JP2016039542A - 画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents

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【課題】下方に位置する原稿に光を照射するように設置されても、光源の熱に起因する画質の低下を防ぐことのできる画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置(200)は、発光素子(261)と、端面から入射した発光素子の光を導いて、側面から下方に位置するシートに向かって出射させる長尺形状の導光部材(262)と、そのシートによって反射された光を反射するミラー(271−275)と、その光を集束させるレンズ(276)とを含む光学系(270)と、集束したその光を検出する光検出部(280)と、導光部材、光学系、および光検出部を保持する筐体(210)とを備えている。発光素子は筐体の外壁(215)よりも外側に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は画像読取装置に関し、特に画像読取装置における光源の放熱構造に関する。
「画像読取装置」は、原稿から画像を光学的に読み取って電気信号に変換する装置であり、「イメージスキャナー」とも呼ばれる。画像読取装置は主に画像形成装置において、原稿に表示された画像をデータ化するための手段として利用される。
画像読取装置の中には、内蔵の光学系を外部から隔てるカバー部材または筐体(以下、「筐体等」と略す。)を含むものがある(たとえば特許文献1参照)。この筐体等は外部からの塵/埃の侵入を阻止して、光学系のレンズまたはミラーの表面への塵/埃の付着に起因する画像のノイズを低減させる。
しかし、その反面、筐体等によって外部から隔てられた空間には熱がこもりやすい。この熱の蓄積に伴って筐体等の温度が過剰に上昇して、筐体等に保持されている光学系のレンズもしくはミラーに熱膨張に起因する歪みが生じ、または光検出器の電気特性に熱雑音等、高温に起因する狂いが生じた場合、画質が低下する危険性がある。
筐体等によって外部から隔てられた空間への熱の侵入を防ぐ工夫としては、たとえば特許文献1に開示された画像読取装置のように、その空間とキセノン管等の線光源との間を透明部材で仕切る構造が知られている。この透明部材は、原稿からその空間へ向かう反射光は透過させる一方、線光源から直にその空間へ向かう輻射熱は遮断する。これにより、その輻射熱がその空間にこもることが防止される。
特開2003−344955号公報
特許文献1に開示された画像読取装置のように、透明なガラスの下からその上に載せられた原稿に対して光を照射する画像読取装置では、光学系、光検出器、および筐体等がいずれも光源の下方の領域に配置されている。したがって、光源の熱で温められた空気が筐体等の周囲にも、それによって外部から隔てられた空間の中にも侵入しないので、その空気の熱によって画質が低下する危険性は低い。しかし、その反面、原稿からガラスの上へ紙粉等の塵/埃が落下して溜まりやすいので、それらの塵/埃がそのガラスの透過光を遮ることによってノイズが画像に生じる危険性は高い。
一方、近年の画像読取装置では、光源にLEDが採用される等、小型化の工夫が進められている。この小型化は、画像読取装置を画像形成装置等のシステムに組み込む際のレイアウトの自由度を増大させるので、そのシステム全体を小型にし、そのシステムに両面同時読み取り機能を実装可能にして処理速度を向上させ、または画像形成装置に画像の検査手段として利用されることでその信頼性を向上させる等、多様な点で有利である。
小型化された画像読取装置は特に、特許文献1に開示されたものとは異なり、下方に位置する原稿に光を照射する姿勢でシステムに実装可能である。この場合、光学系と光検出器とが原稿の上方の領域に位置するので、原稿から飛散した塵/埃が光源の光を遮ることによってノイズが画像に生じる危険性は低い。
しかし、この画像読取装置では、特許文献1に開示されたものとは異なり、光学系と光検出器とに加えて筐体等も光源の上方の領域に位置する。したがって、光源の熱で温められた空気が対流によって上昇して筐体等の直下に滞留しやすい。その滞留の間にその空気から多量の熱が、筐体等の表面を通した熱伝導により、または筐体等の隙間を通した対流によって筐体等の内部へ侵入して筐体等とその内部の空間との温度を上昇させた場合、筐体等によって保持された光学系または光検出器の温度も上昇しうる。もしこの温度上昇が光学系のレンズもしくはミラーに熱膨張に起因する歪みを生じさせ、または光検出器の電気特性に熱雑音等、高温に起因する狂いを生じさせれば、画質が低下しかねない。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、下方に位置する原稿に光を照射するように設置されても、光源の熱に起因する画質の低下を防ぐことのできる画像読取装置を提供することにある。
本発明の1つの観点における画像読取装置は、下方に位置するシートに光を照射し、そのシートによって反射された光を検出し、その光からそのシートの画像を読み取る装置であり、発光素子と、長尺形状をしており、長手方向の端面から入射した発光素子の光を導いて、その長手方向に拡がる側面から下方に位置するシートに向かって出射させる導光部材と、そのシートによって反射された光を反射する少なくとも1枚のミラーと、その光を集束させる少なくとも1枚のレンズとを含む光学系と、光学系を通して集束した光を検出する光検出部と、導光部材、光学系、および光検出部を保持する筐体とを備えており、発光素子が筐体の外壁よりも外側に配置されていることを特徴とする。この発光素子の位置は、導光部材の長手方向において、筐体の外壁よりも外側であってもよい。
筐体の底面は、シートによって反射された光を筐体の内部に取り込むための開口部を含んでいてもよい。また、上記の少なくとも1枚のミラーは、開口部を通過した光を最初に反射する第1のミラーと、その光を第1のミラーよりも後に反射する第2のミラーとを含んでいてもよい。この場合、開口部から第2のミラーまでの上下方向における距離が、開口部から第1のミラーまでの上下方向における距離よりも短くてもよい。また、導光部材の長手方向における第1のミラーの反射面の長さは、その長手方向における導光部材の長さよりも短くてもよい。
上記の画像読取装置は、筐体と発光素子とを上方から覆うカバー部材を更に備えていてもよい。この場合、発光素子の上方の空間に面したこのカバー部材の部分には通気穴が開けられていてもよい。
