JP2016052346A - 金属医療用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動性(潤滑性)、低タンパク質吸着性、低細胞吸着性を付与するとともに、これらの性能の低下も抑制できる金属医療用具を提供する。【解決手段】重合性を有するシラン化合物A及び機能性官能基を有する重合性化合物Bの共重合体Cにより処理された表面を少なくとも一部に有する金属医療用具。【選択図】なし

Description

本発明は、金属医療用具に関する。
ガイドワイヤーやステント等は、血管、気道、尿道その他体腔または組織内に挿入されたり、さらに留置されたりすることがある。このようにガイドワイヤーやステント等の医療用具が体内に挿入されるときには、体内の組織等を損傷して炎症を引き起こしたり、患者に苦痛を与えたりすることがあり、これらの問題を改善するために、体内に挿入される医療用具の摺動性を向上させることが求められていた。
更に、体内に長期間留置されるステント等は、表面にタンパク質や細胞が吸着すると、例えば血栓となり、血管が塞がるなどの問題が起きるため、表面にタンパク質や細胞が極力付かないことが求められている。
上述の問題を改善する方法として、ガイドワイヤーやステント等の医療用具の表面を親水性樹脂やフッ素樹脂などでコーティングする方法が提案されている。
上述のように、医療用具の表面に潤滑性を付与し、医療用具の摺動性を向上させる方法が種々試みられている。しかしながら、いずれも医療用具の表面に樹脂をコーティングする、又は、コーティング後に硬化を行うのみであって、特に医療用具の表面が金属である場合には、医療用具の表面と強固に結合していないためコーティング樹脂が医療用具表面から容易に剥離、脱離し、医療用具の摺動性が低下してしまうという問題や、タンパク質や細胞が留置中に徐々に付着するという問題があった。このため、摺動性の低下や、タンパク質や細胞の低吸着・低付着能の低下が抑制された金属医療用具の開発が求められていた。
本発明は、前記課題を解決し、摺動性(潤滑性)、低タンパク質吸着性、低細胞吸着性を付与するとともに、これらの性能の低下も抑制できる金属医療用具を提供することを目的とする。
本発明は、重合性を有するシラン化合物A及び機能性官能基を有する重合性化合物Bの共重合体Cにより処理された表面を少なくとも一部に有する金属医療用具に関する。
また、本発明は、シラン化合物dへの反応性を有する重合性化合物a及び機能性官能基を有する重合性化合物bの共重合体cに、更に該シラン化合物dを反応させた重合体eにより処理された表面を少なくとも一部に有する金属医療用具に関する。
前記機能性官能基がポリオキシアルキレン基、金属塩含有親水性基、ハロゲン塩含有親水性基、双極性イオン基又はフッ素含有疎水性基であることが好ましい。
前記金属塩含有親水性基がアルカリ金属塩含有親水性基又はアルカリ土類金属塩含有親水性基であることが好ましい。
前記ハロゲン塩含有親水性基が塩素塩含有親水性基であることが好ましい。
前記双極性イオン基がベタイン基であることが好ましい。
前記フッ素含有疎水性基がパーフルオロオキシアルキレン基であることが好ましい。
本発明によれば、特定の重合体により処理された表面を有する金属医療用具であるので、金属医療用具の表面に摺動性(潤滑性)、低タンパク質吸着性、低細胞吸着性を付与できるとともに、これらの性能の低下も抑制することが可能となる。
本発明は、(1)重合性を有するシラン化合物A及び機能性官能基を有する重合性化合物Bの共重合体Cにより処理された表面を少なくとも一部に有する金属医療用具、(2)シラン化合物dへの反応性を有する重合性化合物a及び機能性官能基を有する重合性化合物bの共重合体cに、更に該シラン化合物dを反応させた重合体eにより処理された表面を少なくとも一部に有する金属医療用具である。
従来の表面処理やコーティングによって作製される金属医療用具表面上の潤滑層は、手でこするなど、応力がかかると容易に剥離、脱離するため、摺動性(潤滑性)、低タンパク質吸着性、低細胞吸着性の維持性能という点で問題がある。これに対し、本発明の金属医療用具は、共重合体C又は重合体eによる表面処理により、金属医療用具表面に存在する水酸基と、共重合体C、重合体eのシラン化合物A、d由来部位とが脱水、脱酸縮合反応し、化学結合が形成されるため、潤滑層の剥離や脱離が抑制される。従って、良好な摺動性(潤滑性)、低タンパク質吸着性、低細胞吸着性を付与できるだけでなく、それらの性能低下の抑制も可能となる。
特に、重合性化合物Bの機能性官能基として、ポリオキシアルキレン基、金属塩含有親水性基、ハロゲン塩含有親水性基又は双極性イオン基を有する化合物を用いる場合、これらは水との親和性が高く、周りにより多くの水分子を保持し、この水分子により流体潤滑が起こることから、摺動性をより顕著に向上できる。
他方、機能性官能基がフッ素含有疎水性基の場合は、表面張力が著しく下がるため、金属医療用具の表面と、その表面と接するもの(例えば、金属医療用具がガイドワイヤーである場合、カテーテル内面や体細胞など)との間の分子の凝着力が大きく下がり、摺動性をより大きく向上できる。
また、長期間留置する間において、潤滑層が流れて取れることを防止できるため、低タンパク質吸着性や低細胞吸着性の低下も抑制できる。
本発明の金属医療用具は、上記共重合体C又は重合体eにより処理された表面を少なくとも潤滑性、低タンパク質吸着性及び低細胞吸着性の必要とされる箇所に有していればよいが、表面全体が上記共重合体C又は重合体eにより処理されたものであってもよい。
上記共重合体Cは、重合性を有するシラン化合物Aと機能性官能基を有する重合性化合物Bとを共重合して得られるものである。
重合性を有するシラン化合物Aとしては、分子内に少なくとも1つの重合性基を有するシラン化合物等が挙げられる。重合性基としては、(メタ)アクリル基、アリル基、ビニル基、スチリル基等があるが、特に(メタ)アクリル基が好ましい。
