JP2016046793A - 印刷制御装置および印刷物の生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理速度の向上を図る。【解決手段】第1の表色系で表現された画像データを印刷に使用される第2の表色系の画像データに色変換する色変換処理部と、色変換後の画像データにハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部と、ハーフトーン処理後の画像データを用いた印刷を実行させる印刷制御部とを備える印刷制御装置であって、色変換処理部は、色変換の結果として、第2の表色系に含まれる第1色の値と第2色の値とが同じである画像データを出力し、ハーフトーン処理部は、色変換後の画像データのうち第1色のデータにハーフトーン処理を行う第1ハーフトーン部と色変換後の画像データのうち第2色のデータにハーフトーン処理を行う第2ハーフトーン部とを有し、印刷制御部は、第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと、第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データとが連続した画像データを用いた印刷を実行させる。【選択図】図2

Description

本発明は、印刷制御装置および印刷物の生産方法に関する。
RGB(レッド、グリーン、ブルー)等の要素色で表現された画像データをプリンターで印刷する際、画像データの解像度をプリンターの印刷解像度に合わせるための解像度変換処理、画像データの表色系をプリンターが使用する色材の表色系に変換するための色変換処理、画像データの階調を2値化等するためのハーフトーン処理、といった画像処理が実行される。
なお、画像処理部は、並列に動作する複数のハーフトーン処理部を含み、選択部により、画像データに含まれる各色成分のデータ毎に異なるハーフトーン手法を選択し、各色成分のデータを、それぞれ選択されたハーフトーン手法を用い、複数のハーフトーン処理部において並列処理する構成が知られている(特許文献1参照)。
特開2006‐42312号公報
上述した解像度変換処理において、例えば画像データの解像度を倍にした場合、画素数が倍となったことで、その後の色変換処理やハーフトーン処理に要する時間も倍化してしまう。つまり、画像データの解像度を増やすことで、印刷結果として得られる画質は向上するが、処理速度が低下するという課題があった。なお、前記文献は、このような解像度変換による画素数増加に起因する処理時間の増加を解決するものではなかった。
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、処理速度を向上しつつ画質の高い印刷結果を得ることが可能な印刷制御装置および印刷物の生産方法を提供する。
本発明の態様の一つは、第1の表色系で表現された画像データを印刷に使用される第2の表色系の画像データに色変換する色変換処理部と、前記色変換後の画像データにハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部と、前記ハーフトーン処理後の画像データを用いた印刷を実行させる印刷制御部と、を備える印刷制御装置であって、前記色変換処理部は、前記色変換の結果として、前記第2の表色系に含まれる第1色の値と第2色の値とが同じである画像データを出力し、前記ハーフトーン処理部は、前記色変換後の画像データのうち前記第1色のデータにハーフトーン処理を行う第1ハーフトーン部と、前記色変換後の画像データのうち前記第2色のデータにハーフトーン処理を行う第2ハーフトーン部と、を有し、前記印刷制御部は、前記第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと、前記第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと、が連続した画像データを用いた印刷を実行させる。
当該構成によれば、印刷制御部は、第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データとが連続した画像データを用いた印刷を実行させる。そのため、結果的に、第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データの画素数と、第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データの画素数とを合わせた画素数を有する画像が印刷される。これは、色変換処理やハーフトーン処理を実行する前に解像度変換処理により画素数を増加させずとも(本発明)、色変換処理やハーフトーン処理を実行する前に解像度変換処理により画素数を増加させた場合(従来)と同じ印刷解像度の印刷結果を、より短い処理時間で得られることを意味する。
