JP2016041813A - 芳香族求核置換によるホスホン酸エステル、ホスホン酸およびスルホン酸のモノマー、オリゴマーおよびポリマーの製造方法 - Google Patents
芳香族求核置換によるホスホン酸エステル、ホスホン酸およびスルホン酸のモノマー、オリゴマーおよびポリマーの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(ペルフルオロ)スルホン酸の単量体、オリゴマー及び重合体を、ハロゲン化された、低-分子量、オリゴマー又は高分子のアレーンと、亜硫酸(水素)塩、亜ジチオン酸塩、硫化物又は他の還元性硫黄の塩とを反応させることによって、できるだけイオウ酸化度+6未満で、適切な酸化剤を使って、対応するスルホン酸官能基(スルホン酸、スルホハロゲン化物、スルホンアミド及びスルホン酸エステルの基)の形成と共に形成されるイオウ-含有アレーン中間体を酸化することによって製造する方法。また、ホスホン酸エステルそしてそれらの誘導体の単量体、オリゴマー及び重合体を、求核試薬の芳香族置換、ハロゲン化物の官能基のリン酸塩官能基による完全な又は部分的な置換によって製造する方法。
【選択図】なし
Description
個のグループに分けられる(非特許文献1):
i)既存のポリマーを後からスルホン化する:
文献に記載された方法では、芳香族求電子置換反応(SEAr)が常に用いられる。典
型的なスルホン化試薬としては、この場合、濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、三酸
化硫黄およびこれらの複合体化合物(例えば三酸化硫黄−ピリジン、三酸化硫黄−リン酸
トリエチル複合体など)が挙げられる。代替のスルホン化経路としては、ポリスルホンを
例として、Kerres et al.に記載される(非特許文献2,3,4)。これによれば、ポリ
マーを最初にリチウム化し、次の段階で二酸化硫黄求電子剤によって変換し、最後に、得
られたスルフィン酸ポリマーを酸化する。リチウム化したポリマーをスルフリルクロライ
ドSO2Cl2によってスルホクロライドのポリマーに変換でき、続いてスルホクロライ
ド基を水性溶媒中でスルホン酸基に加水分解する(非特許文献5)。
ii)スルホン化したポリマーを直接重合する(統計的な共重合体):
共重合するために投入するモノマーは同様に上述の方法によってスルホン化し、特に濃
硫酸または発煙硫酸をスルホン化試薬として投入する(非特許文献6,7)。
ここ数年、ポリアリルエーテルのホスホン化に対する関心は年々高まってきた。ホスホ
ン酸をポリマー鎖に共有結合することはしかし、合成上難しく、今までに僅かなポリマー
でのみ実現されている(非特許文献8)。いくつかの例を以下に記載する。ポリ(ホスフ
ァゼン)主鎖のホスホン化は、Allcock et.alがリチウム化およびそれに続くクロロホス
ホン酸エステルの変換によって成功させた(非特許文献9)。同様にAllcock et.alによ
って、亜リン酸ジメチルナトリウムおよび亜リン酸ジブチルナトリウムを含むポリ(ホス
ファゼン)における、求核置換(ミヒャエリス−ベッカー反応)によるベンジル側鎖のホ
スホン化が記載されている。ホスホン化したポリアリルエーテルを得る他の合成経路とし
てはパラジウム触媒によるホスホン化がある(非特許文献10、特許文献1)。低分子化
合物の領域では、ミヒャエリス−ベッカー反応を芳香族(フッ素化)ホスホン酸エステル
の製造にも用いる(非特許文献11)。この芳香族(フッ素化)ホスホン酸エステルは様
々な低分子のフルオロ芳香族(ペンタフルオロベンゾニトリル、オクタフルオロトルエン
、ヘキサフルオロベンゾール、ペンタフルオロベンゾール、ペンタフルオロニトロベンゾ
ール、ペンタフルオロアニゾール)から出発し、収量は約10−65%である。部分フッ
素化したポリマーに関してはこの反応は、我々の知る限り記載されたことがない。
芳香族系に(CF2)XPO(OR)2側鎖(x=1−20、R=任意の有機部分)を
導入する他の方法は、医化学または薬化学においてすでに確立されており、ハロゲン芳香
族(多くヨウ素芳香族または臭素芳香族)とX(CF2)XPO(OR)2(X=ハロゲ
ン、多くの場合臭素またはヨウ素、R=任意の有機部分)との、Zn粉末およびCuBr
の存在下における、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)中での反応による(非特
許文献12,13)。部分および過フッ素化した、一般化学式R−CF2X(R=非、部
