JP2016050677A - 情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システム - Google Patents

情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システム Download PDF

Info

Publication number
JP2016050677A
JP2016050677A JP2014174278A JP2014174278A JP2016050677A JP 2016050677 A JP2016050677 A JP 2016050677A JP 2014174278 A JP2014174278 A JP 2014174278A JP 2014174278 A JP2014174278 A JP 2014174278A JP 2016050677 A JP2016050677 A JP 2016050677A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
heat
conditioned space
desiccant rotor
exhaust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014174278A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6535445B2 (ja
Inventor
柴田 克彦
Katsuhiko Shibata
克彦 柴田
直樹 相澤
Naoki Aizawa
直樹 相澤
健太郎 木村
Kentaro Kimura
健太郎 木村
池田 昌弘
Masahiro Ikeda
昌弘 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Original Assignee
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takasago Thermal Engineering Co Ltd filed Critical Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority to JP2014174278A priority Critical patent/JP6535445B2/ja
Publication of JP2016050677A publication Critical patent/JP2016050677A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6535445B2 publication Critical patent/JP6535445B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】サーバなどの情報通信機器で生じた排熱を、オフィス執務室などの空調における除湿や加湿に利用する。
【解決手段】デシカントロータ31を用いて調湿処理した空気を空調空間3に給気する調湿空調Aシステムであって、デシカントロー31が、空調空間3とは異なる空間に収納された情報通信機器(サーバ10)の排熱で昇温した空気の流路22と、空調空間3に給気される空気の流路23とにまたがって回転自在に配置され、情報通信機器(サーバ10)の排熱で昇温した空気によってデシカントロータ31が再生処理され、再生処理されたデシカントロータ31によって除湿処理された空気が空調空間3に給気される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気・通信機器、サーバ等の発熱を伴う情報通信機器の排熱を、オフィス執務室などの空調における除湿や加湿に利用する空調システムに関する。
例えばサーバは動作を保障するために温度上昇を回避する必要がある。そのため内部にサーバーファンとも呼称される冷却用の小型ファンを備えており、特許文献1に示されるように、機器の前面側から冷気を吸い込み、昇温した空気を背面側へと排気するようになっている。また多くの場合、サーバはラックに多段に搭載され、サーバ室では、空調の効率化を図るために、ラックの吸気面を向い合せにして形成したコールドアイルと、ラックの排気面を向い合せにして形成したホットアイルを順番に配置している。さらに最近では、15℃〜27℃程度の標準温度域で動作保証された標準サーバと、それより高温の35℃以上の温度域でも動作保証された耐高温サーバが含まれる場合に、標準サーバの給気面に面するコールドアイルと、標準サーバの排気面と耐高温サーバの給気面に面するホットアイルと、耐高温サーバの排気面に面するスーパーホットアイルを並列に配置するレイアウトも提案されている。
一方、例えば特許文献2に示されるように、デシカントロータを用いて外気を除湿処理し、室内へ給気する運転方法が知られている。このデシカントロータの再生を行うために、特許文献2の運転方法では、室内からの還気をヒートポンプで昇温させてデシカントロータの再生領域に通すことが行われる。また特許文献3には、コジェネレーションの排熱をデシカント空調機の再生に利用し、デシカント器、除熱器、調湿器を持つデシカント空調装置で調湿した冷風を、施設の循環系の空気に活用するシステムが開示されている。また特許文献4、5にも、デシカントロータの再生を、ボイラーなどの排熱を利用して再生するシステムが開示されている。さらに本出願人も、特許文献6において、外気を冷却するヒートポンプの凝縮熱をロータの再生熱源に利用した空調設備を開示している。
特開2010−71482号公報 特開2012−172880号公報 特開2002−115867号公報 特開2002−276998号公報 特開2007−298192号公報 特許第2558552号公報
例えばデータセンターでは、サーバ室に隣接してITエンジニアや管理者の居室が併設されている。またオフィスビル内では、オフィス執務空間の近くの場所やフロアに併設されるサーバ室が増加している。しかしながら従来は、情報通信機器の排熱を隣接する空調空間の空調に有効活用した例はなく、データセンターの排熱(温熱)の利用用途としては、植物の栽培・育成、暖房・給湯の予熱、吸着冷凍機の吸着剤の再生などが提案されているにすぎなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、サーバなどの情報通信機器で生じた排熱を、オフィス執務室などの空調における除湿や加湿に利用することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、デシカントロータを用いて調湿処理した空気を空調空間に給気する調湿空調システムであって、前記デシカントロータが、前記空調空間とは異なる空間に収納された情報通信機器の排熱で昇温した空気の流路と、前記空調空間に給気される空気の流路とにまたがって回転自在に配置され、情報通信機器の排熱で昇温した空気によって前記デシカントロータが再生処理され、再生処理された前記デシカントロータによって除湿処理された空気が前記空調空間に給気されることを特徴とする、情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システムが提供される。
