JP2016043577A - 液体吐出装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凸部を形成するためのプレス加工によって、合成樹脂プレートに形成されるノズルの形状やピッチが変化してしまうのを防止することができる液体吐出装置の製造方法を提供する。
【解決手段】合成樹脂製のプレート70と、金属製のプレート38とを積層して、プレート70,38の積層体52を形成する。次に、積層体52に対して、金属プレート38側からプレス加工を行って、積層体52に、合成樹脂プレート70側に突出する凸部50を形成する。凸部50を形成した後に、積層体52の合成樹脂プレート70に、複数のノズル44を、合成樹脂プレート70の凸部50が突出する面にそれぞれの吐出口が配置されるように形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体吐出装置の製造方法に関する。
特許文献1には、液体吐出装置として、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドが開示されている。このインクジェットヘッドは、複数のノズルが形成された合成樹脂製のノズルプレートと、複数のノズルに連通するインク流路が形成された金属製の流路形成板と、流路形成板に設けられた圧電素子を有する。インクジェットヘッドは、圧電素子により、インク流路内のインクに圧力を付与することで、ノズルからインクを吐出させる。
上記の特許文献1のインクジェットヘッドにおいて、ノズルプレートの、複数のノズルの吐出口が配置されているインク吐出面には、吐出口の周囲にインク滴が付着することを防止するための撥インク膜が形成されている。また、ノズルプレートのインク吐出面には、ノズルの列を挟むように配置され、ノズル列方向に延びる2本の長い凸部(凸条部)が形成されている。この凸部により、紙ジャム等によって記録用紙が浮き上がった場合でも、記録用紙がノズルの吐出口に衝突することが抑制され、吐出口の縁や吐出口の周囲の撥インク膜に傷がつくことが防止される。
上記のノズルプレートは以下の工程で製造される。まず、ノズルプレートとなる合成樹脂の基板として、ポリイミド等の合成樹脂フィルムを準備する。この合成樹脂フィルムの一面に撥インク材を塗布して加熱乾燥させることで、撥インク膜を形成する。次に、撥インク膜が形成された合成樹脂フィルムに、レーザー加工で複数のノズルを形成する。次に、複数のノズルが形成された合成樹脂フィルム(ノズルプレート)を、流路孔が形成されている流路形成板に接合する。接合後、ノズルプレートの、撥インク膜が形成されたインク吐出面に金型を当て、熱プレスを行うことによって、インク吐出面に凸部を形成する。
特開2006−256165号公報
特許文献1では、合成樹脂製のノズルプレートに凸部が形成されており、凸部の材質も合成樹脂である。しかし、合成樹脂の凸部は強度が低いため、耐久性に劣る。即ち、凸部に繰り返し記録用紙が当たることで、凸部が徐々に削られてなくなってしまう。また、記録用紙が大きな力で凸部に衝突したときには、凸部が欠けてしまうこともある。
そこで、本願出願人は、ノズルプレートとなる合成樹脂製のプレートに、インク流路の一部が形成される金属製のプレートを積層してから、この積層体にプレス加工を施すことで、積層体に、インク吐出面から突出する凸部を形成することを検討している。この場合は、積層体に形成された凸部の内部に、金属プレートが塑性変形してなる金属部分が含まれているため、合成樹脂材料のみで形成された凸部と比べて強度が高くなり、耐久性に優れる。
ところで、上記の場合に、(1)積層体に凸部を形成してから、積層体の合成樹脂プレートにノズルを形成する方法と、これとは逆に、(2)合成樹脂プレートにノズルを形成してから、積層体に凸部を形成する方法の、2通りの方法が考えられる。しかし、上記(2)のように、合成樹脂プレートにノズルを形成してから積層体に凸部を形成すると、次のような点で問題となることがある。
まず、積層体にプレス加工で凸部を形成すると、積層体が面方向に少し伸縮する。そのため、このプレス加工の前に、合成樹脂プレートにノズルを形成していると、プレス加工時の積層体の伸縮によって、ノズルの形状やピッチが変わってしまう虞がある。また、積層体にプレス加工で凸部を形成する際には、積層体の、パンチが押し当てられる面とは反対側の面に受け型(ダイ)を当てる必要がある。しかし、凸部形成のためのプレス加工よりも前に、積層体の合成樹脂プレートにノズルが形成されていると、合成樹脂プレートのノズルが形成された部分をダイに押し当てることになってしまう。特に、ノズルの周囲を確実に保護するために、ノズルの近くに凸部を形成する場合には、ノズルが形成されている部分を避けてダイを当てるということは難しい。
本発明の目的は、凸部を形成するためのプレス加工によって、合成樹脂プレートに形成されるノズルの形状やピッチが変化してしまうのを防止することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の液体吐出装置の製造方法は、液体を吐出する複数のノズル、及び、前記複数のノズルに連通する液体流路を有する液体吐出装置の製造方法であって、合成樹脂製の第1プレートと、金属製の第2プレートとを積層して、前記第1プレートと前記第2プレートの積層体を形成する、積層工程と、前記積層体に対して、前記第2プレート側からプレス加工を行って、前記積層体に、前記第1プレート側に突出する凸部を形成する、凸部形成工程と、前記凸部形成工程の後に、前記積層体の前記第1プレートに、前記複数のノズルを、前記第1プレートの前記凸部が突出する面にそれぞれの吐出口が配置されるように形成する、ノズル形成工程と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明では、ノズルプレートとなる合成樹脂製の第1プレートと、金属製の第2プレートとを積層してから、この積層体にプレス加工を行う。これにより、第2プレートを塑性変形させて、積層体に液体吐出面よりも突出する凸部を形成する。積層体に形成された凸部には金属部分が含まれていることから、凸部の強度が高くなり、耐久性に優れる
また、本発明では、積層工程後に、積層体にプレス加工を行って凸部を形成してから、第1プレートに複数のノズルを形成する。つまり、凸部形成工程時には、第1プレートにはまだ複数のノズルが形成されていない状態であることから、プレス加工による積層体の伸縮によってノズルの形状やピッチが変化することがない。また、凸部形成工程のプレス加工は、第1プレートにノズルが形成されていない状態で行うため、第1プレートにダイを当てても、ノズルが形成された部分が押されてノズルが変形するといった問題は生じない。
第2の発明の液体吐出装置の製造方法は、前記第1の発明において、前記凸部形成工程において、前記複数の凸部を、所定の配列方向に配列して形成し、前記ノズル形成工程において、前記複数の凸部と並ぶように、前記複数のノズルを、前記配列方向に沿って形成することを特徴とするものである。
本発明では、ノズル形成工程において、複数のノズルを、凸部の配列方向に沿って複数の凸部と並ぶように形成する。そのため、各ノズルの吐出口の周囲が、その近くに位置する凸部によって確実に保護される。
