JP2016054599A - 電動車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力装置と電動モータとを有する駆動システムを2つ備えた構成の電動車両であって、一方の駆動システムのみにより走行した場合であっても、それに伴って他方の駆動システムを構成する機器が破損してしまうことのない電動車両を提供すること。【解決手段】第1システム100に異常が生じた場合には、第2制御部320は、回転軸411の回転数が上限値NLIMを超えることの無いようにモータジェネレータ210の駆動力を抑制する。第2システム200に異常が生じた場合には、第1制御部310は、回転軸412の回転数が上限値NLIMを超えることの無いようにモータジェネレータ110の駆動力を抑制する。【選択図】図1
Description
本発明は、電力によって走行する電動車両に関する。
近年、電動モータを搭載し電力によって走行する電動車両の普及が始まっている(例えば特許文献1参照)。このような電動車両としては、例えば、蓄電池に蓄えられた電力によって走行する電気自動車や、自ら発電した電力により走行する燃料電池自動車がある。また、内燃機関の駆動力と蓄電池の電力との両方により走行するハイブリッド自動車もある。これらはいずれも、電動モータに対する電力の供給源として、蓄電池や発電機(以下、これらを総じて「電力装置」とも称する)を備えている。
本発明者らは、例えばバスのような大型の電動車両の開発を進めている。大型の電動車両では、必要な走行力も大きくなる。このため、電力装置と、当該電力装置から電力の供給を受ける電動モータとを、従来のように電動車両に1組のみ備えるのではなく2組備えることを検討している。つまり、電力装置と電動モータとからなる駆動システムを、1台の電動車両に2つ備えることを検討している。このような構成であれば、走行力が2倍となるため、大型で重量の大きな電動車両であっても十分な速度で走行させることができる。
2つの電動モータによって電動車両を走行させるためには、一方の電動モータの回転と、他方のモータの回転とを、電動車両のプロペラシャフトの回転に変換するようなギアを備えた構成とすればよい。このような構成においては、2つの電動モータのそれぞれの回転軸が、ギアを介して互いに接続された状態となっている。このため、一方の電動モータの回転軸を回転させると、それに伴って他方の電動モータの回転軸も回転する。
上記のような構成の電動車両では、走行中において一方の駆動システムに異常が生じてしまった場合でも、他方の正常な駆動システムのみにより走行することが可能である。このとき、異常が生じた駆動システムはシャットダウンされた状態となっているのであるが、当該駆動システムに搭載された電動モータの回転軸は、電動車両の走行に伴って回転する。つまり、正常な駆動システムに搭載された電動モータの回転軸の回転力がギアを介して伝達されることにより、異常が生じた駆動システムに搭載された電動モータの回転軸も回転することとなる。
このとき、当該電動モータが搭載された駆動システムはシャットダウンされているので、電動モータに対する弱め界磁制御が行われない状態となっている。このため、電動モータでは回転軸の回転に伴って大きな逆起電力が発生してしまい、逆起電力が電力装置の構成機器(例えばインバータ)に印加されることとなる。印加された逆起電力が構成機器の許容電圧を超えてしまうと、当該構成機器が破損してしまう恐れがある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力装置と電動モータとを有する駆動システムを2つ備えた構成の電動車両であって、一方の駆動システムのみにより走行した場合であっても、それに伴って他方の駆動システムを構成する機器が破損してしまうことのない電動車両を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電動車両は、電力によって走行する電動車両であって、電力の供給源である第1電力装置(120、130)と、第1電力装置からの電力により駆動される第1モータ(110)と、第1モータの駆動力を制御する第1制御部(310)と、を有する第1駆動システム(100)と、電力の供給源である第2電力装置(220、230)と、第2電力装置からの電力により駆動される第2モータ(210)と、第2モータの駆動力を制御する第2制御部(320)と、を有する第2駆動システム(200)と、第1モータの第1回転軸(411)及び第2モータの第2回転軸(412)に接続されており、第1モータの駆動力及び第2モータの駆動力を電動車両の走行力に変換するギア(410)と、を備え第1駆動システムに異常が生じた場合には、第2制御部は、第1回転軸の回転数が第1閾値を超えることの無いように第2モータの駆動力を抑制し、第2駆動システムに異常が生じた場合には、第1制御部は、第2回転軸の回転数が第2閾値を超えることの無いように第1モータの駆動力を抑制することを特徴とする。
