JP2016042643A - 膜厚モニタ用発振回路 - Google Patents

膜厚モニタ用発振回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2016042643A
JP2016042643A JP2014165520A JP2014165520A JP2016042643A JP 2016042643 A JP2016042643 A JP 2016042643A JP 2014165520 A JP2014165520 A JP 2014165520A JP 2014165520 A JP2014165520 A JP 2014165520A JP 2016042643 A JP2016042643 A JP 2016042643A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
oscillation
crystal resonator
frequency
film thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014165520A
Other languages
English (en)
Inventor
伊藤 敦
Atsushi Ito
敦 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Priority to JP2014165520A priority Critical patent/JP2016042643A/ja
Publication of JP2016042643A publication Critical patent/JP2016042643A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

【課題】ATカットおよびSCカットのいずれの水晶振動子に対しても目的とする振動モードで安定に発振させることが可能な膜厚モニタ用発振回路を提供する。【解決手段】本発明の一実施形態に係る膜厚モニタ用発振回路は、発振部401と、ゲイン調整部402とを具備する。発振部401は、増幅回路412を有し、水晶振動子20に電気的に接続される。ゲイン調整部402は、増幅回路412に水晶振動子20と並列的に接続され、増幅回路412の差動入力電圧を調整することが可能に構成される。【選択図】図3

Description

本発明は、水晶振動子の発振周波数の変化に基づいて膜厚を測定する膜厚モニタ用発振回路に関する。
従来、真空蒸着装置などの成膜装置において、基板に成膜される膜の厚みおよび成膜速度を測定するために、水晶振動子を用いた微量な質量変化を計測する方法(QCM:Quartz Crystal Microbalance)という技術が用いられている。この方法は、チャンバ内に配置されている水晶振動子の発振周波数が、蒸着物の堆積による質量の増加によって減少することを利用したものである。したがって、水晶振動子の発振周波数の変化を測定することにより、膜厚および成膜速度を測定することが可能となる。
従来、QCMのセンサには、典型的には、ATカットの水晶振動子が用いられている。ATカットの水晶振動子は、基本波で発振する基本振動モードのほか、基本波よりも高い周波数で発振するツイストモード(スプリアスでのモード)を有する。膜厚モニタは、ATカット水晶振動子を基本振動モードで発振させる。水晶振動子の発振周波数は、その表面に堆積する膜厚の増加に応じて低下するが、膜厚が所定以上大きくなると、水晶振動子の振動モードが基本振動モードからツイストモードに移行する。このような現象が生じると、もはや正常な膜厚測定が不可能となるため、水晶振動子の寿命と判断して、水晶振動子を交換することが一般的である。
水晶振動子の寿命を延ばすため、例えば特許文献1には、水晶振動子と並列に接続された可変インピーダンス回路のインピーダンスを変化させることで、ツイストモードに移行した水晶振動子を再び基本振動モードで発振させることを可能とする膜厚計用発振回路が記載されている。
また、特許文献2には、水晶振動子の発振周波数を調整可能な周波数調整用コンデンサを有するECL(Emitter Coupled Logic)発振回路が記載されている。
一方、マイクロバランスに適用可能な水晶振動子として、ATカット水晶振動子のほか、SCカット水晶振動子が知られている。SCカット水晶振動子は、高周波数側から順にAモード、BモードおよびCモードの3つの基本振動モードを有し、このうちBモードは温度−周波数特性が温度に対して直線性であるという特性を有する。そこで、例えば特許文献3には、SCカット水晶振動子のCモードおよびBモードの周波数をそれぞれ測定し、Bモードの周波数変化による温度情報に基づき、Cモードの周波数変化量から温度変化による変化分を補正して質量変化を測定するSCカット水晶マイクロバランスが開示されている。