第3の発明の液体吐出装置の製造方法は、前記第1又は第2の発明において、前記ノズル形成工程の後に、前記第1プレートに形成された前記ノズルの形状を検査するノズル検査工程と、前記ノズル検査工程での前記検査結果に基づいて、前記ノズル形成工程における前記ノズルの形成条件を変更する、ノズル形成条件変更工程と、を備えていることを特徴とするものである。
1つの装置で、複数の積層体のノズル形成工程を連続して行う場合に、その途中で、異なる積層体の間でノズルの形状がばらつくことがある。例えば、レーザー加工でノズルを形成する場合に、レーザー強度が変動する場合などである。そこで、本発明では、1つの積層体についてノズル形成工程を行った後、形成したノズルの形状を検査する。そして、そのノズルの検査結果に基づいてノズルの形成条件を変更し、他の積層体に対するノズル形成工程にフィードバックすることで、積層体の間でのノズルの形状のばらつきを抑える。
その際、ある積層体のノズル形成工程後に、凸部形成工程を行う必要があると、ノズルの形成後にすぐにノズルの形状を検査することができず、その分、他の積層体の製造へのフィードバックが遅れる。この点、本発明では、凸部形成工程を行ってからノズル形成工程を行うため、ノズルを形成した後にすぐにノズルの検査を行って、他の積層体に対するノズル形成工程へと速やかにフィードバックできるため、複数の積層体の間でのノズルの形状のばらつきを極力抑えることが可能となる。
第4の発明の液体吐出装置の製造方法は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記積層工程の前に、前記第2プレートに、前記複数のノズルとそれぞれ連通する複数の個別流路孔を形成する流路孔形成工程と、前記積層工程の後に、前記第1プレートの前記第2プレートとは反対側の面に、保護膜を貼り付ける保護膜貼付工程をさらに備え、前記凸部形成工程では、前記第1プレートの前記第2プレートとは反対側の面に前記保護膜が貼り付けられた状態で、前記積層体に対して前記第2プレート側からプレス加工を行い、前記ノズル形成工程では、前記第1プレートの前記第2プレートとは反対側の面に前記保護膜が貼り付けられた状態で、前記個別流路孔が形成された前記第2プレート側からのレーザー加工により、前記第1プレートに前記複数のノズルを形成することを特徴とするものである。
本発明では、凸部形成工程において第2プレート側から積層体に対してプレス加工を行う際に、第1プレートが保護膜で覆われているため、その液体吐出面となる面が傷つくのが防止される。また、ノズル形成工程では、レーザー加工により第1プレートに複数のノズルを形成する。その際に、第1プレートの、液体吐出面となる面が保護膜で覆われているため、第1プレートにレーザー加工でノズルを形成したときに発生するススが、液体吐出面に付着することを防止できる。
第5の発明の液体吐出装置の製造方法は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記積層工程前に、前記第2プレートに、部分的に厚みが薄くなった薄肉部を形成する薄肉部形成工程をさらに備え、前記凸部形成工程において、前記薄肉部形成工程で形成された前記第2プレートの前記薄肉部にプレス加工を行って、前記積層体に前記凸部を形成することを特徴とするものである。
本発明では、凸部形成工程において、第2プレートの薄肉部にプレス加工を行うため、その薄肉部の変形が、この薄肉部とその周囲の厚い部分との境界を越えて周囲へ広がりにくくなる。従って、プレス加工による変形の広がる範囲が限定される。
第6の発明の液体吐出装置の製造方法は、前記第5の発明において、前記薄肉部形成工程において、前記第2プレートの前記第1プレートが積層される面とは反対側の面に凹部を形成することで、前記第2プレートに前記薄肉部を形成することを特徴とするものである。
第2プレートに薄肉部を形成するために、この第2プレートの第1プレート側に凹部を形成すると、第2プレートの薄肉部と第1プレートとの間に空間が存在することになる。この状態で、第2プレート側から薄肉部にパンチでプレス加工をすると、前記の空間の影響で、意図した形状の凸部を形成することが難しくなる。本発明では、第2プレートの、第1プレートと反対側、即ち、プレスを行う側に凹部を形成するため、第1プレートと第2プレートの間には空間が存在せず、上記の問題は生じない。
第7の発明の液体吐出装置の製造方法は、前記第5又は第6の発明において、前記積層工程において、前記第1プレートと前記第2プレートとを、真空状態で加熱してから接着剤で接合することを特徴とするものである。
積層工程において、第1プレートと第2プレートとを接着剤で接合する際に、第2プレートの薄肉部と第1プレートとの間の接着剤が十分に押圧されず、空気が残りやすい。ここに空気が残っていると、後の凸部形成工程でのプレス加工の際に、2枚のプレートが剥離しやすくなる。そこで、本発明では、積層工程において、2枚のプレートを真空状態で加熱して接着することで、上記の空気をできるだけ除去した状態で接合でき、接着後の剥離を防止できる。
第8の発明の液体吐出装置の製造方法は、前記第1〜第7の何れかの発明において、前記凸部形成工程の後で、前記積層体を加熱するベーキング処理工程と、前記ベーキング処理工程の後で、前記積層体を加熱しながら、前記積層体を、前記液体流路が形成された別の部材と接着剤で接合する接合工程とをさらに備え、前記ベーキング処理工程では、前記接合工程よりも低温で前記積層体を加熱することを特徴とするものである。
プレス加工によって積層体に凸部を形成したときに、第1プレートと第2プレートとの間に隙間が発生しやすい。また、この隙間には、合成樹脂の第1プレートを透過して水分が入り込むことがある。その状態で、接合工程で、積層体を別の部材と接着剤で接合したときに、接着の際の加熱によって、上記隙間の水分が膨張して2枚のプレート間の剥離などの不具合が発生する虞がある。この点、本発明では、接合工程の前に、低温で積層体を加熱するベーキング処理工程を行うことで、隙間に存在する水分を蒸発させて、その量を極力減らしておく。これにより、接合工程で積層体が加熱されたときの、前記隙間内の水分の膨張による不具合を抑制することができる。
第9の発明の液体吐出装置の製造方法は、液体を吐出する複数のノズル、及び、前記複数のノズルに連通する液体流路を有する液体吐出装置の製造方法であって、金属プレートに対して、その厚み方向の一方側からプレス加工を行って、前記金属プレートに、その厚み方向における他方側に突出する凸部を形成する、凸部形成工程と、前記凸部形成工程の後に、前記金属プレートに、前記複数のノズルを、前記他方側の面にそれぞれの吐出口が配置されるように形成する、ノズル形成工程と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明では、複数のノズルが形成される金属プレートにプレス加工を行って、金属プレートを塑性変形させて凸部を形成する。この凸部は金属で形成されていることから、凸部の強度が高くなり、耐久性に優れる。また、本発明では、先に、金属プレートにプレス加工を行って凸部を形成してから、金属プレートに複数のノズルを形成する。凸部形成工程時には、金属プレートにはまだ複数のノズルが形成されていない状態であることから、プレス加工による金属プレートの伸縮によってノズルの形状やピッチが変化することがない。また、凸部形成工程時に金属プレートにノズルが形成されていないため、ノズルが形成された部分がダイで押されてノズルが変形するといった問題は生じない。
