JP2016052910A - 製氷可能な発泡箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型の製氷機の設置などを必要とすることなく、極めて簡単な作業で、低温管理が必要な食品と氷とを同梱して出荷できる製氷可能な発泡箱を提供する。
【解決手段】製氷可能な発泡箱1は、発泡合成樹脂により成型され、多角形状の底板3f及びこの底板3fの周囲各辺から一体に立設された側板3a〜3dを有する容器本体3と、容器本体3の開口部に被せられる多角形状の蓋体2と、を備える。この蓋体2は、その下面において、天地を逆にした状態で水を収容するための少なくとも1以上の凹部空間2bを有する。この構成により、大型の製氷機の設置などを必要とすることなく、極めて簡単な作業で、低温管理が必要な食品と氷とを同梱して出荷できる発泡スチロール製の発泡箱1となる。
【選択図】図1
【解決手段】製氷可能な発泡箱1は、発泡合成樹脂により成型され、多角形状の底板3f及びこの底板3fの周囲各辺から一体に立設された側板3a〜3dを有する容器本体3と、容器本体3の開口部に被せられる多角形状の蓋体2と、を備える。この蓋体2は、その下面において、天地を逆にした状態で水を収容するための少なくとも1以上の凹部空間2bを有する。この構成により、大型の製氷機の設置などを必要とすることなく、極めて簡単な作業で、低温管理が必要な食品と氷とを同梱して出荷できる発泡スチロール製の発泡箱1となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、低温管理が求められる食品の梱包に用いる発泡スチロール製の製氷可能な発泡箱に関するものである。
従来から、肉や魚の冷凍食品、野菜などの生鮮食品、乳製品などの要冷蔵食品は、鮮度を維持して品質の劣化を防ぐために低温管理が求められている。特に、流通の途中で途切れることなく一定の温度を保つためには、加工施設や小売店舗における温度管理のみならず、保管倉庫や輸送トラック・コンテナなどの輸送工程においても一定の温度以下で管理することが必要となる。
そして、従来より、農家から梱包・出荷された肉や魚、野菜などの食品は、農協・漁協などの集荷所や選果所の大型冷蔵/冷凍室において低温管理されることが一般的である。
次に、これらの食品を輸送トラックなどに積み替えて各市場や小売店などに出荷する際、大型冷蔵/冷凍室にて低温管理した食品を保冷機能のある発泡スチロールの容器に収容し、さらに、製氷機で製氷された氷(クラッシュアイス)を同梱する方法がある。この方法では、発泡スチロール製の容器に低温の食品とクラッシュアイスとを同梱するために、輸送工程などにおける食品の温度上昇を確実に抑えることができる。
ところで、生鮮食品の運搬容器及び蓋の外壁をアルミ板で、この生鮮食品の内壁を発泡スチロールで構成し、鮮度を保つために氷詰めをする生鮮食品の運搬容器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述した発泡スチロール製の容器に食品と製氷機で製氷された氷(クラッシュアイス)とを同梱する場合、農協・漁協の集荷所などにおいては大量の製氷が必要とされる。このため、農協・漁協などでは大型の製氷機を設置することが要され、そのために多額の購入費用(例えば、大型製氷機には1億円程度)や管理費用を要するという問題がある。
また、発泡スチロール製の容器に食品を収容するのみでなく、製氷機で製氷された氷をも収容して保冷梱包する必要があるために、複数の作業工程が生じて作業者の手間を要するという問題もある。
さらに、農協・漁協の集荷所などでは、通常、肉や魚、野菜などの食品を冷蔵/冷凍管理するための大型冷蔵/冷蔵室が複数備わっている。このため、大型冷蔵/冷蔵室を氷点下に温度管理することで、製氷機を用いなくても製氷できる設備能力を備えているが、このような設備能力を上手く活用できていないという問題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、大型の製氷機の設置などを必要とすることなく、極めて簡単な作業で、低温管理が必要な食品と氷とを同梱して出荷できる製氷可能な発泡箱を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、発泡合成樹脂により成型され、多角形状の底板及びこの底板の周囲各辺から一体に立設された側板を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に被せられる多角形状の蓋体と、を備える製氷可能な発泡箱において、前記蓋体は、その下面において、当該蓋体の天地を逆にした状態で水を収容するための少なくとも1以上の凹部空間を有することを特徴とするものである。
