりと短開放小当たりとで第2大入賞口35の開放態様が異なるようになっていた。しかしながら、長開放小当たりと短開放小当たりとで第2大入賞口35の開放態様を同じにしても良い。例えば短開放小当たりでも第2大入賞口を2回開放させて、遊技球が第2大入賞口35に入賞し得るように設定する。そして、短開放小当たりで仮にV入賞したとしても、次回の大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に移行しないように、すなわち短開放小当たりではV入賞を無効とするために、小当たりV有効期間を設定しないようにすれば良い。
また上記各形態では、大当たり遊技において遊技球が第1大入賞口30と第2大入賞口35の双方に入賞して賞球が増えるようになっていたが、第1大入賞口30又は第2大入賞口35の一方にのみ入賞して賞球が増えるようにしても良い。また上記各形態では、大入賞口として第1大入賞口30(第1大入賞装置31)と第2大入賞口35(第2大入賞装置36)とが配されている遊技機であったが、特定領域を有する大入賞装置が1つだけ配されている遊技機であっても良い。また、3つの大入賞口が配されている遊技機であっても良い。この場合の大当たり遊技において、1つの大入賞口に入賞して賞球が増えるようにしても良く、2つの大入賞口に入賞して賞球が増えるようにしても良く、3つの大入賞口に入賞して賞球が増えるようにしても良い。
なお、第1大入賞装置31の開閉部材32に換えて、スライド式やチューリップ型の変位部材を用いても良く、第2大入賞装置(特別入球手段)の羽根部材(変位部材)37に換えて、スライド式やチューリップ型の変位部材を用いても良い。また、大入賞装置に設けられる変位部材は、大入賞口に入球し易い状態と大入賞口に入球し難い又は入球不能な状態に変位するものであっても良い。
また上記各形態では、第2大入賞口35と特定領域39とが離れて設けられていたが、第2大入賞口35が特定領域39を兼ねる構成としても良い。これにより、振分部材71や非特定領域70(非特定領域センサ70a)を設ける必要がなくなる。またこのように構成した場合には、Vショート開放パターン及び短開放小当たり開放パターンを、第2大入賞口35にほぼ入賞不可能な開放態様とし、Vロング開放パターン及び長開放小当たり開放パターンを、第2大入賞口35に入賞容易な開放態様とすればよい。また、大当たり遊技及び小当たり遊技による第2大入賞口35の開放期間のうち、一部の期間を特定領域39として機能させ、他の開放期間を非特定領域として機能させるようにしてもよい。
また上記各形態では、大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過、又は小当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技後に高確率状態に移行させる遊技機として説明したが、停止表示される特別図柄の種類、又は小当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技後に高確率状態に移行させる遊技機として構成しても良い。また、所謂1種2種の遊技機や、大当たり遊技後に高確率状態に制御された連続回数が所定の制限回数に及んだ場合にリミッタ機能が作動する遊技機等、他の種類の遊技機として構成しても良い。
また上記各形態では、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)が左側遊技領域3Aに配されていて、左打ちにて遊技球を第2大入賞口35へ入賞させるように構成したが、第2大入賞装置36が右側遊技領域3Aに配されていて、右打ちにて遊技球を第2大入賞口35へ入賞させるように構成しても良い。つまり、第1大入賞装置31、第2大入賞装置36、電チュー22、第1始動口20等の配置は、適宜変更可能である。
また上記各形態では、時短カウンタに100(図33のS2303,図52のS2313,図55のS2336参照)又は160(図33のS2308,図52のS2323,図55のS2341参照)をセットし、確変カウンタに160(図33のS2305,図52のS2317,図55のS2338参照)をセットしたが、これらカウンタにセットする数(時短回数、ST回数)はこれらに限らなくても良い。例えば、ST回数を10000として、高確率状態では実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が続くようにしても良い。また上記各形態では、図11に示すように、変動パターンP1〜P8,P11〜P17,P21〜P28,P31〜37を設定したが、変動パターンの種類はこれらに限られなくても良い。
