JP2016040438A - 外壁通気工法用ラス - Google Patents

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Abstract

【課題】透視性を有する裏打ち材2を用いることにより、胴縁4、5等の柱材はもとより、該柱材や下地材に記した罫書きも視認することができ、作業員がストレスなく迅速、かつ正確な留め付け(貼り付け)作業を行うことができる、施工性に優れた外壁通気工法用ラスを提供する。また、モルタルの定着性や速乾性に優れ、クラックの発生を極力抑制し得る、品質性に優れた外壁通気工法用ラスを提供する。【解決手段】前記外壁通気工法用ラス10は、ラス材1に、透視性を有する裏打ち材2が取り付けられてなる。【選択図】図1

Description

この発明は、ラス材と裏打ち材とで構成され、建物の外壁通気構造を実現するために用いられる外壁通気工法用ラスの技術分野に属する。
建物の外壁構造を構築するに際し、近年、雨水や湿気などの水分や結露の問題を解消するため、下地材とモルタル壁との間に通気層を形成するモルタル塗り外壁通気工法が多く採用されている。
この外壁通気工法では、前記通気層を形成するべく、モルタル壁の構築に使用するラス材の裏面側に裏打ち材が一体化された外壁通気工法用ラスが多く使用されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
従来の外壁通気工法用ラスは、前記裏打ち材に紙(例えば、ターポリン紙)や不織布を用い、接着剤またはステープルによってラス材と接合するものが一般的であった。
しかし、裏打ち材に用いる紙や不織布は、透視性を有さず、躯体側の状況や罫書き(罫書き線)が見えないため、留め付け位置がわかりにくい等、施工性に問題があった。実際、現場では、不透明な裏打ち材が障害となり、留め付け位置を確認する手がかりがなく、ステープル等の留め付け具の打ち損じを防止するには裏打ち材に墨入れする等の余計な作業をする必要があり、煩わしかった。
もっとも、裏打ち材の材質によっては半透明のものもあり、例えば通気胴縁に密着させると胴縁のシルエットは見えるものはあるが、罫書きまでは見えない。半透明の材質では、通気胴縁から数ミリでも離すと、胴縁のシルエットさえ見えないのが現実である。
特に近年では、通気胴縁を用いず、金具等を柱材に固定して通気層を確保する工法が開発されており(例えば、特許文献3、4を参照)、このような工法では、躯体から離れた状態でも躯体側の状況や罫書き(留め付け位置)を視認できるものが強く望まれる。
また、ラス材と裏打ち材とを接着剤で接合してなる外壁通気工法用ラスを用いる場合、接着部分ではラス材の裏側にモルタルが回り込まず、モルタルとラス材との付着強度が十分に得られないという強度上の問題もあった。
特開2008−240365号公報 特開2013−2136号公報 特開2014−66092号公報 特開2014−66093号公報
本発明は、上述した背景技術の問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、透視性を有する裏打ち材を用いることにより、胴縁等の柱材はもとより、該柱材や下地材に記した罫書きも視認でき、作業員がストレスなく迅速、かつ正確な留め付け(貼り付け)作業を行うことができる、施工性に優れた外壁通気工法用ラスを提供することにある。
また、モルタルの定着性や速乾性に優れ、クラックの発生を極力抑制し得る、品質性に優れた外壁通気工法用ラスを提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る外壁通気工法用ラスは、ラス材に、透視性を有する裏打ち材が取り付けられてなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した外壁通気工法用ラスにおいて、前記透視性を有する裏打ち材は、余剰水やセメントノロの染み出しを許容するが、骨材は通過させない構造であることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した外壁通気工法用ラスにおいて、前記透視性を有する裏打ち材は、樹脂製のメッシュシートであることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項2又は3に記載した外壁通気工法用ラスにおいて、前記透視性を有する裏打ち材の目合いは、5mm以下であることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した外壁通気工法用ラスにおいて、前記ラス材は、縦線材と横線材とが接合されて格子状に形成され、一定本数置きの線材には、他の線材よりも太径の縦力骨および横力骨が用いられていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した外壁通気工法用ラスにおいて、前記透視性を有する裏打ち材は、前記ラス材に縫合により取り付けられていることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項5に記載した外壁通気工法用ラスにおいて、前記透視性を有する裏打ち材の上面に前記ラス材の縦線材が当接して配置され、同縦線材の上に横線材が接合された構成で、前記裏打ち材と縦線材とが、該縦線材を直交する方向に縫合されて取り付けられていることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項6又は7に記載した外壁通気工法用ラスにおいて、前記縫合(縫合部)の間隔は、3cm間隔〜8cm間隔に設定されていることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、請求項3に記載した外壁通気工法用ラスにおいて、前記樹脂製のメッシュシートは、複数本の糸を束ねて織られていることを特徴とする。
本発明にかかる外壁通気工法用ラスによれば、以下の作用効果を奏する。
(1)外壁通気工法用ラスは、ワイヤーメッシュ構造を基本構成としたラス材と、透視性を有する裏打ち材(樹脂製のメッシュシート)とを、縫合手段等で一体的に取り付けてなる構成で実施するので、躯体側の状況(例えば、胴縁等の柱材はもとより、該柱材や下地材に記した罫書き)を視認でき、作業員がストレスなく迅速、かつ正確な当該外壁通気工法用ラスの位置決め作業、ひいては留め付け作業を行うことができる。よって、施工性に非常に優れている。
(2)裏打ち材として用いる樹脂製のメッシュシートは、モルタルののりが非常によい上に、当該外壁通気工法用ラスへモルタルを下塗りした後、余剰水やセメントノロが裏打ち材の裏側に形成した通気層側へ経時的に染み出すことにより、通気層側からも表面側と同じく乾燥され、モルタルが早期に乾燥するだけでなく、クラック防止効果も期待できる。よって、モルタルの定着性や速乾性に優れている等、至極合理的な施工を行い得る上に、高品質のモルタル壁を構築できる。
(3)ラス材と裏打ち材とを縫合手段で実施するので、縫合部であっても、モルタルがラス材の裏側に回り込むことができ、付着強度が高いモルタル壁を構築できる。また、番手0番等の太いミシン糸で縫合する場合、モルタルがミシン糸に浸透して一体化した複合体を形成することにより、モルタル壁の剛性をさらに高めることも期待できる。
(4)横方向に縫合した縫合部は、外壁通気工法用ラスの全体にわたり、縦線材方向に好適な間隔をあけて複数列設けて実施するので、ラス材と裏打ち材との密着性が高く、裏打ち材がほどよく撓む。よって、均一な被り厚を保つことができ、高強度・高剛性・高品質のモルタル壁を構築することができる。
(5)前記樹脂製のメッシュシートは、胴縁等の相手材に対するステープル、ビス等の留め付け具を容易に貫通させることができ、かつ、当該貫通孔の亀裂は広がり難いという施工上の利点もある。
