JP2016043596A - 印刷方法、印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷領域外に吐出されたインクによって印刷画像が劣化してしまうことを抑制できる技術を提供する。【解決手段】印刷装置10は、凝集剤を含む反応液の液滴を吐出可能な反応液吐出ヘッド32rと、インク滴を吐出可能なインク吐出ヘッド32iと、オーバープリント液の液滴を吐出可能なオーバープリント用ヘッド32pと、を備える。フラッシング制御部11fは、フラッシング処理において、印刷画像IMが形成される印刷領域PA以外の非印刷領域NPAに、反応液吐出ヘッド32rに反応液を吐出させて反応液層81を形成する。そして、インク吐出ヘッド32iにその反応液層81の上にインク滴を吐出させる。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷方法、印刷装置に関する。
印刷装置には、記録媒体にインク滴を吐出して画像を形成するインクジェットプリンターがある。インクジェットプリンターとしては、搬送中の印刷用紙に対してラインヘッドを用いて連続的に印刷画像を形成するラインプリンターが知られている(例えば、下記特許文献1〜3等)。また、インクジェットプリンターとしては、記録媒体に対するインク滴の固着性の向上や画質の向上等のために、インク中の色材を凝集可能な凝集剤をインク滴の吐出前に予め印刷画像の形成領域に付着させるものが知られている(例えば、特許文献2等)。
特開2004−9474号公報 特開2006−56078号公報 特開平10−86472号公報
インクジェットプリンターでは、インク滴の吐出が一時的に休止されているノズルにおいて、インクの乾燥・増粘によって、インク滴の吐出不良が発生してしまう場合がある。ラインプリンターでは、特許文献1のように、休止中のノズルにおけるインクの増粘を抑制するために、印刷用紙において印刷画像が形成される印刷領域の外側の領域を用いてインク滴の吐出を行う場合がある。
これに対して、本願発明の発明者は、印刷領域の外側の領域にインクを吐出した場合には、当該インクが乾燥する前に印刷領域まで流動してしまい、印刷画像を劣化させてしまう場合があるとの新規な課題を見出した。また、特許文献2に開示されているような凝集剤と組み合わせて用いられるインクは、通常のインクよりもインク自体の流動性が高いため、上記の課題はそうしたインクを用いているインクジェットプリンターにおいて現れやすいことを見出した。
本発明は、ラインプリンターや凝集剤を用いた印刷処理を実行する印刷装置に限らず、少なくとも印刷領域以外の領域にインク滴の吐出を行う印刷装置における上記の新規な課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[1]本発明の一形態によれば、印刷方法が提供される。この印刷方法は、反応液層形成工程と、フラッシング工程と、を備えて良い。前記反応液層形成工程は、インクヘッドから吐出される色材を含むインクによって印刷データに基づく印刷画像が形成される記録媒体上の印刷領域以外の非印刷領域に、前記色材と凝集反応可能な凝集剤を含む反応液の層である反応液層を形成する工程であって良い。前記フラッシング工程は、前記非印刷領域の前記反応液層の上に前記インクヘッドから前記インクを吐出させて前記インクヘッドのフラッシングを行う工程であって良い。この形態の印刷方法によれば、印刷領域外で行ったフラッシングにおいて吐出されたインクが印刷領域まで流動してしまうことが抑制されるため、印刷画像の劣化が抑制される。
[2]上記形態の印刷方法は、さらに、前記反応液層形成工程において用いられる前記反応液の量を、前記フラッシング工程において前記インクヘッドから吐出される前記インクの量に応じて決定する反応液量決定工程を備えて良い。この形態の印刷方法によれば、フラッシング工程において反応液が無駄に消費されることを抑制できる。
[3]上記形態の印刷方法は、前記フラッシング工程の実行頻度に応じて前記フラッシングにおいて吐出される前記インクの量を決定するインク量決定工程を備えて良い。この形態の印刷方法によれば、上記の効果に加えて、ノズルの吐出不良の発生をより確実に抑制することができる。
[4]上記形態の印刷方法は、前記フラッシング工程の実行頻度を前記印刷領域における前記印刷画像の形成に用いられるインク量に応じて設定する頻度設定工程を備えて良い。この形態の印刷方法によれば、印刷画像の形成に用いられるインク量に応じてフラッシングがより適切に実行される。
[5]上記形態の印刷方法は、さらに、前記反応液を反応液ヘッドから前記記録媒体上に吐出させて第1反応液層を形成し、前記第1反応液層の上に前記インクヘッドから前記インクを吐出させて前記印刷領域に前記印刷画像を形成する印刷画像形成工程を備えて良く、前記反応液層形成工程は、前記反応液ヘッドから前記反応液を吐出させることによって前記反応液層としての第2反応液層を形成する工程であって良い。この形態の印刷方法によれば、凝集剤を用いて印刷画像の画質を高めることができるとともに、印刷処理に用いられる凝集剤によって非印刷領域に吐出されたインクが印刷領域まで流動してしまうことを抑制でき、効率的である。