本発明に係る電動車両では、第1駆動システムに異常が生じた場合には、第1回転軸の回転数が第1閾値を超えることの無いように第2モータの駆動力を抑制するような制御が行われる。同様に、第2駆動システムに異常が生じた場合には、第2回転軸の回転数が第2閾値を超えることの無いように第1モータの駆動力を抑制するような制御が行われる。異常が生じた駆動システムに搭載された電動モータの回転数が所定の閾値以下となるため、当該電動モータにより生じた逆起電力が大きくなり過ぎてしまうことが無い。その結果、逆起電力が印加されることによる機器の破損が確実に防止される。
本発明によれば、電力装置と電動モータとを有する駆動システムを2つ備えた構成の電動車両であって、一方の駆動システムのみにより走行した場合であっても、それに伴って他方の駆動システムを構成する機器が破損してしまうことのない電動車両を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る電動車両10の全体構成を説明する。電動車両10は、燃料電池装置により電力を発生させ、当該電力によりモータジェネレータ(回転電機)を回転させて走行する大型バスである。電動車両10は、2つのモータジェネレータ110、210と、2つの燃料電池装置120、220とを備えている。燃料電池装置120は、一方のモータジェネレータ110に供給される電力を発生させるためのものである。燃料電池装置220は、他方のモータジェネレータ210に供給される電力を発生させるためのものである。
つまり、電動車両10は、発電して駆動力を発生させるためのシステム(バンク)を2つ備えているということができる。以降の説明では、燃料電池装置120及びモータジェネレータ110を含む一方のシステムのことを「第1システム100」と称する。また、燃料電池装置220及びモータジェネレータ210を含む他方のシステムのことを「第2システム200」と称する。
第1システム100のハードウェア構成と第2システム200のハードウェア構成とは互いに同一である。従って、以下においては、第1システム100の構成について主に説明し、第2システム200の構成については説明を適宜省略する。図1では、システム100の構成要素には例えば「燃料電池装置120」のように100番台の項目番号を付しており、システム200の構成要素には「燃料電池装置220」のように200番台の項目番号を付している。また、互いに対応する構成要素の項目番号は下2桁を共通させている。
第1システム100は、モータジェネレータ110と、燃料電池装置120と、蓄電池130とを備えている。
モータジェネレータ110は、三相の交流電力の供給を受けて駆動力を発生させる回転電機である。かかる駆動力が、後述のギア410等によって電動車両10の推進力に変換される。また、電動車両10の走行時にはモータジェネレータ110において逆起電力が発生する。モータジェネレータ110は、高速走行時等においては磁界を弱めることでかかる逆起電力を低減する制御、所謂「弱め界磁制御」を行うことが可能な構成となっている。弱め界磁制御は、燃料電池装置120および蓄電池130から供給される電力によって行われる。
電動車両10の減速時において、モータジェネレータ110では、三相の交流電力である回生電力が発生する。回生電力は蓄電池130に蓄えられ、後に電動車両10の走行のために利用される。
燃料電池装置120は、固体酸化物型の燃料電池スタック(不図示)を備える発電装置である。電動車両10には水素を蓄える水素タンク150が搭載されている。燃料電池装置120は、この水素タンク150から燃料としての水素の供給を受け、ブロア(不図示)から酸化剤としての空気(外気)の供給を受けることによって発電する。燃料電池装置120は、その補機類を動作させるために電力の供給を必要とするのであるが、かかる電力は、蓄電池130からの供給及び自らの発電によって賄われる。
燃料電池装置120で発電された直流電力は、昇圧コンバータ160によって昇圧された後、インバータ170によって三相交流電力に変換されてモータジェネレータ110に供給される。昇圧コンバータ160は、燃料電池装置120の出力端子間電圧を、インバータ170に入力するための適切な電圧に変換するためのものということができる。
