JP2016045278A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離部材の先端を定着回転体の表面から記録材の分離に支障が無い距離だけ離間させて保持した場合、分離部材の寸法誤差、定着回転体の寸法誤差、分離部材及び定着回転体の取り付け誤差を考慮して、分離部材の先端と定着回転体の表面の距離を広めに設定しなくてはならないため、薄紙などは分離が困難になっている。【解決手段】定着部材と加圧部材の長手方向に硬度分布を持ち、定着回転体の平均硬度よりも高い硬度部分と、加圧回転体の平均硬度よりも低い硬度部分を嵌合すると共に、定着回転体の平均硬度よりも低い硬度部分と、加圧回転体の平均硬度よりも高い硬度部分を嵌合するように定着装置を設計する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式・静電記録方式・磁気記録方式などによって記録材にトナー像を形成する複写機・ファクシミリ・プリンタ等の画像形成装置に搭載される画像加熱定着装置として用いて好適な画像加熱装置に関する。
電子写真方式の複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置は、画像形成部で記録材上に形成担持させた未定着トナー画像を記録材上に定着させることを目的としている。定着装置としては加熱された定着ローラ又は定着ベルト(以下、定着回転体と記す)と加圧ローラ又は加圧ベルト(以下、加圧回転体と記す)との定着ニップ部で記録材を挟持搬送し、加熱・加圧して未定着トナー画像を記録材上に定着させる方式が一般に用いられている。
この定着装置は、記録材上のトナーが多い場合に記録材の分離性が低下し、定着回転体の広い範囲にオフセットが起こり、そのオフセットのために記録材が定着回転体から離れずに巻き付きやすくなるという問題があった。
この課題を解決するものとして、定着回転体の回転方向に逆らうように先端が配置された分離部材(分離爪、分離ブレードなど)を用いて定着回転体から記録材を分離する画像加熱装置が実用化されている。分離部材は、定着回転体に付着して連れ回る記録材と定着回転体との間に鋭利な先端を差し込んで、定着回転体の表面から記録材を強制的に引き剥がして分離する。あるいは、定着回転体の下流側で曲率分離した記録材と定着回転体との間に先端を位置させて、定着回転体の表面に対する記録材の再付着を阻止する。
特許文献1には、定着ローラに分離爪の先端を接触させて定着ローラから記録材を分離する分離爪が示される。ここでは、分離爪が定着器の筐体に固定された回動軸を中心にして回動して定着ローラに対して接離可能となるように取り付けられている。そして、薄紙等の分離が困難な記録材を用いる際にのみ定着ローラの表面に分離爪の先端を当接させ、分離が容易な場合には分離爪を定着ローラの表面から遠く離間させている。分離爪の鋭利な先端を定着ローラに常時当接させていると、定着ローラの表面に凹凸が形成されて定着画像に影響を及ぼすからである。
特許文献2には、加熱ローラに分離爪の先端を接触させて定着ローラから記録材を分離する分離爪が示される。ここでは、分離爪の先端を加熱ローラに押し付ける押し付け圧力が二段階に切り替えられるようになっている。そして、記録材の先端部分が通過する間だけ分離爪の先端を加熱ローラに強く押し付け、それ以外のタイミングでは分離爪の先端を緩く押し付けて、分離爪の先端による加熱ローラの損耗を回避している。
特開平01−288887号公報 特開2007−57589号公報
分離部材は、特許文献1に示されるように、不必要な場合には定着回転体から離間させ、必要な場合でも、特許文献2に示されるように定着回転体に対して必要最小限に圧接させることが望ましい。しかし、特許文献1,2に示すように、分離部材の鋭利な先端を定着回転体に圧接する形態では、遅かれ早かれ定着回転体の表面に分離部材の摺擦跡が形成されて画像に影響を及ぼす。
そこで、分離部材の先端を定着回転体の表面から記録材の分離に支障が無い距離だけ離間させて保持することが提案された。しかし、分離部材の寸法誤差、定着回転体の寸法誤差、分離部材及び定着回転体の取り付け誤差を考慮して、分離部材の先端と定着回転体の表面の距離を広めに設定しなくてはならないため、分離が困難な記録材(薄紙など)には不利になってしまう。
そこで、本発明の目的は、記録材のコシを向上させることで、記録材が定着回転体から分離しやすくする定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る定着装置の構成は、定着回転体と加圧回転体の長手方向に硬度分布を持ち、定着回転体の平均硬度よりも高い硬度部分と、加圧回転体の平均硬度よりも低い硬度部分を嵌合すると共に、定着回転体の平均硬度よりも低い硬度部分と、加圧回転体の平均硬度よりも高い硬度部分を嵌合することを特徴とする。
本発明によれば、定着回転体と加圧回転体の長手方向に硬度分布を持ち、定着回転体の平均硬度よりも高い硬度部分と、加圧回転体の平均硬度よりも低い硬度部分を嵌合すると共に、定着回転体の平均硬度よりも低い硬度部分と、加圧回転体の平均硬度よりも高い硬度部分を嵌合することで、定着ニップ出口の記録材が進行方向水平に湾曲し、記録材のコシが向上し、定着回転体から記録材が分離しやすくなった。