[6]本発明の他の形態によれば、印刷装置が提供される。この形態の印刷装置は、インクヘッドと、反応液層形成部と、フラッシング制御部と、を備えて良い。前記インクヘッドは、記録媒体上に色材を含むインクを吐出可能であって良い。前記反応液層形成部は、前記インクヘッドから吐出される色材を含むインクによって印刷データに基づく印刷画像が形成される記録媒体上の印刷領域以外の非印刷領域に、前記色材と凝集反応可能な凝集剤を含む反応液の層である反応液層を形成可能であって良い。前記フラッシング制御部は、前記非印刷領域の前記反応液層の上に前記インクヘッドから前記インクを吐出させて前記インクヘッドのフラッシングを行って良い。この形態の印刷装置によれば、印刷領域外で行ったフラッシングにおいて吐出されたインクが印刷領域まで流動してしまうことが抑制されるため、印刷画像の劣化が抑制される。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、印刷方法や印刷装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、フラッシング方法や印刷装置の制御方法、それらの方法を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
印刷装置の構成を示す概略図。 印刷処理後の印刷基材の印刷面を表す模式図。 印刷装置において実行される印刷処理のフローを示す説明図。 フラッシング処理に好適な反応液量を求める実験の実験結果を示す説明図。 印刷画像形成処理のフローを示す説明図。 フラッシング処理のフローを示す説明図。 印刷処理後の印刷基材の厚み方向に沿った断面を示す概略断面図。
A.実施形態:
[印刷装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態としての印刷装置10の構成を示す概略図である。本実施形態の印刷装置10は、記録媒体に対してインク滴を吐出して印刷画像を形成するインクジェット方式のラインプリンターであり、長手方向に搬送される帯状の印刷基材12に対して連続印刷を実行する。本実施形態では、印刷装置10はラベル印刷に用いられ、記録媒体である印刷基材12の印刷面は普通紙に較べてインクの吸収性が低い表面性状を有する。そのため、印刷装置10は、印刷基材12に対するインク滴の定着性を向上させるために、印刷基材12に対するインク滴の吐出の前に印刷基材12の表面に凝集剤を含む反応液を塗布する(詳細は後述)。なお、印刷装置10はラベル印刷以外の印刷を実行することも可能であり、印刷基材12としては、例えば、光沢紙やコート紙、OHPフィルムなどの基材を用いることも可能である。また、印刷基材12としては、前記の基材に限らず、普通紙や和紙、インクジェット用紙などの液体の吸収性の高い基材が用いられても良い。
印刷装置10は、制御部11と、複数の搬送ローラー13と、基材繰出部20と、印刷実行部30と、乾燥部40と、基材巻取部50と、を備えている。制御部11は、中央処理装置と主記憶装置とを備えるマイクロコンピューターによって構成されており、プログラムの実行により、印刷装置10の各構成部を制御するための種々の機能を発揮する。本実施形態では、制御部11は、少なくとも、印刷画像形成部11pとフラッシング制御部11fとして機能する。印刷画像形成部11pは、印刷処理において印刷画像を形成する印刷画像形成処理を実行し、フラッシング制御部11fは、印刷処理においてフラッシング処理を実行する。印刷画像形成処理およびフラッシング処理については後述する。
複数の搬送ローラー13は、印刷装置10において、印刷基材12を長手方向に搬送する搬送路15を構成する。複数の搬送ローラー13は、基材繰出部20と、印刷実行部30と、乾燥部40と、基材巻取部50と、が搬送路15によってこの順で接続されるように印刷装置10内に適宜配置されている。以下では、搬送路15の基材繰出部20側を「上流側」と呼び、基材巻取部50側を「下流側」と呼ぶ。各搬送ローラー13は、印刷基材12の短手方向(幅方向)において印刷基材12を支持する。
基材繰出部20は、印刷基材12がロール状に巻かれている基材ローラー21を備えている。基材ローラー21は制御部11によって制御されているモーター(図示は省略)によって所定の回転速度で回転し、基材ローラー21から印刷基材12を印刷実行部30に繰り出す。
印刷実行部30は、印刷処理において、印刷画像形成部11pおよびフラッシング制御部11fの制御下において印刷画像形成処理およびフラッシング処理を実行する。印刷実行部30は、径の大きい回転ドラム31と、回転ドラム31の周囲に配設されている印刷ヘッド部32と、を備える。
回転ドラム31は、制御部11によって制御されているモーター(図示は省略)によって所定の回転速度で回転する。回転ドラム31は、その円周側面31sにおいて印刷基材12の印刷面の裏側の面と面接触して支持しつつ印刷基材12を搬送する。つまり、回転ドラム31は搬送路15の一部を構成している。回転ドラム31の上流側と下流側にはそれぞれ、回転ドラム31の円周側面31s上の印刷基材12に対して長手方向の張力が付与可能なように、搬送ローラー13が配置されている。
印刷ヘッド部32は、7種類の液体吐出ヘッド32r,32w,32b,32c,32m,32y,32pを有している。以下の説明において、「液体吐出ヘッド32r〜32p」と呼ぶときは、7つの液体吐出ヘッド32r,32w,32b,32c,32m,32y,32pの全てを意味している。