蓄電池130は、既に説明したように、モータジェネレータ110からの回生電力を一時的に蓄える機能と、蓄えられた電力をモータジェネレータ110等に供給する機能とを有している。また、燃料電池装置120で発電された電力のうち、モータジェネレータ110で消費されなかった余剰の電力を蓄える機能も有している。
蓄電池130から取り出された直流電力は、昇圧コンバータ180によって昇圧された後、インバータ170によって三相交流電力に変換されてモータジェネレータ110に供給される。昇圧コンバータ180は、蓄電池130の出力端子間電圧を、インバータ170に入力するための適切な電圧に変換するためのものということができる。
昇圧コンバータ180は双方向の電力変換器となっており、昇圧コンバータ160から出力された電力を降圧して蓄電池130に供給することが可能となっている。また、インバータ170も双方向の電力変換器となっており、モータジェネレータ110からの回生電力(三相交流)を直流電力に変換し、昇圧コンバータ180に供給することが可能となっている。かかる電力は昇圧コンバータ180によって降圧されて、蓄電池130に供給され蓄えられる。
電動車両10は、第1システム100及び第2システム200の他、制御装置300と、ギア410と、プロペラシャフト413と、ディファレンシャルギア420と、ドライブシャフト421、422と、車輪431、432とを備えている。尚、電動車両10は、車輪431、432(駆動輪)の他に更に2つの車輪(非駆動輪)を備えているのであるが、当該車輪については図示を省略している。
制御装置300は、電動車両10の全体の制御を司るコンピュータシステムであって、第1制御部310と第2制御部320とにより構成されている。第1制御部310は第1システム100の一部として組み込まれており、第1システム100全体の動作を制御するためのサブシステムとなっている。第1制御部310により、モータジェネレータ110の駆動、燃料電池装置120の発電、及び蓄電池130の充放電が制御される。
第2制御部320は第2システム200の一部として組み込まれており、第2システム200全体の動作を制御するためのサブシステムとなっている。第2制御部320により、モータジェネレータ210の駆動、燃料電池装置220の発電、及び蓄電池230の充放電が制御される。第1制御部310と第2制御部320とは、不図示の信号線を介して互いに通信しながら、第1システム100及び第2システム200をそれぞれ制御する。
ギア410は、モータジェネレータ110及びモータジェネレータ210のそれぞれの駆動力を、プロペラシャフト413の回転力に変換するものである。ギア410には、モータジェネレータ110の回転軸411の一端が接続されている。また、ギア410には、モータジェネレータ210の回転軸412の一端が接続されている。回転軸411及び回転軸412が回転すると、ギア410が備える複数の歯車によりプロペラシャフト413が回転する構成となっている。
回転軸411の近傍には回転数センサ140が備えられている。回転数センサ140は、回転軸411の回転数(単位:rps)を計測するためのセンサである。回転数センサ140によって計測された回転軸411の回転数の値は、電気信号として制御部310に入力される。同様に、回転軸412の近傍には回転数センサ240が備えられている。回転数センサ240は、回転軸412の回転数(単位:rps)を計測するためのセンサである。回転数センサ240によって計測された回転軸412の回転数の値は、電気信号として制御部320に入力される。
尚、回転軸411と回転軸412とはギア410を介して接続されているため、一方のみが回転することはできなくなっている。つまり、例えばモータジェネレータ110によって回転軸411のみを回転させた場合には、それに伴って回転軸412も回転することとなる。
ディファレンシャルギア420は、プロペラシャフト413の回転をドライブシャフト421、422の回転に変換するものである。ディファレンシャルギア420には、プロペラシャフト413の一端が接続されている。また、ディファレンシャルギア420には、ドライブシャフト421、422のそれぞれの一端が接続されている。プロペラシャフト413が回転すると、ディファレンシャルギア420が備える複数の歯車により、ドライブシャフト421、422がそれぞれ回転する構成となっている。ドライブシャフト421、422のそれぞれの他端(ディファレンシャルギア420とは反対側の端部)には、車輪431及び車輪432が接続されている。
モータジェネレータ110及びモータジェネレータ210のそれぞれの駆動力は、ギア410及びディファレンシャルギア420によって車輪431及び車輪432の回転力に変換される。すなわち、電動車両10の走行力に変換される。また、電動車両10の制動時には、車輪431及び車輪432の回転が回転軸411及び回転軸412の回転に変換される。その結果、モータジェネレータ110及びモータジェネレータ210においてそれぞれ回生電力が発生する。