本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。 インクジェットヘッドの上面図である。 図2のA部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 インクジェットヘッドの下面図である。 インクジェットヘッドの製造工程を説明する図である。 ノズル形成工程を説明する図である。 変更形態に係る凸部形成工程を説明する図である。 別の変更形態に係るインクジェットヘッドの下面図である。 別の変更形態に係るインクジェットヘッドの下面図である。 別の変更形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を説明する図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、液体吐出装置としてのインクジェットヘッドに本発明を適用した一例である。まず、インクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタの概略構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。尚、以下では、図1の紙面手前側を上方、紙面向こう側を下方と定義して、適宜、「上」「下」の方向語を使用して説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、プラテン2と、キャリッジ3と、インクジェットヘッド4と、搬送機構5と、メンテナンス機構6等を備えている。
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙100が載置される。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において、2本のガイドレール10,11に沿って走査方向に往復移動可能である。キャリッジ3には無端ベルト14が連結され、キャリッジ駆動モータ15によって無端ベルト14が駆動されることで、キャリッジ3は走査方向に移動する。
インクジェットヘッド4はキャリッジ3に取り付けられており、キャリッジ3とともに走査方向に移動する。インクジェットヘッド4の、図1の紙面向こう側の面である下面には、複数のノズル44が形成されている。また、図1に示すように、プリンタ1のプリンタ本体1aにはホルダ9が設けられている。ホルダ9には、4色のインク(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)がそれぞれ貯留された、4つのインクカートリッジ17が装着される。キャリッジ3に搭載されたインクジェットヘッド4とホルダ9は、図示しないチューブによって接続されている。そして、4つのインクカートリッジ17にそれぞれ貯留された4色のインクが、チューブを介してインクジェットヘッド4に供給される。インクジェットヘッド4は、キャリッジ3とともに走査方向に移動しつつ、その下面の複数のノズル44から、プラテン2に載置された記録用紙100に対して4色のインクを吐出する。
搬送機構5は、搬送方向にプラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有する。搬送機構5は、2つの搬送ローラ18,19によって、プラテン2に載置された記録用紙100を搬送方向に搬送する。
そして、インクジェットヘッド4が走査方向に移動しながら、複数のノズル44からインクを吐出する動作と、2つの搬送ローラ18,19が記録用紙100を搬送方向に所定量搬送する動作が、交互に繰り返されることで、記録用紙100に、画像や文字等が記録される。
メンテナンス機構6は、走査方向に関するキャリッジ3の移動範囲のうちの、プラテン2よりも右側の位置に配置されている。メンテナンス機構6は、キャップ20と、キャップ20に接続された吸引ポンプ21と、ワイパー22等を備える。
キャップ20は上下方向(図1の紙面垂直方向)に移動可能である。キャップ20は、キャリッジ3がこのキャップ20と対向する位置にあるときに上方に移動することで、インクジェットヘッド4の下面に密着して複数のノズル44を覆う。この状態で、吸引ポンプ21によりキャップ20内を減圧することで、複数のノズル44からそれぞれインクを強制的に排出する、吸引パージが実行される。このとき、インクジェットヘッド4内の塵や気泡、あるいは、乾燥により増粘したインクが、複数のノズル44から排出されるため、上記塵や気泡等に起因するノズル44の吐出不良が解消される。
ワイパー22は、ゴム材料などの弾性材料で形成された薄板状の部材であり、走査方向においてキャップ20に隣接した位置に立設されている。上記の吸引パージが行われた後の状態では、インクジェットヘッド4の下面にはインクが付着している。そこで、吸引パージ後に、キャップ20がインクジェットヘッド4の下面から離れた状態で、キャリッジ3を走査方向に移動させる。このとき、ワイパー22は、インクジェットヘッド4の下面に接触した状態でインクジェットヘッド4に対して相対移動し、インクジェットヘッド4の下面に付着したインクを拭き取る。
次に、インクジェットヘッド4について説明する。図2は、インクジェットヘッド4の上面図である。図3は、図2のA部拡大図である。図4は、図3のIV-IV線断面図である。図5は、インクジェットヘッド4の下面図である。図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット23と、圧電アクチュエータ24とを備えている。尚、図4では、流路ユニット23に形成されたインク流路内に、インク(符号Iで示す)が充填されている状態が示されている。
(流路ユニット)
図4に示すように、流路ユニット23は、複数枚のプレート31〜39が積層された構造を有する。複数枚のプレート31〜39は、互いに積層された状態でそれぞれ接着剤によって接合されている。複数枚のプレート31〜39のうちの、最下層のプレート39は、複数のノズル44が形成されたノズルプレートである。ノズルプレート39は、ポリイミド等の合成樹脂からなるプレートである。ノズルプレート39には、このプレート39を厚み方向に貫通する、先細りのテーパ形状の複数のノズル44が形成されている。尚、以下の説明では、複数のノズル44の吐出口44aが形成されたノズルプレート39の下面を、特に、インク吐出面39aとも呼ぶこともある。
複数のノズル44は、搬送方向に配列されており、走査方向に並ぶ4列のノズル列48を構成している。4列のノズル列48は、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクをそれぞれ吐出するものである。尚、以下の説明において、インクジェットヘッドの構成要素のうち、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のインクにそれぞれ対応するものについては、その構成要素を示す符号の後に、どのインクに対応するかが分かるように、適宜、ブラックを示す“k”、イエローを示す“y”、シアンを示す“c”、マゼンタを示す“m”の何れかの記号を付す。例えば、ノズル列48kとは、ブラックインクを吐出するノズル列48のことを指す。