上記の画像読取装置は、発光素子から導光部材の長手方向の端面までの光路を覆う断熱性の連結部材を更に備えていてもよい。また、筐体の外壁は、発光素子から導光部材の長手方向の端面までの光路を確保するための開口部を含んでいてもよい。この場合、連結部材は、その開口部を塞ぐ構造であってもよい。
上記の画像読取装置は画像形成装置に備えられていてもよい。この画像形成装置は、画像データに基づいてシートに画像を形成する画像形成部と、上記の画像読取装置によって読み取られた画像を表すデータと元の画像データとの比較に基づいて、画像形成部に対する画像形成条件を制御する制御部とを更に備えており、上記の画像読取装置は、画像形成部によって処理されたシートが下方を通過するように配置されている。
上記の画像読取装置では筐体の外壁よりも、特に光学系と光検出部よりも外側に発光素子が位置する。したがって、発光素子の熱で温められた空気が対流によって上昇しても、その空気の熱が光学系と光検出部とのいずれへも伝わらない。これにより、この画像読取装置は、下方に位置する原稿に光を照射するように設置されても、光源の熱に起因する画質の低下を防ぐことができる。
(a)は、本発明の実施形態1による画像形成装置の外観を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示されている自動原稿送り装置とスキャナーとの、直線(b)−(b)に沿った断面図である。 本発明の実施形態1による画像読取部の外観を示す斜視図である。 図2に示されている直線III−IIIに沿った部分断面図である。 (a)は、図2に示されている照明部の外観を示す斜視図であり、(b)はその底面図である。 図2に示されている画像読取部の模式的な側面図である。 本発明の実施形態1による画像読取部の1つの変形例の斜視図である。 (a)は、本発明の実施形態1による画像読取部の別の変形例の部分的な分解斜視図であり、(b)は、(a)に示されている部品を組み立てた後の外観を示す斜視図である。 (a)は、本発明の実施形態1による画像読取部の更に別の変形例の部分的な分解斜視図であり、(b)は、(a)に示されている部品を組み立てた後の外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態2による画像形成装置の構造を模式的に示す正面図である。 図9に示されている画像形成装置の制御系統を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
《実施形態1》
[画像形成装置の外観]
図1の(a)は、本発明の実施形態1による画像形成装置の外観を示す斜視図である。この画像形成装置100は複合機(multi-function peripheral:MFP)であり、その筐体の上部にスキャナー120を含み、下部にプリンター130を含む。これらを利用してMFP100は、画像の読み取り、複写、および印刷の機能を実現する。
図1の(a)を参照するに、MFP100の筐体の上面には自動原稿送り装置(auto document feeder:ADF)110が開閉可能に装着されている。ADF110の直下の筐体部分にはスキャナー120が内蔵されており、その前面には操作パネル101が埋め込まれている。スキャナー120の直下には隙間102が開いており、その奥に排紙口131が設置されている。すなわち、MFP100は胴内排紙型であり、この隙間102を排紙空間として利用する。隙間102の周囲と下側との筐体部分にはプリンター130が内蔵されており、その底部には給紙カセット133が引き出し可能に取り付けられている。
[ADF/スキャナーの構造]
図1の(b)は、図1の(a)に示されているADF110とスキャナー120との、直線(b)−(b)に沿った断面図である。図1の(b)を参照するに、ADF110は画像読取部200を含む。画像読取部200はスキャナー120と協働して、ADF110が原稿を1回通紙する(ワンパス)間にその両面の画像を同時に読み取る。
−ADF−
図1の(b)を参照するに、ADF110は、給紙トレイ111、複数のローラー11A−11J、および排紙トレイ112を含む。給紙トレイ111は、その上に原稿DC0が載せられると、給紙口113に面した端部114を上昇させて、その原稿DC0を給紙口113のローラー11Aに接触させる。複数のローラー11A、…、11Iは順番に、給紙トレイ111の上の原稿DC0を1枚ずつ次のローラー11B、…、11Jへ向けて搬送する。最後のローラー11Jは、前のローラー11Iから渡される原稿DC1を排紙口115から外へ排出する。排紙トレイ111は、排紙口115から排出された原稿DC1を積載する。
複数のローラー11A−11Jによって各原稿が搬送される経路は、ADF110の底面では露出してスキャナー120の上面に対向し、ADF110の内部では画像読取部200の直下を通る。すなわち、画像読取部200はこの経路を隔ててスキャナー120の反対側に位置する。したがって、原稿はそれぞれ、この経路を搬送される間にスキャナー120と画像読取部200との近傍を、それぞれに異なる側の表面を向けて通過する。
−スキャナー−
図1の(b)を参照するに、スキャナー120は、コンタクトガラス121、プラテンガラス122、スライダー123、光学系124、125、ラインセンサー126、および画像処理部127を含む。これらを利用してスキャナー120は、ADF110によって搬送される原稿、またはプラテンガラス122の上に載せられた原稿から画像を読み取る。
コンタクトガラス121は、スキャナー120の上面に開けられたスリットを塞いでおり、その直上でADF110の底面に露出した原稿の搬送経路の一部に面している。コンタクトガラス121は細長い板状であり、その表面が、面した搬送経路の一部を通過する原稿の表面と平行であり、かつその長手方向が、その搬送経路の一部と直交する方向(図1の(b)では紙面に対して垂直な方向である。以下、「主走査方向」という。)と平行であるように設置されている。コンタクトガラス121は透明なガラスまたは透光性樹脂から形成されている。
プラテンガラス122は、スキャナー120の上面にコンタクトガラス121の位置とは別の場所に開けられた開口部を塞いでいる。プラテンガラス122はADF110が開かれたときに露出するので、その上に原稿を載せることができる。プラテンガラス122は矩形の板状であり、透明なガラスまたは透光性樹脂から形成されている。
