JP2016043316A - ウエットグラインダー - Google Patents

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慶島 敏弘
Toshihiro Yoshijima
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Abstract

【課題】取り扱いが容易であり、安全性が高く、効率の高い磨り潰し動作を信頼性高く行うことができるウエットグラインダーを提供する。
【解決手段】電動機からの駆動力により回転する円板状のドラムストーン6を底面に有するドラム2と、ドラムストーン上に載置されてドラムストーンの回転に応じて従動回転し、ドラムストーンとの間で磨り潰し動作を行うローラーストーン7と、ローラーストーンの回転中心軸に固定され、ローラーストーンにおけるドラムの内面に対向する側面の延長面とドラムの内面との間の領域に配置されたワイパー面Wを有するローラー固定ワイパー8と、を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、調理器具としての電動石臼であるウエットグラインダーに関し、特にウエットグラインダーのローラーユニットに関する。
電動石臼であるウエットグラインダーは、インド料理、特に南インド料理において用いられる調理器具である。南インド料理においては、水に浸した穀物(例えば、米、豆類等)を磨り潰して滑らかなゾル状態の生地を作り、各種料理の材料として用いられている。このように穀物を磨り潰して滑らかなゾル状態の生地を家庭において作るために、南インド地方においては一般的に卓上型のウエットグラインダーが用いられている。
卓上型のウエットグラインダーは、金属製の円筒形のドラムの内部底面に固着された円板状のドラムストーンと、このドラムストーン上に載置され従動回転するローラーストーンと、ドラムの上部開口部分を覆う蓋と、ドラムを回転させる駆動機構と、駆動機構の操作を行う操作部と、を備えている。このように構成されたウエットグラインダーにおいて、駆動機構によりドラムを回転させることにより、ドラムストーンが回転し、そのドラムストーンの回転に従動してローラーストーンが回転する構成である。したがって、ドラム内部に水に浸された穀物、例えば米等が投入されて、ドラムを回転させることにより、穀物が回転しているドラムストーンとローラーストーンとの間で磨り潰され、最終的には滑らかなゾル状態の生地が作成される。
図12は、従来の卓上型のウエットグラインダーの外観形状を示す図である。図12において、円筒形のドラム101の内部の底面に設けられている円板状のドラムストーン102と、ドラムストーン102上の2つのローラーストーン103を破線を用いて示している。ローラーストーン103は、ドラムストーン102の回転中心に突設されたローラーホルダ105に装着されている。ローラーホルダ105の内部に設けられたバネにより、ローラーストーン103がドラムストーン102に対して所定圧力で押圧して磨り潰し動作を行う構成である。また、図12に示す従来のウエットグラインダーにおいては、ドラム101の上部開口部分を覆う蓋104がドラム101上に載置されており、ドラム101の回転と共に蓋104が回転する構成である。ドラム101の横には電動機であるモータを内包する駆動部106が設けられており、スイッチ操作によりモータがオンオフ駆動されて、ドラム101と共にドラムストーン102が回転する構成である。
図12に示すように、ウエットグラインダーにおいては、モータが起動すると、使用者の眼前にあるドラム101が回転して、ドラムストーン102の回転とローラーストーン103の従動回転とにより内容物である穀物が磨り潰される。この磨り潰し動作においては、使用者は、蓋104を持ち上げて、ドラム101の内部の食材の磨り潰し状態を観察し、必要であれば食材に対して水を補給していた。
なお、上記のように本発明はインド料理に用いられる特殊な調理器具であるウエットグラインダーに関するものであり、本発明に関連する記載すべき先行技術文献情報としては適切なものがなかった。
前述のように、ウエットグラインダーの磨り潰し動作においては、使用者の眼前にあるドラム101が回転しており、そのドラム101と共に回転しているドラム101上部の蓋104を使用者が持ち上げて、ドラム101内部の食材の動き、および食材の磨り潰し状態を使用者が観察していた。したがって、場合によっては、使用者は、磨り潰し動作を行っているドラム101の内部に手を挿入し、移動している食材に直接接触して、食材の磨り潰し状態を直接的に確かめていた。このような観察において、使用者が食材の水分の不足を感じた場合には、使用者は蓋104を開けた状態で、回転して磨り潰し動作を行っているドラム101の内部に直接、水を補給していた。
上記のように、従来のウエットグラインダーにおいては、ドラムストーン102とローラーストーン103が回転して磨り潰し動作を行っている稼働状態において、使用者は、回転している蓋104を持ち上げて、回転しているドラム101の内部の食材の動きを観察していた。ドラム101の内部において磨り潰されている食材が、ある程度の粘性を有するため、ドラム101の壁面に付着したまま移動せず、ドラムストーン102とローラーストーン103との間の磨り潰し位置に移動しない場合がある。そのようなドラム101壁面に付着した食材に対しては、使用者がヘラ等でドラム101の壁面から掻き取り、ドラム101の中央に掻き取った食材を戻す行為を行っていた。