分または過フッ素化した芳香族、X=Br,I)を有する低分子の芳香族を、非特許文献
14および非特許文献15に記載の方法(スルフィナートのハロゲン化およびそれに続く
酸化)によって化学式R−CF2SO2Y(Y=Cl,OH,OMe,Me=任意のカチ
オン)の化合物に転移できる。上述の反応は、これまで我々の知る限りではポリマーに関
しては記載されていない。
酸もしくは、スルホン酸またはホスホン酸誘導体のモノマー、オリゴマーおよびポリマー
を得ることにある。スルホン酸またはホスホン酸のモノマーを製造するためには部分また
は過ハロゲン化した(特に部分または過フッ素化した)芳香族から出発し、一方でスルホ
ン酸またはホスホン酸のオリゴマーおよびポリマーを製造するためには、例として部分ま
たは過ハロゲン化した(特に部分または過フッ素化した)ポリ(アリル)エーテルが記載
されている。この方法は、驚くべきことに他の適した部分および過ハロゲン化した(特に
部分または過フッ素化した)ポリマーにも用いることができる。上述のスルホン酸の製造
のための求核試薬としては、亜硫酸金属、亜硫酸水素金属、亜ジチオン酸金属または硫化
金属を使用する。亜ジチオン酸金属もしくは亜ジチオン酸水素金属または亜硫酸金属、も
しくは亜硫酸水素による、ハロゲン化アレーンのハロゲン配位における芳香族求核置換反
応では、硫黄の酸化数が+6以下である硫黄性の官能基が生ずるため、本発明によれば、
これらの官能基をハロゲン分子(臭素、ヨウ素、塩素)、次亜塩素酸金属、過マンガン酸
カリウム、過酸化水素または他の適した酸化剤を用いることにより、酸化数を上げて適切
な必要とするスルホン酸官能基とする。
チルナトリウム、亜リン酸フェニルナトリウム、亜リン酸ジブチルナトリウム)を、−9
3℃〜+200℃の反応温度において求核試薬として用いる。両方の場合において、離核
性の基はCSP2結合したハロゲン(特にフッ素)とする。さらに、官能基性の非、部分
、または過フッ素化した共重合体(代替の、統計に基づくブロックおよびグラフト共重合
体)を、上述の方法によって部分または過フッ素化した、適するジフェノール、ジチオフ
ェノールまたはその他の適切なモノマー(例えばシリルエーテルまたはカルバモイル保護
基などのジフェノールの誘導体も(非特許文献16,17)を含む低分子のスルホン酸お
よび/またはホスホン酸(もしくは、これらの誘導体)を投入して求核性の重縮合によっ
て製造することは、本発明の構成要素である。この重縮合には、最も多く用いられる方法
(塩基として炭酸カリウム、非プロトン性極性の溶媒、比較的高い温度:80−200℃
、場合によっては水の投入下において引張するベンゾール、トルエンまたはキシロールな
どの有機溶媒)の他にも、利点(ポリマーの樹状分岐および架橋結合を回避する)を有す
るように修正した、温和な条件下で実行できる方法も適用できる。ここでは特に、Robert
son.et.alが記載した、比較的温和な温度において分子ふるいを投入することで生じた反
応水を吸収する方法(非特許文献18)および上述した、塩基として水素化カルシウムと
、触媒としてフッ化セシウムを用いてDMAc/ベンゾールまたはプロピレンカーボネー
ト中での方法(非特許文献19、特許文献2)が挙げられる。
した)芳香族を、亜硫酸または亜硫酸水素、もしくは、例えば亜ジチオン酸塩/亜ジチオ
ン酸水素または硫化物/硫化水素など他の硫酸塩により芳香族求核置換によって反応でき
、その際に、場合によっては酸化段階の後で適したスルホン酸またはその塩を生ずること
が発見された。
鎖ポリマーを、亜硫酸金属または亜硫酸水素ナトリウムを芳香族求核置換のために反応さ
せることができ、その際スルホン酸のポリマーまたはその塩を生ずることがさらに発見さ
れた。
塩(図3)(ミヒャエリス−ベッカー反応によって生ずるホスホン酸エステルを、HBr
または他の適する加水分解試薬で加水分解することにより遊離ホスホン酸を得られる)に
変換できることは、上述したとおり(非特許文献11)いくつかの低分子芳香族において
既知である。驚くべきことに、亜リン酸金属を含む部分および過ハロゲン化したオリゴま
たはポリアリル(ポリアリルエーテル、ポリアリルチオエーテル、ポリアリルスルホキシ
ド、ポリアリルスルホンおよびこれらの共重合体)(図4参照)をミヒャエリス−ベッカ
ー反応によって−93℃〜+200℃の反応温度において変換できることが分かった。
ことが驚くべきことに分かった(図5)。
5、図16、図17、図18、図19、図20、図21、図22、図23、図24、図2