スライダー123はスキャナー120の内部に設置されており、その天井面に沿ってコンタクトガラス121の直下からプラテンガラス122の、コンタクトガラス121とは反対側に位置する端までの間を往復運動可能である。スライダー123は光源128とミラー129とを含む。光源128は主走査方向と平行な線光源であり、スライダー123の上面からコンタクトガラス121またはプラテンガラス122を通して、その上に載せられた原稿の表面へ光を照射する。ミラー129は、その原稿の表面で反射されてスライダー123の上方から入射した光を、光学系124、125へ向けて反射する。
光学系は一対のミラー124とレンズ125とを含み、それらを利用して、スライダー123から送られた光を集束させる。一対のミラー124はスライダー123と連動して、それと同じ方向にその半分の速度で往復運動可能である。これにより、スライダー123が、プラテンガラス122に載せられた原稿のいずれの部分に光を照射する場合でも、その原稿による反射光の光路長が一定に保たれる。
ラインセンサー126は、主走査方向と平行に並置された複数の光電変換素子の集合体を含み、光学系124、125によって集束した光を検出して電気信号に変換する。
画像処理部127は、ラインセンサー126から出力された電気信号を処理してデジタルの画像データに変換して、プリンター130または外部の電子機器へ出力する。
−画像読取部−
画像読取部200は、ADF110のローラー群11A−11Jによって搬送される原稿DC1がその直下を通過する際にその表面に光を照射して、その表面によって反射された光から画像を読み取って電気信号に変換する。画像読取部200は更に、読み取った画像を表す電気信号をスキャナー120の画像処理部127へ送信して、その電気信号をデジタルの画像データに変換させる。この画像データもプリンター130または外部の電子機器へ出力される。
ADF110によって搬送される原稿DC1が画像読取部200に向ける表面は、スキャナー120のコンタクトガラス230に向ける表面の裏側である。したがって、その原稿DC1がADF110によって1回搬送される間に、その表裏両面の画像がスキャナー120と画像読取部200とによって読み取られる。
[プリンター]
プリンター130は電子写真式又はインクジェット式のカラープリンターであり、画像データに基づいてシートにトナーまたはインクで画像を印刷する。具体的には、プリンター130はまず、操作パネル101を通したユーザーからの指示、またはLANを通したPCからの要求に応じて印刷対象の画像データを、スキャナー120、USBメモリーもしくはハードディスクドライブ(HDD)等の外付けの記憶装置、またはLANで接続されたPC等の電子機器から受信する。特にスキャナー120の画像処理部127からは、スキャナー120もしくは画像読取部200によって読み取られた画像を表すデータが取り込まれる。プリンター130は次に、ユーザーの指示またはPCの要求が示す印刷条件に従って、給紙カセット133から所望のサイズのシートを抜き出し、そのシート上の所望の領域に所望の色のトナーまたはインクを、画像データの示す各画素の色座標値に応じた濃度で分布させる。このトナーまたはインクの分布によって、画像データの表す画像がシート上に再現される。こうして画像が印刷されたシートをプリンター130は排紙口131から隙間102へ排紙する。
[画像読取部の構造]
図2は、画像読取部200の外観を示す斜視図である。図3は、図2に示されている直線III−IIIに沿った部分断面図である。図2、図3を参照するに、画像読取部200は、筐体210、照明部260、光学系270、および光検出部280を備えている。
−筐体−
筐体210の全体は実質的に、奥行き方向(図2、図3ではX軸方向)に長い直方体形状である。画像読取部200がADF110の内部に設置されたとき、筐体210の奥行き方向が主走査方向と平行であり、筐体210の底面211が、直下を通過する原稿の表面と平行である。
筐体210は、照明部260、光学系270、および光検出部280を保持する部材である。具体的には、筐体210の底面211は、奥行き方向すなわち主走査方向と平行に延びている突出部212を含み、その中に照明部260を保持している。筐体210の外壁213は、図3に示されているように内側に空間SPC(以下、「内部空間」という。)を囲んでいる。外壁213の内面と上面214とは光学系270を保持している。この上面214は更に光検出部280を保持している。
−照明部−
図4の(a)は、照明部260の外観を示す斜視図であり、(b)は照明部260の底面図である。図4を参照するに、照明部260は、発光素子261、導光部材262、および保持部材263を含む。発光素子261はLED等の点光源である。導光部材262は細長い直方体形状であり、ガラスまたはアクリル樹脂等、発光素子261の光に対して透明または半透明な材質から成る。保持部材263は実質的に平坦な直方体形状であり、発光素子261の光を通さない材質から成る。保持部材263の長さは導光部材262の長さと実質的に等しい。保持部材263の矩形状の底面のうち、短辺方向(図4の(b)では縦方向)における中央部には凹部264が形成されている。凹部264は保持部材263の長手方向(図4の(b)では横方向)の端から端まで延びている。その長手方向と平行な凹部264の両縁には導光部材262が1本ずつ嵌め込まれている。2本の導光部材262の中間には長手方向のスリット265が開いている。このスリット265は保持部材263を底面から上面まで(図4の(b)では紙面に対して垂直な方向に)貫通している。図4の(a)に示されているように保持部材263の長手方向の端面266には導光部材262の長手方向の端面267が露出し、図4の(b)に示されているように凹部264には導光部材262の側面268が露出している。導光部材262の長手方向の端面267のすぐ外側には発光素子261が配置されている。これにより、発光素子261の光は導光部材262のその端面267に入射し、凹部264に露出した導光部材262の側面268から下方に向けて出射する。この側面268から出射する光はその側面268の全体で一様である。こうして、照明部260は線光源として機能する。
図2、図3を再び参照するに、導光部材262と保持部材263(図2には破線で示されている。)とは、それぞれの長手方向が水平方向すなわち主走査方向(図2、図3ではX軸方向)と平行に設置されている。この設置場所に面した筐体210の外壁213の下部には開口部219が設けられている。図3に示されているように、この開口部219を通して導光部材262と保持部材263との長手方向の端部が外壁213よりも外側に延びて、それぞれの長手方向の端面266、267が発光素子261に近接している。こうして、外壁213のこの開口部219により、発光素子261から導光部材262の長手方向の端面267までの光路が確保される。