本発明の実施例1の定着ベルトと加圧ローラの硬度分布を説明する図、硬度を示すグラフである。 本発明の実施例1の比較例の定着ベルトと加圧ローラの硬度分布を説明する図である。 画像形成装置の構成を説明する図である。 本発明の定着装置Aの構成を説明する図である。 本発明の実施例1〜3の定着ベルト、加圧ローラ及び加圧ベルトの製造方法を説明する図である。 本発明の実施例2の定着ベルトと加圧ローラの硬度分布を説明する図、硬度を示すグラフである。 本発明のツインベルト方式の定着装置A3の構成を説明する図である。 本発明の実施例3の定着ベルトと加圧ベルトの硬度分布を説明する図、硬度を示すグラフである。 本発明の実施例3の比較例の定着ベルトと加圧ベルトの硬度分布を説明する図、硬度を示すグラフである。 本発明の実施例3の比較例の定着ベルトと加圧ベルトの硬度分布を説明する図である。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明を適用できる実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではなく本発明の思想の範囲内において種々の変形が可能である。
(1)画像形成部
図3は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置A(クレーム1の「画像加熱装置」に対応する構成)として搭載した画像形成装置の一例の概略構成を示す断面模式図である。
この画像形成装置1は電子写真方式レーザープリンタであり、潜像を担持する像担持体として感光体ドラム2を備えている。感光体ドラム2は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動され、その外面が帯電器3によって所定の極性・電位に一様に帯電される。その一様帯電面に対してレーザースキャナ(光学装置)4により画像情報のレーザー走査露光5がなされる。これにより、感光体ドラム2の面には走査露光した画像情報の静電潜像が形成される。その静電潜像が現像器6によってトナー画像として現像される。そのトナー画像が、感光体ドラム2と転写ローラ7との当接部である転写部において、該転写部に導入された記録材(シート)Sに対して順次に転写される。
記録材Sは装置下部の給紙カセット9内に積載収納されている。所定の給紙タイミングで給紙ローラ10が駆動されると、給紙カセット9内の記録材が1枚分離給紙されて、搬送路10aを通ってレジストローラ対11に至る。レジストローラ対11は記録材Sの先端部を受け止めて記録材の斜行修正をする。また、感光体ドラム上のトナー画像の先端部が転写部に到達したときに記録材の先端部も転写部に丁度到達するタイミングとなるように、感光体ドラム上のトナー画像と同期をとって、記録材Sを転写部に給送する。
転写部を通った記録材Sは感光体ドラム2の面から分離されて、定着装置Aへと搬送される。この定着装置Aにより記録材S上の未定着トナー画像が加熱・加圧により記録材面に定着される。そして、その記録材が搬送路10bを通って排出ローラ対12によって装置上部の排出トレイ13へと排出、積載される。
また、記録材分離後の感光体ドラム2の面はクリーニング装置8によって転写残トナー等の残留付着物が除去されて清掃され、繰り返して作像に供される。
(2)定着装置A
図4は、定着装置Aの概略構成模式図である。21は弾性層を備えた円筒状の定着ベルト(エンドレスベルト)である(クレーム1の「定着回転体」に対応する構成)。詳しくは後述するが定着ベルト21は、厚み40μmの電鋳ニッケルベルトを基層として、長手方向に硬度分布を持つ厚み約400μmのシリコーンゴム層(弾性層)が形成されている。さらに、その上に、厚み約30μmのPFA樹脂チューブ(最表面層)が被覆された構造となっている。22は定着ベルト21との間で定着ニップ部27(クレーム1の「加熱ニップ」に対応する構成)を形成する加圧部材としての加圧ローラである(クレーム1の「加圧回転体」に対応する構成)。
23は加熱体としての定着ヒータであり、25は耐熱性を有するベルトガイド兼ヒータホルダである。定着ヒータ23は、ベルトガイド兼ヒータホルダ25の下面に該ベルトガイド兼ヒータホルダ25の長手に沿って固定されており、定着ベルト21とその加熱面が摺動可能な構成とされている。定着ベルト21はこのベルトガイド兼ヒータホルダ25に若干の自由度を持って外嵌されている。また、ベルトガイド兼ヒータホルダ25は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成されており、定着ヒータ23を保持するとともに定着ベルト21を記録材Sと分離させるための形状にする役割を果たしている。
加圧ローラ22は、詳しくは後述するがステンレス製の芯金上に、厚み1.75mmのソリッドゴム層と、長手方向に硬度分布を持つ厚み1mmのシリコーンゴム層、さらに厚み約30μmのPFA樹脂チューブが順に積層された多層構造とされている。この加圧ローラ22の芯金の両端部が装置フレーム33の不図示の奥側と手前側の側板間に回転可能に軸受保持されている。
この加圧ローラ22の上側に、定着ヒータ23、ベルトガイド兼ヒータホルダ25、定着ベルト21などを備えた定着ユニットが設置される。この定着ユニットは、定着ヒータ23側を下向きにして加圧ローラ22に平行に設置されている。
26は金属製の定着ステイである。定着ステイ26は定着ヒータ23とベルトガイド兼ヒータホルダ25などを固定していて、両端部は不図示の加圧機構によりその一端側が156.8N(16kgf)、総圧313.6N(32kgf)の力で加圧ローラ22と定着ベルト21間に付勢されている。その結果、定着ヒータ23の下面(加熱面)を、定着ベルト21を介して加圧ローラ22の弾性層に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、定着に必要な所定幅の定着ニップ部27が形成されている。
