JP2016048002A - 壁紙補修具 - Google Patents

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Shigeru Tamai
繁 玉井
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Abstract

【課題】刷毛やヘラ等の補修用具が不要で作業者の手を汚すこともなく、作業が容易かつ安定して行え、均一で良好な仕上り状態を得る壁紙補修具を提供する。
【解決手段】片手による手持ち操作可能なケース2内に、繰出リール3、巻取リール4、両リール3、4を相互に連動回転させる連動機構6、両リール3、4における補修材テープTの繰出速度と巻取速度を同期させるクラッチ機構7が設けられるとともに、ケース2の先端部に、繰出リール3から繰り出される補修材テープTを加圧転写する転写ヘッド5を備えてなり、補修材テープTは、基材テープT´表面に薄膜状の補修膜Fが剥離可能に保持される構造を備え、転写ヘッド5は、補修材テープTを加圧転写する先端加圧部5aが壁紙表面の凹凸形状に対応して弾性変形する特性を発揮する弾性変形構造25を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は壁紙補修具に関し、さらに詳細には、建築物の室内の
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の表面を形成する壁紙に生じたネジ穴、ピン穴、破れ、シミ、落書き等の傷や汚れを被覆補修する壁紙補修技術に関する。
壁紙(wallpaper)は、
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あるいは
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で構成された
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で、クロス(cloth)とも呼ばれ、
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において室内の
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の下地材を保護したり装飾するための内装仕上材として用いられるもので、上記下地材表面に
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により張設されて壁や天井の表面を形成する。
ところで、壁紙の表面には、印刷加工や凹凸処理加工により種々の装飾模様が施されているところ、これら装飾模様は経時的な壁面使用や劣化等により損傷を受けたり、汚れてしまうことがある。
例えば、壁掛け用フックや画鋲の使用後に残るネジ穴やピン穴により壁紙が損傷を受けたり、壁紙自体に破れを生じたり、あるいは食べ物や液体によるシミや落書き等により壁紙表面の装飾模様が汚れてしまう場合などであり、このような損傷や汚れにより、壁紙はその本来的機能である下地材の保護機能や装飾機能を損なってしまうことがある。
これらの損傷や汚れが激しい場合には壁紙自体の張り替えを余儀なくされるが、比較的小さな損傷や汚れについては、これらを補修することで壁紙の修復が図られている。
この壁紙を補修する手段としては、従来、液体またはペースト状の補修剤が一般に用いられており(例えば特許文献1、2、3参照)、これら補修剤による補修作業に際しては、まず、補修対象となる壁紙の色に合わせて補修剤を混合調整し、この調整した補修剤を刷毛やヘラ等の補修用具を用いて壁紙の被補修箇所に塗布または塗着し、この塗布または塗着した補修剤が乾燥するまで一定時間放置しておくというものであった。
特開平10−259365 特開2000−319605 特開2007−92443
しかしながら、このような補修剤による補修作業には、上記のごとく刷毛やヘラ等の補修用具を別途必要とするとともに、補修用具を用いた作業にはある程度の熟練を要して、補修箇所がかえって目立ってしまう等、仕上り状態に個人差が出やすいという問題がった。
また、補修剤が液体またはペースト状であるため作業者の手を汚しやすく、さらに補修剤が乾燥するまである程度の時間を要するため、作業完了まで時間がかかり、乾燥途中で補修箇所に触れて補修効果を損なうおそれもあった。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、補修材を取扱い易い補修材テープの形態として操作容易なケース内に収納することにより、刷毛やヘラ等の補修用具が不要で作業者の手を汚すこともなく、作業が容易かつ安定して行え、しかも均一で良好な仕上り状態を得ることができる壁紙補修具を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明の壁紙補修具は、建築物の室内の
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の表面を形成する壁紙に生じたネジ穴、ピン穴、破れ、シミ、落書き等の傷や汚れを被覆補修する壁紙補修具であって、片手による手持ち操作可能なケースと、このケース内に回転可能に装着されて、補修材テープを繰り出し可能に巻装した繰出リールと、上記ケース内に回転可能に装着されて、使用後の補修材テープを巻き取り回収する巻取リールと、この巻取リールおよび上記操出リールを相互に連動回転させる連動機構と、上記繰出リールおよび巻取リールにおける補修材テープの繰出速度および巻取速度を同期させるクラッチ機構と、上記ケースの先端部に配設されて、上記繰出リールから繰り出される補修材テープを壁紙の被補修部上に加圧転写する転写ヘッドとを備えてなり、上記補修材テープは、基材テープの表面に薄膜状の補修膜が剥離可能に保持される構造を備え、上記転写ヘッドは、上記補修材テープを加圧転写する先端加圧部が壁紙表面の凹凸形状に対応して弾性変形する特性を発揮する弾性変形手段を備えることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記補修材テープは、基材テープの表面に、感圧接着性を有する補修塗料層が剥離可能に保持されて、上記補修膜が形成されている。
(2)上記補修材テープは、基材テープの表面に、剥離剤層、補修塗料層および感圧接着剤層が順次積層されて、上記補修膜が形成されている。
(3)上記補修塗料層は、ドライタイプの塗料からなる。
(4)上記弾性変形手段は、上記転写ヘッドの母材が上記特性を有する弾性材料から構成されてなる。
(5)上記弾性変形手段は、上記転写ヘッドのヘッド本体の母材よりも柔軟な弾性材料からなる弾性変形部が上記ヘッド本体の一部に一体結合されてなる。
(6)上記弾性変形部は、少なくとも上記ヘッド本体の先端部に一体結合されて、補修材テープを加圧転写する上記先端加圧部を形成している。
(7)上記弾性変形部は、上記ヘッド本体を構成する母材部と前後方向へ交互に複数箇所に一体結合されてなることを特徴とする。
(8)上記弾性変形手段は、上記ヘッド本体の母材と異なる弾性材料からなる弾性変形部がヘッド本体の先端部に取外し可能に設けられてなり、この弾性変形部の一部が補修材テープを加圧転写する上記先端加圧部を形成している。
(9)上記弾性変形手段は、上記ヘッド本体の母材と同一材料からなる弾性変形部がヘッド本体の先端部に一体形成されてなり、この弾性変形部の一部が補修材テープを加圧転写する先端加圧部を形成している。
(10)上記弾性変形部は、その内部に中空部分を有する弾性変形可能な枠体構造を備えている。
(11)上記弾性変形部は、上記ヘッド本体と平行に延びる薄肉板状の変形部本体と、この変形部本体の先端に所定の傾斜角度をもって一体形成された薄肉板状のテープ案内部とからなる。
(12)上記弾性変形部は、骨組み部材から一体形成された弾性変形可能な骨組み構造を備えてなる。
(13)上記弾性変形手段は、上記ヘッド本体の母材と同一材料からなる弾性変形部がヘッド本体の基端側部位に一体形成されてなる。
(14)上記弾性変形部は、上記ヘッド本体よりも小さな断面積を有している少なくとも一本の直線棒から形成されている。
(15)上記弾性変形部は、上記ヘッド本体よりも小さな断面積を有するジグザグ構造を備えている。
(16)上記ヘッド本体が上記ケースのヘッド保持部に軸心まわりに回転可能に取付けられた回転ヘッド構造を備えてなる。
(17)上記ヘッド本体の回転方向位置を位置決め操作する回転操作部を備え、この回転操作部は、上記ヘッド本体のテープ加圧転写姿勢を示すヘッド姿勢表示部を兼務する構成とされている。
(18)上記回転操作部は、上記ヘッド本体のテープ加圧転写姿勢と関連付けて設けられた操作レバーを備えてなり、この操作レバーは、壁紙補修具のケースに貫設されたスリット状の操作案内部を介して、上記ケースの外部に突出状に臨んでいる。
(19)上記スリット状の操作案内部は、上記操作レバーの回転方向操作範囲を規制して、上記ヘッド本体のテープ加圧転写姿勢を制御する構造とされている。
(20)上記ヘッド本体がヘッド保持部に固定的に取付けられた固定ヘッド構造を備えてなる。
(21)上記ヘッド本体の先端加圧部は、上記ケースの把持面に対してほぼ平行に延びる直線状端縁の形態とされている。
(22)上記ケースに、被補修部に被覆転写された補修膜を均一に押圧するための押圧ローラが自由回転可能に設けられている。
(23)上記押圧ローラは、弾性材料からなるとともに、円筒押圧面を有する弾性円筒ローラの形態とされている。
(24)上記押圧ローラは、硬質材料の本体表面部に弾性材料からなる弾性表面層が形成されてなるとともに、円筒押圧面を有する弾性円筒ローラの形態とされている。
(25)上記繰出リールおよび巻取リールを備えるテープカートリッジが、上記ケース内に直接的に装着されてなる使い切りタイプである。
(26)上記繰出リールおよび巻取リールを備えるテープカートリッジが、上記ケース内に取外し交換可能に装着されて、補修材テープの交換が可能なリフィルタイプである。
本発明の壁紙補修具によれば、片手による手持ち操作可能なケースと、このケース内に回転可能に装着されて、補修材テープを繰り出し可能に巻装した繰出リールと、上記ケース内に回転可能に装着されて、使用後の補修材テープを巻き取り回収する巻取リールと、この巻取リールおよび上記操出リールを相互に連動回転させる連動機構と、上記繰出リールおよび巻取リールにおける補修材テープの繰出速度および巻取速度を同期させるクラッチ機構と、上記ケースの先端部に配設されて、上記繰出リールから繰り出される補修材テープを壁紙の被補修部上に加圧転写する転写ヘッドとを備えてなり、上記補修材テープは、基材テープの表面に薄膜状の補修膜が剥離可能に保持される構造を備え、上記転写ヘッドは、上記補修材テープを加圧転写する先端加圧部が壁紙表面の凹凸形状に対応して弾性変形する特性を発揮する弾性変形手段を備えるから、以下に列挙するような種々の優れた特有の効果が発揮され、刷毛やヘラ等の補修用具が不要で作業者の手を汚すこともなく、作業が容易かつ安定して行え、しかも均一でかつ良好な仕上り状態を得ることができる壁紙補修具を提供することができる。
(1)補修材テープが基材テープの表面に薄膜状の補修膜が剥離可能に保持される構造を備え、片手による手持ち操作可能なケース内に、補修材テープを繰り出し可能に巻装した繰出リールと、使用後の補修材テープを巻き取り回収する巻取リールとが連動可能に設けられるとともに、上記ケースの先端部に、上記繰出リールから繰り出される補修材テープを壁紙の被補修部上に加圧転写する転写ヘッドが設けられてなるから、従来この種作業の必需品であった刷毛やヘラ等の補修用具を使用することなく、壁紙の補修を行うことができる。