筐体210の底面211は、保持部材263の凹部264に面した部分に開口部215を含む。この開口部215はコンタクトガラス269で塞がれている。画像読取部200がADF110の中に組み込まれたとき、コンタクトガラス269は、その直下を通る原稿の搬送経路の一部に面している。コンタクトガラス269は、長手方向が主走査方向(X軸方向)と平行な細長い板状であり、その表面が、直下を通過する原稿の表面と平行である。コンタクトガラス269は、発光素子261の光に対して透明なガラスまたは樹脂から形成されているので、保持部材263の凹部264に露出した導光部材262の側面268から下方に向けて出射した光を直下の原稿へ向けて透過させ、その原稿によって上方に向けて反射された光を保持部材263のスリット265へ向けて透過させる。
−光学系と光検出部−
図2、図3を参照するに、光学系270は縮小光学系であり、5枚のミラー271−275と結像レンズ列276とを含む。これらのミラー271−275はいずれも細長い板状である。第1から第4までのミラー271−274は長手方向の両端で筐体210の外壁213によって保持され、第5ミラー275は長手方向の両端で筐体210の上面214の突出部216によって保持されている。第1から第4までのミラー271−274は反射面が筐体210の内部空間SPCに収容され、第5ミラー275は反射面が筐体210の突出部216の内側に収容されている。5枚のミラー271−275はいずれも、長手方向が主走査方向(X軸方向)と平行である。結像レンズ列276は筐体210の上面214に保持され、光を入射させる側を筐体210の突出部216の内側に向けている。このように、光学系270の要素271−276はいずれも導光部材262の上方に配置され、導光部材262の下方に位置する原稿の表面からコンタクトガラス269と保持部材263のスリット265とを通して筐体210の内部空間SPCに入射した光を集束させる。
光検出部280は筐体210の上面214に保持され、結像レンズ列276の端部に接続されている。結像レンズ列276はその端部から光検出部280へ、光学系270を通して集束した光を出射させる。光検出部280はCCDまたはCMOS等の固体撮像素子を内蔵し、それを用いて、結像レンズ列276から出射した光を検出して電気信号に変換する。光検出部280は更に信号出力端子281を含み、これらを通して、検出された光から変換された電気信号を出力する。
図5は、画像読取部200の模式的な側面図である。この側面図は、ADF110の中に設置された画像読取部200を主走査方向(図5ではX軸方向)から見たときの外観を模式的に表す。図5に示されている一点鎖線LPTは、照明部260によって下方に向けて照射された光が原稿DCMによって反射されたときの光路を表す。ただし、実際の光路LPTは図2から理解されるとおり、筐体210の内部空間SPC、すなわち図5では筐体の外壁213の裏側に位置する。
図5に示されている光路LPTを参照するに、照明部260の保持部材263の底面に露出した導光部材262の側面268から下方に向けて出射した光はコンタクトガラス269を透過して、照明部260の直下を通過する原稿DCMによって上方に向けて反射される。その反射された光はコンタクトガラス269を透過し、保持部材263のスリット265を通って筐体210の内部空間SPCへ侵入する。スリット265の真上には第1ミラー271が配置されているので、内部空間SPCへ侵入した光は最初に第1ミラー271によって反射される。その後、光は第2ミラー272、第3ミラー273、第4ミラー274の順に反射されることによって筐体210の内部空間SPCからその上面214の突出部216の内側へ抜け出し、第5ミラー275によって反射されて結像レンズ列276へ入射する。その光は結像レンズ列276によって更に集束して光検出部280の受光面282に結像する。
このように、5枚のミラー271−275は光路LPTのうち、原稿DCMから結像レンズ列276までの部分を、結像レンズ列276から光検出部280の受光面282までの部分よりも十分に長く構成する。これにより、照明部260から光が同時に照射される原稿DCMの領域に比べて、その領域からの反射光が光検出部280の受光面282に結ぶ像は、主走査方向における長さが十分に短い。こうして、5枚のミラー271−275と結像レンズ列276とは縮小光学系として機能する。
縮小光学系では一般に、ミラーから結像レンズまでの光路長が短いほど、そのミラーに必要な反射面のサイズが小さい。したがって、5枚のミラー271−275は、光路LPTに沿って進む光を反射する順に、必要な反射面の主走査方向における長さが短い。さらに、図5に示されているように、第1ミラー271は筐体210の上面214に可能な限り接近するように保持されて、原稿DCMから可能な限り引き離される。一方、筐体210の底面211の開口部215から第2ミラー272までの上下方向(図5ではZ軸方向)における距離は、その開口部215から第1ミラー271までの上下方向における距離よりも短い。第3ミラー273と第4ミラー274とについても同様である。すなわち、第2から第4までのミラー272−274のZ座標は開口部215のZ座標と第1ミラー271のZ座標との中間を表す。これにより、5枚のミラー271−275はいずれも主走査方向(X軸方向)における長さを導光部材262のその方向における長さよりも十分に短縮可能である。たとえば図3に示されているように、第1ミラー271に必要な反射面の長さLR1と、第4ミラー274に必要な反射面の長さLR4とはいずれも導光部材262の長さLLLよりも十分に短い。
[光源の放熱構造]
図2、図3を更に参照するに、筐体210の底面211は、外壁213よりも水平方向すなわち主走査方向(図2、図3ではX軸方向)において外側へ張り出した部分217を含み、その部分217で発光素子261を保持している。これにより、発光素子261は外壁213、特に内部空間SPCと、その上下方向(図2、図3ではZ軸方向)に隣接する領域とのいずれよりも外側に配置されている。(より正確に言えば、発光素子261の水平座標(X座標)は外壁213の水平座標に対して外側の位置を表す。)外壁213はまた、発光素子261の上方に拡がる空間HPTから光学系270と光検出部280とを隔てている。