本発明の態様の一つは、前記第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと、前記第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと、を同一の記憶領域に連続して記憶する記憶部をさらに備え、前記印刷制御部は、前記記憶部から読み出した画像データを用いた印刷を実行させるとしてもよい。
当該構成によれば、第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データとが連続した画像の印刷を容易に行うことができる。
本発明の態様の一つは、前記第1ハーフトーン部は、前記第1色のデータに第1のディザマスクを適用することによりハーフトーン処理を行い、前記第2ハーフトーン部は、前記第2色のデータに前記第1のディザマスクと異なる第2のディザマスクを適用することによりハーフトーン処理を行うとしてもよい。
当該構成によれば、第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データとが連続した画像全体の画質を向上させることができる。特に、前記第1のディザマスクは、予め生成されたディザマスクの一部を抽出したものであり、前記第2のディザマスクは、当該予め生成されたディザマスクの当該一部以外の部分を抽出したものとすることで、第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データとが連続した一つの画像の画質を、より良好なものとすることができる。
本発明の態様の一つは、カラー印刷を行うカラー印刷モードと、モノクロ印刷を行うモノクロ印刷モードとのうちモノクロ印刷モードが選択されている場合に、前記色変換処理部は、前記第1色の値と前記第2色の値とが同じである画像データを出力し、前記ハーフトーン処理部は、前記第1ハーフトーン部により前記第1色のデータにハーフトーン処理を行い、前記第2ハーフトーン部により前記第2色のデータにハーフトーン処理を行い、前記印刷制御部は、前記第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと前記第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データとが連続した画像データを用いた印刷を実行させる、としてもよい。
当該構成によれば、モノクロ印刷を実行する際に、高解像度な印刷結果を、より短い処理時間で得ることができる。
本発明の技術的思想は、印刷制御装置という物の発明のみによって実現されるものではない。例えば、印刷制御装置が実現する処理を方法の発明として捉えることができる。
例えば、第1の表色系で表現された画像データを印刷に使用される第2の表色系の画像データに色変換する色変換処理工程と、前記色変換後の画像データにハーフトーン処理を行うハーフトーン処理工程と、前記ハーフトーン処理後の画像データを用いた印刷を印刷媒体へ実行することにより印刷物を出力する印刷制御工程と、を備える印刷物の生産方法であって、前記色変換処理工程では、前記色変換の結果として、前記第2の表色系に含まれる第1色の値と第2色の値とが同じである画像データを出力し、前記ハーフトーン処理工程では、前記色変換後の画像データのうち前記第1色のデータにハーフトーン処理を行う第1ハーフトーン工程と、前記色変換後の画像データのうち前記第2色のデータにハーフトーン処理を行う第2ハーフトーン工程と、を実行し、前記印刷制御工程では、前記第1ハーフトーン工程によるハーフトーン処理後の画像データと、前記第2ハーフトーン工程によるハーフトーン処理後の画像データと、が連続した画像データを用いた印刷を実行させる構成を、一つの発明として捉えることができる。また、このような方法をハードウェア(コンピューター)に実行させるコンピュータープログラム、さらには当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体、等の各種カテゴリーにて本発明が実現されてもよい。
本実施形態にかかる印刷制御装置等の機能を例示するブロック図。 本実施形態にかかるフローチャート。 LUT1を例示する図。 ディザマスクDM0,DM1,DM2の関係を例示する図。 ドット振分テーブルT1を例示する図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(装置構成の概略)
図1は、本実施形態にかかる印刷制御装置10等の機能をブロック図により例示したものである。印刷制御装置10は、印刷物の生産方法を実現するための装置である。印刷制御装置10は、例えば、プリンターや、プリンターの機能を含んだ複合機、等といった製品として把握される。印刷制御装置10を、「印刷装置」や「画像処理装置」等と呼んでもよい。ただし、図1に示した印刷制御装置10としての各構成は、一箇所あるいは一筐体内に集約されている場合に限らず、それら各構成が互いに離れた場所に存在し且つ通信可能な状態でいることで一システムを構築していてもよい。また、後述の印刷機構50は、独立したプリンターとして印刷制御装置10とは別体の製品として存在してもよい。