本発明において、情報通信機器の排熱で昇温した空気は、例えばサーバ等の情報通信機器から排出された排気と熱交換して昇温させられた別の空気であり、あるいは当該排気そのものでも良い。例えば空調空間から排気された余剰の空気を排気と熱交換して昇温させ、デシカントロータの再生処理に用いても良い。本発明によれば、情報通信機器の排熱を利用してデシカントロータを再生処理し、この再生処理されたデシカントロータによって例えば外気などの空気を除湿処理して空調空間に給気することができる。
この調湿空調システムにあっては、前記空調空間に給気される空気を冷却する冷却器を、前記空調空間に給気される空気の流路において前記デシカントロータよりも下流に備えていても良い。例えば夏季などは、デシカントロータによって空気を除湿処理した空気を冷却器で冷却して空調空間に給気することにより、除湿冷房運転が可能となる。
また、前記空調空間からの排気を情報通信機器の排熱で昇温させる熱交換器を備え、前記熱交換器で昇温させられた前記空調空間からの排気によって前記デシカントロータが再生処理されるようにしても良い。
また、外気を情報通信機器の排熱で昇温させる熱交換器を備え、前記熱交換器で昇温させられた外気を、前記デシカントロータを介さずに前記空調空間に供給する流路を備え、前記デシカントロータを介さずに前記空調空間に供給する流路に加湿器を備えていても良い。例えば冬季などは、情報通信機器の排熱を利用して外気を熱交換器で昇温させ、この昇温させた外気を加湿器で加湿して空調空間に供給することにより、空調空間を加湿暖房運転することが可能となる。
また、前記情報通信機器は、標準温度域で動作保証された標準情報通信機器と標準温度域よりも高い温度域まで動作保証された高温耐用情報通信機器を備え、前記高温耐用情報通信機器の排熱で昇温した空気によって前記デシカントロータが再生処理されるようにしても良い。
本発明によれば、サーバ室に隣接して設けられている居室やオフィス執務空間などを情報通信機器の排熱を利用して除湿や加湿して空調することが可能になる。
空調空間から排気された空気をサーバの排気で昇温させ、デシカントロータを再生処理するように構成した本発明の実施の形態にかかる調湿空調システムの説明図である。 空調空間の除湿冷房運転と加湿暖房運転の両方が可能な本発明の実施の形態にかかる調湿空調システムの説明図である。 サーバ室の排熱利用に加えて、ヒートポンプによる冷暖房運転を組み合わせた本発明の実施の形態にかかる調湿空調システムの説明図であり、冷房除湿運転の状態を示している。 サーバ室の排熱利用に加えて、ヒートポンプによる冷暖房運転を組み合わせた本発明の実施の形態にかかる調湿空調システムの説明図であり、暖房加湿運転の状態を示している。 発電機能を備えた変形例の説明図である。
以下、本発明の実施の形態にかかる調湿空調システムを図面を参照にして説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
先ず図1に示す調湿空調システムAは、情報通信機器の一例としてサーバ10を収納したサーバ室1から排出された排気によって空調空間3からの排気EAを昇温させ、その昇温させた排気EAで空調装置2が備えるデシカントロータ30を再生処理し、デシカントロータ30によって除湿処理された空気を冷却して空調空間3に給気することにより、空調空間3を除湿冷房運転する実施の形態を例示している。空調空間3は、サーバ室1に隣接して設けられたITエンジニアや管理者の居室、オフィス執務空間などである。
空調空間3とは異なる空間であるサーバ室1には、サーバ10を多段に搭載したラック11が配置されている。各サーバ10は、その給気面をサーバ室1内のコールドアイル12に向け、その排気面をサーバ室1内のホットアイル13に向けて揃えて配置されている。また、各サーバ10の内部にはサーバーファンと呼称される冷却用の小型ファンを備えており、コールドアイル12側から例えば25℃の冷気を吸い込み、サーバ10の熱負荷で昇温した例えば35〜50℃の排気をホットアイル13側に排出するようになっている。サーバ室1の外部には例えばパッケージエアコンなどの冷却器14が設置されており、ホットアイル13からの高温の排気を取り入れて、冷水コイル等で冷却した後、コールドアイル12へと供給する。
サーバ室1と空調装置2の間には、空調空間3からの排気EAとホットアイル13から取り出した高温の排気を熱交換させる熱交換器15(顕熱交換器)が設けられている。ホットアイル13からから取り出された高温の排気は、ファン16の動力で取り出しダクト17を介して熱交換器15に導入され、熱交換器15で熱交換した後、戻しダクト18を通ってコールドアイル12に戻される。
空調装置2には、空調空間3からの排気EAが排気ダクト20および熱交換器15を通ってファン21の動力で導入される流路22と、外気OAが導入される2つの流路23、24が並列に設けられている。この実施の形態では、流路22が情報通信機器(サーバ10)の排熱で昇温した空気の流路となる。また、外気OAが導入される2つの流路23、24のうち、一方の流路23は外気OAを除湿処理および冷却処理して空調空間3に給気する空気の流路であり、他方の流路24は熱交換用の外気OAを通す流路である。一方の流路23はファン25を有する給気ダクト26を介して空調空間3に接続されている。他方の流路24はファン27を有する排気ダクト28を介して図示しない排気口等に接続されている。
ホットアイル13からの高温の排気によって昇温させられた空気(空調空間3からの排気EA)が導入される流路22と、外気OAが導入される一方の流路23には、乾燥剤が保持された通気性のある円筒形状のデシカントロータ30がまたがって回転自在に配置されている。デシカントロータ30の半分は流路22に配置され、残りの半分が流路23に配置され、デシカントロータ30の回転によってその側面(流通面:すなわち円筒形状のデシカントロータ30において中心軸に対して垂直な面)が流路22と流路23を交互に移動していく。
また外気OAが導入される2つの流路23、24にまたがって第1の冷却器31が配置されている。この第1の冷却器31は、例えば顕熱交換機または全熱交換機であり、回転式、固定式のいずれでも良い。一方の流路23に導入された外気OAはデシカントロータ30を通過して除湿処理される際に高温となるが、その後、第1の冷却器31で他方の流路24に導入されている外気OAと熱交換して冷却される。
さらに一方の流路23には第2の冷却器32が配置されている。この第2の冷却器32は、例えば冷却水コイルや直膨コイルを備えた冷却器である。この第2の冷却器32は、空調装置2とは別の冷却手段を組込んでも構わない。また第2の冷却器32として、既設のファンコイル等室内空気循環用の小型空調機も用いることができる。一方の流路23に導入された外気OAは、最終的にこの第2の冷却器32で冷却され、ファン25の動力によって給気ダクト26を介して空調空間3に給気される。なお空調装置2には、デシカントロータ30の他に、吸着による昇温を外気で温度降下させて予冷する冷却器を必要に応じて備えることができる。
以上のように構成された調湿空調システムAにあっては、空調空間3から排出された余剰の(循環利用されない)排気EAがファン21の動力によって排気ダクト20を通じて熱交換器15を通り、流路22に導入される状態となる。