5)には、亜リン酸金属、亜硫酸金属または、例えば亜ジチオン酸ナトリウムなど他の金
属硫黄化合物による求核置換反応に適した、本発明の部分ハロゲン化した、特に部分フッ
素化したアリルポリマーを示す。
図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14、図15、図16
、図17、図18、図19、図20、図21、図22、図23、図24、図25の図に示
した繰り返しユニットを含む統計的な共重合体およびブロック共重合体は、本発明の亜リ
ン酸金属、亜硫酸金属または、例えば亜ジチオン酸ナトリウムなど他の金属硫黄化合物に
よる求核置換反応に適することが驚くべきことに示された。
さらに驚くべきことに、非塩状の亜リン酸化合物もまた芳香族求核置換反応に適してい
る。これにより、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)および他の任意のシリル亜リン酸
により芳香族に結合したハロゲン原子を、ホスホン酸配位によって求核置換できる(図2
6)。
さらに、過フッ素化した側鎖によって修飾したポリマー、特にアリル主鎖ポリマーが亜
リン酸、亜硫酸金属または、例えば亜ジチオン酸ナトリウムなど他の金属硫黄化合物によ
る求核置換反応に適することが驚くべきことに示された。この際、これらの過フッ素化芳
香族を側鎖として有するポリマーを、驚くべきことに、例えば適する過フッ素化芳香族(
図式は図27参照)を有するリチウム化ポリマーによって製造できる。これまで文献には
、低分子の、スルホンによって安定化したカルバニオンの反応と、部分または過フッ素化
した芳香族との反応のみが記載されている(特許文献22)。このポリマーをリチウム化ポ
リマーから製造するには、例えば臭化したPPSU Radel Rと過フッ素化した芳
香族ベンゾールを図27に示す。リチウム化ポリマーとの反応に適切な部分または過フッ
素化した芳香族を図28に示す。
から得られたスルホン酸化ポリスルホン
ポリスルホンを背景技術に従って硬化し、二酸化硫黄によってスルフィン酸のポリマー
に変換する。スルフィン酸基はポリスルホンのスルホン酸基に対してオルト位置にある。
スルフィン酸リチウム塩ポリマーを濾過し、低温において真空乾燥する。次の反応のため
に、ポリマーの反復単位当たり1.5スルフィン酸リチウム基を有するポリスルホンを使
用する。10グラムのデカフルオロビフェニルを50グラムのNMPと室温で混合する。
10グラムの、反復単位当たり1.5スルフィン酸基を有するスルフィン酸ポリマーを9
0グラムのNMPに溶解する。デカフルオロビフェニルとNMPの混合物をしっかりと攪
拌し(攪拌速度は300回転/分)、スルフィン酸ポリマーをゆっくりと(1ml/分)
滴下漏斗によって添加する。混合物をさらに攪拌した後、ゆっくりと(加熱率は1℃/分
)120℃まで加熱する。120℃の温度を10時間保つ。その後、10℃まで冷却し、
混合物に500mlの十分に冷却した(T=10℃において)水和亜硫酸ナトリウム溶液
を加える。その後、逆流下において110℃まで加熱し、10時間この温度を維持する。
冷却後、生成物を回転蒸発器によって真空蒸発させる。得られた生成物を1lの水と混合
し、透析ホースに入れて透析し、脱塩水とする(高分子のための透析膜の除去サイズを3
000ダルトンとする)。これにより、小さな分子をスルホン化した(スルホン酸塩が得
られる)ポリマーから分離できる。透析ホースの残留物を蒸発させた後に、スルホン化し
たポリマーをナトリウム塩形態で得られる。
カー反応(XFS001Aの合成)
リウムを40mlの無水THFに溶解した溶液に、0℃において保護ガス下で21.38
07g(21.63mmol)の亜リン酸ジメチルを(40mlの無水THFに)ゆっく
りと滴下する。水素の発生が終了すると、反応溶液を室温まで温め、6.8180g(1
0.815mmol)の、無水THF80mlに溶解したPFS001Bを(約20分間
)滴下して加える(THFに溶解したPFS001B:黄色がかっている;亜リン酸ジメ
チルナトリウムの滴下の際に反応溶液はピンク色/オレンジ色となる)。反応混合物を一
晩中RTによって攪拌し、さらに3時間、65℃まで加熱する(この後で、溶液は黄色を
呈し、均一に分散した固体−フッ化ナトリウム?−が出現し、これは濾過できなかった)
。次に、溶液を回転蒸発器において濃縮する。残余物を約300mlの塩化メチレンによ
って吸収することを試みる(水で洗い流し、生じたNAFを除去するために)。しかし、