液体吐出ヘッド32r〜32pは、ラインヘッドであり、制御部11の指令に応じたタイミングとサイズで液滴を吐出する。液体吐出ヘッド32r〜32pからの液滴の吐出によって、印刷基材12の表面には、反応液層81や、インク層82、オーバープリント層83が形成される。液体吐出ヘッド32r〜32pの詳細については、液体吐出ヘッド32r〜32pによって形成される各層81〜83についての説明とともに後述する。
乾燥部40は、制御部11によって加熱温度が制御される加熱部42を備えている。乾燥部40は、反応液層81とインク層82とオーバープリント層83とが形成された印刷基材12を印刷実行部30から受け入れ、加熱部42による加熱によって前記の各層81〜83の乾燥を促進させる。なお、乾燥部40では、搬送路15を平行な方向に重畳的に往復させることによって各層81〜83の乾燥のための搬送距離が確保されている。
基材巻取部50は、制御部11の指令に応じた所定の回転速度で回転駆動する巻取ローラー51を備える。巻取ローラー51は、乾燥部40から繰り出された各層81〜83が形成された印刷基材12を巻き取る。以上の構成により、印刷装置10は印刷基材12に対して印刷画像を連続的に実行する。
[液体吐出ヘッドの構成および反応液吐出ヘッドによる各層の形成]
(1)液体吐出ヘッドの全体概要
印刷ヘッド部32が備える液体吐出ヘッド32r〜32pは、吐出対象である液体の貯留空間を含む液体流路と、当該液体を吐出させるための駆動力を発生可能な素子(例えば、ピエゾ素子やヒーター素子)と、を有している。また、液体吐出ヘッド32r〜32pは、印刷基材12の幅方向にわたって印刷装置10の印刷解像度に応じた所定の間隔で配列されている複数の吐出口(ノズル)を有している。
液体吐出ヘッド32r〜32pは、回転ドラム31の回転軸rxに対して放射条に配列されており、印刷基材12の印刷可能領域にそれぞれの液滴を吐出可能なように、それぞれのノズルが回転ドラム31の円周側面31sに向かって開口している。本実施形態の印刷装置10では、回転ドラム31がいわゆるプラテンとして機能する。以下では、液体吐出ヘッド32r〜32pのそれぞれについて、搬送路15において上流側から下流側に配置されている順序で説明する。
(2)反応液吐出ヘッドおよび反応液層
第1の液体吐出ヘッド32rは、本発明における反応液層形成部に相当し、反応液の液滴を吐出して印刷基材12の印刷面に反応液層81を形成する。反応液は色材と凝集反応が可能な凝集剤を含有する溶液である。本実施形態では、凝集剤として、インクに含まれる色材と凝集反応が可能な酢酸カルシウムや硝酸カルシウムなどの多価金属塩が用いられる。反応液には、凝集剤の他に、溶媒としての水や界面活性剤などが含有されても良い。また、凝集剤としては、酢酸カルシウムや硝酸カルシウム以外の多価金属塩であっても良い。以下では、第1の液体吐出ヘッド32rを「反応液吐出ヘッド32r」とも呼ぶ。
(3)インク吐出ヘッドおよびインク層
第2〜第6の5つの液体吐出ヘッド32w,32b,32c,32m,32yは、インクヘッドに相当し、それぞれ異なる色系の粒子状の色材を含むインクを印刷基材12に吐出可能である。本実施形態では、インクとして水性レジンインクが用いられる。なお、インクは水性レジンインクに限定されることはなく、種々の色材を含むインクを採用することができる。
第2の液体吐出ヘッド32wは白色系のインクを吐出する。第3の液体吐出ヘッド32bは黒色系のインクを吐出する。第4の液体吐出ヘッド32cはシアン系の色インクを吐出する。第5の液体吐出ヘッド32mはマゼンタ系の色インクを吐出する。第6の液体吐出ヘッド32yは黄色系の色インクを吐出する。
以下では、液体吐出ヘッド32w,32b,32c,32m,32yのそれぞれを「インク吐出ヘッド32w,32b,32c,32m,32y」とも呼ぶ。また、これら5つのインク吐出ヘッド32w,32b,32c,32m,32yを合わせて「インク吐出ヘッド32i」とも呼ぶ。インク吐出ヘッド32iのインク滴の吐出によって、印刷基材12の反応液層81の上に印刷画像を形成するインク層82が形成される。
(4)オーバープリント用ヘッドおよびオーバープリント層
第7の液体吐出ヘッド32pは、オーバープリント液の液滴を吐出して反応液層81およびインク層82の上にオーバープリント層83を形成する。以下では、第7の液体吐出ヘッド32pを、「オーバープリント用ヘッド32p」とも呼ぶ。本明細書において「オーバープリント」とは、印刷画像の上に透光性を有する樹脂被膜をインク材料の付着・乾燥によって形成することを意味する。「オーバープリント液」とはオーバープリントに用いられるインク材料であり、「オーバープリント層」とは当該インク材料の液層またはその液層が乾燥した膜層を意味する。
本実施形態では、オーバープリント液として、以下の樹脂の少なくとも1つを無機溶媒または有機溶媒に分散させた溶液が用いられる。下記の樹脂材料を用いることによって、オーバープリント層は、ほぼ透明な被膜として形成される。なお、オーバープリント液に用いられる樹脂材料は下記のものに限定されることはない。
〈オーバープリント液に含まれる樹脂の例一覧〉
スチレンアクリル系樹脂/ポリエチレン系樹脂/ウレタン系樹脂/ポリエステル系樹脂/アクリル系樹脂/フルオレン系樹脂