すなわち、壁紙補修具のケースを片手で把持して、ケース先端部の転写ヘッドを壁紙の被補修部(例えば、ネジ穴、ピン穴、破れ、シミ、落書き等の傷や汚れ)に密着状に押し当て、そのままケースを壁紙表面に沿って移動させることで、補修材テープの補修材が剥離して上記被補修部上に転写され、これにより、被補修部を被覆補修することができる。
換言すれば、本発明の壁紙補修具の構造を備えることにより、補修膜が極薄の薄膜状であっても容易に取り扱うことができる。
(2)上記補修材テープとして、補修対象となる壁紙の色彩、模様等と同一または類似の色彩、模様等を表現する補修膜を備えたものを選択使用することにより、補修膜により補修された部位が周囲の壁紙の色彩、模様等と一体となって壁紙に良くなじみ、補修された痕跡が視覚的に残り難い。
(3)上記補修材テープ上の上記補修膜が極薄の薄膜(厚さ約10〜60μm、図示の実施形態においては厚さ約19〜29μm程度)の形態とされていることにより、被補修部上に転写された補修膜は、厚みという点でも壁紙によくなじみ、上記(2)の効果との相乗効果により、補修された痕跡が残らないばかりか、壁紙の凹凸模様もリアルに再現することができる。
換言すれば、補修膜が極薄(薄膜)であるため、壁紙の被補修部表面上に転写された際に、壁紙表面との境界部分つまり補修膜の外周輪郭の部位に生じる段差が極めて小さくて、物理的に壁紙表面とほぼ面一状態となり、このため視覚的にはもちろん触覚的にも確認され難く、あたかも補修膜による補修がなされていないような感覚を第三者に与え、さらには補修膜が壁紙の凹凸模様にも忠実に沿う結果、凹凸模様の凹凸度が補修膜の存在により減少したり消滅したりすることはなく、壁紙本来の凹凸模様がそのまま補修膜の表面に現れる。
(4)さらに、補修膜による補修幅は、転写ヘッドおよび補修膜の幅寸法の変更により自由に設定可能であり、特に必要最小限度の補修幅とすることで、補修膜が極薄(薄膜)である点(段差が生じない)と相まって、補修された部分がさらに視覚的に目立たなくなり、第三者をしてあたかも補修していないような状態がより顕著となる。
(5)上記(1)のごとく、片手に把持した壁紙補修具の転写ヘッドを壁紙の被補修箇所に押し当てながら、壁紙補修具を壁紙表面に沿って移動させるだけで、被補修箇所を被覆補修することができるため、壁紙補修具の取扱いが簡単かつ容易で、補修作業にも熟練を要せず、老若何女を問わず、仕上り状態に個人差も出にくく均一でかつ良好な仕上り状態(補修効果)が得られる。
(6)上記(1)のごとく、作業者は、壁紙補修具を片手に把持した状態で補修作業を行うため、補修材テープに直接手を触れることはなく、従来の液体またはペースト状の補修剤のように作業者の手を汚すことがない。
(7)補修材テープが、例えば、基材テープの表面に、感圧接着性を有する補修塗料層が剥離可能に保持されて、補修膜が形成されてなる形態とされるとともに、補修塗料層が転写後直ちに手を触れることができるドライタイプのものが採用されることにより、転写と同時に補修作業が完了する。
したがって、従来の補修剤による補修作業のように、補修剤が乾燥するまである程度の時間を要して、乾燥途中で補修された部位に触れて補修効果を損なってしまうというおそれもない。
(8)上記ケースに、被補修箇所に被覆転写された補修膜を均一に押圧するための押圧ローラが自由回転可能に設けられていることにより、被補修部上に転写された補修膜を均一に押圧して、補修膜の転写塗着性を向上することができる。これにより、転写された補修膜の外周輪郭と壁紙の表面との境界が外観的にぼかされて、補修膜表面と壁紙表面とが自然に連続するような仕上がり感を得ることができる。
(9)特に、上記押圧ローラが、弾性材料からなるとともに、円筒押圧面を有する弾性円筒ローラの形態とされていることにより、上記(8)の効果がより有効に発揮されて、転写された補修膜の壁紙に対するなじみ度がさらに増して、壁紙の凹凸模様もよりリアルに再現することができる。
(10)上記押圧ローラが上記ケースに設けられていることにより、補修作業の最終段階において必要に応じて行われる、補修膜を壁紙に確実に密着させるための押圧作業を、手指を直接触れずに上記押圧ローラにより実行できるから、補修膜表面が手指による手垢等によって汚染されるおそれはない。
本発明の実施形態1である壁紙補修具を示す斜視図である。 同壁紙補修具のケース本体内部を示す正面図である。 同壁紙補修具の図2のIII-III線に沿った断面図である。 同壁紙補修具を用いた壁紙の補修作業の説明図である。 同壁紙補修具の使用説明図で、図5(a)は同壁紙補修具による壁紙の被補修箇所を示す正面図、図5(b)は同補修箇所が壁紙補修具の補修材で被覆補修される状態を示す正面図である。 本発明の実施形態2である壁紙補修具を示す斜視図である。 同壁紙補修具のケース本体内部を示す正面図である。 同壁紙補修具の転写ヘッドの要部を示し、図8(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図8(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図8(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 同壁紙補修具の使用説明図で、図9(a)は同壁紙補修具による壁紙の被補修箇所を示す正面図、図9(b)は同補修箇所が壁紙補修具の補修材で被覆補修される状態を示す正面図である。 本発明の実施形態3である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図10(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図10(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図10(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態4である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図11(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図11(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図11(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態5である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図12(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図12(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図12(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態6である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、鵜13(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図14(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図13(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態7である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図14(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図14(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図14(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態8である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図15(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図15(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図15(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態9である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図16(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図16(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図16(c)は同ヘッド本体の弾性変形構造を拡大して示す側面図である。 本発明の実施形態10である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図17(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図17(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図17(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態11である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図18(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図18(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図18(c)は同ヘッド本体の弾性変形構造を拡大して示す側面図である。 本発明の実施形態12である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図19(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図19(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図19(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態13である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図20(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図20(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図20(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態14である壁紙補修具における転写ヘッドの要部を示し、図21(a)は弾性変形構造を備えるヘッド本体の斜視図、図21(b)は同じく同ヘッド本体の平面図、図21(c)は同じく同ヘッド本体の側面図である。 本発明の実施形態15である壁紙補修具を示す斜視図である。 同壁紙補修具のケース本体内部を示す正面図である。 同壁紙補修具を分解して示す斜視図である。 同壁紙補修具の転写ヘッドの回転構造を一部断面で示す拡大側面図である。 同壁紙補修具の使用説明図で、図26(a)は第1の使用状態、図26(b)第2の使用状態、図26(c)は第3の使用状態および図26(d)は第4の使用状態をそれぞれ示す斜視図である。 本発明の実施形態16である壁紙補修具のテープカートリッジを分解して示す斜視図である。 本発明の実施形態17である壁紙補修具を分解して示す斜視図である。 本発明の実施形態18である壁紙補修具を分解して示す斜視図である。 本発明の実施形態19である壁紙補修具を示し、図30(a)は正面図、図30(b)は背面図である。 同壁紙補修具の押圧ローラの取付構造を示し、図31(a)は、ケース本体内部を示す正面図、図31(b)は図3に対応した断面図である。 同壁紙補修具の使用説明図で、図32(a)は同壁紙補修具の補修材により壁紙の被補修箇所を被覆補修する状態示す正面図、32(b)は同被補修された補修テープを押圧ローラにより押圧処理して仕上げる状態を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
