JP2016048972A - 太陽光発電システムの異常診断方法 - Google Patents

太陽光発電システムの異常診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光発電システムの異常を簡易且つ効率的に診断することができるとともに、異常の内容も容易に推定できる方法を提供する。
【解決手段】異常診断の対象となる設備単位xを構成するモジュールまたはセルについて、異なる入射太陽光強度と太陽電池温度の条件での複数パターンのI-V曲線aを予め取得し、これらのI-V曲線aをデータベース化しておき、(i)設備単位xのI-V曲線Bを実測により求める、(ii)データベースのI-V曲線aのなかから選択される、設備単位xを構成するモジュールまたはセルの個数分のI-V曲線aを組み合わせ、これらI-V曲線aの重ね合わせにより、I-V曲線Bと一致する設備単位xのI-V曲線Aを計算する、(iii)このI-V曲線Aを得るために組み合わせた複数のI-V曲線aが得られた入射太陽光強度および太陽電池温度条件に基づき設備単位xの異常診断を行う、ようにした太陽光発電システムの異常診断方法である。
【選択図】図1

Description

この発明は、太陽光発電システムの異常診断方法、特に多数の太陽電池モジュールで構成される太陽光発電システムに好適な異常診断方法に関する。
メガソーラーと呼ばれる大規模な太陽光発電システムが実用化されている。1つのメガソーラーは、通常、数千枚〜数万枚の太陽電池モジュールを備えている。
太陽電池モジュールは可動部品がないため故障しにくいが、初期不良はもちろん、屋外に長期間設置されるため、一部に故障が起こる場合がある。
太陽電池モジュールの異常(故障)を検出する方法として、目視による検査、サーモメーターによる発熱の検査、テスターによる電気的特性の検査が行われている。これらの検査は、太陽電池モジュール1つ1つに対して行われるので、メガソーラーなどの大規模な太陽光発電システムでは、検査のために膨大な作業が必要となる。
従来、太陽光発電システムの異常を効率的に診断または検知することを目的とし、以下のような技術が提案されている。
(1)日射量と温度の情報から発電量を予想し、その予想値と実際の発電量とを比較することにより異常を検出する方法(特許文献1、2)
(2)太陽光発電アレイの出力電流から電流電圧特性(I-V特性)を求め、そのI-V特性曲線の微分曲線から異常を検出する方法(特許文献3)
(3)太陽電池の電流電圧特性(I-V特性)を計測し、あらかじめ準備しておいたI-V特性と比較することにより異常を診断する方法(特許文献4)
特開2013−55132号公報 特開2013−93430号公報 特開2013−239629号公報 特開2007−311487号公報
しかし、これらの従来技術のうち(1)、(2)の方法は、異常の有無の判断を行うだけであり、異常の内容の推定が困難である。また、(3)の方法は、予め典型的な不具合の状態でのI-V特性を把握しておき、それらと実測されたI-V特性を比較することにより不具合の内容が推定できるとしているが、不具合の状況は多種多様であり、典型的な不具合の状況から推定することは困難であると考えられる。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、太陽光発電システムの異常を簡易且つ効率的に診断することができるとともに、異常の内容も容易に推定できる方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]太陽光発電システムにおいて異常診断の対象となる設備単位(x)を構成する太陽電池モジュールまたは太陽電池セルについて、異なる入射太陽光強度と太陽電池温度の条件での複数パターンのI-V曲線(a)を予め取得し、これらのI-V曲線(a)をデータベース化しておき、このデータベースを利用して太陽光発電システムの異常診断を行う方法であり、
設備単位(x)のI-V曲線(B)を実測により求めるステップS1と、