[印刷処理の概要]
図2は、本実施形態の印刷装置10において実行される印刷処理の概要を説明するための模式図である。図2には、印刷処理後の印刷基材12の印刷面が模式的に表されている。本実施形態の印刷装置10では、上述したように、印刷処理において、印刷画像形成部11pの制御下で搬送中の印刷基材12に対して複数の印刷画像IMが連続的に形成される。そのため、巻取ローラー51に巻き取られる印刷処理後の印刷基材12の印刷面には、印刷基材12の搬送方向に複数の印刷画像IMが所定の間隔で配列される。本実施形態では、印刷基材12の幅方向における印刷画像IMのサイズが印刷基材12の幅方向における印刷可能領域の幅の2分の1以下である場合には、図2に例示されているように、印刷画像IMは複数個が印刷基材12の幅方向にも配列される。
本実施形態の印刷装置10では、さらに印刷処理の途中の所定のタイミングでフラッシング制御部11fによってフラッシング処理が実行される。フラッシング処理は、インクの乾燥による増粘に起因して発生するインク吐出ヘッド32iにおけるノズルの吐出不良を抑制するために、インク吐出ヘッド32iの全てのノズルにインク滴を吐出させるメンテナンス処理である。
本実施形態の印刷装置10では、フラッシング処理は印刷処理において印刷基材12の搬送方向に印刷画像IMが形成される合間に実行される。そのため、印刷処理後の印刷基材12の印刷面には、印刷基材12の搬送方向において印刷画像IMの間の非印刷領域NPAにフラッシング処理において吐出されたインクが付着したインク付着部IAが形成される。インク付着部IAは、インク吐出ヘッド32iのノズルの配列幅全体に相当する領域、すなわち、印刷基材12の幅方向における印刷可能領域の全体にわたって形成される。
本実施形態では、インク付着部IAは、印刷基材12の搬送方向において予め設定された一定の幅(例えば、3mm〜10mm程度)を有するように形成されている。なお、フラッシング処理では、全てのノズルからインク滴が吐出されても良いし、直前の印刷画像IMの形成時におけるインクの吐出の有無に応じてインク滴の吐出の可否が制御されても良い。インク付着部IAでは、吐出されたインク滴のドットによって何らかの印刷画像が構成されていても良い。図2の例では、印刷基材12の搬送方向において印刷画像IMが形成されるごとにインク付着部IAが形成されているが、インク付着部IAの間の印刷画像IMの数は、印刷処理におけるフラッシング処理の実行頻度に応じて変わってくる(後述)。
ここで、本実施形態のフラッシング処理では、インク滴の吐出が行われる前に、インク付着部IAが形成される領域に反応液吐出ヘッド32rから反応液が吐出されて反応液層81が形成される。つまり、本実施形態のフラッシング処理においては、非印刷領域NPAに予め形成されている反応液層81の上にインク滴が吐出される。これによって、フラッシング処理によって形成されたインク付着部IAにおけるインクの定着性が高められる。そのため、例えば、本実施形態の印刷装置10のように、印刷実行部30において印刷基材12にインクが吐出された後に印刷基材12の印刷面が傾斜する構成を有している場合であっても、インク付着部IAのインクが流動してしまうことが抑制される。従って、インク付着部IAのインクがその乾燥前に印刷画像IMへと流動し、印刷画像IMを汚損・劣化させてしまうことが抑制される。
このように、本実施形態の印刷装置10が実行する印刷処理では、フラッシング処理が適宜実行されつつ印刷画像IMが連続印刷される。そのため、連続印刷の途中でノズルの吐出不良によって印刷画像IMの画質が劣化してしまうことが抑制される。また、フラッシング処理は非印刷領域NPAを利用して実行されるため、連続印刷の流れが阻害されることがなく、効率的である。
さらに、本実施形態の印刷装置10では、フラッシング処理において予め形成された反応液層81の上にインク滴が吐出される。従って、フラッシング処理において非印刷領域NPAに吐出されたインクが印刷領域PAに流動してしまうことが抑制され、印刷画像IMの劣化が抑制される。以下では、上記の印刷画像形成処理とフラッシング処理とが実行される印刷処理の詳細を説明する。
[印刷処理の手順]
図3〜図7を順次参照して印刷装置10において実行される印刷処理の詳細を説明する。図3は、印刷装置10において実行される印刷処理のフローを示す説明図である。ステップS10では、制御部11は外部から印刷データPDを取得する。印刷データPDは、例えば、文字や図形がレイアウトされた文書データや、写真画像などのラスターデータ、各種のアプリケーションプログラムにおいて作成された画像を表すデータであっても良い。
ステップS20では、印刷画像形成部11pが、印刷データPDに基づいて、液体吐出ヘッド32r〜32pによる各液滴の吐出を制御するための制御データを生成する。この制御データは、各液体吐出ヘッド32r〜32pの各ノズルが液滴を吐出すべきタイミングを表すデータである。印刷画像形成部11pは、制御データとして、インク滴の吐出のためのインク吐出制御データと、反応液の液滴の吐出のための反応液吐出制御データと、オーバープリント液の液滴の吐出のためのオーバープリント液吐出制御データと、生成する。
