JP2016043785A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マルチコア型演算処理ユニットを用いた制御装置であって、外部診断装置との間でデータ通信を適切に実行し、特に応答時間についての要求を確実に満たすとともに、規定の変更時にも比較的容易に対応可能な車両用制御装置を提供する。【解決手段】 マルチコア型演算処理ユニットの含まれる複数のプロセッサコアのうち、予め決められた特定コアが、外部診断装置との間のデータ送受信処理を実行する。制御対象などの故障を検知する故障検知処理が実行され、特定コアは、故障検知処理のおいて故障が検出された場合にその故障の内容を示す故障コードを確定する故障検知確定処理を実行する。複数のプロセッサコアがそれぞれ外部診断装置との間でデータ送受信処理を実行する場合に必要となる複雑な処理が不要となり、処理プログラムを簡易化できるとともに、データ送受信処理速度を高めることができる。【選択図】 図4

Description

本発明は、車両に搭載された内燃機関、変速機、空調装置などの制御対象を制御する車両用制御装置に関し、特に複数のプロセッサコアを含んで構成されるマルチコア型演算処理ユニットを用いて制御対象を制御する制御装置に関する。
特許文献1は、マルチコア型演算処理ユニットを用いた、内燃機関の制御装置を開示する。この装置では、マルチコア型演算処理ユニットの複数のコアにおいてそれぞれ実行される処理の同期をとるために、1つコアから他のコアに割り込みによってイベントの通知が行われる。イベントの誤通知が発生することがあるため、そのような誤通知を防止するための手法が示されている。
特許文献2もマルチコア型演算処理ユニットを用いた、内燃機関の制御装置を開示する。この装置では、複数のアクチュエータの制御入力値の演算に関わる複数のタスクが、複数のコアに分散して割り当てられ、複数のコア間で処理の同期をとるための通信を行いつつ並列に演算処理が行われる。内燃機関に燃焼異常が起きた場合には、燃焼異常を回避するために優先すべき制御入力値の演算に関わるタスクが、複数のコアの中から選択された1つのコアに割り当てられる。
特開2012−108786号公報 特開2014−105678号公報
上記特許文献1,2に示されるように、マルチコア型演算処理ユニットを用いた内燃機関の制御装置、あるいは他の車両搭載装置を制御する車両用制御装置が従来より知られている。車両用制御装置の作動状態(故障あるいはより軽微な異常など)を診断する診断処理は、ISO(国際標準化機構)の規定に準拠して実行することが義務付けられている。この診断処理は、外部診断装置を診断対象の制御装置に接続して実行されるが、上記特許文献1,2に示される制御装置では、そのような外部診断装置を接続して診断処理を実行することは考慮されていない。
外部診断装置を接続して実行される診断処理では、車両用制御装置と外部診断装置との間のデータ通信を行うときに、外部診断装置から送信される要求メッセージの対して規定応答時間内に車両用制御装置から応答することが求められる。マルチコア型演算処理ユニットを用いた車両用制御装置については、そのような要求を確実に満たすための構成あるいは制御手法がこれまでのところ提案されていない。
本発明は上述した点に鑑みなされたものであり、マルチコア型演算処理ユニットを用いて制御装置であって、外部診断装置との間でデータ通信を適切に実行し、特に応答時間についての要求を確実に満たすとともに、規定の変更時にも比較的容易に対応可能な車両用制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、複数のプロセッサコア(C11〜C13,C21,C22))を含んで構成されるマルチコア型演算処理ユニット(11,13))を用いて車両に搭載された制御対象(10,20)の制御を行う車両用制御装置において、前記マルチコア型演算処理ユニットは、前記制御対象を含む、前記制御対象の制御系の故障を診断するための外部診断装置(2)との間でデータの送受信を行う通信部(33,43))を備え、前記複数のプロセッサコアのうち、予め決められた特定コア(C11,C21)が、前記通信部を介して前記外部診断装置との間のデータ送受信処理を実行することを特徴とする。
