JP2016052171A - 送電機器及び非接触電力伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DC/AC変換部の異常を好適に抑制できる送電機器及び非接触電力伝送装置を提供すること。【解決手段】送電機器11は、直流電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するDC/AC変換器12bを有する交流電源12と、交流電力が入力される送電器13とを備えている。ここで、送電機器11は、力率を検出する力率検出部31と、力率検出部31によって検出された力率が閾値力率よりも低い場合に、交流電力の出力を停止させ得る送電側コントローラ14とを備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、送電機器及び非接触電力伝送装置に関する。
電源コードや送電ケーブルを用いない非接触電力伝送装置として、例えば、予め定められた周波数の交流電力を出力する交流電源、及び、当該交流電力が入力される1次側コイルを有する送電機器と、1次側コイルから非接触で交流電力を受電可能な2次側コイルを有する受電機器とを備えているものが知られている(例えば特許文献1参照)。かかる非接触電力伝送装置においては、例えば1次側コイルと2次側コイルとが磁場共鳴することにより、送電機器から受電機器に非接触で交流電力が伝送される。
交流電源は、例えば直流電力を上記交流電力に変換するDC/AC変換部を備えている。ここで、例えば送電機器の何らかの異常等によって力率が低い場合等には、DC/AC変換部での電力損失が大きくなり、DC/AC変換部の発熱などといった異常が懸念される。しかしながら、例えば、力率が低い場合等に、一律に交流電力の出力停止等を行う構成とすると、例えば送電機器が正常であるにも関わらず、交流電力の出力停止が行われる場合が生じ得る。例えば、交流電源が動作を開始してから所望の電力値の交流電力が出力されるまでの過渡状態において力率が低くなる場合、当該過渡状態に起因する力率低下によって、交流電力の出力停止が行われる場合がある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的はDC/AC変換部の異常を好適に抑制できる送電機器及び非接触電力伝送装置を提供することである。
上記目的を達成する送電機器は、直流電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するDC/AC変換部を有し、当該交流電力を出力する交流電源と、前記交流電力が入力される1次側コイルと、を備え、2次側コイルを有する受電機器の前記2次側コイルに対して非接触で前記交流電力を送電可能なものであって、前記交流電源に対して、設定電力値の交流電力の出力を指示する出力指示信号を送信する制御部を備え、前記交流電源は、前記出力指示信号を受信した場合には、前記設定電力値の交流電力を出力するように動作し、前記制御部は、前記出力指示信号の送信タイミングからの期間と、力率又は前記DC/AC変換部の入力電流値及び出力電流値の電流差と、に基づいて、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくするものであることを特徴とする。
かかる構成によれば、出力指示信号の送信タイミングからの期間と、力率又はDC/AC変換部の入力電流値及び出力電流値の電流差とに基づいて、交流電力の出力停止等が行われる。これにより、例えば力率が低い状態等にて設定電力値の交流電力の出力が継続されることを回避できる。また、出力指示信号の送信タイミングからの期間を考慮して交流電力の出力停止等を行うことにより、例えば出力指示信号の送信タイミングから設定電力値の交流電力が出力されるまでの過渡状態において力率が低いこと等に起因して、誤って交流電力の出力停止等が行われることを回避できる。よって、DC/AC変換部の異常を好適に抑制できる。
上記送電機器について、力率を検出する力率検出部を備え、前記制御部は、前記出力指示信号の送信タイミングから予め定められた待機期間以上が経過し、且つ、前記力率検出部によって検出された前記力率が予め定められた閾値力率よりも低い場合に、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくするとよい。かかる構成によれば、出力指示信号の送信タイミングから待機期間以上が経過している場合であって、検出された力率が閾値力率よりも低い場合には、交流電力の出力停止等が行われる。これにより、出力指示信号の送信タイミングから設定電力値の交流電力が出力されるまでの過渡状態における力率の低下に起因して誤って交流電力の出力停止等が行われることを回避しつつ、何らかの異常によって力率が低下している場合には設定電力値の交流電力の出力が継続されることを回避できる。
上記送電機器について、前記交流電力を出力していない状態の前記交流電源が前記出力指示信号の受信に基づいて動作を開始したタイミングを、前記交流電源の動作開始タイミングとすると、前記待機期間は、前記交流電源の動作開始タイミングから前記力率が前記閾値力率となるタイミングまでの期間に設定されているとよい。かかる構成によれば、出力指示信号の送信タイミングから待機期間以上が経過した状況において力率が閾値力率よりも低い場合には、上記過渡状態における力率低下ではなく、異常による力率低下である蓋然性が高い。これにより、上記過渡状態における力率低下に起因した交流電力の出力の誤停止を、より好適に回避できる。
上記送電機器について、前記制御部は、前記力率検出部によって検出された前記力率が前記閾値力率よりも低い場合であっても、前記設定電力値が予め定められた閾値電力値以下である場合には、前記設定電力値の交流電力の出力を継続するとよい。力率検出部によって検出された力率が閾値力率よりも低い場合であっても、設定電力値が閾値電力値以下である場合には、DC/AC変換部における電力損失は比較的小さい蓋然性が高い。この点、本構成によれば、力率検出部によって検出された力率が閾値力率よりも低い場合であっても、設定電力値が閾値電力値以下である場合には、電力値が変更されることなく設定電力値の交流電力の出力が継続される。これにより、DC/AC変換部における電力損失が比較的小さい状況において不要な交流電力の出力停止等が行われることを回避できる。
上記目的を達成する非接触電力伝送装置は、直流電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するDC/AC変換部を有し、当該交流電力を出力する交流電源と、前記交流電力が入力される1次側コイルと、前記1次側コイルに入力される前記交流電力を非接触で受電可能な2次側コイルと、前記交流電源に対して、設定電力値の交流電力の出力を指示する出力指示信号を送信する制御部と、を備え、前記交流電源は、前記出力指示信号を受信した場合には、前記設定電力値の交流電力を出力するように動作し、前記制御部は、前記出力指示信号の送信タイミングからの期間と、力率又は前記DC/AC変換部の入力電流値及び出力電流値の電流差と、に基づいて、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくするものであることを特徴とする。