図1では、印刷制御装置10を、制御部20、通信インターフェイス(I/F)30、操作受付部40、印刷機構50、等を含む構成として例示している。制御部20は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有するICや、その他の記憶媒体等により構成される。制御部20では、CPUが、ROMに保存されたプログラムに従った演算処理を、RAMをワークエリアとして用いて実行することにより、様々な機能(例えば、画像取得部21、解像度変換部22、色変換処理部23、ハーフトーン(HT)処理部24、印刷制御部25)を実現する。
操作受付部40は、ユーザーからの操作を受け付けるための入力手段(ボタン、タッチパネル等)や、印刷制御装置10に関する情報を示すための表示手段を有している。液晶ディスプレイ(LCD)41は、このような入力手段の一部や表示手段の一部を兼ねている。
印刷機構50は、印刷データに基づく印刷を印刷媒体へ行うための機構である。印刷機構50が採用する印刷方式がインクジェット方式である場合、印刷機構50は、複数のノズルからインク滴を吐出する印刷ヘッド52、印刷ヘッド52を一定方向(主走査方向)へ移動させるキャリッジ51、当該一定方向と交差する方向(副走査方向)へ印刷媒体を搬送する搬送部53、等といった構成を有する。
通信I/F30は、印刷制御装置10を外部機器100と有線あるいは無線にて接続するためのインターフェイスの総称である。外部機器100としては、例えば、PC(パーソナルコンピューター)、スマートフォン、タブレット型端末、デジタルスチルカメラ等が該当する。印刷制御装置10は、通信I/F30を介して外部機器100と、例えば、USBケーブル、有線ネットワーク、無線LAN、ファクシミリ通信網、電子メール通信等の様々な手段や通信規格により接続可能である。
(第1実施形態)
図2は、本実施形態において制御部20が実行する処理(印刷物の生産方法)をフローチャート等により示している。
ステップS100では、画像取得部21が、ユーザーによって任意に選択された画像データを所定の入力元から取得する。ユーザーは、例えば、LCD41に表示されたユーザーインターフェース画面(UI画面)を視認しながら操作受付部40等を操作することにより、印刷媒体へ印刷したい画像を表現した画像データを任意に選択することができる。また、画像データの入力元は特に限定されず、例えば、印刷制御装置10に内蔵あるいは外付けされた記憶媒体や、印刷制御装置10と通信可能に接続された外部機器100等が該当する。
ステップS100で取得される画像データは、例えば、ビットマップ形式であり、画素毎にRGBの濃度を階調(例えば、0〜255の256階調)表現したRGBデータである。また、画像取得部21は、取得した画像データがこのようなRGB表色系に対応していない場合、取得した画像データを当該RGB表色系のデータに変換する。
ステップS110では、解像度変換部22が、画像データの横縦それぞれの解像度を、印刷機構50が採用する主走査方向と副走査方向の印刷解像度に合わせるための解像度変換を、必要に応じて実行する。このような解像度変換は、従来から行われていたものであるためフローチャートの一工程として記載している。ただし本実施形態では、少なくとも副走査方向(印刷媒体が搬送される方向)に対応しての解像度変換は実行しない。一例として、印刷機構50が採用する横(主走査方向)×縦(副走査方向)の印刷解像度が600dpi×1200dpiであり、ステップS100で取得した画像データの横×縦の解像度が600dpi×600dpiである場合を想定する。このような場合、従来であれば、画像データの縦方向の解像度を倍の1200dpiに増やす処理を行っていたが、本実施形態のステップS110では、画像データの縦方向の解像度を変化させない。従って、印刷機構50が採用する横(主走査方向)×縦(副走査方向)の印刷解像度が600dpi×1200dpiであり、ステップS100で取得した画像データの横×縦の解像度が600dpi×600dpiである場合、ステップS110では実際には何もしない。
ステップS120では、色変換処理部23が、ステップS110後の画像データを対象として色変換処理を実行する。つまり、画像データが採用する表色系(第1の表色系)を、印刷機構50が印刷に使用するインク表色系(第2の表色系、例えばCMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)インクによる表色系)に変換する。色変換処理は、予め当該表色系の変換関係を規定した色変換ルックアップテーブル(LUT1)を参照することにより画素毎に実行する。上述したように画像データが各画素の色をRGBで階調表現する場合、画素毎のRGBの階調値がCMYKの階調値に変換される。色変換後のCMYKもそれぞれ、例えば、0〜255の256階調で表現される。
