JP2016044254A - ブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 増粘樹脂組成物において、滞留による溶融粘度の不安定性、それに起因するブロー成形品の肉厚ムラ、メルトフラクチャーによるブロー成形品の内面不良、ゲル化物の発生などの問題を改善する。【解決手段】 芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族のグリコールを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントが結合されてなる熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)100質量部に対して、グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)0.5〜5質量部、炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)0.1〜5質量部、及び(D)無機結晶核剤0〜3質量部を含有してなり、降温結晶化温度(TC2)が170℃以上かつD硬度35以上であることを特徴とするブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、溶融粘度の安定性、ブロー成形性に優れるのみならず、高温環境下での屈曲疲労性にも優れるブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物に関する。
熱可塑性ポリエステルエラストマは、射出成形性、押出成形性に優れ、機械的強度が高く、弾性回復性、耐衝撃性、柔軟性などのゴム的性質、耐寒性に優れる材料として、自動車部品、電気・電子部品、繊維、フィルムなどの用途に使用されている。
更なる用途の拡大のために、熱可塑性ポリエステルエラストマの特性を増強し、更なる特性を付加しようと様々な変性やアロイなどが試みられている。
例えば、特許文献1では、より強靭性を向上させるために、アイオノマ樹脂と無水マレイン酸変性芳香族ビニル系共重合体との配合が提案されている。
また、特許文献2では、成形体に透明性を発現させるために、炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩と多官能グリシジル基含有スチレン系ポリマーとを配合することが提案されている。
一方、熱可塑性ポリエステルエラストマは、溶融粘度が低いためブロー成形用には不適であったが、ポリエポキシ化合物やポリイソシアネート化合物などで増粘する方法が採用されるようになり、ブロー成形品にも熱可塑性ポリエステルエラストマの特徴を生かして採用されている(特許文献3、4など)。
しかしながら、ポリエポキシ化合物やポリイソシアネート化合物などで増粘する場合、滞留時間の影響を受け、ゲル化物が発生したり、分解物が生成することがある成形加工時の滞留によって溶融粘度が安定せず、ブロー成形時の肉厚ムラが発生したり、メルトフラクチャーによりブロー成形品の内面が荒れる場合があり、改善が望まれていた。
ところで、特許文献2においては、低い硬度の熱可塑性ポリエステルエラストマでは良好な透明性が発現されるものの、高い硬度の熱可塑性ポリエステルエラストマでは透明性の発現が劣る場合がある。特許文献2には、高い硬度の熱可塑性ポリエステルエラストマで、ブロー成形品等の不透明な成形品分野での応用については何の示唆もない。
特開2001−234042号公報 国際公開2013/157593号パンフレット 特許第2782773号公報 特許第3714747号公報
本発明の目的は、複数のグリシジル基を有する反応性物質を配合した増粘樹脂組成物において、成形加工時の滞留による溶融粘度の不安定性、それに起因するブロー成形品の肉厚ムラ、メルトフラクチャーによるブロー成形品の内面不良、ゲル化物の発生などの問題を改善できる成形性に優れた熱可塑性ポリエステルエラストマ組成物を提供することである。
本発明者は、有機カルボン酸アルカリ金属塩とグリシジル基含有スチレン系ポリマーとの組み合わせが、少量の配合で成形性の向上や溶融粘度の増加に寄与することを見出して本発明に到達したのである。
即ち本発明は、以下の通りである。
[1] 芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族のグリコールを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントが結合されてなる熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)100質量部に対して、グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)0.5〜5質量部、炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)0.1〜5質量部、及び(D)無機結晶核剤0〜3質量部を含有してなり、降温結晶化温度(TC2)が170℃以上かつD硬度35以上であることを特徴とするブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
[2] 前記熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)が、テレフタル酸、1,4−ブタンジオール及びポリオキシテトラメチレングリコールを主たる成分とする共重合体であって、該ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量が500〜4000であり、その共重合量が熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)を構成する全グリコール成分に対して5〜20mol%である[1]に記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
[3] 前記グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)が、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーであり、重量平均分子量(Mw)が1000以上、エポキシ価が0.5meq/g以上である[1]又は[2]に記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
[4] 前記炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)の有機カルボン酸が、炭素数3〜20の脂肪族カルボン酸である[1]〜[3]のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
[5] 前記無機結晶核剤(D)が、タルクである[1]〜[4]のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
[6] 前記ポリエステルエラストマ樹脂組成物の230℃、2.16kg荷重のメルトフローレートが、0.1〜3.0g/10minである[1]〜[5]のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