この製氷可能な発泡箱において、前記凹部空間には、所定の間隔で仕切り壁が設けられることが好ましい。
この製氷可能な発泡箱において、前記仕切り壁には、隣接する前記凹部空間と間で水の浸入を可能とするための水浸入部が形成されることが好ましい。
この製氷可能な発泡箱において、前記蓋体は、さらに、その下面の周方向に沿って形成されて前記容器本体の側板の上側面に形成された凸条部が差し込まれる凹条溝を備え、前記蓋体には、当該蓋体の天地を逆にした状態において前記凹条溝に溜まる水を外部に排水するための排水部が形成されることが好ましい。
この製氷可能な発泡箱において、前記蓋体の天地を逆にした状態において、前記凹条溝の底面には、前記排水部に向けた緩やかな勾配が付与されることが好ましい。
この製氷可能な発泡箱において、さらに、前記蓋体の外側縁部には、所定範囲に亘って取っ手部が形成されることが好ましい。
また、本発明は、発泡合成樹脂により成型され、多角形状の底板及びこの底板の周囲各辺から一体に立設された側板を有する容器本体の開口部に被せられる蓋体であって、その下面において、当該蓋体の天地を逆にした状態で水を収容するための少なくとも1以上の凹部空間を有することを特徴とするものである。
本発明に係る製氷可能な発泡箱は、容器本体と、当該容器本体の開口部に被せられる蓋体とを備え、この蓋体は、その下面において、天地を逆にした状態で水を収容するための少なくとも1以上の凹部空間を有する。この構成により、本発明では、大型の製氷機の設置などを必要とすることなく、極めて簡単な作業で、低温管理が必要な食品と氷とを同梱して出荷できる。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る製氷可能な発泡箱について図1乃至図3を参照して説明する。この製氷可能な発泡箱1(以下、発泡箱1と記載)は、保冷機能の高い発泡スチロールなど発泡合成樹脂により成型された蓋体2及び容器本体3を備える。この発泡箱1は、低温管理が求められる食品、例えば、肉や魚などの冷凍食品、スイートコーンやアスパラガス、ブロッコリーなどの野菜、乳製品などの要冷蔵食品を保冷梱包する。なお、発泡合成樹脂は、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂である。
本発明の実施の形態に係る製氷可能な発泡箱について図1乃至図3を参照して説明する。この製氷可能な発泡箱1(以下、発泡箱1と記載)は、保冷機能の高い発泡スチロールなど発泡合成樹脂により成型された蓋体2及び容器本体3を備える。この発泡箱1は、低温管理が求められる食品、例えば、肉や魚などの冷凍食品、スイートコーンやアスパラガス、ブロッコリーなどの野菜、乳製品などの要冷蔵食品を保冷梱包する。なお、発泡合成樹脂は、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂である。
最初に、発泡箱1を構成する蓋体2及び容器本体3の形状に関して説明する。蓋体2は、図1(c)に示すように、容器本体3の開口部に被せられる。また、蓋体2は、図2(a)に示すように、その下面の周方向に沿って形成されて容器本体3の側板3a〜3dの上側面に形成された凸条部3eが差し込まれる凹条溝2aと、その下面において蓋体2の天地を逆にした状態で水を収容するための少なくとも1以上(本実施の形態においては16か所)の凹部空間2bとを有する。この凹部空間2bには、所定の間隔で仕切り壁2cが設けられる。そして、これら凹部空間2bに水を収容した状態で、集荷所などの大型冷蔵/冷凍室などに所定時間保管することで、凹部空間2bに蓄冷材としての氷が生成される。なお、仕切り壁2cの間隔は、例えば肉類を保冷梱包する場合には幅広にするなど、発泡箱1に梱包される食品の種類に応じて自在に設計変更できるものである。
容器本体3は、図1に示すように、矩形状(多角形状)の底板3f及びこの底板3fの周囲各辺から一体に立設された側板3a,3b,3c,3dを有し、本実施の形態においては、一面に開口面を有する略箱型形状となる。容器本体3の側板3a,3b,3c,3dの上側面には、蓋体2の凹条溝2aと互いに隙間が生じない密な嵌合状態(シール状態)での保冷機能を維持するための凸条部3eが形成されている。なお、容器本体3の側板3a,3b,3c,3dには、作業性向上のために取っ手部3gが形成されている。
次に、本実施の形態に係る発泡箱1の梱包時における蓋体2及び容器本体3の状態を、図1を参照して説明する。