Aは、本発明に係る外壁通気工法用ラスを示した正面図である。縫合部は図示の便宜上省略した。Bは、Aの外壁通気工法用ラスを通気胴縁に貼り付けた状態を概略的に示した平面図である。 図1Aの部分拡大図である。 本発明に係る外壁通気工法用ラスのバリエーションを示した斜視図(写真)である。なお、実使用のラスと比し、裏打ち材2は右端部を長く形成している。 図3の外壁通気工法用ラスの部分拡大図(写真)である。 図4の部分拡大図(写真)である。 図4の部分斜視図(写真)である。 本発明に係る外壁通気工法用ラスのバリエーションを示した斜視図(写真)である。 図7の外壁通気工法用ラスの部分拡大図(写真)である。 本発明に係る外壁通気工法用ラスの透視性を示した正面図(写真)である。 図9の部分拡大図(写真)である。
次に、本発明に係る外壁通気工法用ラスの実施例を図面に基づいて説明する。
図1と図2は、本発明に係る外壁通気工法用ラス10の実施例を示している。
前記外壁通気工法用ラス10は、モルタル塗着作業に先立って下地材(通気胴縁4、5等の柱材を含む。)に張設されるものであり、ラス材1に透視性を有する裏打ち材2を取り付けてなることを特徴とする。
よって、この外壁通気工法用ラス10によれば、透視性を有する裏打ち材2を用いることにより、前記下地材に密着していない状態でも、下地材はもとより、下地材に記した罫書きも視認でき、作業員がストレスなく迅速、かつ正確な前記ラス10の位置決め作業、ひいては留め付け作業を行い得る作用効果がある。
ここで、「透視性を有する」とは、前記ラス10を、下地材や同下地材に記した罫書きから少なくとも1.5cm程度離した状態でも、裏打ち材2を通して当該下地材や罫書き十分に視認できることを意味する。ちなみに、本発明に適用する裏打ち材2のうち、最も透視性に優れた裏打ち材2は、数十cm程度離れた状態でも罫書きが視認できる。
本出願人は、単に前記作用効果を奏する発明を開発しただけではなく、強度・剛性が高いモルタル壁を合理的に実現(構築)することを念頭において、透視性を有する裏打ち材2に好適な部材を追求し、当該好適な部材とラス材1との好適な取り付け手段を追求し、さらには当該取り付け手段に好適なラス材1の構成についても追求した。
その結果、前記裏打ち材2には樹脂製のメッシュシートを採用し、前記取り付け手段には縫合手段を採用し、ラス材1は種々のラス材が適用できるものの、その中から製作精度に優れたワイヤーメッシュを基本構造とするラス材1が最も好適と判断した。
以下、具体的に説明する。
(ラス材1についての説明)
前記ラス材1は、例えば、ワイヤーメッシュ(溶接金網)、エキスパンドメタル、リブラス等、種々のラス材で実施できる。
本実施例では、前記種々のラス材の中で、最も製作精度が高いワイヤーメッシュを基本構造とするラス材1、具体的には、縦線材11と横線材12とが各交点を接合(スポット溶接)されて方眼形状の格子状に形成され、一定本数(本実施例では9本)置きの線材には、他の線材よりも太径の縦力骨21および横力骨22が用いられた構成のラス材1で実施している(図3〜図6等も参照)。
ちなみに、本実施例にかかる縦横の線材11、12(力骨21、22含む。)のピッチは、一例として、ともに15.1mmに設定され、尺モジュールまたはメーターモジュールに対応している。また、線材11、12の径は、一例として0.8mm程度、力骨21、22の径は、一例として1.6mm程度で実施している。さらに、ラス材1全体のサイズは、一例として縦寸が965mm程度、横寸が1875mm程度で実施している。
前記ラス材1をワイヤーメッシュ構造、すなわち方眼形状の格子状で実施する意義は、裏打ち材2との取り付け手段に縫合手段を採用したことに他ならない。なぜなら、エキスパンドメタルやリブラスは、ワイヤーメッシュ構造と比し、製作誤差が大きく、規則正しいピッチで機械的に縫い付ける縫合手段には不向きだからである。加えて、エキスパンドメタルやリブラスは線材が傾斜しており、これに縦横の力骨を配設すると、ミシン針が跨ぐ線材(力骨含む。)の数量が増加するので、線材にミシン針が衝突する可能性が高くなり、ラス材が変形したり破損したりする虞があるからである。