本発明に係る壁紙補修具を図1〜図5に示し、この壁紙補修具1は、具体的には、建築物の室内の
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の表面を形成する壁紙Wに生じたネジ穴、ピン穴、破れ、シミ、落書き等の傷や汚れを被覆補修するために使用されるものであって、片手による手持ち操作可能なケース2内に、補修材テープTを繰出し可能に巻装した繰出リール3と使用後の補修材テープT´を巻き取り回収する巻取リール4とが回転可能に装着されるとともに、上記ケース2の先端部に、上記繰出リール3から繰り出される補修材テープTの薄膜状の補修膜Fを被補修箇所(被補修部)P上に加圧転写する転写ヘッド5が突設されてなる。
また、上記両リール2、3は、連動機構6により相互に連動可能に連係された自動巻取り式とされるとともに、クラッチ機構7により繰出リール3と巻取リール4における補修材テープT(T´)の繰出速度および巻取速度が同期する構成とされている。
ケース2は、図示のごとく、上記両リール2、3を内装し得る正面輪郭形状寸法と幅寸法を備える偏平な箱状とされるとともに、具体的なケース2の外周形状寸法は、上記転写ヘッド5により補修材テープTの加圧転写動作を行うに際して、人間工学的にケース2を手持ち操作可能なように設計されている。
このケース2は射出成形等により一体成形されたプラスチック製のもので、ケース本体2aとキャップ体2bとからなる分割構造とされている。このケース2の先端部には、上記転写ヘッド5を内外に挿通するヘッド挿通部8が形成される。
上記連動機構6は、上記両リール2、3の外周部に設けられた駆動歯車9と従動歯車10が互いに噛合されてなる。
具体的には、図2および図3に示すように、駆動歯車9は、ケース2内に一体形成された支軸11に自由回転可能に軸支されるとともに、この駆動歯車9の円筒ボス部12の外周に、補修材テープTを巻装した繰出リール3の繰出円筒13が後述する摩擦部材18を介して相対回転可能に軸支されている。
一方、上記従動歯車10は、ケース2内に一体形成された支軸30に自由回転可能に軸支されるとともに、この従動歯車10の側部に上記巻取リール4が一体形成されている。
そして、上記駆動歯車9と従動歯車10が図示のごとく互いに噛合されることにより、上記繰出リール3と巻取リール4が相互に連動する自動巻取り式とされている。
これに関連して、駆動歯車9は、上記円筒ボス部12とリム部14が4本のスポーク15、15、…により同軸状に一体形成されるとともに、相対向する一対のスポーク15、15には、先端に係止爪16aを有する一対の円弧状ラチェットアーム16、16が形成されている。
そして、上記ラチェットアーム16、16の弾性により、係止爪16a、16aが、ケース本体2aの内面に円環状に一体形成された多数の爪部17、17、…に弾発的に係脱可能に係合して、上記繰出リー2と巻取リール4の自由回転を防止している。
また、上記クラッチ機構7は繰出リール3の回転支持部に設けられている。具体的には、上記繰出リール3は、その繰出円筒13が上記駆動歯車9の円筒ボス部12に相対回転可能に軸支され、これら円筒ボス部12の円筒外周と繰出円筒13の円筒内周との間に、前述した弾性を有する環状の摩擦部材18が摩擦係合した状態で介装されてなる。
そして、繰出リール3から繰り出される補修材テープTは、ケース2内に一体形成された案内ピン31を介して、上記転写ヘッド5の片側テープ走行面に沿って先端加圧部5aへ案内された後、この先端加圧部5aを経由して反転され、使用後の補修材テープT´(後述)として、さらに反対側テープ走行面に沿って案内されて、転写ヘッド5の後端部の楕円筒案内部5bを経て上記巻取リール4に巻回される。
この場合、繰出リール3と巻取リール4は上記連動機構6により相互に連動して回転するとともに、繰出リール3と巻取リール4における補修材テープT(T´)の繰出速度と巻取速度は上記クラッチ機構7により同期される。
すなわち、壁紙補修具1の使用に伴い、経時的に、繰出リール3における補修材テープTの外径が次第に小さくなるのに反して、巻取リール4における補修材テープT´の外径は次第に大きくなる一方、上記繰出リール3と巻取リール4の回転比(上記連動機構6の歯車比に対応)は常に一定である。このため、巻取リール4のテープ巻取速度は繰出リール3のテープ繰出速度に比較して経時的に速くなり、その結果、補修材テープT(T´)にかかる張力も経時的に増していくところ、上記クラッチ機構7の同期作用によりこれら両速度が同期されて、補修材テープT(T´)にかかる張力もほぼ一定に保持される。なお、クラッチ機構7の具体的構成は、同一機能を有する他の構成に変更可能である。
補修材テープTは、補修材を取扱い易いテープの形態としたもので、基材テープT´の表面に薄膜状の補修膜Fが剥離可能に保持される構造を備えてなる。
補修材テープTの具体的構造としては、(i)基材テープT´の表面に、感圧接着性を有する補修塗料層が剥離可能に保持されて、上記補修膜Fが形成される構造、(ii)基材テープT´の表面に、剥離剤層、補修塗料層および感圧接着剤層が順次積層されて、上記補修膜Fが形成される構造が好適に採用される。
図示の実施形態の補修材テープTとしては、ポリエステルフィルム、アセテートフィルム等からなるフィルム状のプラスチック製基材テープT´(厚さ約4〜60μm、図示の実施形態においては厚さ12μm程度)の表面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、低分子ポリエチレン等からなる剥離剤層が形成され、その上に補修塗料層が形成され、さらにその上に加圧接着性を有するポリウレタン等からなる感圧接着剤層が施されてなるものが使用され、上記補修塗料層と感圧接着剤層が転写膜としての薄膜状の補修膜F(厚さ約10〜60μm、図示の実施形態においては厚さ約19〜29μm程度)を形成している。また、上記補修塗料層としては、転写後直ちに手を触れることができるドライタイプの塗料からなるものが採用されている。
上記補修膜Fは、補修対象となる壁紙Wの模様や色彩に対応したものが選択的に採用され、具体的には、各種壁紙Wの模様や色彩に対応した模様や色彩を有する複数種類の補修膜Fの補修材テープTが予め用意され、これのいずれかが対象となる壁紙のWの模様や色彩に対応して選択的に使用される。
ちなみに、本実施形態の壁紙補修具1の主たる補修対象は、壁紙Wに生じた破れ、シミ、落書き等の小さな傷や汚れであることから、通常は、壁紙Wの地色に近い色彩を有する単色の補修膜Fの補修材テープTが選択使用されることで、被補修箇所P上に転写された補修膜Fは壁紙の模様や色彩によくなじみ、視覚的に目立たない。
転写ヘッド5は、繰出リール3から繰り出される補修材テープTを壁紙の被補修部上に加圧転写するもので、上記ケース2の先端部に突出して設けられており、補修材テープTを案内する機能と加圧する機能を兼備する。
転写ヘッド5は、具体的には、ヘッド本体20と取付部21とからなるとともに、壁紙の補修に適した特性を発揮する弾性変形構造(弾性変形手段)25を備える。
ヘッド本体20は、所望の被補修個所(被補修部)P、例えば図5(a)に示すように、壁紙Wに生じた小さな破れ、シミ、落書き等の傷や汚れを的確に被覆隠蔽するのに適した形状とされている。
図示の実施形態のヘッド本体20は、補修材テープTよりも若干幅広の矩形状を有する薄肉の板状体とされるとともに、図2に示すように、その先端部分が、側面から見てある程度尖った形状、つまり先端に向けて次第に薄くなるような先細のテーパ形状断面を有してなる。
また、ヘッド本体20の平坦な両側面20a、20bは、補修材テープT(T´)を走行案内するテープ走行面を形成するとともに、ヘッド本体20の先端は、補修材テープTを加圧する先端加圧部5aとされている。この先端加圧部5aは、上記テープ走行面20a、20bにおけるテープ走行方向に直交する直線縁の形態とされている。ヘッド本体20の両側縁には、補修材テープTの走行を案内するガイドフランジ22、22が形成されている。
取付部21は、図2に示すように楕円筒形状とされて、その断面楕円形状の内径穴21aがケース本体2aの内面に一体形成された断面楕円形状の支持ピン44aに嵌合固定されて、これによりヘッド本体20の基端部がケース本体2aつまりケース2に固定的に取り付けられている。また、上記取付部21の楕円筒外周面は、上述したように、使用後の補修材テープT´を走行案内する楕円筒案内部5bを形成している。
弾性変形構造(弾性変形手段)25は、転写ヘッド5の先端加圧部5aが壁紙表面の凹凸形状に対応して弾性変形する特性を発揮するためのものである。この目的のため、弾性変形構造25には、以下の設計条件を満たすことが求められる。
転写される補修膜Fは極薄の薄膜状で強度的に非常に弱いものであるが、転写対象となる面が平坦面であれば、転写ヘッド5の先端加圧部5aがある程度硬くても、加圧転写により破れることなく確実に密着状態で転写することができる。
しかしながら、補修対象である壁紙Wは平坦でなく凹凸の多い表面を有する。つまり、壁紙Wの場合、壁面を構成する下地材表面は本来的に多数の大小さまざまな凹凸があるため、壁面に張設する際にこれらの凹凸面を壁紙Wの表面がそのまま拾ってしまい、また壁紙W自体の材質からくる多数の小さな凹凸もあり、さらには壁紙Wの凹凸模様による凹凸もあり、壁紙Wの表面には大小さまざまな凹凸が多数存在する。したがって、このように多数の凹凸を有する壁紙Wの表面に対しては、補修膜Fが忠実に凹凸に沿って密着できないと、転写ムラが生じて、一部が浮いてしまう傾向があり、これらの浮いた部分は転写ができない。
また、このように転写が不十分だと、補修膜の浮いた部分が基材テープT´状に残ってしまい、その結果、使用後の補修材テープT´の巻き取り回収に不具合が発生する。
これらの転写不良を防止して、確実な転写を行うためには、極薄で柔らかく弱い補修膜Fを壁紙Wの表面の多数の凹凸に忠実に沿わせて加圧する必要があり、このような条件を満たす柔軟性が転写ヘッド5の先端加圧部5aの弾性に求められる。
弾性変形構造25は、転写ヘッド5の先端加圧部5aが上記のような弾性特性を発揮できるように設計される。
図示の実施形態においては、ヘッド本体20自体の構成材料が上記弾性を発揮し得る特性を有するプラスチック材料で形成されている。
換言すれば、ヘッド本体20自体が上記弾性変形構造25を備え、その構成材料(母材)として、本来的機能である上記先端加圧部5aに上記弾性変形作用を付与するとともに、先端加圧部5aとしての加圧機能を担保し得る弾性材料が適用され、例えば、軟質プラスチック、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマーあるいはゴム状樹脂が好適に用いられる。