なお、従来のウエットグラインダーにおいては、回転しているドラム101の壁面に沿って配置されて、壁面に付着した食材を単に掻き取る部材(図12における符号107参照)が設けられた構成があった。このような掻き取り部材は、ドラムストーン102上に配置されたローラーストーン103から離れた位置に設けられており、ドラムストーン102とローラーストーン103とにより磨り潰された後に壁面に付着した食材を単に掻き取るものであった。このため、従来のウエットグラインダーにおいては、ドラム内の食材の磨り潰し動作において、食材の移動を効率高く磨り潰し位置に案内するような構成はなく、食材の粉砕効率を高めるような技術的思想はなかった。したがって、従来のウエットグラインダーにおいては、使用者がヘラ等を用いて回転しているドラム101内部のドラムストーン102とローラーストーン103との間の磨り潰し位置に食材を送り込む動作を行っていたため、安全性の点においても問題を有するものであった。
上記のように、従来のウエットグラインダーは、安全性の点で問題を有すると共に、使い勝手が悪く、粉砕効率の高い磨り潰し動作を行うことが困難な調理器具であった。
本発明によれば、取り扱いが容易であり、安全性が高く、効率の高い磨り潰し動作を行うことができる信頼性の高いウエットグラインダーを提供することを目的とする。
本発明に係るウエットグラインダーは、
電動機を有する本体と、
前記本体に設けられ、前記電動機からの駆動力により回転する円板状のドラムストーンを底面に有し、食材が投入されるドラムと、
前記本体に固着された固定中心軸に装着されたローラー保持軸と、
前記ローラー保持軸により保持され、前記ドラムストーンの上に載置されて前記ドラムストーンの回転に応じて従動回転し、前記ドラムストーンとの間で前記食材の磨り潰し動作を行うローラーストーンと、
前記ローラーストーンの回転が伝動しないように前記ローラーストーンの回転中心軸に固定され、前記ローラーストーンにおける前記ドラムの内面に対向する側面の延長面と前記ドラムの内面との間の領域に配置されたワイパー面を有するローラー固定ワイパーと、を備えている。
このように構成された本発明に係るウエットグラインダーは、使用者に煩雑な作業を行わせることなく、安全且つ信頼性高く食材を所望の磨り潰し状態に短時間で達成することができる。
本発明によれば、取り扱いが容易であり、安全性が高く、効率の高い磨り潰し動作を信頼性高く行うことができるウエットグラインダーを提供することができる。
本発明に係る実施の形態1のウエットグラインダーの外観構成を示す斜視図 実施の形態1のウエットグラインダーの内部構成を示す断面図 実施の形態1のウエットグラインダーにおける蓋を取り外した状態のドラムの内部を示す斜視図 実施の形態1のウエットグラインダーにおけるドラムの内部に設けられているローラーストーンとワイパーとローラー保持軸等を示す斜視図 実施の形態1のウエットグラインダーにおけるドラムの内部の構成を示す平面図 実施の形態1のウエットグラインダーにおけるローラーストーンの回転中心軸に固定されたローラー固定ワイパーを示す部分拡大図 実施の形態1のウエットグラインダーにおけるローラー固定ワイパーにおけるローラーストーン7の回転中心軸に固定された状態を示す拡大図 実施の形態1のウエットグラインダーにおけるローラー保持軸に載置される蓋を示す平面図 実施の形態1のウエットグラインダーにおける蓋を下から見た斜視図 実施の形態1のウエットグラインダーにおけるローラー保持軸の外周面に形成される蓋保持溝の別の構成例を示す図 実施の形態1のウエットグラインダーにおける蓋がローラー保持軸に載置されている状態を示す部分断面図 従来の卓上型のウエットグラインダーの外観形状を示す斜視図
本発明に係る第1の観点のウエットグラインダーは、
電動機を有する本体と、
前記本体に設けられ、前記電動機からの駆動力により回転する円板状のドラムストーンを底面に有し、食材が投入されるドラムと、
前記本体に固着された固定中心軸に装着されたローラー保持軸と、
前記ローラー保持軸により保持され、前記ドラムストーンの上に載置されて前記ドラムストーンの回転に応じて従動回転し、前記ドラムストーンとの間で前記食材の磨り潰し動作を行うローラーストーンと、
前記ローラーストーンの回転が伝動しないように前記ローラーストーンの回転中心軸に固定され、前記ローラーストーンにおける前記ドラムの内面に対向する側面の延長面と前記ドラムの内面との間の領域に配置されたワイパー面を有するローラー固定ワイパーと、を備えている。
このように構成された本発明に係る第1の観点のウエットグラインダーは、ローラーストーンの近傍にローラー固定ワイパーが設けられているため、ドラムの内部の食材に対する粉砕効率が高く、未粉砕の食材がドラムの内面に付着したまま留まることが大幅に低減される。この結果、本発明に係る第1の観点のウエットグラインダーを用いることにより、使用者に煩雑な作業を行わせることなく、安全且つ信頼性高く食材を所望の磨り潰し状態に短時間で達成することができる。
本発明に係る第2の観点のウエットグラインダーにおいては、前記の第1の観点の前記ローラー固定ワイパーの前記ワイパー面が、前記ローラーストーンにおける前記ドラムの内面に対向する側面の延長面と前記ドラムの内面との交線より前記食材の流動方向において下流側の位置であり、前記ドラムストーンと前記ローラーストーンとの間の磨り潰し位置より前記食材の流動方向において上流側の位置に設けられている。このように構成された本発明に係る第2の観点のウエットグラインダーは、ドラム内部においてドラムの内面側へ移動した食材を、ローラー固定ワイパーのワイパー面により、ドラムストーンとローラーストーンとの間の磨り潰し位置へ案内することができる。