本実施形態では、色変換処理部23は、色変換処理の結果として、前記第2の表色系に含まれる第1色の値と第2色の値とが同じである画像データを出力する。第1色、第2色とは、CMYKのうちの二つの色を指す便宜上の名称である。以下では、例として、Cを第1色、Mを第2色と称する(さらに、Yを第3色、Kを第4色と称する)。つまり、ステップS120では、画像データを構成する画素のRGBを色変換処理した結果として、少なくとも、CMYKのうちCとMが同値であるデータを得る。
図3は、LUT1の構成を例示している。LUT1は、ある入力(RGB)に対応する出力(CMYK)を規定しており、図示するように、何らかのRGBに対応する出力値としてのCMYKは、常に、C=M=Y=Kとなるように規定されている。つまり、LUT1を参照して、画像データを構成する一画素の色変換処理を行った場合、第1色、第2色、第3色および第4色の全てが同じ値である変換結果が得られる。
ステップS130では、HT処理部24が、色変換後の画像データにHT処理を行う。具体的には、HT処理部24は、第1色(および第3色)のデータに対する第1HT処理と、第2色(および第4色)のデータに対する第2HT処理とを、同時並行で行う。第1HT処理では、第1色のデータ、第3色のデータそれぞれに第1のディザマスク(ディザマスクDM1)を適用するディザ法により、画素毎に、256階調のデータを「0(インク滴非吐出)」か「1(インク滴吐出)」の2値データに変換する。第2HT処理では、第2色のデータ、第4色のデータそれぞれに第1のディザマスクとは異なる第2のディザマスク(ディザマスクDM2)を適用するディザ法により、画素毎に、256階調のデータを同様に2値データに変換する。
上述したようにステップS100で取得した画像データの横×縦の解像度が600dpi×600dpiであるとすると、HT処理の対象となる色変換後の画像データも解像度は600dpi×600dpiのままである。そのため、第1HT処理で用いるディザマスクDM1、第2HT処理で用いるディザマスクDM2はいずれも、しきい値を格納するマス目の横縦の密度が、横×縦の解像度600dpi×600dpiに一致したディザマスクである。
図4は、ディザマスクDM0(ディザマスクDM0の一部)と、ディザマスクDM1,DM2(ディザマスクDM1,DM2の一部)との関係を例示する図である。ディザマスクDM1とディザマスクDM2は、元々一つのディザマスクDM0からそれぞれ抽出して構成されたものである。ディザマスクDM0は、HT処理のためのしきい値を格納するマス目の横縦の密度が、横×縦の解像度600dpi×1200dpiに一致したディザマスク(いわゆるブルーノイズマスクやグリーンノイズマスク等)である。そして、ディザマスクDM1は、ディザマスクDM0のうち、縦方向で奇数番目に位置する行(図4において白色で示したマス目の行)を抽出して構成されており、ディザマスクDM2は、ディザマスクDM0のうち、縦方向で偶数番目に位置する行(図4においてグレー色で示したマス目の行)を抽出して構成されている。なお、制御部20の一部であって、ディザマスクDM1を有しつつ第1HT処理を実現するためのハードウェアを、第1HT部と呼ぶ。同様に、制御部20の一部であって、ディザマスクDM2を有しつつ第2HT処理を実現するためのハードウェアを、第2HT部と呼ぶ。
ステップS140では、HT処理部24は、第1HT処理後の画像データと、第2HT処理後の画像データとを同一の記憶領域(バッファB1)に連続して記憶させる。具体的には、HT処理部24は、第1色のデータに第1HT処理を施した後のデータと、第2色のデータに第2HT処理を施した後のデータとを、行単位で、バッファB1へ交互に記憶させていく。ここでいう“行”とは、複数の画素が横(主走査方向)へ並んでなる領域(1ラスター)である。この結果、バッファB1には、第1色のデータに第1HT処理が施さた後の画素の行(奇数番目の行)と第2色のデータに第2HT処理が施さた後の画素の行(偶数番目の行)とが交互に並んで横×縦の解像度600dpi×1200dpiに対応した画像データが記憶される。
HT処理部24は、第1色のデータに第1HT処理を施した後のデータと第2色のデータに第2HT処理を施した後のデータとをバッファB1に連続して記憶させる処理と同様、第3色のデータに第1HT処理を施した後のデータと、第4色のデータに第2HT処理を施した後のデータとを、行単位で、バッファB2へ交互に記憶させていく。上述したように、ある画素について色変換処理(ステップS120)によって得られる第1色、第2色、第3色および第4色は同じ値であり、第1色および第3色にはディザマスクDM1が適用され、第2色および第4色にはディザマスクDM2が適用される(ステップS130)。そのため、ステップS140により、バッファB1に生成される画像データと、バッファB2に生成される画像データとは、基本的には同じ内容である。