一方で、ファン16の動力により、サーバ10の熱負荷で昇温した例えば40℃の高温の排気がサーバ室1のホットアイル13から取り出しダクト17を経て取り出され、熱交換器15に導入される。そして熱交換器15では、ホットアイル13から取り出された高温の排気と空調空間3からの排気EAの熱交換が行われ、空調空間3からの排気EAは昇温させられる。こうして高温となった空調空間3からの排気EAが空調装置2の流路22に導入され、流路22において、この高温の排気EAによってデシカントロータ30から水分が除去、放出され、デシカントロータ30の再生処理が行われる。こうして再生処理されたデシカントロータ30の側面が、デシカントロータ30の回転によって流路23へ順次移動していく。
そして空調装置2の流路23では、ファン25の動力によって導入された、例えば33℃、22g/kg(DA)の外気OAが再生処理されたデシカントロータ30の側面を通過することにより、外気OA中の水分がデシカントロータ30に吸着され、除湿処理が行われる。こうしてデシカントロータ30によって除湿処理された外気OAは、デシカントロータ30を通過する際に一旦高温となるが、その後、第1の冷却器31で他方の流路24に導入されている外気OAと熱交換して冷却(プレ冷却)され、さらに第2の冷却器32で冷却されて、例えば33℃(外気OAと同程度)、13g/kg(DA)の給気SAとなり、給気ダクト26を介して空調空間3に供給される。なお、熱交換器15において空調空間からの排気EAを昇温させたことによって低温となった空気(ホットアイル13から取り出された排気)は、温度低下した状態で戻しダクト18を通ってコールドアイル12に戻される。このようにホットアイル13から取り出した排気を温度低下させてコールドアイル12に戻すことにより、サーバ室1の冷却負荷も軽減できるようになる。また、他方の流路24に導入されて第1の冷却器31の冷却に用いられた空気(外気OA)は、排気EAとなって排気ダクト28から外部に排出される。
したがってこの実施の形態の調湿空調システムAによれば、例えば夏季などにおいて、サーバ室1に収納されたサーバ10からの排熱を利用してデシカントロータ30を再生処理しながら、デシカントロータ30によって除湿処理された空気を冷却して空調空間3に給気することにより、サーバ室1に隣接して設けられたITエンジニアや管理者の居室、オフィス執務空間などの空調空間3を除湿冷房運転でき、省エネルギー化が達成される。
次に図2に示す調湿空調システムBは、サーバ室1から排出された排気と熱交換して昇温させられた空気を用いて空調装置2が備えるデシカントロータ75を再生処理し、デシカントロータ75によって除湿処理された空気を冷却して空調空間3に給気することにより、空調空間3を除湿冷房運転する実施の形態を例示している。また、この実施の形態にかかる調湿空調システムBは、空調空間3を加湿暖房運転することも可能である。
この実施の形態では、サーバ室1には、15℃〜27℃程度の標準温度域で動作保証された標準サーバ40を多段に搭載した標準サーバラック41と、それより高温の35℃以上の温度域でも動作保証された耐高温サーバ42を多段に搭載した耐高温サーバラック43が互いに間隔を置いて平行に配置されている。各標準サーバ40の内部にはサーバーファンと呼称される冷却用の小型ファンを備えており、コールドアイル45側から例えば25℃の冷気を吸い込み、標準サーバ40の熱負荷で昇温した例えば35℃の排気をホットアイル46側に排出するようになっている。同様に各耐高温サーバ42の内部にもサーバーファンと呼称される冷却用の小型ファンを備えており、ホットアイル46側から例えば35℃の冷気(標準サーバ40の排気)を吸い込み、耐高温サーバ42の熱負荷で昇温した例えば45℃の排気をスーパーホットアイル47側に排出するようになっている。つまり一段目サーバ列(標準サーバ40)の排熱を含む排気を二段目サーバ列(耐高温サーバ42)の冷却媒体としている。
サーバ室1の外部には例えばパッケージエアコンなどの冷却器48、49が設置されており、一方の冷却器48は、ホットアイル46から空気を取り入れて、冷水コイル等で冷却した後、コールドアイル45へと供給する。他方の冷却器49は、スーパーホットアイル47から空気を取り入れて、冷水コイル等で冷却した後、ホットアイル46へと供給する。
サーバ室1と空調装置2の間には、空調空間2からの排気EAとスーパーホットアイル47から取り出した高温の排気を熱交換させる熱交換器50が設けられている。スーパーホットアイル47から取り出された高温の排気は、ファン51の動力で取り出しダクト52を介して熱交換器50に導入され、熱交換器50で熱交換した後、戻しダクト53を通ってホットアイル46に戻されるか、戻しダクト54を通ってコールドアイル45に戻される。なお、戻しダクト53には開閉弁53aが設けられており、戻しダクト54には開閉弁54aが設けられている。そして、熱交換器50で熱交換した後の温度が高い場合は、開閉弁53aが開かれ、開閉弁54aが閉じられ、熱交換後の排気がホットアイル46に戻される。また、熱交換器50で熱交換した後の温度が低い場合は、開閉弁54aが開かれ、開閉弁53aが閉じられ、熱交換後の排気がコールドアイル45に戻される。例えば、熱交換器50で熱交換した後の温度が30〜35℃の場合は、熱交換後の排気がホットアイル46に戻され、20〜25℃場合は、熱交換後の排気がコールドアイル45に戻される。
空調装置2には、空調空間3からの排気EAが排気ダクト55を介してファン56の動力で導入される流路57と、外気OAが導入される2つの流路58、59が並列に設けられている。なお、流路59には空調空間3からの排気EAを導入することも可能である。この実施の形態では、流路57が情報通信機器(サーバ10)の排熱で昇温した空気の流路となる。また、外気OAが導入される2つの流路58、59のうち、一方の流路58は外気OAを除湿処理および冷却処理して空調空間3に給気する空気の流路であり、他方の流路59は熱交換器50で昇温させられた外気OAを加湿処理して空調空間3に給気する空気の流路である。一方の流路58はファン60を有する給気ダクト61を介して空調空間3に接続されている。他方の流路59には、ファン56の下流側において還気ダクト55から分岐させられた外気加湿用ダクト62を介して、熱交換器50で昇温させられた空気(外気OA)が導入されるようになっている。後述するように、この外気加湿用ダクト62に設置された開閉ダンパ63と、排気ダクト55における外気加湿用ダクト62の分岐点よりも下流側に設置された開閉ダンパ64の開閉操作により、流路59に空気(外気OA)を導入する状態と、流路57に排気EAを導入する状態とに選択的に切り替えられる。また、流路59に排気EAを導入する状態に切り替えることも可能である。
他方の流路59の内部には、例えば滴下式や噴霧式などの加湿器65が設置されており、この流路59内において加湿された空気(外気OA)は、給気ダクト66を介して空調空間3に供給される。上述した排気ダクト55において空調空間3と熱交換器50の間には外気導入ダクト70が合流させられている。後述するように、この外気導入ダクト70に設置された開閉ダンパ71と、排気ダクト55における外気導入ダクト70の合流点よりも上流側に設置された開閉ダンパ72の開閉操作により、外気導入ダクト70から熱交換器50に空気(外気OA)を導入する状態と、空調空間3から熱交換器50に空気(還気RA)を導入する状態とに選択的に切り替えられる。
