JP2016041412A - 水の脱塩処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】正浸透膜法による淡水の製造方法において、正浸透膜面を目詰まりさせるスライムの発生を大幅に抑制できる水の脱塩処理方法及び装置を提供する。【解決手段】塩類を含有する被処理水1と、温度感応性薬剤を水に溶解した誘引溶液4とを半透膜3を介して接触させ、被処理水中の水を誘引溶液に移動させ、希釈誘引溶液5と膜濃縮水9を得る正浸透工程と、希釈誘引溶液を誘引溶液の下限臨界温度以上に加温する加温工程と、温度感応性薬剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体する希薄溶液層とに分離する重力分離工程と、濃厚溶液を誘引溶液の下限臨界温度以下に冷却した後、正浸透工程へ循環し、誘引溶液として再使用する冷却・循環工程と、希薄溶液を膜処理し、膜ろ過水8を得る膜処理工程を有する水の脱塩処理方法であって、被処理水、希釈誘引溶液、再使用される誘引溶液のうち、少なくともひとつを不活性ガスで曝気し溶存酸素を低減する脱塩処理方法。【選択図】図1

Description

本発明は、海水から淡水を製造する水の脱塩処理方法およびそれに使用する装置に関するものである。
海水から半透膜を用いて淡水を製造する方法は種々知られているが、海水に浸透圧以上の圧力を加えて水を強制的に透過させる逆浸透法が主に開発されてきた。しかし、この方法は高圧に加圧する必要があるため、設備費および運転費にコストがかかるという問題点がある。そこで、半透膜を介して海水と海水より高濃度の塩溶液を接触させ、加圧せずとも浸透圧により海水中の水をこの塩溶液に移動させ、分離、回収することにより淡水を製造する方法が開発されている。(特許文献1、2)。
特許文献1の方法は、半透膜を介して海水と反対側にアンモニアと二酸化炭素を溶解して得られる塩溶液を流して、海水中の水を半透膜を通過させて該塩溶液に移動させ、得られた希釈塩溶液をイオン交換膜や蒸留塔等を用いてアンモニウムイオンと炭酸イオンを個別に分離して浄水を得るとともに、分離したアンモニウムイオンと炭酸イオンを該塩溶液に溶解して半透膜の元の部屋に戻す方法である。
特許文献2の方法は、下限臨界温度を有する温度感応性物質を溶質として用いた誘引溶液を用いており、図2に示すように、海水21を正浸透システム30に送って、そこで半透膜を介して誘引溶液24と接触させて海水21中の水を浸透圧により半透膜を透過させて誘引溶液24へ移動させる。水が誘引溶液に移動して残った濃縮海水22は正浸透システム30から流出する。一方、海水中の水で希釈された希釈誘引溶液25は加熱器を備えた沈殿システム34に送られ、そこで重力分離あるいは沈殿を生じた希釈誘引溶液はポンプ37で加圧されてろ過システム32に送られる。その際、溶質の下限臨界温度より低い温度の液29を添加することができる。ろ過システム32で濃縮された誘引溶液24は正浸透システム30に返送される。一方、ろ過された膜ろ過水28は後処理部33でさらに精製されて飲料水となる。下限臨界温度を有する温度感応性物質には、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールが使用され、ろ過システムのろ材にはナノろ過膜や逆浸透膜が使用される。
特開2011−83663号公報 米国特許第2010/0155329A1号明細書
特許文献1の方法では、誘引物質(例えば炭酸アンモニウム)の分離、回収を蒸発法で行うが、その際、アンモニアおよび同伴する水分の蒸発潜熱が多大で、膨大なエネルギーを要しコストも高い。さらに、蒸発設備サイズが極めて大きく、大量(例えば10万m/日)の飲料水製造には不向きである。また、投入エネルギーが大きいため熱交換器のサイズも大きくなり、大量処理には不向きである。さらに、炭酸アンモニウムを用いる場合には正浸透膜からのバックフローによって膜濃縮水を介して環境中に漏洩する誘引物質が窒素を含むため、富栄養化の原因となる。
このような問題の発生しない方法として、近年、特許文献2の方法が注目されている。しかし、この方法において、微生物によるスライムが正浸透膜表面に発生し、目詰まりを起こさせることにより、飲料水製造量が低下することが明らかになった。
そこで、本発明の目的は、温度感応性物質を溶質とする誘引溶液を用いた正浸透膜法による淡水の製造方法において、正浸透膜と接する液中の溶存酸素を低減し、正浸透膜面を目詰まりさせるスライムの発生を大幅に抑制することのできる水の脱塩処理方法および装置を提供することにある。