印刷画像形成部11pは、まず、インク吐出制御データを以下のように生成する。印刷画像形成部11pは、印刷データPDに表されている画像の出力サイズを検出し、その主力サイズと出力数とに応じて画像の印刷基材12の印刷可能領域におけるレイアウトを決定する。図2で説明したように、本実施形態では、出力サイズが小さい印刷画像IMは、印刷基材12の幅方向に配列され、印刷基材12における印刷可能領域の利用効率が高められる。印刷画像形成部11pは、印刷画像IMの配置角度を変更してそのレイアウトを行うものとしても良い。
印刷画像形成部11pは、印刷データPDに表されている画像を色分解し、各色ごとにハーフトーン処理を行う。印刷画像形成部11pは、印刷画像IMのレイアウト結果と、ハーフトーン処理の結果とに基づいて、各インク吐出ヘッド32w,32b,32c,32m,32yの各ノズルがインクを吐出すべきタイミングを決定し、インク吐出制御データを生成する。
次に、印刷画像形成部11pは、インク吐出制御データに基づいて、反応液吐出制御データと、オーバープリント液吐出制御データと、を生成する。印刷画像形成部11pは、少なくとも印刷画像IMが形成される領域全体にわたって反応液層81が形成されるように、各液体吐出ヘッド32rの各ノズルが反応液を吐出すべきタイミングを決定し、反応液吐出制御データを生成する。本実施形態では、印刷画像IMが形成される領域(すなわち、インク層82が形成される領域)を覆うように、当該領域よりも広い範囲の領域に反応液層81が形成される。これによって、インクが反応液層81の外に吐出されてしまうことが抑制される。
続いて、印刷画像形成部11pは、少なくともインクまたは反応液が吐出される領域全体にわたってオーバープリント液が吐出されるように、オーバープリント用ヘッド32pの各ノズルがオーバープリント液を吐出すべきタイミングを決定する。そして、オーバープリント液吐出制御データを生成する。本実施形態では、反応液層81が形成される領域を覆うように当該領域より広い範囲の領域にオーバープリント層83が形成される。これによって、インク層82と反応液層81の両方をオーバープリント層83によって覆わせることができる。
ステップS30では、フラッシング制御部11fは、印刷画像形成部11pが形成した制御データに基づいてフラッシング処理の実行条件を決定する。本実施形態では、フラッシング処理の実行条件として、(i)フラッシング処理の実行頻度と、(ii)フラッシング処理において吐出すべきインク量と、(iii)フラッシング処理において吐出すべき反応液量と、を決定する。
(i)フラッシング処理の実行頻度
フラッシング処理の実行頻度は、印刷処理後の印刷基材12(図3)におけるインク付着部IAの印刷基材12の搬送方向における間隔FD(以下、単に「インク付着部IAの間隔FD」とも呼ぶ。)に相当する。本実施形態では、フラッシング制御部11fは、フラッシング処理の実行頻度を、印刷基材12の搬送方向における印刷画像IMのサイズに応じて決定する。具体的には、印刷画像IMにおいて吐出されるインク量が多いほど、ノズルにおけるインクの増粘の可能性が低いものとして、フラッシング処理の実行間隔を長くする。逆に、印刷画像IMにおいて吐出されるインク量が少ないほど、ノズルにおけるインクの増粘の可能性が高いものとして、フラッシング処理の実行間隔を短くする。すなわち、印刷画像IMの形成に使用されるインク量が多い場合には2回のフラッシング処理の間に形成される印刷画像IMの数が多くなる。一方、印刷画像IMの形成に使用されるインク量が少ない場合には2回のフラッシング処理の間に形成される印刷画像IMの数が少なくなる。フラッシング制御部11fは、予め準備されたマップ等を用いてこの処理を行うものとしても良い。
このように、印刷画像IMを形成するために吐出されるインク量に応じてフラッシング処理の実行頻度が決定されることによって、フラッシング処理の実行タイミングや実行回数が適切化される。従って、ノズルの吐出不良がより確実に抑制されるとともに、無駄にフラッシング処理が実行されてインクの消費量が増加してしまうことが抑制される。なお、このフラッシング処理の実行頻度を決定する工程が頻度設定工程に相当する。
(ii)フラッシング処理において吐出すべきインク量
フラッシング制御部11fは、フラッシング処理において各ノズルが吐出すべきインク量IMF(以下、単に「フラッシング量IMF」とも呼ぶ。)をフラッシング処理の実行頻度、すなわち、フラッシング処理の実行間隔に応じて決定する。フラッシング量IMFは、インク付着部IAにおいて単位面積あたりに各ノズルから吐出されるインクの重量である。フラッシング制御部11fは、フラッシング処理の実行間隔が長いほどフラッシング量IMFを増加させ、フラッシング処理の実行間隔が短いほどフラッシング量IMFを減少させる。これによって、フラッシング処理によるノズルの回復効果を高めることができる。このフラッシング量IMFを決定する工程はインク量決定工程に相当する。
本発明の発明者は、実験によって、フラッシング量IMFを以下の不等式(1)を満たすように設定することが望ましいことを見出した。下記不等式(1)中の0.32は実験的に求められた定数である。FIは、フラッシング処理の実行間隔(フラッシング処理の実行周期)であり、インク付着部IAの間隔FD(図2)を印刷基材12の搬送速度によって除算した値に相当する。
IMF[mg/inch]≧0.32[mg/inch・s]・FI[s] …(1)