データベースのI-V曲線(a)のなかから選択される、設備単位(x)を構成する太陽電池モジュールまたは太陽電池セルの個数分のI-V曲線(a)を組み合わせ、これらI-V曲線(a)の重ね合わせにより設備単位(x)のI-V曲線(A)を計算するステップであって、開放電圧Voc’、短絡電流Isc’、最大出力動作電流Imp’および最大出力動作電圧Vmp’が、それぞれI-V曲線(B)の開放電圧Voc、短絡電流Isc、最大出力動作電流Impおよび最大出力動作電圧Vmpの85%〜115%の範囲となるI-V曲線(A)が得られるまで、組み合わせるI-V曲線(a)を変えながら繰り返し計算を行うステップS2と、
ステップS2においてI-V曲線(A)を得るために組み合わせた複数のI-V曲線(a)が得られた入射太陽光強度および太陽電池温度条件に基づき、設備単位(x)の異常診断を行うステップS3を有することを特徴とする太陽光発電システムの異常診断方法。
[2]上記[1]の異常診断方法において、ステップS3では、ステップS2においてI-V曲線(A)を得るために組み合わせた複数のI-V曲線(a)が得られた入射太陽光強度および太陽電池温度条件に基づき、異常な太陽電池モジュールまたは太陽電池セルの個数と、異常の内容を判定することを特徴とする太陽光発電システムの異常診断方法。
[3]上記[2]の異常診断方法において、設備単位(x)が、複数の太陽電池モジュールを直列接続して構成した太陽電池ストリングを、複数組並列接続して構成した太陽電池アレイであり、
ステップS3では、異常な太陽電池モジュールを含む太陽電池ストリングの個数と、該太陽電池ストリングに含まれる異常な太陽電池モジュールの個数と、異常の内容を判定することを特徴とする太陽光発電システムの異常診断方法。
本発明によれば、太陽光発電システムの異常を簡易且つ効率的に診断することができるとともに、異常の内容も容易に推定することができる。
本発明法において得られる設備単位xのI-V曲線A,Bを示す図面 太陽電池の等価回路を示す図面 本発明法において、設備単位xのI-V曲線Aを計算する手法(I-V曲線aの重ね合わせ)を示す図面 実施例1における設備単位xのI-V曲線A,Bを示す図面 実施例2における設備単位xのI-V曲線A,Bを示す図面
太陽電池や太陽電池を用いた太陽光発電システムの動作状態を評価するものの1つに電流電圧特性(I-V特性)がある。太陽電池セルのI-V特性(曲線)において、開放電圧Vocは太陽電池温度、短絡電流Iscは太陽電池に入射する太陽光の強度の影響が大きいことが知られている。本発明では、異常診断の対象となる設備単位x(例えば、太陽電池ストリング単位、太陽電池アレイ単位、パワーコンディショナ単位など)を構成する太陽電池モジュールまたは太陽電池セルについて、異なる種々の入射太陽光強度(太陽電池モジュールまたは太陽電池セルに入射する太陽光の強度)と太陽電池温度(太陽電池モジュールまたは太陽電池セルの温度)の条件での複数パターンのI-V曲線aを予め取得し、これらのI-V曲線aをデータベース化しておき、このデータベースを利用して、以下のような手法で太陽光発電システムの異常を診断するものである。すなわち本発明では、(i)異常診断の対象となる設備単位xのI-V曲線Bを実測により求める、(ii)データベースのI-V曲線aのなかから選択される、設備単位xを構成する太陽電池モジュールまたは太陽電池セルの個数分のI-V曲線aを組み合わせ、これらI-V曲線aの重ね合わせにより、I-V曲線Bと一致する設備単位xのI-V曲線Aを計算する、(iii)このI-V曲線Aを得るために組み合わせた複数のI-V曲線aが得られた入射太陽光強度および太陽電池温度条件に基づき設備単位xの異常診断を行う、ものであり、このような本発明によれば、例えば、異常な太陽電池モジュールまたは太陽電池セルの個数と、異常の内容(種別)を判定することができる。
以下、太陽光発電システムにおける特定の設備単位xのI-V曲線を示す図1に基づいて、本発明法の詳細を説明する。