かかる構成によれば、出力指示信号の送信タイミングからの期間と、力率又はDC/AC変換部の入力電流値及び出力電流値の電流差とに基づいて、交流電力の出力停止等が行われる。これにより、例えば力率が低い状態等にて設定電力値の交流電力の出力が継続されることを回避できる。また、出力指示信号の送信タイミングからの期間を考慮して交流電力の出力停止等を行うことにより、例えば出力指示信号の送信タイミングから設定電力値の交流電力が出力されるまでの過渡状態において力率が低いこと等に起因して、誤って交流電力の出力停止等が行われることを回避できる。よって、DC/AC変換部の異常を好適に抑制できる。
この発明によれば、DC/AC変換部の異常を好適に抑制できる。
以下、送電機器(送電装置)及び非接触電力伝送装置(非接触電力伝送システム)の一実施形態について説明する。
図1に示すように、非接触電力伝送装置10は、非接触で電力伝送が可能な送電機器11(地上側機器、1次側機器)及び受電機器21(車両側機器、2次側機器)を備えている。送電機器11は地上に設けられており、受電機器21は車両に搭載されている。
図1に示すように、非接触電力伝送装置10は、非接触で電力伝送が可能な送電機器11(地上側機器、1次側機器)及び受電機器21(車両側機器、2次側機器)を備えている。送電機器11は地上に設けられており、受電機器21は車両に搭載されている。
送電機器11は、予め定められた周波数の交流電力を出力可能な交流電源12を備えている。交流電源12は、例えば電圧源であり、インフラとしての系統電源Eから外部電力としての系統電力が入力された場合に、当該系統電力を交流電力に変換し、その変換された交流電力を出力可能に構成されている。
詳細には、交流電源12は、系統電源Eから入力される系統電力を直流電力に変換する変換部としてのAC/DC変換器12aと、AC/DC変換器12aから出力された直流電力が入力されるものであって当該直流電力を交流電力に変換し、その変換された交流電力を出力するDC/AC変換器12b(DC/AC変換部)とを備えている。
AC/DC変換器12aは、例えばスイッチング素子12aaと当該スイッチング素子12aaを動作させるドライバ回路12abとを有している。AC/DC変換器12aは、ドライバ回路12abがスイッチング素子12aaを周期的にON/OFFさせることにより直流電力を出力する。ちなみに、AC/DC変換器12aは、ドライバ回路12abがスイッチング素子12aaのON/OFFのデューティ比を可変制御することにより、出力する直流電力の電力値を可変(変更可能)に構成されている。このため、交流電源12は、出力する交流電力の電力値を可変(変更可能)となっている。
DC/AC変換器12bは、例えばD級増幅器である。詳細には、DC/AC変換器12bは、互いに直列に接続された第1スイッチング素子Q1及び第2スイッチング素子Q2を有している。各スイッチング素子Q1,Q2は例えばn型のパワーMOSFETである。第1スイッチング素子Q1のドレインは、AC/DC変換器12aの第1出力端(+端)に接続されており、第2スイッチング素子Q2のソースは、AC/DC変換器12aの第2出力端(−端)に接続されている。第1スイッチング素子Q1のソースと、第2スイッチング素子Q2のドレインとが接続されており、その接続線はDC/AC変換器12bの第1出力端に接続されている。また、第2スイッチング素子Q2のソースは、DC/AC変換器12bの第2出力端に接続されている。
かかる構成によれば、各スイッチング素子Q1,Q2が交互にON/OFFすることにより、DC/AC変換器12bから、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数に対応した交流電力が出力される。また、例えば、第1スイッチング素子Q1がOFF状態であり、第2スイッチング素子Q2がON状態である場合、又は、各スイッチング素子Q1,Q2の双方がOFF状態である場合には、DC/AC変換器12bから交流電力は出力されない、つまり交流電力の出力が停止している。
図1に示すように、DC/AC変換器12bは、各スイッチング素子Q1,Q2を個別に動作させるドライバ回路12baを備えている。ドライバ回路12baは、各スイッチング素子Q1,Q2の動作モードを、交流電力が出力される出力モード、又は、交流電力の出力が停止している停止モードに設定するものである。
なお、各スイッチング素子Q1,Q2は、ボディダイオード(寄生ダイオード)D1,D2を有している。各スイッチング素子Q1,Q2の動作モードが出力モードである場合に生じ得る逆起電力に係る電流は、各ボディダイオードD1,D2を伝送する。
交流電源12から出力された交流電力は、非接触で受電機器21に伝送され、受電機器21に設けられた負荷22に入力される。具体的には、非接触電力伝送装置10は、送電機器11及び受電機器21間の電力伝送を行うものとして、送電機器11に設けられた送電器13と、受電機器21に設けられた受電器23とを備えている。
送電器13及び受電器23は同一の構成となっており、両者は磁場共鳴可能に構成されている。詳細には、送電器13は、互いに並列に接続された1次側コイル13a及び1次側コンデンサ13bからなる共振回路を有している。受電器23は、互いに並列に接続された2次側コイル23a及び2次側コンデンサ23bからなる共振回路を有している。両共振回路の共振周波数は同一に設定されている。
第1スイッチング素子Q1のソースと第2スイッチング素子Q2のドレインとの接続線は、DC/AC変換器12bの第1出力端及び後述するインピーダンス変換器30を介して、送電器13の第1入力端(1次側コイル13aの一端)に接続されている。第2スイッチング素子Q2のソースは、DC/AC変換器12bの第2出力端及びインピーダンス変換器30を介して、送電器13の第2入力端(1次側コイル13aの他端)に接続されている。DC/AC変換器12bから出力される交流電力は、インピーダンス変換器30を介して送電器13に入力される。
かかる構成によれば、送電器13及び受電器23の相対位置が磁場共鳴可能な位置にある状況において、交流電力が送電器13(1次側コイル13a)に入力された場合、送電器13と受電器23(2次側コイル23a)とが磁場共鳴する。これにより、受電器23は送電器13からのエネルギの一部を受け取る。すなわち、受電器23は、送電器13から交流電力を受電する。