なお、上記第1形態では、長開放小当たりに当選し、小当たりV有効期間中にV通過があると高確率状態に移行することが確定するため、本発明は、高確率状態へ移行するか否かを抽選する「確変抽選手段」を備えているということができる。また、上述したように小当たりV有効期間中にV通過があっても、小当たり遊技後の遊技状態は小当たり遊技前の遊技状態から変化しないため、本発明は、小当たり遊技後から大当たり遊技が終了するまで高確率状態への移行を保留する「確変保留手段」を備えているということができる。また、次回の大当たり後の遊技状態を高確率状態に移行するため、本発明は、大当たり遊技が終了した後に高確率状態への移行を開始する「確変作動手段」を備えているということができる。
また上記第1,第2形態では、長開放小当たりの当選により遊技球が特定領域39を通過し、小当たり遊技以降の遊技において大当たりに当選して、大当たり遊技が実行されて終了すると(所定条件が成立すると)、高確率状態(特典遊技状態)に制御された。しかしながら、所定条件の成立(高確率状態への移行の契機)は、大当たり遊技が実行されて終了すること以外であってもよく、例えば小当たり遊技が2回実行されて終了することや、スーパーリーチとなってハズレとなることであっても良い。
また上記第3形態では、長開放小当たりによるV通過が何回生じても、次回の大当たり遊技後の遊技状態だけが電サポ制御状態に移行することが確定するようになっていた。しかしながら、長開放小当たりによるV通過の回数に応じて、複数回の大当たり遊技後の遊技状態が電サポ制御状態に移行することが確定するように構成しても良い。
また上記第3形態では、長開放小当たりの当選により遊技球が特定領域39を通過し、小当たり遊技以降の遊技において大当たりに当選して、大当たり遊技が実行されて終了すると(所定条件が成立すると)、電サポ制御状態(特典遊技状態)に制御された。しかしながら、所定条件の成立(電サポ制御状態への移行の契機)は、大当たり遊技が実行されて終了すること以外であってもよく、例えば小当たり遊技が2回実行されて終了することや、スーパーリーチとなってハズレとなることであっても良い。
また上記第1,第2形態では、特典遊技状態(遊技状態よりも大当たり遊技が実行され易い状態)が高確率状態であり、上記第3形態では、特典遊技状態が電サポ制御状態であったが、特典遊技状態は時短状態や、時短状態及び高確率状態など、大当たり遊技を促進し易い状態であれば適宜変更可能である。
なお、上記した各実施形態には、以下の手段1〜6の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した各実施形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
第1入球部(第1始動口20)と、
第2入球部(第2大入賞口35)と、前記第2入球部に入球した遊技球が通過可能な特定領域(特定領域39)と、前記第2入球部に遊技球が入球し易い第1状態と前記第1状態よりも遊技球が入球し難い又は遊技球が入球不能な第2状態とに変位可能な変位部材(羽根部材37)と、を備えている特別入球手段(第2大入賞装置36)と、
前記第1入球部への遊技球の入球に基づいて第1特別遊技(大当たり遊技)又は第2特別遊技(小当たり遊技)の各々を実行するか否かを判定する当否判定手段(S1402又はS1408を実行可能な遊技制御用マイコン81)と、
前記当否判定手段が前記第1特別遊技を実行すると判定した場合に予め定めた第1特別遊技報知態様(大当たり図柄)で報知し、前記当否判定手段が前記第2特別遊技を実行すると判定した場合に予め定めた第2特別遊技報知態様(小当たり図柄)で報知する報知手段(表示器類40)と、
前記報知手段により前記第1特別遊技報知態様で報知されたあと、前記第1特別遊技を実行する第1特別遊技実行手段(S1308を実行可能な遊技制御用マイコン81)と、
前記報知手段により前記第2特別遊技報知態様で報知されたあと、前記変位部材を少なくとも前記第1状態に変位させる前記第2特別遊技を実行する第2特別遊技実行手段(S1309を実行可能な遊技制御用マイコン81)と、
遊技状態を通常遊技状態又は前記通常遊技状態よりも前記第1特別遊技が実行され易い特典遊技状態(高確率状態)に制御する遊技状態制御手段(S2221を実行可能な遊技制御用マイコン81)と、
前記第2特別遊技の実行中に遊技球が前記特定領域へ通過したときに当該特定領域への遊技球の通過を記憶する記憶手段(S2707を実行可能な遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記第2特別遊技以降の遊技において所定条件が成立すると共に前記記憶手段により前記特定領域への遊技球の通過が記憶されている場合に遊技状態を前記特典遊技状態に制御することを特徴とする遊技機である。
手段1に係る発明によれば、第2特別遊技が実行されて変位部材が第1状態に変位すると、遊技球が特定領域を通過し得る。これにより、その後の第2特別遊技以降の遊技において、所定条件が成立するときに第1特別遊技が実行され易い特典遊技状態に制御されることが確定する。よって、第1特別遊技への当選意欲が向上して遊技を継続し易くなり、第1特別遊技の実行前の遊技における遊技意欲を向上させることが可能である。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記第2特別遊技報知態様には、少なくとも第1報知態様(短開放小当たり図柄)と前記第1報知態様と異なる第2報知態様(長開放小当たり図柄)とが含まれていて、