本発明に係る第3の観点のウエットグラインダーは、前記の第1の観点又は第2の観点において、前記ローラー固定ワイパーの前記ワイパー面が、前記ドラムの回転中心軸と平行な軸を含み、且つ前記ローラーストーンの回転中心軸と平行な軸を含む面を有して構成してもよい。このように構成された本発明に係る第3の観点のウエットグラインダーは、ローラーストーンの側面とドラムの内面との間の領域に入り込もうとする食材を、ドラムストーンとローラーストーンとの間の磨り潰し位置へ案内することができる。
本発明に係る第4の観点のウエットグラインダーは、前記の第1の観点から第3の観点のいずれかの観点において、前記ローラー固定ワイパーが、前記ドラムの内面に近接する先端を有する前記ワイパー面を含む樹脂部と、前記ローラーストーンの回転中心軸に固定されるメタル部とを有し、前記樹脂部の樹脂材と前記メタル部の金属がインサート成形されている。このように構成された本発明に係る第4の観点のウエットグラインダーは、ローラー固定ワイパーの先端が樹脂部で構成されているため、ドラムに接触したとしてもドラムが傷付けられることが抑制され、金属のメタル部により当該ローラー固定ワイパーの剛性を確保することができる。
本発明に係る第5の観点のウエットグラインダーは、前記の第4の観点において、前記ローラー固定ワイパーの前記樹脂部が、平面視でL字形状を有しており、前記ローラーストーンの側面に対向する平面を有する第1樹脂部と、前記ローラーストーンの側面に直交する平面を有する第2樹脂部とを有している。このように構成された本発明に係る第5の観点のウエットグラインダーは、ローラーストーンの側面とドラムの内面との間の領域に入り込もうとする食材を、ドラムストーンとローラーストーンとの間の磨り潰し位置へより確実に案内することができる。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
以下、図1〜図11を用いて、本発明に係る実施の形態1のウエットグラインダーについて説明する。
[全体構成]
図1は実施の形態1のウエットグラインダーの外観構成を示す斜視図である。図2は実施の形態1のウエットグラインダーの内部構成を示す断面図である。
図1に示すように、実施の形態1のウエットグラインダーは、本体1に対して脱着可能な円筒状のドラム2を備え、ドラム2の上部にはドラム2には接触しない構成の蓋3が設けられている。本体1には操作部4が設けられており、操作部4により本体1内部に設けられた電動機であるモータ5(図2参照)を含む駆動機構10が駆動操作される。モータ5の上部にはモータ冷却用のファン17が設けられている。
実施の形態1における操作部4としては、タイマーが用いられており、使用者が望む設定時間だけ稼働する構成である。なお、操作部4の構成としては、単なるオンオフスイッチでもよく、および/または速度調整機能を有するスイッチでもよい。
図2に示すように、円筒状のドラム2の底部には円板状の下側臼石であるドラムストーン6で構成されている。ドラムストーン6はモータ5から駆動機構10を介して伝達された駆動力により所望の回転数で回転する。ドラムストーン6の中心部分には回転軸12が設けられている。この回転軸12の内周面には内面ギアが形成されており、この内面ギアが本体1におけるドラム2が装着される中心位置に突設された円柱状の駆動軸11の外周面に形成された外面ギアに嵌まり込む構成である。駆動軸11には、モータ5からの駆動力がモータシャフト、小プーリ、ベルト、大プーリを介して伝達される構成である。モータ5のモータシャフトからの駆動力をドラムストーン6に伝達するための駆動機構10には、小プーリ、ベルト、大プーリおよび駆動軸11が含まれ、モータシャフトの回転数を所望の回転数に変更して駆動軸11に伝達している。
[ドラムの内部構成]
実施の形態1のウエットグラインダーにおいて、ドラム2の底面を構成するドラムストーン6の上に載置され上側石臼となる2つのローラーストーン7は、ドラムストーン6の回転に応じて従動するように構成されている。2つのローラーストーン7は、2つのローラーストーン7の中間位置にあるローラー保持軸13により保持されている。ローラー保持軸13に回転軸12の回転動作が伝達されないよう、ローラー保持軸13と回転軸12は接触しない構成である。また、ローラー保持軸13は、駆動軸11の回転が伝達されないように、駆動軸11を軸受けを介して保持し、本体1に固着された固定中心軸15により保持されている。固定中心軸15は、ドラム2の回転中心位置に設けられており、この固定中心軸15が軸受けを介して駆動軸11を回転可能に保持する構成である。したがって、2つのローラーストーン7は、ドラム2の内部において移動することなく同じ位置でドラムストーン6の回転に応じて従動回転する構成である。2つのローラーストーン7は、ローラー保持軸13に対して軸対称の位置に対向するように配設されている。
また、実施の形態1のウエットグラインダーには、2つのローラーストーン7が所定の押圧力にてドラムストーン6に当接するように、押圧機構9が設けられている。押圧機構9は、ローラー保持軸13をバネ19(図2参照)の弾性力により下方へ押圧することができるローラーストーン押圧ネジ16aを有するトップロック16を有している。トップロック16は、ドラムストーン6の中心位置に設けられた回転しない固定中心軸15に挿入されたローラー保持軸13をバネ19の弾性力を用いて下方へ押圧している。このトップロック16を固定中心軸15の上端にねじ込むことにより、ドラムストーン6に対するローラーストーン7の押圧力が設定される。