特開平8−261743号公報 特開2004−48667号公報 特開2006−189312号公報
SCカット水晶振動子を膜厚モニタに適用する場合、その発振モードにはCモードが用いられる。このため、膜厚モニタ用の発振回路には、SCカット水晶振動子をCモードで選択的に発振させることが要求される。しかしながら、Cモードで発振するSCカット水晶振動子の等価抵抗とAモードで発振するSCカット水晶振動子の等価抵抗とが相互に近接しているため、SCカット水晶振動子をCモードで安定に発振させることが困難であるという問題がある。
なお、特許文献1に記載の発明では、SCカット水晶振動子の振動モードを安定にCモードに復帰させることができるとは限られず、特許文献2に記載の発明では、発振周波数の低下に基づいて膜厚を測定するマイクロバランスへは適用することができない。さらに特許文献3には、Aモードで発振するSCカット水晶振動子をCモードで発振させる方法については開示がない。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ATカットおよびSCカットのいずれの水晶振動子に対しても目的とする振動モードで安定に発振させることが可能な膜厚モニタ用発振回路を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る膜厚モニタ用発振回路は、発振部と、ゲイン調整部とを具備する。
上記発振部は、増幅回路を有し、水晶振動子に電気的に接続される。
上記ゲイン調整部は、上記増幅回路に上記水晶振動子と並列的に接続され、上記増幅回路の差動入力電圧を調整することが可能に構成される。
上記ゲイン調整部は、増幅回路の差動入力電圧を調整することで、増幅回路のゲインを調整する。上記発振回路は、ゲイン調整部による増幅回路のゲイン調整によって、その発振周波数が可変に制御される。したがって、例えば、水晶振動子が目的とする所定の振動モードから他の振動モードへ変化したとき、増幅回路の発振周波数を上記所定の振動モードで発振可能な周波数に調整することによって、水晶振動子を上記所定の振動モードで安定に発振させることが可能となる。
上記所定の振動モードは、水晶振動子の種類によって異なり、典型的には、SCカット水晶振動子の場合にはCモード、ATカット水晶振動子の場合には基本振動モードに相当する。
上記増幅回路は、典型的には、差動増幅回路で構成される。本発明の一実施形態において、上記ゲイン調整部は、可変抵抗素子と、制御部とを有する。上記可変抵抗素子は、上記増幅回路の反転入力端子と非反転入力端子との間に介装される。上記制御部は、上記増幅回路の発振周波数を測定し、上記可変抵抗素子の抵抗値を制御する。
上記可変抵抗素子の抵抗値によって増幅回路の差動入力電圧を調整することができるため、発振部の発振周波数を容易に調整することが可能となる。
本発明の一実施形態では、上記制御部は、上記可変抵抗素子の抵抗値を高抵抗側から低抵抗側へスキャンすることで、上記水晶振動子の有する最も低い発振周波数が得られるゲインに上記増幅回路を調整する。
これにより、SCカット水晶振動子にあってはCモードで発振させることができ、ATカット水晶振動子にあっては基本振動モードで発振させることができる。
以上、本発明によれば、ATカットおよびSCカットのいずれの水晶振動子に対しても目的とする振動モードで安定に発振させることができる。
本発明の一実施形態に係る成膜装置を示す概略断面図である。 上記成膜装置における膜厚モニタの一構成例を示す概略ブロック図である。 上記膜厚モニタにおける発振回路の一構成例を示す回路図である。 上記発振回路におけるゲイン調整部の一構成例を示す回路図である。 水晶振動子が接続されていない状態での上記発振回路の周波数特性の一例を示す図である。 水晶振動子が接続された状態での上記発振回路の周波数特性の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る成膜装置を示す概略断面図である。本実施形態の成膜装置10は、真空蒸着装置として構成される。
成膜装置10は、真空チャンバ11と、真空チャンバ11の内部に配置された蒸着源12と、蒸着源12と対向するステージ13と、真空チャンバ11の内部に配置された膜厚センサ14とを有する。
蒸着源12は、蒸着材料の蒸気(粒子)を発生させることが可能に構成される。本実施形態において、蒸着源12は、電源ユニット18に電気的に接続されており、蒸着材料を加熱蒸発させて蒸着材料粒子を放出させる蒸発源を構成する。蒸発源の種類は特に限定されず、抵抗加熱式、誘導加熱式、電子ビーム加熱式などの種々の方式が適用可能である。蒸発材料は、有機材料、金属材料、金属化合物材料などであってもよい。
ステージ13は、半導体ウエハやガラス基板等の成膜対象である基板Wを、蒸着源12に向けて保持することが可能に構成されている。
