<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置1(車載装置)の機能ブロック図である。
ナビゲーション装置1は、車両に搭載され、車両に乗車しているユーザの操作に従って、地図の表示、地図における車両の現在位置の表示、目的地までの経路の探索、探索した経路の案内等を実行する。
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、制御部2と、記憶部3と、タッチパネル4(表示部)と、音声入出力部5と、GPS(Global Positioning System)受信部6と、相対方位検出部7と、を備える。なお、ナビゲーション装置1は、車両のダッシュボード等に固定されても良いし、車両に対し着脱可能なものであっても良い。
制御部2は、図示しないCPUや、ROM、RAM等を備えており、ナビゲーション装置1の各部を制御する。また、制御部2は、ROMや、記憶部3等に記憶された制御プログラムを実行することによって、後述する入力部21と、探索部22と、位置推定部23と、経路案内部24と、として機能する。
記憶部3は、ハードディスクや、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、データを書き換え可能に記憶する。記憶部3は、制御プログラムのほか、地図データ3a(地図情報)を記憶している。当該地図データ3aは、交差点やその他の道路網上の結線点を示すノードに関する情報や、ノードとノードとの道路区間を示すリンクに関する情報、地図上の行政区画や、道路、施設、交差点等の名称に関する情報、位置に関する情報、経路案内に係る情報等を有する。
タッチパネル4は、表示パネル4aと、タッチセンサー4bを備える。当該表示パネル4aは、液晶ディスプレイやEL(Electro Luminescent)ディスプレイ等により構成され、制御部2の制御の下、各種情報を表示パネル4aに表示する。タッチセンサー4bは、表示パネル4aに重ねて配置され、ユーザのタッチ操作を検出し、制御部2に出力する。
音声入出力部5は、マイク5aと、スピーカ5bと、を備える。当該音声入出力部5は、制御部2の制御の下、マイク5aによって例えば乗車しているユーザの音声を収音する。また、当該音声入出力部5は、制御部2から入力される音声データに基づく音声をスピーカ5bから出力する。
GPS受信部6は、GPSアンテナ6aを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両の現在位置を示す位置座標と進行方向とを演算により取得する。GPS受信部6は、取得結果を制御部2に出力する。
相対方位検出部7は、ジャイロセンサと、加速度センサとを備える。ジャイロセンサは、例えば振動ジャイロにより構成され、自車両の相対的な方位(例えば、ヨー軸方向の旋回量)を検出する。加速度センサは、自車両に作用する加速度(例えば、進行方向に対する自車両の傾き)を検出する。相対方位検出部7は、検出結果を制御部2に出力する。
制御部20の位置推定部23は、GPS受信部6と相対方位検出部7とからの入力、及び、地図データ22aに基づいて車両の現在位置を推定する。制御部2は、地図上に車両の現在位置を表示することを指示された場合、位置推定部23が推定した車両の現在位置を、タッチパネル4に表示した地図上に表示する。
ところで、上述したように、ナビゲーション装置1は、目的地までの経路を探索し、探索した経路を案内する機能を有する。ここで、ユーザは、ナビゲーション装置1による目的地までの経路の案内中に、特定のエリア(以下、「経由エリアKA」という。)で、特定の行動(以下、「希望行動」という。)をしたいと希望する場合がある。例えば、目的地の近辺に、郷土料理で有名なエリアがある場合に、ユーザは、目的地に至る前に、当該エリアで食事を取りたいと希望する場合がある。以上のようなユーザの希望があることを踏まえ、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、希望行動、及び、経由エリアKAを入力可能に構成され、入力された経由エリアKAにおいて入力された希望行動を行える施設である対応施設を通過する経路である施設経由経路を探索し、探索した施設経由経路を利用した経路案内を実行する。以下、ナビゲーション装置1の動作について詳述する。
図2は、ユーザにより目的地が設定されてから、目的地までの経路を案内するまでのナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