ちなみに、交流電源12から出力される交流電力の周波数(各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数)は、送電器13及び受電器23間にて電力伝送が可能となるよう、送電器13及び受電器23の共振周波数に対応させて設定されている。例えば、交流電力の周波数は、送電器13及び受電器23の共振周波数と同一に設定されている。なお、これに限られず、電力伝送が可能な範囲内で、交流電力の周波数と、送電器13及び受電器23の共振周波数とが、ずれていてもよい。
受電器23によって受電された交流電力が入力される負荷22は、例えば整流器(AC/DC変換部)と、整流器によって整流された直流電力が入力される車両用バッテリとを含む。受電器23によって受電された交流電力は、車両用バッテリの充電に用いられる。
送電機器11は、AC/DC変換器12aのドライバ回路12abやDC/AC変換器12bのドライバ回路12ba等の制御を行う送電側コントローラ14を備えている。
送電側コントローラ14は、設定電力値Psetの交流電力の出力を開始させる場合には、各ドライバ回路12ab,12baに対して設定電力値Psetの交流電力の出力を指示する出力指示信号を送信する。詳細には、送電側コントローラ14は、AC/DC変換器12aのドライバ回路12abに対して、出力指示信号として設定電力値Psetに関する情報が含まれた設定電力値信号SG1を送信する。AC/DC変換器12aのドライバ回路12abは、上記設定電力値信号SG1の受信に基づいて、スイッチング素子12aaを、設定電力値Psetに対応したデューティ比で周期的にON/OFFさせる。これにより、設定電力値Psetの直流電力がAC/DC変換器12aから出力される。
送電側コントローラ14は、設定電力値Psetの交流電力の出力を開始させる場合には、各ドライバ回路12ab,12baに対して設定電力値Psetの交流電力の出力を指示する出力指示信号を送信する。詳細には、送電側コントローラ14は、AC/DC変換器12aのドライバ回路12abに対して、出力指示信号として設定電力値Psetに関する情報が含まれた設定電力値信号SG1を送信する。AC/DC変換器12aのドライバ回路12abは、上記設定電力値信号SG1の受信に基づいて、スイッチング素子12aaを、設定電力値Psetに対応したデューティ比で周期的にON/OFFさせる。これにより、設定電力値Psetの直流電力がAC/DC変換器12aから出力される。
さらに、送電側コントローラ14は、設定電力値Psetの交流電力の出力を開始させる場合には、DC/AC変換器12bのドライバ回路12baに対して、出力指示信号として、送電器13及び受電器23の共振周波数と同一又はそれに近い周波数のパルス信号SG2と出力モード信号SG3とを送信する。DC/AC変換器12bのドライバ回路12baは、パルス信号SG2及び出力モード信号SG3を受信したことに基づいて、当該パルス信号SG2の周波数で各スイッチング素子Q1,Q2を交互にON/OFFさせる。これにより、設定電力値Psetの直流電力が設定電力値Psetの交流電力に変換され、当該設定電力値Psetの交流電力が出力される。本実施形態では、設定電力値信号SG1、パルス信号SG2及び出力モード信号SG3が「出力指示信号」に対応する。
一方、送電側コントローラ14は、交流電力の出力を停止させる場合には各ドライバ回路12ab,12baの双方に停止信号を送信する。AC/DC変換器12aのドライバ回路12abは、上記停止信号を受信した場合には、スイッチング素子12aaを、AC/DC変換器12aから直流電力が出力されない状態(例えばOFF状態)にする。DC/AC変換器12bのドライバ回路12baは、上記停止信号を受信した場合には、例えば、第1スイッチング素子Q1をOFF状態にし、且つ、第2スイッチング素子Q2をON状態にしたり、各スイッチング素子Q1,Q2の双方をOFF状態にしたりする。
ちなみに、送電側コントローラ14は、交流電源12から交流電力が出力されている状況において、出力指示信号として、現状の出力電力値Poutとは異なる設定電力値Psetが設定された設定電力値信号SG1をAC/DC変換器12aのドライバ回路12abに送信することにより、交流電源12の出力電力値Poutを変更できる。なお、この場合、DC/AC変換器12bのドライバ回路12baへのパルス信号SG2及び出力モード信号SG3の出力は継続されている。
すなわち、交流電源12は、交流電力の出力が停止している状態(交流電力を出力していない状態)において出力指示信号を受信した場合には、設定電力値Psetの交流電力を出力するように動作を開始する。交流電源12は、既に交流電力を出力している状態において、現状の出力電力値Poutと異なる設定電力値Psetが設定された設定電力値信号SG1を受信した場合には、出力電力値Poutが設定電力値Psetとなるように動作する。
受電機器21は、送電側コントローラ14と無線通信可能に構成された受電側コントローラ24を備えている。非接触電力伝送装置10は、各コントローラ14,24間にて行われる情報のやり取りを通じて、電力伝送の開始又は終了などを行う。
図1に示すように、送電機器11は、交流電源12(詳細にはDC/AC変換器12b)と送電器13との間に設けられ、インピーダンス変換を行うインピーダンス変換器30を備えている。インピーダンス変換器30は、例えばトランスやLC回路等で構成されている。
ここで、インピーダンス変換器30の入力端(DC/AC変換器12bの出力端)から負荷22までを1つの電源負荷とする。この場合、インピーダンス変換器30は、交流電源12(DC/AC変換器12b)から予め定められた特定電力値Ptの交流電力が出力されている場合における電源負荷に対する力率λが「1」に近づく(好ましくは一致する)ように送電器13(1次側コイル13a)の入力インピーダンスをインピーダンス変換する。換言すれば、インピーダンス変換器30のインピーダンスは、交流電源12から特定電力値Ptの交流電力が出力されている場合に力率λが「1」に近づく(好ましくは一致する)ように設定されている。すなわち、本実施形態のインピーダンス変換器30は、力率改善回路である。なお、力率λとは、DC/AC変換器12b(交流電源12)の出力電圧と出力電流との位相差に対応しており、力率λが「1」に近づくとは、上記位相差が「0」に近づくことと等価である。
なお、送電側コントローラ14は、設定電力値Psetが特定電力値Ptの設定電力値信号SG1をAC/DC変換器12aのドライバ回路12abに送信し、且つ、パルス信号SG2及び出力モード信号SG3をDC/AC変換器12bのドライバ回路12baに送信することにより、交流電源12から特定電力値Ptの交流電力を出力させる。
ここで、力率λが低く(悪く)なると、DC/AC変換器12b(詳細には各スイッチング素子Q1,Q2)の電力損失(負担)が大きくなる。このため、力率λが過度に低い場合には、各スイッチング素子Q1,Q2の電力損失が過度に大きくなり、DC/AC変換器12bに異常が発生し得る。