黄色がかった(塩状ではない)残余物が残る。沈殿物を濾過分離し、約200mlの水に
懸濁し透析する(XFS001A,CH2Cl2不溶性の留分XFS001A−UF)。
CH2Cl2濾液を新たに濃縮し、残余物を同様に200mlの水に再懸濁し、透析する
(XFS001A,CH2Cl2不溶性の留分=XFS001A−LF)。
A.元素分析(XFS001A−UF):
実験式:C31H20O8F12P2(2ホスホン酸基、M=810.14gmol−1
)
実験式:C29H14O5F13P(1ホスホン酸基、M=720.37gmol−1)
実験式:C31H20O8F12P2(2ホスホン酸基)
実験式:C29H14O5F13P(1ホスホン酸基、M=689.40gmol−1)
ー反応(XFS001Dの合成)
註:使用したTHF(フィッシャー)は、計測したNaHにさらにTHFを加えると多かれ
少なかれはっきりと水素合成が起こったことから、高いH2O濃度を有すると考えられる
。このため、ポリマーPFS001Dの量を実際に計測した量とは見込まない(実際に4
倍の過剰量の原因がNaPO(OEt)2であることを確実にするため)。
PFS001Dに基づいて4eq NaPO(OMt)2
リウムを80mlの無水THFに溶解し、0℃で保護ガス下において6.6489g(4
8.15mmol)の亜リン酸ジメチルを(80mlの無水THFに)ゆっくりと滴下す
る。水素の発生が終了すると、反応溶液を室温まで温め、6.8180g(10.815
mmol)の、無水THF80mlに溶解したPFS001Dを(約20分間)滴下して
加える(THFに溶解したPFS001D:黄色がかっている;亜リン酸ジメチルナトリ
ウムの滴下の際には反応溶液はピンク色/オレンジ色となる)。反応混合物を72時間R
Tによって攪拌し、さらに6時間、65℃まで加熱する。次に、溶液を回転蒸発器によっ
て濃縮する。残余物を約300mlの水によって吸収し、透析する。溶媒を蒸発させた後
、ポリマーを60℃で真空乾燥庫において乾燥する(一晩中)。
特性解析(XFS001D):
A.元素分析
実験式:C31H18O5F13P(RU当り1PO(OEt)2基、M=748.42
gmol−1)
実験式:C35H28O8F12P2(RU当り2PO(OEt)2基、M=866.5
2gmol−1)
実験式:C39H38O11F11P3(RU当り3PO(OEt)2基、M=984.
62gmol−1)
実験式:C43H48O14F10P4(RU当り4PO(OEt)2基、M=1102
.71gmol−1)
図31参照
比較スペクトルPFS001D 図32参照
基準: TMS
δ[ppm](200.13MHz): 7.06(d,J=8.51Hz,1H,3H,
6H8H,4H)
7.42(d,J=8.72Hz,2H,4H,
5H7H,4H)
C.13C−NMR 図33参照。
D.19F−NMR 図34参照。
19F−NMR比較スペクトルPFS001D 図35参照。
遊離物PFS001のFTIR−スペクトルを図36に示す。
図37には反応産物XFS001Dおよび加水分解した生成物(遊離ホスホン酸基)X
FX01D−HのIR−スペクトルを示す。
図38には、比較のためにPFS001,XFS001DおよびXFS001D−H(
遊離ホスホン酸基)のIR−スペクトルを示す。
2983−2912cm−1のバンド(赤いカーブはXFS001D−H)はホスホン
酸基のO−H伸縮振動の可能性がある。1394cm−1において同様に新たに生じたピ
ークは、確実に分類することができない。文献 (Hesse,Meier,Zeeh) によれば、ホスホン
酸のP=O−伸縮振動は1240−1180cm−1に位置する。エステル形態(緑色の
カーブ)においてもこのような振動は見られるはずである(置換パターンが異なるためお
そらく少しずれている、ただしピークは比較的大きくずれていなければならない)。
3.50gのXFS001Dを80mlの48%臭化水素酸に懸濁し、16時間100
℃まで加熱する。反応溶液を約800mlの水で希釈し、沈殿物を濾過する。水に再懸濁
した沈殿物を5日間透析する。次に、ポリマーを80℃において循環空気乾燥庫で乾燥す
る(ホスホン酸の濃縮を回避するため乾燥温度<110℃とする)。
収量(透析後):
2.507g
A.元素分析
実験式:C27H10O5F13P(RU当り1PO(OH)2基、M=692.32gmol
−1)
実験式:C27H12O8F12P2(RU当り2PO(OH)2基、M=754.31