ユーザによる目的地の設定に際し、制御部2の入力部21は、目的地の入力を受けるユーザインターフェイスをタッチパネル4に表示する。ユーザインターフェイスでは、目的の入力を種々の方法で行える。例えば、目的地の入力は、目的地の住所を入力することにより行われ、また、タッチパネル4に表示される地図における目的地に対応する位置が選択されることにより行われ、また、予め登録された目的地から選択されることにより行われる。
図2に示すように、ユーザによりユーザインターフェイスへの目的地の入力が行われると、入力部21は、入力に基づいて目的地を設定する(ステップSA1)。
次いで、制御部2の探索部22は、車両の現在位置(出発地)から、入力部21が設定した目的地に至る推奨経路Rを探索する(ステップSA2)。本実施形態では、推奨経路Rは、出発地から目的地までの経路のうちリンクコストの最も低い経路である。地図データ3aはリンクごとにリンクコストに関する情報を有しており、探索部22は、地図データ3aが有する情報に基づいて、推奨経路Rを探索する。
次いで、制御部2の経路案内部24は、ステップSA2で探索部22が探索した推奨経路Rの案内を開始する(ステップSA3)。具体的には、経路案内部24は、タッチパネル4に地図を表示し、地図上に、位置推定部23が推定した車両の現在位置を表示すると共に、推奨経路Rを表示し、車両が推奨経路Rを走行するよう誘導する。
図3は、経路案内部24による推奨経路Rの案内中にタッチパネル4に表示される表示画面の一例である。
図3の例では、画面の略右半分に地図が表示され、地図上に推奨経路Rが表示されると共に、車両の現在位置Mが表示される。また、画面の略左半分には、推奨経路Rを走行するために、車両が次に右左折する交差点に関する情報が表示される。経路案内部24は、図3に例示したような画面を表示して、推奨経路Rの案内を実行する。
推奨経路Rの案内の開始後、入力部21は、経由エリアKA、及び、希望行動の設定があったか否かを監視する(ステップSA4)。以下、ステップSA4の処理について詳述する。
図3に示すように、推奨経路Rの案内中、タッチパネル4には、タッチ操作可能なボタンB1が表示される。ボタンB1は、経由エリアKA、及び、希望行動の入力が可能な入力画面(図4)に、表示画面を遷移する場合に操作されるボタンである。なお、後述するように、経由エリアKA、及び、希望行動の設定は、ユーザの作業を伴って行われるため、ボタンB1は、パーキングブレーキによるブレーキが有効な状態で車両が停車している場合にのみ表示される。
ボタンB1がタッチ操作されたことを検出すると、入力部21は、タッチパネル4に、経由エリアKA、及び、希望行動を設定するためのユーザインターフェイスである入力画面101を表示する。
図4は、入力画面101の一例を示す図である。
図4に示すように、入力画面101は、項目画面102と、地図表示画面103とを有する。
地図表示画面103は、経由エリアKAを設定する画面である。上述したように、経由エリアKAとは、ユーザが、目的地までの走行中に経由して、所定の行動(希望行動)を行うことを希望するエリアである。
入力画面101の表示の開始時、入力部21は、地図表示画面103に、車両の現在位置を中心とした地図を表示する。地図表示画面103に表示された地図は、任意の方向にスクロール可能な状態で表示される。また、地図表示画面103の中心部には、ポインタPが表示される。ポインタPは、地図表示画面103に表示された地図がスクロールされても、当該画面の中心部に位置した状態が維持される。
経由エリアKAの設定に際し、ユーザは、地図表示画面103に表示された地図を所定の方向にスクロールさせて、地図表示画面103に、経由エリアKAが含まれた地図が表示された状態とする。次いで、ユーザは、地図表示画面103に表示された地図の位置を調整し、自身が所定の行動を行いたいと希望するエリア(=経由エリアKA)の中心部に、ポインタPを位置させる。図4(A)の地図表示画面103は、経由エリアKAの中心部にポインタPが位置した状態を示している。次いで、ユーザは、項目画面102に設けられた、経由エリアKAを確定するための経由エリア確定ボタンK1をタッチ操作する。