これに対して、本実施形態の送電機器11(非接触電力伝送装置10)は、上記DC/AC変換器12bの異常を抑制するための構成を備えている。当該構成について以下に詳細に説明する。
図1に示すように、送電機器11は、力率λを検出する力率検出部31を備えている。力率検出部31は、DC/AC変換器12bの入力電流値Iinと、DC/AC変換器12bの出力電流値Ioutとを測定し、その2つの値から力率λを検出(算出)する。力率検出部31は、検出された力率λに関する情報を送電側コントローラ14に送信する。なお、力率λは、出力電流値Ioutに対する入力電流値Iinの商(Iin/Iout)である。出力電流値Ioutは、例えば実効値である。
送電側コントローラ14は、交流電力の出力条件が成立した場合には、交流電源12の交流電力の出力制御を行う出力制御処理を実行する。交流電力の出力条件は任意であるが、例えば車両用バッテリの充電開始条件が成立した場合、受電器23によって受電される交流電力の有無に基づいて送電器13と受電器23との位置合わせを行う場合、送電器13及び受電器23間で電力伝送が正常に行われるか否かの伝送判定を行う場合等が考えられる。また、交流電力の出力条件は、受電側コントローラ24から交流電力の出力要求があった場合でもよい。なお、説明の便宜上、本実施形態では、出力制御処理の実行タイミングにおいては、交流電源12は交流電力を出力していない状態とする。
出力制御処理について以下に詳細に説明する。図2に示すように、送電側コントローラ14は、まずステップS101にて設定電力値Psetを設定する。
ここで、設定電力値Psetは、交流電力の出力条件に応じて異なる。例えば、送電側コントローラ14は、車両用バッテリの充電開始条件が成立した場合には、設定電力値Psetとして特定電力値Ptを設定する。また、送電側コントローラ14は、送電器13及び受電器23の位置合わせを行う場合には、設定電力値Psetとして位置合わせ用電力値Pmを設定し、上記伝送判定を行う場合には、設定電力値Psetとして判定用電力値Pnを設定する。なお、位置合わせ用電力値Pm及び判定用電力値Pnは、特定電力値Ptよりも小さければ、同一であってもよいし異なっていてもよい。
ここで、設定電力値Psetは、交流電力の出力条件に応じて異なる。例えば、送電側コントローラ14は、車両用バッテリの充電開始条件が成立した場合には、設定電力値Psetとして特定電力値Ptを設定する。また、送電側コントローラ14は、送電器13及び受電器23の位置合わせを行う場合には、設定電力値Psetとして位置合わせ用電力値Pmを設定し、上記伝送判定を行う場合には、設定電力値Psetとして判定用電力値Pnを設定する。なお、位置合わせ用電力値Pm及び判定用電力値Pnは、特定電力値Ptよりも小さければ、同一であってもよいし異なっていてもよい。
その後、送電側コントローラ14は、ステップS102にて、設定電力値Psetが予め定められた閾値電力値Pthよりも大きいか否かを判定する。閾値電力値Pthは、例えば位置合わせ用電力値Pm及び判定用電力値Pnよりも大きく、且つ、特定電力値Ptよりも小さい値である。なお、これに限られず、閾値電力値Pthは、予め定められた電力値であれば任意である。
送電側コントローラ14は、設定電力値Psetが閾値電力値Pthよりも大きい場合、ステップS103〜ステップS107の処理を実行する。詳細には、送電側コントローラ14は、ステップS103にて、設定電力値Psetの交流電力の出力を開始する。詳細には、送電側コントローラ14は、出力指示信号として設定電力値Psetが設定された設定電力値信号SG1をAC/DC変換器12aのドライバ回路12abに送信するとともに、出力指示信号としてのパルス信号SG2及び出力モード信号SG3をDC/AC変換器12bのドライバ回路12baに送信する。
ちなみに、交流電源12が交流電力を出力していない状態における出力指示信号の送信タイミングは、交流電源12の動作開始タイミングとも言える。すなわち、交流電源12の動作開始タイミングとは、交流電力を出力していない状態の交流電源12が出力指示信号の受信に基づいて動作を開始したタイミングである。
その後、送電側コントローラ14は、ステップS104にて、出力指示信号の送信タイミングから予め定められた待機期間Tthが経過するまで待機する。待機期間Tthの設定態様については後述する。
そして、送電側コントローラ14は、出力指示信号(設定電力値信号SG1、パルス信号SG2及び出力モード信号SG3)の送信タイミングから待機期間Tthが経過した場合には、ステップS105に進み、力率検出部31によって検出された力率λが予め定められた閾値力率λth未満であるか否かを判定する。閾値力率λthは、例えば特定電力値Ptの交流電力が出力されている場合においてDC/AC変換器12bにて異常が発生する又はその蓋然性が高い値に設定されている。
ここで、待機期間Tthは、例えば閾値力率λthと、力率λの立ち上がり特性とに基づいて設定されている。待機期間Tthの設定態様について図3を用いて詳細に説明する。図3は、交流電力を出力していない交流電源12が、設定電力値Psetとして特定電力値Ptが設定された出力指示信号を受信した場合の力率λの時間変化を示すグラフである。なお、図3においては、各タイミングt1〜t5における力率λをプロットして示す。また、各タイミングt1〜t4における出力電力値Poutを出力電力値P1〜P4とし、第5タイミングt5における出力電力値Poutが特定電力値Ptであるとする。
図3に示すように、送電側コントローラ14から交流電源12に対して出力指示信号が送信されると、時間経過(t1→t2→…→t5)に伴って、出力電力値Poutが徐々に大きくなる(P1→P2→…→Pt)。
ここで、既に説明した通り、送電機器11のインピーダンス変換器30は、交流電源12から特定電力値Ptの交流電力が出力される場合に、力率λが「1」に近づくように構成されている。このため、力率λは、出力電力値Poutが小さい段階、すなわち出力指示信号の送信タイミングから十分な時間が経過していない段階では低く、出力電力値Poutが大きくなるに従って高くなる。よって、図3に示すように、力率λは、時間経過とともに高くなる。
かかる構成において、待機期間Tthは、交流電源12の動作開始タイミング(換言すれば交流電力を出力していない状態の交流電源12に対して、送電側コントローラ14から出力指示信号が送信されたタイミング)から、力率λが閾値力率λthとなるまでの期間に設定されている。
図2の説明に戻り、送電側コントローラ14は、検出された力率λが閾値力率λthよりも低い場合には、ステップS105を肯定判定し、ステップS107に進む一方、検出された力率λが閾値力率λth以上である場合には、ステップS105を否定判定し、ステップS106に進む。