上記シラン化合物Aとしては、本発明の効果の点から、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016052346
(式(1)中、R11は、水素原子、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。R12は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R13〜R15は、同一又は異なって、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルコキシ基である。ただし、R13〜R15の少なくとも1つは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルコキシ基である。)
式(1)において、R11は、水素原子、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくは、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜2のアルキル基である。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基であり、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
式(1)において、R12は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基であり、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基等であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
式(1)において、R13〜R15は、同一又は異なって、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルコキシ基であり、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピル基等である。ここで、R13〜R15の少なくとも1つは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルコキシ基であるが、好ましくは少なくとも1つが、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルコキシ基である。
式(1)で表される化合物としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルジメチルメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシメチルジメチルメトキシシランが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという点から、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましく、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
機能性官能基を有する重合性化合物Bとしては、分子内に少なくとも1つの重合性基及び潤滑性、低タンパク質吸着性、低細胞吸着性等の機能を付与する機能性官能基を有する化合物等が挙げられる。重合性基は、上記シラン化合物Aと同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。機能性官能基は、潤滑性、低タンパク質吸着性、低細胞吸着性の付与の点から、ポリオキシアルキレン基、金属塩含有親水性基、ハロゲン塩含有親水性基、双極性イオン基又はフッ素含有疎水性基が好ましい。
ポリオキシアルキレン基としては、例えば、−(OR)−(Rは炭素数1〜4のアルキレン基、nは2以上の整数を表す。)等で示される直鎖状又は分岐鎖状の基(ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等)が挙げられる。
金属塩含有親水性基は、金属塩で表される親水性部位を有する基であれば特に限定されないが、水の保持性の点から、カルボン酸金属塩、ホスホン酸エステル金属塩、スルホン酸金属塩が好ましい。ここで、金属塩含有親水性基の金属は、水の保持性の点から、アルカリ金属、アルカリ土類金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムがより好ましい。
ハロゲン塩含有親水性基は、ハロゲン塩で表される親水性部位を有する基であれば特に限定されないが、水の保持性の点から、アンモニウムハロゲン塩が好ましい。ここで、ハロゲン塩含有親水性基のハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、なかでも、水の保持性の観点から、塩素、臭素が好ましく、塩素がより好ましい。
双極性イオン基(永久陽電荷の中心及び陰電荷の中心を有する官能基)としては特に限定されないが、水の保持性の点から、カルボキシベタイン基、スルホベタイン基、ホスホベタイン基等のベタイン基が好ましい。
フッ素含有疎水性基としては、パーフルオロエーテル基(パーフルオロオキシアルキレン基)等が挙げられる。
前述の機能性官能基を有する重合性化合物Bのなかでも、本発明の効果の点から、金属塩含有親水性基、ハロゲン塩含有親水性基又は双極性イオン基を有する化合物が好適である。
金属塩含有親水性基を有する重合性化合物Bとして、具体的には、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016052346