この構成によれば、マルチコア型演算処理ユニットは、通信部を介して外部診断装置との間でデータの送受信を行うことが可能であり、複数のプロセッサコアのうち、予め決められた特定コアによって、外部診断装置との間のデータ送受信処理が実行される。すなわち、外部診断装置が接続された状態でデータ送受信処理は、上述した特許文献に示されるように複数のプロセッサコアによって分担して実行されるではなく、特定コアのみによって実行される。このような構成を採用することによって、複数のプロセッサコアがそれぞれ外部診断装置との間でデータ送受信処理を実行する場合に必要となる複雑な処理が不要となり、処理プログラムを簡易化できるとともに、データ送受信処理速度を高めることができる。その結果、外部診断装置に対する応答時間についての要求を確実に満たすとともに、規定の変更時にも比較的容易に対応することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用制御装置において、前記複数のプロセッサコアの少なくとも1つ(C12,C22)は、前記制御系の故障を検知する故障検知処理を実行し、前記特定コア(C11,C21)は、前記故障検知処理において故障が検出された場合にその故障の内容を示す故障コードを確定する故障検知確定処理を実行することを特徴とする。
この構成によれば、複数のプロセッサコアの1つまたは複数のコアによって、制御対象の故障または制御系の故障を検知する故障検知処理が実行され、故障が検出された場合にその故障の内容を示す故障コードを確定する故障検知確定処理が特定コアによって実行される。特定コアは、外部診断装置との間のデータ送受信処理を実行するので、故障検知確定処理を特定コアが実行することによって、故障コードを迅速に外部診断装置に送信することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用制御装置において、前記マルチコア型演算処理ユニット(11,13)は、前記複数のプロセッサコアの全部が使用可能な共有メモリ(34,44)を備え、前記特定コア(C11,C21)と、該特定コア以外のプロセッサコア(C12,C13,C22)との間のデータ伝送は、前記共有メモリを介して行われることを特徴とする。
この構成によれば、特定コアと、該特定コア以外のプロセッサコアとの間のデータ伝送は、共有メモリを介して行われるため、コア間の通信処理が不要となり、外部診断装置が接続された状態での特定コアの演算処理負荷を抑制することができる。
本発明の一実施形態にかかる車両用制御装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すマルチコア型演算処理ユニット(MCU11)の機能と構成を説明するためのブロック図である。 図1に示すマルチコア型演算処理ユニット(MCU13)の機能と構成を説明するためのブロック図である。 外部診断装置から要求メッセージが送出された場合におけるマルチコア型演算処理ユニットの応答動作例を示すタイムチャートである。 マルチコア型演算処理ユニット(MCU11)で実行される処理を示すフローチャートである。 図5に示す処理で実行される診断応答処理のフローチャートである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる車両用制御装置の構成を示すブロック図であり、この制御装置は、車両1に搭載された内燃機関、変速機、空調装置などの制御を行うマルチコア型演算処理ユニット(以下「MCU」という)11〜14と、それらを相互に接続するバス3とを備えている。バス3は、データリンクコネクタ4を介して、外部診断装置2と接続可能に構成されている。外部診断装置2は、MCU11〜14を含む制御装置、内燃機関、変速機などの制御対象、制御に使用される各種センサ及びアクチュエータなど(以下全体として「制御系」という)の故障診断を、MCU11〜14とバス3を介した通信を行うことによって実行する。
図2(a)はMCU11と制御対象である内燃機関(以下「エンジン」という)10とで構成される制御系を説明するためのブロック図であり、図2(b)はMCU11の構成を示すブロック図である。図2(a)に示すように、MCU11には、エンジン10に装着された各種センサの検出信号、例えば6度毎のクランク角度位置CRKを示すクランク角度信号、エンジン10の各気筒のピストンが上死点TDCに位置するタイミングを示す上死点位置信号、エンジン10のスロットル弁の開度THを示すスロットル弁開度検出信号、エンジン10の冷却水温TWを示す冷却水温検出信号、吸気温TAを示す吸気温検出信号などが供給され、MCU11はそれらの検出信号に応じて燃料噴射量及び点火時期などの制御パラメータを算出し、算出した制御パラメータに対応する信号、すなわちエンジン10の燃料噴射弁を駆動する燃料噴射制御信号INJ及びエンジン10の点火プラグを駆動する点火制御信号IGなどを出力する。図2(a)に示した検出信号及び制御信号は例示であり、図示した検出信号以外の検出信号がMCU11に供給されるとともに、図示した制御信号以外の制御信号も出力される。