膜厚センサ14は、所定の発振周波数(固有振動数)を有する水晶振動子を内蔵し、基板Wに堆積した蒸着膜の膜厚および成膜レートを測定するためのセンサヘッドを構成する。膜厚センサ14は、真空チャンバ11の内部であって、蒸着源12と対向する位置に配置され、典型的には、ステージ13の近傍に配置される。
上記水晶振動子には、例えば、比較的温度特性に優れたSCカット水晶振動子あるいはATカット水晶振動子が用いられる。上記所定の発振周波数は、典型的には5〜6MHzであり、本実施形態では、5MHzである。より具体的に、SCカット水晶振動子(カット角θ=34°11′、φ=21°93′)の場合には、Cモードで発振可能な周波数(5.0MHz)であり、ATカット水晶振動子(カット角θ=35°15′±20′)の場合には、基本振動モードで発振可能な周波数(5.0MHz)である。
膜厚センサ14の出力は、測定ユニット17へ供給される。測定ユニット17は、水晶振動子の発振周波数の変化に基づいて、上記膜厚および成膜レートを測定するとともに、当該成膜レートが所定値となるように電力ユニット18を介して蒸着源12を制御する。膜厚センサ14および測定ユニット17は、本発明に係る「膜厚モニタ」を構成する。
QCMの吸着による周波数変化と質量負荷の関係は、以下の式(1)で示すSauerbreyの式が用いられる。
Figure 2016042643
式(1)において、ΔFsは周波数変化量、Δmは質量変化量、f0は基本周波数、ρQは水晶の密度、μQは水晶のせん断応力、Aは電極面積、Nは定数をそれぞれ示している。
成膜装置10は、シャッタ16をさらに有する。シャッタ16は、蒸着源12とステージ13との間に配置されており、蒸着源12からステージ13および膜厚センサ21に至る蒸着粒子の入射経路を開放あるいは遮蔽することが可能に構成される。
シャッタ16の開閉は、図示しない制御ユニットによって制御される。典型的には、シャッタ16は、蒸着開始時、蒸着源12において蒸着粒子の放出が安定するまで閉塞される。そして、蒸着粒子の放出が安定したとき、シャッタ16は開放される。これにより、蒸着源12からの蒸着粒子がステージ13上の基板Wに到達し、基板Wの成膜処理が開始される。同時に、蒸着源12からの蒸着粒子は、膜厚センサ21へ到達し、周波数測定ユニット23において基板W上の蒸着膜の膜厚およびその成膜レートが監視される。
続いて、測定ユニット17について説明する。
図2は、測定ユニット17の一構成例を示す概略ブロック図である。測定ユニット17は、発振回路41と、測定回路42と、コントローラ43とを有する。
発振回路41は、膜厚センサ14の水晶振動子20を発振させる。測定回路42は、発振回路41から出力される水晶振動子20の発振周波数を測定するためのものである。コントローラ43は、測定回路42を介して水晶振動子20の発振周波数を単位時間毎に取得し、基板W上への蒸着材料粒子の成膜レートおよび基板Wに堆積した蒸着膜の膜厚を算出する。コントローラ43はさらに、成膜レートが所定値となるように蒸着源12を制御する。
測定回路42は、ミキサ回路51と、ローパスフィルタ52と、低周波カウンタ53と、高周波カウンタ54と、基準信号発生回路55とを有する。発振回路41から出力された信号は、高周波カウンタ54に入力され、先ず、発振回路41の発振周波数の概略値が測定される。高周波カウンタ54で測定された発振回路41の発振周波数の概略値は、コントローラ43に出力される。コントローラ43は、測定された概略値に近い周波数の基準周波数(例えば5MHz)で基準信号発生回路55を発振させる。この基準周波数で発振した周波数の信号と、発振回路41から出力される信号とは、ミキサ回路51に入力される。
ミキサ回路51は、入力された2種類の信号を混合し、ローパスフィルタ52を介して低周波カウンタ53に出力する。ここで、発振回路41から入力される信号をcos((ω+α)t)とし、基準信号発生回路から入力される信号をcos(ωt)とすると、ミキサ回路51内でcos(ωt)・cos((ω+α)t)なる式で表される交流信号が生成される。この式は、cos(ωt)とcos((ω+α)t)を乗算した形式になっており、この式で表される交流信号は、cos((2・ω+α)t)で表される高周波成分の信号と、cos(αt)で表される低周波成分の信号の和に等しい。
ミキサ回路51で生成された信号は、ローパスフィルタ52に入力され、高周波成分の信号cos((2・ω+α)t)が除去され、低周波成分の信号cos(αt)だけが低周波カウンタ53に入力される。すなわち、低周波カウンタ53には、発振回路41の信号cos((ω+α)t)と、基準信号発生回路55の信号cos(ωt)との差の周波数の絶対値|α|である低周波成分の信号が入力される。