24は温度検知手段としてのサーミスタである。サーミスタ24(ヒータ温度センサ)は、熱源である定着ヒータ23の裏面(加熱面とは反対側の面)に設置され、定着ヒータ23の温度を検知する機能を担っている。加圧ローラ22は矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。これと圧接された関係にある定着ベルト21は加圧ローラ22によって従動し所定の速度で回転する。このとき、定着ベルト21の内面が定着ヒータ22の下面に密着して摺動しながらベルトガイド兼ヒータホルダ25の外回りを矢印の方向に従動回転状態になる。定着ベルト21内面にはシリコーン系のオイルが塗布され、ベルトガイド兼ヒータホルダ25と定着ベルト21内面との摺動性を確保している。
次に、上述した定着装置に内蔵された各部材に関して詳細に説明する。サーミスタ24は、定着ヒータ23の裏面に接触するよう配置され、定着ヒータ21の温度を検出する。そして、制御回路部(CPU)31は、定着ヒータ23が目標温度(設定温度)となるように定着ヒータ23への通電を制御する役割を果たしている。定着ヒータ23は、アルミナの基板と、この上に、銀・パラジウム合金を含んだ導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一な10μm程度の厚さの膜状に塗布された抵抗発熱体を有している。さらに、この上に、耐圧ガラスによるガラスコートが施された、セラミックヒータとされている。
また、定着ヒータ23は定着ベルト21との接触面側の基板には摺動層として厚さ10μm程度のポリイミド層が設けられている。このポリイミド層により、定着ベルト21と定着ヒータ23との摺擦抵抗を低減することで、駆動トルクの低減および定着ベルト21内面の磨耗を防止している。シリコーン系のオイルとしてはKF―96(信越シリコーン社製)の0.01m^2/sを使用した。
(3)定着ベルト21
定着ベルト21の基層はポリイミド、SUS合金、ニッケル、鉄、コバルト−ニッケル合金等で形成されている。本実施例においては、内径が30mmで、厚みが40μmの電鋳ニッケルベルトを基層としている。その厚みは好ましくは1〜300μmがよい。基層の厚みが1μmよりも小さいと剛性が低く、多数枚耐久に耐えることが困難となる。また、基層が300μmを超えると剛性が高くなりすぎ、また屈曲性が低下し回転体として使用するには現実的ではない。
基層の外周には弾性層が設けられている。弾性層の材料としては、公知の弾性材料を使用することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。弾性層の厚さは、画像を印刷する場合に記録材の凹凸或いはトナー層の凹凸に加熱面が追従できないことによる光沢ムラを予防するために、100μm以上が好ましい。塗工方法を図5を用いて説明する。
図5は基材43上に弾性層のシリコーンゴム層を形成する工程の一例であり、所謂リングコート法を用いる方法を説明するための模式図である。本実施例では、2種類の硬度に違いがあるシリコーンゴムA(JIS−A12度)とシリコーンゴムB(JIS−A7度)を用い、前記2種類のシリコーンゴムの配分比を変化させながら塗工した。
付加硬化型シリコーンゴムaとフィラーaとが配合された付加硬化型シリコーンゴムA組成物をシリンダポンプ41aに、付加硬化型シリコーンゴムbとフィラーbとが配合された付加硬化型シリコーンゴムB組成物をシリンダポンプ41bに充填し、圧送することで塗布液供給ノズル42でシリコーンゴムAとシリコーンゴムBが混ざり合い、基材43の周面に塗布する。シリンダポンプ41aとシリンダポンプ41bの圧力を変えることで、シリコーンゴムAとシリコーンゴムBの配分比を変えながら塗布することができる。
塗布と同時に基材43を図面右方向に一定速度で移動させることで、付加硬化型シリコーンゴム組成物の塗膜を基材43の周面に形成することが出来る。該塗膜の厚みは、塗布液供給ノズル42と基材43とのクリアランス、シリコーンゴム組成物の供給速度、基材43の移動速度、などによって制御することが出来る。
基材43上に形成された付加硬化型シリコーンゴム層は、電気炉などの加熱手段によって一定時間加熱して、架橋反応を進行させることにより、硬化シリコーンゴム層とすることができる。更に弾性層の外周には、表面離型層としてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が設けられている。実施例では、シリンダポンプ41aとシリンダポンプ41bの圧力比を三角関数的に、10.0:0.0、9.3:0.7、7.5:2.5、5.0:5.0、2.5:7.5、0.7:9.3、0.0:10.0、0.7:9.3、2.5:7.5、5.0:5.0、7.5:2.5、9.3:0.7、10.0:0.0の順にリニアに変化させ、厚みは400μmであった。
付加硬化型シリコーンゴム層を形成した基材43を電気炉で200℃、30分加熱した。自然冷却後、弾性層の外周に接着剤を塗布し、30μmのPFAチューブを被覆し、電気炉で200℃、5分加熱した。自然冷却後、両側を切断してから研磨し、定着ベルト21を完成させた。
図1は、定着ベルト21の長手方向の硬度分布を示した模式図と、硬度のグラフである。定着ベルト21の硬度は両端付近21aと21cは約86度(クレーム1の「定着回転体の平均硬度よりも高い硬度部分」に対応する構成)、中央付近21bに向かうにつれて硬度が下がり、中央付近21bが最も低く約80度になった(クレーム1の「定着回転体の平均硬度よりも低い硬度部分」に対応する構成)。ここでの硬度とは、マイクロゴム硬度計(高分子計器(株)製、商品名:MD−1(Cタイプ))での測定値である。