この空間HPTは、発光素子261の熱で温められた空気が対流によって上昇する「放熱空間」として利用される。ここで、光学系270が縮小光学系であるので、構成要素のミラー271−275の主走査方向(X軸方向)における長さがいずれも、その方向における導光部材262の長さよりも十分に短縮可能である。したがって、筐体210の全体の主走査方向における長さを一定に維持したまま、張り出し部分217のその方向における長さを縮めることにより、放熱空間HPTを主走査方向に拡張することが容易である。さらに、この拡張に伴って放熱空間HPTの容積が増大するので、筐体210は主走査方向における全体の長さを維持したまま、発光素子261の熱を外気へ逃がす能力(以下、「放熱能力」という。)を十分に高くすることが容易である。
図2、図3に示されているように、放熱空間HPTは筐体210の外壁213よりも外側に位置すると共に、その外壁213によって筐体210の内部空間SPCから隔てられている。その結果、発光素子261の熱で温められた空気の流れHTFは、放熱空間HPTへは上昇して拡散しても、導光部材262の周囲と内部空間SPCとへは侵入しない。こうして、この空気の流れHTFから内部空間SPCへの熱の伝搬が抑制される。
なお、図1の(b)に示されているADF110の内部では、画像読取部200の奥行き方向すなわち主走査方向(図2ではX軸方向)は水平方向であり、上下方向(図2ではZ軸方向)は鉛直方向から若干斜めに傾いている。図3から明らかなとおり、この傾き(図3では鉛直方向に対するZ軸の傾き)が過大でない限り、発光素子261の熱で温められた空気の流れHTFが放熱空間HPTから筐体210の外壁213の開口部219を通して内部空間SPCへ逃げることはない。したがって、発光素子261の熱がその内部空間SPCにこもることはないので、光学系270と光検出部280とのいずれの温度も過剰に上昇する危険性がない。
[実施形態1の利点]
両面同時読み取り機能の実現には、直下を通過する原稿に光を照射して画像を読み取る種類の画像読取装置が必要である。本発明の実施形態1による画像形成装置100はこの種類の画像読取装置として画像読取部200を含む。画像読取部200では発光素子261が筐体210の外壁213よりも外側に配置されている。したがって、発光素子261の熱で温められた空気の流れHTFは放熱空間HPTへ上昇して拡散するので、その流れHTFから筐体210の内部空間SPCへ、特に光学系270と光検出部280とへは過大な熱量が伝わることがない。これにより、発光素子261の熱がその内部空間SPCにこもることはないので、光学系270と光検出部280とのいずれの温度も過剰に上昇する危険性がない。こうして、画像読取部200は、直下を通過する原稿に光を照射するように設置されても、発光素子261の熱に起因する画質の低下を防ぐことができる。その結果、画像形成装置100は画像の読み取り機能に対する信頼性が高い。
[変形例]
(A)実施形態1による画像形成装置100はMFPである。本発明による画像形成装置はその他に、プリンター、コピー機、スキャナー、またはFAXのいずれかの機能に特化した装置であってもよい。
(B)画像読取部200によって読み取られた画像はスキャナー120の画像処理部127によってデジタルの画像データに変換される。画像読取部200はその他に、専用の画像処理部を含み、読み取った画像をその画像処理部によってデータ化させてもよい。
(C)照明部260の発光素子261は、LEDに代えて、ハロゲンランプ、蛍光灯、有機EL等、他の発光方式による光源であってもよい。また、発光素子261は導光部材262の両端に配置される代わりに、いずれか一方の端にのみ配置されてもよい。
照明部260の導光部材262の長尺形状は、細長い直方体に代えて、断面が円または他の多角形であってもよく、薄い板状であってもよい。また、導光部材262の本数は“2”以外であってもよい。
いずれの場合でも、照明部260の光源のうち、発光に伴って熱を放出する部分が筐体210の外壁213よりも外側に、特に光学系270と光検出部280とのいずれよりも外側に配置されていればよい。より正確に言えば、光源の放熱部分の水平座標が外壁213の水平座標に対して外側の位置を表していればよい。
(D)図2、図3に示されている例では、筐体210の外壁213に開けられたスリット218を通して第1から第4までのミラー271−274の長手方向の両端部が放熱空間HPTへ突出している。これらの突出部分と、外壁213に接触する部分とは、断熱性が特に高い部材で形成され、または覆われていてもよい。これにより、これらの突出部分と外壁213とが、発光素子261の熱で温められた空気の流れHTFに曝されても、それらの部分を通して筐体210の内部空間SPC、特にその中に位置するミラー271−275の反射面へ伝搬する熱量を更に低減させることができる。
その他に、図2、図3とは異なり、外壁213のスリット218とミラー271−274との隙間が断熱部材で塞がれていてもよい。また、ミラー271−274を保持するための構造を、外壁213にスリット218等の貫通穴を一切開けることなく、外壁213の内側に設けることにより、外壁213に内部空間SPCを放熱空間HPTから完全に遮断させてもよい。
(E)光学系270は縮小光学系であればよく、図2、図5に示されているミラー271−275と結像レンズ列276との組み合わせは一例に過ぎない。原稿DCMから筐体210の底面211の開口部215へ入射した光を最初に反射するミラーを「第1のミラー」と呼び、第1のミラーよりも後にその光を反射するミラーを「第2のミラー」と呼ぶ。この場合、第2のミラーの少なくとも1枚は、開口部215からそのミラーまでの上下方向における距離が、その開口部215から第1のミラーまでの上下方向における距離よりも短いように配置されていればよい。より正確には、第2のミラーの少なくとも1枚は上下方向における座標が、その方向における開口部215の座標と第1のミラーの座標との間を表していればよい。このような配置であれば、図5に示されている配置と同様、第1のミラーを原稿DCMから十分に引き離すことで、いずれのミラーも主走査方向における長さを導光部材262の長さよりも十分に短縮可能である。したがって、筐体210の全体の主走査方向における長さを一定に維持したまま、放熱空間HPTをその方向に拡張することにより、筐体210に十分に高い放熱能力を容易に獲得させることができる。すなわち、筐体210の全体を拡大させることなく、十分な容積の放熱空間HPTを確保することができる。