gmol−1)
材料:
22.1g PSU Udel P 1800(0.05mol)乾燥
800ml 無水THF
10ml n−BuLi 10N(0.1mol)
28.4ml=47.2gオクタフルオロトルエン(0.2mol,MW=236g/m
ol)
保護ガス下においてTHFを反応容器に満たす。その後、反応容器にアルゴンで攪拌お
よび強く洗浄しながら乾燥させたポリマーを入れる。ポリマーが溶解すると、強いアルゴ
ン風下において−50℃まで冷却する(可能な限り)。次に、反応混合物がもはや無水で
あることを示す薄い黄色/オレンジ色を呈するまで、ポリマー溶液を注意深く2.5Nの
n−BuLiによって滴定する。10分以内に10Nのn−BuLiを添加する。最低で
も2時間攪拌する。反応混合物の色がどのように変化するか待つ。色が変化しない場合は
、一晩−30℃まで温める。反応混合物が無色になるまで、最高で一晩中−30℃で攪拌
する。
まである)。20mlのメタノールを反応混合物が無色にするまで添加する。その後、室
温まで温める。
投入したポリマーを新たに濾過し、乾燥させて800mlのMeOH中で攪拌する。そ
の後、新たに濾過し、再び400mlのMeOHに浮遊させて攪拌および濾過し、50℃
で真空乾燥する。乾燥させたポリマーをNMPに溶解することを試みる(溶解する場合、
膜形成特性を確定できる)。変更したPSUの置換温度を1H/13C−NMRおよび元
素分析(C,H,S)によって決定する。
収量:35.4g(理論上の収量43.73gの81%〜〜)
元素分析
2基として算定
C41H20F14O4S
874.64
874.085876
C 56.30% H2.30% F30.41% O7.32% S3.67%
K51の13C−NMRスペクトルを図40に示す。反応生成物AK51の19F−NMRス
ペクトルを図41に示す。
材料:
11.05g PSU Udel P 1800(0.025mol)乾燥させた800
ml無水THF
5ml n−BuLi 10N(0.05mol)
11.54mol=18.6gヘキサフルオロベンゾール(0.1mol,MW=186
.056g/mol)
保護ガス下においてTHFを反応容器に満たす。その後、反応容器にアルゴンで攪拌お
よび強く洗浄しながら乾燥させたポリマーを入れる。ポリマーが溶解すると、強いアルゴ
ン風下において−50℃まで冷却する(可能な限り)。次に、反応混合物がもはや無水で
あることを示す薄い黄色/オレンジ色染色が出現するまでポリマー溶液を注意深く2.5
Nn−BuLiによって滴定する。10分以内に10N n−BuLiを添加する。最低
でも2時間攪拌する。その後、ヘキサフルオロベンゾールを添加する。反応混合物の色が
どのように変化するか待つ。色が変化しない場合は、一晩中−30℃まで温める(19F
−NMR A 1179aの受容:CHCl3に不溶、DMSOに僅かに溶性)。反応混
合物が無色になるまで、最高で一晩中−30℃において攪拌する。
A 1179bの受容:CHCl3に不溶、DMSOに中程度溶性)。20mlのメタノ
ールを反応混合物が無色になるまで添加する。その後、室温まで温める。
メタノールによってフリット上で濾過および後洗浄する。
ることを試みる。変更したPSUの置換温度は1H/13C/19F−NMRおよび元素
分析(C,H,S,F)によって決定する。
ポリマーはNMP中では溶けにくく、完全に溶解するには12時間要する!!!
収量:16.8g(理論上の収量19.37gの86.7%)
元素分析 1179a(−30℃)
2基として算定する
C39H20F10O4S
774.62
774.092263
C 60.47% H2.60% F24.53% O8.26% S4.14%
2基として算定する
C39H20F10O4S
774.62
774.092263
C 60.47% H2.60% F24.53% O8.26% S4.14%
ヘキサフルオロベンゾールとリチウム化したPSUとの反応が弱まったことがはっきりと
分かる。おおよその積分比が2:2:1(2オルト−F:2メタ−F:1パラ−F)であ
る3個のピークが見られる。図43には溶媒CDCl3中の反応生成物A1179の19
F−NMRスペクトルを示す。反応生成物がCDCl3に非常に溶けにくいことが分かる
。
ン酸ナトリウム(A1184)との反応
材料:
5g 1.59基を有するA1179(M=774.62g/mol,6.45mmol
)、100mlのTHFに溶解/懸濁した1.78g ジエチル亜リン酸(M=138.