ノズルプレート39のインク吐出面39aは、PTFEなどのフッ素系樹脂で形成された撥液膜40によって覆われている。この撥液膜40が、インク吐出面39aの、ノズル44の吐出口44aの周囲領域を覆うことで、ノズル44から吐出されたインクが吐出口44aの周囲に残留することが防止される。尚、図4では、撥液膜40は、ノズルプレート39の下面全域に形成されているが、撥液膜40が、インク吐出面39aの、吐出口44aの周囲領域のみを覆うように形成されてもよい。
流路ユニット23を構成する、ノズルプレート39以外の他のプレート31〜38は、ステンレス鋼などの金属材料からなるプレートである。より詳細には、各プレート31〜38は、金属を圧延して得られた所定厚みのシート状の圧延材を、所定のサイズに切り分けることによって形成されている。これらの金属プレート31〜38には、複数のノズル44に連通する、次述のマニホールド46や圧力室47等を含む、インク流路が形成されている。以下、複数の金属プレート31〜38、及び、これらの金属プレート31〜38に形成されたインク流路の詳細について、以下説明する。
図2に示すように、流路ユニット23の上面を構成する最上層のプレート31には、4つのインク供給孔45が走査方向に並んで形成されている。4つのインク供給孔45(45k,45y,45c,45m)には、ホルダ9の4つのインクカートリッジ17(図1参照)から4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクがそれぞれ供給される。また、上から4番目から7番目のプレート34〜37には、搬送方向に延在する4本のマニホールド46(46k,46y,46c,46m)が形成されている。1つのマニホールド46は、上下に積層された4枚のプレート34〜37にわたって形成されている。4つのインク供給孔45と4本のマニホールド46は、プレート32,33に形成された連通孔(図示省略)によって、それぞれ接続されている。
図4に示すように、マニホールド46を形成している4枚のプレート34〜37のうち、最も下側に位置するプレート37の、マニホールド46を区画する底壁部37aとなる部分には、ハーフエッチングによって、4本のマニホールド46に沿って延びる4つの凹部37bが形成されている。これにより、プレート37の底壁部37aの厚みは、それ以外の部分と比べて薄くなっている。また、このプレート37のすぐ下に位置するプレート38の、上記底壁部37aと対向する部分の上側には、ハーフエッチングによって凹部38bが形成され、上記の対向部分は部分的に厚みが薄くなった薄肉部38aとなっている。これにより、プレート37に形成されたマニホールド46の底壁部37aと、その下のプレート38の薄肉部38aとの間には空間41が存在する。従って、マニホールド46内の圧力変動に応じて底壁部37aが容易に変形できるようになっており、マニホールド46内の圧力が変動したときに、底壁部37aの変形によってマニホールド46内の圧力変動が減衰される。
最上層のプレート31には、複数のノズル44にそれぞれ対応する複数の圧力室47が形成されている。複数の圧力室47は、複数のノズル44と同様に、4本のマニホールド46に対応して4列に配列されている。複数の圧力室47は、圧電アクチュエータ24の振動板60によって覆われている。図3、図4に示すように、各圧力室47は、走査方向に長い形状を有し、上方から見て、その一端部が対応するノズル44と重なり、その他端部はマニホールド46と重なるように配置されている。尚、図2に示すように、4つの圧力室47の列のうち、ブラックインクに対応する圧力室47の列は、対応するマニホールド46kに対して右側に配置されているのに対して、他の3色のインクに対応する圧力室47の列は、マニホールド46に対して左側に配置されている。
図3、図4に示すように、上から2番目に位置するプレート32には、マニホールド46と複数の圧力室47を接続する、複数の絞り流路49が形成されている。また、最上層のプレート31とノズルプレート39との間に位置する合計7枚のプレート32〜38には、圧力室47とノズル44とを接続する連通流路43を構成する、個別流路孔32c〜38cがそれぞれ形成されている。尚、ノズルプレート39のすぐ上に位置するプレート38の個別流路孔38cは、マニホールド46と重なる位置にある薄肉部38aよりも厚い、厚肉部38dに形成されている。
以上説明したプレート31〜39が積層された状態で接合されることで、流路ユニット23が構成されている。そして、流路ユニット23内には、1つのマニホールド46から分岐して、絞り流路49、圧力室47、及び、連通流路43を経てノズル44に至る個別流路が、複数形成されている。
ところで、記録用紙100のジャム(紙詰まり)、あるいは、記録用紙100が撓んだ状態で搬送された場合などに、インクジェットヘッド4のインク吐出面39aに、搬送方向に搬送される記録用紙100が接触することがある。このとき、インク吐出面39aの、吐出口44aの縁部や吐出口44aの周囲領域に傷がついて、吐出曲がりなどの不具合が生じることがある。特に、本実施形態のように、インク吐出面39aが撥液膜40に覆われている構成においては、吐出口44aの周囲の撥液膜40に傷がついて撥水性が低下することにより、吐出口44aの周囲にインクが残留しやすくなり、吐出不良が発生する虞がある。そこで、図3〜図5に示すように、流路ユニット23のインク吐出面39aには、記録用紙100が、吐出口44aの周囲に接触することを防止するための、複数の凸部50が形成されている。
図3〜図5に示すように、インク吐出面39aの、4本のマニホールド46とそれぞれ重なる領域において、複数の凸部50が搬送方向に沿って配列されており、4列の凸部列51を構成している。また、先にも説明したが、ノズルプレート39には、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクをそれぞれ吐出する4列のノズル列48(48k,48y,48c,48m)が、走査方向に並んで配置されている。その上で、図5に示すように、4つの凸部列51(51a〜51d)は、4列のノズル列48と走査方向に並んで配置されている。
4列のノズル列48の走査方向における両外側に、これら4列のノズル列48を走査方向に挟むように、2列の凸部列51a,51dがそれぞれ配置されている。また、イエローのノズル列48yとシアンのノズル列48cの間に凸部列51bが配置されている。さらに、シアンのノズル列48cとマゼンタのノズル列48mの間にも凸部列51cがそれぞれ配置されている。これにより、ブラックのノズル列48kとイエローのノズル列48yは、2列の凸部列51a,51bによって走査方向に挟まれている。また、シアンのノズル列48cは、2列の凸部列51b,51cに挟まれている。さらに、マゼンタのノズル列48mも、2列の凸部列51c,51dに挟まれている。
このように、複数の凸部50が、ノズル44の配列方向(搬送方向)に沿って、走査方向において複数のノズル44と並んで配列されている。さらに、各ノズル列48は、走査方向における近い位置にそれぞれ配置された2列の凸部列51によって挟まれている。そのため、キャリッジ3が左方に移動する場合でも右方に移動する場合でも、記録用紙100が各ノズル44の周囲領域に接触しにくくなる。従って、インク吐出面39aの、各ノズル44の吐出口44aの周囲部分が、その近くに位置する凸部50によって確実に保護されることになり、撥液膜40が傷つくことが防止される。
