JP2016039521A - 音信号処理装置、及び、それを用いた補聴器 - Google Patents

音信号処理装置、及び、それを用いた補聴器 Download PDF

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Abstract

【課題】 安定して風雑音を抑制することができる音信号処理装置、及び、それを用いた補聴器を提供する。【解決手段】 変換部31R,31Lは、一対のマイクロホン10R,10Lから出力する音信号を周波数帯域毎の音成分信号に変換する。算出部は、低周波側の音成分信号について、一方の音成分信号と他方の音成分信号との位相差を周波数帯域毎に算出し、高周波側の音成分信号について、一方の音成分信号と他方の音成分信号との音圧差を周波数帯域毎に算出する。メモリ40には、点音源から音が入力する場合の位相差、音圧差の上限値、下限値が周波数帯域毎に記憶されている。判定部33は、算出部で求めた位相差、音圧差とメモリに記憶された位相差、音圧差との比が所定の値よりも大きくなる周波数帯域の数をカウントする。フィルタ部34は、カウントした値が所定値よりも大きい場合に、カウントされた周波数帯域の音成分信号にフィルタ処理を施す。【選択図】 図1

Description

本発明は、音信号処理装置に関し、特に、風雑音を抑制する場合に好適なものである。
補聴器としてマイクロホンから入力した音信号を処理して風雑音を低減するものが知られている。入力した音信号の所定周波数の成分の大きさにより風雑音の有無を判定する技術が知られている。また、下記特許文献1には、2つのマイクロホンに入力する発話等の聴覚音には互いに高い相関があるが、2つのマイクロホンに入力する風雑音には互いの相関が低いことを利用した技術が開示されている。具体的には、それぞれの周波数帯域毎に、最小2乗平均アルゴリズム等を用いてフィルタをかけている。
特表2012−533244号公報
特許文献1に記載の音信号処理では、それぞれの周波数帯域毎で同様の手法を用いて音信号を処理する。しかし、周波数帯域に応じて異なる手法を用いて処理した方が、より安定して風雑音を抑制できることが分かった。
そこで、本発明は、安定して風雑音を抑制することができる音信号処理装置、及び、それを用いた補聴器を提供することを目的とする。
本発明の音信号処理装置は、変換部と、算出部と、メモリと、判定部と、フィルタ部とを備える。
変換部は、一対のマイクロホンから出力するそれぞれの音信号を所定の周波数帯域毎に分解された音成分信号に変換する。
算出部は、特定の周波数より低周波側の音成分信号について、一方のマイクロホンからの音信号に基づく音成分信号と他方のマイクロホンからの音信号に基づく音成分信号との位相差を所定の周波数帯域毎に算出する。また、算出部は、特定の周波数より高周波側の音成分信号について、一方のマイクロホンからの音信号に基づく音成分信号と他方のマイクロホンからの音信号に基づく音成分信号との音圧差を所定の周波数帯域毎に算出する。
メモリには、予め、点音源からの音が一対のマイクロホンに入力する場合に点音源からの音に基づく位相差の上限値と下限値が、特定の周波数よりも低周波側について所定の周波数帯域毎に記憶されている。また、メモリには、予め、点音源からの音に基づく音圧差の上限値と下限値が、特定の周波数よりも高周波側について所定の周波数帯域毎に記憶されている。
判定部は、上記の特定の周波数よりも低周波側において、算出部で求めた位相差とメモリに記憶された位相差の上限値及び下限値のうち算出部で求めた位相差に近い方との比を算出し、この比が第1の所定値よりも大きい周波数帯域の数をカウントする。また、判定部は、上記の特定の周波数よりも高周波側において、算出部で求めた音圧差とメモリに記憶された音圧差の上限値及び下限値のうち算出部で求めた音圧差に近い方との比を算出し、この比が第2の所定値よりも大きい周波数帯域の数をカウントする。
フィルタ部は、判定部でカウントされた周波数帯域の数が第3の所定値よりも大きい場合に、少なくとも判定部でカウントされた周波数帯域の音成分信号にフィルタ処理を施す。