最初に、図1(a)に示す状態で、発泡箱1の蓋体2を、その天地を逆にした状態とし、凹部空間2bにホースなどを用いて水を充填した後、氷点下に温度管理された大型冷凍室などに所定期間以上において放置する。
その後、輸送工程などにおいては、図1(b)に示すように、凹部空間2bに氷が作られた蓋板2の天地を逆にした状態で、冷蔵室などで既に予冷された食品を収容した容器本体3の開口部に被せる。なお、氷は、初めは蓋板2の凹部空間2bに保持されるが、ある程度時間が経過すると溶け始めて、蓋板2の凹部空間2bから食品上に落下する。この構成により、発泡箱1を用いて梱包した食品の鮮度を長時間保つことができる。
以上の説明のように、本実施の形態に係る発泡箱1は、発泡合成樹脂により成型された容器本体3と、容器本体3の開口部に被せられる蓋体2とを備える。この蓋体2は、その下面において、蓋体2の天地を逆にした状態で水を収容するための少なくとも1以上の凹部空間2bを有する。
従って、本実施の形態に係る発泡箱1を用いることで、大型の製氷機の設置やクラッシュアイスを必要とすることなく、低温管理が必要な食品と氷とを同梱でき、大幅なコストダウンを図ることができる。また、従来のように氷(クラッシュアイス)を発泡スチロール製の容器に移し入れる作業が必要なくなるため、極めて簡単な作業で、食品と氷とを同梱して保冷梱包できる。さらに、蓋体2の凹部空間2bの氷によって急激な温度変化を抑えつつ、発泡箱1の内部空間の低温を保って食品を出荷でき、輸送工程における食品の鮮度を長時間保つことができる。
(変形例1)
本実施の形態の変形例1について図4を参照して説明する。本変形例1では、製氷可能な発泡箱1の蓋体2の天地を逆にした状態において凹条溝2aに溜まる水を外部に排水するために凹形状の排水用切欠き部(排水部)2dが形成されている。本変形例1では、この構成により、上記実施の形態を同様の作用効果を奏すると共に、製氷時において蓋体2の凹条溝2aに水が溜まることを確実に防止できる。なお、排水用切欠き部2dの形状は凹形状に限定されるものではなく、貫通孔のような形状でもよい。また、図示はしていないが、蓋体2の天地を逆にした状態において凹条溝2aの底面に、排水用切欠き部2dに向けた緩やかな勾配が付与されてもよい。
本実施の形態の変形例1について図4を参照して説明する。本変形例1では、製氷可能な発泡箱1の蓋体2の天地を逆にした状態において凹条溝2aに溜まる水を外部に排水するために凹形状の排水用切欠き部(排水部)2dが形成されている。本変形例1では、この構成により、上記実施の形態を同様の作用効果を奏すると共に、製氷時において蓋体2の凹条溝2aに水が溜まることを確実に防止できる。なお、排水用切欠き部2dの形状は凹形状に限定されるものではなく、貫通孔のような形状でもよい。また、図示はしていないが、蓋体2の天地を逆にした状態において凹条溝2aの底面に、排水用切欠き部2dに向けた緩やかな勾配が付与されてもよい。
(変形例2)
本実施の形態の変形例2について図5を参照して説明する。本変形例2では、製氷可能な発泡箱1の蓋体2の仕切り壁2cに、隣接する凹部空間2bと間で水の浸入を可能とするための凹形状の水浸入用切欠き部(水浸入部)2eが形成される。この構成により、本変形例2においては、上記実施の形態の効果に加えて、凹部空間2bの水量を均等に保つことができる。
本実施の形態の変形例2について図5を参照して説明する。本変形例2では、製氷可能な発泡箱1の蓋体2の仕切り壁2cに、隣接する凹部空間2bと間で水の浸入を可能とするための凹形状の水浸入用切欠き部(水浸入部)2eが形成される。この構成により、本変形例2においては、上記実施の形態の効果に加えて、凹部空間2bの水量を均等に保つことができる。
(変形例3)
本実施の形態の変形例3について図6を参照して説明する。本変形例3では、蓋体2の外側縁部には、所定範囲に亘って窪み部である取っ手部2fが形成される。この構成により、本変形例3においては、上記実施の形態の効果に加えて、製氷可能な発泡箱1の作業性を更に向上できる。
本実施の形態の変形例3について図6を参照して説明する。本変形例3では、蓋体2の外側縁部には、所定範囲に亘って窪み部である取っ手部2fが形成される。この構成により、本変形例3においては、上記実施の形態の効果に加えて、製氷可能な発泡箱1の作業性を更に向上できる。
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、製氷可能な発泡箱1に梱包される梱包材は食品に限定されるものではなく、医薬品や電子部品などを一定の温度で管理するのにも利用できる。さらに、直方体形状の発泡箱1を用いて説明したが、五角型や六角型などの他の形状にも適用できる。
1 製氷可能な発泡箱
2 蓋体
2a 凹条溝
2b 凹部空間