ステップS150では、印刷制御部25が、記憶部(バッファB1)から読み出した画像データを用いた所定の一色のインク(出力色)による印刷を印刷機構50に実行させる。出力色とは、実際に印刷ヘッド52が吐出するインクの色を指し、例えばKである。つまり本実施形態では、Kインクによるモノクロ印刷を行う。具体的には、印刷制御部25は、バッファB1に記憶された画像データを構成する画素を、印刷ヘッド52に転送すべき順に並べ替える。当該並べ替えの処理により、当該画像データを構成する画素が規定するドット(インク滴)は、その画素位置に応じて、印刷ヘッド52内のいずれのKノズル(Kインクを吐出するためのノズル)によって、何番目の主走査(パス)で、パス中のどのタイミングで吐出されるかが確定される。当該並べ替え処理後の画像データ(印刷データ)が印刷機構50へ出力される。印刷機構50は、入力した印刷データに基づいて、キャリッジ51による印刷ヘッド52の主走査、印刷ヘッド52が有する各Kノズルからのインク滴の吐出又は非吐出、および搬送部53による印刷媒体の搬送を制御する。これにより、ステップS100で取得された画像データが表現する画像が、横(主走査方向)×縦(副走査方向)の印刷解像度=600dpi×1200dpiにて、印刷媒体にKインクで再現される(モノクロ印刷される)。
なお、第3色のデータに第1HT処理を施した後のデータと第4色のデータに第2HT処理を施した後のデータとをバッファB2に連続して記憶させることにより生成された、横(主走査方向)×縦(副走査方向)の印刷解像度=600dpi×1200dpiの画像データは、前記モノクロ印刷には使用されることなく、破棄される。
このように本実施形態では、印刷制御装置10は、画像データの第1の表色系を印刷に使用する第2の表色系(インク表色系)に色変換する際に、第2の表色系に含まれる第1色の値と第2色の値とが同じである画像データを出力し、HT処理においては、色変換後の画像データのうち第1色のデータに第1HT処理を施し、第2色のデータに第2HT処理を施す。そして、第1HT処理後の第1色の画像データと、第2HT処理後の第2色の画像データとを連続させることで実質的に解像度を増加させた(上述の例では、縦方向の解像度を600dpiから1200dpiへ増加させた)画像データを用いて、モノクロ印刷を実行させる。そのため、例えば上述したように、色変換処理(ステップS120)やHT処理(ステップS130)の前に、解像度変換(ステップS110)により縦方向の解像度を600dpiから1200dpiへ増加させなくても、色変換処理(ステップS120)やHT処理(ステップS130)の前にこのような解像度変換を行った場合と同じ解像度の印刷結果を得られる。つまり本実施形態によれば、解像度を増加させることによるその後の処理量の増加を回避しつつ(処理速度を向上させつつ)、最終的には必要な高解像度な画像が得られる。
また、第1HT処理に使用されるディザマスクDM1と、第2HT処理に使用されるディザマスクDM2とは、画質向上のための所定の思想に基づいて設計された一つのディザマスクD0におけるそれぞれ異なる部分である(図4参照)。そのため、ディザマスクDM1を適用して生成された第1HT処理後の画像データを奇数番目の行とし、ディザマスクDM2を適用して生成された第2HT処理後の画像データを偶数番目の行として配置して得られた画像データ(バッファB1に記憶された画像データ)は、全体として良好な画質を実現していると言え、結果的に高品質な印刷物が得られる。ただし、ディザマスクDM1,DM2が元々一つのディザマスクDM0のそれぞれ異なる一部を抽出して構成されたものであることは、本発明において必須の事項ではない。ディザマスクDM1,DM2は、初めから別々に生成されたディザマスクであってもよい。また本実施形態によれば、第1HT処理と第2HT処理は並列して実行されるため、HT処理(ステップS130)全体に要する時間の増加も抑えられる。
上述の説明から判るように、ステップS140において共通のバッファに第1色のデータと第2色のデータとが連続して記憶された以後は、それらデータと、それらデータがそれまで対応付けられていたインク色との関係は意味を成さなくなる。つまり、それまで、第1色(例えばC)の濃度やインク滴の吐出/非吐出、第2色(例えばM)の濃度やインク滴の吐出/非吐出、を表すものとして処理されてきた情報が、最終的には(ステップS150では)、予め指定された一つの出力色(例えばK)によるモノクロ画像を表現するための情報として扱われる。