音声等の点音源から発して一対のマイクロホンに入力するそれぞれの音の周波数毎の位相差及び音圧差は、水平角に対して図2及び図3に示す特徴を有することがわかった。また、当該一対のマイクロホンに入力する風雑音の周波数毎の位相差及び音圧差は、点音源が発する音の位相差及び音圧差に比べて、その絶対値が十分に大きくなることがわかった。このことを利用することで、風雑音を精度よく検出することができるようになる。そこで、本発明では、上記のように、判定部が、点音源の場合の周波数帯域毎の位相差及び音圧差の上限値と下限値のデータベースに基づき、入力された音の位相差及び音圧差と比較し、風雑音が支配的な周波数帯域を抽出することができる。このようにして風雑音を判定することで、容易に風雑音を検出すると共に、風雑音を効果的に抑制することができる。なお、データベースの位相差・音圧差と、入力された音の位相差・音圧差との比の大きさに基づき、風雑音を抑制するためのフィルタゲインを決定することとしても良い。
しかも、特定の周波数より低周波側では、一対のマイクロホンに入力する音信号に基づく音成分信号の位相差を算出している。低周波側では音の波長が長いため、一対のマイクロホンに入力する音の位相差が±πラジアン以上となりづらい。従って、低周波側で位相差を用いることで、風雑音が支配的な周波数帯域を安定して抽出できる。また、特定の周波数より高周波側では、一対のマイクロホンに入力する音信号に基づく音成分信号の音圧差を算出している。高周波側では音の回折が小さいため、それぞれのマイクロホンに入力する音の音圧差を出し易い。従って、高周波側で音圧差を用いることで、風雑音が支配的な周波数帯域を安定して抽出できる。このように、本発明の音信号処理装置では、周波数帯域に応じて位相差又は音圧差に基づきフィルタ処理すべき周波数帯域を算出するため、効果的に風雑音を抑制することができる。
また、本発明の補聴器は、上記の音信号処理装置を備え、一対のマイクロホンが左右それぞれの耳に装着されるものである。
このような補聴器は、音信号処理装置において、安定して風雑音を抑制することができるので、風がある環境でも良好に使用することができる。
以上のように、本発明によれば、安定して風雑音を抑制することができる音信号処理装置、及び、それを用いた補聴器が提供される。
本発明の実施形態に係る補聴器を示すブロック図である。 特定の周波数より低周波側における点音源から一対のマイクロホンに入力する音の周波数毎の位相差情報をグラフ化した図である。 特定の周波数より高周波側における点音源から一対のマイクロホンに入力する音の周波数毎の音圧差情報をグラフ化した図である。 シミュレーションにおいて、図1のDSPに入力する音信号を示す図である。 図4において風雑音を除去し音声信号のみを抽出した様子を示す図である。 シミュレーションの結果、DSPから出力する音声信号を示す図である。
以下、本発明に係る音信号処理装置、及び、それを用いた補聴器の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は両耳にマイクロホン付イヤホンを装着するポケット型イヤホンの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の発明の補聴器は、一対のマイクロホン10R,10Lと、一対のA/D(アナログ/デジタル)コンバータ20R,20Lと、DSP(Digital Signal Processor)30と、DSP30に接続されたメモリ40と、一対のD/A(デジタル/アナログ)コンバータ50R,50Lと、一対のイヤホン60R,60Lとを備える。本実施形態では、DSP30とメモリ40とで音声信号処理装置が構成されており、DSP30は、一対の変換部31R,31Lと、算出部32と、判定部33と、フィルタ部34と、補聴処理部35と、一対の逆変換部36R,36Lとを備える。
それぞれのマイクロホン10R,10Lは、入力する音に相当する音信号をそれぞれ出力する。なお、特に図示しないが、一方のマイクロホン10R及びイヤホン60Rは、右の耳に装着される筺体内に設けられ、他方のマイクロホン10L及びイヤホン60Lは、左の耳に装着される筺体内に設けられている。なお、マイクロホン付イヤホン部分と、前記音声信号処理装置が収納される本体部分は、無線通信により接続しても良い。また、耳かけ型補聴器の場合は、片側の補聴器に前記音声信号処理装置を備えさせ、互いの補聴器を無線通信で接続すればよい。無線通信を用いる場合は、図示せぬ送受信部を有する。