一般に太陽光発電システムでは、太陽電池セルと呼ばれる太陽電池の単体を複数接続(通常、直列に接続)して太陽電池モジュールを構成し、この太陽電池モジュールを複数接続(通常、直列に接続)して太陽電池ストリングを構成し、この太陽電池ストリングを複数接続(通常、並列に接続)して太陽電池アレイを構成し、また、複数の太陽電池ストリングまたは太陽電池アレイで発電した電力を系統に接続するためにパワーコンディショナが用いられている(以下、説明の便宜上「太陽電池セル」を単に『セル』と、「太陽電池モジュール」を単に『モジュール』と、「太陽電池ストリング」を単に『ストリング』と、「太陽電池アレイ」を単に『アレイ』と、「パワーコンディショナ」を『PCS』と、それぞれ称する)。このPCSは、複数のストリングまたはアレイの出力をひとまとめにする機能、太陽電池出力の定電圧化とMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御を行う機能、直流を交流に変換する機能などを備えている。本発明において異常を診断する設備単位xは、発電システム全体でもよいが、以上のようなストリング単位、アレイ単位、PCS単位のいずれかでもよい。
本発明では、まず、異常診断の対象となる設備単位xを構成するモジュールまたはセルについて、異なる種々の入射太陽光強度と太陽電池温度の条件での複数パターンのI-V曲線aを予め取得し、これらのI-V曲線aをデータベース化しておくものである。ここで、入射太陽光強度はモジュールまたはセルに入射する太陽光の強度、太陽電池温度はモジュールまたはセル温度であり、モジュールやセルのI-V特性(曲線)において、開放電圧Vocは太陽電池温度、短絡電流Iscは入射太陽光強度の影響が大きい。
I-V曲線aを得るために設定される入射太陽光強度としては、例えば、0〜1500kW/mの範囲で5〜10パターン程度(例えば、0kW/m,200kW/m,600kW/m,800kW/m,1000kW/m,1200kW/mの7パターン)とすることができ、同じく太陽電池温度としては、例えば、0〜100℃の範囲で5〜10パターン程度(例えば、0℃,10℃,20℃,30℃,40℃,50℃,60℃,70℃の8パターン)とすることができ、例えば、入射太陽光強度が7パターン、太陽電池温度が8パターンの場合には56パターンのI-V曲線aが取得され、データベース化される。
I-V曲線aは、実験または/および計算により求めることができ、その具体的な方法としては、例えば、(ア)実験的に設定された種々の入射太陽光強度と太陽電池温度の下で実測する方法、(イ)モデル式(等価回路から導かれる方程式)を用いた計算により求める方法、などがあるが、これに限定されない。
上記(ア)の方法では、実験的に設定された種々の入射太陽光強度と太陽電池温度の下で、モジュールまたはセルの出力端でインピーダンスを変化させながら、電圧V、電流Iを実測することにより、I-V曲線aを得ることができる。
また、上記(イ)の方法では、下記(2)式(等価回路から導かれる方程式)を用い、パラメータ(T、W)を調整して計算することでI-V曲線aを得ることができる。太陽電池の等価回路は図2で表され、この等価回路に流れる電流Iは下記(1)式で表される。
Figure 2016048972
上記(1)式中の各電流は、それぞれ下式で表現される。
Figure 2016048972
したがって、等価回路のI-V特性は下記(2)式で表される。すなわち、I-V特性は下記(2)式を満足する電圧V、電流Iの組合せの集合体となる。
Figure 2016048972
太陽電池の発電出力は、入射太陽光強度や太陽電池温度などの影響を受けて変動するが、上記データベース(I-V曲線aのデータベース)を利用する本発明法では、まず、異常診断の対象となる設備単位xのI-V曲線Bを実測により求める(ステップS1)。設備単位xのI-V曲線Bは、設備単位xの電力の出力端でインピーダンスを変化させながら電圧V、電流Iを測定することにより得ることができる。