(式(2)中、R21は、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。R22は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基を表す。Xは、金属塩含有親水性基を表す。)
式(2)において、R21としては、式(1)のR11と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。R22としては、式(1)のR12と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
式(2)のXで表される金属塩含有親水性基としては、下記式(2−1)〜(2−3)で表される官能基などが好ましい。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという点から、下記式(2−3)で表される官能基がより好ましい。
Figure 2016052346
(式(2−2)中、R23は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基(特には、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。)を表す。式(2−1)〜(2−3)中、Zは、1価の金属イオン(特には、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンが好ましい。)を表す。また、式(2−1)〜(2−3)中、*は、結合手を表す。)
式(2)で表される化合物としては、例えば、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート・カリウム塩、スルホメチル(メタ)アクリレート・カリウム塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート・カリウム塩、3−ホスホプロピル(メタ)アクリレート・カリウム塩、3−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート・カリウム塩、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート・ナトリウム塩、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート・リチウム塩が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという点から、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート・カリウム塩が好ましい。
ハロゲン塩含有親水性基を有する重合性化合物Bとして、具体的には、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016052346
(式(3)中、R31は、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。R32は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R33〜R35は、同一又は異なって、水素原子、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキル基を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。)
式(3)において、R31としては、式(1)のR11と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。R32としては、式(1)のR12と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
式(3)において、R33〜R35は、同一又は異なって、水素原子、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキル基であって、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等であり、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(3)で表される化合物としては、例えば、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム・塩素塩、((メタ)アクリロイルオキシ)メチルトリメチルアンモニウム・塩素塩、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチルトリエチルアンモニウム・塩素塩、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム・臭素塩、((メタ)アクリロイルオキシ)メチルトリメチルアンモニウム・臭素塩、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチルトリエチルアンモニウム・臭素塩が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという点から、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム・塩素塩が好ましい。
双極性イオン基を有する重合性化合物Bとして、具体的には、下記式(4)で示される化合物が好ましく、特に下記式(5)で表される化合物が好適である。
Figure 2016052346
(式(4)中、R41は−H又は−CH、Xは−O−又はNH−、mは1以上の整数、Yは双極性イオン基を表す。)