軟質プラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン―酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
熱可塑性エラストマとしては、例えば、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンーブタジエンゴム、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンーエチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)などが挙げられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
ゴム状樹脂としては、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリルーブタジエンゴム、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーエチルアクリレート共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、環化ゴムなどが挙げられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
なお、ヘッド本体20を構成する板状体の肉厚が比較的小さい場合には、必ずしも図示のようなテーパをもった形状とせずに、前後方向全体にわたって同一の肉厚を有する形状でも良く、要するに、上記ヘッド本体20の先端加圧部5aが上記弾性を有するとともに、的確に被補修箇所Pを位置決め指示しかつ転写被覆できる程度の厚さ(尖り度)を有する構造とされていれば良い。
次に、以上のように構成された壁紙補修具1により、建築物の室内の
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の表面を形成する壁紙Wに生じたネジ穴、ピン穴、破れ、シミ、落書き等の傷や汚れなどの被補修箇所P、一例として、図4に示すような室内の壁35に貼設された壁紙Wの被補修箇所Pを補修する場合を例にとって説明すると、ケース2を手指にて把持して、まず、壁紙補修具1の転写ヘッド5の先端加圧部5aを、壁面の壁紙Wの被補修箇所Pの開始端に密着状に押し当てて(図4(a)参照)、そのままケース2を壁紙Wの表面に沿って横方向へ引いて移動させ、被補修箇所Pの終端で停止させる(図4(b)参照)。
以上の操作により、上記転写ヘッド5の先端加圧部5aにおける補修材テープT上の補修膜Fが、上記基材テープT´から剥離して上記被補修箇所P上に加圧転写され、これにより、傷や汚れなどの被補修箇所Pが被覆補修(隠蔽)されることとなる。
この場合、1回の加圧転写動作では補修膜Fが上記被補修箇所Pを隠蔽しきれないときは、複数回重ねて補修膜Fを加圧転写する。最後に、必要に応じて、転写された補修膜Fを壁紙Wに確実に密着させるために、補修膜Fを手指にて押える(図4(c))。
しかして、例えば、図5(a)に示すように、壁紙Wの一部に小さな破れ(被補修箇所)Pが生じた場合、壁紙補修具1を用いて上記補修方法を実行することにより、上記破れPは、図5(b)に示すように、補修膜Fによって被覆補修(隠蔽)されて、壁紙Wは視覚的に破れPのない元の状態に復帰される。
なお、上記破れPが比較的大きい場合は、壁紙Wはこの破れPの部分が外側へ捲れあがってしまう傾向にある。このような場合には、本実施形態の壁紙補修具1により補修するに先立って、接着剤等により上記破れPの捲れあがった部分を壁35表面に接着させておくことが肝要である。
すなわち、図5(b)は理解を容易にするため、補修膜Fの輪郭が明確に描かれているが、実際には、補修膜Fは薄膜状のもので、その厚さは約10〜60μm(図示の実施形態においては厚さ約19〜29μm程度)であり、被補修箇所P上に転写された補修膜Fは壁紙Wによくなじみ、壁紙Wとの境界は図示のものほど明確ではなく、実際上視覚的に目立たない。
また、図5に示される壁紙Wは凹凸模様36が施されてなるが、上記補修膜Fが薄膜状であるとともに、これを加圧転写する壁紙補修具1の転写ヘッド5の先端加圧部5aが、弾性変形構造25の弾性変形作用により、壁紙W表面の凹凸形状(凹凸模様36)に追従して弾性変形するので、壁紙W表面に転写された上記補修膜Fは壁紙Wによくなじみ、上記凹凸模様36もリアルに再現される。
以上のように、本実施形態の壁紙補修具1は、片手による手持ち操作可能なケース2と、このケース2内に回転可能に装着されて、補修材テープTを繰り出し可能に巻装した繰出リール3と、上記ケース2内に回転可能に装着されて、使用後の補修材テープT´を巻き取り回収する巻取リール4と、この巻取リール4および上記操出リール3を相互に連動回転させる連動機構6と、上記繰出リール3および巻取リール4における補修材テープT(T´)の繰出速度および巻取速度を同期させるクラッチ機構7と、上記ケース2の先端部に配設されて、上記繰出リール3から繰り出される補修材テープTを壁紙Wの被補修部P上に加圧転写する転写ヘッド5とを備えてなり、上記補修材テープTは、基材テープT´の表面に薄膜状の補修膜Fが剥離可能に保持される構造を備え、上記転写ヘッド5は、上記補修材テープTを加圧転写する先端加圧部5aが壁紙W表面の凹凸形状に対応して弾性変形する特性を発揮する弾性変形構造(弾性変形手段)25を備えるから、以下に列挙するような種々の優れた特有の効果が発揮され、刷毛やヘラ等の補修用具が不要で作業者の手を汚すこともなく、作業が容易かつ安定して行え、しかも均一でかつ良好な仕上り状態を得ることができる。
(a)補修材テープTは、基材テープT´の表面に薄膜状の補修膜Fが剥離可能に保持される構造を備え、片手による手持ち操作可能なケース2内に、補修材テープTを繰り出し可能に巻装した繰出リール3と、使用後の補修材テープT´を巻き取り回収する巻取リール4とが連動可能に設けられるとともに、上記ケース2の先端部に、上記繰出リール3から繰り出される補修材テープTを壁紙Wの被補修部P上に加圧転写する転写ヘッド5が設けられてなるから、従来この種作業の必需品であった刷毛やヘラ等の補修用具を使用することなく、壁紙の補修を行うことができる。
すなわち、壁紙補修具1のケース2を片手で把持して、ケース2先端部の転写ヘッド5を壁紙Wの被補修箇所P(例えば、ネジ穴、ピン穴、破れ、シミ、落書き等の傷や汚れ)に密着状に押し当て、そのままケース2を壁紙W表面に沿って移動させることで、補修材テープTの補修材Pが剥離して上記被補修箇所P上に転写され、これにより、被補修箇所Pを被覆補修することができる。
換言すれば、本実施形態の壁紙補修具1の構造を備えることにより、補修膜Fが極薄の薄膜状であっても容易に取り扱うことができる。
(b)上記補修材テープTとして、補修対象となる壁紙Wの色彩、模様等と同一または類似の色彩、模様等を表現する補修膜Fを備えたものを選択使用することにより、補修膜Fにより補修された部位が周囲の壁紙Wの色彩、模様等と一体となって壁紙Wに良くなじみ、補修された痕跡が視覚的に残り難い。
(c)上記補修材テープT´上の補修膜Fが極薄の薄膜(厚さ約10〜60μm、図示の実施形態においては厚さ約19〜29μm程度)の形態とされていることにより、被補修箇所P上に転写された補修膜Fは、厚みという点でも壁紙Wによくなじみ、上記(b)の効果との相乗効果により、補修された痕跡が残らないばかりか、壁紙Wの凹凸模様もリアルに再現することができる。
換言すれば、補修膜Fが極薄(薄膜)であるため、壁紙Wの被補修箇所Pの表面上に転写された際に、壁紙Wの表面との境界部分つまり補修膜Fの外周輪郭の部位に生じる段差が極めて小さくて、物理的に壁紙Wの表面とほぼ面一状態となり、このため視覚的にはもちろん触覚的にも確認され難く、あたかも補修膜Fによる補修がなされていないような感覚を第三者に与え、さらには補修膜Fが壁紙Wの凹凸模様36にも忠実に沿う結果、凹凸模様36の凹凸度が補修膜Fの存在により減少したり消滅したりすることはなく、壁紙W本来の凹凸模様36がそのまま補修膜Fの表面に現れる。
(d)さらに、補修膜Fによる補修幅は、転写ヘッド5および補修膜Fの幅寸法の変更により自由に設定可能であり、特に必要最小限度の補修幅とすることで、補修膜Fが極薄(薄膜)である点(段差が生じない)と相まって、補修された部分がさらに視覚的に目立たなくなり、第三者をしてあたかも補修していないような状態がより顕著となる。
(e)上記(a)のごとく、片手に把持した壁紙補修具1の転写ヘッド5を壁紙Wの被補修箇所Pに押し当てながら、壁紙補修具1を壁紙Wの表面に沿って移動させるだけで、被補修箇所Pを被覆補修することができるため、壁紙補修具1の取扱いが簡単かつ容易で、補修作業にも熟練を要せず、老若何女を問わず、仕上り状態に個人差も出にくく均一でかつ良好な仕上り状態(補修効果)が得られる。
(f)上記(a)のごとく、作業者は、壁紙補修具1を片手に把持した状態で補修作業を行うため、補修材テープTに直接手を触れることはなく、従来の液体またはペースト状の補修剤のように作業者の手を汚すことがない。
(g)補修材テープTが、例えば、基材テープT´の表面に、感圧接着性を有する補修塗料層が剥離可能に保持されて、補修膜Fが形成されてなる形態とされるとともに、補修塗料層が転写後直ちに手を触れることができるドライタイプのものが採用されることにより、転写と同時に補修作業が完了する。
したがって、従来の補修剤による補修作業のように、補修剤が乾燥するまである程度の時間を要して、乾燥途中で補修された部位に触れて補修効果を損なってしまうというおそれもない。
実施形態2
本実施形態は図6〜図9に示されており、ケース2の形状および転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の壁紙補修具40は、その補修作業が人間工学的にケース2を手持ち操作可能なように、具体的には、筆記具感覚で線を横に引くようにケース2を移動させる方式が採用されている。
ケース2は、図示のごとく、繰出リール3と巻取リール4を内装し得る正面輪郭形状寸法と幅寸法を備える偏平な箱状とされるとともに、その対向する一対の扁平な表裏面2A、2Bが手持ち操作時の基準的な把持面とされている。このケース2は実施形態1と同様に射出成形等により一体成形されたプラスチック製のもので、ケース本体2aとキャップ体2bとからなる分割構造とされている。また、ケース2の先端部には、転写ヘッド5を内外に挿通するヘッド挿通部8が形成される。
上記ケース2の先端部に突出して設けられる転写ヘッド5は、具体的には、ヘッド本体20と取付部43とからなるとともに、壁紙補修に適した特性を発揮する弾性変形構造(弾性変形手段)45を備える。
ヘッド本体20の基本構成、つまり所望の被補修個所(被補修部)P、例えば図9(a)に示すように、壁紙Wに生じた破れ、シミ、落書き等の傷や汚れ(被補修箇所)Pを的確に被覆補修(隠蔽)するのに適した形状とされている点は、図7および図8に示すように実施形態1と同様である。
取付部43は、図7に示すように、ヘッド本体20の基端部両側位置に設けられた円筒部43aと係止凹部43bを有し、上記円筒部43aがケース本体2aの内面に一体形成された支持ピン44aに挿入係止されるとともに、上記係止凹部43bがケース本体2aの内面側部に一体形成された係止凸部44bに嵌合係止されて、これにより、ヘッド本体20の基端部がケース本体2aつまりケース2に取付固定されている。