本発明は、塩類を含有する被処理水と、下限臨界温度を有する温度感応性薬剤を水に溶解した誘引溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る正浸透工程と、前記希釈誘引溶液を前記誘引溶液の下限臨界温度以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で相分離した温度感応性薬剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の温度感応性薬剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離工程と、前記重力分離工程で分離された濃厚溶液を前記誘引溶液の下限臨界温度以下の温度まで冷却した後、前記正浸透膜工程へ循環し、誘引溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記重力分離工程で分離された希薄溶液を膜処理し、膜ろ過水を得る膜処理工程を有する水の脱塩処理工程であって、
前記被処理水、前記希釈誘引溶液、前記冷却・循環工程を経て再使用される誘引溶液のうち、少なくともひとつを不活性ガスで曝気し溶存酸素を低減することを特徴とする水の脱塩処理方法とそれに係る装置を提供するものである。
本発明により、正浸透膜面を目詰まりさせるスライムの発生が大幅に抑制され、長期間、効率よく水の脱塩処理を行うことができる。
本発明の一実施態様を模式的に示すブロック図である。 公知の水処理方法の概略を示すブロック図である。 下限臨界温度と薬剤濃度の関係を示した曲線である。
図1に本発明の一実施態様を模式的に示す。
本発明の方法で処理される被処理水は水を溶媒とし、塩類を含有する溶液であり、海水、かん水などである。
ろ過工程
図1に示していないが、被処理水を必要によりまずろ過処理する。このろ過処理は精密ろ過膜を用いた濾過機で行い、ろ過膜は、精密ろ過膜として使用されている通常の膜を使用することができる。例えば、酢酸セルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリ塩化ビニルなどの他、セラミック製の膜や多孔質ガラス製の膜なども利用できる。精密膜ろ過処理では、精密ろ過膜を通過した膜ろ過水と、膜を通過しないで残った膜濃縮水が得られる。
精密膜ろ過のほか、限外膜ろ過、砂ろ過等のろ過処理が用いられる。限外ろ過膜の材質は精密ろ過膜と同様のものが用いられる。
曝気工程
曝気工程は、正浸透工程における半透膜へのスライムの付着を抑制するために、ろ過処理した被処理水を不活性ガスで曝気し、液中の溶存酸素を低減する工程で、吹き込むガス中の酸素濃度を下げることにより、液中の溶存酸素を大幅に低減することができる。
水の飽和溶存酸素濃度は、その水が接するガス中の酸素との溶解平衡によって決まる。大気は酸素を約21%含有し、海水の飽和溶存酸素濃度は、水温により差異があるが、5〜10mg/L程度である。
これを不活性ガスで曝気することによって、被処理水中の酸素を追い出して不活性ガスと置換することにより溶存酸素濃度を低下させるのである。
不活性ガスは微生物の繁殖を抑制できるものであればよく、窒素、アルゴンなどを用いることができる。安価で好ましいものは窒素ガスであり、特に、純度が97容量%以上のものが好ましい。圧力スイング吸着(PSA)法で大気の酸素を除去することにより、窒素ガスを生成することが可能で、純度によりコストは変わるものの純度の97%程度、さらには99%程度の高純度の窒素ガスを経済的に生成することができる。不純物は、殆どが酸素ガスである。PSA法は、各種のガスの分離に広く利用されており、空気から酸素と窒素を分離する方法は、特開平5−15721号公報、特開平10−314532号公報などに開示されている。
また、曝気後の排出ガスを原料ガスとしてPSA法で酸素を除去し、これを曝気用不活性ガスとして再利用することも好ましい。その外、曝気後の排出ガスに純粋な不活性ガス、例えば、99%以上の窒素ガスを混合してこれを曝気用不活性ガスとして再利用することも可能である。
曝気の程度は、要は微生物によるスライムの発生を抑制できるように定められ、溶存酸素濃度が2mg/L以下、好ましくは1mg/L以下、特に好ましくは0.5mg/L以下になるようにするのがよい。不活性ガスとして例えば、高純度窒素ガスを使用し、曝気することにより、海水中の溶存酸素を窒素ガスの純度に応じた飽和濃度まで低減できる。例えば、大気平衡下の飽和濃度が6mg/Lの場合、純度99%の窒素ガスで0.3mg/L、純度96.5%の窒素ガスで1mg/Lまで海水中の溶存酸素を低減できる。