凸部50の構成の詳細について説明する。図3、図5に示すように、各凸部50は、平面視で搬送方向(ノズル配列方向)に長い、略楕円形の平面形状を有する。また、凸部50の頂部は、丸みを帯びた形状に形成されている。そのため、記録用紙100が凸部50に衝突しても記録用紙100が傷みにくくなっている。また、インク吐出面39aに付着したインクをワイパー22で拭き取る場合に、凸部50にワイパー22がひっかかりにくく、ワイパー22は凸部50を簡単に乗り越えることができる。
図4から分かるように、各凸部50は、ノズルプレート39とその上のプレート38が積層された状態で、この積層体52が一体となって下方へ突き出すように変形することによって形成されている。また、後でも詳細に説明するが、各凸部50は、積層体52に対する、プレート38側からのプレス加工によって行われている。また、この凸部50は、マニホールド46と重なって位置しているプレート38の薄肉部38aに、プレス加工が施されることによって形成されている。尚、各凸部50が、搬送方向(ノズル配列方向)に長い、楕円形状になっているのは、金属の圧延材であるプレート38の圧延方向が搬送方向であることに起因している。後述するように、凸部50の形成時のプレス加工では、パンチ73が押し当てられることによってプレート38が塑性変形するが(図6(d)参照)、このとき、プレート38の圧延方向に金属材料が広がりやすいために、各凸部50は圧延方向に長い楕円形となっている。
尚、記録用紙100が、インク吐出面39aのノズル44の周囲領域へ接触するのを確実に防止するには、凸部50の高さ(インク吐出面39aからの突出量)は、ある程度大きいことが好ましい。例えば、凸部50の高さhは、100μm程度であることが好ましい。
上述のように、合成樹脂製のノズルプレート39と金属製のプレート38が一体に変形することにより凸部50が形成されていることから、凸部50は、金属部分50aと、この金属部分50aを覆う樹脂部分50bとを有する構造となっている。凸部50の内部に金属部分50aが存在していることから、凸部50の強度が高くなり、耐久性に優れる。即ち、記録用紙100が凸部50に衝突しても、凸部50が削られてなくなったり、欠けたりしにくい。
(圧電アクチュエータ)
図2〜図4に示すように、圧電アクチュエータ24は、振動板60と、圧電層64,65と、複数の個別電極62と、共通電極66を備えている。振動板60は、複数の圧力室47を覆った状態で流路ユニット23の上面に接合されている。2枚の圧電層64,65は、振動板60の上面に積層されている。複数の個別電極62は、上層の圧電層65の上面において、複数の圧力室47とそれぞれ対向するように配置されている。共通電極66は、2枚の圧電層64,65の間において、複数の圧力室47に跨って配置されている。
複数の個別電極62は、圧電アクチュエータ24を駆動するドライバIC67とそれぞれ接続されている。一方、共通電極66は常にグランド電位に保持されている。また、上層の圧電層65の、個別電極62と共通電極66とに挟まれた部分は、それぞれ、厚み方向に分極されている。
ノズル44からインクを吐出させる際の圧電アクチュエータ24の動作は以下の通りである。ある個別電極62に対してドライバIC67から駆動信号が印加されると、この個別電極62とグランド電位に保持されている共通電極66の間に電位差が生じる。これによって、圧電層65の、個別電極62と共通電極66の間に挟まれた部分に厚み方向の電界が生じる。また、圧電層65の分極方向と電界の方向とが一致するために、圧電層65はその分極方向である厚み方向に伸びて面方向に収縮する。この圧電層65の収縮変形に伴って、振動板60の圧力室47と対向する部分が圧力室47側に凸となるように撓む。このとき、圧力室47の容積が減少してその内部のインクに圧力が付与され、圧力室47に連通するノズル44からインクの液滴が吐出される。
次に、上述したインクジェットヘッド4の製造方法について、流路ユニット23の製造工程を中心に説明する。図6は、インクジェットヘッド4の製造工程を説明する図である。
(流路孔形成工程、薄肉部形成工程)
まず、図4に示される、流路ユニット23を構成する複数の金属プレート31〜38に対して、それぞれ、圧力室47やマニホールド46となる孔や、個別流路孔32c〜38cなどの、それぞれインク流路の一部を構成する各種流路孔を、エッチングで形成する。また、このとき同時に、プレート37にハーフエッチングで凹部37bを形成する。また、プレート38にも、ハーフエッチングで凹部38bを形成することによって、薄肉部38aを形成する。
(撥液膜形成工程)
次に、図6(a)に示すように、ノズルプレート39となる合成樹脂プレート70の一方の面(インク吐出面39aとなる面)に、撥液膜40を形成する。撥液膜40は、フッ素系樹脂のフィルムを合成樹脂プレート70に貼り付けることによって形成してもよいし、液状のフッ素系樹脂を合成樹脂プレート70に塗布することによって形成してもよい。
(積層工程)
次に、図6(b)に示すように、合成樹脂プレート70と、先の工程で複数の個別流路孔38cが形成された1枚の金属プレート38とを積層し、両者を接着剤で接合する。尚、この積層工程においては、合成樹脂プレート70と金属プレート38との間に接着剤が介在した状態で、2枚のプレート70,38を押圧して接合する。その際に、金属プレート38の薄肉部38aと合成樹脂プレート70との間において、接着剤が十分に押圧されず、この部分に空気が残りやすい。
そこで、この積層工程では、合成樹脂プレート70と金属プレート38とを、真空状態で加熱してから接着剤で接合することが好ましい。具体的には以下の工程を行う。まず、真空チャンバー内にホットプレートを設置し、このホットプレートに、合成樹脂プレート70と金属プレート38を接着剤が介在した状態で配置する。そして、真空チャンバー内で、接着剤硬化温度より低く、かつ、接着剤の粘度が十分に低下する温度で(例えば100℃)で、ワーク(2枚のプレート70,38)を加熱する。また、上記のワークを加熱しながら、真空チャンバーの蓋を閉じて、真空ポンプにより大気圧以下に真空引きする。この処理により、合成樹脂プレート70と金属プレート38の間の接着剤中に介在する気泡が、接着剤の粘度が低下している効果、および、真空中に存在するために気泡が膨張する効果により除去される。上記環境に、数十秒ワークを留置して気泡の除去が完了した後、真空チャンバーからワークを取り出し、常圧下で2枚のプレート70,38を押圧して接合する。これにより、上記の2枚のプレート38,70の間の空気をできるだけ除去した状態で接合でき、接着後の剥離を防止できる。
(保護膜貼付工程)
次に、図6(c)に示すように、合成樹脂プレート70の、金属プレート38とは反対側の、撥液膜40が形成されている下面に、合成樹脂フィルムからなる保護膜71を貼り付ける。この保護膜71は、例えば、UV剥離性の接着剤を用いて合成樹脂プレート70に接着する。
(凸部形成工程)
次に、図6(d)に示すように、積層体52にプレス加工を行って、所定方向に配列された複数の凸部50を形成する。まず、積層体52を、その下面に保護膜71が貼り付けられた状態で、複数の孔72aを有するダイ72の上に設置する。また、このとき、金属プレート38の薄肉部38aがダイ72の複数の孔72aを覆うように積層体52を設置する。次に、金属プレート38の薄肉部38aにパンチ73を当て、積層体52に対して、プレート38側から、パンチ73のテーパ状の先端部を押し込んでプレス加工を行う。即ち、金属のプレート38に塑性変形を生じさせて、積層体52を部分的に下方に突出変形させる。これにより、積層体52に、合成樹脂プレート70の下面よりも突出する複数の凸部50を形成する。尚、このプレス加工の際に、合成樹脂プレート70の下面は保護膜71に覆われてダイ72に接触していないため、合成樹脂プレート70の下面、特に、その下面に形成されている撥液膜40が傷むことが防止される。