このヘッド本体20の取付状態において、その先端加圧部5aは、上記ケース2の把持面2A、2Bに対してほぼ平行に延びる直線状端縁の形態とされ、補修材テープTをケース2の把持面2A、2Bに対しほぼ正対させて、つまり、補修材テープTの表裏面がケース2の把持面2A、2Bとほぼ同一方向に向くように、補修材テープTを案内する。
すなわち、図7に示すように、繰出リール3から繰り出される補修材テープTは、転写ヘッド5の手前において、ケース2内に一体形成された案内ピン46により角度90°だけ捻転されて、上記転写ヘッド5の片側テープ走行面20aに沿って先端加圧部5aへ案内された後、この先端加圧部5aを経由して反転され、使用後の補修材テープT´として、さらに反対側テープ走行面20bに沿って案内された後、ケース2内に一体形成された案内ピン47により上記捩転を元に戻されるか、またはさらに角度90°だけ捻転されて、上記巻取リール4に巻回される。つまり、上記一対の案内ピン46、47は補修材テープT(T´)を捻転するための捻転機構を構成している。
弾性変形構造(弾性変形手段)45は、具体的には、上記ヘッド本体20の母材であるプラスチックと異なる弾性材料からなる弾性変形部50がヘッド本体の一部に一体結合されてなる。
図示の実施形態の弾性変形部50は、ヘッド本体20の先端部にヘッド成形時またはヘッド成形後に一体結合されて、補修材テープTを加圧転写するヘッド先端縁つまり上記先端加圧部5aを形成している。
弾性変形部50の構成材料としては、本来的機能である弾性変形材料として適したものであることはもちろん、先端加圧部5aとしての加圧機能を担保し得るものであることが要求され、具体的には、上記ヘッド本体20の母材よりも柔軟な弾性材料が使用され、例えば、軟質プラスチック、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマーあるいはゴム状樹脂が好適に用いられる。図示の実施形態においては、これらの材料からなる弾性変形部50が、例えば二色成形によりヘッド本体20の母材と一体結合されている。
軟質プラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン―酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
熱可塑性エラストマとしては、例えば、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンーブタジエンゴム、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンーエチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)などが挙げられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
ゴム状樹脂としては、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリルーブタジエンゴム、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーエチルアクリレート共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、環化ゴムなどが挙げられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
また、図示の弾性変形部50は、上記先端加圧部5aに平行な所定幅を有する帯状とされているが、必ずしもこのような構造でなくても良く、例えばヘッド本体20の母材部分との接合強度を高めるため、この接合面が凹凸断面を有する構造とされても良い。さらに、弾性変形部50は、図示のようにヘッド本体20の先端部に一体結合されて、補修材テープTを加圧転写する上記先端加圧部5aを形成する他、ヘッド本体20の先端部が母材で形成されるとともに、この先端部の基部を構成する場合など、ヘッド本体20の一部に一体結合されて、先端加圧部5aの弾性変形作用が得られる他の構造としても良く、この場合の弾性変形部50の構成材料としては、本来的機能である弾性変形材料として適したものであれば採用可能である。
しかして、以上のように構成された壁紙補修具1により、例えば、図9(a)に示すように、壁紙Wの一部に生じた破れ(被補修箇所)Pを実施形態1で説明した補修方法(図4参照)により補修するには、図9(b)に示すように、ケース2を筆記具のような姿勢で把持して、転写ヘッド5の先端加圧部5aを、壁面の壁紙Wの被補修箇所Pに密着状に押し当て、そのままケース2を壁紙Wの表面に沿って横方向へ引いて移動させる。
以上の操作により、上記転写ヘッド5の先端加圧部5aにおける補修材テープT上の補修膜Fが、基材テープT´から剥離して上記被補修箇所P上に加圧転写され、これにより、上記破れPが被覆補修(隠蔽)されて、壁紙Wは視覚的に破れPのない元の状態に復帰される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態3
本実施形態は図10に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5は、弾性変形構造55を構成する弾性変形部56が、ヘッド本体20を構成する母材部と前後方向へ交互に複数箇所に一体結合されてなる。
弾性変形部56は、具体的には、ヘッド本体20の母材部と前後方向へ交互に複数箇所(図示の場合は3箇所)に一体結合されてなる。弾性変形部56の構成材料としては、実施形態2と同様、上記ヘッド本体20の母材であるプラスチックと異なる弾性材料、具体的には、上記ヘッド本体20の母材よりも柔軟な弾性材料が使用され、例えば、軟質プラスチック、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマーあるいはゴム状樹脂が好適に用いられる。図示の実施形態の弾性変形部56は、例えば二色成形によりヘッド本体20の母材と一体結合されている。
また、弾性変形構造60は、図示のようにヘッド本体20の先端部を始めとして母材部と交互に一体係合される他、ヘッド本体20の先端部が母材で形成され、この先端部の基部を弾性変形材料(弾性材料)とされ、この部分を始めとして母材部と前後方向へ交互に複数箇所に一体係合される構成としても良い。
しかして、このような構成とされることにより、転写ヘッド5のヘッド本体20は、より大きな弾性変形機能を付与されるとともに、ヘッド本体20の先端側全体が適度の弾性を有することとなる。
その他の構成および作用は実施形態1または実施形態2と同様である。
実施形態4
本実施形態は図11に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)60は、ヘッド本体20の母材と異なる弾性材料からなる弾性変形部61がヘッド本体20の先端部に取外し可能に設けられてなり、この弾性変形部61の一部が補修材テープTを加圧転写するヘッド先端縁つまりヘッド先端加圧部5aを形成している。
具体的には、弾性変形部61は、実施形態2と同様、上記ヘッド本体20の母材であるプラスチックと異なる弾性材料からなり、本来的機能である弾性変形材料として適したものであることはもちろん、先端加圧部5aとしての加圧機能を担保し得るものであることが要求され、具体的には、上記ヘッド本体20の母材よりも柔軟な弾性材料が使用され、例えば、軟質プラスチック、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマーあるいはゴム状樹脂が好適に用いられる。
弾性変形部61は、図示のごとく断面菱形の前後対称形状とされて、その一方の対向頂部が上記先端加圧部5aをそれぞれ形成する構造とされている。これに対応して、ヘッド本体20の先端部には、弾性変形部61の断面形状に対応した断面を有する保持溝62が形成されて、この保持溝62に、弾性変形部61が側方向へ抜き差し可能に保持されている。
しかして、このような構成とされることにより、転写ヘッド5のヘッド本体20の先端加圧部5aは、より大きな弾性変形機能を付与されるとともに、ヘッド本体20の先端側全体が適度の弾性を有することとなる。
また、弾性変形部61が断面菱形の前後対称形状とされるとともに、ヘッド本体20の保持溝52に側方向へ抜き差し可能に保持されているため、壁紙補修具1の使用経過に伴って、先端加圧部5aが経時的に磨耗した場合にも、弾性変形部61を保持溝52から一旦抜き出して、その前後位置を逆転してから再度保持溝52に差し込み装着することにより、新たな先端加圧部5aを形成することができる。
その他の構成および作用は実施形態1または実施形態2と同様である。
実施形態5
本実施形態は図12に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)65は、ヘッド本体20の母材と同一材料からなる弾性変形部66がヘッド本体20の先端部に一体形成されてなり、この弾性変形部66の一部が上記先端加圧部5aを形成している。
具体的には、弾性変形部66は、その内部に中空部分を有する弾性変形可能な枠体構造を備えてなり、図示のものにおいては、ほぼ菱形断面の輪郭形状を有する枠体構造とされ、その先端縁が上記先端加圧部5aとされている。枠体構造における輪郭形状および枠体の肉厚は、本来的機能である弾性変形機能と、先端加圧部5aとしての加圧機能を担保し得るように設計される。
その他の構成および作用は実施形態1または実施形態2と同様である。
実施形態6
本実施形態は図13に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)70は、実施形態5と同様、ヘッド本体20の母材と同一材料からなる弾性変形部71がヘッド本体20の先端部に一体形成されてなり、この弾性変形部71の一部が上記先端加圧部5aを形成している。
具体的には、弾性変形部71は、実施形態5の枠体構造を若干改変したものであり、ほぼ三角形断面の輪郭形状を有する外枠の内部に補強部材が設けられた枠体構造とされるとともに、その先端縁がある程度の丸みを帯びた先端加圧部5aとされている。
その他の構成および作用は実施形態5と同様である。
実施形態7
本実施形態は図14に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)75は、実施形態5および6と同様、ヘッド本体20の母材と同一材料からなる弾性変形部76がヘッド本体20の先端部に一体形成されてなり、この弾性変形部76の一部が上記先端加圧部5aを形成している。
具体的には、弾性変形部76は、変形部本体76aとテープ案内部76bとからなる。変形部本体76aは、ヘッド本体20と平行に延びる薄肉板状のもので、その先端部が図示のごとく若干上方へ湾曲されている。また、テープ案内部76bは、この変形部本体76aの湾曲した先端に所定の傾斜角度をもって一体形成された薄肉板状のものである。テープ案内部76bは、その先端部分が図示のごとく下方へ湾曲されるとともに、その先端縁が上記先端加圧部5aとされている。弾性変形部76における上記構成部材76aおよび76bの形状寸法は、本来的機能である弾性変形機能と、先端加圧部5aとしての加圧機能を担保し得るように設計される。
その他の構成および作用は実施形態5と同様である。
実施形態8
本実施形態は図15に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)80は、実施形態7が若干改変されたもので、具体的には、弾性変形部81が、変形部本体81aと一対のテープ案内部81b、81bとからなる。