2c 仕切り壁
2d 排水用切欠き部(排水部)
2e 水浸入用切欠き部(水浸入部)
2f 取っ手部
3 容器本体
3a〜3d 側板
3e 凸条部
3f 底板
3g 取っ手部
2 蓋体
2a 凹条溝
2b 凹部空間
2c 仕切り壁
2d 排水用切欠き部(排水部)
2e 水浸入用切欠き部(水浸入部)
2f 取っ手部
3 容器本体
3a〜3d 側板
3e 凸条部
3f 底板
3g 取っ手部
Claims (7)
- 発泡合成樹脂により成型され、多角形状の底板及びこの底板の周囲各辺から一体に立設された側板を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に被せられる多角形状の蓋体と、を備える製氷可能な発泡箱において、
前記蓋体は、その下面において、当該蓋体の天地を逆にした状態で水を収容するための少なくとも1以上の凹部空間を有することを特徴とする製氷可能な発泡箱。 - 前記凹部空間には、所定の間隔で仕切り壁が設けられる、ことを特徴とする請求項1記載の製氷可能な発泡箱。
- 前記仕切り壁には、隣接する前記凹部空間と間で水の浸入を可能とするための水浸入部が形成される、ことを特徴とする請求項2記載の製氷可能な発泡箱。
- 前記蓋体は、さらに、その下面の周方向に沿って形成されて前記容器本体の側板の上側面に形成された凸条部が差し込まれる凹条溝を備え、
前記蓋体には、当該蓋体の天地を逆にした状態において前記凹条溝に溜まる水を外部に排水するための排水部が形成される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製氷可能な発泡箱。 - 前記蓋体の天地を逆にした状態において、前記凹条溝の底面には、前記排水部に向けた緩やかな勾配が付与される、ことを特徴とする請求項4記載の製氷可能な発泡箱。
- さらに、前記蓋体の外側縁部には、所定範囲に亘って取っ手部が形成される、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製氷可能な発泡箱。
- 発泡合成樹脂により成型され、多角形状の底板及びこの底板の周囲各辺から一体に立設された側板を有する容器本体の開口部に被せられる蓋体であって、
その下面において、当該蓋体の天地を逆にした状態で水を収容するための少なくとも1以上の凹部空間を有することを特徴とする蓋体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014180538A JP2016052910A (ja) | 2014-09-04 | 2014-09-04 | 製氷可能な発泡箱 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014180538A JP2016052910A (ja) | 2014-09-04 | 2014-09-04 | 製氷可能な発泡箱 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016052910A true JP2016052910A (ja) | 2016-04-14 |
Family
ID=55744804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014180538A Pending JP2016052910A (ja) | 2014-09-04 | 2014-09-04 | 製氷可能な発泡箱 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016052910A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116620721A (zh) * | 2023-07-22 | 2023-08-22 | 山西华彩包装印刷有限公司 | 一种具有保护功能的瓦楞纸箱 |
-
2014
- 2014-09-04 JP JP2014180538A patent/JP2016052910A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116620721A (zh) * | 2023-07-22 | 2023-08-22 | 山西华彩包装印刷有限公司 | 一种具有保护功能的瓦楞纸箱 |
CN116620721B (zh) * | 2023-07-22 | 2024-04-05 | 山西华彩包装印刷有限公司 | 一种具有保护功能的瓦楞纸箱 |
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