[7] 前記ポリエステルエラストマ樹脂組成物の120℃デマッチャ破断回数が、300万回以上である[1]〜[6]のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
[8] 熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)に、増粘剤としてグリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)を配合し、かつ結晶核剤及び反応触媒として炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)を配合することを特徴とするブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物の製造方法。
高い溶融粘度でありながら、結晶化速度の低下が抑制できるため、ブロー成形時の成形加工性に優れる。つまり、ブロー成形品の肉厚ムラ、メルトフラクチャーによるブロー成形品の内面不良、ゲル化物の発生などの問題を改善できる。また、得られた成形品の屈曲疲労性にも優れる。
[熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)]
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族のグリコールを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントが結合されてなる熱可塑性ポリエステルエラストマである。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)において、ハードセグメントのポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸は、通常の芳香族ジカルボン酸が広く用いられ、特に限定されないが、主たる芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸又はナフタレンジカルボン酸であることが望ましい。ナフタレンジカルボン酸は、存在する異性体構造のうち、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。その他の酸成分としては、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらは熱可塑性ポリエステルエラストマの融点を大きく低下させない範囲で用いられ、その量は全酸成分の30モル%未満が好ましく、より好ましくは20モル%未満である。
また、本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)において、ハードセグメントのポリエステルを構成する脂肪族又は脂環族グリコールは、一般の脂肪族又は脂環族グリコールが広く用いられ、特に限定されないが、主として炭素数2〜8のアルキレングリコール類であることが望ましい。具体的にはエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する上でエチレングリコール、1,4−ブタンジオールのいずれかであることが好ましい。
上記のハードセグメントのポリエステルを構成する成分としては、ブチレンテレフタレート単位あるいはブチレンナフタレート単位よりなるものが物性、成形性、コストパフォーマンスの点より好ましい。
また、本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)におけるハードセグメントを構成するポリエステルとして好適な芳香族ポリエステルは、通常のポリエステルの製造法に従って容易に得ることができる。また、かかるポリエステルは、数平均分子量10000〜40000を有しているものが望ましい。
本発明に用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)のソフトセグメントは、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種である。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシトリメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリオキシエチレングリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。
また、脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペートなどが挙げられる。
また、脂肪族ポリカーボネートは、主として炭素数2〜12の脂肪族ジオール残基からなるものであることが好ましい。これらの脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどが挙げられる。特に、得られる熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)の柔軟性や低温特性の点より炭素数5〜12の脂肪族ジオールが好ましい。これらの成分は、以下に説明する事例に基づき、単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
本発明において、使用可能な熱可塑性ポリエステルエラストマのソフトセグメントを構成する、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールとしては、融点が低く(例えば、70℃以下)かつ、ガラス転移温度が低いものが好ましい。一般に、熱可塑性ポリエステルエラストマのソフトセグメントを形成するのに用いられる1,6−ヘキサンジオールからなる脂肪族ポリカーボネートジオールは、ガラス転移温度が−60℃前後と低く、融点も50℃前後となるため、低温特性が良好なものとなる。その他にも、上記脂肪族ポリカーボネートジオールに、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを適当量共重合して得られる脂肪族ポリカーボネートジオールは、元の脂肪族ポリカーボネートジオールに対してガラス転移点が若干高くなるものの、融点が低下もしくは非晶性となるため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。また、例えば、1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールからなる脂肪族ポリカーボネートジオールは融点が30℃程度、ガラス転移温度が−70℃前後と十分に低いため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)は、経済性、耐熱性、耐寒性の理由から、テレフタル酸、1,4−ブタンジオール、及びポリオキシテトラメチレングリコールを主たる成分とする共重合体であることが好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)を構成するジカルボン酸成分中、テレフタル酸が40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)を構成するグリコール成分中、1,4−ブタンジオールとポリオキシテトラメチレングリコールの合計が40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。