(iii)フラッシング処理において吐出すべき反応液量
フラッシング制御部11fは、フラッシング処理において反応液層81を形成するために吐出すべき反応液の量RM(以下、単に「反応液量RM」とも呼ぶ。)を、フラッシング処理において吐出されるインクの総量ITM(以下、単に「インク吐出総量ITM」とも呼ぶ。)に応じて決定する。ここで、反応液量RMは、反応液層81における単位面積あたりの反応液の重量である。インク吐出総量ITMは、インク付着部IAの形成において単位面積あたりに吐出される各色のインク滴の重量の合計である。
本実施形態では、フラッシング制御部11fは、インク吐出総量ITMが大きいほど、反応液量RMが大きくなるように設定する。これによって、反応液層81における凝集剤の量がフラッシング処理において吐出されるインクの量に対して不足してしまうことが抑制され、インク付着部IAにおけるインクの固着性が高められる。従って、インク付着部IAのインクが印刷領域PAに向かって流動してしまうことがより確実に抑制される。
ここで、本発明の発明者は、実験によって下記の数式(2)のように、反応液量RMをインク吐出総量ITMに応じて線形的に増加させることが望ましいことを見出した。下記の数式(2)における係数kは実験的に求められる正の定数であり、反応液の種類や濃度によってその値が決まる。
RM[mg/inch]=k・ITM[mg/inch] …(2)
図4は、フラッシング処理に好適な反応液量RMを求める実験の実験結果を示す説明図である。図4の(A)欄には評価結果をまとめた表が示されている。図4の(B)欄には(A)欄の表において、下線が付されている評価結果が得られたときの反応液量RMとインク吐出総量ITMとの関係を示すグラフが図示されている。
この実験では、下記の反応液を、インクジェット方式のラインヘッドによって、解像度1200×1200dpiで印刷用紙の所定の面積を有する領域内に吐出した。そして、その上に同じノズル解像度を有するインクジェット方式のラインヘッドによって水性レジンインクを吐出し、印刷用紙を45°以上の所定の角度で傾けたときに、インクが反応液の塗布された領域からはみ出して流動するか否かを観察した。図4の(A)欄の表には、インクの流動が観察されなかったときを「A」とし、インクの流動が観察されたときを「B」として示されている。
〈実験に用いた反応液〉
・硝酸カルシウム水溶液
・カチオンイオン濃度:8×10−7[mol/mg]
図4の(B)欄におけるグラフに示されているように、フラッシング処理におけるインク吐出総量ITMに対してインクの流動が抑制される反応液量RMの最小値は、ほぼ線形的に増加した。本実施形態では、この知見に基づいて、予め実験的に取得したインク吐出総量ITMと反応液量RMの最小値の間の線形関係(上記数式(2))に基づいて反応液量RMを決定することとしている。これによって、インク付着部IAにおけるインクの固着性を確保したまま、反応液量RMの消費量を抑制することができる。なお、本実験の実験結果から得られた上記数式(2)の係数kは、0.029である。
ステップS40(図3)では、印刷画像形成部11pは、ステップS20で作成した制御データに基づいて印刷実行部30(図1)に印刷画像IMを形成する印刷画像形成処理を実行させる。そして、ステップS40の印刷画像形成処理の合間には、ステップS50として、フラッシング制御部11fが、ステップS30において決定したフラッシング処理の実行頻度に応じたタイミングで印刷実行部30にフラッシング処理を実行させる。
図5は、ステップS40における印刷画像形成処理のフローを示す説明図である。本実施形態の印刷装置10では、図1において説明したように、上流側から反応液吐出ヘッド32rとインク吐出ヘッド32iとオーバープリント用ヘッド32pとがこの順で配列されている。そのため、印刷実行部30において、以下に説明する3つの連続した工程によって短時間で効率的に印刷画像が形成される。
工程P1では、反応液吐出ヘッド32rによって、印刷基材12の印刷領域PAに第1反応液層に相当する反応液層81が形成される。工程P2では、インク吐出ヘッド32iによって、その反応液層81の上にインク層82が形成される。工程P3では、オーバープリント用ヘッド32pによって反応液層81およびインク層82の上にオーバープリント層83が形成される。以上の工程により、印刷基材12に印刷画像IMが形成される。
図6は、ステップS50におけるフラッシング処理のフローを示す説明図である。本実施形態の印刷装置10では、印刷実行部30において、以下に説明する2つの連続した工程F1,F2によってフラッシング処理が実行される。工程F1は反応液層形成工程に相当し、工程F2はフラッシング工程に相当する。
工程F1では、反応液吐出ヘッド32rによって、印刷基材12の非印刷領域NPAに第2反応液層に相当する反応液層81が形成される。このときの反応液層81が形成される領域は、予めフラッシング処理のために設定されている領域であり、インク付着部IAが形成される領域を含む領域である。工程F1では、上記のステップS30において設定された反応液量RMに基づいたサイズの反応液の液滴が吐出されることによって反応液層81が形成される。