曝気装置には、内部に排気装置を備えた槽でよく、槽の形は問わないが通常は円筒形あるいは箱型である。内部に必要により撹拌機を設置することもできる。
なお、被処理水中の溶存酸素の一部は、後述する正浸透工程において水とともに正浸透膜を透過し、誘引溶液に混入するので、この不活性ガス曝気による溶存酸素の低減は、正浸透工程から流出する希釈誘引溶液や冷却工程で生成した誘引溶液に対して実施しても有効である。
正浸透工程
正浸透工程は、ろ過処理した被処理水と、温度感応性薬剤を水に溶解した高浸透圧の誘引溶液を半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る工程である。
温度感応性薬剤は、低温では親水性で水によく溶けるが、ある温度以上になると疎水性化し溶解度が低下する物質であり、水溶性〜不水溶性に変化する温度が下限臨界温度あるいは曇点と呼ばれる。この温度に達すると疎水性化した温度感応性薬剤が析出して白濁が起こる。
この温度感応性薬剤は、各種界面活性剤、分散剤、乳化剤などとして利用されており、例示すれば、アルコール、アルキル基または脂肪酸とエチレンオキサイドの化合物、アルコール、アルキル基または脂肪酸とプロピレンオキサイドの化合物、アクリルアミドとアルキル基の化合物、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、アミノ酸およびその誘導体、ブチルグリコールやヘキシルグリコールなどのグリコールなどであり、好ましくは、ポリエチレングリコールとポリプロピレン/ポリブチレングリコールのブロック共重合体、グリセロールエトキシレートブトキシレート、トリメチロールプロパンエトキシブトキシレート等である。本発明において使用する温度感応性薬剤としては、下限臨界温度が30℃〜80℃の範囲、特に40℃〜60℃の範囲のものが好ましい。そのために、HLB値が10以上の非イオン性界面活性剤とそれよりHLB値が低い非イオン性界面活性剤、脂肪酸あるいはアルコールを組み合わせて下限臨界温度を上記の範囲に調節するといった方法を取ることもできる。
誘引溶液の濃度は、誘引溶液の浸透圧が、被処理液の浸透圧より十分高くなるように調整しなければならない。
この誘引溶液には、凝集用固体粒子を添加することもできる。凝集用固体粒子としては、ベントナイト、カオリン、活性炭粉末等が使用でき、無機吸着剤がより望ましい。粒径としては、平均粒径で0.1〜10μm程度のものが望ましい。固体粒子の添加量は、温度感応性薬剤に対する重量比で0.1〜10%程度が適当である。ただし、これらは温度感応性薬剤と固体粒子との親和性を勘案して決定することが望ましい。
半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、正浸透(Forward Osmosis)膜が好ましいが、逆浸透膜も使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸などいずれであってもよい。
この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱型の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に被処理水を流し、他方の室に誘引溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることもできる。
正浸透工程で被処理水を半透膜を介して誘引溶液と接触させると浸透圧の差によって被処理水中の水が半透膜を通って誘引溶液に移動する。
加温工程
正浸透工程で被処理水から水が移動して希釈された希釈誘引溶液を下限臨界温度以上の温度まで加温して、温度感応性薬剤の少なくとも一部を凝集させる。この凝集は、温度感応性薬剤の濃厚溶液が分離したものである。
加温工程における加温温度は、例えば熱交換器へ導入する熱媒体の流量の調整で制御できる。
この加温工程の熱源には、次の重力分離工程で分離された濃厚溶液の顕熱を使用することが好ましい。
重力分離工程