また、上述したように第1HT処理後の第1色の画像データと第2HT処理後の第2色の画像データとを“連続させる”とは、直接的に連続させる場合に限らず、例えば、第1HT処理後の第1色の画像データと第2HT処理後の第2色の画像データとが、他の何らかのデータを挟んで連続している場合をも含む。
本発明は上述の実施形態(第1実施形態)に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば後述するような実施形態を採用可能である。各実施形態を適宜組み合わせた構成も本発明の開示範囲に入る。以下の実施形態の説明においては、第1実施形態と共通の事項は説明を適宜省略する。
(第2実施形態)
印刷ヘッド52は、各ノズルから、異なるサイズのインク滴を吐出することが可能であるとしてもよい。インク滴のサイズが異なるとは、インク滴あたりの体積(1滴のインク量)が異なることを意味する。より具体的には、印刷ヘッド52は、最も大きいサイズのインク滴(Lサイズのインク滴)と、その次に大きいサイズのインク滴(Mサイズのインク滴)と、最も小さいサイズのインク滴(Sサイズのインク滴)とを各ノズルから吐出可能である。Lサイズのインク滴を「大ドット」、Mサイズのインク滴を「中ドット」、Sサイズのインク滴を「小ドット」、と表現することもある。
このような第2実施形態では、ステップS130の第1HT処理、第2HT処理のそれぞれにおいて、HT処理部24は、処理対象となる色変換後のデータに対し、ドット振分処理を行なう。つまり、色変換後の各画素が有する値(入力値)を、複数の異なるサイズのインク滴毎の記録率(発生率)に振り分ける処理を行なう。ドット振分処理は、入力値と各サイズのインク滴毎の記録率との変換関係を規定したドット振分テーブルを参照することにより実行する。
図5は、ドット振分テーブル(T1)の一例である。ドット振分テーブルT1は、横軸を入力値(例えば、0〜255の256階調)とし、縦軸をドットの記録率(例えば、0〜100%)としたテーブル(あるいは関数)である。ドットの記録率としては、例えば、印刷媒体における単位領域内のドットの被覆率が想定されている。ドット振分テーブルT1は、大ドットの記録率を規定したテーブルLT(実線)と、中ドットの記録率を規定したテーブルMT(二点鎖線)と、小ドットの記録率を規定したテーブルST(一点鎖線)とで構成されている。
あくまで一例であるが、ドット振分テーブルT1は、入力値が最低値(0)から最大値(255)へ増加するにつれて、最初は小ドットの記録率(ST)のみを発生させ、ある階調値J1以上で中ドットの記録率(MT)も発生させ、さらに、ある階調値J2(>J1)以上で、大ドットの記録率(LT)も発生させる。ドット振分テーブルT1によれば、比較的インクの濃度が低い(低階調の)画像は比較的小さなドットを用いて画像が再現され、比較的インクの濃度が高い(高階調の)画像は比較的大きなドットを多用して画像が再現される。また、高階調側であっても、小ドットや中ドットの記録率がある程度存在するため、画像全体として粒状性が良好なものとなる。第1HT処理では、このようなドット振分テーブルT1に、ドット振分処理の対象とする第1色のデータ、第3色のデータを入力することで、画素毎かつ、第1色、第3色毎の、小ドット、中ドットおよび大ドット(あるいはそれらの一部)の記録率へ変換する。また、第2HT処理では、このようなドット振分テーブルT1に、ドット振分処理の対象とする第2色のデータ、第4色のデータを入力することで、画素毎かつ、第2色、第4色毎の、小ドット、中ドットおよび大ドット(あるいはそれらの一部)の記録率へ変換する。第1HT処理で使用するドット振分テーブルと、第2HT処理で使用するドット振分テーブルとは、同じであってもよいし異なっていてもよい。
さらに第1HT処理では、画素毎かつ色(第1色、第3色)毎に、ディザマスクDM1に格納されたしきい値と各サイズのドットの記録率とを比較し、大、中、小ドットのいずれか一つの吐出(大ドット吐出、または中ドット吐出、または小ドット吐出)あるいはインク滴非吐出を決定した画像データ(4値データ)を生成する。同様に、第2HT処理では、画素毎かつ色(第2色、第4色)毎に、ディザマスクDM2に格納されたしきい値と各サイズのドットの記録率とを比較し、大、中、小ドットのいずれか一つの吐出(大ドット吐出、または中ドット吐出、または小ドット吐出)あるいはインク滴非吐出を決定した画像データ(4値データ)を生成する。このような各サイズのドットの記録率を対象としたディザマスクの適用に際しての具体的手法は特に限られない。例えば、ある画素のある色(例えば第1色)についてのドット振分処理後の大ドットの記録率、中ドットの記録率、小ドットの記録率をそれぞれ、大ドットの記録率=LR、中ドットの記録率=MR、小ドットの記録率=SRとした場合、次のようにディザマスク(ディザマスクDM1)のしきい値THDと比較しても良い。なお、しきい値THDは、LR、MR、SRと同様の数値範囲(0〜100%)に規格化されているものとする。