送電側コントローラ14は、ステップS106では、予め定められた終了条件が成立しているか否かを判定する。終了条件は任意である。例えば送電機器11に停止スイッチが設けられている場合には、当該停止スイッチが操作された場合を終了条件としてもよいし、車両用バッテリの充電状態が予め定められた充電終了契機状態となった場合を終了条件としてもよい。
送電側コントローラ14は、終了条件が成立していない場合には、所定期間だけ待機した後、ステップS105に戻る一方、終了条件が成立している場合には、ステップS107に進む。
ステップS107では、送電側コントローラ14は、設定電力値Psetの交流電力の出力を停止させる出力停止処理を実行して、本出力制御処理を終了する。詳細には、送電側コントローラ14は、AC/DC変換器12aのドライバ回路12ab及びDC/AC変換器12bのドライバ回路12baの双方に停止信号を送信する。
すなわち、送電側コントローラ14は、設定電力値Psetが閾値電力値Pthよりも大きい場合には、出力指示信号の送信タイミングから待機期間Tth以上が経過した後に、(A)力率λが閾値力率λthよりも低くなる、又は、(B)終了条件を満たす、のいずれか一方の条件が成立しているか否かを定期的に判定している。そして、送電側コントローラ14は、(A)又は(B)の条件が成立した場合には、設定電力値Psetの交流電力の出力を停止させる。
図2に示すように、送電側コントローラ14は、設定電力値Psetが閾値電力値Pth以下である場合には、ステップS102を否定判定し、ステップS108に進む。ステップS108では、送電側コントローラ14は、設定電力値Psetの交流電力が出力されるように各ドライバ回路12ab,12baに出力指示信号を送信する。
続くステップS109では、送電側コントローラ14は、終了条件が成立するまで待機し、終了条件が成立した場合には、ステップS107にて出力停止処理を実行して、本出力制御処理を終了する。なお、終了条件の詳細については上述した通りである。
すなわち、送電側コントローラ14は、設定電力値Psetが閾値電力値Pth以下である場合には、力率λが閾値力率λthよりも低い場合であっても、終了条件が成立するまで、設定電力値Psetの交流電力の出力を継続する。
次に本実施形態の作用について説明する。
設定電力値Psetが閾値電力値Pthよりも大きい状況、例えば設定電力値Psetが特定電力値Ptである状況においては、出力指示信号の送信タイミングから待機期間Tthが経過するまでは、力率λと閾値力率λthとの比較が行われない。そして、上記送信タイミングから待機期間Tthが経過した後に、力率λと閾値力率λthとの比較が定期的に行われ、力率λが閾値力率λthよりも低い場合には、設定電力値Psetの交流電力の出力が停止する。
設定電力値Psetが閾値電力値Pthよりも大きい状況、例えば設定電力値Psetが特定電力値Ptである状況においては、出力指示信号の送信タイミングから待機期間Tthが経過するまでは、力率λと閾値力率λthとの比較が行われない。そして、上記送信タイミングから待機期間Tthが経過した後に、力率λと閾値力率λthとの比較が定期的に行われ、力率λが閾値力率λthよりも低い場合には、設定電力値Psetの交流電力の出力が停止する。
一方、設定電力値Psetが閾値電力値Pth以下である状況、例えば設定電力値Psetが位置合わせ用電力値Pmや判定用電力値Pnである状況においては、力率λと閾値力率λthとの比較が行われない。つまり、力率λが閾値力率λthよりも低い場合であっても、設定電力値Psetの交流電力の出力が継続される。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)直流電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するDC/AC変換器12bを有する交流電源12と、交流電力が入力される送電器13(1次側コイル13a)とを備えている送電機器11は、交流電源12に対して設定電力値Psetの交流電力の出力を指示する出力指示信号を送信する送電側コントローラ14を備えている。交流電源12は、出力指示信号を受信した場合には、設定電力値Psetの交流電力を出力するように動作する。
(1)直流電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するDC/AC変換器12bを有する交流電源12と、交流電力が入力される送電器13(1次側コイル13a)とを備えている送電機器11は、交流電源12に対して設定電力値Psetの交流電力の出力を指示する出力指示信号を送信する送電側コントローラ14を備えている。交流電源12は、出力指示信号を受信した場合には、設定電力値Psetの交流電力を出力するように動作する。
かかる構成において、送電側コントローラ14は、出力指示信号の送信タイミングからの期間と力率λとに基づいて、設定電力値Psetの交流電力の出力を停止させる。これにより、力率λが低い状態で設定電力値Psetの交流電力の出力が継続されることを回避できる。また、出力指示信号の送信タイミングからの期間を考慮して設定電力値Psetの交流電力の出力停止を行うことにより、例えば交流電源12が出力指示信号を受信してから、設定電力値Psetの交流電力が出力されるまでの過渡状態において力率λが低いことに起因して、誤って設定電力値Psetの交流電力の出力停止が行われることを回避できる。
(2)詳細には、送電側コントローラ14は、出力指示信号の送信タイミングから予め定められた待機期間Tth以上が経過し、且つ、検出された力率λが閾値力率λthよりも低い場合に、設定電力値Psetの交流電力の出力を停止させる。これにより、出力指示信号の送信タイミングから設定電力値Psetの交流電力が出力されるまでの過渡状態における力率λの低下に起因して誤って設定電力値Psetの交流電力の出力停止が行われることを回避しつつ、力率λが閾値力率λthよりも低い状態で設定電力値Psetの交流電力の出力が継続されることを回避することができる。
(3)待機期間Tthは、交流電源12の動作開始タイミングから力率λが閾値力率λthとなるタイミングまでの期間に設定されている。交流電源12の動作開始タイミングとは、交流電力を出力していない状態の交流電源12が出力指示信号の受信に基づいて動作を開始したタイミングである。かかる構成によれば、出力指示信号の送信タイミングから待機期間Tth以上が経過した状況において力率λが閾値力率λthよりも低い場合には、過渡状態における力率λの低下ではなく、異常による力率λの低下である蓋然性が高い。これにより、過渡状態における力率λの低下に起因した交流電力の出力の誤停止を、より好適に回避できる。
ここで、出力指示信号の送信タイミングから力率λが閾値力率λthとなるまでの期間は、出力指示信号の送信タイミングにおける交流電源12の状態に応じて変動し得る。詳細には、交流電力を出力していない状態の交流電源12の方が、既に閾値電力値Pth以下の電力値の交流電力を出力している状態の交流電源12よりも、上記期間が長くなる。