変形部本体81aは、ヘッド本体と平行に延びる薄肉板状のものである。また、テープ案内部81bは、変形部本体81aの先端に所定の傾斜角度をもって一体形成された薄肉板状のもので、図示のものにあっては、一対のテープ案内部81b、81bが上記変形部本体81aの上下側にそれぞれ対称に延びて形成されるとともに、その結合先端縁がある程度の丸みを帯びた先端加圧部5aとされている。弾性変形部81における上記構成部材81aおよび81bの形状寸法は、本来的機能である弾性変形機能と、先端加圧部5aとしての加圧機能を担保し得るように設計される。
その他の構成および作用は実施形態7と同様である。
実施形態9
本実施形態は図16に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)85も、実施形態7が若干改変されたもので、具体的には、弾性変形部86が、変形部本体86aと一対のテープ案内部86b、86bとからなる。
変形部本体86aは、ヘッド本体と平行に延びる薄肉板状のものである。また、テープ案内部86bは、連結弾性部87を介して変形部本体86aの先端近傍に所定の傾斜角度をもって一体形成された薄肉板状のもので、図示のものにあっては、一対のテープ案内部86b、86bが上記変形部本体86aの上下側にそれぞれ対称に配置されるとともに、その先端縁がそれぞれ先端加圧部5a、5aを形成している。弾性変形部86における上記構成部材86a、86bおよび87の形状寸法は、本来的機能である弾性変形機能と、先端加圧部5aとしての加圧機能を担保し得るように設計される。
その他の構成および作用は実施形態7と同様である。
実施形態10
本実施形態は図17に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)90は、実施形態5〜9と同様、ヘッド本体20の母材と同一材料からなる弾性変形部91がヘッド本体20の先端部に一体形成されてなり、この弾性変形部91の一部が上記先端加圧部5aを形成している。
具体的には、弾性変形部91は、骨組み部材から一体形成された弾性変形可能な骨組み構造を備えてなり、図示のごとく、ヘッド本体20の両側縁に沿って延びる両側枠部材91a、91aと、これら両者9a、91aを橋絡状に連結する直線部材91b、91c、91cとから構成されている。
上記枠部材91aは、図17(c)に示すように、先端を頂点とする三角形状に形成されるとともに、上記直線部材91bの両端がこれら両枠部材91a、91aの頂点に接続されて、上記先端加圧部5aを形成している。また、残りの直線部材91c、91cは、上記枠部材91a、91aの頂点つまり上記加圧先端部5a(直線部材91b)と基端とのほぼ中央部において、その両端が両枠部材91a、91aに接続されて、この骨組み構造の補強部材と補修材テープTの案内部を兼務している。
その他の構成および作用は実施形態5と同様である。
実施形態11
本実施形態は図18に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)95は、実施形態5ないし10と同様、ヘッド本体20の母材と同一材料からなる弾性変形部96がヘッド本体20の先端部に一体形成されてなり、この弾性変形部96の一部が上記先端加圧部5aを形成している。
具体的には、弾性変形部96は、骨組み板材から一体形成された弾性変形可能な骨組み構造を備えてなり、図示のごとく、ヘッド本体20と平行に延びる薄肉板状の変形部本体96aと、この変形部本体96aの前後方向に所定間隔をもって一体形成された複数(図示の場合は3つ)のテープ案内部96b、96b、96bとから構成されている。
上記テープ案内部96b、96b、96bの両先端縁は、図18(c)に示すように、先端加圧部5aを頂点とする三角形状の一部をなして、これら先端縁により補修材テープTの案内部が形成されている。
その他の構成および作用は実施形態5と同様である。
実施形態12
本実施形態は図19に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)100は、ヘッド本体20の母材と同一材料からなる弾性変形部101がヘッド本体20の基端側部位に一体形成されてなる。
具体的には、弾性変形部101は、ヘッド本体20よりも小さな断面積を有している一本の直線棒から形成されており、この直線棒101は、ヘッド本体20の基端の幅方向中央部から後方へ直線状に延びて、ヘッド本体20の基端部分を構成する本体支持部102に一体結合されている。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態13
本実施形態は図20に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)105は、その弾性変形部106が実施形態12のものから若干改変されている。
具体的には、弾性変形部106は、二本の直線棒106a、106aから形成されており、これら直線棒106a,106aは、ヘッド本体20の基端の幅方向中央部から後方へ直線状にかつ互いに平行に延びて、ヘッド本体20の基端部分を構成する本体支持部102に一体結合されている。
その他の構成および作用は実施形態12と同様である。
実施形態14
本実施形態は図21に示されており、転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の転写ヘッド5における弾性変形構造(弾性変形手段)110は、実施形態12および13と同様、ヘッド本体20の母材と同一材料からなる弾性変形部111がヘッド本体20の基端側部位に一体形成されてなる。
具体的には、弾性変形部111は、図示のごとくヘッド本体20よりも小さな断面積を有するジグザグ構造を備えてなり、換言すれば、ヘッド本体20の長手方向に一定間隔をもってスリット状の切込み111a,111a,…が設けられてなる。
その他の構成および作用は実施形態12と同様である。
実施形態15
本実施形態は図22〜図26に示されており、壁紙補修具の基本構成が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の壁紙補修具120は、消耗品としての補修材テープTが交換可能なカートリッジ式つまりリフィル式の構造を備えてなる。すなわち、壁紙補修具1は、図22に示すような外観形状を呈するケース2に、図23および図24に示すように、転写ヘッド5を備えるテープカートリッジCが装着されてなり、転写ヘッド5は、弾性変形構造(弾性変形手段)を備えてなる。
本実施形態の転写ヘッド5に備える弾性変形構造としては、具体的には図示しないが、実施形態1〜14のいずれの構造25、45、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105および110も採用可能であり、これら弾性変形構造のうちのいずれかが目的等に応じて選択的に採用される。
ケース2は、図示のごとく、テープカートリッジCを内装し得る正面輪郭形状寸法と幅寸法を備える偏平な箱状とされ、その対向する一対の扁平な表裏面2A、2Bが手持ち操作時の基準的な把持面とされている。このケース2は射出成形等により一体成形されたプラスチック製のもので、ケース本体2aとキャップ体2bが分離開閉可能とされ、ケース本体2aに上記テープカートリッジCが取外し可能に装着される構造とされている。また、これらケース2の先端部には、転写ヘッド5を内外に挿通するヘッド挿通部8が形成される。
テープカートリッジCは消耗品として交換可能な構成部品であって、カートリッジケース150に、補修材テープTを巻装した繰出リール3と使用後の補修材テープT´を回収する回転可能な巻取リール4とが回転可能に装着されるとともに、補修材テープTを被転写部上に加圧する転写ヘッド5がそのヘッド軸心まわりに回転可能に装着されてなる。
また、具体的には図示しないが、テープカートリッジCには、繰出リール3と巻取リール4とを相互に連動する連動機構や、繰出リール3と巻取リール4における補修材テープTの繰出速度と巻取速度を同期させるクラッチ機構などの主要基本構成部もユニット化されて装置されている。
カートリッジケース150は、上記両リール3、4を収納するカートリッジケースの形態とされた合成樹脂製のものであって、その形状寸法は、上記両リール3、4の保持機能を備える範囲内において、できる限り軽量かつコンパクトになるように設定されており、具体的には、大部分が細い骨組材からなる骨組構造を備えてなる。
繰出リール3から繰り出される補修材テープTは、上記転写ヘッド5の片側テープ走行面に沿って先端加圧部5aへ案内された後、この先端加圧部5aを経由して反転され、さらに反対側テープ走行面に沿って案内されて、巻取リール4に巻回される。
転写ヘッド5は、補修材テープTを壁紙Wに生じた被補修箇所(被補修部)上に加圧するもので、上記カートリッジケース150の先端部に設けられており、補修材テープTを案内する機能と加圧する機能を兼備する。
転写ヘッド5は、具体的には、ヘッド本体20、ヘッド保持部121および回転操作部122を備えてなるとともに、上記ヘッド本体20がその軸心まわりに回転可能に保持されたいわゆる回転ヘッド構造を備えるものである。また、転写ヘッド5は、上述したように、転写ヘッド5の先端加圧部5aが壁紙表面の凹凸形状に対応して弾性変形する特性を発揮するための上記弾性変形構造を備えてなる。
ヘッド本体20は、補修材テープTを加圧転写するもので、前述した実施形態1および2と同様の形状構造を備えている。
図示の実施形態のヘッド本体20は、補修材テープTよりも若干幅広の矩形状を有する薄肉の板状体とされるとともに、側面から見てある程度尖った形状、つまり先端に向けて次第に薄くなるような先細のテーパ形状断面を有してなる。ヘッド本体20は、その平坦な両側面20a、20bがテープ走行面を形成するとともに、その先端が補修材テープTを加圧する先端加圧部5aとされている。また、このヘッド本体20の両側縁には、補修材テープTの走行を案内するガイドフランジ22、22が形成されている。
ヘッド保持部121は、上記ヘッド本体20をその軸心まわりに回転可能に軸支するもので、具体的には、上記本体支持部である被軸受部125と、カートリッジケース150に設けられた軸受部126とを備えてなる。
被軸受部125は、図25に示すように、ヘッド本体20と同心状にかつ一体的に設けられた円筒状のもので、具体的には、その一部にヘッド本体20への補修材テープTのセッティング開口125aを有する断面円弧形状に形成されている。
軸受部126は、カートリッジケース150の先端部に一体的に設けられている。この軸受部26は、図25に示すように、上記被軸受部125の外周面に対応した内周面を有する筒状のもので、被軸受部125と同様、その一部にヘッド本体20への補修材テープTのセッティング開口126aを有する断面円弧形状に形成されている。そして、この軸受部126に被軸受部125が摺動回転可能に軸支されて、ヘッド本体20は、後述する所定の回転角度範囲内において、その軸心まわりに自由回転可能とされている。
回転操作部122は、ヘッド本体20の回転方向位置を位置決め操作するもので、また、ヘッド本体20のテープ加圧転写姿勢を示すヘッド姿勢表示部を兼務する構成とされている。
回転操作部122は、円柱棒の形態とされるとともに、その先端に操作つまみ135aを有する操作レバー135を主要部として備える。この操作レバー135は、被軸受部125の軸心を中心として径方向外方へ直線状に延びて設けられくとともに、軸受部126およびケース2の対応箇所にそれぞれ設けられたスリット状の挿通部136および操作案内部137を介して、ケース2の外部に突出状に臨んでいる。この場合、軸受部126の挿通部136は、ヘッド本体20の軸方向への抜け止め部としても機能している。
