JP2016049932A - 統合二軸回転機システム - Google Patents

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Arata Kusase
草瀬  新
秀紀 加藤
Hidenori Kato
秀紀 加藤
辰也 戸成
Tatsuya Tonari
辰也 戸成
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Abstract

【課題】アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電を両立させ、車両の燃費を更に向上させる。【解決手段】統合二軸回転機システム20は、エンジン13のクランクシャフト12と伝動連結される第一回転軸21と、車輪18の伝動軸16に連結される第二回転軸24と、第一回転軸21または第二回転軸24のうちで一方の回転軸に結合される変調子26と、第一回転軸21または第二回転軸24のうちで他方の回転軸に結合される界磁子28と、変調子26および界磁子28と軸心を共有して配置される電機子ステータ22を有し、変調子26と界磁子28は磁束変調によって相互に作用し、第一回転軸21の回転によりエンジン13の始動と電機子ステータ22の発電とのいずれかを行い、第二回転軸24の回転により伝動軸16を駆動するトルクの発生と電機子ステータ22の発電とのいずれかを行う。【選択図】図1

Description

本発明は、第一回転軸,第二回転軸,変調子,界磁子,電機子ステータなどを有する統合二軸回転機システムに関する。
車両の燃費を向上するには、アイドリング時や走行中のエンジン動力を必要としないときにはエンジンを停止することが有効である。この場合、頻繁にエンジンの再始動を行う必要があるため、充電用発電機を始動モータとしても使用することのできるISG(Integrated Starter Generator;始動兼発電機)が開発された。
他方、車両の燃費をより向上させるには、エンジンの動力で生じさせた車両の運動エネルギー(具体的には回転力)を利用して回生発電を行い、電池に充電して再利用するとよい。もし回生発電を行う際、エンジンを連れ回すと無駄なエネルギーロスが生じる。このエネルギーロスを回避するために、入力軸とフロントフレームの間に逆転防止手段(一方向クラッチ)を介在させた電気変速装置の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。逆転防止手段は、エンジンの正回転方向にのみ許容し、逆方向の回転を阻止する。一般に「ハイブリッド車」と呼ばれるものであり、回生発電は電動発電機(MG;Motor Generator)で行われる。電動発電機は、走行モータ,回生発電機,始動モータの各機能を兼ね備える。
特開2014−061749号公報
前者の始動兼発電機をもつアイドリングストップ型の省燃費車と、後者のように回生発電機構をもつハイブリッド車とは、その名の通り車両形式が別である。アイドリングストップ型でのISGと、ハイブリッド車で回生発電を行う電動発電機とは、燃費効果やコスト等において一長一短であった。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両の燃費を更に向上させることができる統合二軸回転機システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、統合二軸回転機システム(20,20A,20B,20C,20D)において、エンジン(13)のクランクシャフト(12)と伝動連結される第一回転軸(21)と、車輪(18)またはトランスミッション(17a)の伝動軸(16)に連結される第二回転軸(24)と、前記第一回転軸または前記第二回転軸のうちで一方の回転軸に結合される変調子(26,26A,26B,26C)と、複数の磁極片を含み、前記第一回転軸または前記第二回転軸のうちで他方の回転軸に結合される界磁子(28,28A,28B,28C,28D,28E)と、前記変調子および前記界磁子とともに軸心を共有して配置される電機子ステータ(22)とを有し、前記変調子と前記界磁子とは、磁束変調によって相互に作用し、前記第一回転軸の回転によって、前記エンジンの始動と、前記電機子ステータの発電とのいずれか一方を行い、前記第二回転軸の回転によって、前記伝動軸を駆動するトルクの発生と、前記電機子ステータの発電とのいずれか一方を行うことを特徴とする。
この構成によれば、変調子と界磁子は非接触のギヤである磁気ギヤ(Magnetic Gear)を構成し、電機子ステータへの通電によって第一回転軸を回転させることでエンジンの始動が行え、第一回転軸または第二回転軸の回転に伴って電機子ステータに生じる逆起電力によって回生発電が行える。よって、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両の燃費を更に向上させることができる。また、オイル配管などが要らず、付帯機器のスペースも必要としないので、省スペースで搭載することができる。
第2の発明は、回転方向の規制および制動のうちで一方または双方を行う回転規制機構(25,29)を有することを特徴とする。
この構成によれば、伝動軸へのトルクが逸散なく、効率よくエンジン始動ができる。また、エンジンを連れ回すことがなく、能率よく回生発電を行うことができる。よって、安定性の高い作動をさせることができる。
第3の発明は、前記電機子ステータ,前記変調子,前記界磁子は、この順番に配列されることを特徴とする。
この構成によれば、変調子と界磁子との間で磁束変調を能率よく行え、騒音を抑制することができる。
なお、「伝動軸」は動力を伝達する部材であり、例えばシャフト(回転軸)が該当する。ただし、トランスミッション,カム,ギヤ(デファレンシャルギヤを含む歯車)などの動力伝達部材を含めてもよい。「変調子」と「界磁子」は、いずれも回転子(ロータ,回転体)であり、数を問わない。「変調子」は「変調子回転子」,「磁気変調子」,「磁気変調ロータ」等とも呼ばれる。「磁極片」は、軟磁性体でもよく、永久磁石でもよく、軟磁性体に永久磁石を設けてもよい。「電機子ステータ」は固定子(ステータ)であり、「電機子巻線」は三相以上の多相巻線である。「回転機」は、第一回転軸,第二回転軸,電機子ステータ,変調子,界磁子を有する機器であれば任意である。例えば、発電機,電動機,電動発電機等が該当する。