10g/mol,12.9mmol)、20mlのTHFに溶解した。
Sdp=2mmHgにおいて50−51℃、密度:1.072g/cm3、屈折指数:1
.407
0.31g 水素化ナトリウム(M=24.0g/mol,12.9mmol)、20m
lのTHFに溶解した。
反応式:図44参照
実行:
保護ガス下において0℃で、1.78g(12.9mmol)の、無水THF20ml
に溶解したジエチル亜リン酸を250mlの三つ口フラスコに入れる。この三つ口フラス
コには0.31g(12.9mmol)の、THF20mlに溶解したNaHを入れてあ
る。水素が発生しなくなると(約30分)溶液をRTにおいて温め、20分間、THL10
0mlに溶解した化合物1を滴下漏斗によって滴定する。混合物を6時間、65℃におい
て攪拌し、次に反応溶液を20mlのMeOhによって加水分解して回転蒸発器において
THFを除去してdestによってとる。水を加え(懸濁)48時間透析する(水の交換3回)。
大きな磁器製容器に入れて水をオーブンで80℃において蒸発させ、次に真空オーブンで
80℃においてさらに後乾燥させる。
生成物からは以下の分析が得られる:1H−,19F−,13C−NMR、元素分析(C
,H,F,P)
収量:4.5g〜6.52g(理論上の収量の69.1%)
1H,13C,19F,31P−NMR:DMSO中でA1184Dは中程度に溶解する
CDCl3中でA1184Cは溶解しにくい
産物がCDCl3に溶解しにくいため、シグナルは非常に弱い。図46にはDMSO中の
反応産物A1184の19F−NMRスペクトルを示す。DMSO中の反応産物A117
9の19F−NMRスペクトル(図43)と比較すると、1個のシグナルが消えたことが分
かり、これは、パラ−Fのジエチル亜リン酸ナトリウムとの反応が弱まったこと(置換し
たこと)および、これにより必要とする置換反応が起こったことを示す。図47にはDM
SO中の反応産物A1184の1H−NMRスペクトルを示し、図48にはCDCl3中
の反応産物A1184の1H−NMRスペクトルを示す。図49にはDMSO中の反応産
物A1184の13C−NMRスペクトルを示し、図50にはDMSO中の反応産物A1
184の13C−NMRスペクトルを示す。図51ではホスホン酸塩Pと隣接したFとの
結合がはっきりと見られる。
1基として算定する
C37H31F4O7PS
726.67
726.146426
C 61.16% H4.30% F10.46% O15.41% P4.26%
S4.41%
C47H40F8O10P2S
1010.82
1010.168972
C 55.85% H3.99% F15.04% O15.83% P6.13%
S3.17%
5.53g PSU UdelP1800(0.0125mol)乾燥させた800ml
無水THF
2.5ml n−BuLi10N(0.025mol)
16.7g デカフルオロビフェニル(0.1mol,MW=334.11g/mol)
反応式:図52参照
実行:
保護ガス下においてTHFを反応容器に満たす。その後、反応容器にアルゴンで攪拌お
よび強く洗浄しながら、乾燥させたポリマーを入れる。ポリマーが溶解すると、強いアル
ゴン風下において−60℃まで冷却する。次に、反応混合物がもはや無水であることを示
す薄い黄色/オレンジ色染色が出現するまで、ポリマー溶液を注意深く2.5N n−B
uLiによって滴定する。10分以内に10N n−BuLiを添加する。最低でも2時
間攪拌する。その後、デカフルオロビフェニルを添加すると(THF100mlに溶解し
てある、滴下漏斗によって添加)、色はすぐに黒に変化する。−55℃において15時間
反応させた後は色が明るい灰色に変化/明色化し、反応は中断して加水分解が起こる。こ
こで20mlのMeOHを反応混合物が無色になるまで添加する。その後、室温まで温め
る。
せて混合物を透析する。その後、水を50℃において蒸発させ、ポリマーを50℃で真空
乾燥する。乾燥したポリマーをNMPに溶解することを試みる。変更したPSUの置換温
度は1H/13C/19F−NMRおよび元素分析(C,H,S,F)によって決定する
。
溶解性: アセトニトリルに不溶
CHCl3に難溶 A1180(NMR)
CH2Cl2中でゲル化
D2Oに不溶
アセトンに不溶
DMSOに中程度可溶 A1180D(NMR)
2基として算定する
C51H20F20O4S
1108.74
1108.076296
C 55.25% H1.82% F34.27% O5.77% S2.89%
54にはDMSO中の反応生成物A1180の1H−NMRスペクトルを示す。図55に
はCDCl3中の反応生成物A1180の13C−NMRスペクトルを示し、図56には
CDCl3中の反応生成物A1180の19F−NMRスペクトルを示し、図57にはD