経由エリア確定ボタンK1がタッチ操作されたことを検出すると、入力部21は、ポインタPに対応する地図上の所定の領域を、経由エリアKAとして設定する。本実施形態では、ポインタPに対応する所定の領域は、ポインタPに対応する位置が中心の、南北に延びる所定距離(例えば2km)の辺と、東西に延びる辺とからなる正方形の領域である。本実施形態では、経由エリアKAのサイズは固定であるが、サイズを変更可能に構成してもよい。例えば、図4(B)に示すように、経由エリアKAを表すと共に、そのサイズを変更可能な枠Aを地図表示画面103に表示された地図上に表示し、枠Aのサイズを変更することによって、経由エリアKAのサイズを変更できる構成としてもよい。また、ポインタPに対応する所定の領域は正方形の領域に限らず、例えば、ポインタPに対応する地図上の位置を中心とした円状の領域であってもよい。
上述した方法による経由エリアKAの設定が完了すると、ユーザによる希望行動の入力が可能となる。詳述すると、経由エリアKAの設定が完了すると、入力部21は、図4(C)に示すように、項目画面102に、1又は複数の希望行動選択ボタンK2を表示する。希望行動選択ボタンK2は、予め登録された1又は複数の希望行動ごとに設けられ、ユーザは、自身が行うことを希望する希望行動に対応する希望行動選択ボタンK2をタッチ操作することにより、希望行動を入力できる。
図4(C)の例では、ユーザが選択可能な希望行動として、「食事をする」、「お土産を購入する」、及び、「休憩する」という3種類の希望行動が事前に登録されている。そして、希望行動選択ボタンK21は、希望行動「食事をする」に対応するボタンであり、ユーザは、設定した経由エリアKAにおいて食事をすることを希望する場合、当該ボタンをタッチ操作する。また、希望行動選択ボタンK22は、希望行動「お土産を購入する」に対応するボタンであり、ユーザは、設定した経由エリアKAにおいて、お土産を購入することを希望する場合、当該ボタンをタッチ操作する。また、希望行動選択ボタンK23は、希望行動「休憩する」に対応するボタンであり、ユーザは、設定した経由エリアKAにおいて休憩することを希望する場合、当該ボタンをタッチ操作する。
いずれかの希望行動選択ボタンK2がタッチ操作されたことを検出すると、入力部21は、タッチ操作された希望行動選択ボタンK2に対応する行動を、希望行動として設定する。
図2に示すように、ステップSA4で、経由エリアKA、及び、希望行動が設定された場合(ステップSA4:YES)、探索部22は、地図データ3aに基づいて、経由エリアKAにおいて、設定した希望行動に対応する対応施設を検索し、各対応施設の位置を特定する(ステップSA5)。対応施設とは、上述したように、希望行動を行える施設である。例えば、希望行動が「食事をする」の場合はレストランであり、また、希望行動が「お土産を購入する」の場合は土産屋であり、また、希望行動が「休憩する」の場合は喫茶店である。以下、ステップSA5の処理について詳述する。
地図データ3aは、地図上に存在する施設について、施設の位置を示す情報と、施設のジャンルを示す情報とを対応付けた情報を有する。また、地図データ3aは、登録された希望行動のそれぞれについて、希望行動を示す情報と、希望行動を行える施設のジャンルを示す情報とを対応付けた情報を有する。例えば、地図データ3aは、希望行動「食事をする」と、ジャンル「レストラン」とを対応付けた情報を有する。
ステップSA5において、探索部22は、地図データ3aが有する情報に基づいて、入力部21により設定された希望行動に対応する施設のジャンル(以下、「対応施設ジャンル」という。)を特定する。次いで、探索部22は、地図データ3aが有する情報に基づいて、入力部21により設定された経由エリアKA内に存在する施設であって、ジャンルが、特定した対応施設ジャンルの施設を特定する。ここで特定された施設が、対応施設である。次いで、探索部22は、地図データ3aが有する情報に基づいて、特定した対応施設のそれぞれについて、対応施設の位置を特定する。
対応施設の位置を特定した後、探索部22は、ステップSA5において、設定された経由エリアKA内で、特定した対応施設を所定の態様で通過する経路である施設経由経路を探索する(ステップSA6)。以下、施設経由経路の探索方法について、2つの例を挙げて説明する。
<第1の施設経由経路の探索方法>
第1の施設経由経路の探索方法では、探索部22は、経由エリアKA内で通過する対応施設の数が多くなるような経路を、施設経由経路として探索する。