車両の第1構成例を示す模式図である。 電機子ステータ,変調子,界磁子の構成例を示す模式図である。 回転機の第1構成例を示す模式図である。 エンジンを始動する場合の制御例を示す共線図である。 エンジンの動力を受けて発電する場合の制御例を示す共線図である。 車輪の回転力を受けて発電する場合の制御例を示す共線図である。 走行中にエンジンを再始動する場合の制御例を示す共線図である。 エンジンの動力にアシストする場合の制御例を示す共線図である。 回転機の回転力で走行する場合の制御例を示す共線図である。 アイドリング時に発電する場合の制御例を示す共線図である。 車両の第2構成例を示す模式図である。 回転機の第2構成例を示す模式図である。 回転機の第3構成例を部分的に示す模式図である。 回転機の第4構成例を部分的に示す模式図である。 回転機の第5構成例を部分的に示す模式図である。 回転機の第6構成例を部分的に示す模式図である。 回転機の第7構成例を部分的に示す模式図である。 回転機の第8構成例を部分的に示す模式図である。 回転機の第9構成例を部分的に示す模式図である。 回転機の第10構成例を部分的に示す模式図である。 回転機の第11構成例を部分的に示す模式図である。 車両の第3構成例を示す模式図である。 車両の第4構成例を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。見易くするために、説明に必要な要素にハッチングを行い、ハッチングされた要素が必ずしも断面とは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。
英数字の連続符号は記号「〜」を用いて略記する。符号の英文字は大文字と小文字とで別の要素を意味する。例えば、図15以降に示す変調子26Aと磁極片26aは別の要素である。「巻回」は巻き回すことを意味し、巻いて装う「巻装」と同義に用いる。「外側」は径方向における外径側や外周側を意味し、「内側」は径方向における内径側や内周側を意味する。「始動」には再始動を含む。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は図1〜図10を参照しながら説明する。図1に示す車両10Aは、車両10の一例である。当該車両10Aは、伝達手段11,15、クランクシャフト12、エンジン13、クラッチ14、伝動軸16、トランスアクスル17(一点鎖線で図示)、車輪18、統合二軸回転機システム20A、電池30などを有する。
内燃機関であるエンジン13は、燃料を燃焼させることで動力を発生させる。エンジン13に備えるクランクシャフト12は、一方側がクラッチ14に連結され、他方が伝達手段11を介して第一回転軸21に連結される。クラッチ14と車輪18の間には伝動軸16が連結される。車輪18の数は問わない。当該伝動軸16は、さらに伝達手段15を介して第二回転軸24に連結され、伝達手段15と車輪18との間にトランスアクスル17が介在される。
トランスアクスル17は、トランスミッション17aやデファレンシャルギヤ17bなどを含む。トランスミッション17aは変速ギヤや推進軸などを有し、減速比が変更できるギヤボックスである。デファレンシャルギヤ17bは、複数の車輪18に異なった回転速度に振り分けて伝達する差動歯車である。
統合二軸回転機システム20Aは、統合二軸回転機システム20の一例である。当該統合二軸回転機システム20Aは、第一回転軸21、電機子ステータ22(ステータ)、第二回転軸24、変調子26(ロータ)、制御装置27、界磁子28(ロータ)などを有する。これらの要素のうちで、第一回転軸21,電機子ステータ22,第二回転軸24,変調子26,界磁子28などは回転機を構成する。電機子ステータ22,変調子26,界磁子28は、隣り合う要素どうしで磁束変調によって相互に作用する。
第一回転軸21は、上述したように伝達手段11を介してクランクシャフト12と連結される。第一回転軸21の回転は、第一回転規制機構25によって規制される。第一回転規制機構25は、第一回転軸21が回転しないように制動したり、回転方向を一方向(エンジン13を始動させる方向)に規制したりする。本形態の第一回転規制機構25は、ワンウェイクラッチを用いる。
第二回転軸24は、上述したように伝達手段15を介して伝動軸16に連結される。第二回転軸24の回転は、第二回転規制機構29によって規制される。第二回転規制機構29は、第二回転軸24が回転しないように制動したり、回転方向を規制したりする。本形態の第二回転規制機構29は、ツーウェイクラッチを用いる。
電機子ステータ22は、多相巻線である電機子巻線23を有する。変調子26は第二回転軸24に結合される。界磁子28は第一回転軸21に結合される。電機子ステータ22,変調子26,界磁子28は、軸心を共有して配置される。
制御装置27は、電機子ステータ22と電池30との間に接続され、統合二軸回転機システム20Aの作動を制御する。当該制御には、エンジン13を始動させる始動制御や、車輪18を駆動させる走行制御、第一回転軸21や第二回転軸24の回転に伴って回生発電を行って電池30に充電する回生充電制御などを含む。各制御の具体例については後述する(図4〜図10を参照)。これらの制御が行えれば、制御装置27はどのように構成してもよい。例えば、ECU(Electronic Control Unit)やコンピュータなどが該当する。電池30は、エンジン13の始動に必要な放電と、回生発電された電力の充電とを行える二次電池を含む。電池30の種類や数などは問わない。
図2には、回転機を部分的(半円部分)に示す。本形態の電機子ステータ22,変調子26,界磁子28は、この順番に配列される。電機子ステータ22は、複数のスロット22sに電機子巻線23が収容される。図2では見やすくするために、2つのスロット22sに巻回された電機子巻線23を示すが、実際には全てのスロット22sに電機子巻線23が巻回される。変調子26は、複数の磁極片26mを有する。磁極片26mは軟磁性体である。複数のうち一以上の磁極片26mは、磁束を流し易いセグメント極にするとよい。なお、磁極片26mを支持する支持部材は図示を省略する。界磁子28は、図示する矢印方向に磁化された複数の永久磁石28mを有する。
電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数を「m」とし、変調子26の磁極片26mの個数を「k」とし、界磁子28の永久磁石28mによる極対数を「n」とする。このとき、m=|k±n|(ただしm>0,k>0,n>0からなる整数)の第1関係式を満たすように構成する。例えば、m=6,k=16,n=10の組み合わせ、m=10,k=8,n=2の組み合わせ、m=7,k=15,n=8の組み合わせなどが該当する。
図3に示す回転機100Aは、上述した第一回転軸21,電機子ステータ22,第二回転軸24,変調子26,界磁子28などを含む回転機100の一例である。この回転機100Aは、さらに軸受101,107,112、ハウジング102、水冷管105、ディスク106,110、冷媒通路109、コイル111などを有する。