前記ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量が500〜4000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、エラストマ特性を発現しづらくなることがある。一方、数平均分子量が4000を超えると、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)のハードセグメントを構成するポリエステル部分との相溶性が低下し、ブロック状に共重合することが難しくなる場合がある。ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量は、800以上3000以下であることがより好ましく、1000以上2500以下がさらに好ましい。
前記ポリオキシテトラメチレングリコールの共重合量は、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)を構成する全グリコール成分に対して5〜20モル%であることが好ましい。ポリオキシテトラメチレングリコールは、全グリコール成分に対して7モル%以上18モル%以下であることがより好ましく、8モル%以上15モル%以下がさらに好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマにおいて、ハードセグメントを構成する結晶性ポリエステルとソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種との質量部比は、好ましくは、ハードセグメント:ソフトセグメント=30:70〜95:5であり、より好ましくは40:60〜90:10、さらに好ましくは45:55〜87:13、特に好ましくは50:50〜85:15の範囲である。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)は、常温流通可能なように、融点150℃以上230℃以下の結晶性ポリエステルであることが好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)の融点は、180〜220℃であることがより好ましい。融点150℃未満では、自動車・家電用としての耐熱特性を満たすことが困難であり、230℃超の融点では、ポリエステルエラストマとしての結晶性が高く、十分な屈曲疲労性が得られないことがある。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)の還元粘度は、後記する測定方法で測定した場合、0.50dl/g以上3.50dl/g以下であることが好ましい。0.50dl/g未満では、樹脂としての耐久性が低く、3.50dl/gを超えると、射出成形などの加工性が不十分になる可能性がある。熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)の還元粘度は、1.00dl/g以上3.00dl/g以下であることがより好ましく、1.50dl/g以上2.80dl/g以下であることがさらに好ましい。また、酸価は200eq/t以下が好ましい。後記するグリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)を樹脂組成物に含有するので、混合時のゲル化を避けるために、50eq/t以下が特に好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)は、表面硬度がD硬度(JIS K7215)で35以上であることが好ましく、より好ましくは38以上、さらに好ましくは40以上である。D硬度が35未満であると、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)を用いた組成物の成形性の改善効果が小さく、成形品の屈曲疲労性の改善効果も低くなることがある。表面硬度の上限は、特に限定されないが、熱可塑性ポリエステルエラストマの特性上、60程度である。
本発明に用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)は、公知の方法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、およびソフトセグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、あるいはジカルボン酸と過剰量のグリコールおよびソフトセグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、また、あらかじめハードセグメントを作っておき、これにソフトセグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法、ハードセグメントとソフトセグメントを鎖連結剤でつなぐ方法、さらにポリ(ε−カプロラクトン)をソフトセグメントに用いる場合は、ハードセグメントにε−カプロラクトンモノマを付加反応させるなど、いずれの方法をとってもよい。
[グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)]
本発明に用いるグリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)は、グリシジル基含有不飽和単量体とビニル芳香族系単量体をモノマー成分として含む共重合体であり、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)との相溶性が良いものが好ましい。グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)の重量平均分子量(Mw)は1000以上、エポキシ価は0.5meq/g以上のものが好ましく、重量平均分子量(Mw)は1000〜50000、エポキシ価は0.5〜3meq/gのものがより好ましい。
グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)としては、グリシジル基含有不飽和単量体とビニル芳香族系単量体との共重合体が好ましい。
グリシジル基含有不飽和単量体としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエーテルなどであり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばアクリル酸グルシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどを挙げることができるが、メタクリル酸グリシジルが好ましい。
不飽和グリシジルエーテルとしては、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテルなどが挙げられるが、メタクリルグリシジルエーテルが好ましい。
ビニル芳香族系単量体としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレンなどのスチレン系単量体が挙げられるが、スチレンが好ましい。
熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)との相溶性を損なわない範囲で、アクリル酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜7のアルキルエステル、例えば(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アクリルニトリル単量体、酢酸ビニル、プロピル酸ビニルなどのビニルエステル単量体、(メタ)アクリルアミド単量体、無水マレイン酸、マレイン酸のモノエステル、ジエステルなどの単量体などが共重合されていてもよい。しかしながらエチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類は、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)との相溶性が損なわれる傾向があるため、共重合されないものの方が好ましい。
グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)としては、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーであり、重量平均分子量(Mw)が1000以上、エポキシ価が0.5meq/g以上であることが好ましい。
このとき、重量平均分子量(Mw)は、5000以上であることがより好ましく、8000以上であることがさらに好ましく、9000以上であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が1000未満だと、1分子あたりのグリシジル基が少なくなり、増粘効果が低くなるおそれがある。重量平均分子量(Mw)は、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)との相溶性の理由より50000以下であることが好ましく、20000以下であることがより好ましく、15000以下であることがさらに好ましい。またエポキシ価は0.6meq/g以上であることがより好ましく1meq/g以上であることがさらに好ましい。エポキシ価が0.5meq/g未満だと増粘効果が低くなるおそれがある。エポキシ価は、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)との過剰反応によるゲル化物発生抑制の理由より、3meq/g以下であることが好ましい。
このようなエポキシ価を満たすためには、グリシジル基含有不飽和単量体とビニル芳香族系単量体との共重合の割合は、グリシジル基含有不飽和単量体の共重合量が、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは2〜20質量%である。グリシジル基含有不飽和単量体の共重合量が1質量%未満では増粘効果が少なく、十分な屈曲疲労性が得られない傾向があり、30質量%を超えると樹脂組成物としての安定性が損なわれる恐れがある。
本発明の樹脂組成物における熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)とグリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)の配合比(含有比)は、質量比で(A)/(B)=100/0.5〜5である。グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)が、5質量部より多いと、熱可塑性ポリエステルエラストマとの反応によりゲル化を引き起こす可能性がある。また、グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)が0.5質量部未満であると、増粘効果が低くなるため好ましくない。
[炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)]
本発明に用いる炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)とは、炭素数3〜40の脂肪族、脂環族または芳香族のカルボン酸のアルカリ金属塩である。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムが好ましく、特に好ましくはナトリウムである。
脂肪族カルボン酸とは、直鎖または分岐した脂肪族基にカルボキシル基が付いた化合物であり、結合の一部に、不飽和基、脂環族基、芳香族基あるいは水酸基、リン酸エステル基などのその他の置換基を有していても良い。脂肪族カルボン酸としては、直鎖の飽和脂肪族基にカルボキシル基が付いた化合物であることがより好ましい。
脂肪族カルボン酸の中で、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、モンタン酸などが好ましく、アルカリ金属塩の中では、ナトリウム塩がポリエステルエラストマに対する溶解性、良結晶核形成性の点、さらには前記熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)と前記グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)との反応触媒となり、溶融粘度の安定性を高める点で好ましい。
炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)の有機カルボン酸は融解性、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)との相溶性の観点より、炭素数3〜20の脂肪族カルボン酸であることが好ましい。
これらの中でも、炭素数が14未満の脂肪族カルボン酸金属塩は、少量の配合で結晶化速度を向上させることができる点で好ましい。
本発明に用いる炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)の配合量(含有量)は、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)に対して、質量比で(A)/(C)=100/0.1〜5である。有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)が0.1質量部未満の場合、結晶化速度を向上させる効果が低く、得られる成形品の内面平滑性が劣る傾向がある。また、有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)を、5質量部を超えて配合した場合、金属塩による熱可塑性ポリエステルエラストマの分解が著しくなり屈曲疲労性が低下するため好ましくない。有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)の配合量は、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)100質量部に対して、0.2〜3質量部であることが好ましい。有機カルボン酸アルカリ金属塩の配合量は、0.3〜2質量部であることがより好ましく、0.5〜1.5質量部であることがさらに好ましい。
[無機結晶核剤(D)]