また、前記一定本数置きに力骨21、22を用いたのは、ラス材1自体の形状を保持するためである。ひいては、剛性が高いモルタル壁を構築するためでもある。本実施例では9本置きに力骨21、22を配設しているがこれに限定されず、所望の剛性や胴縁等の柱材の配置間隔(例えば、図1Bに示すように、胴縁4、5の軸心(又は罫書き)に沿って縦力骨21を配置させる。)等の構造設計に応じて適宜設計変更可能である。
(裏打ち材2についての説明)
前記透視性を有する裏打ち材2は、厚さが1〜2mm程度の樹脂製のメッシュシート2が好適に用いられる。
本実施例では、フィルムを割繊して交差して得られたメッシュシート2、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレンなどの延伸フィルムから造った割繊網状体を縦横に連続的に積層・熱融着してなる樹脂製のメッシュシート2で実施している(図5、図6等も参照)。当該構成の樹脂製のメッシュシート2の中でも剛性が高く、目合いが細かいものが好ましい。
前記樹脂製のメッシュシート2の目合いは、5mm以下、すなわちモルタル壁を構築するために塗るモルタルの余剰水(水分)やセメントノロの染み出しは許容するが、骨材(砂利、膨張したパーライト等)は通過させない構造で実施される。
このような構成の裏打ち材(樹脂製のメッシュシート)2で実施する意義は、網状に編まれているのでモルタルののりが非常によい上に、余剰水やセメントノロが、裏打ち材2の裏側に形成した通気層6側へ経時的にほどよく染み出すことにより、通気層6側からも表面7側と同じく乾燥されるので、モルタルが早期に乾燥するだけでなく、クラック防止効果が期待できるからである。一方、骨材を通過させない構造としたのは、いうまでもなく、モルタル壁の剛性低下(品質低下)を防止するためである。
なお、樹脂製のメッシュシート2の素材(割繊網状体)の色は、無色又は白色に近い色が最も望ましい。着色した素材でも薄い色や明るい色は罫書きはよく見える。黒色や濃い色は罫書きが見えづらいので望ましくない。
また、樹脂製のメッシュシート2の素材を形成する糸は、図5と図6に示したように、複数本の糸を寄せ集めて束状にする(束ねて織る)と、束状にしていないものと比し、より骨材が通過しにくくなるし、留め付け具を取り付ける際に貫通させた孔も広がり難くなる。
ところで、裏打ち材2を透視性を有すれば足りると解すれば、透明性のビニルシート(樹脂シート)が容易に想起される。しかし、透明性のビニルシートでは、モルタルの食いつきがわるく塗りにくいほか、モルタル圧に耐え得るようにするにはそれなりの厚みが必要になり、この種のシートは厚みが厚くなるほど費用が嵩む。よって、透明性のビニルシートは、施工性、経済性、品質性の点で問題があり不適格であった。凹凸状のビニルシート(気泡緩衝シート)もあるが、モルタルの定着性が若干向上する程度で、前記問題は依然として解消されず、採用するには至らなかった。
(取り付け手段についての説明)
前記ラス材1と裏打ち材2との取り付け手段については、縫合手段、接着手段が考えられるが、本実施例では、ミシン糸による縫合手段で実施している。
縫合の形式は、二重環縫いで実施しているが、本縫いでも実施できる等、特に限定されるものではない。縫合に用いるミシンについても自動ミシン、手動ミシンいずれを用いてもよいが、手動ミシンを使用する場合、縫合ピッチ(例えば4mm)を均一にするために総合送りミシンが好ましい。
なお、接着手段を採用しない理由は、ラス材1の裏側の接着した部分は、通常、一定の幅があり(例えば、特許文献1の符号14参照)、当該接着部分はデッドスペースとなるからである。すなわち、この接着部分はモルタル下塗りの段階でラス材1の裏側にモルタルが回り込まず、適度なかぶり(被り)を一切出すことができず、ひいてはモルタル壁の強度・剛性等の品質に悪影響を及ぼす虞があるからである。
それに比し、縫合手段は、ミシン糸が線状で適度な弾性を備えているので、縫合部3であってもラス材1の裏側にモルタルが回り込むことができる。また、デニム生地等を縫合する際に用いる太い(例えば番手0番等の)ミシン糸で実施する場合、モルタル(セメントペースト)がミシン糸に浸透して一体化した複合体を形成することにより、モルタル壁の剛性をさらに高めることも期待できる。