MCU11は、演算部31と、入出力部32と、通信部33とを備え、演算部31は3つのプロセッサコア(以下単に「コア」という)C11,C12,C13と、各コアに対応して設けられたキャッシュメモリCA11,CA12,CA13と、コアC11〜C13が使用可能な共有メモリ34とを備えている。各コアC11〜C13は、共有メモリ34に格納されているデータを読み出し、対応するキャッシュメモリCA11,CA12,CA13を使用して、エンジン制御のために必要な演算処理を分担して実行する。演算処理によって得られた制御パラメータは、共有メモリ34を介して入出力部32に出力される。
入出力部32には、上述した各種検出信号を出力するセンサ、及び燃料噴射弁、点火プラグなどのアクチュエータが接続されており、入出力部32は、入力される検出信号をデジタル値に変換して共有メモリ34に格納するとともに、共有メモリ34に格納される制御パラメータに応じた、アクチュエータの駆動信号を出力する。通信部33は、バス3に接続されており、バス3上のデータの受信及びバス3へのデータの送信を行う。
図3(a)はMCU13と制御対象である自動変速機20とで構成される制御系を説明するためのブロック図であり、図3(b)はMCU13の構成を示すブロック図である。図3(a)に示すように、MCU13には、自動変速機20に装着された各種センサの検出信号、例えば入力軸回転数NMの検出信号、出力軸回転数NCの検出信号、作動油温TATFを示す検出信号などが供給され、MCU13はそれらの検出信号に応じてロックアップクラッチの制御信号SCLCや変速段の制御信号SCGRなどを出力する。図3(a)に示した検出信号及び制御信号は例示であり、図示した検出信号以外の検出信号がMCU13に供給されるとともに、図示した制御信号以外の制御信号も出力される。
MCU13は、演算部41と、入出力部42と、通信部43とを備え、演算部41は2つのコアC21,C22と、各コアに対応して設けられたキャッシュメモリCA21,CA22と、コアC21,C22が使用可能な共有メモリ44とを備えている。各コアC21,C22は、共有メモリ44に格納されているデータを読み出し、対応するキャッシュメモリCA21,CA22を使用して、変速機制御のために必要な演算処理を分担して実行する。演算処理によって得られた制御パラメータは、共有メモリ44を介して入出力部42に出力される。
入出力部42には、上述した各種検出信号を出力するセンサ、及びロックアップクラッチの油圧制御アクチュエータ、変速段切り換え用の複数の油圧制御アクチュエータなどが接続されており、入出力部42は、入力される検出信号をデジタル値に変換して共有メモリ44に格納するとともに、共有メモリ44に格納される制御パラメータに応じた、アクチュエータの駆動信号を出力する。通信部43は、バス3に接続されており、バス3上のデータの受信及びバス3へのデータの送信を行う。
図4は、外部診断装置2から診断情報要求メッセージ及び故障検知停止要求メッセージが送出され、その要求メッセージに対してMCU11及びMCU13が応答する動作例を示すタイムチャートであり、図の上から下に向かって時間が経過するように示されている。本実施形態では、MCU11のコアC11及びMCU13のコアC21が、外部診断装置2との間でデータ送受信処理を実行する特定コアとして予め設定されている。
コアC11は、送受信処理、故障検知確定処理、及び診断応答処理を実行する。送受信処理は、他のMCU12〜14や外部診断装置2との間のデータ送受信を行う処理であり、故障検知確定処理は、コアC12で実行されるエンジン故障検知処理の結果に基づいて、外部診断装置2へ送信する故障コードを確定する処理であり、診断応答処理は外部診断装置2からの要求に応じて実行される応答処理である。
コアC12は、エンジン故障検知処理、TRQT算出処理、及び協調制御処理を実行する。エンジン故障検知処理は、エンジン10あるいはエンジン10に装着されたセンサやアクチュエータなどの故障を検知する処理であり、TRQT算出処理は、車両1のアクセルペダルの踏み込み量などに応じてエンジン10の目標トルクTRQTを算出する処理であり、協調制御処理は、他のMCU12〜14が実行する制御との協調制御を行う処理である。
