JP2016047576A - ねじ締め工具 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第1実施形態について、図1〜図25を参照して説明する。図1に示すように、ねじ締め工具の一例として、石膏ボードなどの被加工材に対して所定の作業を行うスクリュードライバ100が構成される。スクリュードライバ100は、本体部101、ハンドル107を主体として構成されている。本体部101の先端領域に、工具ビット119が取り外し可能に装着される。なお、説明の便宜上、工具ビット119の長軸方向(図1の左右方向)に関して、工具ビット119側(図1の右側)をスクリュードライバ100の前側と規定し、ハンドル107側(図1の左側)をスクリュードライバ100の後側と規定する。また、図1の上下方向に関して、図1の上側をスクリュードライバ100の上側と規定し、図1の下側をスクリュードライバ100の下側と規定する。
図3〜図12に示すように、駆動機構120は、駆動ギア125、リテーナ130、ローラ140、ロックスリーブ145、バネ受け部材150、コイルバネ155、スピンドル160等を主体として構成されている。
図4および図5に示すように、駆動ギア125は、工具ビット119を保持するスピンドル160と同軸状に配置されている。この駆動ギア125は、底壁126と側壁127を有し、前方に向かって開放された略カップ状の部材である。底壁126の中心部には、スピンドル160の後側軸部162が貫通する貫通孔が設けられている。側壁127の内側は、円筒状に形成された内部空間が形成されている。駆動ギア125の内部空間に、リテーナ130、ローラ140、ロックスリーブ145およびコイルバネ155等が収容されている。側壁127の外周部には、モータ110の出力軸111に形成されたギア歯112と係合するギア歯128が設けられている。この駆動ギア125は、底壁126の後方に設けられたニードルベアリング121によって本体部101(区画壁103a)に対して回転可能に支持されている。
図4〜図8および図9〜図12に示すように、リテーナ130は、略カップ状の部材であり、駆動ギア125と同軸状に配置されている。このリテーナ130は、駆動ギア125の底壁126に対向する基部131と、駆動ギア125の側壁127に対向する第1側壁132および第2側壁133を有している。なお、図6および図7においては、駆動ギア125は図示されていない。
図4〜図7および図9、図10に示すように、ロックスリーブ145は、略六角柱状の部材であり、内側には中空部が形成されている。このロックスリーブ145は、リテーナ130および駆動ギア125と同軸状にリテーナ130の前方に配置されている。ロックスリーブ145の前端部は、スピンドル160の前側軸部161の後端部に当接可能に配置されている。ロックスリーブ145は、六角形の6つの辺に対応して、ローラ140と係合可能な4つのローラ係合部146と、リテーナ130の第2側壁133と係合可能な2つのリテーナ係合部147を有している。
図4,図5および図11に示すように、バネ受け部材150は、断面が略六角形状の部材であり、リテーナ130内部に収容されている。このバネ受け部材150は、前後方向に関して、リテーナ130の基部131とロックスリーブ145の間に配置される。バネ受け部材150には、スピンドル160が貫通する貫通孔が形成されている。そして、後側軸部162の溝部162aに配置された係合ピン139が、バネ受け部材150に形成された略半円状の係合孔150aに係合し、これにより、バネ受け部材150は、スピンドル160と一体に回転するようにスピンドル160に連結される。このバネ受け部材150の外周部には、六角形の6つの辺のうち4つの辺に対応した4つのローラ係合部151が形成されている。このローラ係合部151は、スピンドル160の回転軸線に平行な平面として形成されている。