前記第2特別遊技実行手段により実行される前記第2特別遊技には、
少なくとも前記報知手段により前記第1報知態様で報知された場合に前記特定領域への遊技球の通過が困難又は不可能となるように前記変位部材を変位させる第1遊技(短開放小当たりによる小当たり遊技)と、
前記報知手段により前記第2報知態様で報知された場合に前記特定領域への遊技球の通過が前記第1遊技よりも容易となるように前記変位部材を変位させる第2遊技(長開放小当たりによる小当たり遊技)とが含まれていることを特徴とする遊技機である。
手段2に係る発明によれば、遊技者は、第2特別遊技のうち特定領域への遊技球の通過が困難又は不可能な第1遊技が実行されるよりも、特定領域への遊技球の通過が容易な第2遊技が実行されることを期待する。そのため、遊技者にとっては、第2特別遊技が実行されたときに第1遊技又は第2遊技のどちらが実行されたか注目することになる。よって、第2特別遊技が実行されたときの遊技が1つしか無い場合に比べて、遊技が単調とはならずに第2特別遊技を飽き難くすることが可能である。
手段3に係る発明は、
手段1又は手段2に記載の遊技機であって、
前記第2特別遊技の実行中に遊技球が前記特定領域へ通過したことに基づいて、前記所定条件の成立後の遊技状態が前記特典遊技状態に制御されることを報知する報知演出(例えば図48(B)に示す小当たりV通過報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(S4412を実行可能な演出制御用マイコン91)を備えていることを特徴とする遊技機である。
手段3に係る発明によれば、第2特別遊技の実行中に遊技球が特定領域へ通過したことに基づいて、所定条件の成立後の遊技状態が特典遊技状態に移行することを遊技者に認識し易くすることが可能である。
手段4に係る発明は、
手段1乃至手段3の何れかに記載の遊技機であって、
前記特典遊技状態は、通常確率状態よりも前記当否判定手段によって前記第1特別遊技が実行されると判定される確率が高い高確率状態であり、
前記所定条件の成立は、前記第1特別遊技が実行されて終了することであることを特徴とする遊技機である。
手段4に係る発明によれば、第2特別遊技の実行中に遊技球が特定領域へ通過したことに基づいて、次回の第1特別遊技後の遊技状態が高確率状態に移行することが確定する。そのため比較的長い間、第1特別遊技が実行されなくて第1特別遊技への当選意欲が減少しても、第2特別遊技への当選意欲を向上させて、遊技を継続し易くすることが可能である。
手段5に係る発明は、
手段4に記載の遊技機であって、
前記第1入球部として、入球部(第1始動口20)と、遊技球の入球し易さが変化可能な可変入球部(第2始動口21)とを備え、
少なくとも前記入球部又は前記可変入球部への入球に基づき実行された前記第1特別遊技後の遊技状態を、第1入球率状態(非電サポ制御状態)よりも前記可変入球部へ遊技球が入球し易い第2入球率状態(電サポ制御状態)に制御可能な入球率状態制御手段(S2302又はS2307を実行可能な遊技制御用マイコン81)を備え、
前記当否判定手段は、前記入球部への入球に基づく当否判定よりも、前記可変入球部への入球に基づく当否判定を優先して実行するものであり、
前記可変入球部への入球に基づく当否判定により前記第2特別遊技が実行される確率は、前記入球部への入球に基づく当否判定により前記第2特別遊技が実行される確率よりも高く設定されている(図10(A)の大当たり及び小当たり判定テーブル参照)ことを特徴とする遊技機である。
手段5に係る発明によれば、第2入球率状態では、第1入球率状態よりも可変入球部へ遊技球が入球し易くなって、第2特別遊技への当選確率が高くなる。そのため、第2入球率状態中において、次回の第1特別遊技後の遊技状態が高確率状態に移行する確率が高くなり、第1特別遊技への当選に対する遊技意欲を掻き立てることが可能である。
手段6に係る発明は、
手段1乃至手段5の何れかに記載の遊技機であって、
前記第1特別遊技の実行中には、前記変位部材が少なくとも前記第1状態となるように設定されていて、
前記遊技状態制御手段は、
前記第1特別遊技の実行中に遊技球が前記特定領域へ通過したときには、前記記憶手段により前記特定領域への遊技球の通過が記憶されているか否かに拘わらず、当該第1特別遊技後の遊技状態を前記特典遊技状態に制御する(S2704でVフラグをONすることに基づいてS2304で確変フラグをONする)ことを特徴とする遊技機である。
手段6に係る発明によれば、第1特別遊技への当選前に第2特別遊技が実行されない場合や、第2特別遊技が実行されても遊技球が特定領域へ通過しない場合が生じ得る。しかしこれらの場合であっても、第1特別遊技の実行中に遊技球が特定領域へ通過すれば、当該第1特別遊技後の遊技状態を特典遊技状態へ移行させることが可能である。