尚、この凸部形成工程のプレス加工を行う際に、合成樹脂プレート70には複数のノズル44は、まだ形成されていないため、プレス加工時によって生じる積層体52の伸縮が、ノズル44の形状やピッチに影響を及ぼすことはない。また、この凸部形成工程の段階では、合成樹脂プレート70には複数のノズル44は形成されていない。そのため、合成樹脂プレート70の、ノズル44が形成された部分がダイ72に押し付けられて、ノズル44が変形するといった問題は起こらない。
また、本実施形態では、凹部38bによって形成された、金属プレート38の薄肉部38aにプレス加工を施すことによって、複数の凸部50を形成している。薄肉部38aにプレス加工を行うことで、そのプレス加工による変形が、薄肉部38aと厚肉部38dとの境界を越えて、個別流路孔38cが形成されている厚肉部38d側に広がりにくいため、変形が広がる範囲が限定される。従って、プレス加工時の薄肉部38aの変形が、個別流路孔38cへ及ぼす影響を小さくすることができる。尚、プレートの凹部38bには、マニホールド46の底壁部37aを形成するプレート37との間に隙間を形成して、底壁部37aを変形可能とするという目的もある。即ち、本実施形態では、プレス加工で凸部50を形成するための薄肉部38aの形成と、マニホールド46の底壁部37aを変形可能とするための空間確保という、2つの目的のために、プレート38に凹部38bが形成されている。
(ノズル形成工程)
図7は、ノズル形成工程を説明する図である。図6(e)、図7(a)に示すように、積層体52の合成樹脂プレート70に対してレーザー加工を行って、このプレート70に、複数のノズル44を、複数の凸部50と並ぶように、前記複数の凸部50の配列方向に沿って形成する。詳細には、レーザー照射装置77から積層体52に対して、プレート38の複数の個別流路孔38cが形成されている部分にそれぞれレーザー光を照射する。照射されたレーザー光は個別流路孔38cを通過して、合成樹脂プレート70を貫通する。
これにより、複数のノズル44を、それぞれの吐出口44aが、凸部50が突出する合成樹脂プレート70の下面に配置されるように形成する。尚、図6(e)に示すように、合成樹脂プレート70の、インク吐出面39aとなる下面は、保護膜71に覆われているため、ノズル44の形成時に発生するススがインク吐出面39aの撥液膜40に付着することが防止される。
ところで、レーザー照射装置77で、多数の積層体52のノズル形成工程を連続的に行う場合、その途中で、異なる積層体52の間でノズル44の形状がばらつくことがある。例えば、レーザー照射装置77内の温度変化等の要因により、照射されるレーザー光の強度が変化したり、レーザー光の照射角度が変化したりする場合である。そこで、本実施形態では、1つの積層体52についてノズル形成工程を行った後、形成したノズル44の形状を検査し(ノズル検査工程)、その検査結果に基づいて、ノズル44の形成条件を変更する(ノズル形成条件変更工程)。これにより、1つの積層体52に実際に形成したノズル44の形状を、他の積層体52に対するノズル形成工程にフィードバックすることができ、異なる積層体52の間でのノズル44の形状のばらつきを抑えることができる。以下、ノズル検査工程とノズル形成条件変更工程の詳細について説明する。
(ノズル検査工程)
合成樹脂プレート70に複数のノズル44を形成したら、次に、顕微鏡などの検査装置を用いて、ノズル44の形状を検査する。具体的には、図7(b)に示すように、ノズル44の吐出口44aの径d1、及び、反対側の開口44bの径d2、ノズル44のテーパ角度θ、ノズル44のテレセントリック性等を検査する。尚、「テレセントリック性」とは、レーザー光が、ノズルプレート39と直交する方向に入射しているかどうかを示すものであり、吐出口44aの中心と反対側の開口44bの中心がどの程度ずれているかによって検出できる。言い換えれば、ノズル44の軸線Cの、ノズルプレート39と直交する方向に対する傾きの程度を示す。
(ノズル形成条件変更工程)
ノズル検査工程で検査したノズル44の形状に関する項目について、予め設定された基準範囲と比較する。基準範囲から外れていれば、レーザー照射装置77のレーザー照射条件を変更する。例えば、ノズル44の径やテーパ角度θが基準範囲から外れている場合は、レーザービームの出力を調整する。また、ノズル44のテレセントリック性がずれている場合は、レーザー照射装置77のテレセントリックレンズ等の光学系を微調整する。
ところで、合成樹脂プレート70にノズル44を形成してから、その後に凸部50を形成する順序で工程を行う場合は、ノズル形成工程後の後に凸部形成工程があるために、すぐにノズル44の形状を検査することができず、その分、他の積層体52に対するノズル形成工程へのフィードバックが遅れる。この点、本実施形態では、先に凸部形成工程を行ってからノズル形成工程を行うため、ノズル44を形成した後、すぐにそのノズル44の検査を行って、他の積層体52のノズル形成工程へ速やかにフィードバックできる。そのため、異なる積層体52の間でのノズル44の形状のばらつきを極力抑えることが可能となる。
(保護膜除去工程)
次に、図6(f)に示すように、合成樹脂プレート70(ノズルプレート39)から保護膜71を剥離する。尚、保護膜71が、UV剥離性の接着剤でノズルプレート39に接合されている場合には、UVを照射することによって保護膜71を簡単に剥離することができる。その他、保護膜71の種類によっては、適当な溶剤によって保護膜71を溶かして除去することも可能である。
(ベーキング処理工程)
保護膜71を除去したら、すぐに、積層体52を、流路ユニット23を構成する他のプレート31〜37と接合してもよいのだが、その接合工程前に、以下に説明するベーキング処理工程を行っておくことが好ましい。
先に説明した凸部形成工程で、プレス加工によって積層体52に凸部50を形成したときに、ノズルプレート39と金属プレート38との間に隙間が発生しやすい。また、隙間には、合成樹脂のノズルプレート39を透過して外部から水分(湿気)が入り込む。その状態で、積層体52を、流路ユニット23を構成する他のプレート31〜37と接着剤で接合したときに、接着の際の加熱によって、上記隙間の水分が膨張して2枚のプレート38,39の間の剥離などの不具合が発生する虞がある。
そこで、接合工程の前に、低温で積層体52を加熱するベーキング処理工程を行うことで、隙間に存在する水分を蒸発させて、その量を極力減らしておく。ベーキング処理では、接着剤の接合時の加熱温度よりも低い温度で、比較的長い時間をかけて、積層体52を加熱する。例えば、130℃で20分以上加熱することが好ましい。これにより、接合工程で積層体52が加熱されたときの、前記隙間内の水分の膨張による不具合を抑制することができる。尚、このベーキング処理工程を行って、前記隙間内の水分を蒸発させても、その状態のまま長時間放置していると、再び隙間に水分が浸入してくる。そのため、ベーキング処理工程後、速やかに次の接合工程を行うことが好ましい。例えば、ベーキング処理後、90分以内に接合工程を行う。