なお、主走査方向におけるサイズに余裕がある場合等、筐体210のサイズに対する制限が緩い場合であれば、光学系の要素の配置は、図5に示されているものから自由に変更可能である。たとえば、開口部215からいずれの第2のミラーまでの上下方向における距離も開口部215から第1のミラーまでの上下方向における距離よりも長くてもよい。
(F)図2に示されているように、筐体210の上面214には光学系270の要素275、276と光検出部280とが露出しており、外壁213の外側には光学系270の要素271−274の端部と発光素子261とが露出している。これらの露出した要素の全体を覆って保護するためのカバー部材を画像読取部が更に備えていてもよい。
図6は、そのようなカバー部材501を備えた画像読取部の一例201の外観を示す分解斜視図である。図6を参照するに、カバー部材501は筐体210と発光素子261とを上方から覆う。これにより、発光素子261、光学系270、および光検出部280が塵および埃の付着によって悪影響を受けることも、ユーザーによって不用意に干渉されることも防止される。
図6を更に参照するに、カバー部材501の上面502には主走査方向(図6ではX軸方向)における両端部のうち、放熱空間HPTに面した部分に複数の通気穴503が開けられている。これらの通気穴503が放熱空間HPTをカバー部材501の外側の空間へ連通させるので、発光素子261の熱で温められた空気の流れHTFは放熱空間HPTへ上昇した後、通気穴503を通して更に上昇を続けて外気に拡散する。したがって、放熱空間HPTがカバー部材501で覆われても、筐体210の放熱能力は損なわれない。
なお、放熱空間HPTに面したカバー部材501の部分の熱伝導性が十分に高ければ、その部分には通気穴503が開けられていなくてもよい。また、その部分が通気穴503に代えて、熱伝導性の高い放熱部を含んでいてもよい。発光素子261から対流によって放熱空間HPTへ上昇した熱はカバー部材501のその部分自体、またはその部分が含む放熱部を通して外気へ放散する。したがって、放熱空間HPTがカバー部材501で覆われても、筐体210の放熱能力は損なわれない。
(G)画像読取部200では図4に示されているように、保持部材263の長手方向の端面266に露出した導光部材262の長手方向の端面267から隙間を空けて発光素子261が配置されている。その他に、導光部材262のその端面267と発光素子261との隙間が連結部材によって覆われていてもよい。
図7の(a)は、そのような画像読取部の一例202における連結部材601の近傍を示す部分的な分解斜視図である。図7の(b)は、図7の(a)に示されている部品を組み立てた後の外観を示す斜視図である。図7を参照するに、連結部材601は発光素子261を筐体210の底面211に固定すると共に、その発光素子261から導光部材262の端面までの光路を覆って外部への光の漏れを防ぐ。連結部材601は更に、断熱性の高い樹脂またはセラミック等の材質から成り、発光素子261の熱を導光部材262から遮断する。これにより、発光素子261の熱が導光部材262と保持部材263とのいずれを通して筐体210の内部空間SPCへ伝わることも阻止することができる。
図8の(a)は、別の例203における連結部材701の近傍を示す部分的な分解斜視図である。図8の(b)は、図8の(a)に示されている部品を組み立てた後の外観を示す斜視図である。図8を参照するに連結部材701は、外壁213の下部の開口部219を塞ぐ構造を持つ。これにより、連結部材701は、発光素子261の固定と外部への光漏れの防止との機能に加え、発光素子261の周囲の空間SP1から導光部材262の周囲の空間SP2への塵と埃との侵入を阻止する機能を持つ。連結部材701は更に断熱性の高い樹脂またはセラミック等の材質から成り、発光素子261の周囲の空間SP1から導光部材262の周囲の空間SP2を遮熱する。これにより、発光素子261の熱がその周囲の空気と、外壁213の下部の開口部219に配置された他の部材とを通して筐体210の内部空間SPCへ伝わることを阻止することができる。
図7、図8に示されている連結部材601、701は発光素子261から導光部材262の端面267までの光路を空間のままで残す。その他にその空間が、発光素子261の光に対して透明または半透明な部材で塞がれていてもよい。また、同様な透明または半透明部材によって外壁213の下部の開口部219の全体が塞がれていてもよい。
(H)図3に示されている例では、導光部材262の長手方向の端面267が外壁213よりも外側に位置する。その他に、図7または図8のように、発光素子261から導光部材262の端面267までの光路が連結部材601または701によって覆われている場合、発光素子261が外壁213よりも外側に位置する限り、導光部材262の端面267は外壁213よりも内側に位置してもよい。
《実施形態2》
本発明の実施形態2による画像形成装置はカラープリンターであり、排紙部にインラインセンサーとして画像読取部を備えている。
[画像形成装置の構造]
図9は、本発明の実施形態2によるプリンター800の構造を示す模式的な正面図である。図9にはこのプリンター800の内部の要素が、あたかも筐体の前面を透かして見えているように描かれている。図9を参照するにプリンター800は例えばカラーレーザープリンターであり、画像形成部、操作部50、および制御部60を含む。画像形成部は、画像データに基づいてシートに画像を形成するための中核機構であり、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40を含む。給送部10はシートSHTを1枚ずつ作像部20へ給送する。作像部20は、給送部10から送られたシートSH2の上にトナー像を形成する。定着部30はそのトナー像を熱定着させる。排紙部40は、トナー像が定着したシートSH3を筐体の外へ排紙する。操作部50はユーザーの操作または外部の電子機器との通信を通して印刷の要求と印刷対象の画像データとを受け付けてそれらを制御部60へ伝える。制御部60は操作部50からの情報に基づいてプリンター800内の他の要素の動作を制御する。
−給送部−
図9を参照するに給送部10では給紙カセット11が複数枚のシートSHTを収容可能である。これらのシートSHTの材質は紙または樹脂である。ローラー群12、13、14は給紙カセット11内のシートSHTのうち、最も上に位置するシートSH1を作像部20へ送り出す。
−作像部−