軸受101,112(ベアリング)は、第二回転軸24がハウジング102に対して回転自在となるように設けられる。軸受107(ベアリング)は、第一回転軸21と第二回転軸24とが相互に回転自在となるように設けられる。
ハウジング102は、電機子ステータ22,変調子26,界磁子28などを収容する。本形態のハウジング102は、カバー部103やハウジング本体部104などで構成される。カバー部103とハウジング本体部104は、電機子ステータ22,変調子26,界磁子28などを収容できれば、いずれもどのような形状で成形してもよい。ハウジング本体部104には、水冷管105,冷媒通路109,コイル111などが設けられる。水冷管105と冷媒通路109は、冷媒が流れるようにつながっており、回転機100Aの全体を冷却する機能を担う。
電機子ステータ22はハウジング102の内壁に固定される。変調子26は、ディスク110を介して第二回転軸24に固定される。界磁子28は、ディスク106を介して第一回転軸21に固定される。ディスク110,106の形状や材質等を問わない。第一回転規制機構25は、第一回転軸21とカバー部103との間に介在される。第二回転規制機構29は、第二回転軸24とハウジング本体部104との間に介在され、コイル111の励磁によって回転方向(正回転または逆回転)を規制する。
電機子ステータ22,変調子26,界磁子28の各固定方法は問わない。図3に示す界磁子28は、固定部位108を成形したディスク110を第二回転軸24に固定する。固定部位108は凸形状に成形しているが、凹形状や他の形状に成形してもよい。
次に、制御装置27による制御例(A)〜(H)について、図4〜図10を参照しながら説明する。なお、電機子ステータ22の回転(正回転または逆回転)は電機子巻線23が作る回転磁界を意味し、電機子ステータ22による発電は電機子巻線23に発生する逆起電力を意味する。クラッチ14は、特に明示しない限り、動力を伝達する接触状態でもよく、動力を伝達しない非接触状態でもよい。
(A)エンジン13の始動制御
図4に示す共線図は、車両10Aの停止時(具体的には駐車時やアイドリングストップ時)において、エンジン13の始動を行うため制御例を示す。当該制御例では、クラッチ14を非接触状態とし、電機子巻線23に電流を流して電機子ステータ22を矢印D1で示すように逆回転させる。電機子ステータ22の逆回転による磁束変調を受けて、界磁子28は矢印D2で示すように正回転する。界磁子28が回転すると、第一回転軸21やクランクシャフト12が回転するので(図1を参照)、エンジン13を始動することができる。なお、変調子26は、第二回転規制機構29によって回転を規制(停止)する。エンジン13が始動した後は、電機子巻線23には電流を流さない。
(B)エンジン13の動力を受けて発電および充電を行う回生充電制御
図5に示す共線図は、エンジン13によって発生する動力(すなわちクランクシャフト12の回転力)を受けて、電機子ステータ22による発電を行うため制御例を示す。当該制御例では、クランクシャフト12から伝達手段11および第一回転軸21を経て界磁子28が正方向に回転する。界磁子28の正回転による磁束変調を受けて、電機子ステータ22が逆回転して発電する。発電された電力は、電池30に充電する。なお、変調子26は、第二回転規制機構29によって回転を規制(停止)する。
(C)車輪18の回転力を受けた発電および充電を行う回生充電制御
図6に示す共線図は、車輪18の回転力を受けて、電機子ステータ22による発電を行うため制御例を示す。車輪18の回転力は、車両10Aが走行して生じる回転力である。例えば惰性走行や下り坂走行などのように、エンジン13を停止させた状態の走行が該当する。図6には、エンジン13が停止する前の状態を二点鎖線で示す。すなわち、電機子ステータ22,変調子26,界磁子28のいずれも正回転する。この状態において、エンジン13が停止するとクランクシャフト12も回転しないので、矢印D4で示すように界磁子28が停止する。エンジン13が連れ回らないように、クラッチ14を非接触状態にする。界磁子28が逆回転しないように第一回転規制機構25によって回転を規制するが、車輪18からの回転力は第二回転軸24を介して変調子26に伝動する(図1を参照)。よって、共線関係にある電機子ステータ22はさらに矢印D3で示すように回転数が増えて発電する。発電された電力は、電池30に充電する。
(D)車両10Aの走行中にエンジン13を再始動する始動制御
図7に示す共線図は、車両10Aの走行中にエンジン13が停止した後、走行を継続するべくエンジン13を再始動するため制御例を示す。図7には、エンジン13が停止したときの状態を二点鎖線で示す。すなわち、電機子ステータ22と変調子26が正回転し、界磁子28が停止する。この状態では、クラッチ14を非接触状態にするとともに、電機子ステータ22の回転を矢印D5で示すように下げる。上記(C)と同様に、車輪18からの回転力は第二回転軸24を介して変調子26に伝動するので(図1を参照)、共線関係にある変調子26は矢印D6で示すように正回転する。上記(A)と同様に変調子26が正回転するので、エンジン13を再始動することができる。
(E)エンジン13の動力にアシストする走行制御
図8に示す共線図は、エンジン13の動力に対して、回転機100Aの回転力をアシストして走行するため制御例を示す。図8には、エンジン13の動力だけで走行するときの状態を二点鎖線で示す。すなわち、電機子ステータ22が逆回転し、変調子26と界磁子28が正回転する。この状態では、クラッチ14の接触状態を維持するとともに、電機子ステータ22の回転を矢印D7で示すように正回転にする。電機子ステータ22の回転方向が変わると、界磁子28も回転数が増える。共線関係にある変調子26もまた、電機子ステータ22や界磁子28と同様に回転数が増えるので、第二回転軸24や伝達手段15などを介して車輪18に回転力を伝動する。したがって、エンジン13の動力に対して、回転機100Aの回転力をアシストして車両10Aを走行させることができる。
(F)回転機100Aの回転力だけで走行する走行制御
図9に示す共線図は、エンジン13を停止し、かつ、回転機100Aの回転力で走行するため制御例を示す。当該制御例では、電機子巻線23に電流を流して電機子ステータ22を正回転させるとともに、界磁子28の逆回転を阻止するために第一回転規制機構25で規制(停止)する。また、エンジン13が連れ回らないように、クラッチ14を非接触状態にする。共線関係にある変調子26は、電機子ステータ22と同様に正回転する。変調子26が回転すると、第二回転軸24や伝達手段15などを介して車輪18に回転力を伝動する。したがって、回転機100Aの回転力だけで車両10Aを走行させることができる。