図5は、ステップSA6の処理の説明に利用する図である。図5では、地図上に経由エリアKA、及び、推奨経路Rを明示している。また、以下の図5を用いた説明では、設定された希望行動は、「食事をする」であり、対応するジャンルは、「レストラン」、「カフェ」、「バー」であるものとする。図5において、対応施設S1〜S7は、ステップSA5において特定された対応施設である。また、図5において、対応施設S1〜S7に記載した文字は、対応施設のジャンルを示す。具体的には、「レ」はレストランを示し、「カ」はカフェを示し、「バ」はバーを示す。
第1の施設経由経路の探索方法において、探索部22は、以下のようにして、施設経由経路を探索する。すなわち、まず、探索部22は、経由エリアKA内で、推奨経路Rからの進入及び推奨経路Rへの退出が可能な経路であって、かつ、同一の道路を2度以上走行しない経路を、候補経路として探索する。次いで、探索部22は、探索した候補経路のうち、通過する対応施設の数が最も多い経路を、施設経由経路として特定する。施設経由経路の特定に際し、探索部22は、各候補経路の走行距離や、各候補経路の旅行時間、道路の属性(走行しやすい道路か否か等)を反映してもよい。
例えば、図5に示すように、探索部22が、経路SR1と、経路SR2との2つの経路を候補経路として探索したとする。経路SR1は、地点I1を介して経由エリアKA内に進入し、地点I2を介して経由エリアKA外に退出する経路であって、対応施設S1、S2、S4、S5、S6、及び、S7の6個の対応施設を通過する経路である。一方、経路SR2は、地点I1を介して経由エリアKA内に進入し、地点I2を介して経由エリアKA外に退出する経路であって、対応施設S1、S3、及び、S7の3個の対応施設を通過する経路である。この場合、探索部22は、経路SR1を、施設経由経路とする。これは、通過する施設の数が、経路SR2より、経路SR1の方が多いからである。
以上のような第1の施設経由経路の探索方法で、施設経由経路を探索することにより、ナビゲーション装置1は、ユーザにより多くの対応施設を通過する施設経由経路を提供でき、ユーザの利便性を向上できる。
<第2の施設経由経路の探索方法>
第2の施設経由経路の探索方法では、探索部22は、経由エリアKA内で通過する対応施設のジャンル(種別)の偏りが低減するような経路を、施設経由経路として探索する。以下、図5を援用して、第2の施設経由経路の探索方法について説明する。
第2の施設経由経路の探索方法において、探索部22は、以下のようにして、施設経由経路を探索する。すなわち、まず、探索部22は、第1の施設経由経路の探索方法と同様の方法で、候補経路を探索する。次いで、探索部22は、探索した候補経路のうち、通過する対応施設のジャンルの種類の数が最も多い経路を、施設経由経路として特定する。施設経由経路の特定に際し、探索部22は、各候補経路の走行距離や、各候補経路の旅行時間、道路の属性を反映してもよい。
例えば、図5に示すように、探索部22が、経路SR1と、経路SR2との2つの経路を候補経路として探索したとする。経路SR1は、ジャンル「レストラン」、及び、ジャンル「カフェ」の2種類のジャンルの対応施設を通過する経路である。一方、経路SR2は、ジャンル「レストラン」、ジャンル「カフェ」、及び、ジャンル「バー」の3種類のジャンルの対応施設を通過する経路である。この場合、探索部22は、経路SR2を、施設経由経路とする。これは、通過する施設のジャンルの種類の数が、経路SR1より、経路SR2の方が多いからである。
このような第2の施設経由経路の探索方法で、施設経由経路を探索することにより、ナビゲーション装置1は、ユーザにより多くの種類のジャンルの対応施設を通過する施設経由経路を提供でき、ユーザの利便性を向上できる。
なお、上述した施設経由経路の探索方法は、一例であり、これに限られない。例えば、ユーザが指定した特定のジャンルの対応施設をより多く通過する経路を施設経由経路としてもよい。この場合、希望行動が「食事」であり、ユーザが指定したジャンルが「レストラン」であるとすると、施設経由経路は、図5において、経路SR1となる。また、施設経由経路の探索方法を、ユーザの指示に応じて切り替え可能な構成であってもよい。
フローチャートの説明に戻り、ステップSA6において施設経由経路の探索を行った後、探索部22は、出発地から施設経由経路を経由して目的地に至る経路である第2経路を探索する(ステップSA7)。
図6は、第2経路R2の一例を示す図である。図6では、ステップSA6で施設経由経路として、経路SR1が探索された場合の、第2経路R2を示している。図6に示すように、第2経路R2は、推奨経路Rの途中で、推奨経路Rを外れて、経由エリアKA内に至り、経由エリアKA内で施設経由経路を経由し、その後、推奨経路Rに戻る経路である。