(接合工程)
次に、複数の凸部50及び複数のノズル44が形成された積層体52と、流路ユニット23を構成する他のプレート31〜37、及び、圧電アクチュエータ24の振動板60を接合する。詳細には、図6(g)に示すように、積層体52、金属プレート31〜37、及び、振動板60のそれぞれの接合面に熱硬化性接着剤を塗布してから積層し、ヒータプレート74,75によって上下両側から加熱しながら押圧することで接着を行う。このときのヒータプレート74,75による加熱温度は、例えば、150℃である。尚、図6(g)に示すように、下側のヒータプレート75には、押圧接着の際に、積層体52の凸部50が押し潰されてしまうのを防止するために、凸部50と接触しない凹状、あるいは、孔状の逃がし部75aが形成されていることが好ましい。上記の接合工程後、振動板60の上に、別工程で製造した圧電層64,65を貼り付けて、圧電アクチュエータ24を形成する。
以上説明したように、本実施形態では、ノズルプレート39となる合成樹脂製のプレート70と、金属製のプレート38とを積層してから、プレス加工によって金属プレート38を塑性変形させて、積層体52に凸部50を形成する。積層体52に形成された凸部50には金属部分50aが含まれていることから、凸部50の強度が高くなり、耐久性に優れる。また、複数の凸部50を所定の配列方向に沿って形成した後、ノズル形成工程において、複数のノズル44を、複数の凸部50と並ぶように凸部50の配列方向に沿って形成する。そのため、各ノズル44の吐出口44aの周囲が、その近くに位置する凸部50によって確実に保護される。
また、先に、積層体52にプレス加工を行って凸部50を形成してから、合成樹脂プレート70に複数のノズル44を形成する。つまり、凸部50の形成時には、合成樹脂プレート70にはまだ複数のノズル44が形成されていない状態であることから、プレス加工による積層体52の伸縮によってノズル44の形状やピッチが変化することがない。また、凸部形成工程のプレス加工は、合成樹脂プレート70にノズル44が形成されていない状態で行うため、合成樹脂プレート70の凸部50の形成箇所の近くにダイ72を当てても、ノズル44が形成された部分がダイ72に押し付けられてノズル44が変形するといった問題は生じない。
以上説明した本実施形態において、インクジェットヘッド4が、本発明の「液体吐出装置」に相当する。複数のノズル44が形成される合成樹脂プレート70が、本発明の「第1プレート」に相当する。個別流路孔38cが形成される金属プレート38が、本発明の「第2プレート」に相当する。ノズルプレート39(合成樹脂プレート70)の下面のインク吐出面39aが、本発明の「液体吐出面」に相当する。流路ユニット23を構成する、金属プレート38以外のプレート31〜37が、本発明の「液体流路が形成された別の部材」に相当する。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]プレス加工がなされるプレート38の薄肉部38aの形状は、前記実施形態のものには限られない。例えば、図8(a)に示すように、プレート38の下側の面、即ち、ノズルプレート39側の面に凹部38bが形成されることによって、薄肉部38aが形成されてもよい。但し、この場合は、プレート39の薄肉部38aと合成樹脂プレート70との間に隙間が存在することになるため、図8(b)に示すように、プレート38側から薄肉部38aにプレス加工をしたときに、意図した形状の凸部50を形成することが難しくなる。従って、この観点では、前記実施形態の図6(d)のように、プレート38の、ノズルプレート39とは反対側の面に凹部38bを形成することが好ましい。
また、プレス加工による凸部50の形成前に、プレート38に薄肉部38aが形成されていることは必ずしも必要ない。即ち、凹部38bが形成されていない平坦なプレート38に、プレス加工を行って複数の凸部50を形成することも可能である。
2]凸部50の形状は前記実施形態の構成には限られず、パンチ73の先端部やダイ72の形状を変更することにより、様々な形の凸部50を形成することが可能である。また、プレート38の材質特性(延性など)によっては、プレス加工時に、凸部50の変形が、プレート38の特定の方向に偏らない場合もある。この場合には、円柱形状のパンチ73を使用することにより、平面視でほぼ真円の凸部50を形成することもできる。
3]積層体52の凸部50の形成位置についても、前記実施形態の構成には限られない。前記実施形態の図5では、1つのノズル列48の、その走査方向両側に2列の凸部列51が配置されているが、図9に示すように、少なくとも一部のノズル列48(ここでは、ノズル列48k)について、走査方向の一方側にのみ凸部列51が配置されていてもよい。
また、前記実施形態では、プレート38の凹部38bは、薄肉部38aを形成するためだけでなく、その上に位置するマニホールド46の底壁部37aを変形させるための空間を確保させるという目的にも使用されている。そのため、図5に示すように、凸部50は、マニホールド46と重なる位置に形成されている。しかし、凸部50をプレス加工によって形成するという観点だけであれば、複数の凸部50とマニホールド46とが重なっている必要は特にない。即ち、図10に示すように、複数の凸部50は、マニホールド46の位置とは関係なく、自由な位置に配置されてよい。例えば、積層体52の、4列のノズル列48よりも搬送方向上流側、あるいは、搬送方向下流側にも、凸部50が配置されていてもよい。これにより、ノズル44の周囲の保護効果が高まる。
4]前記実施形態では、合成樹脂プレート70に、レーザー加工で複数のノズル44を形成しているが、ノズル形成方法はレーザー加工には限られない。例えば、合成樹脂プレート70に、プレスによる孔あけ加工で複数のノズル44を形成してもよい。尚、プレスによってノズル44を形成する場合でも、異なる積層体52の間でノズル44の形状が異なってしまう場合があり得る。その場合は、前記実施形態と同様に、ノズル形成工程後にノズル44の形状を検査し、その検査結果に基づいて、孔あけ用パンチの押し込み量を調整するなど、ノズル44の形成条件を変更するようにしてもよい。
5]前記実施形態では、ノズルプレート39となる合成樹脂プレート70と、1枚の金属製のプレート38とを積層して、この積層体52にプレス加工を行って凸部50を形成しているが、合成樹脂プレート70と、2枚以上の金属プレートを積層してから、プレス加工による凸部50の形成を行ってもよい。
6]前記実施形態では、合成樹脂プレート70と金属プレート38の積層体52にプレス加工を行って、凸部50を形成しているが、ノズルプレートとなるプレートが金属製で、この1枚の金属プレートにプレス加工を施して凸部を形成してもよい。
この変更形態の工程について、図11を参照して説明する。まず、図11(a)に示すように、ノズルプレート139となる金属プレート170の、インク吐出面139aとなる下面に撥水膜140を形成する。また、図11(b)に示すように、金属プレート170に、撥水膜140を覆うように保護膜171を貼り付ける。次に、図11(c)に示すように、金属プレート170の厚み方向の一方側(上側)からプレス加工を行うことにより、金属プレート170に、下側へ突出する複数の凸部150を形成する。具体的には、金属プレート170をダイ172の上に設置した後、この金属プレート170にパンチ173を押し込み、塑性変形させることによって凸部150を形成する。