コアC13は、入出力処理、アイドル停止処理、及びTRQA算出処理を実行する。入出力処理は、センサにより検出されるデータの入力処理及びアクチュエータへ駆動信号を出力する処理であり、アイドル停止処理は、所定のアイドル停止条件が成立したときにエンジンを一時的に停止させる処理であり、TRQA算出処理はエンジンの実出力トルクTRQAを算出する処理である。
MCU13のコアC21は、入出力処理、故障検知確定処理、送受信処理、及び診断応答処理を実行する。これらの処理はMCU11で実行される対応する処理と同様の処理である。故障検知確定処理では、コアC22が実行するAT故障検知処理、すなわち自動変速機20あるいは自動変速機20に装着されたセンサやアクチュエータなどの故障を検知する処理の結果に基づいて、外部診断装置2へ送信する故障コードが確定される。
コアC22は、上記AT故障検知処理、TRQD算出処理、協調制御処理、及びSFTT算出処理を実行する。TRQD算出処理は、車両1の駆動輪の駆動トルクTRQDを算出する処理であり、SFTT算出処理は、自動変速機20の目標変速段SFTTを車両運転状態に応じて算出する処理である。
外部診断装置2が診断情報要求メッセージMRQ1を送出すると、コアC11及びC21はその診断情報要求メッセージMRQ1を受信し、それぞれ診断応答処理RES11及びRES21を起動する。診断応答処理では、図6に示すように診断要求内容に応じた処理が実行される。コアC11及びC21はそれぞれ診断応答処理を実行して、応答メッセージMRES11及び応答メッセージMRES21を送出する。この応答メッセージMRES11,MRES21には、この時点で確定している故障コードが含まれる。
これらの応答メッセージの送出は、ISOの規定14229に準拠するため、診断情報要求メッセージMRQ1の送出時点から規定応答時間TRESLM内に行われる必要がある。規定応答時間TRESLM内に応答メッセージMRESの送出が行われないとき、例えばコアC21の応答メッセージMRES21の送出が遅れると、外部診断装置2によってMCU13が車両に搭載されていないと誤認識されて正しく診断が行われなくなったり、診断情報要求メッセージの再送出などが行われ、診断処理が遅れることになる。
次に外部診断装置2が故障検知停止要求メッセージMRQ2を送出すると、コアC11及びC21はその故障検知停止要求メッセージMRQ2を受信し、それぞれ診断応答処理RES12及びRES22を起動する。故障検知停止要求メッセージMRQ2は、故障検知を停止させる必要があるときに送出される。例えば制御装置のメンテナンスのために、制御装置と、センサ及び/またはアクチュエータとを接続するコネクタを外すような場合には、故障検知処理を実行すると誤検知する可能性がある。したがって、そのような場合には故障検知停止要求メッセージMRQ2が外部診断装置2から送出される。
故障検知停止要求メッセージMRQ2に対応して、コアC11は自身の故障検知確定処理(破線で表示)を実行しないようにするとともに、コア12に対してエンジン故障検知処理(破線で表示)を実行しないように指令し、応答メッセージMRES12を送出する。またコアC21は自身の故障検知確定処理(破線で表示)を実行しないようにするとともに、コアC22に対してAT故障検知処理(破線で表示)を実行しないように指令し、応答メッセージMRES22を送出する。これらの応答メッセージの送出も、要求メッセージMRQ2の送出時点から規定時間TRESLM内に行われる必要がある。
このように本実施形態では、MCU11,13(12,14も同様)が備える複数のコアのうち、予め決められた一つコア(以下「特定コア」とう)C11,C21が、外部診断装置2から送出される要求メッセージに対応する診断応答処理を優先度の高いイベント処理として実行するようにしたので、複数のMCUで実行する診断応答処理を共通化することができる。その結果、1つの汎用モジュールを全てのMCUの特定コアにおける応答診断処理に適用することが可能となり、ISOの規定で要求される規定応答時間TRESLM内に応答メッセージを確実に送出できるプログラムを容易に作成できる。