(G)エンジン13のアイドリング時に発電および充電を行う回生充電制御
図10に示す共線図は、車両10Aのアイドリング時において、上記(B)と同様に電機子ステータ22による発電を行うため制御例を示す。アイドリング時は、クラッチ14を非接触状態にするが、車両10Aが走行しているか否かを問わない。車両10Aが走行していても、シフト操作で「ニュートラル」になる場合でもアイドリング時に該当する。当該制御例では、上記(B)と同様の共線関係になり、変調子26が回転を規制(停止)される。よって、共線関係にある界磁子28は正回転して磁束変調を受け、電機子ステータ22が逆回転して発電する。発電された電力は、電池30に充電する。
(H)エンジン13の動力だけで走行する走行制御
共線図の図示は省略する。エンジン13の動力だけで車両10Aを走行する場合は、特に回転機100Aの制御を行わない。つまり、回転機100Aを作動させる必要がないので、電機子巻線23には電流を流さない。ただし、エンジン13の動力を受けたり、車輪18の回転力を受けたりすることは可能である。第二回転軸24が回転すると変調子26も回転するので、電機子ステータ22による発電と、電池30への充電を行える。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は図11,図12を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1と相違する点を説明する。
図11に示す車両10Bは、車両10の一例である。当該車両10Bは、伝達手段11,15、クランクシャフト12、エンジン13、クラッチ14、伝動軸16、トランスアクスル17(一点鎖線で図示)、車輪18、統合二軸回転機システム20B、電池30などを有する。
図11に示す車両10Bが図1に示す車両10Aと相違するのは、次の三点である。第1に、伝達手段11はエンジン13とクラッチ14の間に配置する点である。第2に、第一回転軸21と界磁子28を一体化して成形する点である。すなわち実施の形態1とは異なり、変調子26は第一回転軸21に結合され、界磁子28は第二回転軸24に結合される。第3に、統合二軸回転機システム20Bについて、第一回転軸21と第二回転軸24を同軸同方向二重管軸で構成する点である。エンジン13および統合二軸回転機システム20Bの片側(図11では図面右側)で動力の伝達を行えるので、軸方向(図11では左右方向)長さを抑制できる。
図12に示す回転機100Bは、第一回転軸21,電機子ステータ22,第二回転軸24,界磁子28A,変調子26,界磁子28Bなどを含む回転機100の一例である。電機子ステータ22,界磁子28A,変調子26,界磁子28Bは、この順番に配列される。界磁子28A,28Bと変調子26はいずれも回転子であり、界磁子28Bが実施の形態における界磁子28に相当する。この回転機100Bは、さらに軸受107,112,113、ハウジング102、ディスク106などを有する。
界磁子28Aは、外周部に設けられる複数の外側永久磁石28oと、内周部に設けられる複数の内側永久磁石28iとを有する。外側永久磁石28oの極対数は、電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数と同一に設定する。内側永久磁石28iの極対数は、変調子26の磁極片26mの個数と同一に設定される。
電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数を「m」とし、変調子26の磁極片26mの個数を「k」とし、界磁子28Bの永久磁石28mによる極対数を「n」とする。界磁子28Aは、外側永久磁石28oの極対数が「m」になり、内側永久磁石28iの極対数が「k」になる。回転機100Bがm=|k±n|の第1関係式を満たすように構成する点は実施の形態1と同様である。すなわち回転機100Bが電動機として作動する場合は、電機子ステータ22と界磁子28Aの外側永久磁石28oが同期モータを構成する。また、界磁子28Aの内側永久磁石28i,変調子26,界磁子28Bは、磁気変調作用をする磁気ギヤ(非同期モータ)を構成する。同期モータの同期トルクと磁気ギヤの磁気変調トルクとを力学的につなぐので、効率や力率を向上させることができる。
上述したように、第一回転軸21と第二回転軸24は、同軸同方向二重管軸で構成される。軸受113(ベアリング)は、第一回転軸21がハウジング102に対して回転自在となるように設けられる。図示しないが、図3に示す回転機100Aのように、水冷管105,冷媒通路109,コイル111などをハウジング102に備えてもよい。
制御装置27は、実施の形態1に示す制御例(A)〜(H)を実現することができる。よって、統合二軸回転機システム20Bは実施の形態1と同様の作用効果が得られる。そのため、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両10Bの燃費を更に向上させることができる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は図13を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1,2で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1,2と相違する点を説明する。
なお説明を簡単にするために、本形態では電機子ステータ22,変調子26,界磁子28Bの構成について図示して説明する。そのため、第一回転軸21,第二回転軸24,第一回転規制機構25,第二回転規制機構29,電機子巻線23などの図示を省略する。また、回転子(変調子26,界磁子28)と回転軸(第一回転軸21,第二回転軸24)との結合関係は、実施の形態1または実施の形態2のいずれを適用してもよい。これらのことは、後述する実施の形態4(図14)〜実施の形態8(図18)でも同様である。
図13に示す回転機100Cは、回転機100の一例であって、図3に示す回転機100Aや図12に示す回転機100Bに代えて適用できる。この回転機100Cは、電機子ステータ22,界磁子28A,変調子26,界磁子28Bなどを含む。電機子ステータ22,界磁子28A,変調子26,界磁子28Bは、この順番に配列される。