MSO中の反応生成物A1180の19F−NMRスペクトルを示す。
材料:
5.53g 乾燥させたPSU Udel P1800(0.0125mol)800m
l 無水THF
2.5ml n−BuLi 10N(0.025mol)
8.45g=5.3ml ペンタフルオロピリジン(0.05mol,MW=169.0
5g/mol)
反応式:図58参照
実行:
保護ガス下でTHFを反応容器に満たす。次に、反応容器にアルゴンで攪拌および強く
洗浄しながら、乾燥させたポリマーを入れる。ポリマーが溶解したら、強いアルゴン風下
において−60℃まで冷却する。次に、反応混合物がもはや無水であることを示す薄い黄
色/オレンジ色が出現するまで、ポリマー溶液を注意深く2.5N n−BuLiによっ
て滴定する。10分以内に10N n−BuLiを添加する。2時間攪拌する。その後、
ペンタフルオロピリジンを滴下漏斗によって滴下する(THF100mlに溶解させて)
。反応混合物の色がどのように変化するか観察する(反応時間:4時間、温度:−60℃)
。色が変化しない場合は、96時間以上−55℃において反応させる。色は暗赤色/暗橙
色から明るい橙色に変化する。
ポリマーを2lのMeOHに投入し、濾過し、0.5lのMeOHで抽出してメタノー
ルによってフリット上で濾過および後洗浄する。
投入したポリマーを60℃で真空乾燥する。乾燥したポリマーをNMPに溶解すること
を試みる。変更したPSUの置換温度は1H/13C/19F−NMRおよび元素分析(
C,H,S,F)によって決定する。
溶解性: アセトニトリルに不溶
CHCl3に難溶
CH2Cl2中でゲル化
D2Oに不溶
アセトンに不溶
DMSOに中程度可溶
1H,13C−NMR: DMSO中のA1181D
CDCl3中のA1181C
0にはCDCl3中の反応産物A1181の13C−NMRスペクトルを示す。図61に
はCDCl3中の反応産物A1181の19F−NMRスペクトルを示し、図62にはD
MSO中の反応産物A1181の19F−NMRスペクトルを示す。
2基として算定する
C37H20F10N2O4S
778.62
778.098411
C 57.08% H2.59% F24.40% N3.60% O8.22% S4
.12%
Claims (9)
- 非フッ素化、部分フッ素化または過フッ素化した(特に非、部分、または過フッ素化し
た)、芳香族スルホン酸またはホスホン酸(またはこれらの誘導体)のモノマー、オリゴ
マー、およびポリマーであって、ポリマーの部分または過フッ素化した基を、ポリマーの
主鎖だけでなく側鎖にも備えることができる該モノマー、オリゴマー、およびポリマーに
おいて、硫黄またはリン求核試薬による芳香族求核置換によって得られることを特徴とす
るモノマー、オリゴマー、およびポリマー。 - 請求項1記載のモノマー、オリゴマー、およびポリマーにおいて、反応性の高いハロゲ
ン芳香族(特にフルオロ芳香族)において幅広い置換パターンを有し、これにより即時に
プロトン伝導基を保持することができ(図1および図3参照)、投入可能なハロゲン化し
たモノマーとしてはビス(ペンタフルオロフェニル)スルホン、ビス(ペンタフルオロフ
ェニル)スルフィド、デカフルオロビフェニル、4,4‘−ジフルオロビフェニル、デカ
フルオロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、ビス(4−フルオロフ
ェニル)フェニルホスフィンオキシド、デカフルオロジフェニルスルフィド、ヘキサフル
オロベンゾール、ペンタフルオロベンゾール、様々に置換したジ、トリおよびテトラフル
オロベンゾール、オクタフルオロトルエン、2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−
オクタフルオロビフェニル、ペンタフルオロピリジン、様々に置換したジ−、トリ−およ
びテトラフルオロピリジン(例えば2,3,5,6−テトラフルオロピリジン、2,6−
ジフルオロピリジン、3,5−ジフルオロピリジン、2,5−ジフルオロピリジン、2,
4−ジフルオロピリジン、2,4,6−トリフルオロピリジン)、様々なトリアジン(例
えば2,4,6−トリフルオロ−1,3,5−トリアジン、3,5,6−トリフルオロ−
1,2,4−トリアジン、3,6−ジフルオロー1,2,4−トリアジン)、ピリミジン
(例えば2,4,6−トリフルオロピリミジン)、ピリダジン(例えば3,6−ジフルオ
ロピリダジン、3,4,5,6−テトラフルオロピリダジン)、ピラジン(例えば2,6
−ジフルオロピラジン、2,3,5,6−テトラフルオロピラジン)、キノリン(例えばヘ
プタフルオロキノリン)、イソキノリン(例えばヘプタフルオロイソキノリン、)キノキ
サリン(例えばヘキサフルオロキノキサリン)、キナゾリン(例えばヘキサフルオロキナ
