JP2016044065A - シート搬送制御システム、シート搬送制御方法およびシート搬送装置 - Google Patents

シート搬送制御システム、シート搬送制御方法およびシート搬送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】間欠搬送される長尺状のシート部材の搬送中に発生した蛇行を高速に修正することで、生産性向上と品質安定化を可能とする。
【解決手段】長尺状のシート部材を間欠搬送する搬送手段のためのシート搬送制御システムであって、上記シート部材の幅方向位置を取得する幅方向位置検出手段と、上記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、上記シート部材の蛇行修正量を演算する演算手段と、上記蛇行修正量に基づいて、上記搬送手段による上記シート部材の搬送方向を補正する制御手段とを、有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、シート搬送制御システム、シート搬送制御方法およびシート搬送装置に関し、特に長尺のシートの搬送中に発生した蛇行を修正するシート搬送制御システム、シート搬送制御方法およびシート搬送装置に関する。
フィルムや紙などのウェブ状シート(以降シートとする)を巻回したロール状態の長尺シートを加工のために搬送する際、シートの厚みのばらつきやロールの巻回状態や搬送条件等によって、幅方向のズレである蛇行が発生する。この蛇行の発生によって、後工程や自工程でのシート加工時に不良の原因となり品質の低下や生産性低下につながってしまう。そのため一般にシートの蛇行修正する方法としてEPC(Edge Position Controller)が用いられている。EPCは一般に、幅方向位置検出手段から得られた幅方向の位置に応じて、蛇行修正ローラを駆動させ位置を修正させる。
しかし、シートの蛇行修正は搬送速度に応じて修正されるため、シートが搬送中の場合しか修正が反映されない。そのため搬送と搬送停止を繰り返す搬送(以降間欠搬送とする)の場合、これまでのEPCの制御方法では搬送停止時でも修正動作を行ってしまう。これにより、過剰に修正動作をしてしまい搬送停止からの搬送再開時にオーバーシュートの発生、過剰な修正によりシートに過度の張力が加わりしわや破れを発生させる可能性がある。さらに、最悪の場合、搬送経路から逸脱してライントラブルを発生させる可能性がある。
また、間欠搬送の場合は一般に、搬送サイクル毎に1製品もしくは1部品として生産する。そのため幅方向製品規格の範囲に素早く蛇行を修正する必要がある。蛇行の修正が遅い場合は、製品規格内に収まるまでのシートは不良となり品質低下を招く。
そこで、品質安定化と生産性向上のために例えば、特許文献1ではフィードバック制御のゲインとして、シートの搬送速度が遅いほど小さく速いほど大きい可変値を用いることでシワや破損を防止しながら制御することが提案されている。
また、特許文献2では搬送条件(搬送速度等)が変動した場合に対応するため、蛇行修正位置の上流にある2つの幅方向位置検出手段からの検出値を用いて、2つのフィードフォーワードモデルのゲイン誤差を修正している。これにより特許文献2では、下流側の蛇行修正位置での蛇行量を推定し、蛇行を効率よく修正することが提案されている。
特許第5293498号公報 特許第4636117号公報
しかし、実際に間欠搬送を行う場合、常に一定の搬送速度でシートを搬送することは困難であり、搬送開始直後と搬送停止直前の一定区間は搬送速度が加減速する。
特許文献1の技術では、ゲインとして搬送速度に比例した可変値を用いている。搬送速度が加減速する区間はゲインが小さいため応答性が悪くなり、次の搬送中に製品規格内に位置を修正しきれない可能性がある。
また、特許文献2の技術では、搬送条件の変動として搬送速度を挙げ、搬送速度に比例した推定蛇行量を用いたフィードフォーワード制御を行う。そのため、搬送速度が加減速する区間は搬送速度が一定の区間と比べ推定蛇行量が少なく推定され、実際の蛇行量と推定蛇行量の誤差が発生する。この誤差により、適切な蛇行修正が出来ず、次の搬送中に製品規格内に位置を修正しきれない可能性がある。
さらに、特許文献1、特許文献2ともに搬送停止時には制御出力を行わないため、搬送開始から次の制御出力までのディレイが発生し、応答が遅れる。それにより前回の搬送中に蛇行を修正しきれずに搬送停止期間に入った場合は、次の搬送中に製品規格内に位置を修正しきれない可能性がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、間欠搬送の際に発生した蛇行を高速に修正することで、生産性向上と品質安定化を可能とする、シート搬送制御システム、シート搬送制御方法およびシート搬送装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係るシート搬送制御システムは、長尺状のシート部材を間欠搬送する搬送手段のためのシート搬送制御システムであって、上記シート部材の幅方向位置を取得する幅方向位置検出手段と、上記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、上記シート部材の蛇行修正量を演算する演算手段と、上記蛇行修正量に基づいて、上記搬送手段による上記シート部材の搬送方向を補正する制御手段とを、有する。
本発明に係るシート搬送制御方法は、長尺状のシート部材を間欠搬送するシート搬送制御方法であって、搬送する上記シート部材の幅方向位置を取得し、上記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、上記シート部材の蛇行修正量を演算し、上記蛇行修正量に基づいて上記シート部材の搬送方向を補正する。
本発明に係るシート搬送装置は、長尺状のシート部材を間欠搬送する搬送手段と、上記シート部材の幅方向位置を取得する幅方向位置検出手段と、上記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、上記シート部材の蛇行修正量を演算する演算手段と、上記蛇行修正量に基づいて、上記搬送手段による上記シート部材の搬送方向を補正する制御手段とを、有する。