界磁子28Aは、図12に示す回転機100Bと同様に、外周部に設けられる複数の外側永久磁石28oと、内周部に設けられる複数の内側永久磁石28iとを有する。外側永久磁石28oの極対数は、電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数と同一に設定する。内側永久磁石28iの極対数は、変調子26の磁極片26mの個数と同一に設定され、図示するような極性(N極とS極)で磁化される。図13に示す外側永久磁石28oと内側永久磁石28iは異なる断面形状で成形しているが、同様の断面形状で成形してもよい。変調子26は、複数の磁極片26mを有する。界磁子28Bは、図示するような極性(N極とS極)で磁化される複数の永久磁石28mを有する。
電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数を「m」とし、変調子26の磁極片26mの個数を「k」とし、界磁子28Bの永久磁石28mによる極対数を「n」とする。界磁子28Aは、外側永久磁石28oの極対数が「m」になり、内側永久磁石28iの極対数が「k」になる。回転機100Cがm=|k±n|の第1関係式を満たすように構成する点は実施の形態1と同様である。図13に示す構成例では、m=10,k=8,n=2の組み合わせである。
回転機100Cが電動機として作動する場合は、電機子ステータ22と界磁子28A(外側永久磁石28o)が同期モータを構成する。また、界磁子28A(内側永久磁石28i),変調子26,界磁子28Bは、磁気変調作用をする磁気ギヤ(非同期モータ)を構成する。界磁子28Aが外側と内側で異なる極対数の永久磁石を備えることで、同期トルクと磁気変調トルクとを力学的につなぐので、効率や力率を向上させることができる。
制御装置27は、実施の形態1に示す制御例(A)〜(H)を実現することができる。よって、統合二軸回転機システム20は実施の形態1と同様の作用効果が得られる。そのため、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両10の燃費を更に向上させることができる。
〔実施の形態4〕
実施の形態4は図14を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1〜3で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1〜3と相違する点を説明する。
図14に示す回転機100Dは、回転機100の一例であって、図3に示す回転機100Aや図12に示す回転機100Bに代えて適用できる。この回転機100Dは、電機子ステータ22,変調子26C,界磁子28などを含む。電機子ステータ22,変調子26C,界磁子28は、この順番に配列される。
変調子26Cは、複数の永久磁石26m1と複数の磁極片26m2とを有する。複数の永久磁石26m1は、外周部に設けられて図示する矢印方向に磁化される。複数の磁極片26m2は、変調子26Cの外周部以外に設けられる。永久磁石26m1の極対数は、電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数と同一に設定する。磁極片26m2は、実施の形態1,2における磁極片26mに相当する。この磁極片26m2の個数は、界磁子28の極対数と同一に設定する。界磁子28は、図示する矢印方向に磁化される複数の永久磁石28mを有する。
電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数を「m」とし、複数の永久磁石26m1の極対数を「m」とし、複数の磁極片26m2の個数を「k」とし、界磁子28の永久磁石28mによる極対数を「n」とする。このとき、回転機100Dがm=|k±n|の第1関係式を満たすように構成する点は実施の形態1と同様である。図14に示す構成例では、m=7,k=15,n=8の組み合わせである。
制御装置27は、実施の形態1に示す制御例(A)〜(H)を実現することができる。よって、統合二軸回転機システム20は実施の形態1と同様の作用効果が得られる。そのため、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両10の燃費を更に向上させることができる。
〔実施の形態5〕
実施の形態5は図15を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1〜4で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1〜4と相違する点を説明する。
図15に示す回転機100Eは、回転機100の一例であって、図3に示す回転機100Aや図12に示す回転機100Bに代えて適用できる。この回転機100Eは、電機子ステータ22,界磁子28,変調子26A,変調子26Bなどを含む。電機子ステータ22,界磁子28,変調子26A,変調子26Bは、この順番に配列される。
界磁子28は、図示する矢印方向に磁化される複数の永久磁石28mを有する。変調子26Aは、複数の磁極片26aを有する。変調子26Bは、複数の磁極片26bを有する。磁極片26aと磁極片26bは、図示するように形状を異ならせて成形してもよく、同じ形状で成形してもよい。磁束が矢印D11で示すようにU字状に流れるように構成するとよい。この磁束の形成によって、磁気変調が良好に働き、回転機100Eのトルク性能を向上させることができる。このことは後述する図16〜図18でも同様である。
電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数を「m」とし、磁極片26aの個数を「k」とし、磁極片26bの個数を「r」とし、界磁子28の永久磁石28mによる極対数を「n」とする。このとき、回転機100Eが2n=|k±r|(ただしn>0,k>0,r>0からなる整数)の第2関係式を満たすように構成する。関係式は異なるが、磁気変調作用をさせる点は実施の形態1と同様である。すなわち回転機100Eが電動機として作動する場合は、電機子ステータ22と界磁子28が同期モータを構成する。また、界磁子28,界磁子28A,変調子26Bは、磁気変調作用をする磁気ギヤ(非同期モータ)を構成する。同期トルクと磁気変調トルクとを力学的につなぐので、効率や力率を向上させることができる。
制御装置27は、実施の形態1に示す制御例(A)〜(H)を実現することができる。よって、統合二軸回転機システム20は実施の形態1と同様の作用効果が得られる。そのため、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両10の燃費を更に向上させることができる。
〔実施の形態6〕