A/Dコンバータ20Rに入力するマイクロホン10Rからの音信号、及び、A/Dコンバータ20Lに入力するマイクロホン10Lからの音信号は、それぞれアナログ信号からデジタル信号に変換されて出力する。A/Dコンバータ20R,20Lから出力したデジタル信号の音信号は、DSP30に入力する。
変換部31Rは、DSP30に入力するA/Dコンバータ20Rからの音信号を高速フーリエ変換(FFT)を用いて所定の周波数帯域ごとの音成分信号に分解し、変換部31Lは、DSP30に入力するA/Dコンバータ20Lからの音信号を高速フーリエ変換を用いて所定の周波数帯域ごとの音成分信号に分解する。従って、変換部31Rからは所定の周波数帯域ごとに分解されたマイクロホン10Rからの音信号に基づく音成分信号が出力され、変換部31Lからは所定の周波数帯域ごとに分解されたマイクロホン10Lからの音信号に基づく音成分信号が出力される。なお、変換部31R及び変換部31Lは、音信号を互いに同じ周波数帯域の音成分信号に分解する。
算出部32では、変換部31R及び変換部31Lから出力するそれぞれの周波数帯域の音成分信号を用いて以下の算出を行う。すなわち、算出部32は、特定の周波数より低周波側の音成分信号について、一方の変換部31Rからの音成分信号と他方の変換部31Lからの音成分信号との位相差を算出する。また、算出部32は、特定の周波数より高周波側の音成分信号について、一方の変換部31Rからの音成分信号と他方の変換部31Lからの音成分信号との音圧差を算出する。これら位相差の算出及び音圧差の算出は、所定の周波数帯域ごとに行う。なお、上記の特定の周波数は、一対のマイクロホン10R,10L間の距離等により適宜設定することができるが、上記の位相差が±πラジアン以上とならない周波数が好ましい。本実施形態のように一方のマイクロホン10Rが使用者の右の耳に装着され、他方のマイクロホン10Lが使用者の左の耳に装着される場合、特定の周波数は例えば1000Hzとされる。
ここで、判定部33の動作を説明するためにメモリ40について説明する。点音源から発して一対のマイクロホン10R,10Lに入力するそれぞれの音の位相差と音圧差は、点音源の方向を示す角度及び点音源からの音の周波数に応じて変化する。
具体的には、上記特定の周波数より低周波側において、図示せぬ点音源からの音が一対のマイクロホン10R,10Lに入力する場合に、点音源の方向を示す角度と算出部32から出力する位相差との関係が図2のようになる。そこで、メモリ40には、算出部32から出力する位相差の上限値と下限値が、上記の所定の周波数帯域の中心周波数毎に予め記憶されている。表1はこの関係を表にしたものである。なお、本実施形態における点音源の方向を示す角度とは、一対のマイクロホン10R,10Lの中間点と点音源とを結ぶ直線と、一対のマイクロホン10R,10Lを結ぶ直線の垂直二等分線とがなす角度を意味している。本実施形態では、帯域幅が125Hzで、中心周波数が125Hz,250Hz,375Hz,500Hz,625Hz,750Hzのそれぞれの周波数帯域について、中心周波数毎に位相差の上限値と下限値が記憶されている。例えば本実施形態のメモリ40における中心周波数が750Hzのテーブルを参照すると、上限値が3.1ラジアン、下限値が−3.1ラジアンとされている。
Figure 2016039521
また、上記特定の周波数より高周波側において、上記点音源からの音が一対のマイクロホン10R,10Lに入力する場合に、点音源の方向を示す角度と算出部32から出力する音圧差との関係が図3のようになる。そこで、メモリ40には、算出部32から出力する音圧差の上限値と下限値が、上記の所定の周波数帯域の中心周波数毎に予め記憶されている。表2はこの関係を表にしたものである。本実施形態では、帯域幅が約500Hzで、中心周波数が1250Hz,1750Hz,2250Hz,2750Hz,3250Hz,3750Hzのそれぞれの周波数について、音圧差の上限値と下限値が記憶されている。例えば本実施形態のメモリ40における中心周波数が2250Hzの周波数帯域のテーブルを参照すると、上限値が18dB、下限値が−19dBとされている。
Figure 2016039521