また、本出願人は、単に縫合手段を採用しただけでなく、さらなる工夫を施した。
すなわち、本実施例にかかる縫合手段は、先ず、ラス材1の横線材12及び横力骨22とほぼ平行、すなわち横方向に縫合した(図2参照)。これは、縦方向に縫合して実施することもできるが、横方向(長手方向)に縫合する方が、縦方向(短手方向)に縫合するよりも手間がかからず、合理的だからである。その他、ラス材1の製造機械のライン方向に沿って縫合する方が施工性がよいという現場作業上の理由もある。
次に、横方向に縫合した縫合部3は、縦線材11方向に所定の間隔(3cm間隔〜8cm間隔が好適)をあけて複数列設けて外壁通気工法用ラス10全体をバランスよく一体化している。各列の間隔を3cm間隔(図2参照)〜8cm間隔(図3、図4等参照)が好適としたのは、3cmよりも小さい間隔にすると、必然的に上下の縫合部3、3の間隔が3cm未満となり、ラス材1の裏側にモルタルが回り込みにくく、適度なかぶり厚を形成しづらい他、縫合作業が煩わしくコストが嵩むからであり、8cmよりも大きい間隔にすると、必然的に上下の縫合部3、3の間隔が8cmよりも大きく広がり、一般のミシン糸の剛性では、裏打ち材2がモルタル圧により構造設計上の許容範囲を超えるほどに撓む可能性があるからである。
よって、上記構成の外壁通気工法用ラス10によれば、以下の作用効果を奏する。
前記外壁通気工法用ラス10は、上述したワイヤーメッシュ構造を基本構成としたラス材1と、上述した透視性を有する裏打ち材(樹脂製のメッシュシート)2とを、上述した縫合手段で一体的に取り付けてなる構成で実施するので、躯体側の状況(例えば、胴縁4、5等の柱材はもとより、該柱材や下地材に記した罫書きK、K’)を視認でき、作業員がストレスなく迅速、かつ正確な当該ラス10の位置決め作業、ひいては留め付け作業を行うことができる(図9、図10参照)。
また、裏打ち材2に上述した樹脂製のメッシュシート2を用いて実施するので、モルタルののりが非常によい上に、当該ラス10へモルタルを下塗りした後、余剰水(水分)やセメントノロが裏打ち材2の裏側に形成した通気層6側へ経時的に染み出すことにより、通気層6側からも表面7側と同じく乾燥され、モルタルが早期に乾燥するだけでなく、クラック防止効果も期待できる。
さらに、ラス材1と裏打ち材2とを上述した縫合手段で実施するので、縫合部3であっても、モルタルがラス材1の裏側に回り込むことができ、付着強度が高いモルタル壁を構築できる。また、番手0番等の太いミシン糸で縫合する場合、モルタルがミシン糸に浸透して一体化した複合体を形成することにより、モルタル壁の剛性をさらに高めることも期待できる。
横方向に縫合した縫合部3は、外壁通気工法用ラス10の全体にわたり、縦線材11方向に好適な間隔をあけて複数列設けて実施するので、ラス材1と裏打ち材2との密着性が高く、裏打ち材2がほどよく撓む。よって、均一な被り厚(15mm程度)を保つことができ、高強度・高剛性・高品質のモルタル壁を構築することができる。
その他、上述した樹脂製のメッシュシート2は、胴縁4、5に対するステープル、又は柱材(特許文献3、4の符号51参照)に対するビス等の留め付け具を容易に貫通させることができ、かつ、当該貫通孔の亀裂は広がり難いという施工上の利点もある。
したがって、本発明にかかる外壁通気工法用ラスは、上述したワイヤーメッシュ構造を基本構成としたラス材1と、上述した透視性を有する裏打ち材(樹脂製のメッシュシート)2とを、上述した縫合手段で一体的に取り付けてなる構成で実施することにより、上述した種々の作用効果が認められるが、以下、最良の実施例について説明する。
図1〜図6は、前記透視性を有する裏打ち材2の上面に前記ラス材1の縦線材11、縦力骨21が当接して配置され、同縦線材11、縦力骨21の上に横線材12、横力骨22が接合された構成で、前記裏打ち材2と縦線材11、縦力骨21とが、該縦線材11、縦力骨21を直交する方向に縫合された外壁通気工法用ラス10を示している。