図2に示すように、ローラー保持軸13には、ローラーストーン7との間にブレード14が形成されている。ブレード14は、ドラム2の内部における磨り潰し動作における被調理部材である食材の移動を規制するものである。ブレード14は、ローラーストーン7の従動回転中心位置より上側部分に形成されており、ローラー保持軸13からローラーストーン7の方向に突出するよう設けられている。このようにブレード14が設けられているため、ローラーストーン7の従動回転中心位置より上側領域における食材の移動が規制されている。したがって、ローラーストーン7の従動回転中心位置より上側に移動しようとする食材をドラムストーン6とローラーストーン7との間の磨り潰し位置の方向に強制的に移動させる機能を有する。
また、実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、2つのローラーストーン7の近傍にはローラー固定ワイパー8がそれぞれ設けられている。ローラー固定ワイパー8は、ローラーストーン7の側面7aの延長面(後述する図5における符号P参照)Pとドラム2の内面2aとの間の領域(後述する図5における符号R参照)に配置されており、ローラーストーン7の側面7aとドラム2の内面2aとの間の領域Rに入り込もうとする食材を概ね塞ぐ機能を有している。ローラー固定ワイパー8とドラムストーン6との間の最小隙間、ローラー固定ワイパー8とローラーストーン7との間の最小隙間、およびローラー固定ワイパー8とドラム2の内面2aとの間の最小隙間は、それぞれ略1mmに保持されており、ローラー固定ワイパー8が回転部分と接触しないよう構成されている。ローラー固定ワイパー8は、磨り潰し動作において、ローラーストーン7の側面7aとドラム2の内面2aとの間の領域Rに入り込もうとする内容物である食材をドラムストーン6とローラーストーン7との間の磨り潰し位置に案内する機能を有する。ローラー固定ワイパー8の構成および機能については後述する。
図3は蓋3を取り外した状態のドラム2の内部を示す斜視図である。図4はドラム2の内部に設けられている、2つのローラーストーン7とローラー固定ワイパー8とローラー保持軸13等のドラム2の内部構成物を示す図である。
図3および図4に示すように、2つのローラーストーン7はローラー保持軸13を中心として軸対称に両側に配置されている。各ローラーストーン7の回転中心軸(従動回転中心軸)であるローラー軸18(図4参照)にはローラー固定ワイパー8がそれぞれ取り付けられている。ローラー固定ワイパー8は、ローラーストーン7の側面7aとドラム2の内面2aとの間の領域R(図5参照)を概ね塞ぐようなワイパー面Wを有している。そのワイパー面Wはドラム2の回転中心にある固定中心軸15と平行な軸(鉛直方向の軸)を含み、且つローラーストーン7のローラー軸18である回転中心軸と平行な軸(水平方向の軸)を含む面である。また、ローラー固定ワイパー8のワイパー面Wが設けられている位置としては、ローラーストーン7の側面7aとドラム2の内面2aとの間の領域Rに流れ込もうとする食材を、ドラムストーン6とローラーストーン7との間の磨り潰し位置G、即ち、ローラーストーン7の最下端位置G(図4参照)に導く位置である。例えば、ローラー固定ワイパー8のワイパー面Wは、ドラム2に対向するローラーストーン7の側面7aの延長面に直交する平面を有し、その平面がローラーストーン7における回転中心軸であるローラー軸18より食材の移動方向の上流側の位置に設けられている。
図5はドラム2の内部構成を示す平面図である。図6はローラーストーン7のローラー軸18に固定されたローラー固定ワイパー8を示す部分拡大図である。図7はローラー固定ワイパー8におけるローラーストーン7のローラー軸18に固定された状態を示す拡大図である。
図5において、ローラーストーン7が載置されるドラムストーン6は矢印X方向に回転している。ドラム2の底面を構成するドラムストーン6が矢印X方向に回転することにより、ローラー保持軸13の両側にあるローラーストーン7は、それぞれ矢印Y方向に回転する。その結果、ドラム2の内部に投入されている水分を含んだ食材(例えば、米、豆等の穀物)は、破線で示すような遠心方向に移動して、ドラム2の内面側に移動する。ドラム2の内面側に移動した食材は、ローラー固定ワイパー8のワイパー面Wにより案内されて、ドラム2の回転中心側に流動し、引力により下方へ移動する。ワイパー面Wにより下流側の下方の位置には、ドラムストーン6とローラーストーン7とによる磨り潰し動作が行われる磨り潰し位置Gが設けられているため、ワイパー面Wにより下流側の下方に案内された食材は確実に磨り潰し位置Gに案内される。