本実施形態に係る電動車両10では、第1システム100及び第2システム200のうち一方に異常が生じた場合であっても、他方の正常なシステムのみによって走行すること(片バンク走行)が可能となっている。例えば、第2システム200に異常が生じ、モータジェネレータ210による駆動力を発生させることができなくなった場合には、第1システム100のモータジェネレータ110による駆動力のみによって走行することができる。
このような場合において、制御装置300によって行われる制御について説明する。図2は、電動車両10の走行中において制御装置300によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。図2に示される処理は、第1制御部310及び第2制御部320のそれぞれにおいて繰り返し実行されている。
以下では、第1システム100が正常に動作している時に第2システム200に異常が生じた場合において、第1制御部310により行われる制御の例を説明する。尚、これとは逆の場合(第2システム200が正常に動作している時に第1システム100に異常が生じた場合)において第2制御部320により行われる制御は、以下の説明において第1システム100と第2システム200とを入れ替えたものと同じであるから、その説明を省略する。
最初のステップS01では、他方のシステムである第2システム200に異常が生じているか否かが判定される。本実施形態では、第2システム200に異常が生じると、異常を示す信号が第2制御部320から第1制御部310へと通知されるように構成されている。第1制御部310においてかかる信号が受信されていればステップS02に移行する。信号が受信されていなければ(第1システム100及び第2システム200の両方が正常に動作しているのであれば)、図2に示される処理を終了する。
ステップS02に移行したときには、異常が生じた第2システム200は既にシャットダウンしている状態か、シャットダウンプロセスの途中の状態である可能性が高い。このような状態では、電動車両10はモータジェネレータ110のみの駆動力によって走行している。このとき、モータジェネレータ210では駆動力は発生していない。
ただし、回転軸411の回転がギア410を介して伝達されることにより、モータジェネレータ210の回転軸412は回転している。その結果、モータジェネレータ210では逆起電力が発生しており、かかる逆起電力がインバータ270に印加されている。
更に、第2システム200のシャットダウンに伴い、燃料電池装置220は発電を停止し、蓄電池230からの電力供給は遮断されているため、モータジェネレータ210に対する弱め界磁制御は行われない状態となっている。このため、回転軸412の回転に伴って生じた逆起電力は、弱め界磁制御によって抑制されることなくそのままインバータ270に印加されてしまう。
更に、インバータ270に印加される逆起電力は、回転軸412の回転数に比例して大きくなる。このため、モータジェネレータ110の出力が大きくなり電動車両10の速度が大きくなると、大きな逆起電力によってインバータ270が破損してしまうことが懸念される。そこで、本実施形態では、異常が生じた第2システム200に搭載されたモータジェネレータ210の回転軸412の回転数に上限(上限値NLIM)を設定し、回転軸412の回転数が上限値NLIMを超えないようにモータジェネレータ110の出力(例えばトルク)を抑制する制御が行われる。
ステップS02では、上限値NLIMが下記の式(1)に基づいて設定される。
NLIM=VALW/KE・・・・(1)
NLIM=VALW/KE・・・・(1)
VALWは、インバータ270に対して印加することが許容される電圧の上限値(単位:V)である。VALWは、インバータ270が備える保護回路の仕様等に基づいて適宜設定される。
KEは、回転軸412の回転数(単位:rps)に対する、モータジェネレータ210で生じる逆起電力(単位:V)の割合を示す係数(単位:V/rps)である。KEはモータジェネレータ210の構成により定まる定数である。
上限値NLIMが設定されると、ステップS02からステップS03に移行する。ステップS03では、出力制限係数KPが設定される。出力制限係数KPとは、モータジェネレータ110の出力TPをどの程度制限するかを決定するために用いられる係数である。出力制限係数KPを用いて、モータジェネレータ110の出力TPは下記の式(2)により決定される。なお、出力TPとは、本実施形態ではトルク(単位:N・m)である。