流路57と流路58には、乾燥剤が保持された通気性のある円筒形状のデシカントロータ75がまたがって回転自在に配置されている。デシカントロータ75の半分は流路57に配置され、残りの半分が流路58に配置され、デシカントロータ75の回転によってその側面(流通面:すなわち円筒形状のデシカントロータ75において中心軸に対して垂直な面)が流路57と流路58を交互に移動していく。
さらに流路58には冷却器76が配置されている。この冷却器76は、例えば冷却水コイルや直膨コイルを備えた冷却器である。流路58に導入された外気OAは、デシカントロータ75で除湿処理された後、冷却器76で冷却され、ファン60の動力によって給気ダクト61を介して空調空間3に給気される。
以上のように構成された調湿空調システムBにおいて、例えば夏季に除湿冷房運転する場合、排気ダクト55に設けられた開閉ダンパ64、72はいずれも開かれ、外気加湿用ダクト62に設けられた開閉ダンパ63と外気導入ダクト70に設けられた開閉ダンパ71はいずれも閉じられる。こうして、空調空間からの排気EAがファン56の動力によって排気ダクト55を通じて熱交換器50を通り、流路57に導入される状態となる。一方で、ファン51の動力により、スーパーホットアイル47から取り出された高温の排気が取り出しダクト52を経て取り出され、熱交換器50に導入される。そして熱交換器50では、スーパーホットアイル47から取り出された高温の排気と空調空間からの排気EAの熱交換が行われ、空調空間からの排気EAは昇温させられる。こうして高温となった空調空間からの排気EAが空調装置2の流路57に導入され、流路57において、この高温の排気EAによってデシカントロータ75から水分が除去、放出され、デシカントロータ75の再生処理が行われる。こうして再生処理されたデシカントロータ75の側面が、デシカントロータ75の回転によって流路58へ順次移動していく。なお、熱交換器50において空調空間からの排気EAを昇温させたことによって低温となった空気(スーパーホットアイル47から取り出された排気)は、温度低下した状態となり、その温度に応じて、ホットアイル46もしくはコールドアイル45に戻される。このようにスーパーホットアイル47から取り出した排気を温度低下させてホットアイル46もしくはコールドアイル45に戻すことにより、サーバ室1の冷却負荷も軽減できるようになる。
そして空調装置2の流路58では、ファン60の動力によって導入された外気OAが再生処理されたデシカントロータ75の側面を通過することにより、外気OA中の水分がデシカントロータ75に吸着され、除湿処理が行われる。こうしてデシカントロータ75によって除湿処理された外気OAは、さらに冷却器76で冷却されて所望の温度の給気SAとなり、給気ダクト61を介して空調空間3に供給される。なお、空調装置2の流路57に導入されてデシカントロータ75の再生処理に用いられた空気(空調空間からの排気EA)は外部に排出される。
こうして、例えば夏季などにおいては、サーバ室1のスーパーホットアイル47から出た排熱を利用して昇温させた、空調空間からの排気EAでデシカントロータ75を再生処理しながら、デシカントロータ75によって除湿処理された空気を冷却器76で冷却して空調空間3に給気することにより、サーバ室1に隣接して設けられたITエンジニアや管理者の居室、オフィス執務空間などの空調空間3を除湿冷房運転でき、省エネルギー化が達成される。
また、この調湿空調システムBにおいて、例えば冬季に加湿暖房運転する場合、排気ダクト55に設けられた開閉ダンパ64、72はいずれも閉じられ、外気加湿用ダクト62に設けられた開閉ダンパ63と外気導入ダクト70に設けられた開閉ダンパ71はいずれも開かれる。こうして、ファン56の動力によって、外気導入ダクト70から熱交換器50に外気OAが導入され、熱交換器50を通過した外気OAが外気加湿用ダクト62を通って流路59に導入される状態となる。一方で、ファン51の動力により、スーパーホットアイル47から取り出された高温の排気が取り出しダクト52を経て取り出され、熱交換器50に導入される。そして熱交換器50では、スーパーホットアイル47から取り出された高温の排気と外気OAの熱交換が行われ、外気OAは昇温させられる。こうして高温となった外気OAが空調装置2の流路59に導入され、流路59において加湿器65で加湿された空気(外気OA)が給気SAとなり、給気ダクト66を介して空調空間3に供給される。
こうして、例えば冬季などにおいては、サーバ室1のスーパーホットアイル47から出た排熱を利用して外気OAを昇温させ、加湿器65で加湿して空調空間3に給気することにより、サーバ室1に隣接して設けられたITエンジニアや管理者の居室、オフィス執務空間などの空調空間3を加湿暖房運転でき、省エネルギー化が達成される。こうして、年間を通じてサーバ室1の排熱を空調空間3の除湿や加湿に活用して効率の良い空調を行うことが可能となる。
次に図3、4に示す調湿空調システムCは、サーバ室1の排熱利用に加えて、ヒートポンプによる冷暖房運転を組み合わせた実施の形態を例示している。
サーバ室1には、サーバ80を多段に搭載したラック81が配置されている。各サーバ80は、その給気面をサーバ室1内のコールドアイル82に向け、その排気面をサーバ室1内のホットアイル83に向けて揃えて配置されている。また、各サーバ80の内部にはサーバーファンと呼称される冷却用の小型ファンを備えており、コールドアイル82側から例えば25℃の冷気を吸い込み、サーバ80の熱負荷で昇温した例えば35〜50℃の排気をホットアイル83側に排出するようになっている。サーバ室1の外部には例えばパッケージエアコンなどの冷却器84が設置されており、ホットアイル83からの排気を取り入れて、冷水コイル等で冷却した後、コールドアイル82へと供給する。
サーバ室1と空調装置2の間には、空調空間3からの排気EAとホットアイル8から取り出した高温の排気を熱交換させる熱交換器85(顕熱交換器)が設けられている。ホットアイル83からから取り出された高温の排気は、ファン86の動力で取り出しダクト87を介して熱交換器85に導入され、熱交換器85で熱交換した後、戻しダクト88を通ってコールドアイル82に戻される。
空調装置2には、空調空間3からの排気EAが排気ダクト90および熱交換器85を通ってを介してファン91の動力で導入される流路92と、外気OAが導入される流路93が並列に設けられている。この実施の形態では、流路92が情報通信機器(サーバ10)の排熱で昇温した空気の流路となる。また、外気OAが導入される流路93は、外気OAを除湿処理および冷却処理して空調空間3に給気する空気の流路である。流路93はファン95を有する給気ダクト96を介して空調空間3に接続されている。
これら流路92と流路93には、乾燥剤が保持された通気性のある円筒形状のデシカントロータ100がまたがって回転自在に配置されている。デシカントロータ100の半分は流路92に配置され、残りの半分が流路93に配置され、デシカントロータ100の回転によってその側面(流通面:すなわち円筒形状のデシカントロータ100において中心軸に対して垂直な面)が流路92と流路93を交互に移動していく。