比較例として、シリコーンゴムAだけで弾性層を形成した定着ベルト21x1と、シリコーンゴムBだけで弾性層を形成した定着ベルト21x2を作成した。電気炉での加熱条件、表面離型層のPFAチューブ、作成手順などは定着ベルト21と同様にした。図2は、定着ベルト21x1と定着ベルト21x2の長手方向の硬度分布を示した模式図である。定着ベルト21x1の硬度は端部付近と中央部付近に違いはなく全領域において約86度であった。定着ベルト21x2も同様に、硬度は端部付近と中央部付近に違いはなく全領域において約80度だった。
(4)加圧ローラ22
本実施例においては、ステンレス製の芯金上に、厚み1.75mmのソリッドゴム層と、長手方向に硬度分布を持つ厚み1mmのシリコーンゴム層、さらに厚み30μmのPFAチューブが順に積層された多層構造とされている。ソリッドゴム層の形成方法としては特に限定されないが、一般的な型成型が好適に用いる事ができる。シリコーンゴム層の形成方法は、定着ベルト21同様にリングコート法を用いた。
基材43の代わりに外径21.5mmのステンレス製の芯金上に、厚み1.75mmのソリッドゴム層を形成したものをセットし、シリコーンゴムC(JIS−A15度)をシリンダポンプ41aに、シリコーンゴムD(JIS−A21度)をシリンダポンプ41bに充填し、前記2種類のシリコーンゴムの配分比を変化させながら塗工した。シリンダポンプ41aとシリンダポンプ41bの圧力比を三角関数的に、10.0:0.0、9.3:0.7、7.5:2.5、5.0:5.0、2.5:7.5、0.7:9.3、0.0:10.0、0.7:9.3、2.5:7.5、5.0:5.0、7.5:2.5、9.3:0.7、10.0:0.0の順にリニアに変化させ、厚みは1mmであった。
シリコーンゴム層を形成後は定着ベルト21同様に、PFAチューブを被覆し、加圧ローラ22を完成させた。図1は、加圧ローラ22の長手方向の硬度分布を示した模式図と、硬度のグラフである。加圧ローラ22の硬度は両端付近22aと22cは約87度(クレーム1の「加圧回転体の平均硬度よりも低い硬度部分」に対応する構成)、中央付近22bに向かうにつれて硬度が上がり、中央付近22bが最も高く約91度になった(クレーム1の「加圧回転体の平均硬度よりも高い硬度部分」に対応する構成)。ここでの硬度とは、マイクロゴム硬度計(高分子計器(株)製、商品名:MD−1(Cタイプ))での測定値である。
比較例として、シリコーンゴムCとシリコーンゴムDの配分比を5:5に固定して弾性層を形成した加圧ローラ22xを作成した。電気炉での加熱条件、表面離型層のPFAチューブ、作成手順などは加圧ローラ22と同様にした。図2は、加圧ローラ22xの長手方向の硬度分布を示した模式図である。加圧ローラ22xの硬度は端部付近と中央部付近に違いはなく全領域において約89度であった。
(5)用紙分離試験方法
再生紙67g/m(キヤノン製)A4紙を、高湿環境として30℃/80%の環境下で、48時間放置して含水率が9.0%を越えた記録材に、全面ベタ画像形成を行い、定着させたときの分離性を確認した。分離性は記録材が定着ベルトから良好に分離したものを○とし、記録材が先端から定着ベルトに巻きつく、もしくは剥離爪に引っ掛ってJAMを生じたら分離不良×として判断した。
(6)用紙分離試験結果
本実施例で作成した定着ベルト21と加圧ローラ22を組み合わせた定着装置Aを3台、比較例として定着装置Aの代わりに、比較例として作成した定着ベルト21x1と加圧ローラ22xを組み合わせた定着装置A1x1を3台、定着ベルト21x2と加圧ローラ22xを組み合わせた定着装置A1x2を3台使い、前述の用紙分離試験方法により試験を行った結果を表1に示す。
表1
本実施例の定着ベルト21と加圧ローラ22を組み合わせた定着装置Aの3台は、分離性に問題なかった。
比較例として作成した定着ベルト21x1と加圧ローラ22xを組み合わせた定着装置A1x1が3台と、定着ベルト21x2と加圧ローラ22xを組み合わせた定着装置A1x2が2台が分離不良となった。
上記の結果から本実施例は、比較例よりも分離性が良いということが分かった。本実施例の定着ベルト21の長手方向の硬度分布と加圧ローラ22の長手方向の硬度分布は、定着ベルト21の平均硬度よりも高い硬度部分が、加圧ローラ22の平均硬度よりも低い硬度部分に嵌合していると共に、定着ベルト21の平均硬度よりも低い硬度部分が、加圧ローラ22の平均硬度よりも高い硬度部分に嵌合している。定着ベルト21の両端部の硬度は、定着ベルト21の平均硬度より高く、それに対する加圧ローラ22の両端部の硬度は、加圧ローラ22の平均硬度より低い。定着ベルト21の中央部は、定着ベルト21の平均硬度より低く、それに対する加圧ローラ22の中央部は、加圧ローラ22の平均硬度より高くなっている。この関係があるため、定着ニップ部27の下流にあたる定着ニップ部出口の記録材は中央部付近を凸とした進行方向水平に湾曲している。この湾曲により、記録材のコシが向上して用紙分離性が上がっていると考えられる。
(1)定着ベルト211
本実施例においては、実施例1で用いた定着ベルト21の製造方法で、同様に2種類の硬度に違いがあるシリコーンゴムA(JIS−A12度)とシリコーンゴムB(JIS−A7度)を用い、シリコーンゴムAをシリンダポンプ41aに、シリコーンゴムBをシリンダポンプ41bに充填して、シリンダポンプ41aとシリンダポンプ41bの圧力比のみ変更した。圧力比を三角関数的に、0.0:10.0、0.7:9.3、2.5:7.5、5.0:5.0、7.5:2.5、9.3:0.7、10.0:0.0、9.3:0.7、7.5:2.5、5.0:5.0、2.5:7.5、0.7:9.3、0.0:10.0の順にリニアに変化させ、厚みは400μmであった。以降の手順は実施例1の定着ベルト21の製造方法と同様に行い定着ベルト211を完成させた(クレーム1の「定着回転体」に対応する構成)。