このI-V曲線Bを図1に実線で示す。このI-V曲線Bより開放電圧Voc、短絡電流Isc、最大出力電力Pmaxが求められ、この最大出力電力Pmaxが得られる最大出力動作電流がImp、同じく最大出力動作電圧がVmpである。
次に、前記データベースから選択されたI-V曲線aの重ね合わせにより、設備単位xのI-V曲線Aの計算を行う(ステップS2)。すなわち、前記データベースのI-V曲線aのなかから選択される、設備単位xを構成するモジュールまたはセルの個数分のI-V曲線aを組み合わせ、これらI-V曲線aの重ね合わせにより、実測により得られた前記I-V曲線Bと一致する設備単位xのI-V曲線Aを計算する。
この計算されたI-V曲線Aを図1に破線で示す。このI-V曲線Aより開放電圧Voc’、短絡電流Isc’、最大出力電力Pmax’が求められ、この最大出力電力Pmax’が得られる最大出力動作電流がImp’、同じく最大出力動作電圧がVmp’である。
太陽光発電システムでは、セルを複数接続(通常、直列接続)してモジュールを構成し、このモジュールを複数接続(通常、直列接続)してストリングを構成し、このストリングをさらに複数接続(通常、並列接続)してアレイを構成しており、設備単位xをセル単位またはモジュール単位で見ると、それらの直列接続、並列接続の組み合わせとなっている。したがって、設備単位xのI-V曲線Aを数値計算で求めるには、これを構成する個々のモジュールまたはセルのI-V曲線aの計算結果を重ね合わせればよい。
図3は、その重ね合わせの法則(原理)を示したものである。図3(a)は、重ね合わせをする2つのI-V曲線、すなわちI-V曲線1(破線)とI-V曲線2(点線)を示しているが、モジュールまたはセルが直列接続の場合は、I-V曲線1とI-V曲線2の同じ電流値の電圧を加算し、図3(b)のような接続系のI-V曲線(実線)になる。すなわち、この接続系のI-V曲線(合成I-V曲線)の或る電流値Iにおける電圧値Vは、I-V曲線1、I-V曲線2のそれぞれの電流値Iにおける電圧値V1,V2を加算したものとなる(V=V1+V2)。一方、モジュールまたはセルが並列接続の場合は、I-V曲線1とI-V曲線2の同じ電圧値の電流を加算し、図3(c)のような接続系のI-V曲線(実線)になる。すなわち、この接続系のI-V曲線(合成I-V曲線)の或る電圧値Vにおける電流値Iは、I-V曲線1、I-V曲線2のそれぞれの電圧値Vにおける電流値I1、I2を加算したものとなる(I=I1+I2)。
したがって、設備単位xを構成するモジュールまたはセルの接続状態(この接続状態は既知である)に合わせて、設備単位xを構成するモジュールまたはセルの個数分のI-V曲線aを組み合わせ、図3に示すような手法でI-V曲線aの電流または電圧の加算をし、I-V曲線aの重ね合わせを行うことにより、I-V曲線Aを計算することができる。
ここで、I-V曲線AがI-V曲線Bと一致するとは、その開放電圧Voc’、短絡電流Isc’、最大出力動作電流Imp’および最大出力動作電圧Vmp’が、それぞれI-V曲線Bの開放電圧Voc、短絡電流Isc、最大出力動作電流Impおよび最大出力動作電圧Vmpの85%〜115%の範囲(すなわち±15%の範囲)となる関係とする。I-V曲線A,Bが、開放電圧、短絡電流、最大出力動作電流および最大出力動作電圧において全て±15%の関係にあれば、ほぼ同じI-V特性であるとみなすことができる。したがって、上記の手法でI-V曲線Aを計算するに当たっては、開放電圧Voc’、短絡電流Isc’、最大出力動作電流Imp’および最大出力動作電圧Vmp’が、それぞれ前記I-V曲線Bの開放電圧Voc、短絡電流Isc、最大出力動作電流Impおよび最大出力動作電圧Vmpの85%〜115%の範囲となるI-V曲線Aが得られるまで、組み合わせるI-V曲線aを変えながら繰り返し計算を行う。