本発明に用いる無機結晶核剤(D)は、溶融加工時に未溶融であり、冷却過程において結晶の核となり得るものであれば、特に限定されないが、中でもタルク、炭酸カルシウムが特に好ましい。結晶核剤(D)の粒子径は0.1〜10μm好ましく、0.5〜6μmが更に好ましい。粒子径が10μmを超える場合は、異物として作用し屈曲疲労性を低下させるおそれがある。結晶核剤(D)の配合量(含有量)は、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)100質量部に対して0〜3.0質量部である。3.0質量部を超えると屈曲疲労性を低下させるため好ましくない。
本発明において、無機結晶核剤(D)は任意成分であるが、無機結晶核剤(D)を配合することにより、溶融粘度を損なうことなく外観を向上できると言う利点がある。無機結晶核剤(D)を配合する場合、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)100質量部に対して、0.2〜2.0質量部であることが好ましい。
本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、降温結晶化温度(TC2)が170℃以上であることが必要であり、好ましくは175以上、より好ましくは180℃以上である。本発明において、降温結晶化温度(TC2)は、示差走査熱量分析計を用いて、試料を窒素中にて250℃で2分間溶融した後、降温速度20℃/分で50℃まで降温した際に得られる降温結晶化の発熱ピーク温度を指す。降温結晶化温度(TC2)が170℃未満であると、結晶化速度が遅すぎるため、成形品の肉厚ムラ、メルトフラクチャーによるブロー成形品の内面不良などが発生しやすくなる。降温結晶化温度(TC2)の上限としては、特に限定されないが、200℃以下であることが好ましい。
本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、表面硬度がD硬度(JIS K7215)で35以上である必要がある。好ましくは38以上、より好ましくは40以上である。D硬度が35未満であると、得られる成形性の改善効果が小さく、成形品の屈曲疲労性の改善効果も低くなる。表面硬度の上限は、特に限定されないが、用いる熱可塑性ポリエステルエラストマの特性上、60程度である。
本発明の樹脂組成物には、芳香族アミン系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系などの汎用の酸化防止剤を配合することが好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いられる芳香族アミン系酸化防止剤の具体例としては、フェニルナフチルアミン、4,4’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、および4−イソプロポキシジフェニルアミンなどが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸のジエチルエステル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−ジフェニルメタン、α−オクタデシル−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−(ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、ヘキサメチレングリコール−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸アミド)、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンホスホン酸のジオクタデシルエステル、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアヌレートなどが挙げられる。これらの中でも特にテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンのような分子量が500以上のものが、高温雰囲気下で揮散しにくいことから好ましい。
リン系酸化防止剤としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジホスファイト系化合物などのリンを含む化合物が挙げられる。具体例としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピオンエステル系などの硫黄を含む化合物が挙げられる。具体例としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジドデシルチオジプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルイソプロピルキサンテート、トリラウリルトリチオホスファイト等が挙げられる。特に、チオエーテル構造を有するチオエーテル系酸化防止剤は、酸化された物質から酸素を受け取って還元するため、好適に使用することが出来る。
上記の各酸化防止剤の配合量は、いずれも熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)100質量部に対し、好ましくは0.01〜3質量部、より好ましくは0.05〜2質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部である。
本発明に用いるポリエステルエラストマ樹脂組成物の組成、及び組成比を決定する方法としては、試料を重クロロホルム等の溶剤に溶解して測定するH−NMRのプロトン積分比から算出することも可能である。
本発明における熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)の製造方法としては、公知の方法(特開平9−59491号公報、特開平10−182954号公報、特許第4244067号など)を採用することができるが、例えば、上記のジカルボン酸及びジオール成分を150〜250℃でエステル化反応後、減圧しながら230〜300℃で重縮合することにより、目的の熱可塑性ポリエステルエラストマを得ることができる。あるいは、上記のジカルボン酸のジメチルエステル等の誘導体とジオール成分を用いて150〜250℃でエステル交換反応後、減圧しながら230〜300℃で重縮合することにより、目的の熱可塑性ポリエステルエラストマを得ることができる。
さらに本発明の樹脂組成物に耐候性を必要とする場合は、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系化合物を添加することが好ましい。