これに対応させて、待機期間Tthは、交流電源12の動作開始タイミングから力率λが閾値力率λthとなるタイミングまでの期間に設定されている。この待機期間Tthは、出力指示信号の送信タイミングにおける交流電源12の状態に応じて変動する上記期間の最長期間に対応する。これにより、出力指示信号の送信タイミングにおける交流電源12の状態を考慮することなく、過渡状態における力率λの低下と、異常による力率λの低下とを区別することができる。よって、出力指示信号の送信タイミングにおける交流電源12の状態に応じた上記期間の変動に好適に対応できる。
(4)送電側コントローラ14は、設定電力値Psetが閾値電力値Pth以下である場合には、力率λが閾値力率λthよりも低い場合であっても、設定電力値Psetの交流電力の出力を継続する。力率λが閾値力率λthよりも低い場合であっても、設定電力値Psetが閾値電力値Pth以下である場合には、DC/AC変換器12bの電力損失は比較的小さい。この点、本実施形態によれば、設定電力値Psetが閾値電力値Pth以下である場合には、力率λが閾値力率λthよりも低い場合であっても、設定電力値Psetが変更されることなく当該設定電力値Psetの交流電力の出力が継続される。これにより、DC/AC変換器12bの電力損失が比較的小さい状況において不要な交流電力の出力停止が行われることを回避できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態のステップS105の処理では、力率λを用いたが、これに限られない。例えば、力率λに代えて、入力電流値Iinと出力電流値Ioutとの電流差を用いてもよい。この場合、送電機器11は、力率検出部31に代えて(又は加えて)、上記電流差を検出する電流差検出部を備えているとよい。そして、送電側コントローラ14は、ステップS105では、電流差検出部によって検出された上記電流差が予め定められた閾値電流差よりも大きいか否かを判定する。送電側コントローラ14は、上記電流差が閾値電流差よりも大きい場合にはステップS107にて出力停止処理を実行する一方、上記電流差が閾値電流差以下である場合にはステップS106に進む。
○ 実施形態のステップS105の処理では、力率λを用いたが、これに限られない。例えば、力率λに代えて、入力電流値Iinと出力電流値Ioutとの電流差を用いてもよい。この場合、送電機器11は、力率検出部31に代えて(又は加えて)、上記電流差を検出する電流差検出部を備えているとよい。そして、送電側コントローラ14は、ステップS105では、電流差検出部によって検出された上記電流差が予め定められた閾値電流差よりも大きいか否かを判定する。送電側コントローラ14は、上記電流差が閾値電流差よりも大きい場合にはステップS107にて出力停止処理を実行する一方、上記電流差が閾値電流差以下である場合にはステップS106に進む。
また、送電機器11は、力率検出部31に代えて、DC/AC変換器12bの出力電圧と出力電流との位相差自体を検出する位相差検出部を備えていてもよい。この場合、ステップS105では、送電側コントローラ14は、上記位相差が予め定められた閾値位相差(例えば閾値力率λthに対応する位相差)よりも大きいか否かを判定してもよい。
要は、ステップS105の判定処理では、DC/AC変換器12bの出力電圧と出力電流との位相差に関する物理量、詳細には相対的に上記位相差に対して変動し易く(変動量が大きく)、且つ、その他のパラメータ(例えば出力電力値Pout等)には変動しにくい(変動量が小さい)パラメータを用いるとよい。
○ 送電側コントローラ14は、ステップS107の出力停止処理に代えて、設定電力値Psetを小さくする処理を実行してもよい。詳細には、例えば送電側コントローラ14は、現状の出力電力値Poutよりも小さい設定電力値Psetが設定された出力指示信号をAC/DC変換器12aのドライバ回路12abに送信するとよい。この場合であっても、DC/AC変換器12bの電力損失の軽減を図ることができる。
○ 送電側コントローラ14は、設定電力値Psetの変更時においても、待機期間Tthが経過するまで、力率λと閾値力率λthとの比較を待機する構成であってもよい。詳細には、例えば送電側コントローラ14は、交流電源12から位置合わせ用電力値Pm又は判定用電力値Pnの交流電力が出力されている状況において特定電力値Ptの交流電力の出力に係る出力指示信号を送信してもよい。この場合、送電側コントローラ14は、上記出力指示信号の送信タイミングから待機期間Tthが経過したことに基づいて、力率λと閾値力率λthとの比較処理等(ステップS105〜ステップS107の処理)を行うとよい。つまり、出力指示信号の送信タイミングにおける交流電源12の状態は、交流電力の出力中であってもよいし、停止中であってもよい。
一方、送電側コントローラ14は、例えば交流電源12から特定電力値Ptの交流電力が出力されている状況において、予め定められた押し込み充電条件が成立した場合には、閾値電力値Pthよりも電力値が小さい押し込み充電用電力の出力に係る出力指示信号を交流電源12に送信してもよい。この場合、送電側コントローラ14は、力率λや待機期間Tthに関わらず、終了条件が成立するまで、押し込み充電用電力の出力を継続させるとよい。
○ 送電側コントローラ14は、現状の出力電力値Poutよりも大きくなるように設定電力値Psetを変更する場合には、ステップS104〜ステップS107の処理を実行する一方、現状の出力電力値Poutよりも小さくなるように設定電力値Psetを変更する場合には、ステップS109及びステップS107の処理を実行してもよい。
○ 送電側コントローラ14は、出力指示信号の送信タイミングにおける力率λと、当該送信タイミングから待機期間Tthが経過する前のタイミングにおける力率λとを把握し、力率λの上昇量を算出する構成でもよい。この場合、送電側コントローラ14は、上記上昇量が予め定められた閾値上昇量未満である場合には、出力指示信号の送信タイミングから待機期間Tthが経過する前に、交流電力の出力停止を行ってもよい。要は、送電側コントローラ14は、出力指示信号の送信タイミングからの期間と、力率λとに基づいて交流電力の停止制御を行えばよい。
○ 実施形態では、設定電力値Psetが閾値電力値Pth以下である場合には、力率λと閾値力率λthとの比較を行わない構成であったが、これに限られず、設定電力値Psetに関わらず、上記比較を行う構成であってもよい。詳細には、送電側コントローラ14は、設定電力値Psetが閾値電力値Pthよりも大きい場合には、出力指示信号の送信タイミングから待機期間Tth以上が経過し、且つ、力率λが第1閾値力率よりも低い場合に、交流電力の出力停止を行う。一方、送電側コントローラ14は、設定電力値Psetが閾値電力値Pth以下である場合には、出力指示信号の送信タイミングから待機期間Tth以上が経過し、且つ、力率λが第2閾値力率よりも低い場合に、交流電力の出力停止を行う。