また特定コアC11,C21が診断応答処理及び故障検知確定処理をともに実行するようにしたので、故障検知停止要求メッセージMRQ2が送出された場合に、規定応答時間TRESLM内に故障検知確定処理を停止させる処理を確実に完了することが可能となる。診断応答処理と、故障検知確定処理とがそれぞれ別のコアで実行する構成を採用すると、迅速に停止指令を伝達するためにコア間通信が必要となり、また停止指令が遅れて故障検知確定処理が行われてしまう。そのため、共有メモリに格納された故障検知確定処理の結果を削除する処理が必要となるといった事態を招き、各コアの処理負荷がかえって増加するという問題が発生する。本実施形態では、特定コアC11,C21等(MCU12,14も同様)が、診断応答処理及び故障検知確定処理をともに実行するようにしたので、このような問題を回避することができる。
またMCU11においてコアC11が、コアC12におけるエンジン故障検知処理を停止させる指令は、共有メモリ34を経由してコアC11からコアC12へ伝達されるので、コア間通信は不要とすることができる。
図5(a),(b),及び(c)は、MCU11のコアC11〜C13で実行される通常制御処理の一部を示すフローチャートであり、図5(d)は上述したように外部診断装置2が診断情報要求メッセージ、故障検知停止要求メッセージなどを送出したときに、特定コアであるコアC11が実行するイベント処理のフローチャートである。このイベント処理は、コアC11により実行され、外部診断装置2が送出する要求メッセージの受信及び応答メッセージの送信が、要求メッセージの受信イベントに対応して実行される(ステップS21)。
図5(a)のステップS11では、故障検知停止中であるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、直ちにステップS13に進む。故障検知停止中でなければ、故障検知確定処理を実行する(ステップS12)。ステップS13では、送受信処理を実行する。
図5(b)のステップS31では、故障検知停止中であるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、直ちにステップS33に進む。故障検知停止中でなければ、エンジン故障検知処理を実行する(ステップS32)。ステップS33,S34では、それぞれTRQT算出処理及び協調制御処理を実行する。
図5(c)のステップS41〜S43では、入出力処理、アイドル停止処理、及びTRQA算出処理を実行する。
図6は、図5(d)のステップS21で実行される診断応答処理のフローチャートである。ステップS51では受信したメッセージのチェックを行い、異常がないときはメッセージ正常フラグFMSGOKを「1」に設定する。ステップS52では、メッセージ正常フラグFMSGOKが「1」であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であって異常が検出されたときは、その異常を外部診断装置2に通知するネガティブメッセージを作成し(ステップS53)、ステップS67に進む。
ステップS52の答が肯定(YES)であるときは、診断要求判定処理を実行し、外部診断装置2が要求する処理内容を判定する(ステップS54)。ステップS55では、判定結果に応じて、処理をステップS56,S58,S60,S62,S64,またはS66の何れかに分岐させる。ステップS56では、A処理(例えば診断情報要求に対応する処理)を実行し、A処理に対応する応答メッセージを作成する(ステップS57)。
ステップS58では、B処理(例えばセンサ検出データ要求に対応する処理)を実行し、B処理に対応する応答メッセージを作成する(ステップS59)。ステップS60では、C処理(例えばリセット要求に対応する処理)を実行し、C処理に対応する応答メッセージを作成する(ステップS61)。ステップS62では、D処理(例えば故障検知停止要求に対応する処理)を実行し、D処理に対応する応答メッセージを作成する(ステップS63)。ステップS64では、E処理(例えば通信停止要求に対応する処理)を実行し、E処理に対応する応答メッセージを作成する(ステップS65)。
予め決められているA〜E処理以外の処理要求(非サポート要求)を受信ししたときは、ステップS66に進み、非サポート処理であることを通知する非サポートメッセージを作成する。
ステップS67,S68では、作成したメッセージの送信を実行する。送信が完了すると、送信完了処理を実行する(ステップS69)。すなわち、外部診断装置2からの要求メッセージの受信から応答メッセージの送信までに要した応答時間TRESを計測し、規定応答時間TRESLM以内に応答が完了したことを確認する。