図9を参照するに作像部20では作像ユニット21が、まず画像データに基づいて感光体ドラム25の表面を露光して、その表面に静電潜像を作成する。作像ユニット21は次にその静電潜像を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色のトナーで現像する。得られたトナー像は1次転写ローラー22と感光体ドラム25との間の電界によって、感光体ドラム25の表面から中間転写ベルト23の表面へ転写される。作像ユニット21の間では作像のタイミングが中間転写ベルト23の回転に合わせてずれているので、感光体ドラム25から4色のトナー像が中間転写ベルト23の表面上の同じ位置へ多重転写されて1つのカラートナー像を構成する。このカラートナー像は中間転写ベルト23と2次転写ローラー24との間の電界によって、給送部10から両者23、24の間のニップへ通紙されたシートSH2の表面へ転写される。その後、2次転写ローラー24はそのシートSH2を定着部30へ送り出す。
−定着部−
図9を参照するに定着部30では、定着ローラー31と加圧ローラー32との間のニップに作像部20からシートSH2が通紙される。定着ローラー31はこのシートSH2の表面へ内蔵のヒーターの熱を加える。加圧ローラー32はそのシートSH2の加熱部分に対して圧力を加えて定着ローラー31へ押し付ける。定着ローラー31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とにより、シートSH2へ転写されたトナー像がそのシートSH2の表面上に定着する。
−排紙部−
図9を参照するに排紙部40は、ガイド板41、排紙口42、および排紙ローラー43に加え、インラインセンサー400を含む。ガイド板41は、定着部30の上部から排出されたシートSH2を排紙口42へ誘導する通路を形成する。排紙口42は、プリンター800の筐体に開いている水平方向のスリットである。排紙ローラー43は排紙口42の内側に配置されており、回転しながらその側面で、ガイド板41に沿って移動してきたシートSH3を排紙口42から筐体の外へ排紙する。インラインセンサー400は、定着部30からガイド板41に沿って搬送されるシートSH3がその直下を通過する際にその表面に光を照射して、その表面によって反射された光から画像を読み取る。インラインセンサー400は更にその画像から各画素の色座標値または濃度等を判別して制御部60へ通知する。
インラインセンサー400の内部構造は、図2に示されている画像読取部200のものと同様である。特に、発光素子が筐体の外壁よりも外側に、すなわち光学系、光検出部、および画像処理用の電子回路よりも外側に位置する。また、光学系、光検出部、および電子回路はいずれも発光素子の上方の空間から筐体の外壁によって隔てられている。
[画像形成装置の電子制御系統]
図10は、プリンター800の電子制御系統の構成を示すブロック図である。図10を参照するにこの電子制御系統では画像形成部70、すなわち、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40に加え、操作部50と制御部60とがバス90を通して互いに通信可能に接続されている。
−操作部−
図10を参照するに操作部50では、操作パネル51が操作画面および各種パラメーターの入力画面等のGUI画面をディスプレイに表示すると共に、ユーザーが操作した押しボタンまたはタッチパネルの位置を識別して制御部60へ伝える。操作部50ではまた、外部I/F52が、USBポートもしくはメモリカードスロット等のメモリーインタフェース、または外部のネットワークに有線または無線で接続されるネットワークインタフェースを含み、それらを通してUSBメモリーもしくはHDD等の外付けの記憶装置から直に印刷対象の画像データを取り込み、またはネットワークに接続された他の電子機器と通信して印刷対象の画像データをそれらの電子機器から受信する。
−制御部−
制御部60は、プリンター800の内部に設置された1枚の基板の上に実装された電子回路である。図10を参照するに制御部60ではCPU61がファームウェアに従って、バス90に接続された他の要素50、70を制御する。RAM62は、CPU61がファームウェアを実行する際の作業領域をCPU61に提供すると共に、操作部50が受け付けた印刷対象の画像データを保存する。ROM63は書き込み不可の半導体メモリー装置と、EEPROM等の書き換え可能な半導体メモリー装置またはHDDとを含む。前者はファームウェアを格納し、後者はCPU61に環境変数等の保存領域を提供する。
CPU61が各種ファームウェアを実行することにより、制御部60は操作部50からの情報に基づいて、まずプリンター800内の他の要素の動作を制御する。具体的には、制御部60は操作部50に操作画面を表示させてユーザーによる操作を受け付けさせる。この操作に応じて制御部60は、稼動モード、待機モード、スリープモード等の動作モードを決定し、その動作モードを他の要素へ駆動信号で通知して、その動作モードに応じた処理を各要素に実行させる。
[インラインセンサーの役割]
インラインセンサー400は制御部60により、画質の自動安定化制御に利用される。具体的には、制御部60はまずインラインセンサー400に、定着部30によって処理されたシートから、トナー像を構成する各画素の色座標値または画像濃度等を測定させて、それらの測定値を通知させる。このトナー像は、カラーパッチ等、画質補正用として制御部60に予め格納されていた所定の画像データに従って形成されたものであっても、通常の印刷要求に応じて操作部50が外部から受け付けた印刷対象の画像データに従って形成されたものであってもよい。制御部60は次に、インラインセンサー400から通知された測定値を、測定対象のトナー像の形成に利用された画像データの示す各画素の色座標値または画像濃度等と比較して、それらの間の差異から、画像の階調のずれ、ムラ、または色座標のずれ等、画質の乱れを検出する。制御部60は更に、検出された画質の乱れが、その検出後、新たに形成されるトナー像では抑制されるようにするための補正処理を行う。この補正処理には、γ補正等の画像処理に加え、画像形成部70に対する画像形成条件の制御が含まれる。制御部60はたとえば、作像部20に対しては現像バイアスの補正、すなわち現像時に感光体ドラム25に対して印加されるバイアス電圧の補正、または感光体ドラム25に対する露光量の補正を指示し、定着部30に対しては定着ローラー31の表面温度の補正を指示する。これらの補正処理により、シート上に新たに形成されるトナー像の濃度または4色間でのトナー濃度のバランスが適切に補正されて、検出された画質の乱れが抑制される。