上記のように、実施の形態1においては、ローラー固定ワイパー8が、ローラーストーン7におけるドラム2に対向する側面の延長面に直交する平面を有するワイパー面Wを持っている。そのワイパー面Wはローラーストーン7における回転中心軸であるローラー軸18より食材の移動方向である流動方向(例えば、図5において、ローラーストーン7に対する食材の流動方向である破線の矢印Sにして示す方向)における上流側の位置に設けられている。具体的には、ローラー固定ワイパー8のワイパー面Wの先端(ドラム2に対向する先端)の位置が、ローラーストーン7の側面7a(ドラム2の内面2aに対向する側面)の延長面P(図5参照)とドラム2の内面2aとの交線Q(図5参照)より下流側の位置であり、ドラムストーン6とローラーストーン7との間で食材を磨り潰す磨り潰し位置G(図4参照)より上流側に設けられている。特に、ローラー固定ワイパー8のワイパー面Wが、ローラーストーン7における平面視(上方から見た場合)の上流側端部近傍(上流側端部より略10ミリ上流側の位置を含む)の位置から、ドラムストーン6とローラーストーン7とが接触する磨り潰し位置Gまでの間にあることが好ましい。なお、図6に示す実施の形態1の構成例においては、ワイパー面Wが、ローラーストーン7の平面視の上流側端部7bと略同一面(図5参照)を有するように設定されている。
図6に示すように、ローラー固定ワイパー8は、ドラム2の内面2aに近接する先端を有するワイパー面Wを含む樹脂部8aと、ローラーストーン7のローラー軸18に固定されるメタル部8bとを有して構成されている。樹脂部8aは、例えば、ポリアセタール、ポリエチレン等の強度、耐衝撃性の強い樹脂材により形成されており、メタル部8bに対してインサート成形されている。メタル部8bはステンレス鋼が用いられている。また、メタル部8bには、剛性を確保するために凸部で構成された補強部8cが形成されている。
ローラー固定ワイパー8のメタル部8bは、ローラーストーン7の先端にDカットを有するローラー軸18に対して内側ワッシャー24および外側ワッシャー25を介して固定されており、ローラーストーン7の従動回転が伝動しないよう取り付けられている(図7参照)。この結果、ローラー固定ワイパー8の先端部分である樹脂部8aの先端は、ローラーストーン7に接触することがなく、常にドラム2の内面2aに対して所定隙間(略1mm)を有して配置される(図6参照)。
なお、実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、図6に示すように、ローラー固定ワイパー8の樹脂部8aが平面視でL字形状を有している。樹脂部8aは、ローラーストーン7の側面7aに対向する平面W1を有する第1樹脂部8a1と、ローラーストーン7の側面7aに直交する平面W2を有する第2樹脂部8a2とを有している。実施の形態1においては、図6に示すように、第2樹脂部8a2の平面視の長さ(L2)は、第1樹脂部8a1の平面視の長さ(L1)より長く形成されている。この長さ関係は、ローラーストーン7の側面7aとドラム2の内面2aとの位置関係、およびローラーストーン7の側面7aに対するローラー固定ワイパー8の形成位置により決定される。
実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、前述の図4に示すように、ローラーストーン7の側面7aと第1樹脂部8a1の平面W1との間にはその最下端部分の長さがL3の隙間Uが形成されている。もし、このような隙間Uが形成されていない場合には、ローラー固定ワイパー8に加わる粉砕する食材からの負荷が大きくなり、使用するモータの能力を上げてモータを大型化する必要がある。実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、上記のように第2樹脂部8a2の平面視の長さ(L2)と第1樹脂部8a1の平面視の長さ(L1)とを適切に設定して、隙間Uを形成することにより、ローラーストーン7の下部において食材が隙間Uを通る構成であるため、ローラー固定ワイパー8に加わる負荷が軽減される。このため、実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、モータの能力を適切なものとして、モータの大型化を避けることが可能な構成となる。
また、第2樹脂部8a2の先端であるドラム2の内面2aに対向する先端W3は、回転するドラム2の内面2aからの隙間が一定値、例えば略1mmとなるように設定されている。ドラムストーン6の回転に伴い、ドラム2の内面側に移動した食材は、第2樹脂部8a2の先端W3により掻き落とされて案内され、ローラー固定ワイパー8の直下の下流側にあるドラムストーン6とローラーストーン7との間の磨り潰し位置Gに送り込まれる。この結果、実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、ドラム2の内部の磨り潰し対象である食材に対する粉砕効率が高くなる。また、粉砕効率が高まることにより未粉砕の食材がドラム2の内面2aであり、且つドラム2の上方の位置に留まりにくい構成となる。このため、実施の形態1のウエットグラインダーの構成においては、使用者が蓋3を持ち上げてヘラ等でドラム2の内面2aに付着した食材を掻き落とす必要性が大幅に低減され、使い勝手の大幅な向上が図られている。
前述の図4に示したように、ローラー保持軸13の上部の外周面にはその上端から斜め下方向に延びる溝である蓋保持溝13aが形成されている。蓋保持溝13aの上端部分(図4において符号「A」で示す領域)は、上端が大きく幅広状態であり、下方に行くに従い溝幅が狭くなっている。
蓋保持溝13aの中間部分(図4において符号「B」で示す領域)は斜め下方向、例えば、約45度の傾斜を有している。蓋保持溝13aの下端部分(図4において符号「C」で示す領域)は、略水平方向に延設されている。また、蓋保持溝13aの下端部分(C)には、中間部分(B)から連続する第1の水平溝(C1)と、第1の水平溝(C1)から下方への段差13dを介して連続する第2の水平溝(C2)が形成されている。なお、実施の形態1における蓋保持溝13aの上端部分(A)から下端部分(C)への平面視(上方から見た場合)の延設方向が、ドラム2の回転方向と一致しており、図3に示すように上方から見て時計回りの方向である。