実施の形態6は図16を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1〜5で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1〜5と相違する点を説明する。
図16に示す回転機100Fは、回転機100の一例であって、図3に示す回転機100Aや図12に示す回転機100Bに代えて適用できる。この回転機100Eは、電機子ステータ22,界磁子28,変調子26A,変調子26Bなどを含む。電機子ステータ22,界磁子28,変調子26A,変調子26Bは、この順番に配列される。
アウターロータ型の回転機100Fは、インナーロータ型の回転機100Eと比べて、電機子ステータ22,界磁子28,変調子26A,変調子26Bの配列が逆順になる。配列方向が相違するに過ぎないので、実施の形態5と同様の作用効果が得られる。
図示しないが、上述した実施の形態1〜4における電機子ステータ22,変調子26,界磁子28などの配列順を逆にしたアウターロータ型の回転機を構成してもよい。後述する実施の形態7,8に示す回転機についても同様に配列を逆順に構成してもよい。配列方向が相違するに過ぎないので、対応する実施の形態と同様の作用効果が得られる。
〔実施の形態7〕
実施の形態7は図17を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1〜6で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1〜6と相違する点を説明する。
図17に示す回転機100Gは、回転機100の一例であって、図3に示す回転機100Aや図12に示す回転機100Bに代えて適用できる。この回転機100Gは、電機子ステータ22,界磁子28C,変調子26A,変調子26Bなどを含む。電機子ステータ22,界磁子28C,変調子26A,変調子26Bは、この順番に配列される。
回転機100Gは、図15に示す回転機100Eの変形例である。具体的には、回転機100Eの界磁子28に代えて界磁子28Cを適用する。界磁子28Cは、複数の外側永久磁石28o1,軟磁性体28a,複数の内側永久磁石28i1などを有する。軟磁性体28aは円環状または円筒状に成形される。複数の外側永久磁石28o1は、軟磁性体28aの外周面に沿って配置される。複数の内側永久磁石28i1は、軟磁性体28aの内周面に沿って配置される。
電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数を「m」とし、外側永久磁石28o1の極対数を「m」とし、内側永久磁石28i1の極対数を「n」とし、磁極片26aの個数を「k」とし、磁極片26bの個数を「r」とする。このとき、回転機100Gが2n=|k±r|の第2関係式を満たすように構成する。関係式は異なるが、磁気変調作用をさせる点は実施の形態1と同様である。すなわち回転機100Gが電動機として作動する場合は、電機子ステータ22と界磁子28Cの外側永久磁石28o1が同期モータを構成する。また、界磁子28Cの内側永久磁石28i1,変調子26,界磁子28Bは、磁気変調作用をする磁気ギヤ(非同期モータ)を構成する。同期トルクと磁気変調トルクとを力学的につなぐので、効率や力率を向上させることができる。
制御装置27は、実施の形態1に示す制御例(A)〜(H)を実現することができる。よって、統合二軸回転機システム20は実施の形態1と同様の作用効果が得られる。そのため、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両10の燃費を更に向上させることができる。
〔実施の形態8〕
実施の形態8は図18を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1〜8で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1〜8と相違する点を説明する。
図18に示す回転機100Hは、回転機100の一例であって、図3に示す回転機100Aや図12に示す回転機100Bに代えて適用できる。この回転機100Hは、電機子ステータ22,界磁子28D,変調子26A,変調子26Bなどを含む。電機子ステータ22,界磁子28D,変調子26A,変調子26Bは、この順番に配列される。
回転機100Hは、図15に示す回転機100Eの変形例である。具体的には、回転機100Eの界磁子28に代えて界磁子28Dを適用する。界磁子28Dは、複数の永久磁石28m1、複数の永久磁石28m2、複数の軟磁性体28aなどを有する。永久磁石28m1と永久磁石28m2とは周方向に交互に配置される。永久磁石28m1の相互間であって、永久磁石28m2が配置されない部位には軟磁性体28aが配置される。図18に示す配列を「ハルバッハ配列」と呼ぶ。永久磁石28m1,28m2の増大に伴って磁束も増えるので、動力を伝達する性能をさらに向上することができる。
制御装置27は、実施の形態1に示す制御例(A)〜(H)を実現することができる。よって、統合二軸回転機システム20は実施の形態1と同様の作用効果が得られる。そのため、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両10の燃費を更に向上させることができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜8に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態1〜8では、統合二軸回転機システム20に含まれる電機子ステータ22,変調子26,界磁子28を含むように回転機100A〜100Hを構成とした(図3,図12〜図18を参照)。この形態に代えて、電機子ステータ22,変調子26,界磁子28を含む回転機を図19〜図21で示すように構成してもよい。以下では、各図に示す構成を簡単に説明する。
図19に示す回転機100Iは、図15に示す回転機100Eの変形例であって、電機子ステータ22,界磁子28E,変調子26A,変調子26Bなどを含む。電機子ステータ22,界磁子28E,変調子26A,変調子26Bは、この順番に配列される。回転機100Eの界磁子28に代えて適用される界磁子28Eは、複数の外側永久磁石28o2,軟磁性体28a,複数の内側永久磁石28i1などを有する。外側永久磁石28o2は、断面が長板形状に成形されて、軟磁性体28aに埋め込まれる。二つの外側永久磁石28o2ごとに、径方向と交差する方向であって、鏡像となるように埋め込まれる。