図4〜図7および図10〜図12に示すように、スピンドル160は、金属製の略円柱状の長尺状部材であり、スピンドル160の長軸方向(工具ビット119の長軸方向)に移動可能に設けられている。このスピンドル160は、前側軸部161および前側軸部161と一体に連結された後側軸部162を主体として構成されている。前側軸部161には、工具ビット119が取り外し可能に装着される。工具ビット119は、前側軸部161に保持されたリーフスプリングに付勢されたボールが係合し、これにより工具ビット119が前側軸部161に保持される。この前側軸部161は、フロントハウジング104に保持された前側ベアリング122によって回転可能に支持されている。また、図4および図5に示すように、前側軸部161を支持する前側ベアリング122の前方には、フロントハウジング104と前側軸部161の間にオイルシール181が介在するように設けられている。
図4および図5に示すように、コイルバネ155は、スピンドル160と同軸状にスピンドル160が貫通するように配置されている。このコイルバネ155の前側領域は、ロックスリーブ145の中空部に収容され、コイルバネ155の前端部がロックスリーブ145に当接している。また、コイルバネ155の後端部は、バネ受け部材150の前面に当接している。これにより、コイルバネ155は、ロックスリーブ145およびスピンドル160を前方に向かって付勢する。なお、前方に付勢されたロックスリーブ145は、スピンドル160を付勢するとともに、ストッパ170に当接して前方への移動が規制される。また、コイルバネ155は、バネ受け部材150、ボール153、リテーナ130、および駆動ギア125を後方に向かって付勢する。図5に示すように、ボール153は、コイルバネ155に付勢されて、バネ受け部材150のボール当接部152を介して、リテーナ130の径方向の外側に向かって押し出され、駆動ギア125の内周面に当接する。
図4および図5に示すように、ストッパ170は、スピンドル160が前方位置に位置するときに、スピンドル160の所定方向の回転を規制する回転防止機構を構成する。ストッパ170は、リング状に形成されており、スピンドル160が貫通するようにスピンドル160の外周部に配置されている。このストッパ170は、フロントハウジング104との間に介在状に配置されたOリング180によってフロントハウジング104に固定されている。図13〜図15に示すように、ストッパ170は、ボール保持リング171、プッシュリング173、ボール175およびリーフスプリング177を主体として構成されている。
以上の通り構成されたスクリュードライバ100は、トリガ107aが操作されると、モータ110が駆動される。モータ110の出力軸111の回転によって、駆動ギア125が回転駆動される。そして、駆動ギア125の回転がスピンドル160に伝達されることで、スピンドル160に保持された工具ビット119が回転され、所定の作業(ねじ締め作業またはねじ外し作業)が行われる。このスピンドル160が、本発明における「先端工具駆動軸」に対応する実施構成例である。
ねじ締め作業を行う際には、工具ビット119の先端のねじ(図示省略)を被加工材に対して押圧することで、スピンドル160が図4に示す前方位置から図16に示す後方位置に移動される。この前方位置および後方位置が、それぞれ本発明における「第1位置」および「第2位置」に対応する実施構成例である。このスピンドル160の移動によって、ロックスリーブ145がリテーナ130に対して回転されて、駆動ギア125とロックスリーブ145の間にローラ140が挟持される。その結果、ローラ140のくさび効果によって駆動ギア125とロックスリーブ145が一体に回転し、モータ110の出力軸111の回転が駆動機構120を介してスピンドル160に伝達され、スピンドル160が回転駆動される。これにより、工具ビット119によってねじ締め作業が行われる。
被加工材にねじ込まれたねじを外すねじ外し作業の際には、スクリュードライバ100(工具ビット119)がねじを逆回転させることで、被加工材からねじを外す。このねじ外し作業においては、工具ビット119をねじに対して押圧することは合理的でない。そのため、スクリュードライバ100は、ねじ外し作業において、工具ビット119を押圧することなく工具ビット119がモータ110に駆動される。すなわち、スピンドル160が前方位置において、スピンドル160(工具ビット119)が逆回転される。
次に、本発明の第2実施形態について、図26および図27を参照して説明する。第2実施形態は、ストッパ170のボール保持リングに形成された保持溝の形状が第1実施形態と異なる。したがって、保持溝以外の構成については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