第2経路R2の探索の後、制御部2の経路案内部24は、推奨経路Rと、第2経路R2とを地図上に表示する(ステップSA8)。ここで、推奨経路Rと、第2経路R2とは色を異ならせて表示する。これにより、ユーザは推奨経路Rと第2経路R2との識別ができる。なお、出発地から目的地までにかけて推奨経路Rと共に、第2経路R2を表示してもよく、また、第2経路R2において推奨経路Rと重なる経路以外の経路のみ(図6の場合、交差点N1から施設経由経路を経由し交差点N2に至る経路)を表示してもよい。
経路案内部24は、推奨経路R、及び、第2経路R2を表示した後、位置推定部23によって推定された車両の現在位置を表示すると共に、推奨経路Rの案内を継続して実行する(ステップSA9)。
次いで、経路案内部24は、車両が、設定された経由エリアKA付近に位置しているか否かを、位置推定部23が推定した車両の現在位置、及び、地図データ3aに基づいて監視する(ステップSA10)。経路案内部24は、例えば、経由エリアKAの中心部の位置と、車両の現在位置との離間距離が、予め定められた処理の距離以内となったか否かを判別することにより、ステップSA10の判別を実行する。
車両が経由エリアKA付近に位置した場合(ステップSA10:YES)、経路案内部24は、案内する経路を推奨経路Rから第2経路R2に切り替えるか否かをユーザに問い合わせ、問い合わせに対する応答に基づいて、当該切り替えを実行するか否かを判別する(ステップSA11)。
図7は、ステップSA11の問い合わせの態様の一例を示す図である。
経路案内部24は、車両の現在位置Mが、経由エリアKA付近に位置している場合に、図7のように、ユーザに対して案内する経路を切り替えるか否かを問い合わせる案内画像Gaを表示する。図7に示すように、案内画像Gaは、地図表示画面104に重畳して表示される。上述した通り、第2経路R2は、ユーザが入力した経由エリアKAにおいて、希望行動を行える施設を通過する経路である施設経由経路を経由する経路である。そのため、案内画像Gaは、第2経路R2への切り替えに関し、希望行動の案内を行うか否かのメッセージを含み、表示される。なお、図7では、希望行動を「食事をする」としている。また、案内画像Gaは、選択することによって、第2経路R2への経路案内に切り替えることが可能なボタンB2と、切り替えをおこなわないボタンB3と、を有する。
ステップSA11の説明に戻り、ユーザが図7におけるボタンB3を選択した場合、経路案内部24は、経路案内を第2経路R2に切り替えないと判別し(ステップSA11:NO)、処理手順をステップSA4へ戻す。その際、第2経路R2の表示を停止するようにしてもよい。
一方、ユーザが図7におけるボタンB2を選択した場合、経路案内部24は、第2経路R2に切り替えて経路案内を実行すると判断し(ステップSA11:YES)、経路案内を実行する経路を推奨経路Rから第2経路R2に切り替えて(ステップSA12)、第2経路R2の経路案内を実行する(ステップSA13)。なお、経路案内部24は、施設経由経路案内中は、対応施設のアイコンを第2経路R2と共に、表示する。
ここで、経路案内部24は、車両が案内している経路を逸脱した場合に、ユーザに対し逸脱の旨を、表示又は/及び音声によって通知(以下、「経路逸脱警告」という。)する機能を有する。そして、案内する経路を推奨経路Rから第2経路R2に切り替えた場合において、経路案内部24は、以下の場合、経路逸脱通知を行わない。
すなわち、経路案内部24は、車両が推奨経路Rを外れて第2経路R2を走行した場合であっても、経路逸脱警告を行わない。これにより、ユーザは、経路逸脱警告を受けることなく、走行する経路を、推奨経路Rから第2経路R2へと変更することができる。
また、経路案内部24は、第2経路R2を案内している間、経由エリアKA内で、車両が第2経路R2から逸脱した場合であっても、第2経路R2と、車両との離間距離が所定の範囲内(例えば、離間距離50m)である場合、経路逸脱警告を行わない。これは、以下の理由による。すなわち、ユーザが案内する経路を推奨経路Rから第2経路R2へと切り替えたということは、ユーザが、経由エリアKAで希望行動を行いたいと考えているということである。そして、第2経路R2の案内中に、車両が第2経路R2を逸脱した場合、ユーザが、経由エリアKA内で、自ら希望行動を行える施設を見つけ、そこへ向かって車両を走行させている可能性がある。これを踏まえ、車両が第2経路R2から逸脱した場合であっても、第2経路R2と車両との離間距離が所定の範囲内である場合に経路逸脱警告を行わないことにより、ユーザが希望行動を行うべく意図的に第2経路R2から逸脱した場合に、不必要に経路逸脱警告が表示されることを抑制でき、ユーザの利便性が向上する。