低周波カウンタ53は、この低周波成分の信号の周波数を測定し、その測定値をコントローラ43へ出力する。コントローラ43は、低周波カウンタ53で測定された周波数と基準信号発生回路55の出力信号の周波数とから、発振回路41が出力する信号の周波数を算出する。具体的には、基準信号発生回路55の出力信号の周波数が、発振回路41の出力信号の周波数よりも小さい場合には、発振回路41の出力信号に低周波成分の信号の周波数を加算し、その逆の場合には減算する。
例えば、高周波カウンタ54による発振回路41の発振周波数の測定値が5MHzを超えており、基準信号発生回路55を5MHzの周波数で発振させた場合には、基準信号発生回路55の発振周波数は、発振回路41の実際の発振周波数よりも低くなる。したがって、実際の発振回路41の発振周波数を求めるためには、低周波カウンタ53で求めた低周波成分の信号の周波数|α|を、基準信号発生回路55の設定周波数5MHzに加算すればよい。低周波成分の周波数|α|が10kHzであれば、発振回路41の正確な発振周波数は5.01MHzとなる。
低周波カウンタ53の分解能には上限があるが、その分解能は、上記差の周波数|α|を測定するために割り当てることができるため、同じ分解能で発振回路41の発振周波数を測定する場合に比べ、正確な周波数測定を行うことができる。
また、基準信号発生回路55の発振周波数はコントローラ43によって制御されており、その発振周波数を、差の周波数|α|が所定値よりも小さくなるように設定することができるため、低周波カウンタ53の分解能を有効に活用することができる。求められた周波数の値は、コントローラ43に記憶される。コントローラ43は、求められた周波数の値から、上記式(1)で示す演算式を用いて、基板W上に堆積した蒸着材料の膜厚および成膜レートを算出する。
コントローラ43は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のコンピュータに用いられるハードウェア要素および必要なソフトウェアにより実現され得る。CPUに代えて、またはこれに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられてもよい。
次に、発振回路41の詳細について説明する。図3は、発振回路41の一構成例を概略的に示す回路図である。
発振回路41は、発振部401と、ゲイン調整部402とを有する。
発振部401は、増幅回路412を有し、膜厚センサ14に内蔵された水晶振動子20に電気的に接続される。増幅回路412は、本実施形態ではECL(Emitter Coupled Logic)発振回路で構成される。
増幅回路412の非反転入力端子は、負荷容量C1および同軸ケーブル411を介して膜厚センサ14の水晶振動子20に接続される。増幅回路412の非反転入力端子および反転入力端子は、ゲイン調整部402の出力端子(OUT+)および出力端子(OUT−)にそれぞれ接続される。増幅回路412の非反転出力端子は、図示しないバッファアンプなどを介して測定回路42に接続される。増幅回路412の非反転出力端子および出力端子はゲイン調整部402の入力端子(Fb+)および入力端子(Fb−)にそれぞれ接続される。抵抗R1,R2はバイアス抵抗、抵抗R3,R4はプルダウン抵抗である。
発振部401の発振周波数は、増幅回路412のゲインによって可変に制御される。発振部401のゲインは、増幅回路412の差動入力電圧(非反転入力端子と反転入力端子間の電位差)によって調整される。増幅回路412の差動入力電圧は、ゲイン調整部402によって可変に制御される。
ゲイン調整部402は、水晶振動子20とは並列的に増幅回路412に接続される。ゲイン調整部402は、増幅回路412の差動入力電圧を調整することが可能に構成される。
図4は、ゲイン調整部402の概略構成図である。
ゲイン調整部402は、第1の入力端子(Fb−)と、第2の入力端子(Fb+)と、第1の出力端子(OUT−)と、第2の出力端子(OUT+)と、可変抵抗素子R5と、制御部421と、発光素子422とを有する。
第1の入力端子(Fb−)は、増幅回路412の反転出力端子に接続され、第2の入力端子(Fb+)は、増幅回路412の非反転出力端子に接続される。第1の出力端子(OUT−)は、増幅回路412の反転入力端子に接続され、第2の出力端子(OUT+)は、増幅回路412の非反転入力端子に接続される。
第1の入力端子(Fb−)は第1の出力端子(OUT−)に、可変抵抗素子R5を介して第2の出力端子(OUT+)に、それぞれ接続される。第1の入力端子(Fb−)と第1および第2の出力端子(OUT−、OUT+)との間には、グランドに接続された容量C2が並列的に接続されている。
可変抵抗素子R5は、第1の出力端子(OUT+)と第2の出力端子(OUT−)との間に介装される。本実施形態において、可変抵抗素子R5は、入射光の強度増加に応じて電気抵抗が低下するCdS(硫化カドミウム)セルや光絶縁型あるいは光伝送型半導体(フォトMOS)などの光の強弱により抵抗値が変化する素子で構成される。