このように、インラインセンサー400は、その測定値が制御部60によってトナー像の画質のフィードバック制御に利用されることにより、画質の自動的な安定化に重要な役割を果たす。
[実施形態2の利点]
本発明の実施形態2による画像形成装置800は上記のとおり、インラインセンサー400をトナー像の画質の自動安定化制御に利用する。このインラインセンサー400の内部では実施形態1による画像読取部200と同様に、発光素子261が筐体210の外壁213よりも外側に配置されている。したがって、発光素子261の熱で温められた空気の流れHTFは放熱空間HPTへ上昇して拡散するので、その流れHTFから筐体210の内部空間SPCへは、特に光学系270と光検出部280とへは過大な熱量が伝わることがない。これにより、発光素子261の熱がその内部空間SPCにこもることはないので、光学系270と光検出部280とのいずれの温度も過剰に上昇する危険性がない。こうして、インラインセンサー400は、直下を通過するシートに光を照射するように設置されても、発光素子261の熱に起因する画質の低下、および画像処理の精度の低下を防ぐことができる。その結果、画像形成装置800はトナー像の画質の安定性を高く維持することができる。
また、インラインセンサー400の信頼性が、その設置時の姿勢にかかわらず高く維持されるので、インラインセンサー400には測定対象のシートとの相対的な位置関係に関する制約が少ない。したがって、インラインセンサー400は、画像形成装置800へ実装される際の設計の柔軟性が高い。
本発明は、画像読取装置の光源の放熱構造に関し、上記のように光源を筐体の外壁よりも外側に配置する。このように、本発明は明らかに産業上利用可能である。
200 画像読取部
210 筐体
211 筐体の底面
212 筐体の底面の突出部
213 筐体の外壁
214 筐体の上面
215 筐体の底面の開口部
216 筐体の上面の突出部
217 筐体の底面の張り出し部分
218 筐体の外壁のスリット
219 筐体の外壁の開口部
SPC 筐体の内部空間
HPT 放熱空間
HTF 発光素子の熱によって温められた空気の流れ
260 照明部
261 発光素子
262 導光部材
263 保持部材
264 保持部材の凹部
265 保持部材の凹部のスリット
266 保持部材の長手方向の端面
267 導光部材の長手方向の端面
268 導光部材の側面
269 コンタクトガラス
270 光学系
271 第1ミラー
272 第2ミラー
273 第3ミラー
274 第4ミラー
275 第5ミラー
276 結像レンズ列
280 光検出部
281 信号出力端子

Claims (9)

  1. 下方に位置するシートに光を照射し、当該シートによって反射された光を検出し、当該光から当該シートの画像を読み取る画像読取装置であり、
    発光素子と、
    長尺形状をしており、長手方向の端面から入射した前記発光素子の光を導いて、当該長手方向に拡がる側面から下方に位置するシートに向かって出射させる導光部材と、
    前記シートによって反射された光を反射する少なくとも1枚のミラーと、当該光を集束させる少なくとも1枚のレンズとを含む光学系と、
    前記光学系を通して集束した光を検出する光検出部と、
    前記導光部材、前記光学系、および前記光検出部を保持する筐体と、
    を備えており、
    前記発光素子が前記筐体の外壁よりも外側に配置されている
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記発光素子の位置は、前記導光部材の長手方向において、前記筐体の外壁よりも外側であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記筐体の底面は、前記シートによって反射された光を前記筐体の内部に取り込むための開口部を含み、
    前記少なくとも1枚のミラーは、
    前記開口部を通過した光を最初に反射する第1のミラーと、
    当該光を前記第1のミラーよりも後に反射する第2のミラーと、
    を含み、
    前記開口部から前記第2のミラーまでの上下方向における距離が、前記開口部から前記第1のミラーまでの上下方向における距離よりも短い
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記少なくとも1枚のミラーのうち、前記開口部を通過した光を最初に反射するミラーは、前記導光部材の長手方向における反射面の長さが、当該長手方向における前記導光部材の長さよりも短い
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
  5. 前記筐体と前記発光素子とを上方から覆うカバー部材
    を更に備えた請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の画像読取装置。
  6. 前記発光素子の上方の空間に面した前記カバー部材の部分には通気穴が開けられている
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 前記発光素子から前記導光部材の長手方向の端面までの光路を覆う断熱性の連結部材
    を更に備えた請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の画像読取装置。
  8. 前記筐体の外壁は、前記発光素子から前記導光部材の長手方向の端面までの光路を確保するための開口部を含み、
    前記連結部材は、前記開口部を塞ぐ構造である
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像読取装置。
  9. 画像データに基づいてシートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部によって処理されたシートが下方を通過するように配置された請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の画像読取装置と、
    前記画像読取装置によって読み取られた画像を表すデータと前記画像データとの比較に基づいて、前記画像形成部に対する画像形成条件を制御する制御部と、
    を備えた画像形成装置。
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