また、上記操作レバー135のヘッド本体20に対する回転方向配設位置は、ヘッド本体20のテープ加圧転写姿勢と関連付けて設定されるとともに、上記挿通部136と操作案内部137は、操作レバー135のヘッド本体20回転方向ヘの移動を許容すべく、周方向へ延びて設けられている。特に、ケース2の操作案内部137は、操作レバー135の回転方向操作範囲を規制して、ヘッド本体20のテープ加圧転写姿勢を制御する構造とされている。
次に、操作レバー135とヘッド本体20のテープ加圧転写姿勢との関連付けについて、操作案内部137との関係で説明する。図示の実施形態においては、操作案内部137の回転方向操作範囲規制部としての構成は、図25を参照して、以下のように設定されている。
(a) 操作レバー135が操作案内部137の一方端137aに当接係合した状態つまり垂直下向き位置(図5(a)に示す第1の規制位置A)にあるとき、転写ヘッド5のヘッド本体20は、その先端加圧部5aが補修材テープTをケース2の把持面2A、2Bに対しほぼ正対させて、つまり、補修材テープTの表裏面が上記把持面2A、2Bとほぼ同一方向に向く(平行する)ように、案内する角度位置にある。
この場合、繰出リール3から繰り出される未使用の補修材テープTは、上記ヘッド本体20の下側にあり、右利きの人が、例えば欧文の一部を修正する場合等に適した横引き使用ができる状態にある。
(b) 操作レバー135が操作案内部137の両端137a,137bの中間位置にある状態つまり水平位置(図25(b)に示す第2の規制位置B)にあるとき、転写ヘッド5のヘッド本体20は、その先端加圧部5aが補修材テープTを繰出リール3と巻取リール4の巻回姿勢のまま、つまり、補修材テープTの表裏面が上記把持面2A、2Bとほぼ垂直な方向に向く(直交する)ように、案内する角度位置にある。
この場合、繰出リール3から繰り出される未使用の補修材テープTは、上記ヘッド本体20の左側にあり、例えば和文の一部を修正する場合等に適した縦引き使用ができる状態にある。
(c) 操作レバー135が操作案内部137の他方端137bに当接係合した状態つまり垂直上向き位置(図25(c)に示す第3の規制位置C)にあるとき、転写ヘッド5のヘッド本体20は、上記(a)の場合と天地逆の状態で、その先端加圧部5aが補修材テープTをケース2の把持面2A、2Bに対しほぼ正対させて、案内する角度位置にある。
この場合、繰出リール3から繰り出される未使用の補修材テープTは、上記ヘッド本体20の上側にあり、右利きの人が、例えば欧文の一部を修正する場合等に適した横押し使用ができる状態、あるいは左利きの人が、例えば欧文の一部を修正する場合等に適した横引き使用ができる状態にある。
また、以上から明らかなように、操作レバー135の向きが未使用の補修材テープTの対面方向を直接的にかつ視覚的に表示しており(ヘッド姿勢表示部としての機能)、使用者は、この操作レバー135の向きを頼りにして、ヘッド本体20のテープ加圧転写姿勢を確認することができる。
なお、操作案内部137の回転方向操作範囲(図示の場合は最大ほぼ180°)、は、操作レバー135とヘッド本体20のテープ加圧転写姿勢との関連付けを考慮して、小さな角度範囲から大きな角度範囲まで所望の値に種々設定可能である。
しかして、以上のように構成された壁紙補修具1により、例えば、図9(a)に示すように、壁紙Wの一部に生じた小さな破れ(被補修箇所)Pを実施形態1で説明した補修方法(図4参照)により補修するには、前述したように、右利きか左利きかを問わず、操作レバー135を目的に応じて回転操作して、最適な転写ヘッド5のヘッド本体20のテープ加圧転写姿勢(代表的には、図25(a)に示す第1の規制位置A、図25(b)に示す第2の規制位置B、図25(c)に示す第3の規制位置C)を選択設定するとともに、その姿勢に対応したケース2の把持面(基準的な把持面はケース2の表裏面2A,2Bであるが、目的に応じて把持面はケース2の適宜の箇所または面が担当することになる)を手指にて把持して、使用することにより、例えば図26(a)〜(d)に示すような使用方法が可能となる。
つまり、いずれの使用方法においても、ケース2の把持面2A、2Bを手指にて筆記具を持つ姿勢で把持して、転写ヘッド5の先端加圧部5aを被補修箇所Pの開始端に密着状に押し当てて、そのままケース2を壁紙W表面に沿って移動させ、被補修箇所Pの終端(右端)で停止させる。
以上の操作により、上記転写ヘッド5の先端加圧部5aにおける補修材テープTの補修膜Fが、基材テープT´から剥離して上記被補修箇所P上に転写被覆される。これにより、壁紙Wの一部に生じた破れ(被補修箇所)Pが被覆補修(隠蔽)される。
一方、転写ヘッド5のヘッド本体20は、操作レバー135により一応設定されたテープ加圧転写姿勢を基準としつつも、その軸心まわりに自由回転可能であるから、直線的な被補修箇所ばかりでなく、例えば図26(b)あるいは(d)に示すように、曲線的な被補修箇所について、その曲線に忠実に沿った補修を行うことも可能である。
実施形態16
本実施形態は図27に示されており、実施形態15における転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態においては、転写ヘッド5のヘッド本体20がカートリッジケース150に固定的に取付けられた固定ヘッド構造を備えてなる。
具体的には、ヘッド本体20の本体支持部102がカートリッジケース150のヘッド保持部151に固定的かつ一体的に取付けられるとともに、ヘッド本体20の先端加圧部5aが、ケース2の把持面2A、2B(図22および図24参照)に対してほぼ平行に延びる直線状端縁の形態、換言すれば、カートリッジケース150に軸支された前記両リール3、4の回転軸線に対してほぼ垂直に延びる直線状端縁の形態とされており、これにより、横引き使用専用の構造とされている。
その他の構成および作用は実施形態15と同様である。
実施形態17
本実施形態は図28に示されており、実施形態15における転写ヘッド5の具体的構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態においては、ケース2の先端部に、転写ヘッド5が設けられてなる。この転写ヘッド5の具体的構成は、その取り付け箇所を除いて、実施形態15と全く同様である。
その他の構成および作用は実施形態15と同様である。
実施形態18
本実施形態は図29に示されており、実施形態15の壁紙補修具120の基本構造が改変されたものである。
すなわち、実施形態15の壁紙補修具120は、消耗品としての補修材テープTが交換可能なカートリッジ式つまりリフィル式の構造を備えものであったが、本実施形態のものは、消耗品としての補修材テープTを含めてすべての構成部品が消耗品とされてなる使い切りタイプの構造を備えている。
すなわち、本実施形態の壁紙補修具1は、片手による手持ち操作可能なケース2内に、補修材テープTを巻装した繰出リール3と使用後の補修材テープTを回収する巻取リール4とが装着されてなるとともに、ケース2の先端部に、転写ヘッド5がそのヘッド軸心まわりに回転可能に装着されてなる。この転写ヘッド5の具体的構成は、その取り付け箇所を除いて、実施形態15と全く同様である。
また、具体的には図示しないが、ケース2のケース本体2a内には、上記繰出リール3と巻取リール4の他、これら両リール3、4を相互に連動する連動機構や、繰出リール3と巻取リール4における補修材テープTの繰出速度と巻取速度を同期させるクラッチ機構などの主要基本構成部もユニット化されて装置されている。
その他の構成および作用は実施形態15と同様である。
実施形態19
本実施形態は図30〜図32に示されており、実施形態1の壁紙補修具1において押圧ローラ160を備える構造とされたものである。
すなわち、本実施形態の壁紙補修具1においては、ケース2に押圧ローラ160が設けられている。
この押圧ローラ160は、被補修箇所(被補修部)Pに被覆転写された補修膜Fを均一に押圧するためのもので、図示の実施形態においては、ケース2の後端部位に自由回転可能に設けられている。
具体的には、上記ケース2の後端部において、一対の取付フランジ161、161がケース2にから後方へ突出して設けられ、これら取付フランジ161、161の支軸161a、161aに、上記押圧ローラ160が自由回転可能に軸支されている。また、これに対応して、ケース2の後端部には、上記押圧ローラ160を収容配置するための収容開口162が設けられている。
押圧ローラ160の具体的構成としては、(i)弾性材料からなるとともに、円筒押圧面を有する弾性円筒ローラの形態、または(ii)硬質材料の本体表面部に弾性材料からなる弾性表面層が形成されてなるとともに、円筒押圧面を有する弾性円筒ローラの形態が好適に採用される。
押圧ローラ160の具体的な構成材料としては、壁紙Wの表面に対応して弾性変形できる弾性を付与することができる弾性材料が用いられ、好適には、例えば、軟質プラスチック、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマーあるいはゴム状樹脂が好適に用いられる。
軟質プラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン―酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
熱可塑性エラストマとしては、例えば、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンーブタジエンゴム、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンーエチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)などが挙げられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
ゴム状樹脂としては、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリルーブタジエンゴム、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーエチルアクリレート共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、環化ゴムなどが挙げられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
しかして、以上のように構成された壁紙補修具1により、例えば、図9(a)に示すように、壁紙Wの一部に生じた小さな破れ(被補修箇所)Pを実施形態1で説明した補修方法(図4参照)により補修するには、図32(a)に示すように、ケース2を手指にて把持して、転写ヘッド5の先端加圧部5aを補修対象となる壁面の壁紙Wの被補修箇所Pに密着状に押し当て、そのままケース2を壁紙Wの破れPに沿って移動させることにより、上記転写ヘッド5の先端加圧部5aにおける補修材テープT上の補修膜Fが、基材テープT´から剥離して上記破れPを覆って転写される。
次に、図32(b)に示すように、ケース2を前後逆転させて手指にて把持して、押圧ローラ160を上記破れP上に転写された補修膜Fの表面に押し当てて、加圧しながら回転移動させることで、押圧ローラ160の円筒面が補修膜Fを均一に押圧して、補修膜Fの破れPに対する塗着性を向上させることができる。