次に、上記ステップS2においてI-V曲線Aを得るために組み合わせた複数のI-V曲線aが得られた入射太陽光強度および太陽電池温度条件に基づき、対象とする設備単位xの異常診断を行う(ステップS3)。すなわち、各I-V曲線aが得られた入射太陽光強度および太陽電池温度条件は既知であり、I-V曲線Aを得るために組み合わせた複数のI-V曲線aがどのような入射太陽光強度および太陽電池温度条件で得られたものであるのかが判るので、例えば、以下に示すような、異常なモジュールまたはセルの個数と異常内容(出力低下、電圧不足などの異常状態の種別)の判定が可能である。
(1)組み合わされた(選択された)I-V曲線aのなかに、入射太陽光強度が正常値に満たない条件でのI-V曲線aが特定の数含まれる場合、出力が低下しているモジュールまたはセルが特定の個数存在していると判定する。
(2)組み合わされた(選択された)I-V曲線aのなかに、太陽電池温度が正常値に満たない条件でのI-V曲線aが特定の数含まれる場合、電力不足のモジュールまたはセルが特定の個数存在していると判定する。
したがって、例えば、設備単位xが、複数のモジュールを直列接続して構成したストリングを、複数組並列接続して構成したアレイである場合には、異常なモジュールを含むストリングの個数と、このストリングに含まれる異常なモジュールの個数と、異常の内容(出力低下、電圧不足などの異常状態の種別)を判定することができる。
[実施例1]
太陽電池モジュール96枚に対してPCSを2台備えた太陽光発電所において(PCS単位:太陽電池モジュール48枚)、PCS単位を対象に異常診断を行った。すなわち、異常を診断する設備単位xをPCS単位とした。このPCS単位は太陽電池アレイであり、その構成は、モジュール6枚を直列接続したものを1組のストリングとし、このストリングを8組並列接続したものである。
太陽電池モジュールのI-V特性は、入射太陽光強度7パターン(0kW/m,200kW/m,400kW/m,600kW/m,800kW/m,1000kW/m,1200kW/m)、太陽電池温度8パターン(0℃,10℃,20℃,30℃,40℃,50℃,60℃,70℃)で、合計56パターンのI-V曲線aを実験的に求め(さきに説明した(ア)の方法で求めた)、これらをデータベースとした。
ある日時におけるPCS単位のI-V曲線Bを実測(PCS単位の電力の出力端においてインピーダンスを変化させながら電圧V、電流Iを測定した)により求めた。このI-V曲線Bを図4に実線で示すが、開放電圧Voc:290V、短絡電流Isc:45A、最大出力電力Pmax:10kW、最大出力動作電流Imp:42A、最大出力動作電圧Vmp:250Vであった。
次に、上記データベースを用い、I-V曲線aの重ね合わせによりPCS単位のI-V曲線Aの計算を行った。すなわち、データベースのI-V曲線aのなかから選択される、PCS単位を構成する太陽電池モジュールの個数分のI-V曲線aを組み合わせ、さきに説明した重ね合わせの法則に従い、これらI-V曲線aの重ね合わせにより、上記I-V曲線Bとほぼ一致するPCS単位のI-V曲線Aを計算した。具体的には、開放電圧Voc’、短絡電流Isc’、最大出力動作電流Imp’および最大出力動作電圧Vmp’が、それぞれ前記I-V曲線Bの開放電圧Voc、短絡電流Isc、最大出力動作電流Impおよび最大出力動作電圧Vmpの85%〜115%の範囲となるI-V曲線Aが得られるまで、組み合わせるI-V曲線aを変えながら繰り返し計算を行った。このようにして計算されたI-V曲線Aを図4に破線で示す。
このI-V曲線Aを得るために組み合わされたモジュールのI-V曲線aは、すべて同じ入射太陽光強度800kW/m、太陽電池温度40℃の条件のものであった。したがって、PCS単位を構成する全てのモジュールが正常に機能している状態であり、異常なしと判定した。実際に発電設備を点検したが、異常は見られなかった。
[実施例2]
異常状態を模擬する目的で、実施例1に供したPCS単位の太陽電池モジュールの一部を布で覆い、太陽光から遮蔽した。具体的には、8組のストリングのうちの4組について、それぞれ直列接続されているモジュール6枚のうちモジュール2枚を布で覆い、太陽光から遮蔽した。I-V曲線aのデータベースは実施例1と同様である。