図6は、定着ベルト211の長手方向の硬度分布を示した模式図と、硬度のグラフである。定着ベルト211の硬度は両端付近211aと211cは約80度(クレーム1の「定着回転体の平均硬度よりも低い硬度部分」に対応する構成)、中央付近211bに向かうにつれて硬度が上がり、中央付近211bが最も高く約86度になった(クレーム1の「定着回転体の平均硬度よりも高い硬度部分」に対応する構成)。ここでの硬度とは、マイクロゴム硬度計(高分子計器(株)製、商品名:MD−1(Cタイプ))での測定値である。
(2)加圧ローラ221
本実施例においては、実施例1で用いた加圧ローラ22の製造方法で、同様に2種類の硬度に違いがあるシリコーンゴムC(JIS−A15度)をシリンダポンプ41aに、シリコーンゴムD(JIS−A21度)をシリンダポンプ41bに充填して、シリンダポンプ41aとシリンダポンプ41bの圧力比のみ変更した。圧力比を三角関数的に、0.0:10.0、0.7:9.3、2.5:7.5、5.0:5.0、7.5:2.5、9.3:0.7、10.0:0.0、9.3:0.7、7.5:2.5、5.0:5.0、2.5:7.5、0.7:9.3、0.0:10.0の順にリニアに変化させ、厚みは1mmであった。以降の手順は実施例1と同様に行い加圧ローラ221を完成させた(クレーム1の「加圧回転体」に対応する構成)。
図6は、加圧ローラ221の長手方向の硬度分布を示した模式図と、硬度のグラフである。加圧ローラ221の硬度は両端付近221aと221cは約91度(クレーム1の「加圧回転体の平均硬度よりも高い硬度部分」に対応する構成)、中央付近221bに向かうにつれて硬度が下がり、中央付近221bが最も低く約87度になった(クレーム1の「加圧回転体の平均硬度よりも低い硬度部分」に対応する構成)。ここでの硬度とは、マイクロゴム硬度計(高分子計器(株)製、商品名:MD−1(Cタイプ))での測定値である。
(3)用紙分離試験方法
実施例1と同様である。
(4)用紙分離試験結果
実施例1で使用した定着装置Aの代わりに、本実施例で作成した定着ベルト211を定着ベルト21と入れ替え、加圧ローラ221を加圧ローラ22と入れ替えた定着装置A2を3台使い、前述の用紙分離試験方法により試験を行った結果を表2に示す。
表2
本実施例の定着ベルト211と加圧ローラ221を組み合わせた定着装置A2の3台は、分離性に問題なかった。
上記の結果から本実施例は、実施例1同様に分離性が良いということが分かった。本実施例の定着ベルト211の長手方向の硬度分布と加圧ローラ221の長手方向の硬度分布は、定着ベルト211の平均硬度よりも低い硬度部分が、加圧ローラ221の平均硬度よりも高い硬度部分に嵌合していると共に、定着ベルト211の平均硬度よりも高い硬度部分が、加圧ローラ221の平均硬度よりも低い硬度部分に嵌合している。
定着ベルト211の両端部の硬度は、定着ベルト211の平均硬度より低く、それに対する加圧ローラ221の両端部の硬度は、加圧ローラ221の平均硬度より高い。定着ベルト211の中央部は、定着ベルト211の平均硬度より高く、それに対する加圧ローラ221の中央部は、加圧ローラ221の平均硬度より低くなっている。この関係があるため、定着ニップ部27の下流にあたる定着ニップ部出口の記録材は中央部付近を凹とした進行方向水平に湾曲している。この湾曲により、記録材のコシが向上して用紙分離性が上がっていると考えられる。
(1)定着装置A3
本実施例においては、実施例1で使用した定着装置Aの代わりに、ツインベルト方式の定着装置A3を使用した(クレーム1の「画像加熱装置」に対応する構成)。
図7はツインベルト方式の定着装置A3の要部の断面模式図である。ここで、定着装置A3またはこれを構成している部材について長手または長手方向とは記録材搬送路面内において、記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。定着装置について正面とは記録材導入側の面である。左右とは装置を正面から見て左または右である。ベルトの幅とは記録材搬送方向に直交する方向のベルト寸法(=ベルト長手方向の寸法)である。また記録材の幅とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。また上流または下流とは記録材の搬送方向に関して上流または下流である。
この定着装置A3は、詳しくは後述するが第1のエンドレスベルトとしての定着ベルト(定着手段)212(クレーム2の「定着回転体」に対応する構成)と、第2のエンドレスベルトとしての加圧ベルト(加圧手段)222(クレーム2の「加圧回転体」に対応する構成)とを備えている。
定着ベルト212の加熱手段として、エネルギー効率の高い電磁誘導加熱方式の加熱源(誘導加熱部材、励磁コイル)を採用している。誘導加熱部材57は、誘導コイル57aと、励磁コア57bと、それらを保持するコイルホルダー57cと、から構成される。誘導コイル57aは、長円状に扁平巻きされたリッツ線を用い、誘導コイルの中心と両脇に突起した横E型の励磁コア57bの中に配置されている。励磁コア57bはフェライト、パーマロイといった高透磁率で残留磁速密度の低いものを用いるので、誘導コイル57aや励磁コア57bでの損失を抑えられ、効率的に定着ベルト212を加熱する事ができる。
励磁回路64から誘導加熱部材57の誘導コイル57aに高周波電流が流されると、定着ベルト212の金属層が誘導発熱して定着ベルト212が加熱される。定着ベルト212の表面温度がサーミスタ等の温度検知素子62により検知される。この温度検知素子62で検知される定着ベルト212の温度に関する信号が制御回路部63に入力する。制御回路部63は温度検知素子62から入力する温度情報が所定の定着温度に維持されるように、励磁回路64から誘導コイル57aに対する供給電力を制御して、定着ベルト212の温度を所定の定着温度に温調する。