また空調装置2には、ヒートポンプ105が設けられている。ヒートポンプ105は、4つの出入り口P1、P2、P3、P4を有する四方弁106を備えている。図3に示すように除湿冷房運転の状態では、四方弁106は、出入り口P1と出入り口P2が接続され、出入り口P3と出入り口P4が接続される。図4に示すように加湿暖房運転の状態では、四方弁106は、出入り口P1と出入り口P4が接続され、出入り口P2と出入り口P3が接続される。四方弁106の出入り口P1と出入り口P3には、ヒートポンプ105の冷媒を流通させる第1の流路107が接続され、出入り口P2と出入り口P4には、ヒートポンプ105の冷媒を流通させる第2の流路108が接続されている。
四方弁106の出入り口P1と出入り口P3を接続している第1の流路107には、出入り口P1から出入り口P3に向かって、プレクール用蒸発器110、膨張弁111、凝縮器112が順に設けられている。プレクール用蒸発器110は、流路93においてデシカントロータ100の上流側に配置されている。凝縮器112は、流路92においてデシカントロータ100の上流側に配置されている。
四方弁106の出入り口P2と出入り口P4を接続している第2の流路108には、出入り口P2から出入り口P4に向かって、蒸発器115、再生熱源用蒸発器116、圧縮機117が順に設けられている。蒸発器115は、流路93においてデシカントロータ100の下流側に配置されている。再生熱源用蒸発器116には、ヒートポンプ105の冷凍サイクルとは別系統の温熱源装置(例えばボイラーなど)で加熱された温熱源水が供給されており、再生熱源用蒸発器116では、ヒートポンプ105の冷媒が加熱されて蒸発させられる。再生熱源用蒸発器116は、蒸発器115と圧縮機117の間に配置されている。
流路93においてデシカントロータ100と蒸発器115の間には、アフタークール用冷却器118が配置されている。このアフタークール用冷却器118には、ヒートポンプ105の冷凍サイクルとは別系統の冷熱源装置(例えば冷却塔など)で冷却された冷熱源水が供給されており、アフタークール用冷却器118では、流路93を流れる外気OAのあら熱が取り除かれる。
以上のように構成された調湿空調システムCにおいて、例えば夏季に除湿冷房運転を行う場合、図3に示すように、空調装置2では、四方弁106の出入り口P1と出入り口P2が接続され、出入り口P3と出入り口P4が接続される。そして、ヒートポンプ105では、冷媒がプレクール用蒸発器110、蒸発器115および再生熱源用蒸発器116の順に供給されていく。そして、プレクール用蒸発器110、蒸発器115および再生熱源用蒸発器116で吸熱し、順次蒸発されて気体となった冷媒が、圧縮機117で圧縮された後、四方弁106の出入り口P4から出入り口P3へ通過し、凝縮器112に供給される。そして、凝縮器112で放熱し液体となった冷媒が、膨張弁111を経て、再びプレクール用蒸発器110、蒸発器115および再生熱源用蒸発器116の順に供給されていく。こうして、ヒートポンプ105では、冷媒がプレクール用蒸発器110、蒸発器115、再生熱源用蒸発器116、圧縮機117、凝縮器112および膨張弁11の順に循環され、プレクール用蒸発器110、蒸発器115および再生熱源用蒸発器116で吸熱し、凝縮器112で放熱する冷凍サイクルが行われる。
また、空調装置2の流路93には、室外から外気OAが取り込まれ、プレクール用蒸発器110、デシカントロータ100、アフタークール用冷却器118および蒸発器115の順に通過して、除湿冷却された処理空気が給気SAとなって、給気ダクト96から空調空間3に供給される。ここで、先ずプレクール用蒸発器110では、ヒートポンプ105の冷媒の蒸発によって外気OAの冷却・除湿が行われ、その後、デシカントロータ100で水分が吸着されて除湿処理が行われる。更に、デシカントロータ100を通過後の高温の除湿空気は、ヒートポンプ105とは別系統の冷熱源装置からアフタークール用冷却器118に供給された冷熱源水によって冷却され、あら熱が取り除かれる。そして、あら熱が取り除かれた外気OAは、更に蒸発器115にてヒートポンプ105の冷媒の蒸発によって冷却され、除湿冷却された給気SAとして空調空間3に供給される。
一方、空調装置2の流路92には、空調空間3からの排気EAがファン91の動力によって排気ダクト90を通じて熱交換器85を通って導入される。また、ファン86の動力により、サーバ80の熱負荷で昇温した例えば40℃の高温の排気がサーバ室1のホットアイル83から取り出しダクト87を経て取り出され、熱交換器85に導入される。そして熱交換器85では、ホットアイル83から取り出された高温の排気と空調空間3からの排気EAの熱交換が行われ、空調空間3からの排気EAは昇温させられる。こうして高温となった空調空間3からの排気EAが空調装置2の流路92に導入され、この高温の排気EAが凝縮器112、デシカントロータ100の順に通過して屋外へ排出(排気EA)される。流路92では、先ず凝縮器112においてヒートポンプ105の冷媒の凝縮により、高温の排気EAはさらに昇温させられ、その後、デシカントロータ100に送られて、水分の除去・放出が行われてデシカントロータ100が再生される。そして、高温、多湿となった排気EAが外部に排気される。なお、熱交換器85において空調空間からの排気EAを昇温させたことによって低温となった空気(ホットアイル83から取り出された排気)は、温度低下した状態で戻しダクト88を通ってコールドアイル82に戻される。
また、デシカントロータ100の回転に伴ってデシカントロータ100の側面は流路92と流路93を交互に移動していく。こうして、流路92では、デシカントロータ100に付着した水分の除去・放出が行われてデシカントロータ100の再生が行われ、一方、流路93では、再生されたデシカントロータ100によって、外気OAの水分が吸着され除湿処理が行われる。
この調湿空調システムCによれば、デシカントロータ100で除湿処理された外気OAのあら熱が、ヒートポンプ105の冷凍サイクルとは別系統の冷熱源水を用いてアフタークール用冷却器118で取り除かれて冷却された後、蒸発器115で更に冷却されて空調空間3に給気されるので、ヒートポンプ105では蒸発器115の冷却負荷が軽減され、消費電力の削減(高効率化)が図られる。このため、ヒートポンプ1052が備える圧縮機117の動力が小さくて済み、それだけヒートポンプ105の冷媒の充てん量も少なくできる。また、ヒートポンプ105とは別系統の冷熱源水を用いて外気のあら熱が取り除かれるので、ヒートポンプ105の蒸発器115では安定した冷却を行うことができ、外気条件の変化による室内への給気SAの温度変化を小さくでき、温度の制御性を高めることができる。
アフタークール用冷却器118に供給される冷熱源水は、例えば冷却塔などの冷熱源装置で冷却される。冷却塔では、冷熱源水の冷却のための動力はポンプとファンのみなので、冷凍機等に比べ極少の動力で冷熱が製造できる。アフタークール用冷却器118において、この冷熱源水によって「あら熱」が処理されることで、ヒートポンプ回路12での冷却負荷が少なくなって、消費電力の削減(高効率化)が図られる。