図20に示す回転機100Jは、図15に示す回転機100Eの変形例であって、電機子ステータ22,界磁子28,変調子26A,変調子26Dなどを含む。電機子ステータ22,界磁子28,変調子26A,変調子26Dは、この順番に配列される。回転機100Eの変調子26Aに代えて適用される変調子26Dは、複数の磁極片26dを有する。磁極片26dは、磁極片26aに似た形状で成形され、磁束が矢印D12で示すようにU字状に流れるように構成するとよい。この磁束の形成によって、磁気変調が良好に働き、回転機100Jのトルク性能を向上させることができる。
図21に示す回転機100Kは、図15に示す回転機100Eの変形例であって、電機子ステータ22,界磁子28F,変調子26A,変調子26Bなどを含む。電機子ステータ22,界磁子28F,変調子26A,変調子26Bは、この順番に配列される。回転機100Eの界磁子28に代えて適用される界磁子28Fは、複数の外側永久磁石28o1,軟磁性体28a,複数の内側永久磁石28i2などを有する。内側永久磁石28i2は、断面が長板形状に成形されて、軟磁性体28aに埋め込まれる。二つの内側永久磁石28i2ごとに、径方向と交差する方向であって、鏡像となるように埋め込まれる。
上述した回転機100I〜100Kについても、制御装置27は実施の形態1に示す制御例(A)〜(H)を実現することができる。よって、統合二軸回転機システム20は実施の形態1と同様の作用効果が得られる。また、実施の形態3,5,7と同様に同期トルクと磁気変調トルクとを力学的につなぐので、効率や力率を向上させることができる。そのため、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両10の燃費を更に向上させることができる。
上述した実施の形態1では、変調子26は第二回転軸24と結合し、界磁子28は第一回転軸21と結合する構成とした(図1を参照)。実施の形態2では、変調子26は第一回転軸21と結合し、界磁子28は第二回転軸24と結合する構成とした(図11を参照)。これらの形態に代えて、結合関係を逆にしてもよい。例えば、図1に代わる構成例を図22に示し、図11に代わる構成例を図23に示す。図22に示す統合二軸回転機システム20Cでは、変調子26は第一回転軸21と結合し、界磁子28は第二回転軸24と結合する。図23に示す統合二軸回転機システム20Dでは、変調子26は第二回転軸24と結合し、界磁子28は第一回転軸21と結合する。図22,図23に示す構成例についても、上述した回転機100C〜100Kを適用することができる。結合形態が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態1〜8では、変調子26は第一回転軸21と結合し、界磁子28は第二回転軸24と結合する構成とした(図1,図11を参照)。また、変調子26は第二回転軸24と結合し、界磁子28は第一回転軸21と結合する構成とした(図22,図23を参照)。これらの結合関係を制御装置27によって切り替えられる切替機構を、統合二軸回転機システム20に備える構成としてもよい。こうすれば、所望の変調子26と界磁子28について、動力を一方向または双方向に伝達することができる。
上述した実施の形態1〜8では、一の変調子26に対して一または二の界磁子28を備える構成とするか(図3,図12〜図14を参照)、一の界磁子28に対して一または二の変調子26を備える構成とした(図3,図15〜図21を参照)。この形態に代えて、複数の変調子26と複数の界磁子28を備える構成としてもよい。変調子26と界磁子28の数が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態1〜8と同様の作用効果を得ることができる。
〔作用効果〕
上述した実施の形態および他の実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)統合二軸回転機システム20(20A,20B,20C,20D)は、エンジン13のクランクシャフト12と伝動連結される第一回転軸21と、車輪18の伝動軸16に連結される第二回転軸24と、第一回転軸21または第二回転軸24のうちで一方の回転軸に結合される変調子26(26A,26B,26C)と、複数の磁極片28m,28m1,28m2を含み、第一回転軸21または第二回転軸24のうちで他方の回転軸に結合される界磁子28(28A,28B,28C,28D,28E,28F)と、変調子26および界磁子28とともに軸心を共有して配置される電機子ステータ22とを有し、変調子26と界磁子28とは磁束変調によって相互に作用し、第一回転軸21の回転によってエンジン13の始動と電機子ステータ22の発電とのいずれか一方を行い、第二回転軸24の回転によって、伝動軸16を駆動するトルクの発生と電機子ステータ22の発電とのいずれか一方を行う構成とした(図1,図4〜図11,図22,図23を参照)。第二回転軸24は、車輪18に代えてトランスミッション17aの伝動軸16に連結してもよい。この構成によれば、変調子26と界磁子28は磁気ギヤを構成し、電機子ステータ22への通電によって第一回転軸21を回転させることでエンジン13の始動が行え、回転軸(第一回転軸21または第二回転軸24)の回転に伴って電機子ステータ22に生じる逆起電力によって回生発電が行える。よって、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させ、車両10(10A,10B,10C,10D)の燃費を更に向上させることができる。また、機械的ギヤでは摩耗防止のために必要なオイル配管などが要らず、付帯機器のスペースも必要としないので、省スペースで搭載することができる。
(2)第一回転軸21について制動および回転方向の規制のうちで一方または双方を行う第一回転規制機構25を有する構成とした(図1,図11,図22,図23を参照)。この構成によれば、伝動軸16へのトルクが逸散なく、効率よくエンジン13始動ができる。また、エンジン13を連れ回すことがなく、能率よく回生発電を行うことができる。よって、安定性の高い作動をさせることができる。
(3)第二回転軸24について制動および回転方向の規制のうちで一方または双方を行う第二回転規制機構29を有する構成とした(図1,図11,図22,図23を参照)。この構成によれば、伝動軸16へのトルクが逸散なく、効率よくエンジン13始動ができる。また、エンジン13を連れ回すことがなく、能率よく回生発電を行うことができる。よって、安定性の高い作動をさせることができる。
(4)電機子ステータ22,変調子26,界磁子28は、この順番に配列される構成とした(図1〜図3,図11,図14,図22,図23を参照)。この構成によれば、変調子26と界磁子28との間で磁束変調を能率よく行え、騒音を抑制することができる。