TP=TPRQ×KP・・・・(2)
TP=TPRQ×KP・・・・(2)
TPRQは、電動車両10を運転者の要求通りに走行させるために必要な、モータジェネレータ110の出力である。TPRQは、アクセル開度等に基づいて制御装置300により算出される。
KPは、ステップS02で設定された上限値NLIMの値、及び、回転数センサ240で検知された回転軸412の回転数に基づいて、0から1(0%から100%)の間で設定される係数である。式(2)に示されるように、KPの値が1(100%)のときには、TPRQの値がそのままモータジェネレータ110の出力TPの値に設定される。つまり、電動車両10を運転者の要求通りに走行させるために必要なトルクが、制限されることなく実際に出力される。
一方、KPの値が0(0%)のときには、TPRQの値に拘らず、モータジェネレータ110の出力TPは0に設定される。つまり、モータジェネレータ110の出力トルクは0となり、電動車両10の速度は現在の速度から上がらなくなる。換言すれば、モータジェネレータ210の回転軸412の回転数は現在の回転数から上がらなくなる。
ステップS03では、図3に示されるグラフに基づいてKPの値が設定される。当該グラフの横軸は、回転軸412の回転数(単位:rps)である。以下、回転軸412の回転数を「回転数N」と表記する。グラフの縦軸は、回転数Nに応じて設定されるKPの値である。また、図3に示されるαは予め設定された定数である。
図3に示されるように、回転数Nが(NLIM−α)の値以下である場合には、KPの値は1(100%)に設定される。つまり、モータジェネレータ110の出力は抑制されず、TPRQの値がそのままモータジェネレータ110の出力TPの値に設定される。
回転数Nが(NLIM−α)の値を超えると、KPは1よりも小さな値に設定される。KPは、回転数Nが大きいときほど小さな値に設定される。回転数Nが上限値NLIMに等しい時には、KPは0(0%)に設定される。つまり、TPRQの値に拘らず、モータジェネレータ110の出力トルクは0となる。このため、回転数Nが上限値NLIMを超えてしまうことが抑制される。
αの値が大きすぎる場合には、電動車両10の車速が小さい状態からモータジェネレータ110の出力が抑制されてしまう。このため、ドライバビリティが悪化してしまう。一方、αの値が小さすぎる場合には、電動車両10の車速が大きくなった時に急激にモータジェネレータ110の出力が抑制されることとなる。このため、回転数Nが上限値NLIMを超えてしまう可能性がある。αの値は、ドライバビリティを極端に悪化させることがなく、且つ回転数Nが上限値NLIMを超えることが確実に防止されるように、実験などに基づいて予め設定されている。
以上のように、本実施形態に係る電動車両10では、第2システム200に異常が生じた場合には、モータジェネレータ210の回転軸412の回転数が閾値(上限値NLIM)を超えることの無いように、第1システム100のモータジェネレータ110の駆動力(出力TP)を抑制するような制御が行われる。同様に、第1システム100に異常が生じた場合には、モータジェネレータ110の回転軸411の回転数が閾値(上限値NLIM)を超えることの無いように、第2システム200のモータジェネレータ210の駆動力(出力TP)を抑制するような制御が行われる。尚、回転軸411の回転数に対し設定される閾値と、回転軸412の回転数に対し設定される閾値とは、上記のように互いに同一の値であってもよく、互いに異なる値であってもよい。
異常が生じた方のシステムに搭載されたモータジェネレータの回転数が所定の閾値(上限値NLIM)以下となるため、当該モータジェネレータにより生じた逆起電力が大きくなり過ぎてしまうことが無い。その結果、逆起電力が印加されることによる機器の破損(インバータ170、270の破損)が確実に防止される。
また、第2システム200に異常が生じた場合には、モータジェネレータ210の回転軸412の回転数Nが上限値NLIMに近づいたときにのみ、すなわち、回転数Nが(NLIM−α)の値を超えた時にのみ、モータジェネレータ110の駆動力(出力TP)を抑制するような制御が行われる。同様に、第1システム100に異常が生じた場合には、モータジェネレータ110の回転軸411の回転数Nが上限値NLIMに近づいたときにのみ、すなわち、回転数Nが(NLIM−α)の値を超えた時にのみ、モータジェネレータ210の駆動力(出力TP)を抑制するような制御が行われる。
その結果、電動車両10の車速が小さい状態からモータジェネレータ110等の出力が抑制されてしまうことがない。このため、出力の過剰な抑制によってドライバビリティが悪化してしまうようなことが防止される。