前記加温工程で相分離した温度感応性薬剤を主体とする濃厚溶液層と水を主体とし少量の温度感応性薬剤を含有する希薄溶液層に重力分離する。この重力分離は下限臨界温度以上の液温で重力分離槽内で静置することによって行うことができる。その際、前記加温工程で凝集した温度感応性薬剤の濃厚溶液は、凝集用固体粒子があるとそれを核とした微細な液滴の状態になる。そして、この状態で重力分離槽に投入されると、温度感応性薬剤の比重が水より重い場合は、濃厚溶液の微細液滴は速やかに沈降し、液滴同士が合一して下に濃厚溶液層が形成される。凝集用固体粒子のほどんとは濃厚溶液層に集まるか、極く一部は上の希薄溶液層に残る。この凝集用固体粒子は温度感応性薬剤の凝集を促進させる作用があり、上層の薬剤濃度の低減(例えば2〜6%⇒0.5〜1.5%)や下層の薬剤濃度の増加(例えば60〜70%⇒80〜85%)といった効果が得られる。さらに分離時間の短縮(例えば30分⇒15分)の効果も得られる。一方、温度感応性薬剤の比重が水より軽い場合、例えば、ブチルグリコールやヘキシルグリコールを温度感応性薬剤に用いた場合は、濃厚溶液層が上層になり希薄溶液層が下層になる。
冷却・循環工程
前記重力分離工程で分離された濃厚溶液は、前記誘引溶液の下限臨界温度より低い温度に冷却することで水に溶解させて誘引溶液に再生する。この温度は広い範囲で採用可能であるが、経済性を考慮すると常温かそれより高い温度が好ましい。この冷却熱源としては、被処理水あるいは正浸透工程において得られた希釈誘引溶液を用いることがエネルギーの効率利用の点で好ましい。この冷却が不十分な場合には、正浸透工程で被処理水から移動してくる水によって温度が下がるので下限臨界温度を発現して相分離し、浸透圧が失われてしまう。
再生した誘引溶液はそのまま循環して再利用できる。
膜処理工程
一方、前記重力分離工程で分離された希薄溶液は、ナノろ過膜や逆浸透膜などで膜ろ過して、そこに残存している温度感応性混合物を除去する。膜ろ過水は淡水であり、飲料水などに利用できる。膜ろ過されないで残った膜濃縮水は、温度感応性混合物が含まれているので、重力分離工程に循環するのがよい。あるいは、濃縮して誘引溶液として正浸透工程に直接返送することもできる。
一方、正浸透工程で得られた膜濃縮水は塩類を高濃度で含んでいるので、これを濃縮して塩類を析出させて分離し、有効利用することができる。
この本発明の方法を図1に模式化して示す。同図に示すように、海水等の被処理水1は、曝気槽17において、高純度の窒素ガスで曝気されることにより、溶存酸素が窒素ガス中に移行し、被処理水中の溶存酸素が低減される。窒素ガスは循環使用されるが、被処理水から除去した酸素によって純度が低下した場合には、純度が低下した窒素ガス19を原料としてPSA装置18で高純度化された窒素ガス20として曝気槽に供給される。
曝気槽で溶存酸素が低減された被処理水21は、正浸透膜装置10に送入され、半透膜3を通して水が反対側の室に透過されて残った膜濃縮水が排出される。正浸透膜装置10の反対側の室には誘引溶液4が流入しており、そこで半透膜3を介して被処理水1と向流接触して被処理水1から移行した水で希釈されて正浸透膜装置10を出る。正浸透膜装置10を出た希釈誘引溶液5は、熱交換器16を通って、重力分離された下層液7と熱交換して加温され、加温器14でさらに加温されて重力分離装置11に入る。
重力分離装置11で分離された上層液6は膜ろ過装置12でろ過され、得られた膜ろ過水8は活性炭等の後処理装置13でさらに精製されて精製水を得る。膜ろ過装置12でろ過されなかった膜濃縮水9は重力分離装置11に返送されて希釈誘引溶液とともに重力分離される。
一方、重力分離装置11で分離された下層液7は、熱交換器16を経て冷却器15で冷却されて、誘引溶液4として正浸透装置10に返送される。
図1に示す装置を用いた。曝気槽17において、溶存酸素濃度が6mg/Lの海水1に対して、純度99%の窒素ガス20を吹き込み、溶存酸素濃度を1mg/Lに低減させた海水21を正浸透膜装置に供給した。曝気槽から排出される窒素ガス19の純度は96.5%まで低下するが、PSA装置18で99%に純度を上げた窒素ガスを供給した。この場合、純度99%の窒素ガス1mで海水6.2mを処理できた。
正浸透膜装置10の半透膜には酢酸セルロース製正浸透膜を、膜ろ過装置13にはナノろ過膜をそれぞれ使用した。
誘引溶液には、グリセロールエトキシプロポキシレートに、水を加えて80重量%の溶液とした。この溶液の下限臨界温度は55℃であった。この下限臨界温度は薬剤濃度によって変わる。上記薬剤濃度と下限臨界温度の関係を調べた結果を図3に示す。