式(4)において、R41は−CH、Xは−O−、mは1〜10の整数が好ましい。Yで表される双極性イオン基において、カチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムなどの第四級アンモニウム、アニオンとしては、カルボン酸、スルホン酸、ホスフェートなどが挙げられる。
Figure 2016052346
(式(5)中、R41は−H又は−CH、p及びqは1以上の整数、Y及びYは反対の電荷を有するイオン性官能基を表す。)
式(5)において、pは2以上の整数が好ましく、2〜10の整数がより好ましい。qは1〜10の整数が好ましく、2〜4の整数がより好ましい。また、好ましいR41は前記と同様である。Y及びYは、前記カチオン、アニオンと同様である。
上記双極性イオン基を有する重合性化合物Bの好適な代表例としては、下記式(5−1)〜(5−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016052346
(式(5−1)中、R41は水素原子又はメチル基、p1及びq1は1〜10の整数を示す。)
Figure 2016052346
(式(5−2)中、R41は水素原子又はメチル基、p1及びq1は1〜10の整数を示す。)
Figure 2016052346
(式(5−3)中、R41は水素原子又はメチル基、R42は炭素数1〜6の炭化水素基、p1及びq1は1〜10の整数を示す。)
Figure 2016052346
(式(5−4)中、R41は水素原子又はメチル基、R43、R44及びR45は、同一又は異なって、炭素数1又は2の炭化水素基、p1及びq1は1〜10の整数を示す。)
上記式(5−1)で表される化合物としては、ジメチル(3−スルホプロピル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムベタイン、ジメチル(3−スルホプロピル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムヒドロキシドなど、上記式(5−2)で表される化合物としては、ジメチル(2−カルボキシエチル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムベタインなど、上記式(5−3)で表される化合物としては、ジメチル(3−メトキシホスホプロピル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムベタインなど、上記式(5−4)で表される化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという点から、ジメチル(3−スルホプロピル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムヒドロキシドが好ましい。
上記シラン化合物Aと上記重合性化合物Bとの共重合方法は、従来公知の重合方法を適宜採用することができる。例えば、上記シラン化合物Aと上記重合性化合物Bとをメタノール等の有機溶媒に溶解させ、不活性ガス雰囲気に置換した後に、(i)ベンゾフェノン等の光重合開始剤の存在下で紫外線を照射する方法、(ii)アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)等の熱重合開始剤の存在下で40〜150℃の熱を加える方法などが挙げられ、これによりラジカル重合(光ラジカル重合、熱ラジカル重合)が進行し、共重合体Cが得られる。なお、重合手順、温度、圧力、照射光量、照射時間、加熱温度、加熱時間等も特に限定されず、従来公知の方法を適用できる。
上記重合体eは、シラン化合物dに対して反応性を有する重合性化合物aと機能性官能基を有する重合性化合物bを共重合して得られた共重合体cに、更に該シラン化合物dを反応させて得られるものである。
重合性化合物aとしては、分子内に少なくとも1つの重合性基及びシラン化合物dに対する反応性を有する基を持つ化合物等が挙げられる。重合性基は、上記シラン化合物Aと同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。シラン化合物dに対する反応性を有する基としては、種々のシラン化合物に付加反応性、縮合反応性等の反応性を有する基であれば特に限定されず、例えば、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリル基、ビニル基等が挙げられる。なかでも、エポキシ基が好ましい。
上記重合性化合物aとしては、例えば、下記式(6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016052346
(式(6)中、R61は、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基を表す。R62は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基、又はエーテル結合を有する直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R63〜R65は、同一又は異なって、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
式(6)において、R61としては、式(1)のR11と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
式(6)において、R62の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基としては、式(1)のR12と同様のものが挙げられる。R62のエーテル結合を有する直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基としては、該アルキレン基中の任意の位置に、エーテル結合が結合していればよく、例えば、−(CHm1−O−(CHn1−(m1は0〜5の整数、n1は0〜5の整数であり、m1+n1は1〜5の整数である。)で表される基が挙げられる。
62としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましい。
63〜R65としては、同一又は異なって、水素原子、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基であって、水素原子、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等であって、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
式(6)で表される化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸グリシジルエーテルが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという点から、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
機能性官能基を有する重合性化合物bとしては、上記重合性化合物Bと同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
上記重合性化合物aと上記重合性化合物bとの共重合方法としては、上記シラン化合物Aと上記重合性化合物Bとの共重合方法と同様の方法を適宜採用することができる。
シラン化合物dとしては、重合性化合物aに対する反応性(付加反応性、縮合反応性等)を有する基を持つ各種シラン化合物等を使用できる。重合性化合物aに対する反応性を有する基としては、重合性化合物aに付加反応性、縮合反応性等の反応性を有する基であれば特に限定されず、アミノ基、チオール基、エポキシ基等が挙げられる。なかでも、アミノ基が好ましい。
上記シラン化合物dの好適例としては、下記式(7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016052346
(式(7)中、R71及びR72は、同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R73〜R75は、同一又は異なって、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルコキシ基である。ただし、R73〜R75の少なくとも1つは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルコキシ基である。)
式(7)において、R71及びR72としては、式(1)のR12と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。R73〜R75としては、同一又は異なって、式(1)のR13〜R15と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
式(7)で表される化合物としては、例えば、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられ、なかでも、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。これにより、本発明の効果がより良好に得られる。
上記共重合体cに上記シラン化合物dを反応させる方法は、従来公知の方法を適宜採用できる。例えば、上記共重合体cと上記シラン化合物dとをメタノール等の有機溶媒に溶解させ、撹拌しながら反応させる方法などが挙げられ、これにより付加、縮合等の反応が進行し、重合体eが得られる。なお、温度、圧力、反応時間等も特に限定されず、従来公知の方法を適用できる。
本発明における金属医療用具としては、例えば、ガイドワイヤー、ステント、針、スタイレット、金属管などが挙げられる。特にガイドワイヤーである場合に、潤滑性の付与、表面の潤滑層の耐久性向上、摺動性の低下抑制効果が最も有効に働くため、体腔や組織内での挿入性、押し込み性、摺動性やそれらの持続性が向上し、本発明の効果が特に顕著に発揮されることとなる。このように、本発明における金属医療用具が、ガイドワイヤーであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。他方、特にステントである場合に、低タンパク質吸着性及び低細胞吸着性の付与、表面の潤滑層の耐久性向上、低タンパク質吸着性及び低細胞吸着性の低下抑制効果が最も有効に働くため、長期間体内に留置する間に潤滑層が流れて取れていくのを防ぎ、ステント表面にタンパク質や細胞が付着するのを妨げる効果が持続し、本発明の効果が特に顕著に発揮されることとなる。このように、本発明における金属医療用具が、ステントであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明における金属医療用具の材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル−チタン合金、鉄、チタン、アルミニウム、スズ、亜鉛−タングステン合金などの金属が挙げられるが、中でも、金属医療用具の表面と潤滑層との結合性の観点から、ステンレス、ニッケル−チタン合金が好ましい。すなわち、本発明における金属医療用具が、ステンレス、又は、ニッケル−チタン合金の芯線を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の金属医療用具は、例えば、金属医療用具の表面を上記共重合体C又は重合体eで処理することにより製造することができる。このように、金属医療用具の表面を、上記共重合体C又は重合体eで処理することによって、上記共重合体C又は重合体eの加水分解反応や、上記共重合体C又は重合体eと金属医療用具の表面に存在する水酸基との間での脱水、脱酸縮合反応などが進行し、金属医療用具の表面に存在する水酸基と上記共重合体C又は重合体eとの間が化学結合により結合され、これにより、金属医療用具の表面に潤滑性、低タンパク質吸着性及び低細胞吸着性が付与され、更にその表面の潤滑層の耐久性が向上して、金属医療用具の摺動性の低下、低タンパク質吸着性及び低細胞吸着性の低下も抑制されることとなる。