また、この調湿空調システムCにおいて加湿暖房運転を行うこともできる。図4に示したように、加湿暖房運転の状態では、四方弁106は、出入り口P1と出入り口P4が接続され、出入り口P2と出入り口P3が接続され、プレクール用蒸発器110が凝縮器として機能し、凝縮器112、蒸発器115および再生熱源用蒸発器116が蒸発器として機能する。そして、ヒートポンプ105では、凝縮器112(蒸発器として機能)、蒸発器115および再生熱源用蒸発器116で吸熱し、蒸発して気体となった冷媒が、圧縮機117で圧縮された後、プレクール用蒸発器110(凝縮器として機能)で放熱し液体となった冷媒が、膨張弁111を経て、凝縮器112(蒸発器として機能)、蒸発器115および再生熱源用蒸発器116に供給されていく。こうして、ヒートポンプ105では、凝縮器112(蒸発器として機能)、蒸発器115および再生熱源用蒸発器116で吸熱し、プレクール用蒸発器110(凝縮器として機能)で放熱する冷凍サイクルが行われ、加熱された給気SAを空調空間3に供給する。なお給気SAの加湿は、例えば給気ダクト96に設けた加湿器119によって行うことができる。
こうして、この調湿空調システムCによっても同様に、サーバ室1のホットアイル83から取り出された高温の排気を利用して、空調空間3を夏季には除湿冷房運転し、冬季には加湿暖房運転することにより、省エネルギー化が達成される。
こうして、年間を通じてサーバ室1の排熱を空調空間3の除湿や加湿に活用して効率の良い空調を行うことが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を例示して説明したが、本発明は例示した形態に限定されない。例えば以上に説明した除湿冷房機能と加湿暖房機能に加えて、図5に示すような発電機能を備えることもできる。図5に示す例では、サーバ室1には、サーバ120を多段に搭載したラック121が配置されている。各サーバ120は、その給気面をサーバ室1内のコールドアイル122に向け、その排気面をサーバ室1内のホットアイル123に向けて揃えて配置されている。また、各サーバ120の内部にはサーバーファンと呼称される冷却用の小型ファンを備えており、コールドアイル122側から例えば25℃の冷気を吸い込み、サーバ120の熱負荷で昇温した例えば35〜50℃の排気をホットアイル123側に排出するようになっている。サーバ室1の外部には例えばパッケージエアコンなどの冷却器124が設置されており、ホットアイル123からの排気を取り入れて、冷水コイル等で冷却した後、コールドアイル122へと供給する。
サーバ室1と空調空間3の間には、空調空間3からの排気EAとホットアイル123から取り出した高温の排気との温度差によって発電を行う温度差発電機125が設けられている。温度差発電機125は、空調空間3からの排気EAとホットアイル123から取り出した高温の排気とを熱交換させる機能も有している。温度差発電機125としては、例えばペルチェ素子などを利用した発電機が利用される。例えば夜間や冷暖房の不要な中間期において、空調空間3からの排気EAとホットアイル123から取り出した高温の排気との温度差によって発電を行い、その電力を冷却器124などに利用することで、省エネルギー化が達成される。また、空調空間3からの排気EAの他、外気OAとホットアイル123から取り出した高温の排気との温度差によって発電を行うこともできる。例えば図1〜4で説明した除湿冷房機能と加湿暖房機能に、図5に示すような発電機能を加えることによって更なる省エネルギー化が達成されるようになる。
図1ではサーバ室内にコールドアイルとホットアイルが形成される例を示し、図2ではサーバ室内にコールドアイルとホットアイルに加えて、さらにスーパーホットアイルが形成される例を示したが、最近では40℃程度の温度域でも再生可能なデシカントロータが市場で入手可能である。このため図1のようなサーバ室内にコールドアイルとホットアイルが形成される例でも、本発明は適用可能である。また、サーバ室の排熱は、いくつかのサーバ室の排熱を集めてもよいし、また一つのサーバ室の排熱を用いて複数のオフィス空調の調湿用に用いてもよい。さらに、一例としてサーバを収納したサーバ室からの排熱を利用する形態を例示したが、本発明はサーバ以外の電気・通信機器等の発熱を伴う情報通信機器の排熱を利用することも可能である。
また、図1では第1の冷却器31と第2の冷却器32を備える例を示したが、第1の冷却器31と第2の冷却器32は一方のみでも良い。また、外気OAと同程度で給気する他、さらに低い温度まで冷却して空調空間3に給気を行っても良い。また空調空間3内に別途空調機を設けて温度調節することも可能である。
また図3、4に示したヒートポンプ105は例示であり、同様の機能もしくは機能向上したヒートポンプを用いることもできる。例えば熱源水の有無(水冷か空冷)のどちらも対応が可能である。また加湿暖房運転の際に、空調空間3に導入される空気は、図2に示すような還気RAでも良いし、図3、4に示すような外気OAでも良い。なおデシカントロータは35〜50℃程度であれば再生が可能であり、あるいはそれ以下の温度でも外気条件によっては除湿処理が可能であるが、サーバ10からの排熱が35℃以下といった低温の場合は、図3、4に示したようなヒートポンプを備えた調湿空調システムCが適している。
また以上の実施の形態では、サーバ室1のホットアイルから取り出した高温の排気と熱交換して昇温させた空調空間3からの排気EAをデシカントロータの再生処理に用いた例を説明したが、サーバ等の情報通信機器から排出された排気そのものでデシカントロータの再生処理を行うこともできる。但し、情報通信機器からの排気でデシカントロータを再生処理する場合、サーバ室1のエアバランスが必要となり、かつエネルギーがマイナスにならないような考慮をする。また、情報通信機器の収容室から取り出した空気を別の空調空間用に供したあと情報通信機器の収容室に情報通信機器の冷却用として供給することも考えられる。なお、日本のように夏季が高温多湿、冬季が低温低湿の場合には、外気を情報通信機器の収容室にいれることが却って効率を下げる結果になることがある。そのような場合、実施の形態に示したように、サーバ室1のホットアイルから取り出した高温の排気と熱交換して昇温させた空調空間3からの排気EAをデシカントロータの再生処理に用いる例が有利である。
本発明によれば、自社オフィスに併設され今後も増加が見込まれるプライベートクラウドのサーバールームなどにおいて、発熱密度が増大する情報通信機器の排熱をオフィスに利用でき、低環境負荷のオフィスやサーバールームが構築可能となる。本発明は、ペリメータ暖房用の吹き出し空気や温水の加温、また通年ではオフィス給湯用の水の予熱などにも活用できる。特にデータセンターなどは床面積当たりの発熱密度が高くオフィスの数十倍程度あり、十分な排熱を得ることができる。
本発明は、データセンターなどの電気・通信機器、サーバ等の情報通信機器を収納したサーバ室などに隣接して設けられた居室、オフィス執務空間等の空調に有用である。
A、B、C 調湿空調システム
1 サーバ室
2 空調装置
3 空調空間
10 サーバ
11 ラック
12 コールドアイル
13 ホットアイル