UF膜により前処理した海水を被処理水1として正浸透膜装置10に3L/分の流速で流入させた。膜透過水の量は1.5L/分であり、正浸透膜装置10から流出する希釈誘引溶液5の量は3.8L/分であった。この希釈誘引溶液5は熱交換器16を経て加熱器14で60℃に加温し、重力分離槽11に流入させた。重力分離槽11では温度感応性薬剤が凝集し、濃度80重量%の濃厚溶液7と1%の希薄溶液6に重力分離した。下層である濃厚溶液7は熱交換器16を経て冷却器15で40℃に冷却し、再び正浸透膜装置10に流入させた。上層である希薄溶液6は膜ろ過装置12に導入し、膜ろ過水8と膜濃縮水9に分離した。膜濃縮水9は再び重力分離槽11へ流入させた。膜ろ過水8は後処理装置13を経て1.5L/分の淡水を得た。この淡水は飲料水として使用可能であった。
上記のように、海水を純度99%の窒素ガスで曝気して正浸透膜装置10に供給した場合、10日間継続して本発明の装置を運転することができた。
これに対して、海水を純度99%の窒素ガスで曝気することなく正浸透膜装置10に供給した場合は、5日間でバイオファウリングの現象が発生し、運転を停止した。
本発明の方法は、海水から淡水の製造や、坑井からの随伴水の処理などに広く利用できる。
1 被処理水
2 膜濃縮水
3 半透膜
4 誘引溶液
5 希釈誘引溶液
6 上層液
7 下層液
8 膜ろ過水
9 膜濃縮水
10 正浸透膜装置
11 重力分離装置
12 膜ろ過装置
13 後処理装置
14 加熱器
15 冷却器
16 熱交換器
17 曝気槽
18 PSA装置
19 曝気槽排気ガス
20 曝気槽給気ガス
21 曝気処理された被処理水
22 空気

Claims (7)

  1. 塩類を含有する被処理水と、下限臨界温度を有する温度感応性薬剤を水に溶解した誘引溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る正浸透工程と、前記希釈誘引溶液を前記誘引溶液の下限臨界温度以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で相分離した温度感応性薬剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の温度感応性薬剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離工程と、前記重力分離工程で分離された濃厚溶液を前記誘引溶液の下限臨界温度以下の温度まで冷却した後、前記正浸透工程へ循環し、誘引溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記重力分離工程で分離された希薄溶液を膜処理し、膜ろ過水を得る膜処理工程を有する水の脱塩処理方法であって、
    前記被処理水、前記希釈誘引溶液、前記冷却・循環工程を経て再使用される誘引溶液のうち、少なくともひとつを不活性ガスで曝気し溶存酸素を低減することを特徴とする水の脱塩処理方法。
  2. 前記不活性ガスが、純度97%以上の窒素であることを特徴とする請求項1に記載の水の脱塩処理方法。
  3. 前記純度97%以上の窒素が、PSA法により空気から生成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の水の脱塩処理方法。
  4. 請求項1に記載の水処理方法において、曝気後の排出ガスを原料ガスとしてPSA法により曝気用不活性ガスを生成することを特徴とする水の脱塩処理方法。
  5. 請求項1に記載の水処理方法において、曝気後の排出ガスと純粋な不活性ガスとの混合ガスを曝気用不活性ガスとすることを特徴とする水の脱塩処理方法。
  6. 塩類を含有する被処理水と、下限臨界温度を有する温度感応性薬剤を水に溶解した誘引溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る順浸透膜処理装置と、前記希釈誘引溶液を前記誘引溶液の下限臨界温度以上の温度まで加温する加温手段と、前記加温手段で加温され相分離した温度感応性薬剤を主体とする下層液と、水を主体とし少量の温度感応性薬剤を含有する上層液とに重力分離する重力分離手段と、前記重力分離手段で分離された下層液を前記誘引溶液の下限臨界温度以下の温度まで冷却した後、前記順浸透工程へ循環し、誘引溶液として再使用する冷却・循環手段と、前記重力分離工程で分離された上層液を膜処理し、膜ろ過水を得る膜処理装置を有する水の脱塩処理装置であって、
    前記被処理水、前記希釈誘引溶液、前記冷却・循環手段を経て再使用される誘引溶液のうち、少なくともひとつを不活性ガスで曝気し溶存酸素を低減する曝気手段を有することを特徴とする水の脱塩処理装置。
  7. 前記不活性ガスが、純度97%以上の窒素であることを特徴とする請求項6に記載の水の脱塩処理装置。
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