この場合、設定電力値Psetが閾値電力値Pth以下である場合に比較対象となる第2閾値力率は、設定電力値Psetが閾値電力値Pthよりも大きい場合に比較対象となる第1閾値力率よりも低く設定されているとよい。これにより、設定電力値Psetが比較的小さい状況においては、交流電力の出力停止の契機となる閾値力率λthが比較的低くなっているため、交流電源12に過度な負担が付与されることを抑制しつつ、交流電力の出力を継続させ易くすることができる。なお、これに限られず、第1閾値力率と第2閾値力率とは同一であってもよいし、第1閾値力率は第2閾値力率より高くてもよい。
○ 実施形態では、待機期間Tthは固定値であったが、これに限られず、可変値でもよい。例えば、出力指示信号の送信タイミングから力率λが閾値力率λthとなるタイミングまでの期間が、出力指示信号の送信タイミングにおける交流電源12の状態に応じて変動することに対応させて、待機期間Tthは、出力指示信号の送信タイミングにおける交流電源12の状態に応じて可変に設定されていてもよい。この場合、送電側コントローラ14は、出力指示信号の送信タイミングにおける交流電源12の状態(交流電力の出力の有無、及び、交流電力が出力されている場合にはその電力値)を把握し、その把握結果に基づいて待機期間Tthを導出するとよい。
○ 閾値力率λthは、固定値であったが、これに限られず、例えば設定電力値Psetに応じて可変に設定されてもよい。
○ AC/DC変換器12aの出力電力値は、DC/AC変換器12bの電力損失を考慮して、設定電力値Psetよりも高く設定してもよい。
○ AC/DC変換器12aの出力電力値は、DC/AC変換器12bの電力損失を考慮して、設定電力値Psetよりも高く設定してもよい。
○ 送電側コントローラ14は、パルス信号SG2をDC/AC変換器12bに常時送信している構成としてもよい。この場合であっても、出力モード信号SG3の有無等によって、交流電源12からの交流電力の出力制御を行うことができる。要は、出力指示信号は、少なくとも設定電力値信号SG1と出力モード信号SG3とを含んでいればよく、パルス信号SG2は出力指示信号に含まれていなくてもよい。
○ 受電側コントローラ24は、送電側コントローラ14に対して要求電力値に関する情報を送信してもよい。この場合、送電側コントローラ14は、要求電力値を設定電力値Psetに設定するとよい。本別例においては、受電側コントローラ24が「制御部」に対応する。
○ 力率検出部31は、送電側コントローラ14に搭載されていてもよい。
○ 外部電力として所定の電力値の直流電力が入力されてもよい。この場合、AC/DC変換器12aを省略してもよいし、AC/DC変換器12aに代えてDC/DCコンバータを設けてもよい。本別例においては、DC/DCコンバータが変換部に対応する。
○ 外部電力として所定の電力値の直流電力が入力されてもよい。この場合、AC/DC変換器12aを省略してもよいし、AC/DC変換器12aに代えてDC/DCコンバータを設けてもよい。本別例においては、DC/DCコンバータが変換部に対応する。
○ インピーダンス変換器30を複数設けてもよい。また、インピーダンス変換器30を省略してもよい。
○ DC/AC変換器12bの具体的な構成は任意であり、例えばスイッチング素子を1つ有するE級増幅器であってもよいし、4つのスイッチング素子を有するブリッジ回路であってもよい。
○ DC/AC変換器12bの具体的な構成は任意であり、例えばスイッチング素子を1つ有するE級増幅器であってもよいし、4つのスイッチング素子を有するブリッジ回路であってもよい。
○ AC/DC変換器12aの具体的な構成は任意であり、直流電力の電力値を可変にできない構成であってもよい。また、AC/DC変換器12aは、例えば昇圧型又は昇降圧型であってもよい。
○ 各スイッチング素子Q1,Q2はパワー型のMOSFETであったが、これに限られず、IGBT等他のスイッチング素子を用いてもよい。また、ボディダイオードD1,D2に代えて、スイッチング素子Q1,Q2に並列に接続される2つのダイオードを別途設けてもよい。
○ 各スイッチング素子Q1,Q2のON/OFFの切り替わりの間に、各スイッチング素子Q1,Q2の双方がOFF状態となるデッドタイムが設けられていてもよい。
○ 交流電力の出力を停止させる具体的な構成は任意であり、例えばAC/DC変換器12aの前段又は後段の電力伝送経路上にコンタクタを設け、送電側コントローラ14が当該コンタクタをON状態からOFF状態に切り替える構成でもよい。
○ 交流電力の出力を停止させる具体的な構成は任意であり、例えばAC/DC変換器12aの前段又は後段の電力伝送経路上にコンタクタを設け、送電側コントローラ14が当該コンタクタをON状態からOFF状態に切り替える構成でもよい。
○ 出力制御処理の実行主体は、送電側コントローラ14に限られず任意であり、例えば受電側コントローラ24であってもよい。この場合、送電側コントローラ14は、上記出力制御処理に必要な情報を適宜受電側コントローラ24に送信するとよい。また、受電側コントローラ24は、必要に応じて送電側コントローラ14に対して各種指示を行い、送電側コントローラ14は、上記各種指示に従って、DC/AC変換器12bやAC/DC変換器12a等の制御を行うとよい。
○ 交流電源12は、電圧源に限られず、電力源や電流源であってもよい。
○ 送電器13の共振周波数と受電器23の共振周波数とは同一に設定されていたが、これに限られず、電力伝送が可能な範囲内で両者を異ならせてもよい。
○ 送電器13の共振周波数と受電器23の共振周波数とは同一に設定されていたが、これに限られず、電力伝送が可能な範囲内で両者を異ならせてもよい。
○ 送電器13と受電器23とは同一の構成であったが、これに限られず、異なる構成であってもよい。
○ 各コンデンサ13b,23bを省略してもよい。この場合、各コイル13a,23aの寄生容量を用いて磁場共鳴させる。
○ 各コンデンサ13b,23bを省略してもよい。この場合、各コイル13a,23aの寄生容量を用いて磁場共鳴させる。
○ 受電機器21の搭載対象は任意であり、例えばロボットや電動車いす等でもよい。
○ 実施形態では、1次側コイル13aと1次側コンデンサ13bとは並列に接続されていたが、これに限られず、両者は直列に接続されていてもよい。同様に、2次側コイル23aと2次側コンデンサ23bとは、直列に接続されていてもよい。
○ 実施形態では、1次側コイル13aと1次側コンデンサ13bとは並列に接続されていたが、これに限られず、両者は直列に接続されていてもよい。同様に、2次側コイル23aと2次側コンデンサ23bとは、直列に接続されていてもよい。
○ 実施形態では、非接触の電力伝送を実現させるために磁場共鳴を用いたが、これに限られず、電磁誘導を用いてもよい。
○ 実施形態では、受電器23にて受電された交流電力は車両用バッテリの充電に用いられたが、これに限られず、別の用途に用いられてもよい。