定着ベルト212は、ベルト懸架部材としてローラ51並びに定着ローラ52によって張架されている。ローラ51と定着ローラ52はそれぞれ装置の不図示の左右の側板間に回転自由に軸受させて支持させてある。
ローラ51は、外径が20mmで、内径が18mmである厚さ1mmの鉄製の中空ローラであり、定着ベルト212に張りを与えるテンションローラとして機能している。
定着ローラ52は、外径が20mmで、径が18mmである鉄合金製の芯金に、弾性層としてのシリコーンゴム層が設けられた高摺動性の弾性ローラである。この定着ローラ52は駆動ローラとして駆動源(モータ)Mから不図示の駆動ギア列を介して駆動力が入力されて、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。この定着ローラ52に上記のように弾性層を設けることで、定着ローラ52に入力された駆動力を定着ベルト212へ良好に伝達することができるとともに、定着ベルト212からの記録材の分離性を確保するための定着ニップを形成できる。シリコーンゴムの硬度はJIS−A15度である。シリコーンゴム層によって、内部への熱伝導も少なくなるためウォーミングアップタイムの短縮にも効果がある。
定着ベルト212は、定着ローラ52が回転駆動されると、定着ローラ52のシリコーンゴム表面と定着ベルト212の内面ポリイミド層との摩擦によって定着ローラ52と共に回転する。
加圧ベルト222は、ベルト懸架部材としてのテンションローラ54と加圧ローラ55によって張架されている。テンションローラ54と加圧ローラ55はそれぞれ装置の不図示の左右の側板間に回転自由に軸受させて支持させてある。
テンションローラ54は、外径が20mmで、径が16mmである鉄合金製の芯金に、熱伝導率を小さくして加圧ベルト222からの熱伝導を少なくするためにシリコーンスポンジ層を設けてある。
加圧ローラ55は、外径が20mmで、内径が16mmである厚さ2mmの鉄合金製とされた低摺動性の剛性ローラである。
ここで、定着ベルト212と加圧ベルト222との間に画像加熱ニップとしての定着ニップ60を形成する(クレーム1の「加熱ニップ」に対応する構成)ために、加圧ローラ55は、回転軸の左右両端側が不図示の加圧機構により矢印Fの方向に所定の加圧力にて定着ローラ52に向けて加圧されている。
また、装置を大型化することなく幅広い定着ニップ60を得るために、加圧パッドを採用している。すなわち、定着ベルト212を加圧ベルト222に向けて加圧する第1の加圧パッドとしての定着パッド53と、加圧ベルト222を定着ベルト212に向けて加圧する第2の加圧パッドとしての加圧パッド56である。定着パッド53及び加圧パッド56は装置の不図示の左右の側板間に支持させて配設してある。
加圧パッド56は、不図示に加圧機構により矢印Gの方向に所定の加圧力にて定着パッド53に向けて加圧されている。第1の加圧パッドである定着パッド53はパッド基体とベルトに接する摺動シート(低摩擦シート)58を有する。第2の加圧パッドである加圧パッド56もパッド基体とベルトに接する摺動シート59を有する。これはベルト基層を金属層にした場合には、パッドのベルト内周面と摺擦する部分の削れが大きくなるという問題があるためである。ベルトとパッド基体の間に、摺動シート58と59を介在させることで、パッドの削れを防止し、摺動抵抗も低減できるので、良好なベルト走行性、ベルト耐久性を確保できる。
制御回路部63は、少なくとも画像形成実行時にはモータMを駆動する。これにより定着ローラ52が回転駆動され、定着ベルト212が同じ方向に回転駆動される。定着ベルト212の周速度は、記録材にループを形成するため画像形成部側から搬送されてくるシートSの搬送速度に比して僅かに遅い周速とされている。
加圧ベルト222は、定着ベルト212に従動して回転する。ここで、定着ニップ最下流の部分をローラ対52・55により定着ベルト212と加圧ベルト222を挟んで搬送する構成としたことで、ベルトのスリップを防止することができる。定着ニップ最下流の部分は定着ニップでの圧分布(記録材搬送方向)が最大となる部分である。
本実施例の場合、定着ベルト212の周速は300mm/secとされ、A4サイズのフルカラー画像を1分間に70枚定着することが可能である。
定着ベルト212が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、定着ベルト212と加圧ベルト222間の定着ニップ60に、未定着トナー画像tを有する記録材Sが搬送される。記録材Sは、未定着トナー画t像を担持した面を、定着ベルト212側に向けて導入される。そして、記録材Sの未定着トナー画像tが定着ベルト212の外周面に密着したまま挟持搬送されていくことにより、定着ベルト212から熱が付与され、また加圧力を受けて記録材Sの表面に定着される。
(2)定着ベルト212
定着ベルト212の基層は前記誘導加熱部材57によって加熱させるために、SUS合金、ニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバルト−ニッケル合金等の金属層で形成されている。本実施例においては、内径が50mmで、厚みが65μmの電鋳ニッケルベルトを基層としている。その厚みは好ましくは1〜300μmがよい。基層の厚みが1μmよりも小さいと剛性が低く、多数枚耐久に耐えることが困難となる。また、基層が300μmを超えると剛性が高くなりすぎ、また屈曲性が低下し回転体として使用するには現実的ではない。