本発明は、間欠搬送される長尺状のシート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに応じて、搬送中に発生した蛇行を高速に修正できるので、生産性向上と品質安定化が可能になる。
本発明の最上位概念のシート搬送制御システムを示すブロック図である。 本発明にかかる第1実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだシート搬送装置全体構成を示す側面図である。 本発明にかかる第1実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成を示す上面図である。 本発明にかかる第1実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成のブロック図である。 本発明にかかる第1実施形態の制御方法における制御サイクル1サイクル分の処理の流れを示すフロー図である。 本発明にかかる第1実施形態の制御方法における幅方向位置の推移と制御量の推移を表すグラフの概念図である。 本発明にかかる第2実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成を示す側面図である。 本発明にかかる第2実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成を示す上面図である。 本発明にかかる第2実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成のブロック図である。 本発明にかかる第2実施形態の制御方法における制御サイクル1サイクル分の処理の流れを示すフロー図である。 本発明にかかる第2実施形態の制御方法における上流と下流の幅方向位置の差分に対する制御量の限界値を表すグラフである。
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の最上位概念のシート搬送制御システムを示すブロック図である。図1は、長尺状のシート部材を間欠搬送する搬送手段のためのシート搬送制御システムである。
図1のシート搬送制御システムは、シート部材の幅方向位置を取得する幅方向位置検出手段14と、シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、シート部材の蛇行修正量を演算する演算手段16とを、有する。さらに図1のシート搬送制御システムは、上記蛇行修正量に基づいて、上記搬送手段によるシート部材の搬送方向を補正する制御手段と有する。図1では、搬送手段によるシート部材の搬送方向を補正する制御手段の一例として、演算手段16が演算したシート部材の蛇行修正量を搬送手段に対して出力する出力手段17を示す。
図1では、幅方向位置検出手段14が取得したシート部材の幅方向位置を記憶する記憶手段18をさらに有している。さらに、図1では、演算手段16、出力手段17および記憶手段18が蛇行修正制御手段15を構成している。
図1のシート搬送制御システムでは、幅方向位置検出手段14がシート部材の幅方向位置を取得する。幅方向位置検出手段14が取得したシート部材の幅方向位置を記憶手段18が記憶する。演算手段16は、間欠搬送する搬送手段によりシート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかという状態に応じて、シート部材の蛇行修正量を演算する。そのうち、搬送停止状態にある場合、演算手段16は、シート部材の搬送中に幅方向位置検出手段14が取得したシート部材の幅方向位置の実績値から、幅方向位置の推移を近似式として算出し、この近似式から次の搬送停止状態での幅方向位置を予測する。そして演算手段16は、目標位置と予測された幅方向位置との差分を修正するように、蛇行修正量を演算する。演算された蛇行修正量を出力手段17は搬送手段へ出力し、搬送手段によるシート部材の搬送方向を補正する。
図1のシート搬送制御システムによれば、搬送停止中に次の搬送のために蛇行修正量を演算し、搬送手段の搬送方向を補正しているので、遅延が少ない蛇行補正が可能になる。その結果、搬送停止時点で蛇行が発生している場合にも、次の搬送中に時間的余裕を伴う幅方向位置の十分な位置修正が期待できる。以下、図2〜図11を参照して、本発明のより詳細な実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
初めに、本発明の第1実施形態によるシート搬送制御システム、シート搬送制御方法およびシート搬送装置について、説明する。図2は、本発明にかかる第1実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだシート搬送装置全体構成を示す側面図である。図3は、本発明にかかる第1実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成を示す上面図である。図4は、本発明にかかる第1実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成のブロック図である。
[構成の説明]
本実施形態に係るシート搬送制御システムは、図2に示すように、幅方向位置検出手段の一例としてのエッジセンサ3と、蛇行修正制御手段の一例としての蛇行修正制御装置1とを、有する。
本実施形態に係るシート搬送制御システムを組み込んだシート搬送装置は、図2に示すように、蛇行修正制御装置1と、搬送制御装置2と、エッジセンサ3と、蛇行修正ローラ4と、蛇行修正装置5と、ダンサーローラ6とを、備えている。さらに本実施形態に係るシート搬送制御システムを組み込んだシート搬送装置は、固定ローラ7a、7b、7cと、巻回ロール部9とを、備えている。