この場合、押圧ローラ160自体が壁紙Wの表面に沿って密着状に弾性変形するため、被補修箇所である破れPにおいて、既存の壁W表面部分との段差のある境界部分に補修膜Fを確実に沿わせて密着させることで、外観的にぼかすことができ、上記破れPと既存の壁W表面部分とが自然に連続するような段差の目立たない仕上がり感を出すことができる。
本実施形態のように、上記ケース2に、被補修箇所Pに被覆転写された補修膜Fを均一に押圧するための押圧ローラ160が自由回転可能に設けられていることにより、被補修箇所P上に転写された補修膜Fを均一に押圧して、補修膜Fの転写塗着性を向上することができる。これにより、転写された補修膜Fの外周輪郭と壁紙Wの表面との境界が外観的にぼかされて、補修膜F表面と壁紙W表面とが自然に連続するような仕上がり感を得ることができる。
特に、上記押圧ローラ160が、弾性材料からなるとともに、円筒押圧面を有する弾性円筒ローラの形態とされていることにより、上記効果がより有効に発揮されて、転写された補修膜Fの壁紙Wに対するなじみ度がさらに増して、壁紙Wの凹凸模様もよりリアルに再現することができる。
また、上記押圧ローラ160が上記ケース2に設けられていることにより、補修作業の最終段階において必要に応じて行われる、補修膜Fを壁紙Wに確実に密着させるための押圧作業を、手指を直接触れずに上記押圧ローラ160により実行できるから、補修膜Fの表面が手指による手垢等によって汚染されるおそれはない。
なお、上述した実施形態1〜19はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
例えば、実施形態15の説明において記載したように、実施形態1の壁紙補修具1、実施形態2の壁紙補修具40、および実施形態15の壁紙補修具120など、壁紙補修具の具体的構造としては種々の構造の採用が考えられるところ、これらいずれの壁紙補修具においても、実施形態1〜14に開示されるいずれの弾性変形構造25、45、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110も採用可能であり、したがって、少なくともこれら弾性変形構造のうちのいずれかを目的等に応じて適宜選択的に採用することができる。
また、弾性変形構造も、上述した図示の実施形態のほか、同様な作用効果を発揮する限り採用可能である。
W 壁紙
P 壁紙の被補修箇所
T 補修材テープ
C テープカートリッジ
T´ 使用後の補修材テープ(基材テープ)
1 壁紙補修具
2 ケース
3 繰出リール
4 巻取リール
5 転写ヘッド
5a 転写ヘッドの先端加圧部
6 連動機構
7 クラッチ機構
20 転写ヘッドのヘッド本体
25 弾性変形構造(弾性変形手段)
35 壁紙の凹凸模様
40 壁紙補修具
45 弾性変形構造(弾性変形手段)
46、47 案内ピン(捩転機構)
50 弾性変形部
55 弾性変形構造(弾性変形手段)
56 弾性変形部
60 弾性変形構造(弾性変形手段)
61 弾性変形部
62 保持溝
65 弾性変形構造(弾性変形手段)
66 弾性変形部
70 弾性変形構造(弾性変形手段)
71 弾性変形部
75 弾性変形構造(弾性変形手段)
76 弾性変形部
80 弾性変形構造(弾性変形手段)
81 弾性変形部
85 弾性変形構造(弾性変形手段)
86 弾性変形部
87 連結弾性部
90 弾性変形構造(弾性変形手段)
91 弾性変形部
95 弾性変形構造(弾性変形手段)
96 弾性変形部
100 弾性変形構造(弾性変形手段)
101 弾性変形部
105 弾性変形構造(弾性変形手段)
106 弾性変形部
110 弾性変形構造(弾性変形手段)
111 弾性変形部
120 壁紙補修具
121 ヘッド保持部
122 回転操作部
150 カートリッジケース
151 ヘッド保持部
160 押圧ローラ

Claims (27)

  1. 建築物の室内の
    1409147579258_0

    1409147579258_1
    の表面を形成する壁紙に生じたネジ穴、ピン穴、破れ、シミ、落書き等の傷や汚れを被覆補修する壁紙補修具であって、
    片手による手持ち操作可能なケースと、
    このケース内に回転可能に装着されて、補修材テープを繰り出し可能に巻装した繰出リールと、
    前記ケース内に回転可能に装着されて、使用後の補修材テープを巻き取り回収する巻取リールと、
    この巻取リールおよび前記操出リールを相互に連動回転させる連動機構と、
    前記繰出リールおよび巻取リールにおける補修材テープの繰出速度および巻取速度を同期させるクラッチ機構と、
    前記ケースの先端部に配設されて、前記繰出リールから繰り出される補修材テープを壁紙の被補修部上に加圧転写する転写ヘッドとを備えてなり、
    前記補修材テープは、基材テープの表面に薄膜状の補修膜が剥離可能に保持される構造を備え、
    前記転写ヘッドは、前記補修材テープを加圧転写する先端加圧部が壁紙表面の凹凸形状に対応して弾性変形する特性を発揮する弾性変形手段を備える
    ことを特徴とする壁紙補修具。
  2. 前記補修材テープは、基材テープの表面に、感圧接着性を有する補修塗料層が剥離可能に保持されて、前記補修膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁紙補修具。
  3. 前記補修材テープは、基材テープの表面に、剥離剤層、補修塗料層および感圧接着剤層が順次積層されて、前記補修膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の壁紙補修具。
  4. 前記補修塗料層は、ドライタイプの塗料からなる
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の壁紙補修具。
  5. 前記弾性変形手段は、前記転写ヘッドの母材が前記特性を有する弾性材料から構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁紙補修具。
  6. 前記弾性変形手段は、前記転写ヘッドのヘッド本体の母材よりも柔軟な弾性材料からなる弾性変形部が前記ヘッド本体の一部に一体結合されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁紙補修具。
  7. 前記弾性変形部は、少なくとも前記ヘッド本体の先端部に一体結合されて、補修材テープを加圧転写する前記先端加圧部を形成している
    ことを特徴とする請求項6に記載の壁紙補修具。
  8. 前記弾性変形部は、前記ヘッド本体を構成する母材部と前後方向へ交互に複数箇所に一体結合されてなる
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の壁紙補修具。
  9. 前記弾性変形手段は、前記ヘッド本体の母材と異なる弾性材料からなる弾性変形部がヘッド本体の先端部に取外し可能に設けられてなり、
    この弾性変形部の一部が補修材テープを加圧転写する前記先端加圧部を形成している
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁紙補修具。
  10. 前記弾性変形手段は、前記ヘッド本体の母材と同一材料からなる弾性変形部がヘッド本体の先端部に一体形成されてなり、この弾性変形部の一部が補修材テープを加圧転写する先端加圧部を形成している
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁紙補修具。
  11. 前記弾性変形部は、その内部に中空部分を有する弾性変形可能な枠体構造を備えている
    ことを特徴とする請求項10に記載の壁紙補修具。
  12. 前記弾性変形部は、前記ヘッド本体と平行に延びる薄肉板状の変形部本体と、この変形部本体の先端に所定の傾斜角度をもって一体形成された薄肉板状のテープ案内部とからなることを特徴とする請求項10に記載の壁紙補修具。
  13. 前記弾性変形部は、骨組み部材から一体形成された弾性変形可能な骨組み構造を備えてなる
    ことを特徴とする請求項10に記載の壁紙補修具。
  14. 前記弾性変形手段は、前記ヘッド本体の母材と同一材料からなる弾性変形部がヘッド本体の基端側部位に一体形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁紙補修具。
  15. 前記弾性変形部は、前記ヘッド本体よりも小さな断面積を有している少なくとも一本の直線棒から形成されている
    ことを特徴とする請求項14に記載の壁紙補修具。
  16. 前記弾性変形部は、前記ヘッド本体よりも小さな断面積を有するジグザグ構造を備えている
    ことを特徴とする請求項14に記載の壁紙補修具。
  17. 前記ヘッド本体が前記ケースのヘッド保持部に軸心まわりに回転可能に取付けられた回転ヘッド構造を備えてなる
    ことを特徴とする請求項1から16のいずれか一つに記載の壁紙補修具。
  18. 前記ヘッド本体の回転方向位置を位置決め操作する回転操作部を備え、この回転操作部は、前記ヘッド本体のテープ加圧転写姿勢を示すヘッド姿勢表示部を兼務する構成とされている
    ことを特徴とする請求項17に記載の壁紙補修具。
  19. 前記回転操作部は、前記ヘッド本体のテープ加圧転写姿勢と関連付けて設けられた操作レバーを備えてなり、この操作レバーは、壁紙補修具のケースに貫設されたスリット状の操作案内部を介して、前記ケースの外部に突出状に臨んでいる
    ことを特徴とする請求項18に記載の壁紙補修具。
  20. 前記スリット状の操作案内部は、前記操作レバーの回転方向操作範囲を規制して、前記ヘッド本体のテープ加圧転写姿勢を制御する構造とされている
    ことを特徴とする請求項19に記載の壁紙補修具。
  21. 前記ヘッド本体がヘッド保持部に固定的に取付けられた固定ヘッド構造を備えてなる
    ことを特徴とする請求項1から16のいずれか一つに記載の壁紙補修具。
  22. 前記ヘッド本体の先端加圧部は、前記ケースの把持面に対してほぼ平行に延びる直線状端縁の形態とされている
    ことを特徴とする請求項21に記載の壁紙補修具。
  23. 前記ケースに、被補修部に被覆転写された補修膜を均一に押圧するための押圧ローラが自由回転可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁紙補修具。
  24. 前記押圧ローラは、弾性材料からなるとともに、円筒押圧面を有する弾性円筒ローラの形態とされている
    ことを特徴とする請求項23に記載の壁紙補修具。
  25. 前記押圧ローラは、硬質材料の本体表面部に弾性材料からなる弾性表面層が形成されてなるとともに、円筒押圧面を有する弾性円筒ローラの形態とされている
    ことを特徴とする請求項23に記載の壁紙補修具。
  26. 前記繰出リールおよび巻取リールを備えるテープカートリッジが、前記ケース内に直接的に装着されてなる使い切りタイプである
    ことを特徴とする請求項1から25のいずれか一つに記載の壁紙補修具。
  27. 前記繰出リールおよび巻取リールを備えるテープカートリッジが、前記ケース内に取外し交換可能に装着されて、補修材テープの交換が可能なリフィルタイプである
    ことを特徴とする請求項1から25のいずれか一つに記載の壁紙補修具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110700522A (zh) * 2019-09-12 2020-01-17 安徽诚德刷业有限公司 一种新型涂料刷

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