また、経路案内部24は、第2経路R2を案内している間、経由エリアKA内で、第2経路R2から逸脱して、対応施設に位置している場合も、経路逸脱警告を行わない。これにより、ユーザが希望行動を行うべく意図的に対応施設に車両を位置させている場合に、不必要に経路逸脱警告が表示されることを抑制でき、ユーザの利便性が向上する。
第2経路R2の案内中、制御部2は、第2経路R2の案内を中止するか否かを監視する(ステップSA14)。以下、ステップSA14の処理について詳述する。
図8は、第2経路R2の案内中に、タッチパネル4に表示される表示画面を示す図である。特に、図8は、後述するボタンB4がタッチ操作された後の表示画面を示している。
図8に示すように、第2経路R2の案内中、経路案内部24は、表示画面に、ボタンB4を表示する。ボタンB4は、ユーザが第2経路R2の案内を中止し、再び、推奨経路Rの案内を望む場合に、タッチ操作されるボタンである。ボタンB4がタッチ操作されると、経路案内部24は、案内画像Gbを表示する。案内画像Gbは、第2経路R2の経路案内を中止するか否かを問い合わせる画像であり、地図表示画面100に重畳して表示される。図7と同様に、案内画像Gbは、第2経路R2への切り替えに関し、希望行動の案内を中止するか否かのメッセージを含み、表示される。なお、図8でも、希望行動は「食事をする」としている。案内画像Gbは、選択することによって、第2経路R2の案内を中止するボタンB5と、中止を行わないボタンB6と、を有する。ステップSA14において、経路案内部24は、案内画像GbのボタンB5が選択された場合、第2経路R2の案内を中止すると判別する。
ユーザがボタンB5を選択したことを検出し、第2経路R2の案内を中止すると判別した場合(ステップSA14:YES)、経路案内部24は、探索部22によって、車両の現在位置Mから、推奨経路Rに復帰し、設定された目的地に至る経路である復帰経路FRを探索する(ステップSA15)。次いで、経路案内部24は、探索部22により探索された復帰経路FRの案内を開始する(ステップSA16)。
図9は、復帰経路FRの一例を示す図である。
図9では、ユーザが対応施設S1にて希望行動を終了させ、図8に示すボタンB5を選択した場合を例示している。この場合に、ボタンB5が選択されたことをトリガとし、探索部22は、車両の現在位置Mから推奨経路Rに復帰し目的地に至る復帰経路FRを探索する。
このように、ユーザは、案内する経路を推奨経路Rから第2経路R2に切り替えた後に、対応施設で希望行動を行った場合や、対応施設への経由を取りやめた場合、第2経路R2の案内を中断させて、推奨経路Rに復帰する経路を案内させることができる。このため、ユーザの利便性が向上する。
なお、復帰経路FRは、車両の現在位置Mから、推奨経路Rを経由して目的地まで至る経路としたが、推奨経路Rに復帰できる経路であればよい。すなわち、例えば図9の場合、探索部22は、車両の現在位置Mから交差点N2までの経路を復帰経路FRとして探索してもよい。この場合に、経路案内部24は、交差点N2の通過を起点とし、経路の案内を復帰経路FRから推奨経路Rに切り替える。
以上説明したように、本実施形態における車両に搭載されたナビゲーション装置1(車載装置)は、地図データ3a(地図情報)を記憶する記憶部3と、希望行動(行動)、及び、希望行動を行う経由エリアKA(領域)の入力を受け付ける入力部21と、地図データ3aに基づいて、入力部21に入力された経由エリアKAにおいて、入力部21に入力された希望行動を行える施設である対応施設を通過する経路である施設経由経路を探索する探索部22と、を備えることとした。
これにより、ナビゲーション装置1は、目的地までの推奨経路Rのほかに、ユーザが入力した経由エリアKA内で、ユーザが入力した希望行動を行える施設を通過する経路を提供でき、ユーザの利便性が向上する。
また、本実施形態における探索部22は、経由エリアKAにおいて通過する対応施設の数が多くなるような経路を、施設経由経路として探索することが可能である。
このように、探索部22が施設経由経路を通過する対応施設の数が多い経路として探索するため、ナビゲーション装置1は、ユーザにより多くの対応施設を通過する施設経由経路を提供でき、ユーザの利便性が向上する。