一方、図7と図8は、前記縦横の線材(力骨)の上下の配置を入れ替えている。即ち、前記透視性を有する裏打ち材2の上面に前記ラス材1の横線材12、横力骨22が当接して配置され、同横線材12、横力骨22の上に縦線材11、縦力骨21が接合された構成で、前記裏打ち材2と縦線材11、縦力骨21とが、該縦線材11、縦力骨21を直交する方向に縫合された外壁通気工法用ラス10を示している。
前記2種の実施例は、ともに上記作用効果を奏するものの、縫合後の当該ラス10全体の反り(撓み)が生じない点、縫合部3に拘束されない横線材12、横力骨22がほどよく浮いてモルタルがのりやすい点、及び表面7側に横線材12、横力骨22を配置することで縦クラックの誘発を防止できる点、から前者(図1〜図6)の実施例が最も高品質のモルタル壁を構築することができる。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、図示例にかかる外壁通気工法用ラス10は、胴縁4、5に貼り付けているが(図1B参照)、実施例はこれに限定されず、特許文献3、4に開示されたラス網(符号54)の代替品として適用できる。むしろ、断熱材(符号52)から離れた状態からビス(符号4)を打ち込む必要がある当該特許文献3、4にかかる発明こそ、本発明にかかる外壁通気工法用ラス10の機能が十分に発揮される。
本発明にかかる外壁通気工法用ラスは、ラス材1と裏打ち材2とを縫合手段によって一体化してなるもので、従来一般の裏打ち材と一体化されたラスと構成要素は同様であり、別途新たな部材を組み合わせたものではない。よって、前記特許文献1〜4にかかるラスの代替品として十分に適用できることはもとより、モルタル壁を構築する部分であればどのような箇所にも適用可能である。しかも、透視性を有し、高強度・高剛性・高品質のモルタル壁を構築できるので汎用性も高い。
1 ラス材
2 裏打ち材(透視性を有する樹脂製のメッシュシート)
3 縫合部
4 通気胴縁
5 補助胴縁
6 通気層
7 表面
10 外壁通気工法用ラス
11 縦線材
12 横線材
21 縦力骨
22 横力骨
K、K’ 罫書き

Claims (9)

  1. ラス材に、透視性を有する裏打ち材が取り付けられてなることを特徴とする、外壁通気工法用ラス。
  2. 前記透視性を有する裏打ち材は、余剰水やセメントノロの染み出しを許容するが、骨材は通過させない構造であることを特徴とする、請求項1に記載した外壁通気工法用ラス。
  3. 前記透視性を有する裏打ち材は、樹脂製のメッシュシートであることを特徴とする、請求項1又は2に記載した外壁通気工法用ラス。
  4. 前記透視性を有する裏打ち材の目合いは、5mm以下であることを特徴とする、請求項2又は3に記載した外壁通気工法用ラス。
  5. 前記ラス材は、縦線材と横線材とが接合されて格子状に形成され、一定本数置きの線材には、他の線材よりも太径の縦力骨および横力骨が用いられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した外壁通気工法用ラス。
  6. 前記透視性を有する裏打ち材は、前記ラス材に縫合により取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した外壁通気工法用ラス。
  7. 前記透視性を有する裏打ち材の上面に前記ラス材の縦線材が当接して配置され、同縦線材の上に横線材が接合された構成で、前記裏打ち材と縦線材とが、該縦線材を直交する方向に縫合されて取り付けられていることを特徴とする、請求項5に記載した外壁通気工法用ラス。
  8. 前記縫合の間隔は、3cm間隔〜8cm間隔に設定されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載した外壁通気工法用ラス。
  9. 前記樹脂製のメッシュシートは、複数本の糸を束ねて織られていることを特徴とする、請求項3に記載した外壁通気工法用ラス。
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