制御部421は、第1の入力端子(Fb−)に入力される増幅回路412の反転出力と、第2の入力端子(Fb+)に入力される増幅回路412の非反転出力とに基づいて、増幅回路412の発振周波数を測定する。制御部421は、発光素子422の発光強度を調整して可変抵抗素子R5の抵抗値を制御することが可能に構成される。
制御部422はさらに、測定ユニット17の外部に設置された表示部50に電気的に接続されており、例えば、発振回路41の発振周波数を表示部50に表示させることが可能に構成される。
発光素子422は、典型的には、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)で構成される。発光素子422は、制御部421に電気的に接続され、制御部421によって発光強度が制御される。発光素子422は、可変抵抗素子R5に近接して配置され、その出射光の強度に応じて、可変抵抗素子R5の抵抗値を変化させる。
発振回路41は、典型的には、成膜装置10の動作を制御するコントローラによって制御される。これに代えて、発振回路41は、測定ユニット17を制御するコントローラ43(図2)によって制御されてもよいし、ゲイン調整部402に設けられた制御部421(図4)によって制御されてもよい。
以上のように構成される発振回路41においては、ゲイン調整部402によって、発振部401の発振周波数が可変に制御される。例えば、図5は、発振回路41に水晶振動子20を接続しない状態における可変抵抗素子R5の抵抗値と発振回路41(発振部401)の発振周波数との関係を示している。
図5に示すように、水晶振動子20が接続されていない状態での発振回路41の発振周波数は、可変抵抗素子R5の抵抗値を20Ωよりも高くするに従い、12MHzから徐々に低下する。要するに、発振回路41の発振周波数は、増幅回路412の差動入力電圧すなわちゲインに対して一定の相関を有し、換言すると、可変抵抗素子R5の抵抗値と容量C2との積で表される時定数の大きさに強く依存する。図示の例では、抵抗値が高抵抗側から低抵抗側へ変化するに従って、発振回路41の発振周波数は徐々に高くなり、抵抗値20Ωで最高周波数に達するが、抵抗値が0に近づくと発振周波数は極度に低下する(発振が止まる)。
一方、図6は、発振回路41に水晶振動子20を接続した状態における可変抵抗素子R5の抵抗値と発振回路41(発振部401)の発振周波数との関係を示している。本例では、水晶振動子20として、SCカット水晶振動子を採用した例を示す。
図6に示すように、水晶振動子20が接続されている状態での発振回路41の発振周波数は、可変抵抗素子R5が高抵抗側から低抵抗側へ変化するに従って、所定の複数の発振周波数で一定に推移する抵抗値の領域を有することが確認された。このうち、最も低い発振周波数(約5MHz)は、SCカット水晶振動子のCモードにおける発振周波数に相当し、その次に低い発振周波数(約5.5MHz)は、SCカット水晶振動子のAモードにおける発振周波数に相当する。
したがって、例えば膜厚センサ14を起動するときは、水晶振動子20が接続されている状態で発振回路41を発振させ、制御部421により可変抵抗素子R5を高抵抗側から低抵抗側へスキャン(スウィープ)する。そして、最も低い発振周波数で一定に推移する抵抗値でスキャンを停止することで、水晶振動子20を目的とするCモードで選択的に発振させることが可能となる。
また、水晶振動子20の表面に堆積する蒸着膜の膜厚の増加によって、水晶振動子20の振動モードがCモードから他の振動モード(例えばBモード(周波数約5.2MHz))へ移行した場合には、制御部421によって可変抵抗素子R5の抵抗値を上述のように高抵抗側から低抵抗側へ再スキャンすることで、水晶振動子20の振動モードを目的とするCモードに復帰させることができる。
以上のように、ゲイン調整部102は、SCカット水晶振動子20をCモードで発振させることができるように増幅回路412の差動入力電圧を調整する。本実施形態によれば、水晶振動子20を目的とする振動モードで安定に発振させることができる。特にSCカット水晶振動子は、Cモードにおける等価抵抗(約117.8Ω)とAモードにおける等価抵抗(約102.5Ω)と近接しており、Cモードを選択的に発振させることが困難であるとされていた。本実施形態によれば、このような水晶振動子においても目的とする振動モードで安定に発振させることができるため、膜厚測定あるいは成膜レートの測定を安定にかつ高精度に実施することが可能となる。