図8はローラー保持軸13に載置される蓋3を示す平面図である。図9は蓋3を下から見た斜視図である。実施の形態1における蓋3は、透明部材により形成されており、蓋3を通してドラム2内の食材の磨り潰し状態を確認できる構成である。
図8および図9に示すように、蓋3の中心部分には上方に突出した把手部3aが形成されている。このため、例えば、磨り潰し動作中において、使用者は、回転していない蓋3の把手部3aを持って、蓋3を回転しているドラム2から容易に持ち上げることができる。また、把手部3aの中心部分は円形に開口しており、前述のローラー保持軸13を固定するためのトップロック16の上面が表出するよう構成されている。
蓋3の把手部3aの下方には鉛直方向に延びた筒部3cが形成されており、筒部3cの内面3fがローラー保持軸13の外面13cを摺動して挿入されるよう構成されている。図9に示すように、把手部3aの中心部分には円形の開口が形成されており、この開口が筒部3cにより形成される。筒部3cの内面3fの対向する位置には突起3bが形成されている。突起3bは、前述のローラー保持軸13の外周面に形成された蓋保持溝13aに係合して摺動し、保持されるよう構成されている。したがって、使用者が、蓋3をドラム2の中心部分に突設されているローラー保持軸13に載置するとき、蓋3の突起3bは、蓋保持溝13aの上端部分(A)の大きな開口から入り込み、蓋保持溝13aの内部を引力により下方に摺動して中間部分(B)を超えて、蓋保持溝13aの下端部分(C)の第1の水平溝(C1)から第2の水平溝(C2)に入り込む。このように、蓋3の突起3bが、最終的に第2の水平溝(C2)に入るため、突起3bの上下方向(鉛直方向)の移動が規制される。なお、突起3bが第1の水平溝(C1)から第2の水平溝(C2)に入るとき段差13dを超えるため、使用者に蓋3の突起3bが第2の水平溝(C2)に入ったことを音および手の感触で感じることができる構成となっている。なお、実施の形態1における突起3bの形状としては、蓋保持溝13aの内部を滑らかに摺動できる形状であればよく、例えば、突出部分が平坦な面を有する円柱形状でもよい。
なお、実施の形態1において、蓋保持溝13aの中間部分(B)および下端部分(C)の溝形状は、蓋保持溝13aの溝幅が突起3b(略円柱形状)の直径より1mm大きく形成されている。即ち、実施の形態1の構成においては蓋保持溝13aと突起3bとの最大隙間を1mmに設定している。また、蓋保持溝13aの上端部分(A)の大きな開口形状は、その上端の溝幅が突起3bの直径の2倍以上が好ましく、実施の形態1においては約3倍となるよう形成され、下方に行くに従い徐々に溝幅が狭くなり、所定の溝幅を有する中間部分(B)に繋がっている。
なお、第1の水平溝(C1)から第2の水平溝(C2)に至る段差13dの上面部分のみを下方に突出した小さな凸部を形成してもよい。このような凸部を第1の水平溝(C1)と第2の水平溝(C2)との間の上面に設けることにより、蓋3を真上に持ち上げたときには、突起3bと第2の水平溝(C2)との係合が簡単には外れない構成としてもよい。このように蓋3が真上に持ち上げられたときには、突起3bが第2の水平溝(C2)から外れがたく構成することにより、磨り潰し動作中における食材との接触による蓋3の移動を抑制することも可能となる。一方、逆に、ローラー保持軸13の外周面に形成される蓋保持溝13aの中間部分(B)から続く下端部分(C)を緩やかに斜行した形状として、蓋3の載置、および持ち上げをさらに容易な構成としてもよい。
図10はローラー保持軸13の外周面に形成される蓋保持溝13aの別の構成例を示す図である。図10に示すように、蓋保持溝13aの中間部分(B)から下端部分(C)において緩やかに斜行した溝形状が形成されている。また、蓋保持溝13aにおける中間部分(B)と下端部分(C)との間の下方壁には突起13bが形成されている。このように蓋保持溝13aの下方壁に突起13bを形成することにより、蓋3の装着時に蓋3の突起3bが蓋保持溝13aの突起13bと接触可能となっている。このため、使用者は、蓋3の装着時に蓋3の突起3bが蓋保持溝13aの突起13bに接触して突起13bを乗り越えることにより、蓋3が所定位置に装着されたことを認識することができる。
また、図8および図9に示すように、実施の形態1における蓋3には、ドラム2の内部に水分を補給するための補給口3dが設けられている。蓋3は回転していないローラー保持軸13の上に載置されているため、使用者は、透明な蓋3を通して内容物である食材の磨り潰し状態を確認しつつ、蓋3をドラム2の上に載置した状態で水の補給を容易に行うことが可能である。
図11は、蓋3がローラー保持軸13に載置されている状態を示す部分断面図である。図11においては、蓋3の筒部3cの内面3fに形成された突起3bがローラー保持軸13の蓋保持溝13aに係合している状態を示している。図11に示すように、蓋3がローラー保持軸13に載置された状態においては、突起3bが蓋保持溝13aの前述の第2水平溝(C2:図4参照)に係合して、蓋3の鉛直方向の移動が規制されている。
また、蓋3の突起3bが形成されている下方に延びる筒部3cは、ローラー保持軸13の外周面を摺動して挿入されるように、所定の鉛直方向の長さを有している。このため、蓋3はドラム2の中心位置において鉛直方向に突設されているローラー保持軸13に対して所定の位置および角度(90度)を有して確実に保持される。