ステップS70では、他のコアC12,C13に通知する必要のある診断制御状態を通知する。この通知は、共有メモリ34に通知すべき情報を書き込むことによって実行される。例えば、図4を参照して説明したように、故障検知停止要求を受信したときに、コアC12に対してエンジン故障検知を停止する指令が行われる。
なお、MCU13のコアC21における診断応答処理、及び他のMCU12,14の特定コアにおける診断応答処理は、図6に示す処理と同様のものであるため、図示及び説明を省略する。
上述した規定応答時間TRESLMは、MCU11〜14で実行される制御処理が、例えばエンジン10や自動変速機20の制御のように重要な制御対象に対応するものである場合には、比較的短い時間(例えば数十ミリ秒程度)に設定されている。そのため、例えば応答メッセージの作成処理(図6,ステップS53,S57,S59など)と、送信完了処理(図6,ステップS59)とを異なるコアが実行するような構成を採用すると、異なるコアにおける処理を調整するための処理が必要となって、MCU全体としての処理負荷が増加することなる。本実施形態では、このような外部診断装置2からの要求メッセージの受信及び応答処理を、予め決められた特定コア(C11,C21)が実行するようにしたので、そのような問題を回避して処理プログラムを簡易化できるとともに、データ送受信処理速度を高めることができる。その結果、外部診断装置2に対する応答時間TRESについての要求を確実に満たすとともに、規定の変更時にも比較的容易に対応することが可能となる。
またMCU11ではコアC12によってエンジン故障検知処理が実行され、故障が検出された場合にその故障の内容を示す故障コードを確定する故障検知確定処理が特定コアであるコアC11によって実行される。コアC11は、外部診断装置2との間のデータ送受信処理を実行するので、故障検知確定処理をコアC11が実行することによって、故障コードを迅速に外部診断装置2に送信すること、及び故障検知停止要求に対して迅速に対応することが可能となる。
また特定コアであるC11,C21と、他のコアC12,C22などとの間のデータ伝送は、共有メモリ34,44を介して行われるため、コア間の通信処理が不要となり、外部診断装置2が接続された状態での特定コアC11,C21の演算処理負荷を抑制することができる。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、4つのMCUで構成される車両用制御装置を示したが、本発明は制御装置が有するMCUの数にかからず適用可能である。MCU11〜14が備えるコアの数は、2以上であればよく、2個または3個に限定されるものではない。
また上述した実施形態では、故障検知処理を実行するコアが1つである例を示したが、2つ以上のコアが故障検知処理を実行するようにしてもよい。
2 外部診断装置
3 バス
10 内燃機関
11〜14 マルチコア型演算処理ユニット
20 自動変速機
33,34 通信部
34,44 共有メモリ
C11〜C13,C21,C22 プロセッサコア

Claims (3)

  1. 複数のプロセッサコアを含んで構成されるマルチコア型演算処理ユニットを用いて車両に搭載された制御対象の制御を行う車両用制御装置において、
    前記マルチコア型演算処理ユニットは、前記制御対象を含む、前記制御対象の制御系の故障を診断するための外部診断装置との間でデータの送受信を行う通信部を備え、
    前記複数のプロセッサコアのうち、予め決められた特定コアが、前記通信部を介して前記外部診断装置との間のデータ送受信処理を実行することを特徴とする車両用制御装置。
  2. 前記複数のプロセッサコアの少なくとも1つは、前記制御系の故障を検知する故障検知処理を実行し、
    前記特定コアは、前記故障検知処理において故障が検出された場合にその故障の内容を示す故障コードを確定する故障検知確定処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記マルチコア型演算処理ユニットは、前記複数のプロセッサコアの全部が使用可能な共有メモリを備え、
    前記特定コアと、該特定コア以外のプロセッサコアとの間のデータ伝送は、前記共有メモリを介して行われることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用制御装置。
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