図2のシート搬送装置は、矢印で示す搬送方向の上流から固定ローラ7a、固定ローラ7b、蛇行修正装置5、ダンサーローラ6、固定ローラ7c、巻回ロール部9の順で、配置している。シート搬送装置の蛇行修正装置5の上部に、蛇行修正ローラ4が配置されている。
蛇行修正制御装置1は蛇行修正装置5の内部に配置することが望ましいが、蛇行修正装置5の外部に配置しても良い。また、搬送制御装置2は巻回ロール部9の内部に配置することが望ましいが、巻回ロール部9の外部に配置しても良い。
本実施形態の蛇行修正制御装置1は、図4に示されるように、演算部10、記憶部11、出力部12を含んで構成される。演算部10は、種々のプログラム等を格納することができ、これらのプログラム等によって所望の演算を行う機能を有している。記憶部11は、外部入力等を記憶する機能を有している。出力部12は、演算部10の演算結果等を外部に出力する機能を有している。
蛇行修正制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等がバスで相互に接続される構成であっても良い。あるいは蛇行修正制御装置1は、ワンチップのLSI(大規模集積回路:Large Scale Integration)等からなる構成であっても良い。また、当該蛇行修正制御装置1は、シート20を搬送するシート搬送装置の搬送制御装置2を兼ねる構成であっても良い。
当該蛇行修正制御装置1は、エッジセンサ3によって検出されたシート20の幅方向位置情報もしくは幅方向位置偏差情報の検出信号に基づき、当該搬送物が所定の幅方向位置に配置されるよう、蛇行修正装置5に制御量を出力する。これにより蛇行修正ローラ4の位置を制御し、シート20を幅方向に移動させる機能を有している。
当該蛇行修正制御装置1は特に搬送停止時に、記憶部11に記憶された前回搬送中のエッジセンサ3からの検出信号の推移から、次の搬送停止時点の搬送物の幅方向位置情報を、演算部10で予測演算する機能を有している。さらに、当該蛇行修正制御装置1は搬送停止時に、記憶部11に記憶された前回搬送中の制御量の推移と前回搬送中のエッジセンサ3からの検出信号の推移とを用いて、単位制御量を演算部10で算出する機能を有している。予測演算した幅方向位置情報と単位制御量に基づき、当該搬送物が所定の幅方向位置に配置される制御量を演算部10で算出し、出力部12から蛇行修正装置5に制御量を出力する。これにより蛇行修正ローラ4の位置を制御し、シート20を幅方向に移動させる機能を有している。
搬送制御装置2は、シート20を間欠搬送するシート搬送装置のコントローラで、蛇行修正制御装置と同様の構成を持つ。当該搬送制御装置2は巻回ロール部9の巻回ロールを回転させることでシート20を搬送すると共に、巻回ロールの回転を停止させることで搬送を停止する間欠搬送機能を有している。また、搬送中のシート20の張力を一定にするため、ダンサーローラ6の上下運動を制御する機能を有している。さらに、シート20が搬送中もしくは搬送停止中の信号として、巻回ロールの回転動作中の信号を蛇行修正制御装置1へ出力する機能を有している。
本実施形態にかかるエッジセンサ3は、搬送物の幅方向位置を検出し、検出信号を蛇行修正制御装置1に出力する機能を有している。本実施形態にかかるエッジセンサ3は、図2に示すように蛇行修正ローラとダンサーローラ6との間に設けられ、蛇行修正ローラ4によって幅方向位置が制御された後の幅方向位置を検出する。エッジセンサ3は、ダンサーローラ6と巻回ロール部9の間のいずれかの箇所に設置して、ダンサーローラ6と巻回ロール部9の間のいずれかの箇所での幅方向位置を検出してもよい。
蛇行修正ローラ4は図3に示されるように、回転軸8を中心に回転可能に蛇行修正装置5によって移動制御される一組のローラ4a、4bである。また当該蛇行修正ローラ4は自由回転可能なフリーローラである。
蛇行修正装置5は、蛇行修正制御装置1から出力された制御量に応じて、蛇行修正ローラ4の位置を制御し、シート20の幅方向位置を修正する。当該蛇行修正装置5は、例えば、蛇行修正ローラ4の回転軸を支持する支持部材と、この支持部材および蛇行修正ローラの水平面が回転面とした回転駆動機構を蛇行修正ローラ4の両端に有していることによって構成される。
ダンサーローラ6は搬送制御装置2によって上下動作を制御されることにより、搬送中のシート20にかかる張力を一定にする機能を有する。当該ダンサーローラ6の制御は蛇行修正制御装置1を用いても良い。また、ダンサーローラ6は自由回転可能なフリーローラである。また、シート搬送装置における張力を一定にする機構は本発明の第1実施形態では当該ダンサーローラ6としたが、巻回ロール部9の回転速度を制御する方法等を用いても良い。
固定ローラ7a、7b、7cは、軸を固定されたシート20に接して回転する自由回転可能なフリーローラであり、シート20を安定して搬送するために用いる。
巻回ロール部9は搬送機構であり、巻回ロールが回転することでシート20を巻回し、搬送する。本発明の第1実施形態では搬送機構を巻回ロールとしたが、シート20をチャック等の把持機構により把持し、搬送方向に引き出すもしくは送り出す搬送機構を用いてもよい。また、そのほかのシート20の搬送機構を用いても良い。
[動作の説明]
次に図5、図6を用いて、本発明の第1実施形態にかかるシート搬送制御システムの制御方法、シート搬送装置の動作について説明する。図5は、本発明にかかる第1実施形態の制御方法における制御サイクル1サイクル分の処理の流れを示すフロー図である。図6は、本発明にかかる第1実施形態の制御方法における幅方向位置の推移と制御量の推移を表すグラフの概念図である。
シート搬送装置による搬送中に、図5に示すように蛇行修正制御装置1は、エッジセンサ3よりシート20の幅方向位置の検出信号の入力を受け、シート20の幅方向位置情報を取得する(ステップA1)。搬送制御装置2から巻回ロールが回転動作中かの信号の入力を受け、シート20が搬送中か搬送停止中かを演算部10は判断する(ステップA2)。