ある日時におけるPCS単位のI-V曲線Bを実測(PCS単位の電力の出力端においてインピーダンスを変化させながら電圧V、電流Iを測定した)により求めた。このI-V曲線Bを図5に実線で示すが、開放電圧Voc:240V、短絡電流Isc:45A、最大出力電力Pmax:7kW、最大出力動作電流Imp:32A、最大出力動作電圧Vmp:220Vであった。
次に、実施例1と同様の手法で、前記データベースを用いて、I-V曲線aの重ね合わせによりPCS単位のI-V曲線Aの計算を行った。このようにして計算されたI-V曲線Aを図5に破線で示す。
このI-V曲線Aを得るために組み合わされたモジュールのI-V曲線aは、8組のストリングのうちの3組のストリングにおける各2枚のモジュールと、1組のストリングにおける1枚のモジュールの計7枚のモジュールについては、入射太陽光強度0kW/m、太陽電池温度40℃の条件のものであり、残り40枚のモジュールについては、すべて同じ入射太陽光強度800kW/m、太陽電池温度40℃の条件のものであった。したがって、出力が低下した異常なモジュールが4組のストリングに含まれ、そのうち3組のストリングに出力が低下した異常なモジュールが2枚含まれ、1組のストリングに出力が低下した異常なモジュールが1枚含まれると判定した。この診断結果は、8組のストリングのうちの4組について、それぞれ2枚のモジュールを布で覆い、太陽光から遮蔽した試験条件とほぼ一致しており、本発明の実用性が確認された。

Claims (3)

  1. 太陽光発電システムにおいて異常診断の対象となる設備単位(x)を構成する太陽電池モジュールまたは太陽電池セルについて、異なる入射太陽光強度と太陽電池温度の条件での複数パターンのI-V曲線(a)を予め取得し、これらのI-V曲線(a)をデータベース化しておき、このデータベースを利用して太陽光発電システムの異常診断を行う方法であり、
    設備単位(x)のI-V曲線(B)を実測により求めるステップS1と、
    データベースのI-V曲線(a)のなかから選択される、設備単位(x)を構成する太陽電池モジュールまたは太陽電池セルの個数分のI-V曲線(a)を組み合わせ、これらI-V曲線(a)の重ね合わせにより設備単位(x)のI-V曲線(A)を計算するステップであって、開放電圧Voc’、短絡電流Isc’、最大出力動作電流Imp’および最大出力動作電圧Vmp’が、それぞれI-V曲線(B)の開放電圧Voc、短絡電流Isc、最大出力動作電流Impおよび最大出力動作電圧Vmpの85%〜115%の範囲となるI-V曲線(A)が得られるまで、組み合わせるI-V曲線(a)を変えながら繰り返し計算を行うステップS2と、
    ステップS2においてI-V曲線(A)を得るために組み合わせた複数のI-V曲線(a)が得られた入射太陽光強度および太陽電池温度条件に基づき、設備単位(x)の異常診断を行うステップS3を有することを特徴とする太陽光発電システムの異常診断方法。
  2. ステップS3では、ステップS2においてI-V曲線(A)を得るために組み合わせた複数のI-V曲線(a)が得られた入射太陽光強度および太陽電池温度条件に基づき、異常な太陽電池モジュールまたは太陽電池セルの個数と、異常の内容を判定することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システムの異常診断方法。
  3. 設備単位(x)が、複数の太陽電池モジュールを直列接続して構成した太陽電池ストリングを、複数組並列接続して構成した太陽電池アレイであり、
    ステップS3では、異常な太陽電池モジュールを含む太陽電池ストリングの個数と、該太陽電池ストリングに含まれる異常な太陽電池モジュールの個数と、異常の内容を判定することを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電システムの異常診断方法。
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