例えば、本発明に用いられるポリエステル系熱可塑性エラストマに配合することができるベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアゾール系、ニッケル系、サリチル系光安定剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’、5’−ビス(α,α−ジメチルベンジルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンアゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾチリアゾール、2,5−ビス−〔5’−t−ブチルベンゾキサゾリル−(2)〕−チオフェン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル燐酸モノエチルエステル)ニッケル塩、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキサリックアシッド−ビス−アニリド85〜90%と2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチル−4’−t−ブチルオキサリックアシッド−ビス−アニリド10〜15%の混合物、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−エトキシ−2’−エチルオキサザリックアシッドビスアニリド、2−〔2’−ヒドロオキシ−5’−メチル−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミド−メチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−i−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニルなどの光安定剤を挙げることができる。添加量は、樹脂組成物の質量基準で、0.1%以上5%以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、その他各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、本発明以外の樹脂、無機フィラー、安定剤、及び老化防止剤を熱可塑性エラストマへの添加剤として広く用いられているものを本発明の特徴を損なわない範囲で添加することができる。
また、その他の添加剤として、離型剤、着色顔料、無機、有機系の充填剤、カップリング剤、タック性向上剤、クエンチャー、金属不活性化剤等の安定剤、難燃剤等を添加することもできる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)、グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)、炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)及び無機結晶核剤(D)の合計(ただし、(D)成分は、0でも良い)で、80質量%以上を占めることが好ましい。(A)、(B)、(C)、(D)の合計で、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法としては、熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)とグリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)と炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)とその他の任意成分を、単軸もしくは二軸のスクリュー式溶融混錬機、または、ニーダー式加熱機に代表される通常の熱可塑性樹脂の混合機を用いて溶融混練し、引き続き造粒工程によりペレット化する。
本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、230℃、2.16kg荷重のメルトフローレートが、0.1〜3.0g/10minであるという特徴を有する。これにより、ブロー成形用に適したものとなる。
また、本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、下記実施例の項に記載の屈曲疲労性試験において、120℃デマッチャ破断回数が、300万回以上であるという特徴を有する。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。尚、実施例に記載された各測定値は、次の方法によって測定したものである。
降温結晶化温度(TC2)、融点:
セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量分析計「DSC220型」にて、測定試料5mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し、窒素中にて250℃で2分間溶融した後降温速度20℃/分で50℃まで降温した際に得られた降温結晶化の発熱ピーク温度を降温結晶化温度(TC2)とした。また、上記の測定試料において、50℃から250℃まで20℃/分で昇温し、得られたサーモグラム曲線から融解による、吸熱ピークを融点とした。
還元粘度:
充分乾燥したポリエステル樹脂0.02gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒10mlに溶解し、ウベローゼ粘度計にて30℃で測定した。
酸価:
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解し、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬にはフェノールフタレインを用いた。
表面硬度:
JIS K7215(−1986)に準じて測定した。試験片は、シリンダー温度240℃、金型温度50℃にて作製した射出成形品(長さ100mm、幅100mm、厚み2mm)を3枚重ねたものを使用し、測定圧5000g、タイプDの圧子を用いたデュロメーターにより測定し、測定開始5秒後の値をD硬度とした。
原料として、以下のものを用いた。
[熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)]
A1:
特開平9−59491号公報に記載の方法により、テレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量2000)が100/90/10モル%の熱可塑性ポリエステルエラストマ(A1)を製造した。
このポリエステルエラストマ(A1)の融点は205℃、還元粘度は2.15dl/g、酸価は35eq/t、D硬度は40であった。
A2:
特開平9−59491号公報に記載の方法により、テレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1500)が100/88/12モル%の熱可塑性ポリエステルエラストマ(A2)を製造した。
このポリエステルエラストマ(A2)の融点は197℃、還元粘度は1.86dl/g、酸価は38eq/t、D硬度は46であった。
A3:
特開平9−59491号公報に記載の方法により、テレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量2000)が100/75/25モル%の熱可塑性ポリエステルエラストマ(A3)を製造した。
このポリエステルエラストマ(A3)の融点は170℃、還元粘度は2.20dl/g、酸価は31eq/t、D硬度は31であった。
[グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)]
B1:
グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマー ARUFON UG−4070(東亜合成(株)社製、Mw:9700、エポキシ価1.4meq/g)
B2:
グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマー ARUFON UG−4050(東亜合成(株)社製、Mw:8500、エポキシ価0.67meq/g)
[その他の増粘剤]
B3:
N置換トリイソシアヌレート TEPIC−S(日産化学社製)
B4:
カルボジイミド化合物 カルボジライトLA−1(日清紡社製)
[有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)]
C1:
ステアリン酸ナトリウム(日本油脂(株)社製、融点230℃)
C2:
カプリル酸ナトリウム(日東化成工業(株)社製 CapNa、融点220℃)
[無機結晶核剤(D)]
D1:
タルク(林化成社製 KCM7500、粒径5.8μm)
[その他添加剤]
離型剤:
リコワックスE(クラリアント社製)
芳香族アミン系酸化防止剤:
ノンフレックスDCD(大内新興化学社製)
フェノール系酸化防止剤:
Irganox1010(BASF社製)
フェノール系酸化防止剤:
Irganox1098(BASF社製)
実施例1〜8、比較例1〜9
二軸スクリュー式押出機を用い、上記熱可塑性ポリエステルエラストマ100質量部に対して、各種添加剤を表1に記載の比率(質量比率)で、240℃で溶融混練した後、ペレット化した。このポリエステルエラストマ樹脂組成物のペレットを用いて、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
[メルトフローレート]
JIS K7210記載の試験法(A法)に準拠し、測定温度230℃、荷重2160gでのメルトフローレート(MFR:g/10min)を測定した。測定には水分率0.1質量%以下の組成物を用いた。
[屈曲疲労性試験]
デマッチャ屈曲き裂試験機BE−102(テスター産業株式会社製)を用い、以下の所定の試験片について、120℃の雰囲気下で、チャック間を75mmと19mmにする繰り返し屈曲を300回/分の速度で実施し、破断に至るまでの回数にて耐屈曲疲労性を評価した。試験片は、シリンダー温度240℃、金型温度50℃にて作製した射出成形品(幅20mm、長さ100mm、厚さ3.6mm、ヒンジ部R2.4)を用いた。
耐屈曲疲労性の評価については、以下の基準で示した。
破断までの屈曲回数500万回以上の場合は「◎」
破断までの屈曲回数500万回未満300万回以上の場合は「○」
破断までの屈曲回数300万回未満100万回以上の場合は「△」
破断までの屈曲回数100万回未満の場合は「×」
[ブロー成形性の評価]
ダイレクトブロー成型機(単軸押出し機:L/D=25、フルフライトスクリュー、スクリュー径65mm)のシリンダ温度を180〜230℃に設定し、ダイレクトブロー成型ボトルを製造した。シリンダ先端には、パリソン形成用ダイリップを取り付け、金型内でブローエアーを封入し、ボトルを成形した。このときの、パリソン保持状態、製品寸法から評価した。
○:ドローダウン非常に小さく、形状保持している
△:ドローダウン大きく、形状崩れ気味だがなんとかブローできる
×:ドローダウン大きく、形状が崩れブローできない
[ゲル化物の評価]
上記のブロー成形機による得られたボトル成形品のゲル化物の有無を目視にて観察した。
○:ゲル化物が全く認められない。
△:ゲル化物が微かに認められる。
×:ゲル化物が顕著に認められる。
[成形品内面状態の評価]
上記のブロー成形機による得られたボトル成形品の内面平滑性を目視にて評価した。
○:内面が平滑であり、荒れが認められない。
△:やや内面に荒れが認められる。
×:内面の荒れが顕著に認められる。
本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物はゲル化物が少なく、成形品内面が平滑な外観の優れたブロー成形品を得ることができる。高い溶融粘度でありながら、結晶化速度の低下が抑制できるため、ブロー成形時の成形加工性に優れさらには高温環境下での耐屈曲疲労性にすぐれたブロー成形品を得ることができる。

Claims (8)

  1. 芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族のグリコールを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントが結合されてなる熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)100質量部に対して、グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)0.5〜5質量部、炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)0.1〜5質量部、及び(D)無機結晶核剤0〜3質量部を含有してなり、降温結晶化温度(TC2)が170℃以上かつD硬度35以上であることを特徴とするブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)が、テレフタル酸、1,4−ブタンジオール及びポリオキシテトラメチレングリコールを主たる成分とする共重合体であって、該ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量が500〜4000であり、その共重合量が熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)を構成する全グリコール成分に対して5〜20mol%である請求項1に記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  3. 前記グリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)が、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーであり、重量平均分子量(Mw)が1000以上、エポキシ価が0.5meq/g以上である請求項1又は2に記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  4. 前記炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)の有機カルボン酸が、炭素数3〜20の脂肪族カルボン酸である請求項1〜3のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  5. 前記無機結晶核剤(D)が、タルクである請求項1〜4のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  6. 前記ポリエステルエラストマ樹脂組成物の230℃、2.16kg荷重のメルトフローレートが、0.1〜3.0g/10minである請求項1〜5のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  7. 前記ポリエステルエラストマ樹脂組成物の120℃デマッチャ破断回数が、300万回以上である請求項1〜6のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  8. 熱可塑性ポリエステルエラストマ(A)に、増粘剤としてグリシジル基含有スチレン系ポリマー(B)を配合し、かつ結晶核剤及び反応触媒として炭素数3〜40の有機カルボン酸アルカリ金属塩(C)を配合することを特徴とするブロー成形用ポリエステルエラストマ樹脂組成物の製造方法。
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