HT処理部24は、LR、LR+MR、LR+MR+SR、という各数値を算出する。次に、
THD≦LRであれば、大ドット吐出を決定し、
LR<THD≦LR+MRであれば、中ドット吐出を決定し、
LR+MR<THD≦LR+MR+SRであれば、小ドット吐出を決定し、
LR+MR+SR<THDであれば、インク滴非吐出を決定する。
仮に、ある画素の第1色についてのLR,MR,SRが、LR=0%、MR=10%、SR=40%であり、適用されるディザマスクDM1におけるしきい値THDが、THD=35%であれば、上記の例によれば、当該画素の第1色については、小ドット吐出と決定する。
次のステップS140では、HT処理部24は、第1実施形態と同様、第1色のデータに第1HT処理を施した後のデータと、第2色のデータに第2HT処理を施した後のデータとを、行単位で、バッファB1へ交互に記憶させていく。また、第3色のデータに第1HT処理を施した後のデータと、第4色のデータに第2HT処理を施した後のデータとを、行単位で、バッファB2へ交互に記憶させていく。このような第2実施形態によれば、大、中、小ドットを使用して表現される階調性が豊かな印刷物を、より短い処理時間により得ることができる。
(第3実施形態)
印刷制御装置10は、CMYKの全インクを使用可能なカラー印刷を行うカラー印刷モードと、Kインクのみを使用するモノクロ印刷を行うモノクロ印刷モードと、のどちらにも対応可能である。この場合、ユーザーは、操作受付部40等を操作することにより、カラー印刷モードとモノクロ印刷モードとのいずれかを選択することができる。制御部20は、カラー印刷モードが選択されている場合には、ユーザーが印刷対象として任意に選択した画像データに基づいて従来通りのカラー印刷を実行する。一方、モノクロ印刷モードが選択されている場合に、制御部20は、ユーザーが印刷対象として任意に選択した画像データに基づいて、第1実施形態や第2実施形態で説明したモノクロ印刷を実行する。第3実施形態によれば、ユーザーの意思に応じて、従来よりも高速化されたモノクロ印刷を実行するか否かを分岐することができる。
(その他の実施例)
第1HT処理後の第1色の画像データと第2HT処理後の第2色の画像データとを連続させて一つの画像とするタイミングは上述したタイミング(ステップS140)に限られない。例えば、ステップS140では、HT処理部24は、第1HT処理後の画像データと、第2HT処理後の画像データとを、それぞれ異なる記憶領域に一旦記憶させるとしてもよい。そして、印刷制御部25が、ステップS150において、前記異なる記憶領域にそれぞれ記憶されている第1HT処理後の画像データと第2HT処理後の画像データとを行(ラスター)単位で交互に読み出し、縦方向に連続させることにより縦方向の解像度を倍化した一つの画像データを生成しつつ、前記並べ替え処理を行うとしてもよい。
上述したように本発明によれば、色変換処理によって分版される色数のうちある二つの色(便宜的に第1色、第2色と呼ぶ色)を、同じ値として出力し、当該二つの色に異なるHT処理を並行実施して得られるデータを連続させることで、解像度が増加された一つの出力色にかかる画像データが生成できる。従って本発明は、モノクロ印刷以外の印刷、つまり前記出力色が複数である場合にも適用可能なことは明らかである。
一例として、色変換処理(ステップS120)では、画素がRGBで表現された画像データを、8色のインク表色系(例えば、C,M,Y,K,Lc(ライトシアン),Lm(ライトマゼンダ)、Lk(グレー)、V(バイオレット))に変換するとする。この場合、色変換処理部23は、色変換後の値が同値となる色の対が計4対となるような色変換LUTを参照して色変換を実行する(例えば、C=M=α、Y=K=β、Lc=Lm=γ、Lk=V=δ、となる色変換を実行する)。
そして、HT処理(ステップS130)では、HT処理部24は、前記4対のうち1対目を構成する第1色(C)と第2色(M)について、それぞれ異なるHT処理を行い、2対目を構成する第1色(Y)と第2色(K)について、それぞれ異なるHT処理を行い、3対目を構成する第1色(Lc)と第2色(Lm)について、それぞれ異なるHT処理を行い、4対目を構成する第1色(Lk)と第2色(V)について、それぞれ異なるHT処理を行う。そして、HT処理部24(あるいは印刷制御部25)は、これら対毎に、HT処理後の第1色および第2色の画像データを連続させることで、前記4対分の、解像度が増加された画像データ、すなわち計4色分の出力色に対応した各画像データを得る。このようにして得られた4色分の出力色に対応した各画像データに基づき、例えば、出力色CYMKによるカラー印刷を実行することができる(ステップS140,S150)。