判定部33は、上記の特定の周波数よりも低周波側において、算出部32で求めた周波数毎の位相差とメモリ40に記憶された周波数毎の位相差の上限値及び下限値のうち算出部32で求めた位相差に近い方との比を算出する。そして、この比が所定の値よりも大きくなる周波数を、風雑音である周波数としてカウントする。また、判定部33は、上記の特定の周波数よりも高周波側において、算出部32で求めた周波数毎の音圧差とメモリ40に記憶された音圧差上限値及び下限値のうち算出部32で求めた音圧差に近い方との比を算出する。そして、この比が所定の値よりも大きくなる周波数を、風雑音である周波数としてカウントする。マイクロホン10R,10Lに風雑音が入る場合、その音の周波数帯域における音成分信号の位相差や音圧差は、メモリ40に記憶されている位相差や音圧差の上限値及び下限値の絶対値に比べて、十分に大きくなる。従って、上記の判定により、マイクロホン10R,10Lに入力する風雑音の周波数帯域を抽出することができる。ここで抽出された周波数帯域は、風雑音が支配的な周波数帯域と考えることができる。判定部33は、具体的に以下のようにして、上記周波数帯域の抽出を行う。
判定部33は、まず、上記の特定の周波数より低周波側において、それぞれの周波数ごとに、予めメモリ40に記憶されている位相差の上限値又は下限値と算出部32から出力する位相差の比を算出する。算出部32から出力される位相差が正の場合にはメモリ40に記憶された上限値との比を算出し、算出部32から出力される位相差が負の場合にはメモリ40に記憶された下限値との比を算出する。そして判定部33は、特定の周波数より低周波側において、求めた比が第1の所定値より大きい周波数帯域の数をカウントする。この第1の所定値は、例えば、1.4とされる。例えば、中心周波数が500Hzの周波数帯域において、算出部32で求められた位相差が−5ラジアンである場合に、メモリ40に記憶されている位相差の下限値が−2.2ラジアンであるため、上記比は、約2.3となり、上記第1の所定値より大きい。従って、この場合、中心周波数が125Hzの周波数帯域は風雑音としてカウントされる。
また、判定部33は、上記の特定の周波数より高周波側では、それぞれの周波数ごとに、予めメモリ40に記憶されている音圧差の上限値又は下限値と算出部32から出力する音圧差の比を算出する。算出部32から出力される音圧差が正の場合にはメモリ40に記憶された上限値との比を算出し、算出部32から出力される音圧差が負の場合はメモリ40に記憶された下限値との比を算出する。そして、判定部33は、特定の周波数より高周波側において、求めた比が第2の所定値より大きい周波数帯域の数をカウントする。なお、単位がデシベルの場合、比を求めるには、メモリ40に記憶されている音圧差の上限値又は下限値と算出部32から出力する音圧差との差が比となる。この第2の所定値は、例えば、20dBとされる。例えば、中心周波数が2250Hzの波長帯域において、算出部32で求められた音圧差が50dBである場合に、メモリ40に記憶されている音圧差の上限値が18dBであるため、上記差は、32dBとなり、上記第2の所定値より大きい。従って、この場合、中心周波数が2250Hzの周波数帯域はカウントされる。
次に、判定部33は、特定の周波数より低周波側でカウントした周波数帯域の数と、特定の周波数より高周波側でカウントした周波数帯域の数との合計が、第3の所定数より多いか否かを判断する。風雑音の周波数帯域は広いため、カウントした周波数帯域の数の合計が所定の数より多い場合、風雑音があると考えることができる。一方、カウントした周波数帯域の数の合計が所定の数以下の場合、風雑音が無視できる程度であると考えることができる。この所定の数は、上記のように周波数帯域の数が低周波側で6つであり、高周波側で6つの場合、例えば、5つとされる。
カウントした周波数帯域の数の合計が所定の数より多い場合、判定部33は、次のようにフィルタゲインを算出する。
判定部33で算出した比が、所定値より大きければ大きいほど、その周波数帯域は風雑音が支配的であると考えられる。また、判定部33でカウントした周波数の個数が大きければ大きいほど、広帯域の風雑音であると考えられる。また、周波数毎に所定時間に加算したカウント数の合計が大きければ大きいほど、風雑音が持続していると考えられる。判定部33では、算出した比に基づき、風雑音を抑制するためのフィルタ部34のフィルタゲインを決定し、カウントした周波数の個数が所定値より大きい場合に、音信号成分にフィルタをけるように制御することができる。