[動作]
以上のように構成された実施の形態1のウエットグラインダーについて、その動作を以下に説明する。
先ず初めに、ドラム2を、本体1から突設している駆動軸11に装着する。次に、ローラーストーン7を固定中心軸15に挿入し、押圧機構9のトップロック16を固定中心軸15にねじ込み、ローラーストーン7をドラムストーン6に押圧する。
上記のようにドラム2の内部にローラーストーン7をセットした後、被調理部材である食材、例えば、水に浸した穀物(米、豆類等)をドラム2の内部に投入する。このとき、一定量の水も合わせて投入される。
使用者は、必要な食材および水をドラム2内に投入した後、蓋3をドラム2の上に載せるように、蓋3の筒部3cをローラー保持軸13に挿入する。このとき、使用者は蓋3を多少回転させることにより、筒部3cの内面3fに形成されている突起3bがローラー保持軸13の蓋保持溝13aの上端部分(A)の大きな開口に入り込む。蓋3の突起3bが蓋保持溝13aの上端部分(A)の大きな開口から入り込んだ後、突起3bは蓋保持溝13aの内部を引力により下方に移動して中間部分(B)を超えて、下端部分(C)の第1の水平溝(C1)から第2の水平溝(C2)に入り込む。このように、蓋3の突起3bが、最終的に第2の水平溝(C2)に入る込むため、蓋3の上下方向(鉛直方向)の移動が規制される。なお、突起3bが第1の水平溝(C1)から段差13dを経て第2の水平溝(C2)に入るため、使用者は蓋3の突起3bが第2の水平溝(C2)に入ったことを感じて、蓋3がローラー保持軸13上に載置されたことを確実に認識することができる。
なお、図10に示したローラー保持軸13に蓋3の筒部3cを挿入する場合においても、使用者は、必要な食材および水をドラム2内に投入した後、蓋3を多少回転させながらドラム2の上に載せるように、蓋3の筒部3cをローラー保持軸13に挿入する。このとき、筒部3cの内面3fに形成されている突起3bがローラー保持軸13の蓋保持溝13aの上端部分(A)の大きな開口に入り込む。蓋3の突起3bが蓋保持溝13aの上端部分(A)の大きな開口から入り込んだ後、突起3bは蓋保持溝13aの内部を引力により下方に移動して中間部分(B)を通り下端部分(C)に入り込む。このとき、蓋3の突起3bが蓋保持溝13aの突起13bに接触して乗り越えることにより、突起3bが下端部分(C)の最終位置である所定位置に達し、蓋3がローラー保持軸13上の所定位置に載置されたことを使用者が認識することができる。
上記のように蓋3がドラム2の上方に配置された後、所望の磨り潰し時間を操作部4のタイマーで設定し、磨り潰し動作を開始する。なお、実施の形態1のウエットグラインダーにおいてはタイマーを用いて磨り潰し時間を設定できる構成で説明したが、使用者が磨り潰し状態を確認して磨り潰し動作を停止できるように、単なるオンオフスイッチを用いてもよい。なお、磨り潰し動作中においては、使用者は透明な蓋3を通してドラム2の内部の食材の磨り潰し状態を観察して、必要であれば、蓋3に設けられた補給口3dから水を補給する。このとき、蓋3は回転していないため、水の補給は容易である。
なお、もし食材の磨り潰し状態を直接食材に触って確かめる場合には、蓋3を持ち上げて行うことも可能である。実施の形態1においては、磨り潰し動作中においても蓋3が回転していないため蓋3の持ち上げが容易である。なお、蓋3を持ち上げると、ドラム2の回転が瞬時に停止し、磨り潰し動作を中断するように構成してもよい。このように構成することにより、使用者がドラム2の内部に手を入れても安全な状態となる。
以上のように、本発明に係る実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、ローラーストーン7の側面7aとドラム2の内面2aとの間の領域にローラー固定ワイパー8が設けられている。即ち、ローラー固定ワイパー8は、ドラムストーン6とローラーストーン7との間の磨り潰し位置Gより上流側の上方に設けられている。このため、回転しているドラムストーン6により外周側のドラム2の内面2aに送り込まれた食材は、ローラー固定ワイパー8によりドラム2の内面2aから内周側に案内され、引力により下方に移動する。その結果、ローラー固定ワイパー8により案内された食材は、ドラムストーン6とローラーストーン7との間の磨り潰し位置Gに確実に案内されて効率高く磨り潰される。
実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、ローラー固定ワイパー8が設けられているため、ドラム2の内部の食材に対する粉砕効率が高く、未粉砕の食材がドラム2の内面2aに付着したまま留まることが大幅に低減されている。このため、本発明に係る実施の形態1のウエットグラインダーを用いることにより、使用者に煩雑な作業を行わせることなく、食材の所望の磨り潰し状態を短い時間で達成することができる。
また、実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、ローラー固定ワイパー8が設けられているため、ドラム2の内面2aに食材が未粉砕の状態で留まることが大幅に低減されているため、使用者が蓋3を持ち上げてヘラ等を用いて食材を掻き落とし、移動させるような行為を行うことが大幅に低減される。この結果、実施の形態1のウエットグラインダーの磨り潰し動作中の安全性の高い調理器具となっている。