(5)複数の界磁子28A,28Bを有し、電機子ステータ22,界磁子28A,変調子26,界磁子28Bは、この順番に配列される構成とした(図12,図13を参照)。この構成によれば、変調子26を回転軸(すなわち第一回転軸21または第二回転軸24)に固定しやすくなり、強度を向上させることができる。
(6)電機子ステータ22の電機子巻線23による極対数を「m」とし、変調子26に含まれる磁極片26mの個数を「k」とし、界磁子28,28Bの極対数を「n」とするとき、m=|k±n|の第1関係式を満たす構成とした(図1〜図3,図11〜図14,図22,図23を参照)。この構成によれば、同期モータの同期トルクと磁気ギヤの磁気変調トルクとを力学的につなぐので、効率や力率を向上させることができる。
(7)複数の変調子26A,26Bを有し、電機子ステータ22,界磁子28,変調子26A,変調子26Bは、この順番に配列される構成とした(図15〜図21を参照)。この構成によれば、電機子ステータ22と界磁子28の極対数を同じとすることによって同期モータとしても機能し、効率や力率を向上させることができる。
(8)複数の変調子26A,26Bのうちで、一方の変調子26Aに含まれる磁極片26aの個数を「k」とし、他方の変調子26Bに含まれる磁極片26bの個数を「r」とし、界磁子28の極対数を「n」とするとき、2n=|k±r|の第2関係式を満たす構成とした(図15〜図21を参照)。この構成によれば、同期モータの同期トルクと磁気ギヤの磁気変調トルクとを力学的につなぐので、効率や力率を向上させることができる。
(9)クランクシャフト12とトランスミッション17aとの間に配置されるクラッチ14を非接触状態にするとともに、電機子ステータ22に備える電機子巻線23に電流を流し、第一回転軸21を回転させるに伴ってエンジン13を始動させる始動制御[制御例(A),(D)を参照]と、電機子巻線23に電流を流し、第二回転軸24を回転させるに伴って車輪18を駆動させる走行制御[制御例(E),(F)を参照]と、第一回転軸21または第二回転軸24のうちで一方の回転軸の回転に伴って電機子巻線23に生じる逆起電力で回生発電を行い、電池30に充電する回生充電制御[制御例(B),(C),(G)を参照]とを行う制御装置27を有する構成とした(図4〜図10を参照)。この構成によれば、アイドリングストップによる省燃費と、運動エネルギーを利用する回生発電とを両立させる制御を行うことができる。
10(10A,10B,10C,10D) 車両
12 クランクシャフト
13 エンジン
16 伝動軸
17a トランスミッション
18 車輪
20(20A,20B,20C,20D) 統合二軸回転機システム
21 第一回転軸
22 電機子
24 第二回転軸
26 変調子
28 界磁子

Claims (9)

  1. エンジン(13)のクランクシャフト(12)と伝動連結される第一回転軸(21)と、
    車輪(18)またはトランスミッション(17a)の伝動軸(16)に連結される第二回転軸(24)と、
    前記第一回転軸または前記第二回転軸のうちで一方の回転軸に結合される変調子(26,26A,26B,26C,26D)と、
    複数の磁極片を含み、前記第一回転軸または前記第二回転軸のうちで他方の回転軸に結合される界磁子(28,28A,28B,28C,28D,28E,28F)と、
    前記変調子および前記界磁子とともに軸心を共有して配置される電機子ステータ(22)とを有し、
    前記変調子と前記界磁子とは、磁束変調によって相互に作用し、
    前記第一回転軸の回転によって、前記エンジンの始動と、前記電機子ステータの発電とのいずれか一方を行い、
    前記第二回転軸の回転によって、前記伝動軸を駆動するトルクの発生と、前記電機子ステータの発電とのいずれか一方を行うことを特徴とする統合二軸回転機システム(20,20A,20B,20C,20D)。
  2. 前記第一回転軸について制動および回転方向の規制のうちで一方または双方を行う第一回転規制機構(25)を有することを特徴とする請求項1に記載の統合二軸回転機システム。
  3. 前記第二回転軸について制動および回転方向の規制のうちで一方または双方を行う第二回転規制機構(29)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の統合二軸回転機システム。
  4. 前記電機子ステータ,前記変調子,前記界磁子は、この順番に配列されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の統合二軸回転機システム。
  5. 複数の前記界磁子を有し、
    前記電機子ステータ,前記界磁子,前記変調子,前記界磁子は、この順番に配列されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の統合二軸回転機システム。
  6. 前記電機子ステータの極対数をmとし、前記変調子に含まれる磁極片の個数をkとし、前記界磁子の極対数をnとするとき、m=|k±n|(ただしm>0,k>0,n>0からなる整数)の第1関係式を満たすことを特徴とする請求項4または5に記載の統合二軸回転機システム。
  7. 複数の前記変調子を有し、
    前記電機子ステータ,前記界磁子,前記変調子,前記変調子は、この順番に配列されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の統合二軸回転機システム。
  8. 複数の前記変調子のうちで、一方の前記変調子に含まれる磁極片の個数をkとし、他方の前記変調子に含まれる磁極片の個数をrとし、前記界磁子の極対数をnとするとき、2n=|k±r|(ただしn>0,k>0,r>0からなる整数)の第2関係式を満たすことを特徴とする請求項7に記載の統合二軸回転機システム。
  9. 前記クランクシャフトと前記トランスミッションとの間に配置されるクラッチ(14)を非接触状態にするとともに、前記電機子ステータに備える電機子巻線(23)に電流を流し、前記第一回転軸を回転させるに伴って前記エンジンを始動させる始動制御と、
    前記電機子巻線に電流を流し、前記第二回転軸を回転させるに伴って前記車輪を駆動させる走行制御と、
    前記第一回転軸または前記第二回転軸のうちで一方の回転軸の回転に伴って前記電機子巻線に生じる逆起電力で回生発電を行い、電池(30)に充電する回生充電制御と、
    を行う制御装置(27)を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の統合二軸回転機システム。
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