基層の外周には弾性層が設けられている。弾性層の材料としては、公知の弾性材料を使用することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。弾性層の厚さは、画像を印刷する場合に記録材の凹凸或いはトナー層の凹凸に加熱面が追従できないことによる光沢ムラを予防するために、100μm以上が好ましい。弾性層の厚さが100μm未満では、弾性部材としての機能が発揮されず、定着時の圧力分布が不均一となることによって、特にフルカラー画像定着時に二次色の未定着トナーを十分に加熱定着することができずに定着画像のグロスにおいてムラを生じる。また、溶融不十分なことによってトナーの混色性が低下し、高精細なフルカラー画像が得られず好ましくない。
塗工方法は実施例1同様、所謂リングコート法を用いた。実施例1で用いた定着ベルト21の製造方法同様に、2種類の硬度に違いがあるシリコーンゴムA(JIS−A12度)とシリコーンゴムB(JIS−A7度)を用い、シリコーンゴムAをシリンダポンプ41aに、シリコーンゴムBをシリンダポンプ41bに充填して、シリンダポンプ41aとシリンダポンプ41bの圧力比を三角関数的に、5.0:5.0、2.5:7.5、0.7:9.3、0.0:10.0、0.7:9.3、2.5:7.5、5.0:5.0、7.5:2.5、9.3:0.7、10.0:0.0、9.3:0.7、7.5:2.5、5.0:5.0の順に3回半リニアに変化させ、厚みは600μmであった。以降の手順は実施例1の定着ベルト21の製造方法と同様に行い定着ベルト212を完成させた(クレーム2の「定着回転体」に対応する構成)。
図8は、定着ベルト212の長手方向の硬度分布を示した模式図と、硬度のグラフである。定着ベルト212の硬度は両端部付近212aと212iは約83度、212b付近と212d付近と212f付近と212h付近は約80度(クレーム1の「定着回転体の平均硬度よりも低い硬度部分」に対応する構成)、212c付近と212e付近と212g付近は約86度(クレーム1の「定着回転体の平均硬度よりも高い硬度部分」に対応する構成)になった。ここでの硬度とは、マイクロゴム硬度計(高分子計器(株)製、商品名:MD−1(Cタイプ))での測定値である。
比較例として、シリンダポンプ41aとシリンダポンプ41bの圧力比のみ変更した212x1を作成した。圧力比を三角関数的に、5.0:5.0、7.5:2.5、9.3:0.7、10.0:0.0、9.3:0.7、7.5:2.5、5.0:5.0、2.5:7.5、0.7:9.3、0.0:10.0、0.7:9.3、2.5:7.5、5.0:5.0の順に3回半リニアに変化させた。電気炉での加熱条件、表面離型層のPFAチューブ、作成手順などは定着ベルト212と同様にした。
図9は、定着ベルト212x1の長手方向の硬度分布を示した模式図と、硬度のグラフである。定着ベルト212x1の硬度は両端部付近212x1aと212x1iは、約83度、212x1b付近と212x1d付近と212x1fと212x1h付近は約86度、212x1c付近と212x1e付近と212x1g付近は約80度になった。また、シリコーンゴムBだけで弾性層を形成した定着ベルト212x2を作成した。電気炉での加熱条件、表面離型層のPFAチューブ、作成手順などは定着ベルト212と同様にした。図10は、定着ベルト212x2の長手方向の硬度分布を示した模式図である。定着ベルト212x2の硬度は長手方向に変化はなく全領域において約80度であった。
(3)加圧ベルト222
加圧ベルト222は、本実施例においては、内径が55mmで、厚みが50μmの電鋳ニッケルベルトを基層とし、基層の外周には弾性層としてシリコーンゴムが300μmの厚みで設けられている。塗工方法は実施例1同様、所謂リングコート法を用いた。
実施例1で用いた定着ベルト21の製造方法同様に、2種類の硬度に違いがあるシリコーンゴムC(JIS−A15度)をシリンダポンプ41aに、シリコーンゴムD(JIS−A21度)をシリンダポンプ41bに充填して、シリンダポンプ41aとシリンダポンプ41bの圧力比を三角関数的に、0.0:10.0、0.7:9.3、2.5:7.5、5.0:5.0、7.5:2.5、9.3:0.7、10.0:0.0、9.3:0.7、7.5:2.5、5.0:5.0、2.5:7.5、0.7:9.3、0.0:10.0の順に3回リニアに変化させた。以降の手順は実施例1の定着ベルト21の製造方法と同様に行い加圧ベルト222を完成させた(クレーム2の「加圧回転体」に対応する構成)。
図8は、加圧ローラ222の長手方向の硬度分布を示した模式図と、硬度のグラフである。加圧ベルト222の硬度は222a付近と222c付近と222e付近と222g付近は約91度(クレーム1の「加圧回転体の平均硬度よりも高い硬度部分」に対応する構成)、222b付近と222d付近と222fは約88度(クレーム1の「加圧回転体の平均硬度よりも低い硬度部分」に対応する構成)になった。ここでの硬度とは、マイクロゴム硬度計(高分子計器(株)製、商品名:MD−1(Cタイプ))での測定値である。
比較例として、シリコーンゴムDだけで弾性層を形成した加圧ベルト222xを作成した。電気炉での加熱条件、表面離型層のPFAチューブ、作成手順などは加圧ベルト222と同様にした。図10は、加圧ローラ222xの長手方向の硬度分布を示した模式図である。加圧ベルト222xの硬度は長手方向に変化はなく全領域において約91度であった。
(4)分離部材61
本実施例で作成した定着ベルト212と加圧ベルト222を組み合わせた定着装置A3は、定着ベルト212の212b付近と212d付近と212f付近と212h付近の下流、定着ベルト212表面から700μm離した位置に分離部材61(分離爪)を配置した(クレーム3の「分離部材」に対応する構成)。