また、実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、ドラム2を覆う蓋3が磨り潰し動作中においても回転しない構成であるため、蓋を持ち上げてドラム2の内部を確認する場合においても、蓋3の取り外しが容易なものとなっており、使い勝手の向上が図られている。
また、実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、蓋3に鉛直方向に長さを有する筒部3cを形成し、筒部3cの内面3fがローラー保持軸13の外面13cを摺動して挿入される構成を有しているため、蓋3がドラム2の上方の所定の位置に確実に配置される構成を有する。
また、実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、蓋3の筒部3cに突起3bを設け、対応するローラー保持軸13に突起3bが係合して移動する蓋保持溝13aが設けられているため、蓋3が容易に、且つ確実にローラー保持軸13に装着できると共に、容易に、且つ確実にローラー保持軸13から取り外すことが可能となる。
さらに、実施の形態1のウエットグラインダーにおいては、透明な蓋3を通してドラム2の内部の食材の磨り潰し状態を確認しつつ、例えば、必要量の水を蓋3の補給口3dから容易に補給することができる。なお、補給口3dから補給される食材としては、磨り潰す食材等に応じて、液体、粉体等、適宜変更される。
以上のように、本発明のウエットグラインダーは、取り扱いが容易であり、安全性が高く、効率の高い磨り潰し動作を行うことができる信頼性の高い調理器具となる。
以上のように、本発明における技術の例示として、実施の形態1を用いて変形例を合わせて説明したが、本発明における技術は、これらに限定されるものではなく、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った他の実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1において説明した変形例を合わせた構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本発明における技術の例示として、実施の形態1を用いて、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、前述の実施の形態1は、本発明における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本発明は、水に浸した穀物(例えば、米、豆類等)を磨り潰して、各種料理の材料として用いられている食材を提供するウエットグラインダーに適用されるものであり、特に、家庭用の卓上型のウエットグラインダーに適用される。
1 本体
1a 溝部
2 ドラム
3 蓋
3a 把手部
3b 突起
3c 筒部
3d 補給口
4 操作部
5 モータ(電動機)
6 ドラムストーン
7 ローラーストーン
8 ワイパー
8a 樹脂部
8b メタル部
8c 補強部
9 押圧機構
10 駆動機構
11 駆動軸
12 回転軸
13 ローラー保持軸
14 ブレード
15 固定中心軸
16 トップロック
18 ローラー軸

Claims (5)

  1. 電動機を有する本体と、
    前記本体に設けられ、前記電動機からの駆動力により回転する円板状のドラムストーンを底面に有し、食材が投入されるドラムと、
    前記本体に固着された固定中心軸に装着されたローラー保持軸と、
    前記ローラー保持軸により保持され、前記ドラムストーンの上に載置されて前記ドラムストーンの回転に応じて従動回転し、前記ドラムストーンとの間で前記食材の磨り潰し動作を行うローラーストーンと、
    前記ローラーストーンの回転が伝動しないように前記ローラーストーンの回転中心軸に固定され、前記ローラーストーンにおける前記ドラムの内面に対向する側面の延長面と前記ドラムの内面との間の領域に配置されたワイパー面を有するローラー固定ワイパーと、
    を備えたウエットグラインダー。
  2. 前記ローラー固定ワイパーの前記ワイパー面が、前記ローラーストーンにおける前記ドラムの内面に対向する側面の延長面と前記ドラムの内面との交線より前記食材の流動方向において下流側の位置であり、前記ドラムストーンと前記ローラーストーンとの間の磨り潰し位置より前記食材の流動方向において上流側の位置に設けられた請求項1に記載のウエットグラインダー。
  3. 前記ローラー固定ワイパーの前記ワイパー面が、前記ドラムの回転中心軸と平行な軸を含み、且つ前記ローラーストーンの回転中心軸と平行な軸を含む面を有して構成されている請求項1又は2に記載のウエットグラインダー。
  4. 前記ローラー固定ワイパーが、前記ドラムの内面に近接する先端を有する前記ワイパー面を含む樹脂部と、前記ローラーストーンの回転中心軸に固定されるメタル部とを有し、前記樹脂部の樹脂材とメタル部の金属がインサート成形された請求項1から3のいずれか一項に記載のウエットグラインダー。
  5. 前記ローラー固定ワイパーの前記樹脂部が、平面視でL字形状を有しており、前記ローラーストーンの側面に対向する平面を有する第1樹脂部と、前記ローラーストーンの側面に直交する平面を有する第2樹脂部とを有している請求項4に記載のウエットグラインダー。
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