工程F2では、インク吐出ヘッド32iの各ノズルから、印刷基材12の非印刷領域NPAに形成された反応液層81の上にインク滴が吐出されてインク層82が形成される。工程F2では、ステップS30において決定されたフラッシング量IMFに応じたサイズのインク滴がインク吐出ヘッド32iの各ノズルから吐出される。
図7は、印刷処理後の印刷基材12の厚み方向に沿った断面を示す概略断面図である。印刷処理後の印刷基材12には、反応液層81と、インク層82と、オーバープリント層83と、がこの順で積層されて印刷画像IMが形成されている。一方、印刷基材12の非印刷領域NPAには、反応液層81と、インク層82と、がこの順で積層されているインク付着部IAが形成されている。なお、オーバープリント層83は、インク付着部IAの上にも形成されても良い。ただし、インク付着部IAの上のオーバープリント層83を省略した方が、オーバープリント液の無駄な消費が抑制されるため効率的である。
[本実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態の印刷装置10において実行される印刷処理では、フラッシング処理において、先に印刷基材12に付着させた反応液の上にインク滴が吐出される。従って、当該インクが印刷画像IMに流動してしまうことが抑制され、印刷画像IMの劣化が抑制される。また、本実施形態の印刷装置10によれば、フラッシング処理において吐出されるインク量や反応液の量が適切に制御されるため、フラッシング処理の実行に伴う印刷効率の低下が抑制される。
B.変形例:
B1.変形例1:
上記実施形態では、反応液には凝集剤として多価金属塩が含有されている。これに対して、反応液に含まれる凝集剤としては他の化学物質が用いられても良い。凝集剤としては、インク中の色材を凝集可能な物質であれば良く、例えば、塩酸や硫酸、リン酸などの無機酸が用いられても良いし、カルボン酸やスルホン酸、酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸が用いられても良い。
B2.変形例2:
上記実施形態の印刷装置10では、インクとして水性レジンインクが用いられている。これに対して、印刷装置10では水性レジンインク以外のインクが用いられても良い。例えば、水性顔料インクや油性顔料インクが用いられても良い。インクとしては、凝集剤との凝集反応が可能な色材を含むものであれば良い。
B3.変形例3:
上記実施形態の印刷装置10では、フラッシング処理における反応液量RMはフラッシング処理におけるインク吐出総量ITMに応じて決定されている。これに対して、フラッシング処理における反応液量RMは一定量に設定されていても良いし、フラッシング処理におけるインク吐出総量ITM以外のパラメーターに応じて決定されても良い。フラッシング処理における反応液量RMは、例えば、インクの乾燥に影響する環境温度や環境湿度に応じて設定されても良いし、フラッシング処理の実行頻度に応じて設定されて良い。
B4.変形例4:
上記実施形態の印刷装置10では、フラッシング処理の実行頻度に応じてフラッシング量IMFが決定されている。これに対して、フラッシング量IMFはフラッシング処理の実行頻度に拘わらず一定の量に設定されていても良いし、フラッシング量IMFは他のパラメーターに応じて設定されても良い。フラッシング量IMFは、例えば、環境温度や環境湿度に応じて設定されても良い。あるいは、フラッシング量IMFは、印刷画像形成処理において各ノズルから吐出されるインク量に応じて設定されても良い。この構成例においては、印刷画像形成処理においてインク滴の吐出が行われないノズルについてはフラッシング処理の実行が省略されても良い。
B5.変形例5:
上記実施形態の印刷装置10では、フラッシング処理の実行頻度は、印刷画像IMの形成のために使用されるインク量に応じて設定されている。これに対して、フラッシング処理は印刷画像IMの形成のために使用されるインク量に拘わらず一定の周期で実行されるものとしても良い。フラッシング処理の実行頻度は、印刷画像IMの形成のために使用されるインク量以外のパラメーターに応じて決定されても良い。フラッシング処理の実行頻度は、例えば、環境温度や環境湿度に応じて設定されても良い。フラッシング処理の実行頻度はインクの種類に応じて設定されても良い。すなわち、フラッシング処理の実行頻度は、印刷画像形成工程に関連するパラメーターに基づいて設定されるものとしても良い。
B6.変形例6:
上記実施形態の印刷装置10では、印刷画像形成処理およびフラッシング処理において反応液層81の形成領域にインク層82が含まれるように、反応液層81がインク層82よりも広い範囲に形成されている。これに対して、反応液層81は、印刷画像形成処理においてもフラッシング処理においてインク層82とほぼ同じ範囲に形成されても良い。あるいは、反応液層81は、インク層82よりも狭い範囲で形成されても良い。このような構成であっても、インク付着部IAのインクの流動を少なからず抑制することができる。
B7.変形例7:
上記実施形態の印刷装置10では、フラッシング処理において形成されるインク付着部IAは非印刷領域NPAにおいて一定の幅や面積を有するように形成されている。これに対して、フラッシング処理において形成されるインク付着部IAの幅や面積は、フラッシング制御部11fによって可変に制御されても良い。例えば、フラッシング制御部11fは、印刷画像IMのサイズやフラッシングの実行頻度に応じてインク付着部IAの幅や面積を可変に制御しても良い。