また、本実施形態における探索部22は、経由エリアKAにおいて通過する種別の偏りが低減するような経路を、施設経由経路として探索することが可能である。
このように、探索部22が施設経由経路を通過する対応施設の種別の偏りが低い経路として探索するため、ナビゲーション装置1は、ユーザに対応施設の種別の偏りが低い施設対応経路を提供でき、ユーザの利便性が向上する。
また、本実施形態の入力部21は、希望行動、経由エリアKA、及び、目的地を受け付け、探索部22は、地図データ3aに基づいて、出発地から目的地までの推奨経路R、及び、出発地から施設経由経路を経由して目的地に至る経路である第2経路R2を探索することとした。
これにより、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して、推奨経路Rのほか、経由エリアKAを経由して目的地に至る第2経路R2を提供でき、ユーザの利便性が向上する。
また、本実施形態のナビゲーション装置1は、地図データ3aに基づき地図を表示するタッチパネル4と、車両の位置を推定する位置推定部23と、位置推定部23が推定する車両の現在位置Mをタッチパネル4が表示する地図に表示して、経路を案内する経路案内部24と、を備え、経路案内部24が、探索部22が探索した推奨経路Rを案内中に、所定の場合には、探索部22が探索した第2経路R2を、タッチパネル4が表示する地図に表示することとした。
これにより、ナビゲーション装置1は、地図上に推奨経路Rと共に、第2経路R2を表示して、第2経路R2がどのような経路であるかを認識させることができる。
また、本実施形態における経路案内部24は、第2経路R2を案内中に、第2経路R2を外れた場合、経路逸脱警告を行う一方、第2経路R2を外れた場合であっても、第2経路R2と車両との離間距離が所定の範囲内である場合、又は、車両が対応施設を経由している場合は、経路逸脱警告を行わないこととした。
これにより、経路案内部24は、ユーザの意図的な経路の逸脱に対し、経路逸脱警告を抑制することができる。そのため、ユーザに対して、不必要に経路逸脱警告が行われるのを抑制でき、ユーザの利便性を向上できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態におけるナビゲーション装置1の構成は、第1実施形態の構成と同一であるため、図示及び説明を省略する。
ここで、ユーザは、出発地から特定のエリア(経由エリアKA)に赴き、当該特定のエリアで、所定の行動(希望行動)を行い、再び、当該出発地に戻りたいと希望する場合がある。例えば、ユーザは、自宅において、ラーメンで有名なエリアをテレビ等のメディアによって知り、自宅を出発して、そのエリアでラーメンを食べ、再び、自宅に戻りたいと希望する場合がある。以上のようなユーザの希望があることを踏まえて、第2実施形態に係るナビゲーション装置1は、希望行動、及び、経由エリアKAを入力可能に構成され、入力された経由エリアKA内で対応施設を通過する施設経由経路を探索する。そして、ナビゲーション装置1は、出発地を出発後、施設経由経路を経由して再び出発地に戻る経路を探索し、探索した経路を案内する。以下、第2実施形態に係るナビゲーション装置1の動作について説明する。
図10は、第2実施形態に係るナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。図10のフローチャートが示す処理は、所定の動作モードの場合に、実行される。
まず、入力部21は、経由エリアKA、及び、希望行動の設定があったか否かを監視する(ステップSB1)。なお、経由エリアKA、及び、希望行動の設定は、第1実施形態で説明した設定方法で行われる。経由エリアKA、及び、希望行動が設定された場合(ステップSB1:YES)、探索部22は、第1実施形態と同様に、地図データ3aに基づいて、経由エリアKAにおいて、設定した希望行動に対応する対応施設を検索し、各対応施設の位置を特定する(ステップSB2)。対応施設とは、上述したように、希望行動を行える施設である。
対応施設の位置を特定した後、探索部22は、ステップSB2において、設定された経由エリアKA内で、特定した対応施設を所定の態様で通過する経路である施設経由経路を探索する(ステップSB3)。なお、施設経由経路の探索方法は、上述した第1実施形態と同様に、実行される。
次いで、探索部22は、施設経由経路の探索を行うと、出発地を目的地とし、出発地から施設経由経路を経由して目的地に至る経路である第3経路R3を探索する(ステップSB4)。