なお、水晶振動子20がATカット水晶振動子の場合には、ゲイン調整部102は、ATカット水晶振動子を基本振動モードで発振させることができるように増幅回路412の差動入力電圧を調整する。ATカット水晶振動子においては、基本振動モード(約5MHz)よりも高周波数側にツイストモードが存在するため、上述と同様に可変抵抗素子R5の高抵抗側から低抵抗側へのスキャンし、最も低い発振周波数で一定に推移する抵抗値でスキャンを停止することによって、目的とする基本振動モードに安定に発振させることができる。また上記操作によって、ツイストモードに移行したATカット水晶振動子を基本振動モードに容易に復帰させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、増幅回路412の差動入力電圧を調整する可変抵抗素子として、抵抗値を光学的に制御可能なフォトレジストで構成されたが、これに限られず、抵抗値を電気的にあるいは機械的に制御可能な電気・電子部品で構成されてもよい。
また以上の実施形態では、成膜装置として、真空蒸着装置を例に挙げて説明したが、これに限られず、スパッタ装置などの他の成膜装置にも本発明は適用可能である。スパッタ装置の場合、蒸着源は、ターゲットを含むスパッタカソードで構成される。
10…成膜装置
11…真空チャンバ
12…蒸着源
13…ステージ
14…膜厚センサ
17…測定ユニット
18…電源ユニット
20…水晶振動子
41…発振回路
401…発振部
402…ゲイン調整部
412…増幅回路
421…制御部
422…発光素子
R5…可変抵抗素子

Claims (5)

  1. 増幅回路を有し、前記水晶振動子に電気的に接続される発振部と、
    前記増幅回路に前記水晶振動子と並列的に接続され、前記増幅回路の差動入力電圧を調整することが可能なゲイン調整部と
    を具備する膜厚モニタ用発振回路。
  2. 請求項1に記載の膜厚モニタ用発振回路であって、
    前記ゲイン調整部は、
    前記増幅回路の反転入力端子と非反転入力端子との間に介装された可変抵抗素子と、
    前記増幅回路の発振周波数を測定し、前記可変抵抗素子の抵抗値を制御する制御部と、を有する
    膜厚モニタ用発振回路。
  3. 請求項2に記載の膜厚モニタ用発振回路であって、
    前記制御部は、前記可変抵抗素子の抵抗値を高抵抗側から低抵抗側へスキャンすることで、前記水晶振動子の有する最も低い発振周波数が得られるゲインに前記増幅回路を調整する
    膜厚モニタ用発振回路。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の膜厚モニタ用発振回路であって、
    前記水晶振動子は、SCカット水晶振動子であり、
    前記ゲイン調整部は、前記SCカット水晶振動子をCモードで発振させることが可能な差動入力電圧に前記増幅回路を調整する
    膜厚モニタ用発振回路。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の膜厚モニタ用発振回路であって、
    前記水晶振動子は、ATカット水晶振動子であり、
    前記ゲイン調整部は、前記ATカット水晶振動子を基本振動モードで発振させることが可能な差動入力電圧に前記増幅回路を調整する
    膜厚モニタ用発振回路。
JP2014165520A 2014-08-15 2014-08-15 膜厚モニタ用発振回路 Pending JP2016042643A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014165520A JP2016042643A (ja) 2014-08-15 2014-08-15 膜厚モニタ用発振回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014165520A JP2016042643A (ja) 2014-08-15 2014-08-15 膜厚モニタ用発振回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016042643A true JP2016042643A (ja) 2016-03-31

Family

ID=55592214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014165520A Pending JP2016042643A (ja) 2014-08-15 2014-08-15 膜厚モニタ用発振回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016042643A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI683089B (zh) * 2016-09-06 2020-01-21 日商愛發科股份有限公司 膜厚感測器

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08261743A (ja) * 1995-03-20 1996-10-11 Ulvac Japan Ltd 圧電結晶発振式膜厚計用発振回路