B8.変形例8:
上記実施形態の印刷装置10では、フラッシング処理においてインクの吐出の前に反応液吐出ヘッド32rによって反応液が吐出されて反応液層81が形成されている。これに対して、フラッシング処理においては、反応液吐出ヘッド32rによる反応液の吐出以外の他の方法によって反応液層81が形成されても良い。フラッシング処理において形成される反応液層81は、例えば、スプレーやローラーなどによって非印刷領域NPAに形成されても良い。
B9.変形例9:
上記実施形態の印刷装置10では、印刷画像形成処理において使用されるのと同じ反応液をフラッシング処理においても使用している。これに対して、フラッシング処理では、印刷画像形成処理のときとは異なる反応液によって反応液層が形成されても良い。
B10.変形例10:
上記実施形態の印刷装置10では、印刷画像形成処理において反応液層81およびインク層82の上にオーバープリント層83が形成されている。これに対して、印刷画像形成処理におけるオーバープリント層83の形成工程は省略されても良い。また、上記実施形態のフラッシング処理ではオーバープリント層83は形成されていない。これに対して、フラッシング処理においても反応液層81およびインク層82の上にオーバープリント層83が形成されても良い。オーバープリント層83は印刷領域PAおよび非印刷領域NPAの両方に跨がるように形成されても良い。
B11.変形例11:
上記実施形態では、印刷装置10はラインプリンターとしての構成を有している。これに対して、印刷装置10はラインプリンター以外のタイプのプリンターとしての構成を有していても良い。例えば、印刷装置10は、印刷ヘッドが印刷基材12の幅方向に往復移動する構成を有していても良い。印刷装置10は、少なくとも、印刷基材12の非印刷領域NPAにおいてインクの吐出を行う構成を有していれば良い。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…印刷装置
11…制御部
11p…印刷画像形成部
11f…フラッシング制御部
12…印刷基材
13…搬送ローラー
15…搬送路
20…基材操出部
21…基材ローラー
30…印刷実行部
31…回転ドラム
31s…円周側面
32…印刷ヘッド部
32r…反応液吐出ヘッド
32i(32w,32b,32c,32m,32y)…インク吐出ヘッド
32p…オーバープリント用ヘッド
40…乾燥部
42…加熱部
50…基材巻取部
51…巻取ローラー
81…反応液層
82…インク層
83…オーバープリント層
IA…インク付着部
IM…印刷画像
NPA…非印刷領域
PA…印刷領域
PD…印刷データ

Claims (6)

  1. 印刷方法であって、
    インクヘッドから吐出される色材を含むインクによって印刷データに基づく印刷画像が形成される記録媒体上の印刷領域以外の非印刷領域に、前記色材と凝集反応可能な凝集剤を含む反応液の層である反応液層を形成する反応液層形成工程と、
    前記非印刷領域の前記反応液層の上に前記インクヘッドから前記インクを吐出させて前記インクヘッドのフラッシングを行うフラッシング工程と、
    を備える印刷方法。
  2. 請求項1記載の印刷方法であって、さらに、
    前記反応液層形成工程において用いられる前記反応液の量を、前記フラッシング工程において前記インクヘッドから吐出される前記インクの量に応じて決定する反応液量決定工程を備える、印刷方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の印刷方法であって、
    前記フラッシング工程の実行頻度に応じて前記フラッシングにおいて吐出される前記インクの量を決定するインク量決定工程を備える、印刷方法。
  4. 請求項3の印刷方法であって、
    前記フラッシング工程の実行頻度を前記印刷領域における前記印刷画像の形成に用いられるインク量に応じて設定する頻度設定工程を備える、印刷方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷方法であって、さらに、
    前記反応液を反応液ヘッドから前記記録媒体上に吐出させて第1反応液層を形成し、前記第1反応液層の上に前記インクヘッドから前記インクを吐出させて前記印刷領域に前記印刷画像を形成する印刷画像形成工程を備え、
    前記反応液層形成工程は、前記反応液ヘッドから前記反応液を吐出させることによって前記反応液層としての第2反応液層を形成する工程である、印刷方法。
  6. 印刷装置であって、
    記録媒体上に色材を含むインクを吐出可能なインクヘッドと、
    前記インクヘッドから吐出される色材を含むインクによって印刷データに基づく印刷画像が形成される記録媒体上の印刷領域以外の非印刷領域に、前記色材と凝集反応可能な凝集剤を含む反応液の層である反応液層を形成可能な反応液層形成部と、
    前記非印刷領域の前記反応液層の上に前記インクヘッドから前記インクを吐出させて前記インクヘッドのフラッシングを行うフラッシング制御部と、
    を備える、印刷装置。
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