○ 実施形態では、受電器23にて受電された交流電力は車両用バッテリの充電に用いられたが、これに限られず、別の用途に用いられてもよい。
○ 送電器13は、1次側コイル13a及び1次側コンデンサ13bからなる共振回路と、その共振回路と電磁誘導で結合する1次側結合コイルとを有してもよい。同様に、受電器23は、2次側コイル23a及び2次側コンデンサ23bからなる共振回路と、その共振回路と電磁誘導で結合する2次側結合コイルとを有してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記制御部は、前記設定電力値が予め定められた閾値電力値よりも大きい場合には、前記出力指示信号の送信タイミングから前記待機期間以上が経過し、且つ、前記力率検出部によって検出された前記力率が前記閾値力率としての第1閾値力率よりも低い場合に、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくする一方、
前記設定電力値が前記閾値電力値以下である場合には、前記出力指示信号の送信タイミングから前記待機期間以上が経過し、且つ、前記力率検出部によって検出された前記力率が前記閾値力率としての第2閾値力率よりも低い場合に、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくするものであり、
前記第2閾値力率は前記第1閾値力率よりも低く設定されている請求項2又は請求項3に記載の送電機器。
(イ)前記制御部は、前記設定電力値が予め定められた閾値電力値よりも大きい場合には、前記出力指示信号の送信タイミングから前記待機期間以上が経過し、且つ、前記力率検出部によって検出された前記力率が前記閾値力率としての第1閾値力率よりも低い場合に、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくする一方、
前記設定電力値が前記閾値電力値以下である場合には、前記出力指示信号の送信タイミングから前記待機期間以上が経過し、且つ、前記力率検出部によって検出された前記力率が前記閾値力率としての第2閾値力率よりも低い場合に、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくするものであり、
前記第2閾値力率は前記第1閾値力率よりも低く設定されている請求項2又は請求項3に記載の送電機器。
(ロ)前記交流電源と前記1次側コイルとの間に設けられ、インピーダンス変換を行うインピーダンス変換部を備え、前記インピーダンス変換部は、前記交流電源から予め定められた特定電力値の交流電力が出力される場合に、前記力率が1に近づくように前記1次側コイルの入力インピーダンスをインピーダンス変換する請求項1〜4及び(イ)のうちいずれか一項に記載の送電機器。
(ハ)前記交流電源は、外部電力を直流電力に変換するものであって、当該直流電力の電力値を変更可能な変換部を備えている請求項1〜4及び(イ),(ロ)のうちいずれか一項に記載の送電機器。
(ニ)前記DC/AC変換部は、互いに直列に接続された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子を備え、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子が交互にON/OFFすることにより前記交流電力を出力するものである請求項1〜4及び(イ)〜(ハ)のうちいずれか一項に記載の送電機器。
10…非接触電力伝送装置、11…送電機器、12…交流電源、12a…AC/DC変換器、12b…DC/AC変換器、13a…1次側コイル、14…送電側コントローラ、21…受電機器、22…負荷、23a…2次側コイル、30…インピーダンス変換器、31…力率検出部、Q1,Q2…DC/AC変換器のスイッチング素子、λ…力率、λth…閾値力率、Pset…設定電力値、Pth…閾値電力値、Tth…待機期間。
Claims (5)
- 直流電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するDC/AC変換部を有し、当該交流電力を出力する交流電源と、
前記交流電力が入力される1次側コイルと、
を備え、2次側コイルを有する受電機器の前記2次側コイルに対して非接触で前記交流電力を送電可能な送電機器であって、
前記交流電源に対して、設定電力値の交流電力の出力を指示する出力指示信号を送信する制御部を備え、
前記交流電源は、前記出力指示信号を受信した場合には、前記設定電力値の交流電力を出力するように動作し、
前記制御部は、前記出力指示信号の送信タイミングからの期間と、力率又は前記DC/AC変換部の入力電流値及び出力電流値の電流差と、に基づいて、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくするものであることを特徴とする送電機器。 - 力率を検出する力率検出部を備え、
前記制御部は、前記出力指示信号の送信タイミングから予め定められた待機期間以上が経過し、且つ、前記力率検出部によって検出された前記力率が予め定められた閾値力率よりも低い場合に、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくする請求項1に記載の送電機器。 - 前記交流電力を出力していない状態の前記交流電源が前記出力指示信号の受信に基づいて動作を開始したタイミングを、前記交流電源の動作開始タイミングとすると、
前記待機期間は、前記交流電源の動作開始タイミングから前記力率が前記閾値力率となるタイミングまでの期間に設定されている請求項2に記載の送電機器。 - 前記制御部は、前記力率検出部によって検出された前記力率が前記閾値力率よりも低い場合であっても、前記設定電力値が予め定められた閾値電力値以下である場合には、前記設定電力値の交流電力の出力を継続する請求項2又は請求項3に記載の送電機器。
- 直流電力を予め定められた周波数の交流電力に変換するDC/AC変換部を有し、当該交流電力を出力する交流電源と、
前記交流電力が入力される1次側コイルと、
前記1次側コイルに入力される前記交流電力を非接触で受電可能な2次側コイルと、
前記交流電源に対して、設定電力値の交流電力の出力を指示する出力指示信号を送信する制御部と、
を備え、
前記交流電源は、前記出力指示信号を受信した場合には、前記設定電力値の交流電力を出力するように動作し、
前記制御部は、前記出力指示信号の送信タイミングからの期間と、力率又は前記DC/AC変換部の入力電流値及び出力電流値の電流差と、に基づいて、前記交流電源からの前記設定電力値の交流電力の出力を停止させる、又は、前記設定電力値を小さくするものであることを特徴とする非接触電力伝送装置。
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