シート20が搬送中の場合は一般的なPID制御によりフィードバック制御し、制御量を演算する(ステップA3)。PID制御則は搬送停止中の積分成分の増加を考慮に入れる必要のない、比例制御および微分制御を用いることが望ましい。次に、演算に用いたシート20の幅方向位置情報と演算によって得られた制御量を、記憶部11が記憶する(ステップA4)。そして、演算によって得られた制御量を蛇行修正装置5に出力部12は出力(ステップA5)して、制御サイクルを終了する。シートを搬送中のシート搬送装置は、搬送中にこうして得られた制御量により必要な蛇行修正が行われてシートを搬送する。演算によって得られた制御量が蛇行修正の必要がないものであった場合には、蛇行修正が行われず、シートが搬送される。
一方、シート20が搬送停止中の場合は、演算部10は予測制御により制御量を算出し、搬送停止中の制御サイクルの始めに1度だけ制御量を出力する(ステップB0〜B4)。しかし、制御量の出力タイミングと出力回数は何ら限定されるものではなく、どの様なタイミングで出力しても良く、かつ出力した制御量の合計が算出した制御量と同じ量ならば、複数回に分けて出力しても良い。
予測制御は、搬送停止中すでに制御量の出力が行われているか、制御量の出力が行なわれておらず未補正の状態にあるかを判断する(ステップB0)。搬送停止中すでに制御量の出力が行われていた場合は、予測制御の以下のステップB1〜ステップB4は行わず制御サイクルを終了する。
ステップB0の判断結果が制御量の出力が行なわれておらず未補正の状態にある場合には、演算部10は幅方向位置の推移を最小二乗法にて近似する(ステップB1)。具体的には、1サイクル前の搬送における制御サイクル毎のシート20の幅方向位置情報を記憶部11から、演算部10は取得する。次に、取得した1サイクル前の搬送における制御サイクル毎のシート20の幅方向位置情報から、演算部10は最小二乗法を用いてシート20の幅方向位置の推移の近似式を算出する。こうして、幅方向位置の推移が最小二乗法にて近似できる。本実施形態では近似式を最小二乗法にて算出したが、そのほかの近似手法を用いてもよい。
次に、次の搬送停止時点の幅方向位置をステップB1で算出した近似式から予測する(ステップB2)。すなわち、1サイクル後の搬送停止時点のシート20の幅方向位置をステップB1で算出した近似式を用いて予測する。ここで、制御サイクル数は搬送中および搬送停止中で一定値を取ることが望ましい。本実施形態では予測値を搬送停止時点の幅方向位置としたが、なんら限定されるものでない。そのため、予測値を搬送開始から指定制御サイクル後の幅方向位置を用いても良い。
次に演算部10は、目標との差分に対する単位制御量を算出する(ステップB3)。具体的には、1サイクル前の搬送における制御サイクル毎のシート20の幅方向位置情報と搬送制御装置2の制御量を記憶部11から、演算部10は取得する。そして取得した1サイクル前の搬送における制御サイクル毎のシート20の幅方向位置情報と搬送制御装置2の制御量から、演算部10は目標位置と幅方向位置との差分に対する単位制御量を算出する。
次に演算部10は、推定した幅位置方向と単位制御量とから制御量を算出する(ステップB4)。具体的には、目標位置とステップB2で予測した幅方向位置との差分を修正するステップB3で算出した単位制御量から、制御量を算出する。
そして出力部12は、演算部10による演算によって得られた制御量を蛇行修正装置5に制御量として出力して、制御サイクルを終了する。
シートの搬送停止中のシート搬送装置は、搬送停止中にこうして得られた制御量により次回搬送のために蛇行修正装置5が制御される。演算によって得られた制御量が蛇行修正の必要がないものであった場合には、蛇行修正を行わない。
図6を参照すると、エッジセンサ3が検出する箇所でのシート20の幅方向位置の目標(目標位置)を実線で示す。図6を参照すると、エッジセンサ3が検出した現実の幅方向位置の一例を長い点線で示す。図6を参照すると、幅方向位置の予測結果(予測位置)の一例を短い点線で示す。この短い点線は、PID制御区間における制御に対応する。図6を参照すると、蛇行修正のための幅方向位置の制御量を一点鎖線で示す。
図6に示すように、間欠搬送として、搬送中、搬送停止中、搬送中、搬送停止中、と交互に繰り返される。本実施形態では搬送中はPID制御区間とし、搬送停止中は予測制御区間とする。そして、各搬送期間内、各搬送停止期間内に、図5のフローチャートに示される各ステップが行われる。例えば、各搬送期間においては、図5のステップA1〜A5がその期間内に少なくとも1回行われる。各搬送停止期間においては、図5のステップA1、A2、B0〜B4およびA5、或いは図5のステップA1、A2およびB0がその期間内に1回行われる。
図5のステップB1では、図6の最初の搬送期間に示すように、幅方向位置の推移を最小二乗法にて近似し、予測位置を求める。図5のステップB2では、図6の二番目の搬送期間に示すように、幅方向位置を近似式から予測する。図5のステップB3では、図6の最初の搬送期間に示すように、目標との差分に対する単位制御量を算出する。図5のステップB4では、図6の二番目の搬送期間に示すように、推定幅方向位置と単位制御量から制御量を算出する。そして、図5のステップA5では、図5の最初の搬送停止期間に示すように、制御量を出力する。一つの搬送停止期間で制御量が出力されると、それ以降はその搬送停止期間においては制御量を出力しない。制御量を出力しつづけると過剰制御の原因になり得るため、制御量の出力を一度しか行わない。制御量の出力を一度しか行わないため、出力が終了したら制御量は一定になる。図6の最初の搬送停止期間の制御量の曲線はこの状態を示している。この制御量の出力により、搬送停止期間において蛇行修正ローラ4の回転軸8が回転する。
図6では最初の搬送期間で、幅方向位置が目標位置に達していないため、制御量を出力して、蛇行修正ローラ4の回転軸8を回転させて、幅方向位置と目標位置とのかい離が小さくなっている。搬送中は、図6の幅方向位置に示すように、搬送されるシートの揺れや搬送に起因する周期的な蛇行が発生している。このような揺れや周期的な蛇行の場合は、常時目標位置に近づけることができる。
