JP2016040858A - 導波管型電力合成・分配器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導波管型電力合成・分配器Wは、複数のTE10モードの矩形導波管1が放射状に配置され、放射状の中心にTM01モードの円形導波管2が配置され、複数の矩形導波管1は、それぞれ、一端部が円形導波管2の一端側の側面に接続されている。
【選択図】図1
Description
しかしながら、現状では、電力合成・分配器において、複数の入力端が、高電力の伝送路に用いられる導波管で構成されているものは知られていない。
すなわち、本発明によれば、高電力の伝送路となる複数の矩形導波管を入力端とし、円形導波管の他端側を出力端とする電力合成・分配器を構成できるため、入力端が同軸接栓の電力合成・分配器を多段接続する構成を採用することなく、高電力の合成が可能になる。また、本発明によれば、複数の矩形導波管を出力端とし、円形導波管の他端側を入力端とする電力合成・分配器を構成できるため、入力端が同軸接栓の電力合成・分配器を多段接続する構成を採用することなく、高電力の分配が可能になる。
その結果、本発明によれば、上述した従来技術と比べて、設備コストや設置コストが大幅に低減される。
なお、上記において、矩形導波管の幅寸法は、他端部から一端部に向かって直線的に狭くなるように形成されていてもよいし、階段状に狭くなるように形成されていてもよい。
具体的には、周波数7GHzでは、矩形導波管として「WR−137」を用いるのが一般的である。「WR−137」の開口寸法は、「34.85(mm)×15.799(mm)」であるため、8つの矩形導波管(WR−137)が接続される円形導波管の内径は、少なくとも、矩形導波管の広辺(H面)の寸法(34.85(mm))を一辺とする正八角形に外接する円形の直径(L=91.06(mm))よりも大きい必要がある。
一方、周波数7GHzを遮断周波数(波長λc=42.8571(mm))とする円形導波管の直径(2a)は、TM01モードの円形導波管の波長(λc)と半径(a)の関係が、「λc=2.613×a」であるため、「2a=2×42.8571/2.613=32.803(mm)」となる。但し、遮断周波数近辺の急激な特性変化を避けるために、円形導波管の直径(2a)は、上記の計算値より「1.2倍」程度大きくする必要がある。また、周波数7GHzの波長(λc)は、「42.8571(mm)」なので、円形導波管の直径は、これより小さくして異種モードが生じないようにする必要がある。そのため、円形導波管の直径を「40(mm)」位にする必要があるが、8つの矩形導波管(TE10モード)を入力端として円形導波管に接続する場合、上述した通り、円形導波管の直径が「91.06(mm)」よりも大きい必要があるため、8合成の電力合成・分配器を構成することができない。
そのため、本発明では、「矩形導波管のH面及びE面のいずれか一方或いは両方の幅寸法が、他端部から円形導波管に接続されている一端部に向かって狭く」することで、矩形導波管の円形導波管への接続面(開口寸法)を狭くし、TE10モード円形導波管に対して所望数の矩形導波管の接続を可能にしている。
そのため、本発明では、矩形導波管のH面の片方或いは両方にリッジを設け、リッジの寸法を選ぶことにより、TE10モードの遮断周波数を低下させ、帯域特性を広くして、低帯域での使用を可能にしている。例えば、上記のように、円形導波管の直径を40(mm)とし、8合成可能な矩形導波管の接続面の開口寸法を「15×8(mm)」とした場合に、接続面におけるリッジ(シングルリッジ)の寸法を、「幅6(mm)×高さ5.2(mm)」とすると、遮断周波数が、「5.714(GHz)」となり、7GHzが通過できるようになる。
円形導波管への励振の具合等により、円形導波管の内壁面に高周波電流が円周方向に流れるTEmnモードが発生し、TE10モードとの干渉で位相歪みが生じたり、伝送損失が多くなることがある。
そのため、本発明では、上記の構成により、すなわち、円形導波管の軸方向と同一方向に延びる溝を形成し、その溝に電波吸収体を取り付けることにより(溝を電波吸収体で埋めることにより)、円形導波管の内壁面に流れる高周波電流に対する抵抗値を上げ、高周波電流を流れ難くして、TM01モード以外の不要モードの発生を抑制している。
このように構成したのは、通常、伝送路は矩形導波管により構成されているためであり、上記構成により、電力合成・分配器の両端(入力端及び出力端)が矩形導波管になるため、矩形導波管により構成されている伝送路に容易に組み込めるようになる。
例えば、テーパ状に形成された矩形導波管1は、一端部(接続部)の開口寸法が「15×8(mm)」になっており、他端部の開口寸法が「34.85(mm)×15.799(mm)」になっている。また、円形導波管2は、直径が40(mm)で形成されている。また、モード変換器3は、円形導波管部3aの直径が40(mm)、矩形導波管部3bの開口寸法が「34.85×15.799(mm)」に形成されている。