JP2006189312A (ja) * 2005-01-06 2006-07-20 Epson Toyocom Corp Scカット水晶マイクロバランス
JP2014036293A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Renesas Mobile Corp 半導体集積回路及びそれを備えた無線通信端末

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08261743A (ja) * 1995-03-20 1996-10-11 Ulvac Japan Ltd 圧電結晶発振式膜厚計用発振回路
JP2006189312A (ja) * 2005-01-06 2006-07-20 Epson Toyocom Corp Scカット水晶マイクロバランス
JP2014036293A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Renesas Mobile Corp 半導体集積回路及びそれを備えた無線通信端末

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI683089B (zh) * 2016-09-06 2020-01-21 日商愛發科股份有限公司 膜厚感測器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6078694B2 (ja) 成膜装置、有機膜の膜厚測定方法および有機膜用膜厚センサ
JP5015229B2 (ja) 水晶発振器
JP6328253B2 (ja) 膜厚モニタおよび膜厚測定方法
US8830004B2 (en) Crystal resonator and crystal oscillator
JP6333386B2 (ja) 水晶振動子の交換方法および膜厚モニタ
JPH0468903A (ja) 温度検知機能を有する発振器および水晶発振素子並びに温度検出方法
JP2004304766A (ja) 発振回路およびその調整方法並びにそれを用いた質量測定装置
Mojrzisch et al. Phase-controlled frequency response measurement of a piezoelectric ring at high vibration amplitude
KR102035143B1 (ko) 막 두께 제어 장치, 막 두께 제어 방법 및 성막 장치
US20060176120A1 (en) SC cut crystal microbalance
JP2016042643A (ja) 膜厚モニタ用発振回路
JP6564745B2 (ja) 膜厚センサ
Liu et al. Temperature compensated MEMS oscillator using structural resistance based temperature sensing
Ruyack et al. Characterization of graphene electrodes as piezoresistive SAW transducers
CN115558891B (zh) 传感器装置
CN112688654B (zh) 振动元件以及振荡器
Walter et al. Smart ultrasonic sensors systems: potential of aluminum nitride thin films for the excitation of the ultrasound at high frequencies
US20140041454A1 (en) Piezoelectric resonator, etching amount detecting device, and oscillator
JPS63200028A (ja) 圧電振動子を用いた重量測定法及び装置
KR20230073194A (ko) 압전 공진기, 압전 공진기를 위한 압전 재료, 및 압전 공진기의 제조 방법
JPH02174411A (ja) 水晶膜厚モニタ
Han et al. Suppressing the frequency jump in quartz crystal microbalance
JPH09130143A (ja) 水晶発振器
JP2014064223A (ja) 水晶発振器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180814

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190226