図6では、図5のステップA5で出力する制御量は幅方向位置が目標位置に達していなくとも、ステップB2にて予測した推定幅方向位置が目標位置を越える時は、目標位置と逆方向に幅方向位置を移動させる制御量を出力する。図6の最初の搬送停止期間の当初部分で制御量が減少しているのは、これに対応している。また、ステップB2にて予測した推定幅方向位置が目標位置に満たない時は、目標位置の方向に幅方向位置を移動させる制御量を出力する。そのため、次の搬送中のPID制御によるオーバーシュートを防ぐこと、目標位置までの不足を補うことが可能となる。
図6では、二番目の搬送期間では予測した予測位置が目標位置を越えてしまっている状態を示している。本実施形態では、算出した制御量が制御量の限界値の範囲内にあるかを判断し、制御量の絶対値が範囲内にない場合には制御量を限界値に設定している。これによって蛇行修正に関し、限界値を越えるオーバーシュートや過剰制御を抑制している。これにより、二番目の搬送期間が終わった時点で、オーバーシュートや過剰制御を招くことなく、幅方向位置を目標位置に揃えることができる。
このように、図6に示すように、本発明の実施形態によれば、最初の搬送中に蛇行を修正しきれずに搬送停止期間に入った場合であっても、次の搬送中に幅方向位置を目標位置に揃えることができる。これにより、前回の搬送中に蛇行を修正しきれずに搬送停止期間に入った場合でも、次の搬送中に製品規格内に幅方向位置を修正することができる。間欠搬送される長尺状のシート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに応じて、搬送中に発生した蛇行を高速に修正できる。
本発明の間欠搬送について単位制御量は、単位制御量=(幅方向位置と目標との差分推移/制御量)で表される。幅方向位置をX’(mm)、目標位置をX、回転角度をθ、単位制御量をVとしたとき、単位制御量Vは次の(1)式であらわされる。
Figure 2016044065
搬送停止中の回転軸の回転時間は、搬送停止時間をT’(msec)とした場合、T’(msec)以下に収まるように、設定する。回転軸の回転のタイミングは、制御量を受取ってからである。搬送中は一般的なPID制御で行う。
制御サイクルおよびモータ回転時間は、制御量に依存する。制御サイクルTs<搬送時間T/10程度が望ましい。モータ回転時間Tm<Tsとする。
[効果の説明]
本実施形態によれば、次の搬送停止時の幅方向位置と目標との差分を修正する制御量をあらかじめ与えておくことにより、1度の搬送サイクル中に目標へと幅方向位置を速く安定させることができ、生産性を向上させることができる。
また、次の搬送中のオーバーシュートや過剰制御を抑制することが可能になり、不良の発生を防ぎ、品質を安定化させる。さらに、本発明の実施形態によれば、センサ、制御装置を追加する必要がないため、既存の設置されている蛇行修正装置5およびシート搬送システムに対して、安価かつ容易に組み込むことが可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態によるシート搬送制御システム、シート搬送制御方法およびシート搬送装置について、説明する。図7は、本発明にかかる第2実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成を示す側面図である。図8は、本発明にかかる第2実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成を示す上面図である。図9は、本発明にかかる第2実施形態のシート搬送制御システムを組み込んだ搬送装置全体構成のブロック図である。図10は、本発明にかかる第2実施形態の制御方法における制御サイクル1サイクル分の処理の流れを示すフロー図である。図11は、本発明にかかる第2実施形態の制御方法における上流と下流の幅方向位置の差分に対する制御量の限界値を表すグラフである。
第1実施形態によるシート搬送制御システムやシート搬送装置と同様な構成には、同じ参照番号を付けて、その詳細な説明は省略することとする。本実施形態は、搬送されるシート部材の幅方向位置を、少なくとも二か所で検出するよう構成した場合に、関するものである。
[構成の説明]
本実施形態に係るシート搬送制御システムは、図7に示すように、幅方向位置検出手段の一例としてのエッジセンサ3a、3bと、蛇行修正制御手段の一例としての蛇行修正制御装置1とを、有する。
本実施形態に係るシート搬送制御システムを組み込んだシート搬送装置は、図7に示すように、蛇行修正制御装置1と、搬送制御装置2と、エッジセンサ3a、3bと、蛇行修正ローラ4と、蛇行修正装置5とを、備えている。さらに本実施形態に係るシート搬送制御システムを組み込んだシート搬送装置は、固定ローラ7a、7bと、巻回ロール部9とを、備えている。
図7のシート搬送装置は、矢印で示す搬送方向の上流から固定ローラ7a、蛇行修正装置5、固定ローラ7b、巻回ロール部9の順で、配置している。シート搬送装置の蛇行修正装置5の上部に、蛇行修正ローラ4が配置されている。蛇行修正制御装置1は蛇行修正装置5の内部に配置することが望ましいが、蛇行修正装置5の外部に配置しても良い。また、搬送制御装置2は、巻回ロール部9の内部に配置することが望ましいが、巻回ロール部9の外部に配置しても良い。
蛇行修正制御装置1は図9に示されるように、エッジセンサ3a、3bによって検出されたシート20の幅方向位置情報もしくは幅方向位置偏差情報の検出信号に基づき、当該搬送物が所定の幅方向位置に配置されるよう蛇行修正装置5に制御量を出力する。これにより蛇行修正ローラ4の位置を制御し、シート20を幅方向に移動させる機能を有している。