ゾリン)並びに非、部分、または過フッ素化したイミダゾールおよびベンズイミダゾール
など、ジハロゲン化したヘテロアリル化合物、ペンタフルオロベンゾールスルホン酸また
はそれらの塩、ペンタフルオロベンゾールホスホン酸またはその塩が適するものとし、ジ
フェノールとしてはあらゆる可能なジフェノールを投入可能であり、特に以下のジフェノ
ール:ビスフェノールA(4,4‘−(イソプロピリデン)−ジフェノール)、ビスフェノ
ールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
チオエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4’−(ヘキサフルオロ
イソプロピリデン)−ジフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィ
ンオキシドおよびフェノールフタレインが適するものとし、モノマーを任意で、例えばホ
モポリマー、統計的な共重合体またはブロック共重合体などのポリマーに化合できるもの
としたモノマー、オリゴマーおよびポリマー。 - 請求項1記載のオリゴマーおよびポリマーにおいて、反応性の高いハロゲン芳香族(特
にフルオロ芳香族)において幅広い置換パターンを有し、かつプロトン伝導基を保持でき
るものとし(図2および図4参照)、CSP2結合したハロゲン(特にフッ素)を有する全て
のポリマーが適するものとし、このための適するポリマーの選択肢を例えば図6、図7、
図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図1
8、図19、図20、図21、図22、図23、図24、図25に示したオリゴマーおよ
びポリマー。 - 請求項1〜3に記載のモノマー、オリゴマー、およびポリマーの製造方法において、溶
媒として、遊離物の置換パターンにそれぞれ従って、プロトン性溶媒または極性非プロト
ン性溶媒および水(スルホンの場合のみ)、THF、ジエチルエーテル、ジオキサン、グリ
ム、ジグリム、トリグリム、DMAc、DMF、NMP、スルホラン、プロピレンカーボ
ネート、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾール、トルエン、キシロールな
どの非プロトン性溶媒およびこれらの任意の混合物を互いに使用できるものとした方法。 - 請求項1〜4に記載のモノマー、オリゴマー、およびポリマーの製造方法において、溶
媒および遊離物の反応性によって反応温度を−93℃から+200℃とし、反応を保護ガ
ス(アルゴン、窒素)下または保護ガス無しでの環境で実行できるものとした方法。 - 請求項1〜5に記載のモノマー、オリゴマー、およびポリマーの製造方法において、反
応性求核試薬として亜硫酸金属または亜硫酸水素金属(例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム)、もしくは亜リン酸金属(例え
ば亜リン酸ジメチルナトリウム、亜リン酸ジエチルナトリウム、亜リン酸ジフェニルナト
リウム)または、例えば亜リン酸トリス(トリメチルシリル)などの他の亜リン酸化合物
を使用し、これらによってSNAr反応において1個または複数個のハロゲン化物イオン
(特にフッ化物イオン)を適合する、部分または過ハロゲン化(特に部分または過フルオ
ロ化)した出発化合物から遊離し、亜リン酸金属を原位置において、THFまたは他の無
水溶媒中での水素化金属と、亜リン酸ジアルキルまたは亜リン酸ジアリルとの以下の反応
により製造できる方法。 - 請求項1〜6に記載のモノマー、オリゴマー、およびポリマーの製造方法において、モ
ノマー化合物の場合、基準手段(例えばYakobson et al.(非特許文献12)に記載され
ている)または類似の処理によって必要とする生成物を製造でき、洗浄は液体状の化合物
の場合は蒸留、固体の化合物の場合は再結晶によって行い、非、部分または過ハロゲン化
(特に非、部分、または過フッ素化)した芳香族スルホン酸またはホスホン酸(またはこれ
らの誘導体)のポリマー(オリゴマー)の場合は処理および洗浄を繰り返しの沈殿および再
溶解によって、また水溶性のスルホン酸およびホスホン酸ポリマーでは透析によって行う
方法。 - 請求項1〜7に記載の1個または複数個の方法によって製造する化合物、特にポリマー
およびオリゴマー。 - 請求項1〜7に記載の1個または複数個の方法によって製造する化合物の使用法であっ
て、膜処理(特に燃料電池、膜電気分解および電気透析処理)、コーティング(例えば織
物繊維)、ナノ粒子、塗料、接着剤、パッキン、センサー、染料、除草剤および殺虫剤に
おける使用法。
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