すなわち、本発明の金属医療用具は、金属医療用具の表面を、上記共重合体C又は重合体eで処理する工程を含む製造方法等で作製できる。
本発明の金属医療用具は、上記共重合体C又は重合体eにより処理された表面を少なくとも潤滑性、低タンパク質吸着性及び低細胞吸着性の必要とされる箇所に有していればよいが、表面全体が上記共重合体C又は重合体eにより処理されたものであってもよい。
上記金属医療用具の表面を上記共重合体C又は重合体eで処理する方法としては、例えば、上記共重合体C又は重合体eを溶媒と混合して溶液を調製し、当該溶液を金属医療用具に塗布する方法、噴霧(吹き付け)する方法、当該溶液に金属医療用具を浸漬する方法などが挙げられる。なお、上記塗布方法、噴霧方法、浸漬方法は、通常行われる方法と同様にして行うことができる。
上記溶液を調製するための溶媒としては、上述のそれぞれの処理方法において通常用いられる溶媒を使用することができ、例えば、水、パーフルオロヘキサン、酸性水、メタノール、エタノール、水とメタノールやエタノールとの混合液などが用いられる。特に、上記共重合体C又は重合体eが、ポリオキシアルキレン基、金属塩含有親水性基、ハロゲン塩含有親水性基、又は、双極性イオン基を有する場合には、水、酸性水、メタノール、エタノール、水とメタノールやエタノールとの混合液が好適に用いられ、上記共重合体C又は重合体eが、フッ素含有疎水性基を有する場合には、パーフルオロヘキサンが好適に用いられる。
上記溶液の濃度としては、上記共重合体C又は重合体eによる処理方法、処理に用いる溶液の種類等に応じて適宜設定することができる。
上記溶液のpHは、5以下であることが好ましい。金属医療用具の表面を処理する上記共重合体C又は重合体eの溶液のpHを5以下とすることによって、加水分解が促進され、金属医療用具の表面に存在する水酸基と上記共重合体C又は重合体eとの間で、より強固な化学結合が形成される。該pHとしてより好ましくは4以下である。また、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。
なお、上記pHの調製方法は特に制限されず、酸又はアルカリを添加するなど、従来公知の方法で行うことができる。当該pH調整に使用できる酸としては、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸、酢酸などの有機酸等が挙げられ、アルカリとしては、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
上記製造方法においては、必要に応じて、上記処理工程の前に金属医療用具を、アセトン、エタノール等を用いて洗浄し、乾燥させてから、上記処理工程に供してもよい。なお、乾燥時間、乾燥温度は、通常行われる温度、時間で適宜設定することができる。
上記製造方法においては、上記処理工程の後、得られた表面処理金属医療用具を、必要に応じて、水、アセトン、エタノール等を用いて洗浄、乾燥してもよい。なお、乾燥温度、乾燥時間は、通常行われる温度、時間で適宜設定することができる。
上記製造方法は、更に、上記処理工程で得られた表面処理金属医療用具を、湿度50%以上の条件下に保持する工程を含むことが好ましい。上述の共重合体C又は重合体eで表面処理された表面処理金属医療用具を、湿度50%以上の環境下に保持することによって、上記共重合体C又は重合体eの加水分解反応や、上記共重合体C又は重合体eと金属医療用具の表面に存在する水酸基との間での脱水、脱酸縮合反応などがより進行し、金属医療用具の表面に存在する水酸基と上記共重合体C又は重合体eとの間の化学結合がより強固となるため、金属医療用具表面の潤滑層の耐久性が更に向上して、本発明の金属医療用具における摺動性の低下、低タンパク質吸着性及び低細胞吸着性の低下をより抑制することができる。上記表面処理金属医療用具を保持する湿度としては、60%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。上限については特に制限されないが、例えば、100%であることが好ましい。
上記保持工程における湿度50%以上の条件下に保持する時間、温度としては、金属医療用具の表面に存在する水酸基と上記共重合体C又は重合体eとの間の化学結合がより強固となって、本発明の金属医療用具における摺動性の低下、低タンパク質吸着性及び低細胞吸着性の低下がより抑制されるように適宜設定することができるが、例えば、0.5〜60時間保持することが好ましく、また、20〜60℃で保持することが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(実施例1)
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.082g、SPMK(3−スルホプロピルメタクリレート・カリウム塩)0.86gとベンゾフェノン0.2mgを10mlのメタノールに溶かした。これをガラス容器に入れ、ふたをした。アルゴンで30分間置換したのち、365nmの波長をもつLED−UVを90分間照射して、重合体を得た。これを回収して乾燥した。