当該蛇行修正制御装置1は特に搬送停止時に、記憶部11に記憶された前回搬送中のエッジセンサ3a、3bからの検出信号の推移から、次の搬送終了時点の搬送物の幅方向位置情報を演算部10で予測演算する機能を有している。さらに、当該蛇行修正制御装置1は搬送停止時に、記憶部11に記憶された前回搬送中の制御量の推移と前回搬送中のエッジセンサ3a、3bからの検出信号の推移を用いて、推定制御量を演算部10で推定演算する機能を有している。予測演算した幅方向位置情報と推定制御量に基づき、当該搬送物が所定の幅方向位置に配置される制御量を演算部10が算出し、出力部12は蛇行修正装置5に制御量を出力する。これにより蛇行修正ローラ4の位置を制御し、シート20を幅方向に移動させる機能を有している。
エッジセンサ3a、3bは、搬送物の幅方向位置を検出し、検出信号を蛇行修正制御装置1に出力する機能を有している。本実施形態にかかるエッジセンサ3aは、固定ローラ7aと蛇行修正ローラ4の間に設けられる。本実施形態にかかるエッジセンサ3bは、蛇行修正ローラ4と固定ローラ7bとの間に設けられ、蛇行修正ローラ4によって幅方向位置が制御された後の幅方向位置を検出する。また、下流のエッジセンサ3bは固定ローラ7bと巻回ロール部9の間に設置してもよい。また、シート20の同一の幅方向に設置することが望ましい。
蛇行修正ローラ4は図8に示されるように、回転軸8を中心に回転可能に蛇行修正装置5によって移動制御される一組のローラ4a、4bである。また当該蛇行修正ローラ4は自由回転可能なフリーローラである。
搬送制御装置2、蛇行修正ローラ4、蛇行修正装置5、固定ローラ7、巻回ロール部9は基本的な構成は図2に示す搬送制御装置と同じであることから詳細な説明を省略する。
[動作の説明]
次に図10を用いて、本発明の第2実施形態にかかるシート搬送制御システムの制御方法、シート搬送装置の動作について説明する。シート搬送装置による搬送中に、図10に示すように蛇行修正制御装置1は、エッジセンサ3a、3bよりシート20の幅方向位置の検出信号の入力を受け、シート20の幅方向位置情報を取得する(ステップC1)。搬送制御装置2から巻回ロールが回転動作中かの信号の入力を受け、シート20が搬送中か搬送停止中かを判断する(ステップC2)。
シート20が搬送中の場合は一般的なPID制御則によりフィードバック制御し、制御量を演算する(ステップC3)。PID制御則は搬送停止中の積分成分の増加を考慮に入れる必要のない、比例制御および微分制御を用いることが望ましい。次に、エッジセンサ3a、3bの幅方向位置の検出値から、演算部10は差分を算出する(ステップC4)。
さらに演算部10は、算出した差分から図11の制御量の限界値を求めて、ステップC3で算出した制御量の絶対値と比較し、制御量が範囲内にあるかどうかを判断する(ステップC5)。
制御量の絶対値が範囲内にある場合にはステップC7に移行する。また、制御量の絶対値が範囲内にない場合には制御量を限界値に設定(ステップC6)した後、ステップC7に移行する。
次に記憶部11は、制御量演算に用いたシート20の幅方向位置情報と演算によって得られた制御量を記憶する(ステップC7)。
そして出力部12は、演算した制御量を蛇行修正装置5に出力して制御サイクルを終了する(ステップC8)。シートを搬送中のシート搬送装置は、搬送中にこうして得られた制御量により必要な蛇行修正が行われてシートを搬送する。演算によって得られた制御量が蛇行修正の必要がないものであった場合には、蛇行修正が行われず、シートが搬送される。
一方、シート20が搬送停止中の場合は、演算部10は予測制御により制御量を算出し、搬送停止中の制御サイクルの始めに1度だけ制御量を出力する(ステップD0〜D4、C5〜C8)。しかし、制御量の出力タイミングと出力回数は何ら限定されるものではなく、どの様なタイミングで出力しても良く、かつ出力した制御量の合計が算出した制御量と同じ量ならば、複数回に分けて出力しても良い。
予測制御は、搬送停止中すでに制御量の出力が行われているか、制御量の出力が行なわれておらず未補正の状態にあるかを判断する(ステップD0)。搬送停止中すでに制御量の出力が行われていた場合は、予測制御の以下のステップD1〜ステップD4およびステップC5〜ステップC8は行わず制御サイクルを終了する。
ステップD0の判断結果が制御量の出力が行なわれておらず未補正の状態にある場合には、1サイクル前の搬送における制御サイクル毎のエッジセンサ3a、3bの位置におけるシート20の幅方向位置情報を記憶部11から、演算部10が取得する。そして演算部10は、最小二乗法を用いて制御サイクル毎の推移の近似式を算出する(ステップD1)。本実施形態では近似式を最小二乗法にて算出したが、そのほかの近似手法を用いてもよい。
次に演算部10は、1サイクル後の搬送停止時点のシート20の幅方向位置をステップD1で算出した近似式を用いて、予測する(ステップD2)。制御サイクル数は搬送中および搬送停止中で一定値を取ることが望ましい。本実施形態では予測値を搬送停止時点の幅方向位置としたが、なんら限定されるものでない。そのため、予測値を搬送開始から指定制御サイクル後の幅方向位置を用いても良い。
次に演算部10は、1サイクル前の搬送における制御サイクル毎のエッジセンサ3a、3bの幅方向位置の検出値の推移と搬送制御装置2の制御量の推移を記憶部11から、取得する。そして演算部10は、上流および下流の幅方向位置の差分と制御サイクル毎の制御量の差分を用いて、制御サイクル毎の推定制御量を最小二乗法で近似する(ステップD3)。本実施形態では近似式を最小二乗法にて算出したが、そのほかの近似手法を用いてもよい。
次に演算部10は、目標位置とステップD2で予測した幅方向位置との差分をステップD3で算出した推定制御量の近似式に代入することで、蛇行を修正する制御量を算出する(ステップD4)。
さらに演算部10は、算出した差分から図10の制御量の限界値を求めて、ステップC3で算出した制御量の絶対値と比較し、制御量が範囲内にあるかどうかを判断する(ステップC5)。
制御量の絶対値が範囲内にある場合にはステップC7に移行する。また、制御量の絶対値が範囲内にない場合には制御量を限界値に設定(ステップC6)した後、ステップC7に移行する。
次に記憶部11は、制御量演算に用いたシート20の幅方向位置情報と演算によって得られた制御量を記憶する(ステップC7)。そして出力部12は、演算した制御量を蛇行修正装置5に出力して制御サイクルを終了する(ステップC8)。