(態様1)
大径部には、二面幅部が形成されている。
(態様2)
可動部材保持部材は、弾性部材としてのOリングによってハウジングに保持されている。
(態様3)
可動部材保持部材に形成された保持領域は、溝として形成されている。
(態様4)
第1方向は、先端工具がねじ締め作業を行うねじ締め方向として設定されており、
第2方向は、先端工具がねじ外し作業を行うねじ外し方向として設定されている。
(態様5)
第2領域は、可動部材を収容するポケット状領域として形成されており、
先端工具駆動軸が逆回転方向に回動する際に、
可動部材が先端工具駆動軸の径方向に関して先端工具駆動軸に近接しないようにポケット状領域に保持される。
本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下の通り示す。なお、本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものであり、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
スクリュードライバ100が、本発明の「ねじ締め工具」に対応する構成の一例である。
フロントハウジング104が、本発明の「ハウジング」に対応する構成の一例である。
モータ110が、本発明の「モータ」に対応する構成の一例である。
スピンドル160が、本発明の「先端工具駆動軸」に対応する構成の一例である。
大径部166が、本発明の「大径部」に対応する構成の一例である。
小径部167が、本発明の「小径部」に対応する構成の一例である。
ストッパ170が、本発明の「回動規制機構」に対応する構成の一例である。
ボール保持リング171が、本発明の「可動部材保持部材」に対応する構成の一例である。
保持溝172が、本発明の「保持領域」に対応する構成の一例である。
保持溝172が、本発明の「凹部」に対応する構成の一例である。
ボール175が、本発明の「可動部材」に対応する構成の一例である。
101 本体部
103 メインハウジング
103a 区画壁
103f 前面
104 フロントハウジング
104a 凹部
104b 凹部
104c 大径部
105 ロケータ
106 外部連通路
107 ハンドル
107a トリガ
107b 切替スイッチ
107c LED
109 電源ケーブル
110 モータ
111 出力軸
112 ギア歯
119 工具ビット
120 駆動機構
121 ニードルベアリング
122 前側ベアリング
123 後側ベアリング
125 駆動ギア
126 底壁
127 側壁
128 ギア歯
130 リテーナ
131 基部
131a 係合孔
131b ボール保持部
132 第1側壁
133 第2側壁
133a 傾斜部
134 ローラ保持部
139 係合ピン
140 ローラ
145 ロックスリーブ
146 ローラ係合部
147 リテーナ係合部
147a 傾斜部
150 バネ受け部材
150a 係合孔
151 ローラ係合部
152 ボール当接部
153 ボール
155 コイルバネ
160 スピンドル
161 前方軸部
162 後方軸部
162a 溝部
163 中空部
164 連通孔
165 後端ベアリング
166 大径部
166b 二面幅
167 小径部
170 ストッパ
171 ボール保持リング
172 保持溝
172a ポケット状領域
173 プッシュリング
175 ボール
176 ボール
177 リーフスプリング
177a 貫通孔
177b 係合孔
180 Oリング
181 オイルシール
181a 基部
181b リップ部
190 通気通路
191 通路形成部
191a 通気口
195 オイルフィルタ
271 ボール保持リング
272 保持溝
272a 径方向移動領域
Claims (9)
- 先端領域に取り外し可能に装着された先端工具を回転駆動させて所定の作業を行うねじ締め工具であって、
モータと、
前記モータによって所定の正回転方向および逆回転方向に回転駆動されて、前記先端工具を前記正回転方向に対応した第1方向および前記逆回転方向に対応した第2方向に回転駆動可能な先端工具駆動軸と、
前記先端工具駆動軸に係合して前記先端工具駆動軸の回動を規制可能な回動規制機構と、を有し、