SUS製のガイドワイヤー(芯線)をアセトンで洗浄し、乾燥した。前記重合体の回収物を水に溶かした(5wt%水溶液)。この水溶液中に前記洗浄したガイドワイヤーを浸漬して、引き揚げた。これを高湿下(湿度90%)で24時間放置して反応させた。そののち水で洗浄して乾燥し、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(実施例2)
SPMKに代えて、MTAC(2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム・塩素塩)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(実施例3)
SPMKに代えて、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル−(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシドを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(実施例4)
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランに代えて、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(実施例5)
SUS製のガイドワイヤーに代えて、ニッケル−チタン合金製のガイドワイヤーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(実施例6)
前記重合体の回収物を5wt%酢酸水溶液(pH3)にして、この水溶液中に前記洗浄したガイドワイヤーを浸漬して、引き上げ、高湿下(90%)で1時間放置して反応させたこと以外は実施例1と同様にして、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(実施例7)
メタクリル酸グリシジル0.082gとSPMK0.86gとベンゾフェノン0.2mgを10mlのエタノールに溶かした。これをガラス容器に入れ、ふたをした。アルゴンで30分間置換したのち、365nmの波長をもつLED−UVを90分間照射して、重合体を得た。これを回収して乾燥した。
前記回収物0.42gをメタノール10mlに溶かし、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.02gを添加して、40℃で撹拌しながら24時間反応させた。これを回収して乾燥した。
SUS製のガイドワイヤー(芯線)をアセトンで洗浄し、乾燥した。前記回収物を水に溶かした(5wt%水溶液)。この水溶液中に前記洗浄したガイドワイヤーを浸漬して、引き揚げた。これを高湿下(湿度90%)で24時間放置して反応させた。そののち水で洗浄して乾燥し、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(実施例8)
SPMKに代えて、MTACを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(実施例9)
SPMKに代えて、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル−(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシドを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(実施例10)
前記回収物を5wt%酢酸水溶液(pH3)にして、この水溶液中に前記洗浄したガイドワイヤーを浸漬して、引き上げ、高湿下(90%)で1時間放置して反応させたこと以外は実施例7と同様にして、表面処理ガイドワイヤーを得た。
(比較例1)
SUS製のガイドワイヤー(芯線)をアセトンで洗浄し、乾燥しただけのものを下記する摺動性評価に供した。
(比較例2)
ニッケル−チタン合金製のガイドワイヤー(芯線)をアセトンで洗浄し、乾燥しただけのものを下記する摺動性評価に供した。
<摺動性評価>
表面処理ガイドワイヤー又はガイドワイヤーに水をつけて手で擦り摺動性を評価した。
評価の結果、比較例1、2のガイドワイヤーに比べ、実施例1〜10の表面処理ガイドワイヤーはつるつる感があり、摺動性が向上していた。また、100回擦ってもつるつる感に変化はなかった。
<低タンパク質吸着性、低細胞吸着性>
また、ポリオキシアルキレン基がタンパク質や細胞の吸着量が少ないこと、金属塩含有水酸基、ハロゲン塩含有親水性基、双極性イオン基がポリアルキル基よりも更にタンパク質や細胞の吸着量が少ないことが知られており、実施例のサンプルもタンパク質や細胞の吸着量が少なかった。

Claims (7)

  1. 重合性を有するシラン化合物A及び機能性官能基を有する重合性化合物Bの共重合体Cにより処理された表面を少なくとも一部に有する金属医療用具。
  2. シラン化合物dへの反応性を有する重合性化合物a及び機能性官能基を有する重合性化合物bの共重合体cに、更に該シラン化合物dを反応させた重合体eにより処理された表面を少なくとも一部に有する金属医療用具。
  3. 前記機能性官能基がポリオキシアルキレン基、金属塩含有親水性基、ハロゲン塩含有親水性基、双極性イオン基又はフッ素含有疎水性基である請求項1又は2記載の金属医療用具。
  4. 前記金属塩含有親水性基がアルカリ金属塩含有親水性基又はアルカリ土類金属塩含有親水性基である請求項3記載の金属医療用具。
  5. 前記ハロゲン塩含有親水性基が塩素塩含有親水性基である請求項3記載の金属医療用具。
  6. 前記双極性イオン基がベタイン基である請求項3記載の医療用具。
  7. 前記フッ素含有疎水性基がパーフルオロオキシアルキレン基である請求項3記載の医療用具。
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