また、図示する例は、矩形導波管1のH面(広辺)及びE面(狭辺)の両方の幅寸法が、矩形導波管1の他端部から接続部に向けて小さくなっているが特にこれに限定されるものではない。矩形導波管1のH面(広辺)及びE面(狭辺)のいずれか一方の幅寸法だけが狭くなるようになっていてもよい。
このように、リッジ11を設けたのは、以下の理由による。具体的には、矩形導波管1のH面及びE面の幅寸法を他端部から接続部に向けて小さくすると(すなわち、矩形導波管1の円形導波管2への接続部の開口寸法を小さくすると)、遮断周波数が高くなり、使用周波数帯の低域帯における伝送が困難になる。そのため、本実施形態では、矩形導波管1のH面にリッジ11を設け、TE10モードの遮断周波数が低くなるようにして、低帯域での使用を可能にしている。例えば、矩形導波管1の接続部の開口寸法が「15×8(mm)」であり、円形導波管2の直径が40(mm)である場合に、円形導波管2との接続面のシングルリッジ11の寸法を、「幅6(mm)×高さ5.2(mm)」とすると、遮断周波数が、「5.714(GHz)」となり、7GHzが通過できるようになる。
なお、図2(c)では、矩形導波管1が、2つのH面のうちの一方にリッジ11を設けた導波管(シングル・リッジ導波管)で構成されているが、2つのH面の両方にリッジ11を設けた導波管(ダブル・リッジ導波管)で構成されていてもよい。
シングル・リッジ導波管の断面(図3(a)参照)及びダブル・リッジ導波管の断面(図3(b)参照)は、いずれも、図4に示す等価回路(図中のSは対称面)で表すことができる。また、リッジ導波管のリッジ11が形成されていな部分の特性インピーダンス(Y1)は下記の[数1]に示す通りであり、リッジ11部分の特性インピーダンス(Y2)は、下記の[数2]に示す通りである。
また、リッジ11を設けることにより、リッジ11部分に電界が集中し、等価的に静電容量が付加されたことになり、特性インピーダンスが低くなるので整合が取りやすくなる。
また、導波管の外壁面を冷却(水冷又は空冷)することでより高電力に対応することも可能である。
また、上述した実施形態では、円形導波管2の他端側の外周側面に、モード変換器3が接続されているが、モード変換器3がない構成であっても、本発明は適用される。
1…矩形導波管
2…円形導波管
3…モード変換器
3a…円形導波管部(モード変換器)
3b…矩形導波管部(モード変換器)
11…リッジ
このように、リッジ11を設けたのは、以下の理由による。具体的には、矩形導波管1のH面及びE面の幅寸法を他端部から接続部に向けて小さくすると(すなわち、矩形導波管1の円形導波管2への接続部の開口寸法を小さくすると)、遮断周波数が高くなり、使用周波数帯の低域帯における伝送が困難になる。そのため、本実施形態では、矩形導波管1のH面にリッジ11を設け、TE10モードの遮断周波数が低くなるようにして、低帯域での使用を可能にしている。例えば、矩形導波管1の接続部の開口寸法が「15×8(mm)」であり、円形導波管2の直径が40(mm)である場合に、円形導波管2との接続面のシングルリッジ11の寸法を、「幅6(mm)×高さ5.2(mm)」とすると、遮断周波数が、「5.714(GHz)」となり、7GHzが通過できるようになる。
なお、図2では、矩形導波管1が、2つのH面のうちの一方にリッジ11を設けた導波管(シングル・リッジ導波管)で構成されているが、2つのH面の両方にリッジ11を設けた導波管(ダブル・リッジ導波管)で構成されていてもよい。
なお、上記において、矩形導波管の幅寸法は、他端部から一端部に向かって直線的に狭くなるように形成されていてもよいし、階段状に狭くなるように形成されていてもよい。
Claims (4)
- 複数のTE10モードの矩形導波管が放射状に配置され、該放射状の中心にTM01モードの円形導波管が該放射状面に対して垂直に配置され、
複数の前記矩形導波管は、それぞれ、一端部が前記円形導波管の一端側の側面に接続されていることを特徴とする導波管型電力合成・分配器。 - 前記矩形導波管は、H面及びE面のいずれか一方或いは両方の幅寸法が、該矩形導波管の他端部から前記円形導波管に接続されている一端部に向けて狭くなっており、
更に、前記H面の片方或いは両方にリッジが設けられていることを特徴とする請求項1記載の導波管型電力合成・分配器。 - 前記円形導波管の内壁には、該円形導波管の軸方向と同一方向に延びる溝が形成され、
前記溝に電波吸収体が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の導波管型電力合成・分配器。 - 前記円形導波管の他端側に、TM01モードをTE10モードに変換するモード変換器が接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導波管型電力合成・分配器。
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