カウントした周波数帯域の数の合計が所定の数より多い場合、フィルタ部34では、少なくともカウントされた周波数帯域に対して、変換部31R及び31Lから出力された音成分信号にフィルタをかける。例えば、フィルタ部34は、比が所定値より大きい周波数帯域の音成分信号のゲインを低減する。例えば、フィルタ部34において抽出された周波数帯域の音成分信号のゲインの低減量を上記の比の大きさに比例させる。
一方、カウントした周波数帯域の数の合計が所定の数以下の場合、フィルタ部34では、全ての周波数帯域に対して音成分信号を減衰させない。
フィルタ部34から出力する音成分信号は、補聴処理部35にて使用者の聴こえにあわせるため、帯域毎のゲイン調整や出力制限などの補聴処理が施される。補聴処理部35で補聴処理された音成分信号のうちマイクロホン10Rの音信号に基づく各周波数帯域の音成分信号は、逆変換部36Rに入力して音信号に合成され、フィルタ部34から出力する音成分信号のうちマイクロホン10Lの音信号に基づく各周波数帯域の音成分信号は、逆変換部36Lに入力して音信号に合成される。上記のように変換部31R,31Lにおいて高速フーリエ変換が用いられる場合、逆変換部36R,36Lでは、逆フーリエ変換(IFFT)が用いられる。そして、それぞれの合成された音信号がDSP30から出力する。
逆変換部36Rから出力した音信号はD/Aコンバータ50Rに入力し、逆変換部36Lから出力した音信号はD/Aコンバータ50Lに入力して、それぞれの音信号がデジタル信号からアナログ信号に変換されて出力する。
D/Aコンバータ50Rから出力した音信号は、図示せぬ増幅器で増幅されて、イヤホン60Rから出力し、D/Aコンバータ50Lから出力した音信号は、図示せぬ増幅器で増幅されて、イヤホン60Lから出力する。なお、一方のイヤホン60Rは一方のマイクロホン10Rが配置される筺体内に配置され、使用者の一方の耳に装着される。また、他方のイヤホン60Lは他方のマイクロホン10Lが配置される筺体内に配置され、使用者の他方の耳に装着される。
以上説明したように本実施形態の音信号処理装置によれば、マイクロホン10R,10Lに入力する音の位相差や音圧差と、メモリ40に記憶されている位相差や音圧差の上限値及び下限値とを比較して、風雑音の有無を判定し抑制する。
また、特定の周波数より低周波側では、マイクロホン10R,10Lに入力する音の位相差とメモリ40に記憶されている位相差の上限値又は下限値との比を算出し、特定の周波数より高周波側では、マイクロホン10R,10Lに入力する音の音圧差とメモリ40に記憶されている音圧差の上限値又は下限値との比を算出している。低周波側では音の波長が長く、2つのマイクロホン10R,10Lに入力する音の位相差が±πラジアン以上となりづらいため、低周波側で位相差を用いることで、風雑音が支配的な周波数帯域を安定して抽出できる。一方、高周波側では音の回折が小さく、それぞれのマイクロホンに入力する音の音圧差を出し易いため、高周波側で音圧差を用いることで、風雑音が支配的な周波数帯域を安定して抽出できる。こうして、安定して風雑音を抑制することができる。
また、本実施形態の音信号処理装置では、判定部33は、算出部32から出力する位相差や音圧差とメモリ40の位相差や音圧差の上限値又は下限値との比が所定の値より大きい周波数帯域の数が、所定の数より多い場合に、当該周波数帯域にフィルタをかける。一方、当該差が所定の数以下の場合にはフィルタもかけない。従って、風雑音が少ない環境において、無駄にフィルタをかけることを防止することができる。
また、本実施形態の補聴器は、音信号処理装置において、安定して風雑音を抑制することができるので、風がある環境でも良好に使用することができる。
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、特定の周波数よりも低周波側では位相差を用い、特定の周波数よりも高周波側では音圧差を用いて、メモリ40に記憶された位相差や音圧差の上限値或いは下限値との比を求めた。しかし、本発明は、特定の周波数よりも低周波側では位相差を用いて特定の周波数よりも高周波側では音圧差を用いていればよく、特定の周波数よりも低周波側で更に音圧差を用いたり、特定の周波数よりも高周波側で更に位相差を用いる周波数帯域があっても良い。
以下、シミュレーション例を挙げて本発明の効果をより具体的に説明するが、本発明は本シミュレーション例に限定されるものでは無い。