14 冷却器
15 熱交換器
16 ファン
17 取り出しダクト
18 戻しダクト
20 取り出しダクト
21、25、27 ファン
22、23、24 流路
28 排気ダクト
30 デシカントロータ
31 第1の冷却器
32 第2の冷却器
40 標準サーバ
41 標準サーバラック
42 耐高温サーバ
43 耐高温サーバラック
45 コールドアイル
46 ホットアイル
47 スーパーホットアイル
48、49 冷却器
50 熱交換器
51、56、60 ファン
52 取り出しダクト
53 戻しダクト53
55 還気ダクト
57、58、59 流路
61 給気ダクト
62 バイパスダクト
63、64、71、72 開閉ダンパ
65 加湿器
70 外気導入ダクト
75 デシカントロータ
76 冷却器
80 サーバ
81 ラック
82 コールドアイル
83 ホットアイル
84 冷却器
90 取り出しダクト
91、95 ファン
92、93 流路
96 給気ダクト
100 デシカントロータ
105 ヒートポンプ
106 四方弁
107 第1の流路
108 第2の流路
110 プレクール用蒸発器
111 膨張弁
112 凝縮器
115 蒸発器115
116 再生熱源用蒸発器116
117 圧縮機
118 アフタークール用冷却器
120 サーバ
121 ラック
122 コールドアイル
123 ホットアイル
124 冷却器
125 温度差発電機

Claims (5)

  1. デシカントロータを用いて調湿処理した空気を空調空間に給気する調湿空調システムであって、
    前記デシカントロータが、前記空調空間とは異なる空間に収納された情報通信機器の排熱で昇温した空気の流路と、前記空調空間に給気される空気の流路とにまたがって回転自在に配置され、
    情報通信機器の排熱で昇温した空気によって前記デシカントロータが再生処理され、
    再生処理された前記デシカントロータによって除湿処理された空気が前記空調空間に給気されることを特徴とする、情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システム。
  2. 前記空調空間に給気される空気を冷却する冷却器を、前記空調空間に給気される空気の流路において前記デシカントロータよりも下流に備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システム。
  3. 前記空調空間からの排気を情報通信機器の排熱で昇温させる熱交換器を備え、前記熱交換器で昇温させられた前記空調空間からの排気によって前記デシカントロータが再生処理されることを特徴とする、請求項1または2に記載の情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システム。
  4. 外気を情報通信機器の排熱で昇温させる熱交換器を備え、前記熱交換器で昇温させられた外気を、前記デシカントロータを介さずに前記空調空間に供給する流路を備え、前記デシカントロータを介さずに前記空調空間に供給する流路に加湿器を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システム。
  5. 前記情報通信機器は、標準温度域で動作保証された標準情報通信機器と標準温度域よりも高い温度域まで動作保証された高温耐用情報通信機器を備え、前記高温耐用情報通信機器の排熱で昇温した空気によって前記デシカントロータが再生処理されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システム。
JP2014174278A 2014-08-28 2014-08-28 情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システムおよび調湿空調方法 Active JP6535445B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014174278A JP6535445B2 (ja) 2014-08-28 2014-08-28 情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システムおよび調湿空調方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014174278A JP6535445B2 (ja) 2014-08-28 2014-08-28 情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システムおよび調湿空調方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016050677A true JP2016050677A (ja) 2016-04-11
JP6535445B2 JP6535445B2 (ja) 2019-06-26

Family

ID=55658323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014174278A Active JP6535445B2 (ja) 2014-08-28 2014-08-28 情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システムおよび調湿空調方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6535445B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020178988A1 (ja) * 2019-03-05 2020-09-10 三菱電機株式会社 空気処理装置
KR102603055B1 (ko) * 2022-12-22 2023-11-16 한국기계연구원 액침냉각을 이용한 냉난방 시스템 및 액침냉각을 이용한 냉난방 방법

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01318823A (ja) * 1988-06-20 1989-12-25 Takenaka Komuten Co Ltd 空調設備に於ける外気処理システム
JPH10117603A (ja) * 1996-10-25 1998-05-12 Taiyo Bussan:Kk 排熱利用のハウス栽培用温室
JP2000111096A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Matsushita Seiko Co Ltd デシカント空調システム
JP2002098398A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Daikin Ind Ltd 空調システム
US6575228B1 (en) * 2000-03-06 2003-06-10 Mississippi State Research And Technology Corporation Ventilating dehumidifying system