シートの搬送停止中のシート搬送装置は、搬送停止中にこうして得られた制御量により次回搬送のために蛇行修正装置5が制御される。演算によって得られた制御量が蛇行修正の必要がないものであった場合には、蛇行修正を行わない。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、次の搬送停止時の幅方向位置と目標との差分を修正する制御量をあらかじめ与えておくことにより、1度の搬送サイクル中に目標へと幅方向位置を速く安定させることができ、生産性を向上させることができる。
さらに本実施形態によれば、算出した制御量が制御量の限界値の範囲内にあるかを判断し、制御量の絶対値が範囲内にない場合には制御量を限界値に設定している。これによって蛇行修正に関し、限界値を越えるオーバーシュートや過剰制御を抑制することが可能になる。その結果、オーバーシュートや過剰制御がもたらす、位置修正の所要時間の長期化を防止して、目標へと幅方向位置を速く安定させることができる。また、次の搬送中のオーバーシュートや過剰制御を抑制することが可能になり、不良の発生を防ぎ、品質を安定化させる。
本発明の実施形態は特に蛇行修正装置5の上流のエッジセンサ3aの幅方向位置情報を用いて、制御量に限界値を設けることで、過剰な制御によるしわや破れといった品質低下を防ぐことが可能である。
さらに、上流側のエッジセンサ3aによる幅方向位置情報と、下流側のエッジセンサ3bによる幅方向位置情報とを用いて、蛇行修正装置5による修正量を加味した推定制御量を算出することも考えられる。これにより、シート20の搬送速度、固定ローラとシート20の摩擦力等の、搬送条件が変動した場合でも、高精度な予測制御が可能となり、品質を安定化できる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)長尺状のシート部材を間欠搬送する搬送手段のためのシート搬送制御システムであって、
前記シート部材の幅方向位置を取得する幅方向位置検出手段と、
前記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、前記シート部材の蛇行修正量を演算する演算手段と、
前記蛇行修正量に基づいて、前記搬送手段による前記シート部材の搬送方向を補正する制御手段とを有する、シート搬送制御システム。
(付記2)前記シート部材が搬送停止状態にあるときに、前記演算手段は、前記シート部材の搬送中に前記幅方向位置検出手段が取得した前記シート部材の幅方向位置の実績値から、前記幅方向位置の推移を近似式として算出し、前記近似式から次の搬送停止状態での幅方向位置を予測し、
目標位置と予測された幅方向位置との差分を修正するよう、前記蛇行修正量を演算する、付記1に記載のシート搬送制御システム。
(付記3)前記搬送状態検出手段は、前記搬送手段による前記長尺状のシート部材の搬送方向に関し上流側及び下流側の少なくとも二か所の搬送状態を検出しており、
前記上流側での搬送状態検出結果と前記目標位置と予測された幅方向位置との差分とから、前記蛇行修正量を演算する、付記2に記載のシート搬送制御システム。
(付記4)前記搬送状態検出手段は、前記搬送手段による前記長尺状のシート部材の搬送方向に関し上流側及び下流側の少なくとも二か所の搬送状態を検出しており、
前記上流側での搬送状態検出結果と前記下流側での搬送状態検出結果と前記目標位置と予測された幅方向位置との差分とから、前記蛇行修正量を演算する、付記2に記載のシート搬送制御システム。
(付記5)前記搬送手段に出力する制御量の限界値を算出し、前記演算された蛇行修正量が前記限界値を越えるときには、前記限界値を蛇行修正量に設定して、搬送手段による前記シート部材の搬送方向を補正する、付記2乃至付記4のいずれか一つに記載のシート搬送制御システム。
(付記6)長尺状のシート部材を間欠搬送するシート搬送制御方法であって、
搬送する前記シート部材の幅方向位置を取得し、
前記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、前記シート部材の蛇行修正量を演算し、
前記蛇行修正量に基づいて前記シート部材の搬送方向を補正する、シート搬送制御方法。
(付記7)前記シート部材が搬送停止状態にあるときに、
前記シート部材の搬送中に取得した前記シート部材の幅方向位置の実績値から、前記幅方向位置の推移を近似式として算出し、
前記近似式から次の搬送停止状態での幅方向位置を予測し、
目標位置と予測された幅方向位置との差分を修正するよう、前記シート部材の搬送方向を補正する、付記6に記載のシート搬送制御方法。
(付記8)前記長尺状のシート部材の搬送方向に関し上流側及び下流側の少なくとも二か所の搬送状態を検出し、前記上流側での搬送状態検出結果と前記目標位置と予測された幅方向位置との差分とから、前記蛇行修正量を演算する、付記7に記載のシート搬送制御方法。
(付記9)前記長尺状のシート部材の搬送方向に関し上流側及び下流側の少なくとも二か所の搬送状態を検出しており、
前記上流側での搬送状態検出結果と前記下流側での搬送状態検出結果と前記目標位置と予測された幅方向位置との差分とから、前記蛇行修正量を演算する、付記7に記載のシート搬送制御方法。
(付記10)前記搬送手段に出力する制御量の限界値を算出し、前記演算された蛇行修正量が前記限界値を越えるときには、前記限界値を蛇行修正量に設定して、搬送手段による前記シート部材の搬送方向を補正する、付記6乃至付記9のいずれか一つに記載のシート搬送制御方法。
(付記11)長尺状のシート部材を間欠搬送する搬送手段と、
前記シート部材の幅方向位置を取得する幅方向位置検出手段と、
前記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、前記シート部材の蛇行修正量を演算する演算手段と、
前記蛇行修正量に基づいて、前記搬送手段による前記シート部材の搬送方向を補正する制御手段とを有する、シート搬送装置。