前記先端工具駆動軸は、当該先端工具駆動軸の軸方向に関して、前記先端領域に近接した第1位置と、前記先端領域から離間した第2位置の間を移動可能に構成されており、
前記回動規制機構は、前記先端工具駆動軸と係合可能な係合可能位置と前記先端工具駆動軸と係合不能な係合不能位置の間を移動可能な可動部材を有し、
前記先端工具駆動軸が前記第1位置に位置する時に、前記係合可能位置に位置する前記可動部材が前記先端工具駆動軸に係合して前記先端工具駆動軸の前記正回転方向の回動を規制し、前記可動部材が前記係合不能位置に位置して前記先端工具駆動軸の前記逆回転方向の回動を許容するように構成され、
前記先端工具駆動軸が前記第2位置に位置する時に、前記先端工具駆動軸の前記正回転方向および前記逆回転方向の回動を許容するように構成されていることを特徴とするねじ締め工具。 - 請求項1に記載のねじ締め工具であって、
前記可動部材は、前記先端工具駆動軸の軸周りの周方向に移動して、前記係合可能位置と係合不能位置に配置されることを特徴とするねじ締め工具。 - 請求項1または2に記載のねじ締め工具であって、
前記先端工具駆動軸が前記第1位置に位置した時の前記先端工具駆動軸の回動に基づいて、前記可動部材が前記係合可能位置と前記係合不能位置の間で切り替えられるように構成されていることを特徴とするねじ締め工具。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のねじ締め工具であって、
前記先端工具駆動軸は、大径部と前記大径部よりも前記先端領域に近接した領域に形成された小径部を有し、
前記大径部は、前記可動部材が前記係合可能位置に位置する時に、前記可動部材に係合可能であり、前記可動部材が前記係合不能位置に位置する時に、前記可動部材に係合不能であり、
前記小径部は、前記可動部材の位置に関らず、前記可動部材に係合不能であり、
前記先端工具駆動軸が前記第1位置に位置する時に、前記大径部が前記可動部材に対応する位置に配置され、
前記先端工具駆動軸が前記第2位置に位置する時に、前記小径部が前記可動部材に対応する位置に配置されるように構成されていることを特徴とするねじ締め工具。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のねじ締め工具であって、
前記回動規制機構は、
前記可動部材を保持する可動部材保持部材を有し、
前記可動部材は、前記可動部材保持部材に形成された保持領域内を移動することで、前記係合可能位置と前記係合不能位置の間で切り替えられるように構成されていることを特徴とするねじ締め工具。 - 請求項5に記載のねじ締め工具であって、
前記保持領域は、前記先端工具駆動軸の軸周りの周方向に延在するとともに、当該先端工具駆動軸の回転軸線から前記先端工具駆動軸の軸方向に直交する方向に関して、前記先端工具駆動軸の回転軸線から第1距離離間した第1領域と、前記第1領域に接続され、前記先端工具駆動軸の回転軸線から前記第1距離より長い第2距離離間した第2領域を備えた凹部として形成されており、
前記第1領域に配置された前記可動部材の位置が、前記係合可能位置として設定され、
前記第2領域に配置された前記可動部材の位置が、前記係合不能位置として設定されていることを特徴とするねじ締め工具。 - 請求項6に記載のねじ締め工具であって、
前記第2領域は、前記先端工具駆動軸が前記逆回転方向に回動する際に、前記第2領域に配置された前記可動部材が前記先端工具駆動軸の径方向に関して当該先端工具駆動軸に近接しないように前記可動部材を保持するように形成されていることを特徴とするねじ締め工具。 - 請求項5〜7のいずれか1項に記載のねじ締め工具であって、
前記先端工具駆動軸を収容するハウジングを有し、
前記回動規制機構は、
前記可動部材保持部材と前記ハウジングの間に介在して配置された弾性部材を有し、
前記弾性部材は、前記可動部材保持部材を前記ハウジングに対して固定状に保持するとともに、前記可動部材保持部材から前記ハウジングへの振動伝達を抑制するように構成されていることを特徴とするねじ締め工具。 - 請求項1〜8に記載のねじ締め工具であって、
前記可動部材は、球状体として形成されていることを特徴とするねじ締め工具。
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