図11は、第3経路R3の一例を示す図である。図11では、ステップSB3で施設経由経路として、図5に示す経路SR1が探索された場合の、第3経路R3を示している。すなわち、図11において、施設経由経路は、通過する対応施設の数が多い経路である。図11に示すように、第3経路R3は、出発地から、経由エリアKA内に至り、経由エリアKA内で施設経由経路を経由し、その後、出発地に戻る経路である。
ステップSB4で探索部22が第3経路R3の探索を行うと、制御部2の経路案内部24は、第3経路R3を地図上に表示する(ステップSB5)。ここで、第3経路R3は、所定の色によって表示する。これにより、ユーザは他の経路と第3経路R3とを識別ができる。
経路案内部24は、第3経路R3を表示した後、位置推定部23によって推定された車両の現在位置Mを表示すると共に、第3経路R3における経路案内を実行する(ステップSB6)。なお、経路案内部24は、施設経由経路を走行中の場合、対応施設のアイコンを第3経路R3と共に表示する。
ここで、経路案内部24は、ステップSB6における経路案内の際、第1実施形態と同様に、車両と第3経路R3との離間距離が所定の範囲内、又は、車両が対応施設を経由している場合、経路逸脱警告は実行しない。なお、第3経路R3の場合は、施設経由経路を走行しているときのみ、経路逸脱警告を実行しないようすればよく、施設経由経路を除く第3経路R3を走行中、第3経路R3から逸脱した場合、離間距離が所定の範囲内であっても経路逸脱警告を実行してよい。
第3経路R3の案内中、制御部2は、第3経路R3の案内を中止するか否かを監視する(ステップSB7)。ここで、制御部2は、図8と同じ案内画像Gbを表示し、ユーザの操作に基づいて、案内を中止するか否かを判別する。ユーザが図8におけるボタンB6を選択したと検出し、第3経路R3の案内を中止すると判別した場合(ステップSB7:NO)、制御部2は、処理をステップSB6に戻す。なお、例えば、ユーザが案内の中止の操作を実行しなくとも、本実施形態では、出発地を目的地としているため、車両は第3経路R3に準じ走行すれば、出発地に戻ることができる。
一方、ユーザが図8におけるボタンB5を選択したと検出し、第3経路R3の経路案内を中止すると判別した場合(ステップSB8:YES)、制御部2は、探索部22によって、車両の現在位置Mから、第3経路R3の目的地とした出発地まで至る経路を再探索する(ステップSB8)。次いで、経路案内部24は、再探索した経路の案内を開始する(ステップSB9)。
以上説明したように、本実施形態のナビゲーション装置1は、地図データ3aに基づき地図を表示するタッチパネル4と、車両の位置を推定する位置推定部23と、位置推定部23が推定する車両の位置を、タッチパネル4が表示する地図に表示して、経路を案内する経路案内部24と、を備え、探索部22は、車両の現在位置Mを出発地、及び、目的地とし、前記出発地から施設経由経路を経由して目的地に至る経路である第3経路R3を探索し、経路案内部24は、探索部22が探索した第3経路R3と、車両の現在位置と、をタッチパネル4に表示する地図に表示して第3経路R3を案内することとした。
これにより、ナビゲーション装置1は、目的地を設定しない場合、すなわち出発地に再度戻る場合、でも、施設経由経路を経由した第3経路R3を探索でき、当該第3経路R3を案内できるため、ユーザの利便性が向上する。特に、第3経路R3を出発地を目的地として探索しているため、ナビゲーション装置1は、出発地から施設経由経路を経由して、再度、出発地に戻ることができる経路を案内でき、ユーザの利便性が向上する。
上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、施設経由経路をはじめとする経路の探索を、ナビゲーション装置1の備える探索部22が、実行する場合を例示した。しかしながら、これに限られずサーバが経路の探索を行ってもよい。この場合に、ナビゲーション装置1は、図示しないサーバと通信が可能な通信装置を備えた構成となり、少なくとも、出発地(車両の現在位置M)、目的地、希望行動、及び、経由エリアKAをサーバに送信する。サーバは、受信した情報に基づき、経路の探索を実行し、探索結果をナビゲーション装置1に送信する。
また、例えば、上述した各実施形態では、ナビゲーション装置1として車載型を例示したが、ナビゲーション装置1の形態は任意であり、例えば歩行者が携帯するポータブル型の装置でも良い。