比較例として作成した定着ベルト212x1と加圧ベルト222を組み合わせた定着装置A3x1も同様に、定着ベルト212の212x1b付近と212x1d付近と212x1f付近と212x1h付近の下流、定着ベルト212x1表面から700μm離した位置に分離部材61を配置した。
比較例として定着ベルト212x2と加圧ベルト222xを組み合わせた定着装置A3x2も同様に、分離部材61は定着機A3と同じものを212x2下流、定着ベルト212x2表面から700μm離した位置に配置した。
(5)用紙分離試験方法
実施例1と同様である。
(6)用紙分離試験結果
本実施例で作成した定着ベルト212と加圧ベルト222を組み合わせた定着装置A3を3台、比較例として定着装置A3の代わりに、比較例として作成した定着ベルト212x1と加圧ベルト222を組み合わせた定着装置A3x1を3台、定着ベルト212x2と加圧ベルト222xを組み合わせた定着装置A3x2を3台使い、前述の用紙分離試験方法により試験を行った結果を表3に示す。
表3
本実施例の定着ベルト212と加圧ベルト222を組み合わせた定着装置A3の3台は、分離性に問題なかった。
比較例として作成した定着ベルト212x1と加圧ベルト222xを組み合わせた定着装置A3x1が3台と、定着ベルト212x2と加圧ベルト222xを組み合わせた定着装置A3x2が2台が分離不良となった。
上記の結果から本実施例は、比較例よりも分離性が良いということが分かった。本実施例の定着ベルト212の長手方向の硬度分布と加圧ベルト222の長手方向の硬度分布は、定着ベルト212の平均硬度よりも高い硬度部分が、加圧ベルト222の平均硬度よりも低い硬度部分に嵌合していると共に、定着ベルト212の平均硬度よりも低い硬度部分が、加圧ベルト222の平均硬度よりも高い硬度部分に嵌合している。この関係で嵌合することにより、定着ニップ部60の下流にあたる定着ニップ部出口の記録材は進行方向水平に湾曲している。この湾曲により、記録材のコシが向上して用紙分離性が上がっていると考えられる。
比較例1の定着装置A3x1は、定着ベルト212x1の長手方向の硬度分布と加圧ベルト222の長手方向の硬度分布は、定着ベルト212x1の平均硬度よりも高い硬度部分が、加圧ベルト222の平均硬度よりも高い硬度部分と嵌合している。また、定着ベルト212x1の平均硬度よりも低い硬度部分が、加圧ベルト222の平均硬度よりも低い硬度部分と嵌合している。この関係で勘合すると、定着ニップ部60の下流にあたる定着ニップ部出口の記録材は進行方向水平に湾曲しない。
また、比較例2の定着装置A3x2の定着ベルト212x2と加圧ベルト222xは、長手方向に硬度変化はない。従って、比較例2も比較例1同様に定着ニップ部60の下流にあたる定着ニップ部出口の記録材は進行方向水平に湾曲しない。
ツインベルト方式の定着装置A3、A3x1、A3x2は定着ベルトと加圧ベルトは寄り制御機構があり、それぞれ左右に3mm幅で常に定着ベルトと加圧ベルトの相対面は変化する。よって、この寄り制御により定着ベルトの平均硬度より高い硬度部分と相対する加圧ベルトの平均硬度より高い硬度部分、及び、定着ベルトの平均硬度より低い硬度部分と相対する加圧ベルトの平均硬度より低い硬度部分が組み合わさってしまわないように寄り制御幅と硬度分布の周期を設計する必要がある(クレーム2の「硬度分布の周期」に対応する構成)。硬度分布の周期は寄り制御幅よりも大きくする必要がある。硬度分布の周期は寄り制御幅の2倍以上ある方が良い。
[硬度を長手方向に変化を付ける別の手段]
定着部材及び加圧部材の長手方向の硬度を変える方法としては、実施例1,実施例2,実施例3で使用した2種類の硬度に違いがあるシリコーンゴムの配合比を変えながら基材に塗工していくものの他に、基材に塗工したシリコーンゴム表面に強弱を付けてUV照射をするもの、基剤に塗工したシリコーンゴム表面にシリコーンゴム硬化剤を強弱を付けて塗布するなどがある。また、その他の手段を使って定着部材及び加圧部材の長手方向の硬度を変えても良い。
21 定着ベルト、22 加圧ローラ、23 定着ヒータ、
25 ベルトガイド兼ヒータホルダ、27 定着ニップ部

Claims (3)

  1. 定着回転体(21、211、212)と前記定着回転体に圧接して記録材の加熱ニップ(27、60)を形成する加圧回転体(22、221、222)を備えた画像加熱装置(A、A2、A3)において、前記定着回転体と前記加圧回転体の長手方向に硬度分布を持ち、前記定着回転体の平均硬度よりも高い硬度部分(21a、21c、211b、212c、212e、212g)と、前記加圧回転体の平均硬度よりも低い硬度部分(22a、22c、221b、222b、222d、222f)を嵌合すると共に、前記定着回転体の平均硬度よりも低い硬度部分(21b、211a、211c、212b、212d、212f、212h)と、前記加圧回転体の平均硬度よりも高い硬度部分(22b、221a、221c、222a、222c、222e、222g)を嵌合することを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着回転体(212)と前記加圧回転体(222)の長手方向の硬度分布の周期は、前記定着回転体と前記加圧回転体の寄り幅の合計より大きいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着回転体(212)の平均硬度よりも低い硬度部分(212b、212d、212f、212h)に分離部材(61)を設置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
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