10…印刷制御装置、20…制御部、21…画像取得部、22…解像度変換部、23…色変換処理部、24…HT処理部、25…印刷制御部、30…通信I/F、40…操作受付部、41…LCD、50…印刷機構、51…キャリッジ、52…印刷ヘッド、53…搬送部、100…外部機器

Claims (6)

  1. 第1の表色系で表現された画像データを印刷に使用される第2の表色系の画像データに色変換する色変換処理部と、
    前記色変換後の画像データにハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部と、
    前記ハーフトーン処理後の画像データを用いた印刷を実行させる印刷制御部と、を備える印刷制御装置であって、
    前記色変換処理部は、前記色変換の結果として、前記第2の表色系に含まれる第1色の値と第2色の値とが同じである画像データを出力し、
    前記ハーフトーン処理部は、前記色変換後の画像データのうち前記第1色のデータにハーフトーン処理を行う第1ハーフトーン部と、前記色変換後の画像データのうち前記第2色のデータにハーフトーン処理を行う第2ハーフトーン部と、を有し、
    前記印刷制御部は、前記第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと、前記第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと、が連続した画像データを用いた印刷を実行させる、ことを特徴とする印刷制御装置。
  2. 前記第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと、前記第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと、を同一の記憶領域に連続して記憶する記憶部をさらに備え、
    前記印刷制御部は、前記記憶部から読み出した画像データを用いた印刷を実行させる、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 前記第1ハーフトーン部は、前記第1色のデータに第1のディザマスクを適用することによりハーフトーン処理を行い、前記第2ハーフトーン部は、前記第2色のデータに前記第1のディザマスクと異なる第2のディザマスクを適用することによりハーフトーン処理を行う、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷制御装置。
  4. 前記第1のディザマスクは、予め生成されたディザマスクの一部を抽出したものであり、前記第2のディザマスクは、当該予め生成されたディザマスクの当該一部以外の部分を抽出したものである、ことを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
  5. カラー印刷を行うカラー印刷モードと、モノクロ印刷を行うモノクロ印刷モードとのうちモノクロ印刷モードが選択されている場合に、前記色変換処理部は、前記第1色の値と前記第2色の値とが同じである画像データを出力し、前記ハーフトーン処理部は、前記第1ハーフトーン部により前記第1色のデータにハーフトーン処理を行い、前記第2ハーフトーン部により前記第2色のデータにハーフトーン処理を行い、前記印刷制御部は、前記第1ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データと前記第2ハーフトーン部によるハーフトーン処理後の画像データとが連続した画像データを用いた印刷を実行させる、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の印刷制御装置。
  6. 第1の表色系で表現された画像データを印刷に使用される第2の表色系の画像データに色変換する色変換処理工程と、
    前記色変換後の画像データにハーフトーン処理を行うハーフトーン処理工程と、
    前記ハーフトーン処理後の画像データを用いた印刷を印刷媒体へ実行することにより印刷物を出力する印刷制御工程と、を備える印刷物の生産方法であって、
    前記色変換処理工程では、前記色変換の結果として、前記第2の表色系に含まれる第1色の値と第2色の値とが同じである画像データを出力し、
    前記ハーフトーン処理工程では、前記色変換後の画像データのうち前記第1色のデータにハーフトーン処理を行う第1ハーフトーン工程と、前記色変換後の画像データのうち前記第2色のデータにハーフトーン処理を行う第2ハーフトーン工程と、を実行し、
    前記印刷制御工程では、前記第1ハーフトーン工程によるハーフトーン処理後の画像データと、前記第2ハーフトーン工程によるハーフトーン処理後の画像データと、が連続した画像データを用いた印刷を実行させる、ことを特徴とする印刷物の生産方法。
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