次に、図11(d)に示すように、金属プレート170から保護膜171を除去した後、図11(e)に示すように、金属プレート170に複数のノズル144を形成する。図11(e)では、パンチ120による孔あけ加工でノズル144を形成しているが、レーザー加工でノズル44を形成することも可能である。その後、図11(f)のように、流路ユニットを構成する他のプレート131〜138等とノズルプレート139とを接着剤で接合する。
この図11では、複数のノズル144が形成される金属プレート170にプレス加工を行って、金属プレート170を塑性変形させて凸部150を形成する。この凸部150は金属で形成されていることから、凸部150の強度が高くなり、耐久性に優れる。また、先に、金属プレート170にプレス加工を行って凸部150を形成してから、この金属プレート170に複数のノズル144を形成する。凸部150の形成工程時には、金属プレート170にはまだ複数のノズル144が形成されていない状態であることから、プレス加工による金属プレート170の伸縮によってノズル144の形状やピッチが変化することがない。また、凸部150の形成工程時に金属プレート170にノズル144が形成されていないため、金属プレート170の凸部150の形成箇所の近くにダイを当てても、特に問題はない。
7]前記実施形態のインクジェットヘッド4は、キャリッジ3とともに記録用紙100に対して移動しながらインクを吐出する、いわゆる、シリアルタイプのヘッドであるが、本発明の適用対象は、上記のようなシリアルヘッドには限られない。例えば、プリンタ本体内に固定的に設置され、記録用紙100の幅方向に配列された複数のノズルを有する、いわゆる、ラインタイプのヘッドにも、本発明を適用することは可能である。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットヘッドに適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を吐出して、基板表面に導電パターンを形成する液体吐出装置にも、本発明を適用することは可能である。
4 インクジェットヘッド
31〜37 プレート
38 プレート
38a 薄肉部
38b 凹部
38c 個別流路孔
39 ノズルプレート
39a インク吐出面
44 ノズル
44a 吐出口
50 凸部
52 積層体
70 合成樹脂プレート
71 保護膜
73 パンチ
77 レーザー照射装置
139 ノズルプレート
139a インク吐出面
144 ノズル
150 凸部
170 金属プレート

Claims (9)

  1. 液体を吐出する複数のノズル、及び、前記複数のノズルに連通する液体流路を有する液体吐出装置の製造方法であって、
    合成樹脂製の第1プレートと、金属製の第2プレートとを積層して、前記第1プレートと前記第2プレートの積層体を形成する、積層工程と、
    前記積層体に対して、前記第2プレート側からプレス加工を行って、前記積層体に、前記第1プレート側に突出する凸部を形成する、凸部形成工程と、
    前記凸部形成工程の後に、前記積層体の前記第1プレートに、前記複数のノズルを、前記第1プレートの前記凸部が突出する面にそれぞれの吐出口が配置されるように形成する、ノズル形成工程と、
    を備えていることを特徴とする液体吐出装置の製造方法。
  2. 前記凸部形成工程において、前記複数の凸部を、所定の配列方向に配列して形成し、
    前記ノズル形成工程において、前記複数の凸部と並ぶように、前記複数のノズルを、前記配列方向に沿って形成することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置の製造方法。
  3. 前記ノズル形成工程の後に、前記第1プレートに形成された前記ノズルの形状を検査するノズル検査工程と、
    前記ノズル検査工程での前記検査結果に基づいて、前記ノズル形成工程における前記ノズルの形成条件を変更する、ノズル形成条件変更工程と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置の製造方法。
  4. 前記積層工程の前に、前記第2プレートに、前記複数のノズルとそれぞれ連通する複数の個別流路孔を形成する流路孔形成工程と、
    前記積層工程の後に、前記第1プレートの前記第2プレートとは反対側の面に、保護膜を貼り付ける保護膜貼付工程を、さらに備え、
    前記凸部形成工程では、前記第1プレートの前記第2プレートとは反対側の面に前記保護膜が貼り付けられた状態で、前記積層体に対して前記第2プレート側からプレス加工を行い、
    前記ノズル形成工程では、前記第1プレートの前記第2プレートとは反対側の面に前記保護膜が貼り付けられた状態で、前記個別流路孔が形成された前記第2プレート側からのレーザー加工により、前記第1プレートに前記複数のノズルを形成することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液体吐出装置の製造方法。
  5. 前記積層工程前に、前記第2プレートに、部分的に厚みが薄くなった薄肉部を形成する薄肉部形成工程をさらに備え、
    前記凸部形成工程において、前記薄肉部形成工程で形成された前記第2プレートの前記薄肉部にプレス加工を行って、前記積層体に前記凸部を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液体吐出装置の製造方法。
  6. 前記薄肉部形成工程において、前記第2プレートの前記第1プレートが積層される面とは反対側の面に凹部を形成することで、前記第2プレートに前記薄肉部を形成することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置の製造方法。
  7. 前記積層工程において、前記第1プレートと前記第2プレートとを、真空状態で加熱してから接着剤で接合することを特徴とする請求項5又は6に記載の液体吐出装置の製造方法。
  8. 前記凸部形成工程の後で、前記積層体を加熱するベーキング処理工程と、
    前記ベーキング処理工程の後で、前記積層体を加熱しながら、前記積層体を、前記液体流路が形成された別の部材と接着剤で接合する接合工程とをさらに備え、
    前記ベーキング処理工程では、前記接合工程よりも低温で前記積層体を加熱することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の液体吐出装置の製造方法。
  9. 液体を吐出する複数のノズル、及び、前記複数のノズルに連通する液体流路を有する液体吐出装置の製造方法であって、
    金属プレートに対して、その厚み方向の一方側からプレス加工を行って、前記金属プレートに、その厚み方向における他方側に突出する凸部を形成する、凸部形成工程と、
    前記凸部形成工程の後に、前記金属プレートに、前記複数のノズルを、前記他方側の面にそれぞれの吐出口が配置されるように形成する、ノズル形成工程と、
    を備えていることを特徴とする液体吐出装置の製造方法。
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