図4は、本シミュレーションにおいて、図1のDSP30に入力する音信号を示す図である。具体的には、図4(A)は変換部31Rに入力する音信号を示し、図4(B)は変換部31Lに入力する音信号を示す。この音信号には点音源から発する音声信号と風雑音とが含まれている。ただし、2.0秒から3.0秒まで、5.0秒から6.0秒までは、変換部31R、31Lに風雑音が入力せず、音声信号のみが入力するものとした。
また、図5(A)、図5(B)は、図4(A)、図4(B)において風雑音を除去し音声信号のみを抽出した様子を図4と同様の方法で示す図である。
図6(A)は逆変換部36Rから出力する音声信号を図4と同様の方法で示す図であり、図6(B)は逆変換部36Lから出力する音声信号を図4と同様の方法で示す図である。図6から明らかなように、風雑音がDSP30に入力し始める0秒、3.0秒,6.0秒の直後では、DSP30から出力する信号は風雑音の影響を受けるが、これらのタイミングから時間が経過するにつれて、いずれも風雑音の影響が少なくなり、図5の音声信号に近づいていることが分かる。
本シミュレーションの結果から本発明によれば、安定して風雑音を抑制することができることが示された。
以上説明したように、本発明によれば、安定して風雑音を抑制することができる音信号処理装置が提供され、これを用いた補聴器やレコーダー等の分野において利用することができる。
10R,10L・・・マイクロホン
20R,20L・・・A/Dコンバータ
30・・・DSP
31R,31L・・・変換部
32・・・算出部
33・・・判定部
34・・・フィルタ部
35・・・補聴処理部
36R,36L・・・逆変換部
40・・・メモリ
50R,50L・・・D/Aコンバータ
60R,60L・・・イヤホン

Claims (3)

  1. 一対のマイクロホンから出力するそれぞれの音信号を所定の周波数帯域毎に分解された音成分信号に変換する変換部と、
    特定の周波数より低周波側の前記音成分信号について、一方の前記マイクロホンからの前記音信号に基づく前記音成分信号と他方の前記マイクロホンからの前記音信号に基づく前記音成分信号との位相差を前記所定の周波数帯域毎に算出すると共に、前記特定の周波数より高周波側の前記音成分信号について、一方の前記マイクロホンからの前記音信号に基づく前記音成分信号と他方の前記マイクロホンからの前記音信号に基づく前記音成分信号との音圧差を前記所定の周波数帯域毎に算出する算出部と、
    予め、点音源からの音が前記一対のマイクロホンに入力する場合に前記点音源からの音に基づく前記位相差の上限値及び下限値が、前記特定の周波数よりも低周波側について前記所定の周波数帯域毎に記憶されると共に、前記点音源からの音に基づく前記音圧差の上限値及び下限値が、前記特定の周波数よりも高周波側について前記所定の周波数帯域毎に記憶されるメモリと、
    前記特定の周波数よりも低周波側において、前記算出部で求めた前記位相差と前記メモリに記憶された前記位相差の前記上限値及び前記下限値のうち前記算出部で求めた前記位相差に近い方との比が第1の所定値よりも大きい周波数帯域をカウントすると共に、前記特定の周波数よりも高周波側において、前記算出部で求めた前記音圧差と前記メモリに記憶された前記音圧差の前記上限値及び前記下限値のうち前記算出部で求めた前記音圧差に近い方との比が第2の所定値よりも大きい周波数帯域をカウントする判定部と、
    前記判定部でカウントされた周波数帯域の数が第3の所定値よりも大きい場合に、少なくとも前記判定部でカウントされた周波数帯域の前記音成分信号にフィルタ処理を施すフィルタ部と
    を備える
    ことを特徴とする音信号処理装置。
  2. 前記フィルタ部は、前記判定部でカウントされた前記周波数帯域の前記音成分信号に対して、前記比に基づいてフィルタ部のゲインを低減する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音信号処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の音信号処理装置を備え、
    前記一対のマイクロホンが左右それぞれの耳に装着される
    ことを特徴とする補聴器。


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