(付記12)前記シート部材が搬送停止状態にあるときに、
前記演算手段は、前記シート部材の搬送中に前記幅方向位置検出手段が取得した前記シート部材の幅方向位置の実績値から、前記幅方向位置の推移を近似式として算出し、前記近似式から次の搬送停止状態での幅方向位置を予測し、目標位置と予測された幅方向位置との差分を修正するよう、前記蛇行修正量を演算する、付記11に記載のシート搬送装置。
(付記13)前記搬送状態検出手段は、前記搬送手段による前記長尺状のシート部材の搬送方向に関し上流側及び下流側の少なくとも二か所の搬送状態を検出しており、
前記上流側での搬送状態検出結果と前記目標位置と予測された幅方向位置との差分とから、前記蛇行修正量を演算する、付記12に記載のシート搬送装置。
(付記14)前記搬送状態検出手段は、前記搬送手段による前記長尺状のシート部材の搬送方向に関し上流側及び下流側の少なくとも二か所の搬送状態を検出しており、
前記上流側での搬送状態検出結果と前記下流側での搬送状態検出結果と前記目標位置と予測された幅方向位置との差分とから、前記蛇行修正量を演算する、付記12に記載のシート搬送装置。
(付記15)前記搬送手段に出力する制御量の限界値を算出し、前記演算された蛇行修正量が前記限界値を越えるときには、前記限界値を蛇行修正量に設定して、搬送手段による前記シート部材の搬送方向を補正する、付記12乃至付記14のいずれか一つに記載のシート搬送装置。
1 蛇行修正制御装置
2 搬送制御装置
3、3a、3b エッジセンサ
4 蛇行修正ローラ
4a、4b ローラ
5 蛇行修正装置
6 ダンサーローラ
7a、7b、7c 固定ローラ
8 回転軸
9 巻回ロール部
10 演算部
11 記憶部
12 出力部
14 幅方向位置検出手段
15 蛇行修正制御手段
16 演算手段
17 出力手段
18 記憶手段
20 シート

Claims (10)

  1. 長尺状のシート部材を間欠搬送する搬送手段のためのシート搬送制御システムであって、
    前記シート部材の幅方向位置を取得する幅方向位置検出手段と、
    前記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、前記シート部材の蛇行修正量を演算する演算手段と、
    前記蛇行修正量に基づいて、前記搬送手段による前記シート部材の搬送方向を補正する制御手段とを有する、シート搬送制御システム。
  2. 前記シート部材が搬送停止状態にあるときに、前記演算手段は、前記シート部材の搬送中に前記幅方向位置検出手段が取得した前記シート部材の幅方向位置の実績値から、前記幅方向位置の推移を近似式として算出し、前記近似式から次の搬送停止状態での幅方向位置を予測し、
    目標位置と予測された幅方向位置との差分を修正するよう、前記蛇行修正量を演算する、請求項1に記載のシート搬送制御システム。
  3. 前記搬送状態検出手段は、前記搬送手段による前記長尺状のシート部材の搬送方向に関し上流側及び下流側の少なくとも二か所の搬送状態を検出しており、
    前記上流側での搬送状態検出結果と前記目標位置と予測された幅方向位置との差分とから、前記蛇行修正量を演算する、請求項2に記載のシート搬送制御システム。
  4. 前記搬送状態検出手段は、前記搬送手段による前記長尺状のシート部材の搬送方向に関し上流側及び下流側の少なくとも二か所の搬送状態を検出しており、
    前記上流側での搬送状態検出結果と前記下流側での搬送状態検出結果と前記目標位置と予測された幅方向位置との差分とから、前記蛇行修正量を演算する、請求項2に記載のシート搬送制御システム。
  5. 前記搬送手段に出力する制御量の限界値を算出し、前記演算された蛇行修正量が前記限界値を越えるときには、前記限界値を蛇行修正量に設定して、搬送手段による前記シート部材の搬送方向を補正する、請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のシート搬送制御システム。
  6. 長尺状のシート部材を間欠搬送するシート搬送制御方法であって、
    搬送する前記シート部材の幅方向位置を取得し、
    前記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、前記シート部材の蛇行修正量を演算し、
    前記蛇行修正量に基づいて前記シート部材の搬送方向を補正する、シート搬送制御方法。
  7. 前記シート部材が搬送停止状態にあるときに、
    前記シート部材の搬送中に取得した前記シート部材の幅方向位置の実績値から、前記幅方向位置の推移を近似式として算出し、
    前記近似式から次の搬送停止状態での幅方向位置を予測し、
    目標位置と予測された幅方向位置との差分を修正するよう、前記シート部材の搬送方向を補正する、請求項6に記載のシート搬送制御方法。
  8. 前記長尺状のシート部材の搬送方向に関し上流側及び下流側の少なくとも二か所の搬送状態を検出し、前記上流側での搬送状態検出結果と前記目標位置と予測された幅方向位置との差分とから、前記蛇行修正量を演算する、請求項7に記載のシート搬送制御方法。
  9. 前記搬送手段に出力する制御量の限界値を算出し、前記演算された蛇行修正量が前記限界値を越えるときには、前記限界値を蛇行修正量に設定して、搬送手段による前記シート部材の搬送方向を補正する、請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載のシート搬送制御方法。
  10. 長尺状のシート部材を間欠搬送する搬送手段と、
    前記シート部材の幅方向位置を取得する幅方向位置検出手段と、
    前記シート部材が搬送状態にあるか搬送停止状態にあるかに基づいて、前記シート部材の蛇行修正量を演算する演算手段と、
    前記蛇行修正量に基づいて、前記搬送手段による前記シート部材の搬送方向を補正する制御手段とを有する、シート搬送装置。
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