本実施形態では、回転軸412の回転数を回転数センサ240で検知し、回転軸412の回転数が上限値NLIMを超えないようにモータジェネレータ110の出力を抑制するような制御が行われる。
このような態様に替えて、例えば、プロペラシャフト413の回転数をセンサで検知し、プロペラシャフト413の回転数が上限値を超えないようにモータジェネレータ110の出力を抑制するような制御が行われる態様としてもよい。
また、車速(ドライブシャフト421、422の回転数)をセンサで検知し、当該車速が上限値を超えないようにモータジェネレータ110の出力を抑制するような制御が行われる態様としてもよい。
つまり、回転軸412の回転数は直接検知される必要はなく、回転軸412の回転数が間接的に検知されるような態様であってもよい。また、回転軸412の回転数以外(例えばプロペラシャフトの回転数)に対して閾値が設定されることで、間接的に回転軸412にも閾値が設定されるような態様であってもよい。
以上の説明では、発電して駆動力を発生させるためのシステム(バンク)として、燃料電池装置及び蓄電池を有するシステム(第1システム100、第2システム200)を2つ備えた構成の電動車両10について説明したが、本発明の実施態様としてはこのような構成に限られない。例えば、内燃機関によって発電された電力によってモータジェネレータを駆動するシステムを2つ備えた構成の電動車両であっても、本発明を適用することができる。
また、燃料電池装置を備えておらず、蓄電池に蓄えられた電力のみよってモータジェネレータを駆動するシステムを2つ備えた構成の電気自動車であっても、本発明を適用することができる。
更に、内燃機関と蓄電池を有するシステムを2つ備えた構成のハイブリッド自動車であっても、本発明を適用することができる。
本実施形態では、第1システム100を制御する第1制御部310と、第2システム200を制御する第2制御部320とが物理的に二つに分かれており、これら二つのコンピュータシステムにより制御装置300が構成されている例について説明した。しかしながら、本発明の実施の態様としてはこのような例に限定されない。例えば、制御装置300が一つのコンピュータシステムとなっており、当該コンピュータシステム内の制御ブロックとして第1制御部310及び第2制御部320が構成されていてもよい。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10:電動車両
100:第1システム
200:第2システム
110,210:モータジェネレータ
411,412:回転軸
120,220:燃料電池装置
130,230:蓄電池
300:制御装置
310:第1制御部
320:第2制御部
410:ギア
100:第1システム
200:第2システム
110,210:モータジェネレータ
411,412:回転軸
120,220:燃料電池装置
130,230:蓄電池
300:制御装置
310:第1制御部
320:第2制御部
410:ギア
Claims (2)
- 電力によって走行する電動車両であって、
電力の供給源である第1電力装置(120、130)と、前記第1電力装置からの電力により駆動される第1モータ(110)と、前記第1モータの駆動力を制御する第1制御部(310)と、を有する第1駆動システム(100)と、
電力の供給源である第2電力装置(220、230)と、前記第2電力装置からの電力により駆動される第2モータ(210)と、前記第2モータの駆動力を制御する第2制御部(320)と、を有する第2駆動システム(200)と、
前記第1モータの第1回転軸(411)及び前記第2モータの第2回転軸(412)に接続されており、前記第1モータの駆動力及び前記第2モータの駆動力を電動車両の走行力に変換するギア(410)と、を備え、
前記第1駆動システムに異常が生じた場合には、前記第2制御部は、前記第1回転軸の回転数が第1閾値を超えることの無いように前記第2モータの駆動力を抑制し、
前記第2駆動システムに異常が生じた場合には、前記第1制御部は、前記第2回転軸の回転数が第2閾値を超えることの無いように前記第1モータの駆動力を抑制することを特徴とする電動車両。 - 前記第1駆動システムに異常が生じた場合には、前記第2制御部は、前記第1回転軸の回転数が前記第1閾値に近づいたときにのみ、前記第2モータの駆動力を抑制し、
前記第2駆動システムに異常が生じた場合には、前記第1制御部は、前記第2回転軸の回転数が前記第2閾値に近づいたときにのみ、前記第1モータの駆動力を抑制することを特徴とする、請求項1に記載の電動車両。
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