JP2004085096A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Univ Waseda ハイブリッド型デシカント空調システム
JP2005214539A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Seibu Giken Co Ltd 除湿空調装置
JP2010190494A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Nec Corp 排熱利用省エネ空調設備、そのシステム、排熱利用省エネ空調方法、及び、排熱利用省エネ空調プログラム
JP2013088013A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Fuji Furukawa Engineering & Construction Co Ltd 通信・情報処理機器室等の空調システム
JP2014134302A (ja) * 2013-01-08 2014-07-24 Ntt Facilities Inc 熱供給システム

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01318823A (ja) * 1988-06-20 1989-12-25 Takenaka Komuten Co Ltd 空調設備に於ける外気処理システム
JPH10117603A (ja) * 1996-10-25 1998-05-12 Taiyo Bussan:Kk 排熱利用のハウス栽培用温室
JP2000111096A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Matsushita Seiko Co Ltd デシカント空調システム
US6575228B1 (en) * 2000-03-06 2003-06-10 Mississippi State Research And Technology Corporation Ventilating dehumidifying system
JP2002098398A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Daikin Ind Ltd 空調システム
JP2004085096A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Univ Waseda ハイブリッド型デシカント空調システム
JP2005214539A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Seibu Giken Co Ltd 除湿空調装置
JP2010190494A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Nec Corp 排熱利用省エネ空調設備、そのシステム、排熱利用省エネ空調方法、及び、排熱利用省エネ空調プログラム
JP2013088013A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Fuji Furukawa Engineering & Construction Co Ltd 通信・情報処理機器室等の空調システム
JP2014134302A (ja) * 2013-01-08 2014-07-24 Ntt Facilities Inc 熱供給システム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020178988A1 (ja) * 2019-03-05 2020-09-10 三菱電機株式会社 空気処理装置
JPWO2020178988A1 (ja) * 2019-03-05 2021-09-30 三菱電機株式会社 空気処理装置
JP7258122B2 (ja) 2019-03-05 2023-04-14 三菱電機株式会社 空気処理装置
KR102603055B1 (ko) * 2022-12-22 2023-11-16 한국기계연구원 액침냉각을 이용한 냉난방 시스템 및 액침냉각을 이용한 냉난방 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6535445B2 (ja) 2019-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101434563B1 (ko) 데시칸트 공조기
US20120298334A1 (en) Air Cooling Unit For Data Centers
JP2009275955A (ja) デシカント空調装置
JP5576327B2 (ja) 空調システム
US8828128B1 (en) Desiccant dehumidification system and method
WO2012099464A1 (en) Cooling system for cooling air in a room and data centre comprising such cooling system
JP2015064171A (ja) 除湿換気装置
JP5611079B2 (ja) デシカントロータを用いた外気処理装置
KR101436613B1 (ko) 냉방과 환기 및 가습이 가능한 지역 냉방용 제습 냉방시스템
KR101525609B1 (ko) 제습·증발냉각을 이용한 친환경 전외기 공조시스템 및 전외기 공조방법
JP6018938B2 (ja) 外気処理用空調システム
JP2010160533A (ja) サーバ収納装置
JP5890873B2 (ja) デシカントロータを用いた外気処理装置
KR101363941B1 (ko) 공동주택 지역냉방을 위한 환기겸용 스탠드형 제습냉방 시스템
KR101525610B1 (ko) 제습·증발냉각기반 친환경 전외기 공조시스템 및 전외기 공조방법
JP6535445B2 (ja) 情報通信機器の排熱を利用した調湿空調システムおよび調湿空調方法
JP2003279070A (ja) ハイブリッド型デシカント空調システム
JP4230038B2 (ja) 除湿空調装置
KR101608210B1 (ko) 간접열교환기를 이용한 항온항습 시스템 제어방법
JP5063745B2 (ja) 空調装置
US10502437B2 (en) Dehumidifying and cooling apparatus
JP2008020139A (ja) 冷凍機レス空調システム
KR101361099B1 (ko) 공동주택 지역냉방을 위한 환기겸용 제습냉방 시스템
JP2014047962A (ja) 空調システム
JP2003262360A (ja) ソーラーウォールユニットを用いた冷暖房システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190115

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6535445

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150